JP3390865B2 - 鋳鉄管用粉体塗料 - Google Patents

鋳鉄管用粉体塗料

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JP3390865B2 JP08594699A JP8594699A JP3390865B2 JP 3390865 B2 JP3390865 B2 JP 3390865B2 JP 08594699 A JP08594699 A JP 08594699A JP 8594699 A JP8594699 A JP 8594699A JP 3390865 B2 JP3390865 B2 JP 3390865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳鉄管の内外面の
塗装に適した粉体塗料、更に詳しくは、密着性、防食
性、耐水性、耐薬品性、機械的特性、および硬化性に優
れ、なおかつ耐ピンホール性に優れる鋳鉄管用粉体塗料
に関する。
【0002】
【従来の技術】上下水道管、工業用水管、ガス管など広
く流体輸送に使用されている鋳鉄管類は、土中埋設によ
る外面腐食や流体による内面腐食を防止するため内面塗
装が施されるのが通常であり、近年、この鋳鉄管の内面
腐食防止用の塗料として、防食性、密着性、耐水性、耐
薬品性および機械的特性に優れる点からエポキシ粉体塗
料が注目されている。
【0003】このエポキシ粉体塗料は、被塗物であるダ
クタイル鋳鉄管を200℃以上に予熱し、該粉体塗料を
その内面吹き付けることにより塗膜を形成させることか
ら一般にレベリング性が求められている。
【0004】一方、被塗物であるダクタイル鋳鉄管は、
鋳造時鋳鉄管内表面に引け巣が発生しやすく、又その製
造工程に水圧試験が組み込まれているため、引け巣内部
及び管表面に水分が残留する。よって、この鋳鉄管を2
00℃以上に加熱して粉体塗装をする場合、この水分が
ガス化し塗装後の加熱溶融された塗装被膜を突き抜け、
そのまま硬化し、結果としてピンホールを発生するとい
う問題を生ずる。よって、このピンホール発生防止に
は、硬化性を高めて、塗装後直ちに硬化させてガスを封
込めてピンホールの発生を抑制する方法が知られてい
る。また、現行200℃以上の予熱温度を150〜18
0℃へ低温化した硬化温度を下げることによりピンホー
ルの原因となるガス圧を低くする方法も知られている。
【0005】従来より、硬化性を向上させる技術とし
て、例えば、粉体塗料の主剤たるエポキシ樹脂とし
て、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂に、一部多官
能のノボラック型エポキシ樹脂を併用する技術が知られ
ており、一方、低温域でのレベリング流動性を改善した
技術として、同様に主剤として、固形ビスフェノール
A型エポキシ樹脂に、より低分子量のエポキシ樹脂を配
合して使用する技術が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の技
術を適用した場合、硬化性は改善されるものの、ノボラ
ック型エポキシ樹脂による架橋密度の上昇が起こり、流
動性に著しく劣り、そのため前記した低温条件下での使
用に供することは殆どできないものであった。また、
の技術を適用した場合、低温域での流動性は良好で低温
条件下での塗工が可能なもののものの、硬化性に著しく
劣り、その為、やはりピンホールの発生を招来してしま
うものであった。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、低温条
件下での流動性と硬化性とに優れ、鋳鉄管内面のピンホ
ール発生を良好に抑制できるエポキシ樹脂系の鉄管用粉
体塗料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、鋳鉄管用粉体塗料におけ
る主剤として、特定の分子構造を有するエポキシ樹脂を
用いることによって、予熱条件を低温条件下であっても
レベリング性及び硬化性に優れた鋳鉄管用粉体塗料が得
られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、フェノールとホルマリン
との重縮合体のポリグリシジルエーテルであって、2核
体成分を95重量%以上含有するエポキシ樹脂(a1)
と、フェノールと、ホルマリン、アセトン及びアセトア
ルデヒドから選択される化合物との重縮合体であって、
3核体以上の成分を5〜15重量%の割合で含有するフ
ェノール樹脂(a2)とを反応させて得られる固形エポ
キシ樹脂(A)と、硬化剤(B)とを必須成分とするこ
とを特徴とする鋳鉄管用粉体塗料に関する。
【0010】この様な固形エポキシ樹脂(A)として
は、前記の通り、フェノールとホルマリンとの重縮合体
のポリグリシジルエーテルであって、2核体成分を95
重量%以上含有するエポキシ樹脂(a1)と、フェノー
ルと、ホルマリン、アセトン及びアセトアルデヒドから
選択される化合物との重縮合体であって、3核体以上の
成分を5〜15重量%の割合で含有するフェノール樹脂
(a2)とを反応させて得られるものである。
【0011】ここで、フェノールとホルマリンとの重縮
合体のポリグリシジルエーテルであって、2核体成分を
95重量%以上含有するエポキシ樹脂(a1)とは、具
体的には、フェノールと、ホルマリンとの重縮合体であ
るフェノール樹脂に、エピクロルヒドリンを反応させて
得られるポリグリシジルエーテルであって、かつ、2核
体、即ちビスフェノールのジグリシジルエーテルを95
重量%以上含有するものが挙げられる。またエポキシ樹
脂(a1)中、5重量%未満で存在し得るものとして
は、ポリグリシジルエーテルにおいて、3核体以上の多
官能型エポキシ樹脂、或いは、2核体又は3核体以上の
重縮合体のグリシジルエーテルとの反応によって生成す
る高分子量体等が挙げられる。本発明においては、この
様にエポキシ樹脂(a1)中、ビスフェノールのジグリ
シジルエーテル成分を95重量%以上含有させることに
より得られるエポキシ樹脂(A)の架橋密度を適正範
囲に調整でき、低温条件下での流動性と硬化性とのバラ
ンスに優れたものとなる。
【0012】
【0013】次に、エポキシ樹脂(a1)と反応させる
フェノール樹脂(a2)とは、フェノールと、ホルマリ
ン、アセトン及びアセトアルデヒドから選択される化合
との重縮合体であって、3核体以上の成分を5〜15
重量%の割合で含有するものであるここで、3核体以
上の成分とは、いわゆるノボラック樹脂における3核体
以上の多官能成分をいい、これをフェノール樹脂(a
2)中5〜15重量%となる割合で含有させることによ
り低温硬化性を高めることができる。これらのなかでも
特に、本発明の効果が顕著になる点からフェノールとホ
ルマリンとの重縮合物であって、3核体以上の成分を5
〜15重量%の割合で含有するものが好ましい。
【0014】次に、エポキシ樹脂(a1)とフェノール
樹脂(a2)とを反応させて固形エポキシ樹脂(A)を
製造する方法としては、フェノールとホルマリンとの重
縮合体と、過剰のエピハロヒドリンとを反応させて2核
体成分を95重量%以上含有するエポキシ樹脂(a1)
とした後、当該エポキシ樹脂(a1)にフェノール樹脂
(a2)を反応させる、所謂二段法にて製造する方法、
及び、フェノールとホルマリンとの重縮合体とエピハロ
ヒドリンとを常法にて反応させて粗生成物を得、これを
分子蒸留して2核体成分が95%以上であるエポキシ樹
脂(a1)を製造し、これにフェノール樹脂(a2)を
反応させる、所謂三段法にて製造する方法が挙げられ
る。ここで、前者の二段法は望のエポキシ当量及び分子
量の調節が容易である点から好ましく、また後者の三段
法は、エポキシ樹脂(a1)の製造において2核体成分
を95重量%以上にする事が容易であることから好まし
い。
【0015】この様なエポキシ樹脂(a1)とフェノー
ル樹脂(a2)との反応条件としては特に制限されるも
のではなく、両者を触媒の存在下、130〜180℃で
反応させる方法が挙げられる。
【0016】ここで使用し得る触媒としては、特に限定
されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等のアル
カリ金属塩類、トリブチルアミン等のアミン類、テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド等の四級オニュウム
塩、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の四級オ
ニュウムヒドロキシド、トリフェニルフォスフィン等の
ホスフィン類等が挙げられる。
【0017】また、エポキシ樹脂(a1)とフェノール
樹脂(a2)との仕込み割合、反応時間等は特に制限さ
れるものでなく、目的とするエポキシ当量、分子量等に
応じて適宜選択すればよい。特に本発明においては、最
終的に得られる固形エポキシ樹脂(A)としてエポキシ
当量600〜1,500g/eqであり、GPCの数平均
分子量が1,500〜4,000なるものが、低温条件
下での流動性や硬化性に加え、更に貯蔵安定性に優れる
点から好ましく、この様なエポキシ当量、分子量を満た
す様に反応条件を調節することが好ましい。
【0018】この様にして得られる固形エポキシ樹脂
(A)、特にエポキシ当量600〜1300g/eqであ
り、GPCの数平均分子量が1,500〜3,500な
る条件を満たす固形エポキシ樹脂(A)は、既述の通
り、粉体塗料にした際に低温条件下での流動性や硬化性
を飛躍的に高めることができる。その他この様な固形エ
ポキシ樹脂(A)を主剤として用いた粉体塗料は、優れ
た貯蔵安定性をも発現する。
【0019】即ち、従来のビスフェノール型エポキシ樹
脂にノボラック型エポキシ樹脂を一部配合して硬化性を
高める方法においては、硬化性は改善されるも、粉体塗
料のブロッキングが起こりやすく、塗料の貯蔵管理の上
で大きな問題となっていた。本発明の粉体塗料は、低温
条件下で優れた硬化性を発現するにもかかわらず、ブロ
ッキングが起こすことなく、貯蔵安定性が飛躍的に改善
される。更に、前記従来のノボラック型エポキシ樹脂を
一部配合する技術では、架橋密度が極めて高くなること
から塗膜が脆くなり、それに起因して防食性、密着性、
耐水性、耐薬品性等の塗膜性能を落としていたが、本発
明においてはこれらの塗膜性能の低下も招くことがな
い。
【0020】また、固形エポキシ樹脂(A)は、前記の
通り、低温条件下での流動性や硬化性、更に貯蔵安定性
の点からエポキシ当量が600g/eq〜1500g/eq、
GPCによる数平均分子量が1,500〜4,000が
であることが好ましいが、特にこれらの効果が顕著にな
る点からエポキシ当量650g/eq〜1300g/eqであ
りGPCによる数平均分子量1,500〜3,500で
あることが好ましい。
【0021】本発明の鋳鉄管用粉体塗料は、エポキシ樹
脂成分として更に、耐ピンホール性を向上させるため、
本発明の効果を損なわない範囲で、150℃において
0.1〜10dPasなる溶融粘度を有する固形エポキ
シ樹脂(C)を併用してもよい。ここで、150℃にお
いて0.1〜10dPasなる溶融粘度を有する固形エ
ポキシ樹脂(C)としては、特に制限されるものではな
いが、例えばビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型
エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、
ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等が挙
げられる
【0022】上記した150℃において0.1〜10d
Pasなる溶融粘度を有する固形エポキシ樹脂(C)の
使用量は特に制限されるものではないが、重量基準で固
形エポキシ樹脂(A):前記固形エポキシ樹脂(C)=
80:20〜99:1なる配合割合であることが好まし
く、更に、(A)と(C)とのエポキシ樹脂混合物、即
ち全エポキシ樹脂として、エポキシ当量が600g/eq
〜1500g/eq、GPCによる数平均分子量が1,5
00〜4,000となる様に両者の配合割合を調整する
ことが本発明の効果が顕著なものとなる点から好まし
い。
【0023】次に、本発明で用いられる硬化剤(B)と
しては、特に限定されず、イミダゾール系化合物、イミ
ダゾリン系化合物、ジシアンジアミド、ポリカルボン酸
ヒドラジド及びその誘導体、フェノール樹脂及びその誘
導体等が挙げられるが、なかでもイミダゾール系化合
物、イミダゾリン系化合物及びポリカルボン酸ヒドラジ
ド並びにその誘導体を単独または、併用し用いる事が塗
膜の防食性、可撓性、密着性および強度が著しく良好と
なる点から好ましい。
【0024】ここで用いられるイミダゾール系化合物及
びイミダゾリン系化合物としては、特に限定されず、メ
チルイミダゾール、メチルイミダゾリン、ドデシルイミ
ダゾール、ドデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダ
ゾール、ヘプタデシルイミダゾリン、フェニルイミダゾ
ール、フェニルイミダゾリン等が挙げられる。
【0025】ポリカルボン酸ヒドラジド及びその誘導体
としては、特に限定されず、例えば、コハク酸ジヒドラ
ジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。更に本
発明においては、ポリカルボン酸ヒドラジド及びその誘
導体を使用することにより、貯蔵安定性が飛躍的に向上
する他、後加熱の際の黄変性が著しく改善される。
【0026】また、本発明においては必要に応じて硬化
促進剤を併用しても良い。硬化促進剤としては特に限定
されるものではないが、例えば、イミダゾール類、イミ
ダゾリン類、コハク酸、アジピン酸、サリチル酸、スベ
リン酸、セバチン酸等の有機酸が使用できる。
【0027】本発明の鋳鉄管用粉体塗料は、上記各成分
の他、必要に応じて体質顔料又は着色材、例えば硫酸バ
リウム、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウム、シリカ、マイカ、アルミナ、カーボンブラッ
ク、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーな
どを配合することができる。これらの体質顔料又は着色
材の使用量は特に限定されるものではないが、粉体塗料
中10〜50重量%となる範囲であることが好ましい。
【0028】かかる材料を用いての粉体塗料化は、通常
の方法にて行うことができる。即ち、固形エポキシ樹脂
(A)及び硬化剤(B)に、更に必要に応じ、体質顔料
又は着色材、その他の添加剤などを粗粉砕、配合し、こ
の配合物をヘンシェルミキサーなどを用いて十分に粉
砕、混合した後加熱されたニーダーを用いて溶融混練
し、冷却後粉砕、分級して得られる。
【0029】この様にして得られる本発明の鋳鉄管用粉
体塗料は、平均粒子径20〜150μmであることが好
ましい。
【0030】また、被塗物である鋳鉄管としては、特に
限定されないが、直管、異形管、及びその付属品類等が
挙げられる。
【0031】鋳鉄管内表面への塗装方法としては、特に
制限されないが、吹き付け塗装、静電吹き付け塗装、遠
心投射法、流動浸漬塗装等の方法が挙げられ、塗膜の膜
厚は0.1〜1.0mmであることが防食、ピンホール
防止性の点から好ましい。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳述するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】合成例1 撹拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口
フラスコにビスフェノールF型エポキシ樹脂の分子蒸留
品である、EPICLON 830CRP(大日本イン
キ化学工業社製)エポキシ当量=158g/eq、2核体量
=99.5面積%(GPC)776g、ビスフェノール
Fとして、DIC−BPF(大日本インキ化学工業社
製、3核体以上の成分含量10重量%)329gと、5
0%テトラメチルアンモニュウムクロライド0.22g
を入れ撹拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更
に140℃で5時間分撹拌しエポキシ樹脂(1)を得
た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=764g/
eq、GPC数平均分子量=1,800、軟化点=83℃
であった。
【0034】合成例2 ビスフェノールFを385gとする以外は、合成例1と
同様の工程操作を用いエポキシ樹脂(2)を得た。得ら
れたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=1,292g/eq、
GPC数平均分子量=3,000、軟化点=103℃で
あった。
【0035】合成例3 合成例1で得られたエポキシ樹脂(1)950gに3,
`3,5,`5−テトラメチルビフェニルのエポキシ樹
脂(エポキシ当量=185g/eq)を50g添加しエポキ
シ樹脂(3)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキ
シ当量=661g/eq、GPC数平均分子量=1,70
0、軟化点=81℃であった。
【0036】合成例4 添加するエポキシ樹脂をジシクロペンタジエンフェノー
ル樹脂のエポキシ樹脂である、EPICLON HP−
7200、 エポキシ当量=258g/eq(大日本インキ
化学工業社製)とする以外は合成例3と同様の工程操作
を用いエポキシ樹脂(4)を得た。得られたエポキシ樹
脂は、エポキシ当量=696g/eq、GPC数平均分子量
=1,700、軟化点=80℃であった。
【0037】合成例5 撹拌機、温度計、バッフル、滴下ロート、冷却器、ディ
ーンストラックトラップを備えた2リットルの下部コッ
ク付き、セパラブル四つ口フラスコにエピクロルヒドリ
ン970gと2核体含有量98.5%(GPC)のビス
フェノールF300gを加え溶解し、それに、減圧下、
65℃で48%水酸化ナトリウム水溶液250gを撹拌
しながら適下した。その間、フラスコを加熱し続け、生
成する水をエピクロルヒドリンと共沸脱水によりディー
ンストラックトラップ内で分離し、エピクロルヒドリン
はフラスコ内に戻し続けた。48%水酸化ナトリウム水
溶液滴下後、更に、30分間撹拌を続けた後、エピクロ
ルヒドリンを150℃で蒸留回収後、トルエン500g
と水500g加え、生成した塩化ナトリウムを溶解し撹
拌を止め、分液により塩化ナトリウム水層を除去した。
次に、5%水酸化ナトリウム水溶液100gを加え、8
0℃にて1時間撹拌後、撹拌を止め、分液により水層を
除去した。
【0038】更に、水150gを加えて水洗し、水層を
棄却した後、脱水、濾過工程を経てトルエンを蒸留回
収、エポキシ樹脂(5)を得た。得られたエポキシ樹脂
は、エポキシ当量=171g/eqの液状の樹脂であった。
【0039】合成例6 合成例5で得られるエポキシ樹脂(5)700gに、合
成例1で用いたビスフェノールFを292gと、50%
テトラメチルアンモニュウムクロライド0.22gを入
れ撹拌をし、合成例1と同様の工程操作を用いエポキシ
樹脂(6)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ
当量=880g/eq、GPC数平均分子量=2,300、
軟化点=87℃であった。
【0040】合成例7 市販の液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂としてEP
ICLON 830S(大日本インキ化学工業社製、エ
ポキシ当量=171g/eq)、700g及び、合成例
1で用いたビスフェノールF272g仕込み比率で用
い、合成例1と同様にして反応を行い、エポキシ樹脂
(7)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量
=760g/eq、GPC数平均分子量=1,900、軟化
点=85℃であった。
【0041】合成例8 多官能エポキシ樹脂を併用する樹脂として、市販の固形
のBPA型エポキシ樹脂としてEPICLON 305
0(大日本インキ社製 エポキシ当量=780g/e
q、数平均分子量=2,050 軟化点97℃)1,0
00gに多官能エポキシ樹脂としてフェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂 EPICLON N−740(大日本
インキ社製 エポキシ当量=182g/eq 数平均分
子量=490 )を65g添加しエポキシ樹脂(8)を
得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=650
g/eq、GPC数平均分子量=1,950、軟化点=84
℃であった。
【0042】合成例9 低分子量エポキシ樹脂を併用する樹脂として、市販の固
形のBPA型エポキシ樹脂としてEPICLON 30
50(大日本インキ社製 エポキシ当量=780g/e
q、数平均分子量=2,050 軟化点97℃)1,0
00gに低分子エポキシ樹脂としてBPA型液状エポキ
シ樹脂 EPICLON 850(大日本インキ社製 エ
ポキシ当量=188g/eq数平均分子量=350)を
68g添加しエポキシ樹脂(9)を得た。得られたエポ
キシ樹脂は、エポキシ当量=650g/eq、GPC数平均
分子量=1,940、軟化点=82℃であった。
【0043】実施例1〜10及び比較例1〜8 合成例1〜9のエポキシ樹脂と市販の固形のBPA型エ
ポキシ樹脂としてEPICLON 2055(大日本イ
ンキ社製 エポキシ当量=650g/eq、数平均分子
量=1,500、軟化点85℃)を、表−1、2に記載
の割合で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて充分に粉
砕、混合した。その後、エクストルーダーとして、Bu
ss社製 コ・ニーダ PCS−30を用い、80℃に
加熱しながら溶融混練し、押出し、冷却後粉砕、分級し
て粒径20〜50μmの粉体塗料を得た。
【0044】得られた粉体塗料を用いて、各実施例並び
に比較例の貯蔵安定性,硬化塗膜の外観、硬化性、耐衝
撃試験、エリクセン試験、塩水噴霧試験、耐水性の評価
を以下の基準に従って行った。尚、硬化塗膜の外観、硬
化性、耐水性は、ショットブラストにより酸化スケール
を除去した150mm×70mm×7.0mmのダクタイル鋳
鉄片を試験片として、150〜180℃に加熱した試験
片の表面に得られた粉体塗料を吹き付け塗装したのち放
冷して、厚さ300μm前後の塗膜を形成して評価を行
った。
【0045】また、耐衝撃試験及び塩水噴霧試験は、1
50mm×70mm×2.0mmの鋼板を、エリクセン試験
は、90mm×90mm×1.2mmの鋼板を試験片として、
同様にそれぞれ150〜250μmの塗膜を形成し、後
加熱を150℃×10分行い評価を行った。
【0046】(貯蔵安定性)高さ10mm・50φのガ
ラスシャーレーに、作成した粉体塗料を5g敷き、20
g・40φのおもしを置き、40℃1週間保存後し、形
状の変化を確認した。 ○=ブロッキングなし、×=熱融着によりブロッキング
【0047】(硬化塗膜の外観)塗膜表面の平滑度を目
視で確認した。 ○=ピンホールなし,×=ピンホールあり
【0048】(硬化性)塗膜面のキシレンによる溶剤ラビ
ング性を調べた。 ○=50回以上、△=50回未満20回以上、×=、2
0回未満 (耐衝撃試験)JIS K 5400-1990の8・3・
2(デュポン式衝撃試験)により、500gでの耐衝撃
高さを確認した。
【0049】(エリクセン試験)JIS Z 2247
のA法により、塗膜にクラックが入る押し出し量を確認
した。 (塩水噴霧試験)JIS K 5400-1990の9.1
により1000時間後の塗膜の状態、及び傷口にナイフ
を入れてのクリープの剥離幅を確認した。 ○=ブリスターあり,×=ブリスターなし
【0050】(耐水性)試験片をを水中に1ヶ月間浸漬
した後の塗膜の状態を確認した。 ○=ブリスターあり,×=ブリスターなし
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、低温条件下での流動性
と硬化性とに優れ、鋳鉄管内面のピンホール発生を良好
に抑制できるエポキシ樹脂系の鉄管用粉体塗料を提供で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 昌彦 奈良県北葛城郡広陵町馬見北4−13−15 (72)発明者 梶原 義久 大阪府高石市綾園6−21−45 (72)発明者 道浦 吉貞 大阪府泉佐野市南中岡本33 (56)参考文献 特開2000−160063(JP,A) 特開 平10−323616(JP,A) 特開 平10−152644(JP,A) 特開 平10−95928(JP,A) 特開 平9−316368(JP,A) 特開 平7−224234(JP,A) 特開 昭59−45363(JP,A) 特開 昭55−147565(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 163/00 - 163/10 C09D 5/03 C08L 63/00 - 63/10 C08G 59/00 - 59/72

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールとホルマリンとの重縮合体の
    ポリグリシジルエーテルであって、2核体成分を95重
    量%以上含有するエポキシ樹脂(a1)と、フェノール
    、ホルマリン、アセトン及びアセトアルデヒドから選
    択される化合物との重縮合体であって、3核体以上の成
    分を5〜15重量%の割合で含有するフェノール樹脂
    (a2)とを反応させて得られる固形エポキシ樹脂
    (A)と、硬化剤(B)とを必須成分とすることを特徴
    とする鋳鉄管用粉体塗料。
  2. 【請求項2】 固形エポキシ樹脂(A)が、エポキシ当
    量が600〜1500g/eqで、かつ、GPCでの数平
    均分子量が1,500〜4,000のものである請求項
    1記載の鋳鉄管用粉体塗料。
  3. 【請求項3】 硬化剤(B)が、アミン系硬化剤である
    請求項1又は2記載の鋳鉄管用粉体塗料。
  4. 【請求項4】 アミン系硬化剤が、イミダゾリン類又は
    有機酸ヒドラジンである請求項3記載の鋳鉄管用粉体塗
    料。
  5. 【請求項5】 固形ビスフェノール型エポキシ樹脂
    (A)に、150℃において0.1〜10dPasなる
    溶融粘度を有する固形のエポキシ樹脂(C)を併用する
    請求項1〜4の何れか1つに記載の鋳鉄管用粉体塗料。
  6. 【請求項6】 固形ビスフェノール型エポキシ樹脂
    (A)と前記エポキシ樹脂(C)との配合割合が、重量
    基準で(A):()=80:20〜99:1となる割
    合である請求項5記載の鋳鉄管用粉体塗料。
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