JP3639984B2 - 固形エポキシ樹脂とその製造方法およびその組成物 - Google Patents

固形エポキシ樹脂とその製造方法およびその組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な物性を有する固形エポキシ樹脂及び該固形エポキシ樹脂の新規な製造方法、更に該新規な物性を有する固形エポキシ樹脂を含有したエポキシ樹脂組成物に関するものであり、更に詳しくは、低分子量成分を含まない新規な固形エポキシ樹脂およびこの固形エポキシ樹脂と硬化剤よりなる硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】
エポキシ樹脂は、その優れた化学的、物理的特性により塗料、電気、土木、接着剤等の広範な用途に使用され、各用途に応じて要求される性能はますます高度化してきている。例えば、粉体塗料や成形材料等の分野では、低エポキシ当量で、高流動性のものが求められているが、従来の固形エポキシ樹脂ではエポキシ当量の低いものを用いるとブロッキングし易くなり貯蔵安定性に劣るという問題があった。特に耐ブロッキング性を考えると、同一軟化点では一般式(化1)におけるn=0の低分子量成分が少ない方が好ましく、また流動性の面からも分子量分布がシャープな固形エポキシ樹脂が望まれているが、n=0の低分子成分を含まない固形エポキシ樹脂については報告例がなく、製造方法に関する技術も見当らなかった。
【0003】
従来より、固形のエポキシ樹脂については、ビスフェノール類とエピハロヒドリンとをアルカリ金属水酸化物の存在下で反応せしめる直接合成法と、この直接合成法により得られたエポキシ樹脂にビスフェノール類を重付加反応せしめる間接合成法が知られている。直接合成法と間接合成法で製造された固形エポキシ樹脂には、分子量分布に大きな差があることが知られており、直接合成法の場合にはn=0、1、2、3……と偶数と奇数の重合度が全て現れるが、間接合成法の場合には主として、n=0、2、4……と偶数の重合度のピークが現れる。このため、同一のエポキシ当量で比較すると直接合成法の方が溶融粘度が低い特徴があり、用途によっては直接合成法の方が好ましい場合がある。尚、いずれの方法でも、これら従来より公知の方法で得られる固形エポキシ樹脂は、種々の重合度を有する分子の混合物として得られるものであり、n=0の低分子量成分が含まれている。例えば、市販されている直接合成法のビスフェノールA型固形エポキシ樹脂YD−012(東都化成社製;エポキシ当量650g/eq;軟化点80℃)は、一般式(化1)でGPCによる面積百分率により求めるとn=0(分子量340)が5.9%含まれており、間接合成法によるYD−902(エポキシ当量655g/eq;軟化点86℃)は、n=0が8.4%含まれており、同一のエポキシ当量で比較すると直接合成法の方がn=0成分が少なくなっている。
【0004】
従来、これら固形エポキシ樹脂中の低分子成分を除去する方法としては、例えば低分子成分を分子蒸留によって除去する方法が知られているが、この方法では蒸留時に高温とする必要があるため、固形エポキシ樹脂が熱で分解する問題があるのと、n=0成分を確実に除去することは難しく且つ工業的にも有利な方法ではなかった。また、特開昭61−231018にはキシレン等の炭化水素溶媒と接触させて低分子量成分を除去する方法が報告されているが、この方法ではn=0の成分のみを選択的に除去することはできず、それ以上の成分も一緒に除去されてしまうのと、低分子量成分を完全に除去することはできないという問題があった。また、特開平1−230678には数平均分子量2,000〜6,000の高分子量エポキシ樹脂を親溶媒中で低級アルコールと接触させて分子量800以下の成分を低減もしくは除去した精製ビスフェノール型エポキシ樹脂が報告されている。しかしこの方法ではエポキシ樹脂は高分子量のためn=0やn=1の低分子成分の含有量が2%以下のものを低減もしくは削減するものであるが、アルコールによる洗浄作業を5回繰り返してもこれらの低分子量成分が残存しており、工業的にも有利な方法ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、下記一般式(化1)で表されるエポキシ樹脂において、繰返し単位n=0の低分子成分を実質的に含有しない固形エポキシ樹脂を得るべく鋭意検討を重ねた結果、エピハロヒドリン1モルと2官能フェノール1.2モル〜5モルとをアルカリ金属触媒存在下で反応させる直接合成法の方法において、残存する未反応の2官能フェノールを除去した後にフェノール性水酸基をエポキシ化することにより実質的に含有しない固形エポキシ樹脂を得ることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の目的は、従来得られなかった(化1)において実質的にn=0の成分を含まない固形エポキシ樹脂、その製造方法及び該エポキシ樹脂を含有した組成物を提供するものである。
【0006】
【化2】
Figure 0003639984
(式(1)中、Aは2官能フェノールから水素原子を除いた2価の残基であり、nは繰り返し単位数で1より大きい整数である。)
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明の要旨は、2官能フェノールとエピハロヒドリンより合成される上記した直接合成法のエポキシ樹脂において、下記一般式1(化1)で表わされる繰り返し単位数nの値が1以上で、エポキシ当量が450〜2500g/eqの範囲内であることを特徴とする固形エポキシ樹脂である。
【0008】
【化3】
Figure 0003639984
【0009】
(式(1)中、Aは2官能フェノールから水素原子を除いた2価の残基であり、nは繰り返し単位数で1以上の整数である。)
そして、上記新規なエポキシ樹脂、即ち、一般式1(化1)で示される繰り返し単位数nの値は1以上でエポキシ当量が450〜2,500g/eqの固形エポキシ樹脂は、エピハロヒドリン1モルと2官能フェノール1.2モル〜5モルとをアルカリ金属触媒存在下で反応させ、残存する未反応の2官能フェノールを除去した後にフェノール性水酸基をエポキシ化することによって製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明する。
本発明に用いることのできる2官能フェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールC、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等が挙げられるが、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類が好ましい。また、本発明に用いることができるエピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピヨードヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられるが、エピクロロヒドリンが好ましい。
【0011】
本発明はエピハロヒドリン1モルに対して、2官能フェノール類を1.2モル〜5モルの範囲内で過剰に反応させるものであり、反応に用いる2官能フェノール類としては前述したフェノール類を単独または2種類以上併用して用いることができる。尚、エピハロヒドリン1モルに対して用いる2官能フェノール類が1.2モル以下では高分子量体が生成し、固形化するのが難しくなるためであり、5モル以上では残存する2官能フェノール類が多くなり、工業的に不利になるためである。
【0012】
また、エピハロヒドリンと2官能フェノールとの反応は、エポキシ基とは反応しない溶剤中で行うことができ、具体的にはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、ジエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル等の脂肪族エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂環式エーテル類が挙げられる。これらの溶剤は2官能フェノール類100重量部に対して10〜100重量%、より好ましくは20〜50重量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0013】
反応終了後に残存してくる未反応の2官能フェノールを除去する方法としては、溶媒抽出法、再結晶法、分離膜による処理法、アルカリ水溶液に溶解して除去する方法等が挙げられ、何れの方法も用いることができるが、工業的には分子蒸留法やアルカリ水溶液溶解法が好ましい。アルカリ水溶液溶解法としては、エピハロヒドリンと2官能フェノールとをアルカリ金属触媒下で反応させた後に、前述した溶媒を固形分が20〜50%になる様に添加して希釈し、生成した末端フェノール性水酸基変性樹脂と未反応フェノール類のフェノール性水酸基の合計に対して0.7〜1.5モルに相当するアルカリ金属水酸化物を加えて反応し、アルカリ金属フェノラートを生成させる。反応は30℃〜100℃で、10分〜5時間程度で実施することが出来る。次に溶剤に溶解している高分子量の生成物より、フェノール類のアルカリ金属フェノラートのみを水分離するものである。アルカリ金属水酸化物としては苛性ソーダや苛性カリの水溶液が好ましく、特に苛性ソーダの水溶液が好ましい。一回の分離操作で殆どの残存2官能フェノール類は除去することができるが、更に同様の操作を1〜2回繰り返すことにより完全に除去することができる。次いで燐酸や燐酸ソーダ等の酸により中和及び水洗してから、溶剤を留去することにより、末端にフェノール性水酸基を有する固形樹脂が得られる。なお、除去した2官能フェノール類はエピハロヒドリンとの反応に再利用することができる。
【0014】
本発明の固形エポキシ樹脂は、上記の様にして得られた末端にフェノール性水酸基を有する固形樹脂を、エピハロヒドリンによりアルカリ金属水酸化物の存在下でエポキシ化する公知の方法により得ることが出来る。エピハロヒドリンとしてはエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられるがエピクロロヒドリンが好ましい。またアルカリ金属水酸化物としては苛性ソーダが好ましい。原料樹脂のフェノール性水酸基1モルに対してエピハロヒドリンを2〜30モル、より好ましくは10〜20モルの過剰量を使用し、アルカリ金属水酸化物の使用量は原料のフェノール性水酸基当量に対して0.7〜1.1モルの範囲である。反応温度は40〜120℃の範囲で生成した水を系外に除去しながら反応させることが望ましい。
【0015】
反応終了後に過剰のエピハロヒドリンを留去した後、前述した溶剤に溶解して、更に生成したエポキシ樹脂の加水分解性塩素に対し1〜50モルのアルカリ金属水酸化物を添加して精製反応を行った後、副生成した塩を水洗または濾過等により除去し、溶媒を留去することにより、エポキシ当量が450〜2,000g/eqでn=0成分を含有しない本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。尚、エポキシ当量が450g/eq以下のものは原料の固形樹脂を製造する際に生産性が悪いことと、2,500g/eq以上のものはエポキシ化後の溶媒除去が困難となる。
【0016】
本発明にかかる実質的に繰返し単位n=0の成分を含有しない新規なエポキシ樹脂は、従来のn=0の成分を含有するエポキシ樹脂と同じエポキシ当量のもので比較すると、分子量分布がシャ−プになり、ガラス転移温度が高くなることと、同じガラス転移温度のものと比較すると、軟化点が大幅に低下し、分子量も低く分子量分布もシャ−プになるという特徴を有している。
【0017】
本発明にかかるエポキシ樹脂は、従来のエポキシ樹脂同様に硬化性組成物を形成する。この硬化性組成物は、少なくとも上記の繰返し単位n=0の成分を含有しない固形エポキシ樹脂と硬化剤より成るものである。硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂の硬化剤として用いられている物を使用することができる。例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、イソホロンジアミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等のアミン類、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等の酸無水物、酸官能基末端のポリエステル樹脂、ダイマー酸とジエチレントリアミン、トリエチルアミン等との縮合物であるアミノポリアミド樹脂、メルカプタン基を末端に持つポリスルフィド樹脂、三弗化ホウ素アミンコンプレックス、フェノール類とホルマリンの縮合反応により得られるノボラック樹脂、フェノール性水酸基を有する各種の化合物、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の有機酸ジヒドラジド、ポリイソシアネート類、イミダゾール類、レゾールフェノール樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。
【0018】
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて通常のエポキシ樹脂、例えばビスフェノールAおよびビスフェノールF等のビスフェノール類のポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のアルコール類のポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸やダイマー酸等のポリグリシジルエステル、ジアミノジフェニルメタン等のポリグリシジルアミン、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等のノボラック型ポリグリシジルエーテル等の1種または数種類を選択して添加することができる。更に、必要に応じて充填剤、希釈剤、硬化促進剤等を添加することができる。
本発明の硬化性組成物は、重防食塗料、粉体塗料、PCM塗料、缶塗料等の塗料用途や土木・建設用途、接着用途、電気絶縁(粉体)用、半導体チップ仮止剤等の電気・電子部品用途及び積層板(プリント配線基盤)や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を始めとする各種複合材料用途等に適している。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、部及び%は重量部及び重量%を表す。
実施例1.
攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応装置にビスフェノールAを221.8部と10%NaOH水溶液224.9部を加え60℃にて溶解させた後、エピクロロヒドリン50部を30分で滴下し、90℃で1.5時間反応させた。次いでメチルイソブチルケトン(MIBK)を411部仕込んで溶解させた後、5%のNaOHを853部加えて溶解した後、水層を分離した。樹脂層をリン酸で中和、水洗後脱水、濾過してから溶媒を留去してフェノール性水酸基当量が402g/eq、軟化点が95℃の末端フェノール性水酸基変性樹脂を得た。なお、水酸基当量は、テトラヒドロフランとメタノール3重量%の混合溶液中でフェノール性水酸基にテトラメチルアンモニウムヒドロキサイドを作用させて発色させ、分光光度計を用いて、305nmにおける吸光度を測定し、予めビスフェノールAを標準として同様の操作により作成した検量線により換算して求めた。また、軟化点はJIS K−7234により測定した。
【0020】
攪拌機、温度計、滴下装置及び反応水回収装置を備えた反応器に、前記で得られた樹脂130部とエピクロロヒドリン220部及びジエチレングリコールジメチルエーテルを44部仕込み、樹脂を溶解させた。次いで系内を80℃まで加熱し、49%苛性ソーダ水溶液18.53部を1時間にわたって滴下した。この間系内温度を80〜85℃に保ち、反応により生成する水及び苛性ソーダ水溶液の水をエピクロロヒドリンとの共沸混合物の形で反応系から除去し、蒸気を濃縮させてエピクロロヒドリンは系中に戻した。次に、苛性ソーダ水溶液の滴下終了後、系内を常圧に戻し2時間熟成させた後、過剰のエピクロロヒドリンを蒸発除去し、生成したエポキシ樹脂及び塩化ナトリウムの混合物にMIBKを275部と水200部を加えて溶解させ、30分静置後水を分液した。更に樹脂層に20%苛性ソーダ水溶液を5.9部加え、80〜85℃で2時間精製反応を行った。反応後、水200部を加え、80℃まで加熱してから30分静置し、水層を分離した。次に10%燐酸ソーダ水溶液5部と水200部を加え中和、分液し更に水100部で水洗、分液してから脱水した。次に濾過してからMIBKを蒸発除去して、固形のエポキシ樹脂を得た。
【0021】
得られた固形エポキシ樹脂のエポキシ当量、軟化点、一般式におけるn=0、n=1、n=2の含有量、数平均分子量、重量平均分子量、重量平均分子量/数平均分子量、ガラス転移温度を表1に示す。なお、これら各項目の測定方法は次の方法によった。
・エポキシ当量;JIS K−7236により測定した。
・n=0、n=1、n=2の含有量
数平均分子量、重量平均分子量、重量平均分子量/数平均分子量
以下の条件でGPCの分析により、面積百分率によりn=0〜2の含有量と数平均分子量、重量平均分子量を求めた。
GPC分析条件
装置;東ソー社製HLC−802A
溶媒;THF
カラム;東ソー社製、TSK−GEL、G2000Hを1本、G3000Hを1本、G4000Hを1本。
カラム温度;40℃
移動相;THF
流量;1.5ml/min.
検出器;東ソー社製RI−8型
試料濃度;5mg/l
検量線;ビスフェノールA型エポキシ樹脂
・ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC)により昇温速度10℃/分で測定した。
【0022】
比較例1
ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの直接合成法により製造される市販の汎用固形エポキシ樹脂YD−012(東都化成社製)の性状を表1に示す。
比較例2.
ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの直接合成法により製造される市販の汎用固形エポキシ樹脂YD−013(東都化成社製)の性状を表1に示す。
【0023】
実施例2.
実施例1で得られたエポキシ樹脂100部、ジシアンジアミド3.8部、2ーメチルイミダゾール0.2部、酸化チタン40部、流れ調整剤としてモダフロー0.5部をドライブレンド後にエクストルーダー(池貝鉄工社製PCM−30)で溶融混練を行い、冷却後に微粉砕して粉体塗料を得た。エクストルーダーの溶融混練条件は次の条件で行った。
シリンダー1;冷却、シリンダー2;80℃、シリンダー3;90℃、
ヘッド;110℃、メインスクリュー;200rpm、フィードスクリュー;20rpm。
得られた粉体塗料をサンドブラスト処理を行った軟鋼板(150×70×0.8mm)に静電粉体塗装を行い、200℃のオーブンで20分焼き付けを行い膜厚100μmの塗装試験片を得た。粉体塗料の耐ブロッキング性、流れ性、焼き付け塗装試験片の塗膜の光沢、密着性、エリクセン、耐衝撃性等を評価して表2に示した。
【0024】
なお、粉体塗料及び硬化塗膜の評価方法は下記のとおりである。
・耐ブロッキング性;粉体塗料を40℃の恒温槽に10日間入れたのちブロッキングの状態を調べた。(○;流動性がある。 ×;流動性がない。)
・流れ性;粉体塗料0.5gを採取して常温で100kg/cm2の圧力で直径13mmのタブレットを作成した。このタブレットを傾斜角が30°に調整された軟鋼板にセットし、200℃のオーブン中に放置して塗料の流れた距離を測定し、次式により流れ性を求めた。
流れ性=(試料の流れた距離(mm)−13(mm))/タブレットの厚さ(mm)
・光沢;JIS K 5400,6.7(60゜鏡面反射率)に準じて光沢(%)を測定した。
・密着性;塗装試験片を水中に浸し、100℃で2時間熱水処理を行った後、1mm碁盤目テープ剥離試験を行い、塗膜上に残った碁盤目数を測定した。
・エリクセン;エリクセン試験器を用いて、ポンチを10mm押し出し、塗膜のピンホールの有無を調べた。(○;ピンホール無し、×;ピンホール有り)
・耐衝撃性;JIS K−5400に従いデュポン衝撃試験機により1/2インチの撃心とこれに対応する台を用いて1kgの重りを50cmの高さより落下させて、塗膜の割れや剥がれを目視で判定した。(○;異状無し、×;塗膜に割れや剥がれ有り)
【0025】
比較例3.
比較例1のエポキシ樹脂を用いた以外は実施例3と同様の配合、混練、冷却、粉砕を行って粉体塗料を得、これを静電粉体塗装後に焼付けて比較例3の塗装試験片を得た。
比較例4.
比較例2のエポキシ樹脂を用いた以外は実施例3と同様の配合、混練、冷却、粉砕を行って粉体塗料を得、これを静電粉体塗装後に焼き付けて比較例4の塗装試験片を得た。
【0026】
実施例1のエポキシ樹脂及び比較例1と2の市販品エポキシ樹脂の性状を表1に示した。
【0027】
【表1】
Figure 0003639984
【0028】
【表2】
Figure 0003639984
【0029】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂は、低分子量成分を含有していないため一般に市販されているエポキシ樹脂と比べて分子量分布がシャープで、流動性に優れるのとガラス転移温度が高いため耐ブロッキング性に優れる。また、その硬化物は密着性や可撓性及び耐衝撃性等に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたエポキシ樹脂のGPCチャートである。
【図2】比較例1で用いたエポキシ樹脂のGPCチャートである。
【図3】実施例1で得られたエポキシ樹脂の赤外吸収スペクトルチャートである。
【符号の説明】
図1、図2は、校正曲線における溶離時間(横軸)と分子量の対数(縦軸;logM)を同時にプロットしたものである。また、図3における縦軸は吸収強度を、横軸は吸収波長を示す。

Claims (3)

  1. エピハロヒドリン1モルに対してビスフェノール類1.2〜5モルをアルカリ金属水酸化物触媒の存在下で反応させ、残存する未反応の2官能フェノールを除去した後にフェノール性水酸基をエポキシ化することを特徴とする一般式(1)で表される固形エポキシ樹脂の製造方法。
    Figure 0003639984
    (式(1)中、Aは2官能フェノールから水素原子を除いた2価の残基であり、nは繰り返し単位数で1以上の整数である。)
  2. 請求項1記載の方法によって得られた上記一般式(1)で表される固形エポキシ樹脂のエポキシ当量が450〜2500g/eqの範囲内であることを特徴とする固形エポキシ樹脂
  3. 請求項2記載の固形エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂と硬化剤とからなる硬化性組成物。
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