JP3282097B2 - 鋳鉄管用粉体塗料 - Google Patents

鋳鉄管用粉体塗料

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JP3282097B2
JP3282097B2 JP01685098A JP1685098A JP3282097B2 JP 3282097 B2 JP3282097 B2 JP 3282097B2 JP 01685098 A JP01685098 A JP 01685098A JP 1685098 A JP1685098 A JP 1685098A JP 3282097 B2 JP3282097 B2 JP 3282097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳鉄管の内外面の
塗装に適した粉体塗料、更に詳しくは、密着性、防食
性、耐薬品性および機械的特性に優れ、また、速硬化性
でなおかつ貯蔵安定性に優れる鋳鉄管用粉体塗料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上下道管、工業用水管、ガス管など広く
使用されている鋳鉄管類は土中埋設による外面腐食や流
体による内面腐食を防止するため塗装が施されている。
【0003】近年、この鋳鉄管の内面腐食防止用の塗料
として、優れた防食性、密着性、耐水性、耐薬品性およ
び機械的特性よりエポキシ粉体塗料により塗装されるケ
ースが増加している。
【0004】この様なエポキシ粉体塗料としては、従来
から防食性に優れる点から固形ビスフェノール型エポキ
シ樹脂が広く用いられており、また、硬化剤としてイミ
ダゾール又はイミダゾリンが一般的に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の固形ビ
スフェノール型エポキシ樹脂と、イミダゾール又はイミ
ダゾリンとから構成される鋳鉄管用粉体塗料は、塗料の
貯蔵安定性が悪く、長期保存時にゲル化を生じ易く、そ
の為、熱塗装時の成膜性がなくなったり、流れ性低下に
よる塗装斑が発生して、その結果、塗装後の鋳鉄管にお
いて防食性が発現されない、という致命的な課題を有す
るものであった。また、粉体塗料は、粉末状で保存する
為に、ゲル化を生じても発見が難しく、実際の塗装に供
するまで判別できない、という取り扱い上の煩わしさが
あった。
【0006】従って、本発明が解決しようとする課題
は、防食性に優れる固形ビスフェノール型エポキシ樹脂
を使用し乍らも、長期保存してもゲル化を発生させな
い、所謂、貯蔵安定性に優れる鋳鉄管用粉体塗料を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、鋳鉄管用粉体塗料に用い
、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂として、エピク
ロルヒドリンとグリシドールとを、重量比率で前者/後
者=(2〜10)/(98〜90)なる割合で用いた混
合物をビスフェノール類と反応させて得られる液状ビス
フェノール型エポキシ樹脂を得、次いでこれとビスフェ
ノール類とを反応させて得られる、αグリコール量が
0.03〜0.07meq/gで、かつ、加水分解性塩素が
200ppm以下のものを用い、かつ、硬化剤として有
機酸ヒドラジドを用いることによって、貯蔵安定性を飛
躍的に改善できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】即ち、本発明は、エピクロルヒドリンとグ
リシドールとを、重量比率で前者/後者=(2〜10)
/(98〜90)なる割合で用いた混合物をビスフェノ
ール類と反応させて得られる液状ビスフェノール型エポ
キシ樹脂とビスフェノール類との反応生成物であっ
て、αグリコール量が0.03〜0.07meq/gで、か
つ、加水分解性塩素が200ppm以下の固形ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂(A)と、有機酸ヒドラジド
(B)とを必須成分とすることを特徴とする鋳鉄管用粉
体塗料に関する。
【0009】本発明で用いる固形ビスフェノール型エポ
キシ樹脂(A)は、αグリコール量が0.03〜0.0
7meq/gで、かつ、加水分解性塩素が200ppm以下
のものであり、この条件において、貯蔵安定性が極めて
優れたものとなる。即ち、加水分解性塩素が200pp
m以下の領域において貯蔵安定性の改善効果が顕著なも
のとなる。一方、加水分解性塩素量が200ppm以下
であっても、αグリコール量が0.03meq/gより低い
場合、そして、0.07meq/gより高い場合、貯蔵安定
性は発現されない。
【0010】ここで、αグリコールとは、固形ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂(A)の分子末端のエポキシ基が
加水分解により開環した構造を有する2,3−ジヒドロ
キシプロピル基の構造を表わす。
【0011】また、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂
(A)は、前記貯蔵安定性に加え、硬化性も極めて良好
なものとなる。ここで特筆すべきは、固形ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂(A)が、αグリコール量0.03〜
0.07meq/gと高いにも係わらず、優れた硬化性を発
現する点にある。即ち、一般にビスフェノール型エポキ
シ樹脂は、αグリコール量が小さい方が、硬化性は良好
となるが、本発明においては、従来よりも高いαグリコ
ール量0.03〜0.07meq/gであるにも係わらず、
驚くべきことに優れた硬化性を発現する。従って、αグ
リコール量が0.03〜0.07meq/gで、かつ、加水
分解性塩素量が200ppm以下である固形ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂(A)は、貯蔵安定性と共に硬化性
とを兼備させることができる。
【0012】また、粉体塗料の硬化性と貯蔵安定性との
バランスが一層優れたものとなり、特に貯蔵安定性が良
好となる点から、αグリコール量は0.03〜0.07
meq/gの範囲で、かつ、加水分解性塩素は100ppm以
下であることが好ましい。
【0013】また、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂
(A)のエポキシ当量は特に制限されるものではない
が、耐ブロッキング性、粉体塗料化の容易さの点から5
00g/eq〜1500g/eqであることが好ましく、特に
これらの効果が顕著である点からエポキシ当量740g
/eq〜1300g/eqであることが好ましい。
【0014】この様な固形ビスフェノール型エポキシ樹
脂(A)としては、常温で固形のものであれば特に制限
されないものであるが、具体的には、例えばビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、テ
トラブロモビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げら
れる。これらの中でも特に本発明の効果がより顕著にな
る点からビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
【0015】また、上記固形ビスフェノール型エポキシ
樹脂(A)は、エピクロルヒドリンとグリシドールと
を、重量比率で前者/後者=(2〜10)/(98〜9
0)なる割合で用いた混合物をビスフェノール類と反応
させて得られる液状ビスフェノール型エポキシ樹脂を
得、次いでこれとビスフェノール類とを反応させて得ら
れる、所謂二段法にて製造したものである。
【0016】
【0017】かかる二段法としては、例えばエピクロ
ルヒドリンを予めアルカリ金属水酸化物と反応させて、
エピクロルヒドリンとグリシドールとの混合物とし、次
いで、これをビスフェノール類と反応させて中間液状エ
ポキシ樹脂を得、次いで、これをビスフェノール類で高
分子量化する方法が特にαグリコール量の調整が容易で
ある点から好ましい。
【0018】
【0019】以下に上記二段法について更に詳述する。
即ち、該二段法は、エピクロルヒドリンとアルカリ金属
水酸化物水溶液とを反応させてエピクロルヒドリンとグ
リシドールとの混合物を得(工程1)、該混合物とビス
フェノール類とをアルカリ金属水酸化物の存在下に反応
させて中間液状エポキシ樹脂を得(工程2)、次いで、
該中間液状エポキシ樹脂をビスフェノール類と反応させ
て高分子量化する(工程3)ものである。
【0020】工程1におけるエピクロルヒドリンとアル
カリ金属水酸化物水溶液との反応条件としては、特に制
限されるものではないが、エピクロルヒドリンと1〜2
0%のアルカリ金属水酸化物の水溶液を70〜100
℃、好ましくは85〜95℃で接触させる方法が挙げら
れ、このように反応させることにより容易にグリシドー
ルとエピクロルヒドリンとの混合物を生成することがで
きる。該混合物中のグリシドールとエピクロルヒドリン
との存在比は重量比率で、前者/後者=(2〜10)
/(98〜90)である。かかる存在比とすることで、
生成エポキシ樹脂中のα−グリコール含有量の調整が容
となる。
【0021】次いで、工程2として、得られたエピクロ
ルヒドリンとグリシドールとの混合物とビスフェノール
類とをアルカリ金属水酸化物の存在下に反応させる。こ
こで、具体的な方法としては、特に制限されないが、生
産性の点から、工程1の反応終了後、そのまま該反応容
器にビスフェノール類を加えて溶解し、次いで、アルカ
リ金属水酸化物を添加する方法が挙げられる。
【0022】エピクロルヒドリンとグリシドールとの混
合物と、ビスフェノール類との反応割合は、特に制限さ
れないが、モル比で前者/後者=5〜20あること
が、目的とするα−グリコール量の調整が容易で、か
つ、エポキシ当量を低減できる点で好ましい。
【0023】この際、グリシジルエーテル化の反応とし
ては、具体的には、 工程2の1:ビスフェノール類とグリシドールを含有し
たエピクロルヒドリン中に、常圧又は減圧下、70〜1
10℃で5〜50%アルカリ金属水酸化物の水溶液を連
続的に添加し、3〜5時間反応させた後、有機溶媒及び
水を加え、生成した塩化ナトリウムを分液除去し、 工程2の2:次いで、有機層に5〜50%アルカリ金属
水酸化物の水溶液を加え、70〜100℃、1〜2時間
反応させ、反応終了後、副生したアルカリ金属塩を水を
加えて溶解して除き、更に、エピクロルヒドリンを蒸留
により回収し、目的とする中間液状エポキシ樹脂を製造
することができる。
【0024】この際、工程2の2におけるアルカリ金属
水酸化物水溶液の使用量を調整することによって、中間
液状エポキシ樹脂中の加水分解塩素量を調整することが
でき、それによって最終的に得られる固形ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂(A)中の加水分解塩素量を調整でき
る。
【0025】具体的には、固形ビスフェノール型エポキ
シ樹脂(A)中の加水分解塩素量を200ppm以下に
する為には、中間液状エポキシ樹脂中の加水分解塩素量
を300ppm以下にすることが好ましく、その場合、
工程2の2におけるアルカリ金属水酸化物水溶液の使用
量を、工程2の1で得られた粗エポキシ樹脂中の塩素原
子に対して1.3〜2.0当量となる割合にすることが
好ましい。また、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂
(A)中の加水分解塩素量を100ppm以下にするに
は、中間液状エポキシ樹脂中の加水分解塩素量を160
ppm以下にすることが好ましく、その場合、工程2の
2におけるアルカリ金属水酸化物水溶液の使用量を、工
程2の1で得られた粗エポキシ樹脂中の塩素原子に対し
て1.5〜2.0当量となる割合にすることが好まし
い。
【0026】ここで、使用し得るビスフェノール類は、
特に制限されず、例えば、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノ
ールA等が挙げられる。これらのなかでも、本発明の効
果が顕著になる点からビスフェノールAが好ましい。
【0027】また、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂
(A)中のαグリコール含有量を0.03〜0.07me
q/gの範囲にするには、工程2で得られる中間液状エ
ポキシ樹脂は、α−グリコール含有量が、0.04〜
0.1meq/gであることが好ましい。その他、生成した
中間液状エポキシ樹脂の性状は、特に制限されるもので
はないが、エポキシ当量160〜230g/eq、なかでも
170〜210g/eq、粘度1,000〜100,000
cps、なかでも3,000〜40,000cpsの範
囲が、また、工程3の高分子量化反応における取り扱い
が容易である点から好ましい。
【0028】次に、工程3として、中間液状エポキシ樹
脂に更にビスフェノール類を反応させることによって、
より高分子量で、かつ、α−グリコール量の高いエポキ
シ樹脂を得ることができる。
【0029】反応方法としては、特に制限されるもので
はないが、中間液状エポキシ樹脂とビスフェノール類を
反応容器に仕込み、反応触媒を加え、不活性ガス封入下
で撹拌しながら加熱し、撹拌しながら反応させる方法が
挙げられる。
【0030】ここで、使用し得るビスフェノール類は、
特に制限されず、例えば、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノ
ールA等が挙げられる。これらのなかでも、本発明の効
果が顕著になる点からビスフェノールAが好ましい。
【0031】工程3の反応に使用される反応触媒として
は、特に制限されるものではないが、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、
炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩類、トリブチルアミ
ン等のアミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィ
ン類等、エポキシ基とフェノール性水酸基の反応に使用
される触媒が何れも使用できる。
【0032】この反応の反応温度は100〜250℃で
あることが好ましい。即ち、100℃以上では反応の進
行が速く、反応長時間が短くなる他、250℃以下では
エポキシ基の副反応が起こりにくく、目的とするエポキ
シ当量への調整が容易になる。
【0033】この様にして得られる固形ビスフェノール
型エポキシ樹脂(A)は、α−グリコール含有量が0.
03〜0.07meq/gで、かつ、加水分解性塩素が20
0ppm以下の範囲となり、貯蔵安定性が飛躍的に改善
される。
【0034】また、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当
量や溶融粘度は、中間液状エポキシ樹脂とビスフェノー
ル類との仕込み比率や、樹脂構造に依存するため特に制
限されないが、防食性や耐ブロッキング性に優れ、か
つ、粉体塗料の製造が容易である点から、既述の通り、
エポキシ当量500〜1500g/eq、なかでも74
0〜1300g/eq、希釈粘度(樹脂分40%ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル溶液での25℃にお
けるガードナー粘度)でC〜Z9、なかでもX〜Z7の
範囲が好ましい。
【0035】また、得られた固形ビスフェノール型エポ
キシ樹脂(A)は、既述の通り、α−グリコール含有量
が0.03〜0.07meq/gの範囲で、かつ、加水分解
性塩素量が、200ppm以下であるが、更に、粉体塗
料の硬化性と貯蔵安定性とのバランスが一層優れたもの
となる点から、αグリコール量は0.03〜0.07me
q/gの範囲で、かつ、加水分解性塩素は100ppm以下
であることが好ましい。
【0036】また、本発明の鋳鉄管用粉体塗料において
は、上記固形ビスフェノール型エポキシ樹脂に加え、更
に、効果を損なわない範囲で、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のその他の
多官能性エポキシ樹脂を併用してもよい。
【0037】次に、硬化剤として用いる有機酸ヒドラジ
ド(B)としては、特に限定されず、例えば、コハク酸
ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラ
ジド、イソフタル酸ヒドラジド等が挙げられる。本発明
においては、有機酸ヒドラジド(B)を使用することに
より、貯蔵安定性が飛躍的に向上する他、焼き直しの際
の黄変性が著しく改善される。
【0038】上記した有機酸ヒドラジド(B)の使用量
は特に制限されるものではないが、当量基準で、(粉体
塗料中の全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基)/(有機
酸ヒドラジド(B)中の活性水素)=1.0/0.6〜
1.0/1.2となる割合であることが好ましい。
【0039】また、必要に応じて硬化進剤を併用しても
よい。硬化促進剤としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、コハク酸、アジピン酸、サリチル酸、ス
ベリン酸、セバシン酸等の有機酸類等が好ましく使用で
きる。
【0040】本発明の鋳鉄管用粉体塗料は、必要に応じ
て体質顔料/又は着色材、例えば硫酸バリウム、酸化チ
タン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、シリ
カ、マイカ、アルミナ、カーボンブラック、フタロシア
ニングリーン、フタロシアニンブルーなどを配合するこ
とができる。これらの体質顔料/又は着色材の使用量は
特に限定されるものではないが、粉体塗料中10〜50
重量%となる範囲であることが好ましい。
【0041】上記各成分から粉体塗料を製造するには、
通常の方法にて行うことができる。即ち、固形ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)に、更に
必要に応じ、その他の多官能エポキシ樹脂、体質顔料/
又は着色材、その他の添加剤などを粗粉砕、配合し、こ
の配合物をヘンシェルミキサーなどを用いて十分に粉
砕、混合した後加熱されたエクストゥルーダーを用いて
溶融混練し、冷却後粉砕、分級して得られる。
【0042】この様にして得られる本発明の鋳鉄管用粉
体塗料は、平均粒子径20〜150であることが好まし
い。
【0043】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳述するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】合成例1 [工程1]撹拌機、温度計、冷却器付きデカンターを付
したフラスコにエピクロルヒドリン370g(4モル)
と3%水酸化ナトリウム111gを入れ90℃で2時間
分撹拌した。
【0045】撹拌を停止し、エピクロルヒドリン層をサ
ンプリングし、グリシドール含有量を測定した所、4.
5%であった。 [工程2の1]水層を分離除去した後、ビスフェノール
A228g(1モル)を加え溶解し、それに、減圧下、
70℃で48%水酸化ナトリウム水溶液158g(1.
9モル)を撹拌しながら適下した。その間、フラスコを
加熱し続け、エピクロルヒドリンをフラスコ内に戻し続
けた。
【0046】更に、30分間撹拌を続けた後、エピクロ
ルヒドリンを150℃で蒸留回収後、トルエン440g
と水170g加え、生成した塩化ナトリウムを溶解し撹
拌を止め、分液により塩化ナトリウム水層を除去した。
【0047】[工程2の2]次に、5%水酸化ナトリウ
ム水溶液115gを加え、80℃にて1時間撹拌後、撹
拌を止め、分液により水層を除去した。更に、水170
gを加えて水洗し、水層を棄却した後、脱水、濾過工程
を経てトルエンを蒸留回収、中間物である液状エポキシ
樹脂を得た。この中間液状エポキシ樹脂性状は表1の通
りであった。
【0048】[工程3]四つ口フラスコに、上記手法で
合成した液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂70.4
重量部に、ビスフェノールA39.6重量部を採り、水
酸化ナトリウム100ppmを添加し、窒素気流下140
℃で8時間加熱撹拌した。得られた樹脂は、エポキシ当
量910g/eq,粘度S−T(不揮発分40%フ゛チルカルヒ゛トール溶
液でのカ゛ート゛ナー粘度)、融点100℃であった。
【0049】合成例2 工程1における、エピクロルヒドリンと3%水酸化ナト
リウムの反応時間を3時間とし、工程2の2における、
5%水酸化ナトリウム水溶液の使用量を100gとする
以外は、合成例1と同様の工程操作を用い中間物である
液状エポキシ樹脂を得た。この中間液状エポキシ樹脂性
状は表−1の通りであった。
【0050】次いで、工程3として、この液状ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、及び、ビスフェノールAを表
1の仕込み比率で用い、合成例1と同様にして反応を行
い、樹脂2を得た。合成物性状は表1の通りであった。
【0051】合成例3 工程2の2における、5%水酸化ナトリウム水溶液の使
用量を100gとする以外は、合成例1と同様の工程操
作を用い中間液状エポキシ樹脂を得た。この中間液状エ
ポキシ樹脂性状は表1の通りであった。
【0052】次いで、工程3として、この液状ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、及び、ビスフェノールを表1
の仕込み比率で用い、合成例1と同様にして反応を行
い、樹脂3を得た。合成物性状は表1の通りであった。
【0053】合成例4 工程2の2における、5%水酸化ナトリウム水溶液の使
用量を85gとする以外は、合成例1と同様の工程操作
を用い中間液状エポキシ樹脂を得た。この中間液状エポ
キシ樹脂性状は表1の通りであった。
【0054】次いで、工程3として、この液状ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、及び、ビスフェノールAを表
1の仕込み比率で用い、合成例1と同様にして反応を行
い、樹脂4を得た。合成物性状は表1の通りであった。
【0055】合成例5 工程3において、市販の液状ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(「EPICLON 840S」大日本インキ化
学工業社製、EE=184)、及び、ビスフェノールAを
表1の仕込み比率で用い、合成例1と同様にして反応を
行い、樹脂5を得た。合成物性状は表1の通りであっ
た。
【0056】合成例6 工程1における、エピクロルヒドリンと3%水酸化ナト
リウムの反応時間を3.5時間とする以外は、実施例1
と同様の工程操作を用い中間物である液状エポキシ樹脂
を得た。この中間液状エポキシ樹脂性状は表1の通りで
あった。
【0057】次いで、工程3として、この液状ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、及び、ビスフェノールAを表
1の仕込み比率で用い、合成例1と同様にして反応を行
い、樹脂6を得た。合成物性状は表1の通りであった。
【0058】
【表1】
【0059】実施例1〜4及び比較例1〜5 表2及び表3に記載の成分を粗粉砕したのち、表2及び
表3に記載の割合で配合し、ヘンシェルミキサーを用い
て充分に粉砕、混合した。その後、110℃に加熱され
たエクストルーダーを用いて溶融混練し、押出し、冷却
後粉砕、分級して粒径20〜50μmの粉体塗料を得
た。
【0060】得られた粉体塗料を用いて、各実施例並び
に比較例のゲルタイム、貯蔵安定性、硬化塗膜の外観、
耐衝撃試験、エリクセン試験、塩水噴霧テスト、耐水性の
評価を以下の基準に従って行った。
【0061】尚、硬化塗膜の外観、耐水性の試験は、得
られた粉体塗料を150mm×70mm×7.0mmの大きさ
のダクタイル鋳鉄片にショットブラストを行い酸化スケ
ールを除去した後、150〜180℃に加熱した試験片
の表面に吹き付け塗装したのち放冷して、厚さ80〜1
20μmの塗膜を形成して評価を行った。
【0062】また、耐衝撃試験及び塩水噴霧試験は、1
50mm×70mm×2.0mmの鋼板を、エリクセン試験
は、90mm×90mm×1.2mmの鋼板を用い、同様にし
てそれぞれ80〜120μmの塗膜を形成して評価を行
った。
【0063】(ゲルタイム)170℃でキュアプレート
で測定 (貯蔵安定性)[40℃1週間保持後のゲルタイム/調
整直後のゲルタイム]×100 (耐衝撃試験)JIS K 5400-1990の8・3・
2(デュポン式衝撃試験)により試験した。 (エリクセン試験)JIS Z 2247のA法により
評価した。 (塩水噴霧試験)塗膜面に基材に達する傷を入れ、35
℃で5%NaCl水溶液を500時間連続噴霧して塗膜
の状態および傷口にナイフをいれてのクリープの剥離幅
を調べた。 (イエローインデックス:YI)JIS Z 8730
に基づき計算し、再加熱前後での黄変を調べた。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】(表中、「EPICLON 4050」は、大日本イ
ンキ化学工業社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂,EE
=950,αグリコール量0.08meq/g,加水分解性塩素
量250ppm、「EPICLON N-690」は大日本インキ化学
工業社製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂,EE=20
0,7.3核体、「ADH」はアジピン酸ジヒドラジド,活
性水素当量43.5)
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、防食性に優れる固形ビ
スフェノール型エポキシ樹脂を使用し乍らも、長期保存
してもゲル化を発生させない、所謂、貯蔵安定性に飛躍
的に改善できる鋳鉄管用粉体塗料を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道浦 吉貞 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番地19 号 株式会社 栗本鐵工所内 (72)発明者 出口 隆亮 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番地19 号 株式会社 栗本鐵工所内 (72)発明者 花野 一仁 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番地19 号 株式会社 栗本鐵工所内 (72)発明者 斉藤 昌彦 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番地19 号 株式会社 栗本鐵工所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/03

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エピクロルヒドリンとグリシドールと
    を、重量比率で前者/後者=(2〜10)/(98〜9
    0)なる割合で用いた混合物をビスフェノール類と反応
    させて得られる液状ビスフェノール型エポキシ樹脂と
    ビスフェノール類との反応生成物であって、αグリコー
    ル量が0.03〜0.07meq/gで、かつ、加水分解性
    塩素が200ppm以下の固形ビスフェノール型エポキ
    シ樹脂(A)と、有機酸ヒドラジド(B)とを必須成分
    とすることを特徴とする鋳鉄管用粉体塗料。
  2. 【請求項2】 有機酸ヒドラジド(B)が、アジピン酸
    ジヒドラジドである請求項記載の鋳鉄管用粉体塗料。
  3. 【請求項3】 有機酸ヒドラジド(B)との使用量が、
    当量基準で、(粉体塗料中の全エポキシ樹脂成分中のエ
    ポキシ基)/(有機酸ヒドラジド(B)中の活性水素)
    =1.0/0.6〜1.0/1.2となる割合である請
    求項1又は2に記載の粉体塗料。
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