JPH08325361A - フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Info

Publication number
JPH08325361A
JPH08325361A JP15563995A JP15563995A JPH08325361A JP H08325361 A JPH08325361 A JP H08325361A JP 15563995 A JP15563995 A JP 15563995A JP 15563995 A JP15563995 A JP 15563995A JP H08325361 A JPH08325361 A JP H08325361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
reaction
present
weight
phenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15563995A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Kuboki
健一 窪木
Yasumasa Akatsuka
泰昌 赤塚
Yoshiro Shimamura
芳郎 嶋村
Hiromi Morita
博美 森田
Masahiro Hamaguchi
昌弘 浜口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP15563995A priority Critical patent/JPH08325361A/ja
Publication of JPH08325361A publication Critical patent/JPH08325361A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】炭素数7〜15のシクロトリエン類とフェノー
ル類とを酸触媒の存在下において重合することにより得
られるフェノール樹脂及びこれから誘導されるエポキシ
樹脂及びこれらの樹脂を含むエポキシ樹脂組成物、およ
びその硬化物。 【効果】本発明のフェノール樹脂及び/またはエポキシ
樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物はその硬化物におい
て優れた耐湿性(耐水性)、耐衝撃性、低誘電率性を有
するため、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封
止材料など)及び積層板(プリント配線板など)やCF
RPを始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料等に使
用する場合に極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高信頼性半導体封止用を
始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及び積層板(プ
リント配線板)やCFRP(炭素繊維強化プラスチッ
ク)を始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料等に有
用なフェノール樹脂、エポキシ樹脂、これを含む樹脂組
成物及びその硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の
優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等
により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の
分野で幅広く用いられている。
【0003】しかし、近年特に電気・電子分野において
はその発展に伴い、高純度化をはじめ耐熱性、耐湿性、
密着性、フィラー高充填のための低粘度性、低誘電性等
の諸特性の一層の向上が求められている。また、構造材
としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途な
どにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められてい
る。これらの要求に対し、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂及びその組成物について多くの提案がなされてはいる
が、未だ充分とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、その硬化物
において優れた耐湿性(耐水性)、耐衝撃性、低誘電率
を示す電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半導体封止材
料など)及び積層板(プリント配線板など)やCFRP
を始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料等に有用な
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、組成物及びその硬化物
を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のよう
な特性を付与向上する方法について鋭意研究の結果、本
発明を完成した。即ち、本発明は、 (1)炭素数7〜15のシクロトリエン類とフェノール
類とを酸触媒の存在下において重合することにより得ら
れるフェノール樹脂、 (2)上記(1)記載のフェノール樹脂のフェノール性
水酸基をグリシジル化してなるエポキシ樹脂、 (3)(a)エポキシ樹脂 (b)上記(1)記載のフェノール樹脂 を含有してなるエポキシ樹脂組成物、 (4)(a)上記(2)記載のエポキシ樹脂 (b)硬化剤 を含有してなるエポキシ樹脂組成物、 (5)(a)上記(2)記載のエポキシ樹脂 (b)上記(1)記載のフェノール樹脂 を含有してなるエポキシ樹脂組成物、 (6)硬化促進剤を含有する上記(3)、(4)または
(5)記載のエポキシ樹脂組成物、 (7)上記(3)、(4)、(5)または(6)記載の
エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物 に関する。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明のフ
ェノール樹脂は、シクロトリエン類とフェノール類とを
酸性触媒の存在下に於て重合することにより得られる。
【0007】本発明で用いるシクロトリエン類は、炭素
数7〜15のシクロアルカン類の環を形成する任意の3
個の炭素−炭素結合が二重結合になったものであれば特
に制限はない。用いうるシクロトリエン類の具体例とし
ては1,3,5−シクロヘプタトリエン、1,5,9−
シクロドデカトリエン等が挙げられる。
【0008】本発明においては、式(1)で表されるフ
ェノール類を用いる。
【0009】
【化1】
【0010】(式中aは1〜2の整数を、bは1〜6の
整数をそれぞれ表す。Rは水素原子、ハロゲン、炭素数
1〜12の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基を表し、
複数存在する場合、互いに同一であっても異なっていて
もよい。)
【0011】用いうるフェノール類の具体例としてはフ
ェノール、クレゾール、キシレノール、2−tertブ
チル−5−メチルフェノール、2ーtertブチルー4
ーメチルフェノール、フェニルフェノール、ヒドロキノ
ン、レゾルシン、カテコール、ナフトール、ジヒドロキ
シナフタレン等が挙げられるがこれらに限定されるもの
ではない。
【0012】本発明のフェノール樹脂は、上記シクロト
リエン類の3個の二重結合に上記フェノール類が付加重
合して得られるので、例えば下記の骨格を持つ分子を含
有する。
【0013】
【化2】
【0014】(式中Xは式(2A)または式(2B)
【0015】
【化3】
【0016】(式(2A)及び(2B)中Pは水素原子
または炭素数1〜4のアルキル基を表し、互いに同一で
あっても異なっていてもよい。a、b、Rは式(1)に
おけるのと同じ意味を表す。)で表され、cは7〜15
の整数を表す。また、c個あるXのうち3個は式(2
A)で表され、c−3個は式(2B)で表される。)
【0017】上記重合反応を行う場合の式(1)のフェ
ノール類の使用量はシクロトリエン類1モルに対して、
通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルである。
【0018】上記重合反応においては、酸触媒を用い
る。酸触媒としては種々のものが使用できるが、三弗化
ホウ素(またはこれとエーテル類とのコンプレック
ス)、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛、硫酸、塩化チ
タンなどのルイス酸が好ましく、特に三弗化ホウ素(ま
たはこれとエーテル類とのコンプレックス)、無水塩化
アルミニウムが好ましい。酸触媒は単独で使用してもよ
く、2種以上を併用してもよい。これら酸触媒の使用量
は特に限定されるものではないが、フェノール類100
重量部に対して0.01〜20重量部の範囲で選定する
ことが出来る。またこれら酸触媒を反応混合物内に添加
する場合は予めフェノール類の加熱溶融物に添加してお
いたり、適当な溶剤(例えば下記する反応に不活性な溶
媒)で希釈しておいて徐々に添加することも可能であ
る。
【0019】この反応に使用されるフェノール類には酸
化され易いものが多いため、一連の反応操作中は反応容
器内を窒素ガスなどでパージしておくことが好ましい。
更にこの縮合反応は大きな発熱を伴うことが多く、通常
フェノール類の加熱溶融物や溶媒溶解物に予め上記酸触
媒を添加しておき、反応温度を確認しながらシクロトリ
エン類を反応容器内に導入することが好ましい。
【0020】重合反応は好ましくは40〜180℃、特
に好ましくは80〜150℃の範囲で行われ、反応時間
は通常0.5〜10時間である。またこれらの反応はト
ルエン、ニトロベンゼン、ジフェニルエーテル、ジクロ
ロベンゼン、二硫化炭素など反応に不活性な溶媒の存在
下で行うこともできる。溶剤の使用量は仕込んだ原料の
総重量に対して、通常50〜300重量%であり、10
0〜250重量%が好ましい。更に、こうして得られた
反応物について中性になるように中和処理を行ったり、
溶媒の存在下に水洗を繰り返した後水を分離排水後、加
熱減圧下、溶媒及び未反応物を除去することにより本発
明のフェノール樹脂が得られる。
【0021】次に本発明のフェノール樹脂にエピハロヒ
ドリンを反応させ、フェノール樹脂のフェノール性水酸
基をグリシジル化することによって本発明のエポキシ樹
脂が得られる。この反応に使用されるエピハロヒドリン
としては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、
エピヨードヒドリン等があるが、工業的に入手し易く安
価なエピクロルヒドリンが好ましい。この反応は従来公
知の方法に準じて行うことが出来る。
【0022】このグリシジル化反応は、公知の方法が採
用でき、例えば本発明のフェノール樹脂とエピハロヒド
リンの混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物の固体を一括でまたは徐々に添
加しながら20〜120℃の間の温度で反応させる。こ
の際アルカリ金属水酸化物は水溶液を使用してもよく、
その場合は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加する
と共に反応混合物内から減圧下、または常圧下、連続的
に水及びエピハロヒドリンを留出せしめ更に分液し水は
除去しエピクロルヒドリンは反応混合物内に連続的に戻
す方法でもよい。
【0023】上記の方法においてエピハロヒドリンの使
用量は本発明のフェノール樹脂の水酸基1当量に対して
通常0.5〜20モル、好ましくは0.7〜10モルで
ある。アルカリ金属水酸化物の使用量は本発明のフェノ
ール樹脂の水酸基1当量に対し通常0.5〜1.5モ
ル、好ましくは0.7〜1.2モルである。また、上記
反応混合物を得る際に、溶媒としてジメチルスルホン、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極
性溶媒を添加することにより加水分解性ハロゲン濃度の
低いエポキシ樹脂が得られ、電子材料封止用途に適す
る。非プロトン性極性溶媒の使用量はエピクロルヒドリ
ンの重量に対し5〜200重量%、好ましくは10〜1
00重量%のである。上記の溶媒以外にもメタノール、
エタノール等のアルコール類を添加することによっても
反応が進み易くなる。またトルエン、キシレン等も使用
することができる。
【0024】また、本発明のフェノール樹脂と過剰のエ
ピハロヒドリンの混合物にテトラメチルアンモニウムク
ロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリ
メチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級ア
ンモニウム塩を触媒として使用し、50℃〜150℃で
反応させ、得られる本発明のフェノール樹脂のハロヒド
リンエーテルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、2
0〜120℃の間の温度で反応させてハロヒドリンエー
テルを閉環させて本発明のエポキシ樹脂を得ることもで
きる。この場合の第四級アンモニウム塩の使用量は本発
明のフェノール樹脂の水酸基1当量に対して0.001
〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルであ
る。
【0025】通常、これらの反応生成物は水洗後、また
は水洗無しに加熱減圧下過剰のエピハロヒドリンを除去
した後、再びトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶
媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行
う。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は本発明の
フェノール樹脂の水酸基1当量に対して0.01〜0.
2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。反応
温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2
時間である。
【0026】次いで反応終了後副生した塩をろ過、水洗
などにより除去し、さらに加熱減圧下トルエン、メチル
イソブチルケトン等の溶媒を留去することにより加水分
解性ハロゲン濃度の低い本発明のエポキシ樹脂を得るこ
とができる。
【0027】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につい
て説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の
エポキシ樹脂及び/又は本発明のフェノール樹脂を必須
成分とし、更に必要により硬化促進剤等を添加するする
ことにより得ることができる。前記(3)、(5)、
(6)記載の本発明のエポキシ樹脂組成物において本発
明のフェノール樹脂合は、単独でまたは他の硬化剤と併
用して使用することができる。併用する場合、本発明の
フェノール樹脂が全硬化剤中に占める割合は30重量%
以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。本発
明のフェノール樹脂と併用しうる硬化剤の具体例として
は、ジアミノジフェニルメタン,ジエチレントリアミ
ン,トリエチレンテトラミン,ジアミノジフェニルスル
ホン,イソホロンジアミン,ジシアンジアミド等のアミ
ン系化合物,リノレン酸の2量体とエチレンジアミンと
より合成されるポリアミド樹脂,無水フタル酸,無水ト
リメリット酸,無水ピロメリット酸,無水マレイン酸,
テトラヒドロ無水フタル酸,メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸,無水メチルナジック酸,ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸,メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系
化合物,フェノ−ルノボラック、クレゾールノボラック
等のノボラック樹脂及びこれらの変性物,イミダゾ−
ル,BF3 −アミン錯体,グアニジン誘導体などが挙げ
られる。これらの硬化剤は1種を使用しても、2種以上
を混合して使用もよい。
【0028】前記(4)、(5)、(6)記載の本発明
のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂
は単独で又は、他のエポキシ樹脂と併用して使用するこ
とができる。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂が全
エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好まし
く、40重量%以上が特に好ましい。この場合用いられ
るエポキシ樹脂は通常は1分子中に2個以上のエポキシ
基を有する化合物が挙げられ、電子機器用として一般に
用いられるものであれば特に制限はない。併用しうるエ
ポキシ樹脂の具体例としては、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型
エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールI型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂
等の、芳香族2価フェノール類から得られるエポキシ樹
脂、フタル酸、ダイマー酸などの多塩基酸とエピハロヒ
ドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、またジアミノジフェニルメタン、イソシアヌ
ール酸などのポリアミンとエピハロヒドリンの反応によ
り得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げ
られる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2
種以上を混合してもよい。
【0029】前記(3)、(6)記載のエポキシ樹脂組
成物において、エポキシ樹脂としては、本発明のエポキ
シ樹脂の他に前記他のエポキシ樹脂が挙げられる。ま
た、前記(4)、(6)記載のエポキシ樹脂組成物にお
いて、硬化剤としては、本発明のフェノール樹脂の他に
前記他の硬化剤が挙げられる。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬
化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対
して通常0.5〜1.5当量、好ましくは0.6〜1.
2当量である。エポキシ基1当量に対して、0.5当量
に満たない場合、あるいは1.5当量を超える場合、い
ずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性は得られない
恐れがある。
【0031】また本発明のエポキシ樹脂組成物中には硬
化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進
剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチ
ルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール
等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフ
ィン等のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合
物などが挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂10
0重量部に対して0.01〜15重量部が必要に応じ用
いられる。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に必
要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。添加
剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、ガラ
ス繊維等の無機充填材、シランカップリング剤のような
充填剤の表面処理剤、離型剤、顔料等が挙げられる。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成
分を所定の割合で均一に混合することにより得られ、通
常130〜170℃の温度で30〜500秒の範囲で予
備硬化し、更に、150〜200℃の温度で2〜15時
間、後硬化することにより充分な硬化反応が進行し、本
発明の硬化物が得られる。又、本発明のエポキシ樹脂組
成物の成分を溶剤等に均一に分散または溶解させ、溶媒
を除去した後硬化させることもできる。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例で説明する。尚、実施例
中のエポキシ当量及び水酸基当量はg/eqを示す。
又、加水分解性塩素濃度とは試料のジオキサン溶液に1
N−KOHエタノール溶液を添加し、30分間環流する
ことにより遊離する塩素量を硝酸銀滴定法により測定
し、これを試料の重量で除した値である。尚、本発明は
これら実施例に限定されるものではない。
【0035】実施例1 水分を60ppm以下まで脱水したフェノール850重
量部を反応器内に仕込み、100±5℃に保ちながら、
45%BF3 エチルエーテルコンプレックス13重量部
を加え、シクロヘプタトリエン92重量部を4時間かけ
て滴下した。滴下後、1時間100±5℃に保持した
後、3重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、2時間撹
拌させて触媒を失活させた。次いで、洗浄液が中性にな
るまで水洗を繰り返し、有機層を回収し、加熱減圧下に
於て未反応のフェノールを留去し、260重量部の本発
明のフェノール樹脂(P1)を得た。得られたフェノー
ル樹脂(P1)の軟化点は126℃、水酸基当量は12
7であり、式(3)で表される骨格を持つ分子を含有す
る。
【0036】
【化4】
【0037】実施例2 フェノール樹脂(P1)124重量部に対してエピクロ
ルヒドリン370重量部、ジメチルスルホキシド80重
量部を加えて溶解後、40℃に加熱し、フレーク状水酸
化ナトリウム(純分99%)41重量部を100分かけ
て添加し、更に50℃で2時間、70℃で1時間反応さ
せた。次いで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、
油層から加熱減圧下、過剰のエピクロルヒドリンを留去
し、残留物に330重量部のメチルイソブチルケトンを
添加し溶解した。更に、このメチルイソブチルケトンの
溶液を70℃に加熱し30重量%の水酸化ナトリウム水
溶液15重量部を添加し、1時間反応させた後、洗浄液
が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで油層から加
熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去することにより
本発明のエポキシ樹脂(E1)147重量部を得た。得
られたエポキシ樹脂(E1)のエポキシ当量は219、
加水分解性塩素濃度は430ppmであった。
【0038】実施例3 実施例1に於て、シクロヘプタトリエンをシクロドデカ
トリエン162重量部に代えた以外は同様の方法で行っ
た結果、402重量部の本発明のフェノール樹脂(P
2)が得られた。得られたフェノール樹脂(P2)の軟
化点は103℃、水酸基当量は137であり、式(4)
で表される骨格を持つ分子を含有する。
【0039】
【化5】
【0040】実施例4 実施例2に於いて、フェノール樹脂(P1)をフェノー
ル樹脂(P2)148重量部に、代えた以外は同様の方
法で行った結果、本発明のエポキシ樹脂(E2)195
重量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E2)のエポキ
シ当量は232、加水分解性塩素濃度は400ppmで
あった。
【0041】実施例5 実施例1に於て、フェノールを2、6ーキシレノール7
32重量部に代えた以外は同様の方法で行った結果、3
51重量部の本発明のフェノール樹脂(P3)が得られ
た。得られたフェノール樹脂(P3)の軟化点は122
℃、水酸基当量は171であり、式(5)で表される骨
格を持つ分子を含有する。
【0042】
【化6】
【0043】実施例6 実施例2に於いて、フェノール樹脂(P1)をフェノー
ル樹脂(P3)153重量部に代えた以外は同様の方法
で行った結果、本発明のエポキシ樹脂(E3)189重
量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E3)のエポキシ
当量は272、加水分解性塩素濃度は390ppmであ
った。
【0044】実施例7 実施例1に於て、フェノールを2ーナフトール900重
量部に代え、水酸化ナトリウム溶液を加える前にメチル
イソブチルケトン500重量部を加えた以外は同様の方
法で行った結果、413重量部の本発明のフェノール樹
脂(P4)が得られた。得られたフェノール樹脂(P
4)の軟化点は141℃、水酸基当量は181であり、
式(6)で表される骨格を持つ分子を含有する。
【0045】
【化7】
【0046】実施例8 実施例2に於いて、フェノール樹脂(P1)をフェノー
ル樹脂(P4)153重量部に代えた以外は同様の方法
で行った結果、本発明のエポキシ樹脂(E4)180重
量部を得た。得られたエポキシ樹脂(E4)のエポキシ
当量は284、加水分解性塩素濃度は420ppmであ
った。
【0047】実施例9〜14 エポキシ樹脂(E1)〜(E4)、フェノール樹脂(P
1)を表1の配合物の組成の欄に示す組成で配合し、2
軸ロールにより混練し、粉砕、タブレット化後、トラン
スファー成型により樹脂成形体を調製し、160℃で2
時間、更に180℃で8時間で硬化させた。尚、上記配
合物を得る際に更に硬化促進剤(トリフェニルフォスフ
ィン)をエポキシ樹脂100重量部当り1重量部配合し
た。このようにして得られた硬化物の物性を測定した結
果を表1に示す。
【0048】実施例15〜18 エポキシ樹脂(E1)〜(E4)を使用し、硬化剤、硬
化促進剤、その他の添加剤を表2の配合物の組成の欄に
示す組成及び割合で配合し、2軸ロールにより混練し、
粉砕、タブレット化後、トランスファー成型により樹脂
成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8
時間硬化させた。このようにして得られた硬化物の物性
を測定した結果を表2に示す。尚、表2において配合物
の組成の欄の数値は重量部を表す。
【0049】硬化物の測定は以下の方法で行った。 ・吸水率:100℃×24時間。試験片は直径5cm×
厚み4mmの円盤。 ・アイゾット衝撃試験:JIS K7110に準拠して
行った。 ・半田クラック試験:封止したテスト用素子を85℃、
85%RHの環境下で48時間処理し、その後260℃
の半田槽に10秒間浸漬後、顕微鏡で外部クラックを観
察した。また、外部クラックが発生しなかった素子に付
いて超音波探傷法により内部クラックまたは内部剥離を
観察した。
【0050】
【表1】 表1 実 施 例 9 10 11 12 13 14 配合物の組成 エポキシ樹脂 E1 E2 E3 E4 ECN E1 硬化剤 PN PN PN PN P1 P1 硬化物の物性 アイゾット衝撃値 12 14 13 15 13 21 (Kg/mm2 ) 吸水率(%) 1.2 1.0 1.0 0.9 0.9 0.7
【0051】表1においてPN :フェノールノボラッ
ク樹脂(日本化薬(株)製、PN−80、150℃にお
けるICI粘度1.5ps、軟化点86℃、OH当量1
06) ECN:クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬
(株)製、EOCN−1020、150℃におけるIC
I粘度2.8ps、軟化点65℃、エポキシ当量20
1) また、硬化剤はエポキシ樹脂1エポキシ当量に対して1
水酸基当量配合した。
【0052】
【表2】 表2 実 施 例 15 16 17 18 配合物の組成 エポキシ樹脂 E1 E2 E3 E4 13.5 13.8 14.4 14.6 硬化剤 6.5 6.2 5.6 5.4 硬化促進剤 0.2 溶融シリカ 78.0 シランカップリング剤 0.7 カーボンブラック 0.5 カルナバワックス 0.5 硬化物の物性 吸水率(%) 0.21 0.20 0.15 0.16 外部クラック発生率 0/10 0/10 0/10 0/10 内部剥離発生率 1/10 0/10 2/10 1/10
【0053】表2中 硬化剤:フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製
PN−80) 硬化剤促進剤:トリフェニルホスフィン 溶融シリカ:フューズレクス RD−8 シランカップリング剤:信越シリコーン製 KBM40
3 であり、硬化促進剤以下、カルナバワックスまでの配合
物は実施例15〜18において全て共通のものを表2に
示した量使用した。また表2中、外部クラック発生率
は、X1個の試験試料に対して外部クラックが発生した
試料X2個の割合をX2/X1で示してある。また表2
中、内部剥離発生率は、Y1個の試験試料に対して内部
剥離が発生した試料Y2個の割合をY2/Y1で示して
ある。
【0054】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂及び/またはエ
ポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物はその硬化物
において優れた耐湿性(耐水性)、耐衝撃性、低誘電率
性を有するため、電気電子部品用絶縁材料(高信頼性半
導体封止材料など)及び積層板(プリント配線板など)
やCFRPを始めとする各種複合材料用、接着剤、塗料
等に使用する場合に極めて有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数7〜15のシクロトリエン類とフェ
    ノール類とを酸触媒の存在下において重合することによ
    り得られるフェノール樹脂。
  2. 【請求項2】請求項1記載のフェノール樹脂のフェノー
    ル性水酸基をグリシジル化してなるエポキシ樹脂。
  3. 【請求項3】(a)エポキシ樹脂 (b)請求項1記載のフェノール樹脂 を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(a)請求項2記載のエポキシ樹脂 (b)硬化剤 を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(a)請求項2記載のエポキシ樹脂 (b)請求項1記載のフェノール樹脂 を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】硬化促進剤を含有する請求項3、4または
    5記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項3、4、5、または6記載のエポキ
    シ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
JP15563995A 1995-05-31 1995-05-31 フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Pending JPH08325361A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15563995A JPH08325361A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15563995A JPH08325361A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08325361A true JPH08325361A (ja) 1996-12-10

Family

ID=15610377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15563995A Pending JPH08325361A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08325361A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6507049B1 (en) * 2000-09-01 2003-01-14 General Electric Company Encapsulants for solid state devices
JP2015513585A (ja) * 2012-02-24 2015-05-14 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー シクロドデカンポリフェノールのエポキシ樹脂の調製法および使用法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6507049B1 (en) * 2000-09-01 2003-01-14 General Electric Company Encapsulants for solid state devices
JP2015513585A (ja) * 2012-02-24 2015-05-14 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー シクロドデカンポリフェノールのエポキシ樹脂の調製法および使用法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
GB2316407A (en) Epoxy resins and compositions containing them
US7968672B2 (en) Phenolic resin, process for production thereof, epoxy resin, and use thereof
JPH07196770A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP3573530B2 (ja) エポキシ樹脂混合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP3894628B2 (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
US6812318B2 (en) Epoxy resins, epoxy resin mixtures, epoxy resin compositions and products of curing of the same
JPH08325361A (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3636409B2 (ja) フェノール類樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3907140B2 (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3468314B2 (ja) エポキシ樹脂の製造方法
JPH0920819A (ja) 変性フェノールノボラック樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3886060B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4463453B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3436794B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP3627878B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4311587B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4033449B2 (ja) エポキシ樹脂及びその製造方法
JPH11181049A (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH08311155A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH10237158A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2000007756A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH08319335A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH08301973A (ja) エポキシ樹脂の製造法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH1160688A (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2005330496A (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物