JPH10120760A - レゾール型フェノール樹脂とその塗料用樹脂組成物 - Google Patents

レゾール型フェノール樹脂とその塗料用樹脂組成物

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JPH10120760A
JPH10120760A JP27610796A JP27610796A JPH10120760A JP H10120760 A JPH10120760 A JP H10120760A JP 27610796 A JP27610796 A JP 27610796A JP 27610796 A JP27610796 A JP 27610796A JP H10120760 A JPH10120760 A JP H10120760A
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resin
epoxy resin
bisphenol
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resol
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JP27610796A
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Yoshihisa Saito
宣久 斉藤
Shiyuuya Shinohara
周也 篠原
Yasuyuki Takeda
恭幸 武田
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Tohto Kasei Co Ltd
Original Assignee
Tohto Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は低分子成分の少ない新規なレゾール型
フェノール樹脂と、該樹脂をエポキシ樹脂に配合した水
性塗料組成物を提供するものであり、この塗料より得ら
れた塗膜は、衛生性やフレーバー保持性等に優れた特性
を有する。 【構成】フェノール類とホルムアルデヒド類とを反応せ
しめてなるレゾール型フェノール樹脂において、フェノ
ール類として末端にフェノール性水酸基を有する変性ビ
スフェノール型エポキシ樹脂を用い、分子量500以下
の低分子量成分が1%未満である事を特徴とするレゾー
ル型フェノール樹脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低分子量成分を含
まない新規なレゾール型フェノール樹脂、及び、該低分
子量成分を含まない新規なレゾール型フェノール樹脂を
エポキシ樹脂に配合した、衛生性、フレーバー保持性、
耐レトルト性、加工性、密着性等に優れた塗膜を形成で
き、特に缶内面用に適した塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、缶塗料用途においては耐食性や
加工性の面からエポキシ樹脂系塗料が用いられており、
このエポキシ樹脂系塗料としては、数平均分子量3,0
00〜12,000のビスフェノール型エポキシ樹脂と
アミノ樹脂や尿素樹脂或いはレゾール型フェノール樹脂
等の架橋剤からなるものであるが、衛生性、フレーバー
保持性などの性能に満足できていなかった。この問題を
改善するための架橋剤が種々検討されている。例えば特
開平2−242865号公報には、末端にフェノール性
水酸基を導入した変性エポキシ樹脂を塩基性触媒存在下
にホルムアルデヒド類と反応させて得られるレゾール型
フェノール樹脂を架橋剤として含有することを特徴とす
る組成物が開示されている。また、特開平4−3701
71号公報には、フェノール類とホルムアルデヒド類と
を反応せしめてなる、数平均分子量250以下の成分が
1重量%以下であるレゾール型フェノール−ホルムアル
デヒド樹脂を架橋剤として用いる方法が開示され、更
に、特開平5−287236号公報では、オキシフェニ
ル基を導入したエポキシ樹脂変性物とレゾール型フェノ
ール樹脂とを無触媒もしくは酸性触媒下で縮合反応させ
た変性レゾール型フェノール樹脂を架橋剤として用いる
方法が開示されている。しかしながらこれら公報に記載
の架橋剤を用いても衛生性やフレーバー保持性の点では
満足できる塗膜を得ることは出来ず、缶用塗料としては
限定されるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は衛
生性やフレーバー保持性等に優れるレゾール型フェノー
ル樹脂を得る方法について鋭意検討を重ねた結果、本発
明に到達したもので、本発明は衛生性やフレーバー保持
性等に優れた塗膜を得ることができるレゾール型フェノ
ール樹脂と、該樹脂をエポキシ樹脂に配合した塗料組成
物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨はフ
ェノール類とホルムアルデヒド類とを反応せしめてなる
レゾール型フェノール樹脂において、フェノール類とし
て末端にフェノール性水酸基を有する変性ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂を用い、分子量500以下の低分子量
成分が1%未満である事を特徴とするレゾール型フェノ
ール樹脂、及び、該レゾール型フェノール樹脂をエポキ
シ樹脂100重量部に対し1〜40重量部配合する事を
特徴とする塗料組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のレゾール型フェノール樹
脂は、反応溶媒中、塩基性触媒の存在下にフェノール類
として末端にフェノール性水酸基を有する変性ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂とホルムアルデヒド類とを反応さ
せることによって得ることができる。この変性ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノール類とエピクロ
ルヒドリンとを反応させる所謂直接合成法か、またはビ
スフェノール型エポキシ樹脂とビスフェノール類を反応
させる所謂間接合成法のどちらでも合成することができ
る。直接合成法の場合には、エピクロルヒドリンと過剰
のビスフェノール類とを水酸化ナトリウム触媒の存在下
反応させた後、未反応のビスフェノール類を除去するこ
とにより得ることができ、また、間接合成法の場合に
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と過剰のビスフェノ
ール類とを反応させた後、残存する未反応のビスフェノ
ール類を除去することにより得ることができる。直接合
成法及び間接合成法で得られる変性ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂は、フェノール性水酸基当量が400〜80
0g/eq、好ましくは400〜700g/eqの範囲
であり、残存するビスフェノール類が1%未満、好まし
くは0.5%以下である事が望ましい。水酸基当量が4
00g/eq以下では工業的に得ることは難しく、80
0g/eqを超えると分子量が高くなるため、塗膜の密
着性や加工性、耐レトルト性が悪くなるためであり、ま
た、残存するビスフェノール類が1%を超えると低分子
成分の影響により塗膜の衛生性、フレーバー保持性が劣
るためである。
【0006】末端にフェノール性水酸基を有する変性ビ
スフェノール型エポキシ樹脂の合成に用いることのでき
るビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフ
ェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールC等
が挙げられ、これらを1種または数種類混合して使用す
ることができるが、特にビスフェノールAやビスフェノ
ールFが好ましい。また間接合成法で用いられるビスフ
ェノール型エポキシ樹脂としては、前記ビスフェノール
類のグリシジルーエーテル類が挙げられるが、好ましく
はビスフェノールA型やビスフェノールF型の低分子量
の液状エポキシ樹脂である。
【0007】直接合成法による変性ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂は、エピクロロヒドリン1モルに対してビス
フェノール類を1.2モル〜10モル、好ましくは1.5
〜5モルの範囲内で過剰に反応させる。尚、用いるビス
フェノール類が1.2モル以下では高分子量体が生成し
てしまうためであり、10モル以上では残存するビスフ
ェノール類が多くなり、これを除去するには工業的に不
利になるためである。また、水酸化ナトリウムはエピク
ロロヒドリン1モルに対して0.7〜1.2モルとし、8
〜15重量%の濃度で用いる。反応は、40〜120℃
の範囲で1〜8時間で行うことができる。また、反応は
エポキシ基とは反応しない溶剤中で行う事ができ、具体
的にはトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水
素類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、ジエチレン
グリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等
のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、ジブチル
エーテル、エチルプロピルエーテル等の脂肪族エーテル
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂環式エーテ
ル類が挙げられる。
【0008】間接合成法による変性ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂は、直接合成法と同様にエポキシ樹脂1モル
に対し、ビスフェノール類を1.2モル〜10モル、好
ましくは1.5〜5モルの範囲内で過剰に反応させる。
反応はエポキシ樹脂とビスフェノール類とを一括で仕込
んでも良く、ビスフェノール類にエポキシ樹脂を徐々に
添加して行っても良い。また、反応は触媒存在下30℃
〜220℃の範囲で、30分〜20時間、好ましくは8
0℃〜160℃で1〜6時間で行うことができる。また
使用できる触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物類、トリエチルアミン、
ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類、2−メチル
イミダゾール、2ーエチル4ーメチルイミダゾール等の
イミダゾール類、テトラメチルアンモニウムブロマイ
ド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド等の4
級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン、トリブ
チルホスフィン等のホスフィン類、nーブチルトリフェ
ニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホ
ニウムイオダイド等のホスホニウム塩類等が挙げられ
る。触媒の使用量は反応に用いられるビスフェノール類
に対して、10〜10,000ppmの範囲内が好まし
い。尚、直接合成法と同様に溶媒中で反応することがで
き、エポキシ基が消失した時点を反応の終点とする。
【0009】反応終了後に、残存している未反応のビス
フェノール類を除去する方法としては、溶媒抽出法、再
結晶法、分子蒸留法、分離膜による処理法、アルカリ水
溶液に溶解して除去する方法等が挙げられるが、工業的
には分子蒸留法やアルカリ水溶液溶解法が好ましい。ア
ルカリ水溶液溶解法としては、直接合成法、間接合成法
ともに反応終了後に、前述した溶媒を固形分が20〜5
0重量%になる様に添加して希釈した後、生成した末端
にフェノール性水酸基を有する変性エポキシ樹脂と未反
応のビスフェノール類のフェノール性水酸基1モルに対
して0.7〜1.5モルに相当するアルカリ金属水酸化物
を加えて反応し、アルカリ金属フェノラートを生成させ
る。反応は30℃〜100℃で、10分〜5時間程度で
実施することが出来る。次に溶剤に溶解している高分子
量の生成物より、2官能フェノール類のアルカリ金属フ
ェノラートのみを分離除去する。アルカリ金属水酸化物
としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の15重
量%以下の水溶液が好ましい。水溶液の濃度が15重量
%以上では2官能フェノール類が析出するためであり、
特に好ましくは2〜13重量%の範囲である。一回の分
離操作で残存するビスフェノール類の殆どは除去するこ
とができる。ビスフェノール類を除去した後、燐酸や燐
酸ソーダ等の酸により中和及び水洗してから、溶媒を留
去する事により、フェノール性水酸基当量が400〜8
00g/eqで、ビスフェノール類が実質的に残存して
いない固形のフェノール性水酸基含有変性ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂を得る事ができる。
【0010】本発明のレゾール型フェノール樹脂は該フ
ェノール性水酸基含有変性ビスフェノール型エポキシ樹
脂を有機溶剤に溶解し、塩基性触媒の存在下に、ホルム
アルデヒト類を加えて反応させる事によって得ることが
できる。該反応に用いられる有機溶剤としてはトルエ
ン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチル
イソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、ジエチレングリコールメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテ
ル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプ
ロピルエーテル等の脂肪族エーテル類、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等の脂環式エーテル類が挙げられる。
合成に用いられるホルムアルデヒド類としては、ホルマ
リン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。また、塩
基性触媒としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、
水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物類、水酸化マ
グネシウムや水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸
化物類、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン等のアミン類等が挙げられる。塩基性触媒の使用量
は、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂のフェノール性
水酸基当量1モルに対して0.005〜2.0モル程度使
用されるのが好ましい。0.005モル未満では反応が
進まず、2.0モルを超えると反応の制御が難しくなる
ためである。また、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂
のフェノール性水酸基当量1モルに対してホルムアルデ
ヒド類は2〜10モル用いる。10モル以上では生成樹
脂中の遊離ホルマリンの量が多くなるためであり、2モ
ル以下ではレゾール化反応が十分に進まないためであ
り、特に好ましくは4〜6モルの範囲である。なお、反
応条件としては特に限定されるものではなく、40〜1
20℃で1〜10時間反応させることができる。上記の
反応によって合成されるレゾール型フェノール樹脂は分
子量500以下の低分子成分が1%未満であり、従来の
ものと比べて少ないため、特に缶内面用塗料の架橋剤と
して用いた場合に衛生性、フレーバー保持性に優れてい
る。
【0011】本発明にかかる塗料組成物は、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂100重量部に前記のレゾール型フ
ェノール樹脂を1〜40重量部配合する事を特徴とする
ものである。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、
数平均分子量が3,000〜12,000の範囲のビスフ
ェノールA型やビスフェノールF型の高分子量エポキシ
樹脂が好ましい。また、本発明の塗料組成物は、エポキ
シ樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂とをエステル
化触媒の存在下で部分反応したものや、エポキシ樹脂に
アクリル酸もしくはメタアクリル酸を含む付加重合性モ
ノマーをラジカル発生剤の存在下に重合反応させたアク
リルグラフト変性物等従来公知の自己乳化性エポキシ樹
脂を用いても良い。これらのエポキシ樹脂に、架橋剤と
して本発明のレゾール型フェノール樹脂を1〜40重量
部、好ましくは3〜30重量部の範囲で用いる。1重量
部以下では架橋反応が十分に行われず、40重量部以上
では塗膜の加工性が低下するためである。なお、本発明
の塗料組成物は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とレゾ
ール型フェノール樹脂を必須成分とするものであるが、
これらの成分の他に、硬化促進剤や有機溶剤、可塑剤、
顔料、界面活性剤、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂等を
必要に応じて配合することができる。本発明の塗料組成
物をもちいて塗装する場合には、スプレー、ロールコー
ト、刷毛塗り、流し塗り等公知の方法を用いることがで
きる。また、塗装後は120〜300℃の温度で10秒
〜20分の範囲で焼き付けて塗膜を得ることができる。
【0012】
【実施例及び比較例】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明の技術的範囲は実施例のみに制
限されるものではない。尚、実施例及び比較例における
各成分の配合部数は、特に断らない限り重量部を示すも
のである。また、ビスフェノール型変性エポキシ樹脂、
レゾール型フェノール樹脂、塗膜の評価は以下の方法で
行った。
【0013】フェノール性水酸基当量 試料をメタノール3重量%混合テトラヒドロフランに溶
解し、テトラメチルアンモニウムで発色させ、分光光度
計を用いて305nmにおける吸光度を測定し、予め原
料に用いたフェノール類を標準として同様の操作により
作成した検量線により換算して求めた。 軟化点 JISK2207に従い環球法で測定した。 残存ビスフェノール量 以下の条件によるGPC測定での面積%で求めた。 装置 :HLC−802A(東ソー社製) カラム :TSK−GEL G2000H,3000
H,4000H各1本(東ソー社製) カラム温度:40℃ 移動相 :THF 流量 :1.5ml/min. 検出器 :RI 試料濃度 :5mg/l 分子量500以下の定量法 上記条件でGPC測定を行い標準ポリスチレンで作成し
た較正曲線での分子量500以下の面積%で表した。 重量平均分子量 上記条件でGPC測定を行いポリスチレン換算した。
【0014】密着性 塗膜に100個の1mm×1mmの碁盤目を基板に至る
深さでカッターナイフで切り込みを入れてからセロハン
テープを貼って瞬間的に引き剥がし、塗膜の剥離の有無
を目視で判定し、基板上に残った碁盤目数で評価した。 加工性 塗装板を塗装面が外側になるように折り曲げ、20℃で
20kg/cm2の圧力によりプレスした。次に折り曲
げた部分をエナメルレーター(通電試験機)を用い電流
値を測定して塗膜の損傷の程度を次の3段階で評価し
た。 ○:電流値が1mA未満 △:電流値が1mA以上5mA未満 ×:電流値が5mA以上
【0015】耐レトルト性 塗装板を125℃で30分間レトルト処理を施した後、
塗膜の白化度合いを目視で次の3段階で評価した。 ○:全く白化なし △:一部白化 ×:全面白化 衛生性 両面塗装した試験板を耐圧ガラス容器に入れ塗膜表面積
と水との接触比が1ml/1cm2となるように活性炭
処理した水道水を加え密閉した後、レトルト殺菌機にて
125℃で30分間処理した。冷却後、処理水の過マン
ガン酸カリウム消費量を食品衛生法記載の方法に準じて
測定し、以下のように評価した。 ○:過マンガン酸カリウム消費量が1ppm未満 △:過マンガン酸カリウム消費量が1ppm以上5pp
m未満 ×:過マンガン酸カリウム消費量が5ppm以上 フレーバー保持性 上記衛生性と同様に処理した水のフレーバー性を試験板
を入れないで処理した水との比較を官能試験により以下
のように評価した。 ○:全く変化なし △:若干変化あり ×:著しく変化あり
【0016】実施例1 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応装置にビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂としてYDー128(東都化成
社製;エポキシ当量186g/eq、粘度12,500
mPa・s/25℃)を150部とビスフェノールAを
183部仕込み、120℃に加熱溶融させた後、トリフ
ェニルホスフィン0.2部添加し、150℃で5時間反
応した。その後、メチルイソブチルケトンを550部仕
込溶解し、5.5%の水酸化ナトリウム水溶液を700
部仕込み、90℃で30分攪拌した後、靜置分液し、樹
脂溶液層を燐酸で中和、更に水性してからメチルイソブ
チルケトンを留去して変性ビスフェノール型エポキシ樹
脂を得た。得られた変性樹脂の水酸基当量は653g/
eqで、軟化点は107℃、残存ビスフェノールAは
0.08%であった。この変性ビスフェノール型エポキ
シ樹脂200部と、n−ブタノール108部、1モル/
lの水酸化ナトリウム水溶液23部、37%ホルマリン
174部を反応装置に仕込み、80〜85℃で4時間反
応させた。次いで燐酸にて中和、水洗後、減圧にて脱
水、脱溶剤及び脱ホルマリンを行った。樹脂分濃度70
%の時点でn−ブタノールとプロピレングリコールモノ
メチルエーテルの混合溶剤により50%に希釈して、重
量平均分子量3,400で分子量500以下の成分が1
%未満のレゾール型フェノール樹脂ワニスを得た。この
方法で得られたレゾール型フェノール樹脂のGPCチャ
−トを図1に示す。
【0017】実施例2 攪拌機、温度計、冷却管及び滴下装置を備えた反応装置
にビスフェノールAを222部とNaOHの10%水溶
液225部を加えて55℃で溶解させた後、エピクロロ
ヒドリン50部を一括で仕込んで90℃で2時間反応を
行った。反応後にメチルイソブチルケトン411部を加
えて樹脂を溶解した後5.5%のNaOH水溶液を85
3部加えて、撹拌し静置分液後に燐酸で中和、水洗、脱
水後に溶剤を留去して、淡黄色の変性ビスフェノール型
エポキシ樹脂を得た。得られた樹脂のフェノール性水酸
基当量は402g/モル、軟化点は95℃、残存ビスフ
ェノールAは、0.05%であった。上記で得られた変
性ビスフェノール型エポキシ樹脂を200部、n−ブタ
ノールを108部、1モル/lのNaOH水溶液を23
部、37%ホルマリン水174部を反応装置に仕込み、
80〜85℃で4時間反応させた。次いで燐酸にて中
和、水洗後、減圧にて脱水、脱溶剤及び脱ホルマリンを
行った。樹脂分濃度70%の時点でn−ブタノールとプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤によ
り50%に希釈して、重量平均分子量2,000で分子
量500以下の成分が0.3%未満のレゾール型フェノ
ール樹脂ワニスを得た。
【0018】比較例1 実施例1と同様の装置にエポキシ樹脂としてYDー12
8を200部とビスフェノールAを245部仕込み、1
20℃に加熱溶融させた後、トリフェニルホスフィンを
0.2部添加し、150℃で5時間反応した。得られた
樹脂の水酸基当量は374g/eqで、軟化点は89
℃、残存ビスフェノールAは15.8%であった。上記
で得られた変成ビスフェノール型エポキシ樹脂208
部、n−ブタノール112部、1モル/lのNaOH水
溶液11部、37%ホルマリン水162部を反応装置に
仕込み、80〜85℃で4時間反応を行った。次いで燐
酸にて中和、水洗後、減圧にて脱水、脱溶剤及び脱ホル
マリンを行った。樹脂分濃度70%の時点で実施例1と
同様に50%に希釈して、重量平均分子量3,400で
分子量500以下の成分が11.5%のレゾール型フェ
ノール樹脂を得た。得られたレゾール型フェノール樹脂
のGPCのチャ−トを図2に示した。
【0019】比較例2 市販のレゾール型フェノール樹脂、ヒタノール4010
(日立化成工業社製;樹脂濃度50重量%)について分
子量を測定した結果、重量平均分子量は2,420で、
分子量500以下の成分は27.3%であった。このG
PCチャ−トを図3に示した。
【0020】実施例3 エポキシ樹脂YD−909(東都化成社製)95部に、
キシレン140部とシクロヘキサノン145部を加えて
溶解し樹脂濃度25%の溶液とし、この樹脂溶液に実施
例1で得られたレゾール型フェノール樹脂を40部及び
85%リン酸0.5部を混合して塗料を調製した。得ら
れた塗料を厚さ0.3mmのアルミニウム板にバーコー
ターで塗布し200℃で10分間焼き付けて膜厚10μ
mの塗膜を得た。
【0021】実施例4 実施例2で得られたレゾール型フェノール樹脂を用いた
以外は実施例3と同様に塗料を調製、焼き付けて実施例
4の塗膜を得た。
【0022】比較例3 比較例1で得られたレゾール型フェノール樹脂を用いた
以外は実施例3と同様に塗料を調整、焼き付けて比較例
3の塗膜を得た。
【0023】比較例4 比較例2のレゾール型フェノール樹脂を用いた以外は実
施例3と同様に塗料を調製、焼き付けて比較例4の塗膜
を得た。
【0024】実施例3〜4及び比較例3〜4で得られた
塗膜の物性について試験を行い、その結果を表1に示し
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】実施例より明かなように、本発明のレゾ
ール型フェノール樹脂は、従来公知の樹脂と比べて低分
子量成分の含有量が少なく、その塗料組成物は、衛生
性、フレーバー性等の塗膜性能に優れ、特に缶塗料用途
として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたレゾール型フェノール樹脂
のGPCチャートである。
【図2】比較例1で得られたレゾール型フェノール樹脂
のGPCチャートである。
【図3】比較例2で挙げた市販のレゾール型フェノール
樹脂、ヒタノール4010(日立化成工業社製;樹脂濃
度50重量%)のGPCチャートである。
【符号の説明】
図1、図2、図3は、校正曲線における溶離時間(横
軸)と分子量の対数(縦軸;logM)を同時にプロッ
トしたものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とホルムアルデヒド類とを
    反応せしめてなるレゾール型フェノール樹脂において、
    フェノール類として末端にフェノール性水酸基を有する
    変性ビスフェノール型エポキシ樹脂を用い、分子量50
    0以下の低分子量成分が1%未満である事を特徴とする
    レゾール型フェノール樹脂。
  2. 【請求項2】 変性ビスフェノール型エポキシ樹脂が、
    フェノール性水酸基当量400〜800g/eqで未反
    応のビスフェノール類が1%未満であることを特徴とす
    る請求項1記載のレゾール型フェノール樹脂。
  3. 【請求項3】 ビスフェノール型エポキシ樹脂100重
    量部に、末端にフェノール性水酸基を有する変性ビスフ
    ェノール型エポキシ樹脂とホルムアルデヒド類とを反応
    せしめた分子量500以下の低分子量成分が1%未満で
    あるレゾール型フェノール樹脂を1〜40重量部配合す
    る事を特徴とする溶剤型または水性塗料用樹脂組成物。
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