JP2014173090A - エポキシ樹脂組成物、同組成物を製造する方法、およびその物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高純度の脂環式エポキシ樹脂を使用してなるアドバンスドエポキシ樹脂は、改善した可撓性及び低い総塩素含量を有する硬化塗装を提供する。
【解決手段】下式のジグリジルエーテルを含むエポキシ樹脂と、芳香族ジオール及びジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物の反応生成物を含むアドバンスドエポキシ樹脂。
Figure 2014173090

(nは1〜3;各R1は独立にH、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル又はC6〜24アリール;各R3は独立にH、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜24アリール又はグリシジルエーテル基;ジクリシジルエーテルは2個のグリシジルエーテル基を含有)
【選択図】なし

Description

本開示は、概してエポキシ樹脂組成物、同組成物を製造する方法、およびその物品に関する。
エポキシ樹脂は、金属缶塗装、一般的工業用金属および海洋保護塗装、自動車プライマー、プリント基板、半導体封止材、接着剤および航空宇宙複合材料などの多様な用途を有する周知のポリマーである。ビスフェノールAに基づく高分子量エポキシ樹脂は塗装産業に広く使用されている。高分子量エポキシ樹脂は、優れた機械特性および性能を提供するために、硬化剤と骨格に沿った末端エポキシ基および複数の2級水酸基の反応により硬化され得る。しかしながら、ビスフェノールA系高分子量エポキシ樹脂は、室温で限られた可撓性および靱性を有する。可撓性の欠乏は、特定の用途、例えば、可撓性塗装および缶塗装で問題となり、塗装変形時に硬化塗装のクラッキングおよび層間剥離をもたらすおそれがある。さらに、いくつかのエポキシ樹脂は、ルイス酸触媒プロセスにより製造されるが、これはエポキシ樹脂中にイオン性および加水分解性塩化物を含む高レベルの塩化物をもたらすおそれがある。塩化物の存在は、エレクトロニクスおよび食品と接触して使用される塗装、例えば、缶塗装を含む多くの用途にエポキシ樹脂を使用することを妨げる。エポキシ樹脂塗装中の高い塩化物レベルはまた金属基板の腐食に寄与し得る。
多くの用途に使用されるエポキシ樹脂は、アドバンスドビスフェノールA樹脂(advanced bisphenol A resin)である。脂環式ジグリシジルエーテルがアドバンスメント反応(advancement reaction)でビスフェノールAジグリシジルエーテルに置き換わると、可撓性および靱性のいくらかの改善が実現され得る。高分子量のアドバンスドエポキシ樹脂の合成は、高純度のジグリシジルエーテルを要する。高純度の脂環式ジグリシジルエーテルは容易には入手できない。脂環式ジオールをエピクロロヒドリンと反応させる場合に複数の反応経路が利用可能であるために、高純度の脂環式ジグリシジルエーテルを調製することは問題がある。アドバンスメント反応が低純度の脂環式ジグリシジルエーテルで試みられると、架橋反応により早期ゲル化が起こり、生成物を役に立たなくするおそれがある。
そのため、高純度の脂環式エポキシ樹脂を調製および使用してアドバンスド脂環式樹脂を調製することが望ましい。硬化して靱性の高い可撓性塗装を与える、また低い総塩素含量を有するエポキシ樹脂を有することも望ましい。
改善した可撓性および低い総塩素含量を有する硬化塗装を与える実質的に直鎖状の高分子量脂環式エポキシ樹脂の必要性は、式1
Figure 2014173090
(式中、nは1、2または3であり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキルまたはC6〜24アリールであり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜24アリールまたはグリシジルエーテル基である)
のジグリシジルエーテル(但しジグリシジルエーテルは2個のグリシジルエーテル基を有する)
を含むエポキシ樹脂と;芳香族ジオールおよびジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物の反応生成物を含むアドバンスドエポキシ樹脂により満たされる。
別の実施形態は、式1のジグリシジルエーテルを含むエポキシ樹脂を、芳香族ジオールおよびジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物と反応させるステップを含む、アドバンスドエポキシ樹脂を製造する方法である。
別の実施形態は、アドバンスドエポキシ樹脂と、硬化剤と、任意選択により硬化触媒とを含む硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物である。
別の実施形態は、アドバンスドエポキシ樹脂を硬化剤および任意選択により硬化触媒と反応させるステップを含む、硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物を硬化する方法である。
別の実施形態は、アドバンスドエポキシ樹脂と硬化剤の反応生成物を含む硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物である。
別の実施形態は、塗装、接着剤、電気もしくは構造積層板、電気もしくは構造複合材料、フィラメントワインディング、成型物、鋳造物、ポッティングまたは封止材である、硬化アドバンスドエポキシ樹脂を含む物品である。
これらのおよび他の実施形態は以下に詳細に記載される。
本発明者らは、改善した可撓性および減少した総塩素レベルを有する硬化塗装を提供するアドバンスドエポキシ樹脂を発見した。高分子量エポキシ樹脂、すなわち、500超のエポキシド当量を有するものが望ましい。低分子量ジグリシジルエーテルの分子量は、連鎖延長剤として働く二官能性化合物による鎖延長により増加され、実質的に直鎖状の高分子量エポキシ樹脂を形成することができる。例えば、二官能性化合物は芳香族ジオールまたはジカルボン酸であり得る。鎖延長プロセスは「アドバンスメント」としても知られており、鎖延長グリシジルエーテルは本明細書で「アドバンスドエポキシ樹脂」と呼ばれる。実質的に直鎖状の高分子量アドバンスドエポキシ樹脂を得るために精製ジグリシジルエーテルが使用される。
本明細書に開示されるアドバンスドエポキシ樹脂は、改善した可撓性を有する硬化塗装を提供する。塗装は変形時のクラッキングおよび層間剥離に耐性であるので、可撓性塗装および缶塗装に理想的に適している。アドバンスドエポキシ樹脂はまた、低い総塩素含量を有するので、エレクトロニクス用途および食品と接触して使用される塗装、例えば、缶塗装に適している。さらに、アドバンスドエポキシ樹脂はまた金属基板の腐食を促進しない。
「a」および「an」という用語は、量の限定を表すのではなく、むしろ当該品目の少なくとも1つの存在を表す。「または」という用語は「および/または」を意味する。オープンエンド移行句「含む」は、中間移行句「から本質的になる」およびクローズエンド句「からなる」を包含する。これらの3つの移行句の1つを列挙する請求項、または「含有する」もしくは「含む」などの代替移行句を用いる請求項は、文脈上または技術分野により明確に除外されない限り、任意の他の移行句を用いて書かれ得る。値の範囲の列挙は、本明細書に特に明示しない限り、範囲に入る各別々の値に個々に言及する省略表現法として作用することを単に意図されており、各別々の値はそれがあたかも本明細書に個々に列挙されているかのように明細書に組み込まれる。全範囲の終点は範囲に含まれ、独立に組み合わせることができる。
「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含む。「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書では、順序、量または重要性を表さず、むしろある要素を別の要素から区別して表すために使用される。本明細書で使用する接尾語「(s)」は、それが修飾する用語の単数と複数の両方を含むことを意図されており、それによってその用語の1つまたは複数を含む(例えば、フィルム(複数可)は1つまたは複数のフィルムを含む)。「一実施形態」、「別の実施形態」、「実施形態」などへの本明細書の全体を通した言及は、その実施形態に関連して記載される特定の要素(例えば、特徴、構造および/または特性)が本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態中に存在してもしなくてもよいことを意味する。さらに、記載される要素は任意の適当な様式で種々の実施形態に混合され得ることを理解すべきである。
化合物は、本明細書では標準的命名法および化学構造図を使用して記載される。例えば、任意の指示基により置換されていない任意の位置は、指示結合により満たされるその結合価および/または水素原子(複数可)を有すると理解される。本明細書で使用する「アルキル」という用語は、指定された数の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖脂肪族炭化水素基を指す。アルキルの例には、それだけに限らないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、n−およびs−ヘキシル、n−およびs−へプチル、ならびにn−およびs−オクチルが含まれる。本明細書で使用する「シクロアルキル」という用語は、任意選択により直鎖または分枝鎖脂肪族置換基(複数可)を含み、指定された数の炭素原子を有する脂環式基を指す。本明細書で使用する「アリール」という用語は、任意選択により直鎖または分枝鎖脂肪族置換基(複数可)を含み、指定された数の炭素原子を有する芳香族基を指す。本明細書で使用する「ヒドロカルビル」という用語は、任意の脂肪族、脂環式、芳香族、アリール置換脂肪族もしくは脂環式、または脂肪族もしくは脂環式置換芳香族基を指す。脂肪族および脂環式基は、飽和または不飽和であり得る。「ヒドロカルビルオキシ」という用語は、それとそれが付着する炭素原子との間に酸素結合を有するヒドロカルビル基を指す。
本明細書で使用する場合、「熱硬化性樹脂」という用語は、加熱すると不可逆的に凝固するまたは「固化する」ことができるポリマーを指す。「硬化性」および「熱硬化性」という用語は同義語であり、組成物が硬化もしくは熱硬化状態または条件に変換されることが可能であることを意味する。「硬化」または「熱硬化」という用語は、L.R.Whittington in Whittington’s Dictionary of Plastics(1968)の239頁に以下の通り定義されている:「完成品としてのその最終状態で実質的に不融性および不溶性である樹脂またはプラスチック化合物。熱硬化性樹脂は通常その製造または加工のある段階で液体であり、熱、触媒作用、またはいくつかの他の化学的手段により硬化する」。完全に硬化した後、熱硬化性樹脂は明らかには流れず、熱を加えることにより実質的に再形成され得ない。本明細書で使用する「Bステージ」という用語は、生成物がアルコールまたはケトンなどの溶媒への完全溶解性から部分溶解性をなお有するように部分的に硬化された熱硬化性樹脂を指す。
アドバンスドエポキシ樹脂は、式1
Figure 2014173090
(式中、nは1、2または3であり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキルまたはC6〜24アリールであり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜24アリールまたはグリシジルエーテル基である)
のジグリシジルエーテル(但し、ジグリシジルエーテルは2個のグリシジルエーテル基を有する)
を含むエポキシ樹脂と;芳香族ジオールおよびジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物の反応生成物を含む。
ジグリシジルエーテルは、式1でそれぞれn=1、2および3に相当する、シクロプロパン環、シクロブタン環およびシクロペンタン環の1個または複数を含む。各グリシジルエーテル基は、独立に式2
Figure 2014173090
(式中、Rは水素またはC1〜4アルキルであり、Sは直接結合、C1〜12アルキレンまたはC6〜24アリーレンである)
を有する。
ジグリシジルエーテルの例には、シクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテル、シクロブタン−1,2−ジグリシジルエーテル、モノ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテル、モノ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,2−ジグリシジルエーテル、ジ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテル、ジ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,2−ジグリシジルエーテル、トリ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテル、テトラ−C1〜4アルキル−シクロブタンジグリシジルエーテル、シクロプロパン−1,2−ジグリシジルエーテル、モノ−C1〜4アルキル−シクロプロパン−1,2−ジグリシジルエーテル、ジ−C1〜4アルキル−シクロプロパン−1,2−ジグリシジルエーテル、シクロペンタン−1,2−ジグリシジルエーテル、シクロペンタン−1,3−ジグリシジルエーテル、モノ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジグリシジルエーテル、モノ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジグリシジルエーテル、ジ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジグリシジルエーテル、ジ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジグリシジルエーテル、トリ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジグリシジルエーテル、トリ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジグリシジルエーテル、テトラ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジグリシジルエーテル、テトラ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジグリシジルエーテル、ペンタ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジグリシジルエーテル、ペンタ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジグリシジルエーテル、ヘキサ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジグリシジルエーテル、ヘキサ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジグリシジルエーテル、および前記の1種または複数を含む組み合わせがある。いくつかの実施形態では、ジグリシジルエーテルは、シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテルを含む。
ジグリシジルエーテルは、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、50面積%以上、具体的には70面積%以上、より具体的には85面積%以上、より具体的には90面積%以上、より具体的には95面積%以上、一層より具体的には98面積%以上、なおより具体的には99面積%以上、さらにより具体的には99.5面積%の純度を有することができる。アドバンスドエポキシ樹脂を調製するために、ジグリシジルエーテルが、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、90面積%以上、より具体的には95面積%以上、一層より具体的には98面積%以上、なおより具体的には99面積%以上、さらにより具体的には99.5面積%の純度を有することが望ましい。理論により拘束されるものではないが、アドバンスメント反応に低純度ジグリシジルエーテルを使用することは、オリゴマーの存在により、架橋およびゲル化を引き起こすおそれがある。標的純度は、以下に記載される精製法により達成され得る。ジグリシジルエーテル中の不純物は、式1(式中、nは1、2または3であり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキルまたはC6〜24アリールであり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜24アリール、ヒドロキシル、C1〜12ヒドロキシアルキル、C6〜24ヒドロキシアリールまたはグリシジルエーテル基である)のモノグリシジルエーテル(但しモノグリシジルエーテルは1個のグリシジルエーテル基および1個のヒドロキシル、C1〜12ヒドロキシアルキルまたはC6〜24ヒドロキシアリール基を有する)を含むことができる。ジグリシジルエーテル中の不純物はまた、以下では「オリゴマー(複数可)」と呼ばれる、オリゴマーエポキシ樹脂、および他の微量成分を含むこともできる。
ジグリシジルエーテルは、水性エポキシ化プロセスにより形成され得る。特に、エポキシ樹脂は、1種または複数の塩基性作用物質、水、および任意選択により1種または複数の触媒、および/または有機溶媒の存在下でジオールとエピハロヒドリンを反応させることにより形成され得る。ジグリシジルエーテルを製造する方法は、(a)式3
Figure 2014173090
(式中、nおよびRは上に定義される通りであり、各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、ヒドロキシル、C1〜12ヒドロキシアルキルまたはC6〜24ヒドロキシアリールである)のジオール(但し、ジオールは2個のヒドロキシル、C1〜12ヒドロキシアルキルまたはC6〜24ヒドロキシアリール基を有する)と;エピハロヒドリンと;相間移動触媒と;任意選択により有機触媒とを含む反応混合物を形成するステップと;(b)塩基性作用物質および水をステップ(a)の混合物と接触させるステップと;(c)ステップ(b)の混合物を水性溶媒で洗浄して塩を実質的に除去して式1
Figure 2014173090
(式中、n、RおよびRは上に定義される通りである)のジグリシジルエーテルエーテル(但し、ジグリシジルエーテルは2個のグリシジルエーテル基を有する)を含むエポキシ樹脂を形成するステップと;(d)反応混合物からジグリシジルエーテルを単離するステップとを含む。ジグリシジルエーテルの上記変形の全てがジグリシジルエーテルを製造する方法にも同様に当てはまる。
ジオールの例には、シクロブタン−1,3−ジオール、シクロブタン−1,2−ジオール、モノ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,3−ジオール、モノ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,2−ジオール、ジ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,3−ジオール、ジ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,2−ジオール、トリ−C1〜4アルキル−シクロブタン−1,3−ジオール、テトラ−C1〜4アルキル−シクロブタンジオール、シクロプロパン−1,2−ジオール、モノ−C1〜4アルキル−シクロプロパン−1,2−ジオール、ジ−C1〜4アルキル−シクロプロパン−1,2−ジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロペンタン−1,3−ジオール、モノ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジオール、モノ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジオール、ジ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジオール、ジ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジオール、トリ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジオール、トリ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジオール、テトラ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジオール、テトラ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジオール、ペンタ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジオール、ペンタ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジオール、ヘキサ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,2−ジオール、ヘキサ−C1〜4アルキル−シクロペンタン−1,3−ジオール、または前記の1種または複数を含む組み合わせがある。いくつかの実施形態では、ジオールは、シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールを含む。
エピハロヒドリンは、式4
Figure 2014173090
(式中、Rは水素またはC1〜4アルキル基であり、XはF、Cl、BrまたはIである)
を有する。エピハロヒドリンの例には、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、メチルエピクロロヒドリンもしくはクロロイソブチレンオキシドなどの置換エピハロヒドリン、または前記の1種または複数を含む組み合わせがある。エピハロヒドリンは、反応物質としてだけでなく、溶媒または別の溶媒が使用される場合には共溶媒としても働くことができる。
相間移動触媒は、四級アンモニウム、ピリジニウム、スルホニウム、ホスホニウムおよびチアゾリウム塩の1種または複数を含むことができる。相間移動触媒の例には、n−ベンジルシンコニジウムクロリド、n−ベンジルシンコニニウムクロリド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロチド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド、ジエチルメチルプロピルアンモニウムブロミド、(−)−N,N−ジメチルエフェドリニウムブロミド、3,4−ジメチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−チアゾリウムヨージド、ドデシルエチルジメチルアンモニウムブロミド、(−)−N−ドデシル−N−メチリエフェドリニウムブロミド、エチルジメチルプロピルアンモニウムブロミド、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、3−エチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムヨージド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムメタンスルホネート、テトラブチルアンモニウムペルクロレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラドデシルアンモニウムブロミド、テトラドデシルアンモニウムペルクロレート、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムペルクロレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラへプチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムベンゾエート、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、硫酸水素テトラヘキシルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムペルクロレート、テトラキス−(デシル)−アンモニウムブロミド、テトラキス−(デシル)−アンモニウムペルクロレート、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムペルクロレート、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムヨージド、テトラフェニルアルソニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムペルクロレート、テトラプロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリブチルへプチルアンモニウムブロミド、トリブチルメチルアンモニウムブトミド、トリブチルメチルアンモニウムクロリド、トリブチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルメチルアンモニウムヨージド、トリブチルフェニルアンモニウムブロミド、トリカプリルメチルアンモニウムクロリド(「ALIQUAT(商標)336」)、トリエチルアンモニウムブロミド、および前記の1種または複数を含む組み合わせがある。いくつかの実施形態では、相間移動触媒は、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、および前記の1種または複数を含む組み合わせから選択される。相間移動触媒は、ジオールの重量基準で、0.01〜5重量%、より具体的には0.05〜2.5重量%の初期量で添加され得る。いくつかの実施形態では、追加の量の相間移動触媒がステップ(c)の1つまたは複数の後に反応混合物に添加される。
本方法は、任意選択により有機溶媒を使用する。有機溶媒は、使用される場合、芳香族炭化水素(トルエン、ベンゼンおよびキシレンなど)、脂肪族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなど)、エーテルおよび環状エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルおよびテトラヒドロフランなど)、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、ジクロロメタン、二塩化エチレン、メチルクロロホルムおよびテトラクロロエタンなど)、スルホキシド、アミド(N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなど)、脂肪族ニトリル(アセトニトリルなど)、または前記の1種または複数を含む組み合わせを含むことができる。有機溶媒は、ジオールの総重量基準で、1〜250重量%、具体的には1〜50重量%の量で存在し得る。
本方法は、塩基性作用物質および水をジオール、エピハロヒドリン、相間移動触媒および任意の有機溶媒の混合物と接触させるステップを含む。塩基性作用物質(塩基)には、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、およびこれらの組み合わせが含まれる。塩基性作用物質の例には、NaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)、Ba(OH)、Mg(OH)、Mn(OH)、NaCO、KCO、LiCO、CaCO、BaCO、MgCO、MnCO、NaHCO、KHCO、MgHCO、LiHCO、Ca(HCO、Ba(HCO、Mn(HCO、およびこれらの組み合わせがある。いくつかの実施形態では、塩基性作用物質は、両者とも水溶液として添加され得るNaOHまたはKOHなどのアルカリ金属水酸化物である。
ジオール、エピハロヒドリン、相間移動触媒、および任意選択により有機溶媒は、任意の順序で反応器に添加され得る。ジオール中の水酸基とエピハロヒドリンの当量比は1:1〜1:25、具体的には1:1.5〜1:5、より具体的には1:2〜1:3であり得る。エポキシ化は、窒素などの不活性雰囲気下で行われ得る。
ステップ(b)、塩基性作用物質をステップ(a)の混合物と接触させるステップ、およびステップ(c)、ステップ(b)の混合物を水性溶媒で洗浄して塩を実質的に除去するステップは、少なくとも1回、具体的には少なくとも2回、より具体的には少なくとも3回反復され得る。したがって、塩基性作用物質は、2段階以上、具体的には3段階以上、より具体的には4段階以上で添加され得る。ジオール中の水酸基と塩基性作用物質の総当量比は、各ステップ(b)で独立に、1:1〜1:10、具体的には1:1.1〜1:6、より具体的には1:1.2〜1:4.5であり得る。各段階で添加される塩基性作用物質の化学量論的量は、他の段階で添加される量と独立である。したがって、例えば、段階1で、1:1.2当量比のジオール中の水酸基と塩基性作用物質が使用され、4段階で1:4.2の総当量比になるよう各々1:1当量比を使用する3つの追加の段階が続いてもよい。塩基性作用物質は水に溶解し得る。水中の塩基性作用物質の濃度は、使用される特定の塩基性作用物質の溶解度、水の温度、得られる溶液の粘度、および他の変数に応じて変化する。エポキシ化プロセスで実際に処理され得る最も濃縮された水性塩基性作用物質を使用することが一般的に望ましい。いくつかの実施形態では、塩基性作用物質は、50重量%水酸化ナトリウム水溶液である。反応物質が合わせて接触して反応を進行させるような速度で撹拌が有利にエポキシ化に使用される。塩基性作用物質の各添加は、一般的に、反応器の加熱または冷却の有無にかかわらず反応器中の所望の温度範囲を維持する速度で行われる。反応温度は、20℃〜75℃、具体的には20℃〜50℃、より具体的には25℃〜40℃であり得る。
塩基性作用物質添加の各段階後、撹拌を停止し、形成したエポキシ樹脂に十分な水を添加することにより洗浄して塩を溶解させて分離した水相を形成することができる。分離した水層を除去し、捨てて、有機層を回収し、反応の次の段階で追加の水性塩基性作用物質と共に使用するために反応器に添加し戻すことができる。特定のジオールは有機層に不完全に可溶性であり、回収し、反応の次の段階に使用するために反応器に添加し戻され得る水不溶性沈殿として観察される。有機相に部分溶解度のみ示す具体的なジオールは、シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールである。相間移動触媒は水相に部分的にまたは完全に可溶性であるので、水で洗浄した後およびより水性塩基性作用物質を添加した後に、追加の相間移動触媒が一般的に有機相を含有する反応器に添加される。したがって、いくつかの実施形態では、追加の量の相間移動触媒はステップ(c)の1つまたは複数の後に反応混合物に添加される。エポキシ化の進行を監視するために、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、およびゲル浸透クロマトグラフィーなどの種々の分析法が使用され得る。
各ステップ(c)中に存在する式3の任意の未反応ジオールは、各ステップ(b)の反応混合物に添加して戻され得る。式3のジオールは、ジオール、エピハロヒドリン、相間移動触媒、および任意選択により有機溶媒を含むステップ(a)の反応混合物に不溶性または部分的に可溶性であり得る。例えば、式3のジオールがシス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールである場合、エピハロヒドリンはエピクロロヒドリンであり、有機溶媒はトルエンであり、未反応シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールはステップ(c)で固相として存在する。固体シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールは、濾過、例えばフリットガラス漏斗を通したステップ(c)混合物の真空濾過により単離され得る。次いで、濾過により単離されたシス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールは、ステップ(c)の水性水層からデカントされた有機層に添加して戻され、ステップ(b)および(c)が反復され得る。このようにして、シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールのシス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテルへの変換が最大化され得る。
上記のように、ステップ(b)、塩基性作用物質をステップ(a)の混合物と接触させるステップ、およびステップ(c)、ステップ(b)の混合物を水性溶媒で洗浄して塩を実質的に除去するステップは、少なくとも1回、具体的には少なくとも2回、より具体的には少なくとも3回反復され得る。本方法のこの変形では、各ステップ(c)中に存在する式3の未反応ジオールが単離され、各ステップ(b)の反応混合物に添加して戻され得る。
塩基性作用物質および水をステップ(a)の混合物と接触させるステップは、蒸留により水を除去することにより達成され得る。エポキシ樹脂は、(a)式3
Figure 2014173090
(式中、nは1、2または3であり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキルまたはC6〜24アリールであり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、ヒドロキシル、C1〜12ヒドロキシアルキルまたはC6〜24ヒドロキシアリールである)のジオール(但し、ジオールは2個のヒドロキシル、C1〜12ヒドロキシアルキルまたはC6〜24ヒドロキシアリール基を有する)と;エピハロヒドリンと;相間移動触媒と;任意選択により有機触媒とを含む反応混合物を形成するステップと;(b)蒸留により水を除去しながら、塩基性作用物質および水をステップ(a)の混合物と接触させるステップと;(c)ステップ(b)の混合物を水性溶媒で洗浄して塩を実質的に除去してエポキシ樹脂を形成するステップと;(e)エポキシ樹脂を単離するステップとを含む、共沸または無水プロセスにより形成され得る。蒸留は、例えば、共沸蒸留、共蒸留またはフラッシュ蒸留であり得る。蒸留は、蒸留温度で水を除去するのに十分な真空下で行われ得る。いくつかの実施形態では、蒸留は共沸蒸留である。共沸蒸留は、二成分エピハロヒドリン−水共沸混合物を蒸留、または有機溶媒が存在する場合には三成分エピハロヒドリン−水−有機溶媒共沸混合物を蒸留して、水を除去するステップを含むことができる。
塩基性作用物質をジオール、エピハロヒドリン、相間移動触媒、および任意の有機溶媒の混合物と接触させる最終段階後、エポキシ樹脂は反応混合物から単離され得る。単離は、水洗洗浄または抽出、溶媒抽出、デカンテーション、静電併合、重力濾過、真空濾過、遠心分離、蒸留、流下液膜蒸留、ワイプフィルム蒸留(wiped film distillation)、カラムクロマトグラフィー、および前記の1種または複数を含む組み合わせなどの既知の方法を使用して行われ得る。単離は、エポキシ樹脂を、塩を実質的に除去するのに十分な量の水で洗浄するステップと、例えば、回転式蒸発による真空蒸留により有機溶媒および存在する場合には未反応エピハロヒドリンなどの揮発性成分を除去するステップとを含むことができる。
ジグリシジルエーテルは、蒸留、例えば、分別真空蒸留またはワイプフィルム蒸留により高純度で対応するエポキシ樹脂から単離され得る。蒸留によるジグリシジルエーテルの単離中、より低沸点の分画(「軽分画」)が除去および回収され得る。軽分画は、未反応エピハロヒドリン、ならびにグリシドールおよび2−エポキシプロピルエーテルなどのエポキシ化副産物を含み得る。回収したエピハロヒドリンは再利用され得る。任意の未反応ジオールも回収および再利用され得る。軽分画を除去した後の分別蒸留からの残渣、ジオール、モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、およびエポキシ樹脂からの他の揮発性成分はオリゴマーの濃縮供給源を構成し得る。このオリゴマーはエポキシ樹脂自体として使用され得る、または制御された量で他のエポキシ樹脂とブレンドされる成分として使用され得る。
エポキシ樹脂は、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、50面積%以上、具体的には70面積%以上、より具体的には85面積%以上、より具体的には90面積%以上、より具体的には95面積%以上、一層より具体的には98面積%以上、なおより具体的には99面積%以上、さらにより具体的には99.5面積%のジグリシジルエーテルを含むことができる。アドバンスドエポキシ樹脂を調製するために、エポキシ樹脂が、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、90面積%以上、より具体的には95面積%以上、一層より具体的には98面積%以上、なおより具体的には99面積%以上、さらにより具体的には99.5面積%のジグリシジルエーテルを含むことが望ましい。理論により拘束されるものではないが、アドバンスメント反応に低純度ジグリシジルエーテルを使用することは、オリゴマーの存在により、架橋およびゲル化を引き起こすおそれがある。標的純度は、例えば、真空蒸留により達成され得る。不純物は、モノグリシジルエーテル、以下で「オリゴマー(複数可)」と呼ばれるオリゴマーエポキシ樹脂、および他の微量成分を含み得る。
不純物として存在し得るモノグリシジルエーテルは、式5
Figure 2014173090
(式中、nは1、2または3であり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキルまたはC6〜24アリールであり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜24アリール、ヒドロキシル、C1〜12ヒドロキシアルキル、C6〜24ヒドロキシアリールまたはグリシジルエーテル基である)(但し、モノグリシジルエーテルは1個のグリシジルエーテル基および1個のヒドロキシル、C1〜12ヒドロキシアルキルまたはC6〜24ヒドロキシアリール基を有する)のものである。モノグリシジルエーテルは、アドバンスメント反応で連鎖停止剤として機能し得るので、所望の分子量を得るためにモノグリシジルエーテルの量が最小化され得る。したがって、不純物として存在するモノグリシジルエーテルの量は、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、0面積%〜20面積%、具体的には0面積%〜10面積%、より具体的には0面積%〜5面積%であり得る。
以下で「オリゴマー(複数可)」と呼ばれるオリゴマーエポキシ樹脂は、不純物として存在し得る。オリゴマーは、エピハロヒドリンと式3のジオールのオリゴマー反応生成物である。不純物として存在するオリゴマーの量は、エポキシ樹脂の重量基準で、0面積%〜30面積%、0面積%〜20面積%、0面積%〜10面積%、0面積%〜5面積%、0面積%〜4面積%、0面積%〜3面積%、0面積%〜2面積%、0面積%〜1面積%、または0面積%〜0.5面積%であり得る。オリゴマーは、共有結合により結合した2個以上の式1の脂環式環および/または3個以上のエポキシド官能基を含むことができる。いくつかのオリゴマーでは、1分子当たりに3個以上のエポキシド基が存在するために、ジグリシジルエーテル中にこれらのオリゴマーが存在することにより、アドバンスメント反応中に望ましくない分岐、高い粘度および早期架橋もしくはゲル化がもたらされ得る。オリゴマー量を最小化することにより、アドバンスメント反応を上記問題なしに完了まで進行させることができる。したがって、アドバンスドエポキシ樹脂を調製するために、エポキシ樹脂が、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、0面積%〜2面積%、具体的には0面積%〜1面積%、より具体的には0面積%〜0.5面積%のオリゴマーを含むことが望ましい。エポキシ樹脂はまた、オリゴマーを本質的に含まなくてもよい。「オリゴマーを本質的に含まない」という句は、エポキシ樹脂が、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、1面積%以下、具体的には0.5面積%以下のオリゴマーを含むことを意味する。
他の微量成分は、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、0面積%〜5面積%、より具体的には0面積%〜2面積%、なおより具体的には0面積%〜0.5面積%の量で不純物として存在し得る。
エポキシ樹脂は、エポキシド当量および重量%オキシラン酸素含量により特徴づけられ得る。エポキシド当量および重量%オキシラン酸素含量を決定する方法は、Jay,R.R.、「Direct Titration of Epoxy Compounds and Aziridines」、Analytical Chemistry、36、3、667〜668(1964年3月)により与えられる。エポキシ樹脂は、ジグリシジルエーテルについての理論オキシラン酸素含量の85%以上、具体的には90%以上、より具体的には95%以上、一層より具体的には98%以上、なおより具体的には99%以上、さらにより具体的には99.5%以上のオキシラン酸素含量を有することができる。標的オキシラン酸素含量は、ジグリシジルエーテルのための意図された最終用途に依存する。いくつかの実施形態では、ジグリシジルエーテルは、理論値の90%以上のオキシラン酸素含量を有する。
いくつかの実施形態では、ジグリシジルエーテルはシス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテルを含む。ジグリシジルエーテルがシス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテルを含む場合、理論エポキシド当量は128.22であり、理論オキシラン酸素含量は12.48重量%である。したがって、ジグリシジルエーテルがシス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテルを含む場合、エポキシ樹脂のオキシラン酸素含量は10.6重量%(12.48重量%の85%)以上、11.2重量%(12.48重量%の90%)以上、具体的には11.8重量%(12.48重量%の95%)以上、より具体的には12.2重量%(12.48重量%の98%)以上、一層より具体的には12.3重量%(12.48重量%の99%)以上、なおより具体的には12.4重量%(12.48重量%の99.5%)以上であり得る。ジグリシジルエーテルがシス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテルを含む場合、エポキシ樹脂は、150.8以下、具体的には142.5以下、より具体的には134.9以下、一層より具体的には130.8以下、なおより具体的には129.5以下、さらにより具体的には128.9以下のエポキシド当量を有し得る。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、11.2重量%以上のオキシラン酸素含量および142.5以下のエポキシド当量を有する。
有利には、エポキシ樹脂およびアドバンスドエポキシ樹脂はそれぞれ低い総塩素含量を有する。エポキシ樹脂は、ジオールとエピクロロヒドリンのルイス酸触媒カップリングにより製造され得る。塩化第一スズが使用され得るルイス酸の例である。この方法により形成されたエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂の重量基準で、またクロロメチル基として存在する最大5重量%以上の塩素を含むことができる。比較実施例6では、式6、7、8および9のクロロメチル化合物が、ルイス酸触媒カップリングによりシス−およびトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノールから製造されたエポキシ樹脂の市販の試料中でGC−MSにより検出された。式7の化合物のみ、ガスクロマトグラフィーにより決定されるエポキシ樹脂についての総ピーク面積基準で、80面積%超で存在した。対照的に、エポキシ樹脂およびアドバンスドエポキシ樹脂はそれぞれ、2重量%以下、具体的には1重量%以下、より具体的には0.5重量%以下、一層より具体的には0.1重量%以下、なおより具体的には0.01重量%以下の総塩素含量を有し得る。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂およびアドバンスドエポキシ樹脂はそれぞれ、エポキシ樹脂の重量基準で、2重量%以下の総塩素含量を有し得る。エポキシ樹脂およびアドバンスドエポキシ樹脂はそれぞれ、本質的に0の総塩素含量を有し得る。
アドバンスドエポキシ樹脂は、ジグリシジルエーテルと芳香族ジオールおよびジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物の反応生成物を含む。いくつかの実施形態では、二官能性化合物は、式6
Figure 2014173090
(式中、R基の1個はヒドロキシル基であり、残りの4個のR基はそれぞれ独立に水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、ブロックイソシアネートまたはアルキルオキシ基である;あるいは残りのR基の任意の2個は縮合脂肪族環または芳香環を形成する)
の芳香族ジオールを含む。
芳香族ジオールは、カテコール、置換カテコール、レゾルシノール、置換レゾルシノール、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、ナフタレンジオール、置換ナフタレンジオール、または前記芳香族ジオールの1種または複数を含む組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、芳香族ジオールは、カテコール、置換カテコール、または前記芳香族ジオールの少なくとも1種を含む組み合わせを含む。
芳香族ジオールは、式7
Figure 2014173090
の芳香族ジオール、式8
Figure 2014173090
の芳香族ジオールまたは前記の1種または複数を含む組み合わせを含むことができる。式7および8中、Aは1〜12、具体的には1〜6個の炭素原子を有する二価炭化水素基、−S−、−S−S−、−SO−、−SO−、−CO−または−O−であり;各Rは独立に水素または1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり;各R’は独立に水素、1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビルもしくはヒドロカルビルオキシ基、またはハロゲン、好ましくは塩素または臭素であり;nは0または1の値を有し;n’は0〜10、具体的には1〜5の値を有する。
式8の芳香族ジオールは、ビスフェノールA、置換ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換ビスフェノールF、ビスフェノールS、置換ビスフェノールS、ビスフェノールK、置換ビスフェノールK、フェノールフタレイン、置換フェノールフタレイン、または前記の少なくとも1種を含む組み合わせの反応生成物を含むことができる。
いくつかの実施形態では、二官能性化合物はジカルボン酸である。ジカルボン酸は、フタル酸、置換フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、または前記芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種を含む組み合わせなどの芳香族ジカルボン酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、ジカルボン酸は、2,6−ナフタレンジカルボン酸を含む。ナフタレンジカルボン酸中の2個のカルボン酸基は、ナフタレン環上の任意の位置を占めることができる。ジカルボン酸は、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、クロロヘキサンジカルボン酸、または前記脂肪族もしくは脂環式ジカルボン酸の少なくとも1種を含む組み合わせなどの脂肪族または脂環式ジカルボン酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、二官能性化合物は、フタル酸、置換フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、または前記ジカルボン酸の少なくとも1種を含む組み合わせを含むジカルボン酸を含む。
アドバンスドエポキシ樹脂を製造する方法は、ジグリシジルエーテルを含むエポキシ樹脂を、芳香族ジオールおよびジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物と反応させるステップを含む。触媒および溶媒が任意選択により使用され得る。エポキシ樹脂と、芳香族ジオールおよびジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物と、任意の触媒と、任意の溶媒は任意の順序で混合され得る。反応物質は、所望の程度のアドバンスメントを達成するのに十分な温度および時間で混合および加熱され得る。アドバンスドエポキシ樹脂を調製する方法は、バッチまたは連続プロセスであり得る。
二官能性化合物と、ジグリシジルエーテル、例えば、シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテルのモル比は、5:1〜1:5、具体的には1:1.5〜1.5:1、より具体的には1:1.1〜1.1:1であり得る。これらの比は、高分子量アドバンスドエポキシ樹脂をもたらす。George Odian in Principles of Polymerization、第4版などのポリマーの教科書に記載されているように、実質的に直鎖状の高分子量アドバンスドエポキシ樹脂を調製するために、ほぼ化学量論的比、例えば、1.1:1〜1:1.1の二官能性化合物とジグリシジルエーテルのモル比が使用され得る。化学量論比から有意に逸脱すると、オリゴマーまたは低分子量アドバンスドエポキシ樹脂がもたらされ得る。
アドバンスメント反応の温度は、20℃〜250℃、具体的には100℃〜250℃、より具体的には125℃〜225℃、一層より具体的には150℃〜200℃であり得る。アドバンスメント反応の圧力は、0.1bar〜10bar、具体的には0.5bar〜5bar、より具体的には0.9bar〜1.1barであり得る。
少なくとも1種の触媒がアドバンスメント反応に使用され得る。アドバンスメント反応のための触媒は、金属塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、三級アミン、四級アンモニウム塩、スルホニウム塩、四級ホスホニウム塩、ホスフィン、およびこれらの組み合わせの1種または複数から選択され得る。触媒の例には、酢酸テトラブチルホスホニウム−酢酸錯体、酢酸エチルトリフェニルホスホニウム−酢酸錯体、またはこれらの組み合わせがある。触媒は一般的に、エポキシ樹脂、二官能性化合物、および存在する場合には他のモノマーの総重量基準で、0.0010重量%〜10重量%、具体的には0.01重量%〜10重量%、より具体的には0.05重量%〜5重量%、一層より具体的には0.1重量%〜4重量%の量で使用される。
アドバンスドエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂および二官能性化合物以外の他の反応物質との反応により修飾され得る。例えば、エポキシド基に対して異なる反応性を有する官能基を有する反応物質が、インサイツまたは別の反応のいずれかで、反応性中間体を得るために使用され得る。次いで、中間体はアドバンスドエポキシ樹脂を得るために同一または異なる反応物質とさらに反応され得る。例えば、モノフェノール−モノカルボン酸は、カルボン酸基の反応を好み、フェノール性水酸基を実質的に未反応のままにしておく条件下でエポキシと反応され得る。次いで、得られたフェノール性ヒドロキシル末端中間体は、アドバンスドエポキシ樹脂を得るために別のエポキシ樹脂または別のエポキシ樹脂および二官能性化合物と反応され得る。
別の例として、ジカルボン酸は、エポキシ末端中間体が得られる条件下でエポキシ樹脂と反応され得る。次いで、エポキシ末端中間体は、アドバンスドエポキシ樹脂を得るために芳香族ジオールまたは別のエポキシ樹脂および追加の二官能性化合物と反応され得る。この方法は、アドバンスドエポキシ樹脂中の異なるモノマー単位の相対位置を制御しながら、異なるモノマー単位をアドバンスドエポキシ樹脂に組み込むことを有利に可能にする。
アドバンスメント反応化学量論に応じて、アドバンスドエポキシ樹脂は、未反応末端エポキシド基を含有し得る。アドバンスドエポキシ樹脂はまた、二官能性化合物からの未反応基、例えば、未反応末端フェノール性水酸基または未反応末端カルボン酸基を含有し得る。したがって、これらの末端基の全部またはいずれかの一部を1種または複数の単官能性反応物質と反応させることが有利となり得る。単官能性反応物質はまた、連鎖停止剤としても働くことができる。したがって、単官能性反応物質は、成長するオリゴマー鎖を停止するおよび分子量構築を制御するためにアドバンスメント反応中に添加され得る。単官能性反応物質をアドバンスドエポキシ樹脂に組み込むことは、その硬化特性および/または物理もしくは機械特性も修飾する。
末端エポキシド基と反応性の単官能性反応物質の例には、フェノール、置換フェノール、ナフトール、置換ナフトール、チオール、安息香酸、置換安息香酸、フェニル酢酸、置換フェニル酢酸、シクロヘキサンモノカルボン酸、置換シクロヘキサンモノカルボン酸、ナフタレンモノカルボン酸、ヘキサン酸などの脂肪族モノカルボン酸;N−メチルシクロヘキシルアミンまたはジヘキシルアミンなどの二級モノアミン;ジエタノールアミンなどのジアルカノールアミン;および前記の1種または複数を含む組み合わせが含まれる。末端フェノール性水酸基および末端カルボン酸基は、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサノールのモノグリシジルエーテル、シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールのモノグリシジルエーテル、あるいはシクロヘキサンジメタノールのモノグリシジルエーテルと反応され得る。
1種または複数の単官能性反応物質との反応を介して修飾されたアドバンスドエポキシ樹脂は、金属基板への接着、靱性、および種々の塗装用途、例えば、缶塗装に有用な加工有用性などの強化された物理および/または機械特性を示すことができる。
アドバンスドエポキシ樹脂中のエチレン性または芳香族不飽和は、部分または完全飽和樹脂を得るために水素化され得る。
アドバンスドエポキシ樹脂の修飾の他の例には、それだけに限らないが、放射線硬化用途のためのアクリル酸などの不飽和酸モノマーによるエポキシ樹脂のキャップ化、ならびに飲料および食品缶のための水性スプレーおよびローラー塗工用途に使用するための水分散性樹脂の製造が含まれる。したがって、アドバンスドエポキシ樹脂は、(a)水分散性アクリルまたはポリエステル樹脂を添加するステップ;(b)アドバンスドエポキシ樹脂を水分散性アクリルまたはポリエステル樹脂と反応させるステップ;(c)アドバンスドエポキシ樹脂を少なくとも1種のエチレン性不飽和酸モノマーとグラフトするステップ;(d)アドバンスドエポキシ樹脂を少なくとも1種のエチレン性不飽和酸モノマーおよび少なくとも1種の非イオン性エチレン性不飽和モノマーとグラフトするステップ;または(e)アドバンスドエポキシ樹脂をリン酸および水と反応させ、(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の生成物を塩基で少なくとも部分的に中和するステップとにより、水分散性にさせられ得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、EP17911明細書、米国特許第6,306,934号明細書、WO2000/039190号パンフレット、およびWO2005/080517号パンフレットは、水分散性エポキシ樹脂の形成およびその水性分散体の形成を記載している。
アドバンスドエポキシ樹脂はまた、(a)エチレン性不飽和ジカルボン酸を骨格に組み込むステップ;(b)アドバンスドエポキシ樹脂を少なくとも1種のエチレン性不飽和酸モノマーとグラフトするあるいはアドバンスドエポキシ樹脂を少なくとも1種のエチレン性不飽和酸モノマーおよび少なくとも1種の非イオン性エチレン性不飽和モノマーとグラフトするステップ;および(c)ステップ(a)および(b)の反応生成物を塩基で少なくとも部分的に中和するステップ、により水分散性にさせられ得る。
アドバンスドエポキシ樹脂は、ポリスチレン標準に基づいてゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される、300〜1,000,000g/モル、具体的には1,000〜500,000g/モル、より具体的には2,000〜100,000g/モル、さらにより具体的には10,000〜80,000g/モルの重量平均分子量を有することができる。いくつかの実施形態では、アドバンスドエポキシ樹脂は、ポリスチレン標準に基づいてゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される、20,000g/モル以上、具体的には40,000g/モル以上の重量平均分子量を有する。アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、−50〜200℃、具体的には0〜150℃、より具体的には10〜120℃、一層より具体的には20〜100℃、なおより具体的には25〜90℃のガラス転移温度を有することができる。いくつかの実施形態では、アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、30℃以上のガラス転移温度を有する。
室温でのアドバンスドエポキシ樹脂の破断伸びは、4%〜10,000%、具体的には10%〜5000%、より具体的には20%〜2000%、一層より具体的には30%〜1500%、なおより具体的には40%〜1200%、さらにより具体的には50%〜1100%であり得る。
室温でのアドバンスドエポキシ樹脂の引張靱性は、0.05MPa〜500MPa、具体的には0.05MPa〜500MPa、より具体的には0.1MPa〜100MPa、一層より具体的には0.5MPa〜50MPa、なおより具体的には0.8MPa〜30MPa、さらにより具体的には1MPa〜20MPaであり得る。
硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物を形成するために、硬化剤および/または硬化触媒がアドバンスドエポキシ樹脂組成物に添加され得る。したがって、いくつかの実施形態では、硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、アドバンスドエポキシ樹脂と、硬化剤と、任意選択により硬化触媒とを含む。アドバンスドエポキシ樹脂の上記変形の全てが硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物にも同様に当てはまる。
硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物に使用されるアドバンスドエポキシ樹脂の量は、アドバンスドエポキシ樹脂および硬化剤の総重量基準で、99.9重量%〜10重量%、具体的には99重量%〜50重量%、より具体的には98重量%〜75重量%、一層より具体的には95重量%〜85重量%であり得る。一般的に、アドバンスドエポキシ樹脂の量は、得られる硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物の特性の所望のバランスに基づいて選択される。
硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物に有用な硬化剤は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール系レゾール、アミン−ホルムアルデヒド樹脂、アミド−ホルムアルデヒド樹脂、無水物樹脂、多価フェノール系化合物、多価アミン化合物、または多価フェノール系およびアミン化合物などのエポキシ樹脂のための任意の既知の架橋剤を含むことができる。硬化剤はまた、フリーラジカル開始剤および/または化学線により硬化性の活性アルコール(−OH)基、例えば、エチロールもしくはメチロール基などのアルキロール、エポキシ基、カルボジイミド基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、アジリジニル基、オキサゾリン基、カルボン酸基、無水物基、エチレン性不飽和基、およびこれらの組み合わせなどの反応性基を含む任意の架橋剤から選択され得る。硬化剤は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、例えば、METHYLON 75108であり得る。METHYLON 75108は、Durez Corporation、Detroit、MIから市販されているモノ−、ジ−およびトリメチロールフェノールのアリルエーテルの混合物である。
硬化剤の量は、硬化剤の種類およびアドバンスドエポキシ樹脂中に存在する反応性基の量などの種々の因子に応じて変化し得る。硬化剤の量は、エポキシ樹脂を硬化するのに十分であり得る。一般に、硬化剤の量は、アドバンスドエポキシ樹脂および硬化剤の総重量基準で、0.1重量%〜90重量%、具体的には1重量%〜50重量%、より具体的には2重量%〜25重量%、最も具体的には5重量%〜15重量%であり得る。多価フェノール系化合物、多価アミン化合物ならびに多価フェノール系およびアミン化合物などの硬化剤については、硬化剤は、硬化剤中の反応性水素原子とエポキシ樹脂中のエポキシド基の当量比が0.70:1〜1.5:1、具体的には0.95:1〜1.05:1当量の、エポキシ樹脂中のエポキシド基1当量当たりの硬化剤中の反応性水素原子となる量で存在し得る。
硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物に使用される硬化剤の量は、得られる硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物の特性の所望のバランスに基づいて選択される。
硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物の調製において、アドバンスドエポキシ樹脂と硬化剤の架橋を促進するために少なくとも1種の硬化触媒が使用され得る。硬化触媒は、例えば、リン酸もしくは有機スルホン酸などの酸、三級アミンなどの塩基、スズ、ビスマス、亜鉛もしくはチタンの有機誘導体などの有機金属化合物、スズ、鉄、ホウ素もしくはマンガンの酸化物もしくはハロゲン化物などの無機化合物;およびこれらの組み合わせであり得る。硬化触媒はまた、潜在性硬化触媒であり得る。硬化触媒の量は、アドバンスドエポキシ樹脂および硬化剤の総重量基準で、0.01重量%〜10重量%、具体的には0.05重量%〜5重量%、より具体的には0.1重量%〜2重量%であり得る。
硬化性組成物は、任意選択により硬化性エポキシ樹脂組成物からの硬化塗装の形成を促進するための溶媒を含むことができる。溶媒の例には、キシレンなどの芳香族、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン、モノブチルエチレングリコールエーテルおよびジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)などのエーテル、ブタノールなどのアルコール、およびこれらの組み合わせがある。溶媒の量は、アドバンスドエポキシ樹脂および硬化剤の総重量基準で、0.01重量%〜80重量%、具体的には1重量%〜70重量%、より具体的には10重量%〜60重量%であり得る。使用される溶媒の量は硬化性組成物の粘度に影響を及ぼす。硬化性組成物はまた、例えば、硬化性組成物が粉末塗装である場合、溶媒を含まなくてもよい。
硬化性組成物は、任意選択により他の樹脂、分散剤、界面活性剤、接着促進剤、消泡剤、湿潤剤、流動制御剤、へこみ防止剤、顔料、染料、充填剤、可塑剤、触媒不活性化剤、およびこれらの組み合わせから選択される添加剤を含むことができる。他の樹脂の例には、アクリル樹脂、ポリエステル;ポリオレフィン、ポリウレタン、アルキド、ポリ酢酸ビニル、アドバンスドエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、ビニル樹脂、およびこれらの組み合わせがある。
硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物を硬化する方法は、アドバンスドエポキシ樹脂組成物を、硬化剤および任意選択により硬化触媒と反応させるステップを含む。硬化性組成物のアドバンスドエポキシ樹脂、硬化剤および硬化触媒の上記変形の全ては硬化性組成物を硬化する方法にも同様に当てはまる。硬化温度は、特定の硬化性組成物に応じて広く変化し得る。例えば、硬化温度は、0〜300℃、具体的には20〜250℃であり得る。加熱は、熱が時間と共に徐々に増加する段階で起こり得る。硬化は、撹拌の有無にかかわらず起こり得る。硬化反応は、0.01〜1000bar(0.001〜100MPa)、具体的には0.1〜100bar(0.01〜10MPa)、より具体的には0.5〜10bar(0.05〜1MPa)の圧力で行われ得る。
硬化時間は、完全硬化またはBステージ組成物までの部分硬化が達成されるようなものとすることができる。例えば、Bステージ組成物までの部分硬化の場合、Bステージ組成物は後に完全に硬化され得る。最適硬化時間は、特定の硬化性組成物、硬化温度、およびBステージ組成物が望まれているかどうかに応じて広く変化し得る。例えば、硬化時間は2秒〜14日、具体的には5秒〜7日であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、一般的保護または補修塗装のために、硬化性組成物は低温で、具体的には−10〜50℃、より具体的には0〜40℃、一層より具体的には20〜30℃で、また最大14日以上、具体的には1日〜7日間硬化され得る。他の実施形態では、例えば、工場で適用される塗装のために、硬化性組成物は、高温で、具体的には50〜300℃、より具体的には80〜300℃、一層より具体的には100〜250℃、なおより具体的には100〜220℃で、また数秒〜数分、具体的には2秒〜30分間硬化され得る。
硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物を形成するために硬化剤を用いて硬化され得る。したがって、硬化アドバンスドエポキシ樹脂は、アドバンスドエポキシ樹脂と硬化剤の反応生成物を含む。アドバンスドエポキシ樹脂および硬化剤の変形を含む、硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物の上記変形の全ては、硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物にも同様に当てはまる。
硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、塗装、フィルム、固体、または泡の形態であり得る。例えば、硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、塗装、フィルム、接着剤、積層板、複合材料、または電子デバイスであり得る。硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物を形成するためのプロセスは、例えば、重力鋳造、真空鋳造、自動圧力ゲル化(APG)、真空圧ゲル化(VPG)、注入、フィラメントワインディング、レイアップ射出、移送成形、プリプレグ化(prepreging)、ならびにローラー塗装、浸漬塗装、スプレー塗装およびはけ塗りなどの塗装であり得る。硬化プロセスは、バッチまたは連続プロセスであり得る。
硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、塗装の形態であり得る。いくつかの実施形態では、硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、缶塗装または一般的保護/補修塗装の形態である。塗装は、高い可撓性および優れた耐溶剤性を含む1つまたは複数の有利な特性を有することができる。
硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、楔曲げ可撓性試験(Wedge Bend Flexibility test)により測定される高い可撓性を示す。楔曲げ可撓性により測定される硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物の破損百分率は、50%以下、25%以下、15%以下、10%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または1%以下であり得る。
硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、MEK二重摩擦試験により測定される優れた耐溶剤性を示す。MEK二重摩擦により測定される得られた硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物の耐溶剤性は、25以上、50以上、50〜200、50〜150、または50〜125であり得る。
硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物は、楔曲げ可撓性試験により測定される5%以下の破損率;25以上のMEK二重摩擦の耐溶剤性;ASTM D 4366にしたがって測定される100〜250、具体的には160〜220のKonig硬度;ASTM D 3359にしたがって測定される4B〜5B、具体的には5Bのクロスハッチ接着;およびASTM D 3363にしたがって測定されるB以上、具体的にはHB以上の鉛筆硬度の1つまたは複数を有することができる。
物品を形成するために硬化性アドバンスエポキシ樹脂組成物が使用され得る。したがって、いくつかの実施形態では、物品は、硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物を含み、物品は塗装、接着剤、電気もしくは構造積層板、電気もしくは構造複合材料、フィラメントワインディング、成型物、鋳造物、ポッティングまたは封止材である。
以下の実施例はさらに本発明を詳細に説明するが、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例および比較実施例を含む、詳細な説明に使用される標準的略語および商標が表1に定義される。
Figure 2014173090
Figure 2014173090
以下の実施例および比較実施例では、標準的分析装置および方法を以下に記載するように使用した。
ガスクロマトグラフィー(GC)分析
一般的方法で、Hewlett Packard 5890 Series II Plusガスクロマトグラフを、DB−1キャピラリーカラム(0.25μmフィルム厚さを有する61.4m×0.25mm、Agilent)を用いて使用した。カラムを50℃初期温度のクロマトグラムオーブンに維持した。インジェクタ入口および炎イオン化検出器の両者を300℃に維持した。カラムを貫流するヘリウムキャリアガスを1.1mL/分に維持した。合成中、回転式蒸発からおよび蒸留からのエポキシ樹脂を分析するために、12℃/分で加熱しながら、50℃の初期オーブン温度から300℃の最終オーブン温度を使用した。これらの条件下で、成分の全てが、分析のために与えられる50分の合計時間内に溶出した。各成分についてのGC結果を面積%で表す。ここで、面積%とは所与の成分についてのピーク面積を総ピーク面積で割り、100を掛けたものを指す。
合成中のGC分析用の試料は、エポキシ化反応からの0.5mL分割量のスラリー生成物を回収し、アセトニトリル1mLを含有するバイアルに添加することにより調製した。振盪して混合した後、アセトニトリル中のスラリーの一部を1mLシリンジ(Norm−Ject、全ポリプロピレン/ポリエチレン、Henke Sass Walf GmBH)に充填し、シリンジフィルター(0.2μm PTFE膜を有するAcrodisc CR 13、Pall Corporation、Gelman Laboratories)に通過させ、任意の不溶性破片を除去した。
I.C.I.コーンおよびプレート粘度(I.C.I.Cone and Plate Viscosity)
粘度を25℃においてI.C.I.Cone and Plate Viscometer Viscosity(モデルVR−4540)で決定した。この方法では、0〜40ボアズスピンドル(モデルVR−4140)を備え、25℃に平衡化した粘度計を0に較正し、次いで試料をアプライし、粘度計に2分維持し、次いでチェックし、15秒後に読み取った。5〜6回の重複粘度試験を、新鮮な分割量の試験する特定の生成物を使用して行った。個々の測定を平均した。
エポキシド%/エポキシド当量(EEW)分析
Jay,R.R.、「Direct Titration of Epoxy Compounds and Aziridines」、Analytical Chemistry、36、3、667〜668(1964年3月)のものである標準滴定法の修正を使用して種々のエポキシ樹脂中のエポキシド%を決定した。この方法の本適応では、秤量した試料(試料重量は0.15〜0.20gに及ぶ、小数位4桁のスケールを使用した)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、引き続いて酢酸(15mL)中テトラエチルアンモニウムブロミド溶液を添加した。クリスタルバイオレット指示薬(0.1%w/v)3滴で処理した結果として生じた溶液を、Metrohm 665 Dosimat滴定装置(Brinkmann)で、酢酸中0.1規定濃度(N)過塩素酸を用いて滴定した。ジクロロメタン(15mL)および酢酸中テトラエチルアンモニウムブロミド溶液(15mL)からなるブランクの滴定が、任意の溶媒バックグラウンドについての補正を提供した。エポキシド%およびEEWを以下の式を使用して計算した:
Figure 2014173090
示差走査熱量測定(DSC)
(1)DGEと硬化剤の熱硬化性ブレンドの硬化および(2)硬化試料のTを分析するために、DSC 2910 Modulated DSC(TA Instruments)を使用した。0℃から250℃または300℃まで7℃/分の加熱速度を、35cc/分で流れる窒素流下で使用した。硬化について分析する各試料をアルミニウムパンに含め、アルミニウム蓋で緩く覆った(密閉しない)。Tを分析するための各硬化試料を開いたアルミニウムパンに含めた。試験するそれぞれの試料重量を得られた結果と共に示す。
厚さ測定
厚さを、BYK MP0R USB皮膜厚さ計を使用して乾燥塗装で測定した。厚さ計を、塗装を測定する前に裸のパネル(アルミニウム)でゼロに合わせた。
鉛筆硬度
鉛筆硬度試験をASTM D3363−06にしたがって行った。ゲージ硬度、フィルムを切られていないままにする最も硬い鉛筆を報告した。
クロスハッチ接着試験
クロスハッチ接着をASTM D3359−09にしたがって測定した。「B」法を5ミル厚さ未満の塗装のために使用した。この試験では、正方格子パターンを、1または2mmの近接するカット間距離を用いて、各方向に10カットを与える剃刀を用いて切断した。感圧性両面塗布紙テープ(3M 410番)を格子上にのせ、次いで、塗装試料の表面と垂直方向に鋭くはがした。次いで、塗装およびテープを視覚的に検査してどれくらい塗装がテープにより基板からはがされたかを調べた。接着を以下のスケールで評価した:
5B−カットの縁が完全に滑らかである;格子の正方形のいずれも剥離していない。
4B−塗装の小さな破片が交差点で剥離している;面積の5%未満が影響を受けている。
3B−塗装の小さな破片がカットの縁に沿っておよび交差点で剥離している。影響を受けた面積は格子の5〜15%である。
2B−塗装が縁に沿っておよび正方形の部分で剥落している。影響を受けた面積が格子の15〜35%である。
1B−塗装がぼろぼろにカットの縁に沿って剥落しており、正方形全体が剥離している、影響を受けた面積が格子の35〜65%である。
0B−グレード1よりも悪い剥落および剥離。
メチルエチルケトン(MEK)二重摩擦
MEK二重摩擦試験を、32オンス丸頭ハンマーおよびグレード50漂白寒冷紗を使用する修正を行ったASTM D5402−06方法3にしたがって行った。布をワイヤーでハンマーの平面端に固定した。布を25回の二重摩擦毎にMEKに再浸漬した。布を各パネルの試験後に新しい面積に再配置または交換した。
楔曲げ可撓性
楔曲げ試験を以下の通り行う。最初にパネルを約0.5cmの半径で180°に曲げ、曲げの外側に塗装をすることにより、パネル中漸減した180°の曲げを形成する。次いで、曲げの片側を40in.−lbsでインパクターによりほぼ0の半径まで完全に平らにした。応力面をテープ引張りに供し、次いで、硫酸銅溶液(硫酸銅10g、水90gおよび硫酸3gの混合物)で擦った。塗装がひび割れたところはどこでも、破損を示す黒点が現れた。楔曲げ(100mmである)の長さに沿った塗装破損量(mm)を報告した。あるいは、破損した長さの百分率を「破損%」として記録した。
ポットライフ測定
対応する量の硬化剤およびエポキシ樹脂を測定し、バイアルに充填した。3000rpmで2分間スピードミキサー(Flack Tec.INC)中で混合した後、試料を粘度計にのせた。粘度を25.0℃および100rpmに設定した回転速度で、60番の型のコーンを使用したBrookfield TA AR2000アドバンスド粘度計で測定した。ポットライフを、初期粘度を2倍にするのにかかった時間として定義した。
乾燥時間
湿潤剤の有無にかかわらず所定の処方にしたがって硬化剤およびエポキシ樹脂を混合することにより塗装組成物を製造した。次いで、塗装をガラス基板上に施した。指触乾燥時間をBYK Drying時間記録装置を使用して、針を塗装に貫通させて引きずることにより測定した。
マンドレル曲げ可撓性試験
マンドレル曲げ試験を、試験法Bを用いたASTM D522−93a(2008)にしたがって行った。
耐薬品試験
濾紙(15mm直径)を硬化塗装上に置いた。種々の化学薬品(ブレーキ油、水中10%酢酸、10%硫酸、10%水酸化ナトリウム溶液、50%エタノールおよびメチルエチルケトン)2滴を個々に濾紙上に堆積させた。次いで、プラスチックキャップをのせて試験化学薬品を含有する濾紙を覆った。データを24時間の浸漬後に記録した。結果の読み取りはASTM D1308−02(2007)に基づいた。
マイクロインデンテーション(Marten)硬度
Fischer H100SMC Micro Indenter(Fischer Technology)コンピュータ制御された、超低荷重動的マイクロインデンテーションシステムを、WIN−HCU(Fischer Technology)制御ソフトウェアと共に使用して塗装硬度を得た。この試験では、正方形底を有するまっすぐなダイアモンドピラミッドの形態のVickersインデンターを、5mNの印加力(速度=5mN/20秒)で塗装の表面に押し込んだ。次いで、最大荷重を10秒間維持し(クリープステップ)、引き続いて荷重を解放した(速度=5mN/20秒)。10秒の最終クリープステップにより試験サイクルを完了した。インデンターの幾何学および印加力についての根入れ深さを考慮することにより、ユニバーサル硬度測定値(HU)を得た。より高いHU数はより高い塗装硬度を示す。
動的機械分析
対応する量の硬化剤およびエポキシ樹脂を3000rpmで3分間スピードミキサー(Flack Tec.INC)中で予混合することにより、約100μm厚さの薄い自立式フィルムを調製した。次いで、配合物をPTFE剥離紙上に引いた。自立式フィルムは、完全に硬化した後、PTFE剥離紙から容易に剥離された。フィルムから15mm×5mm長方形を切り取ることにより、DMA用の試料を調製した。DMA分析のために、1Hzの周波数で、5℃/分の温度ランプ速度を用いた20℃から150℃までの温度サイクルを用いたTA装置Q100DMAシステムを使用した。ゴム弾性の速度理論の単純化した式を使用して、ゴム状プラトー領域中のTよりはるかに上の貯蔵弾性率値を使用して架橋密度を計算した。
E’=3vRT
(E’はゴムプラトーでの貯蔵弾性率(Pa)であり、vは架橋密度(mol/L)であり、Rは気体定数(8.3J/K/mol)であり、Tはケルビン温度(K)である)。Tglは第1のDMA温度サイクルのガラス転移温度であり、Tg2は第2の温度サイクルから得られたガラス転移である。架橋密度1および架橋密度2を、それぞれ第1および第2の温度サイクルについて計算した。
調製実施例1:シス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール(TMCBD)のエポキシ樹脂とジグシリジルエーテルの合成
TMCBDのエポキシ化を、4段階の水酸化ナトリウム水溶液の添加を用いて行い、TMCBDエポキシ樹脂を得た。TMCBD DGEを分別真空蒸留によりエポキシ樹脂から単離した。
A.TMCBDのエポキシ化
段階1
5L四つ首ガラス丸底反応器にTMCBD(432.63g、3.0mol、6.0ヒドロキシル当量)、エピクロロヒドリン(1110.24g、12.0mol、2:1エピクロロヒドリン:TMCBDヒドロキシル当量比)、トルエン(1.5L)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(43.62g、0.192モル)を示した順序で装入した。TMCBDはEastman Chemical製の商業的グレードの製品であった。溶媒(アセトニトリル)を除くための正規化後の一定分量のTMCBDのGC分析により、45.3および54.7面積%で2つの異性体成分の存在が明らかになった。反応器に、追加で冷却器(0℃に維持)、温度計、クライゼンアダプター、オーバーヘッド窒素入口(1LPM Nを使用)および撹拌器アセンブリ(PTFEパドル、ガラスシャフト、可変速モーター)を備えさせた。コントローラが反応器中の温度計に登録された温度を監視し、反応器の下に置かれた加熱マントルならびに反応器外部に配置された一対のファンにより運ばれる冷却を介して加熱をもたらした。初期添加用のDI水(360g)に溶解した水酸化ナトリウム(360.0g、9.0モル)をスリガラスストッパーで密閉され、その後反応器に取り付けられたサイドアーム通気追加漏斗に添加した。撹拌が開始すると23℃の混合物が得られ、引き続いて水酸化ナトリウム水溶液の滴加を開始した。反応混合物を水酸化ナトリウム水溶液添加時間中自己加熱させた。217分後、水酸化ナトリウム水溶液の68.75%を添加して反応温度を30℃の最大値に到達させ、次いで、次の30分間その温度のままにした。水酸化ナトリウム水溶液の添加には合計270分を要した。反応温度は、水酸化ナトリウム水溶液添加の最後で29℃に低下し、生成物は沈殿固体をさらに含有する濁った二相性混合物であった。反応後14.57時間後、温度は26℃に低下し、試料をGC分析のために取り出した。溶媒(アセトニトリルおよびトルエン)および未反応エピクロロヒドリンを除去するための正規化後のGC分析により、GC分析の条件下で揮発性であった7.99面積%の軽分画、9.63面積%の未反応TMCBD;21.86面積%のモノグリシジルエーテル、0.18面積%のジグリシジルエーテルピークに関連する一対の成分、54.53面積%のジグリシジルエーテル、および5.81面積%のオリゴマーの存在が明らかになった。(GC分析用の試料は、反応混合物中に存在する沈殿TMCBD反応物質に対して不均質であったので、この反応物質の量を控えめに述べる。)反応後累積14.72時間後、DI水(1L)を撹拌反応器に添加して、27℃までの発熱を生じさせた。30分後に撹拌を停止し、反応器内容物を沈降させた。結晶固体の層が有機層と水層との間に認められた。有機層のバルクを反応器からデカントし、引き続いて残りの有機層、沈殿固体および水層を、フリットガラス漏斗を通して真空濾過した。濾液を分液漏斗に添加し、次いで、有機層を回収し、水層を捨てた。合計80.43gの湿気を帯びた白色結晶固体がフリットガラス漏斗上に回収された。一定分量の固体のGC分析により、これが未反応TMCBDであることが明らかになった。
段階2
段階1から得られた合わせた有機層および未反応TMCBDを、新たなベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(21.81g、0.1915mol)と共に反応器に再装入した。DI水(180g)に溶解した水酸化ナトリウム(180g、4.5mol)を、スリガラスストッパーで密閉され、その後反応器に取り付けられたサイドアーム通気追加漏斗に添加した。撹拌が開始すると25℃の混合物が得られ、引き続いて水酸化ナトリウム水溶液の滴加を開始した。反応混合物を水酸化ナトリウム水溶液添加時間中自己加熱させた。したがって、90分後、水酸化ナトリウム水溶液の75.0%を添加して反応温度を30℃の最大値に到達させた。水酸化ナトリウム水溶液の添加には合計115分を要した。反応温度は、水酸化ナトリウム水溶液添加の最後で28.5℃に低下し、生成物は沈殿固体をさらに含有する濁った二相性混合物であった。反応後16.17時間後、温度は26℃に低下し、試料をGC分析のために取り出した。溶媒(アセトニトリルおよびトルエン)および未反応エピクロロヒドリンを除去するための正規化後のGC分析により、GC分析の条件下で揮発性であった6.46面積%の軽分画、3.77面積%の未反応TMCBD;12.16面積%のモノグリシジルエーテル、0.19面積%のジグリシジルエーテルピークに関連する一対の成分、69.09面積%のジグリシジルエーテル、および8.33面積%のオリゴマーの存在が明らかになった(注:GC分析用の試料は、反応混合物中に存在する沈殿TMCBD反応物質に対して不均質であったので、この反応物質の量を控えめに述べる)。反応後累積16.33時間後、DI水(455mL)を撹拌反応器に添加して、27.5℃までの発熱を生じさせた。30分後に撹拌を停止し、反応器内容物を沈降させた。結晶固体の層が有機層と水層との間に認められた。有機層のバルクを反応器からデカントし、引き続いて残りの有機層、沈殿固体および水層を、フリットガラス漏斗を通して真空濾過した。濾液を分液漏斗に添加し、次いで、有機層を回収し、水層を捨てた。合計30.17gの湿気を帯びた白色結晶固体がフリットガラス漏斗上に回収された。一定分量の固体のGC分析により、これが未反応TMCBDであることが明らかになった。
段階3
段階2から得られた合わせた有機層および未反応TMCBDを、新たなベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(10.91g、0.0479mol)と共に反応器に再装入した。DI水(90g)に溶解した水酸化ナトリウム(90g、2.25mol)を、スリガラスストッパーで密閉され、その後反応器に取り付けられたサイドアーム通気追加漏斗に添加した。撹拌が開始すると25℃の混合物が得られ、引き続いて水酸化ナトリウム水溶液の滴加を開始した。反応混合物を水酸化ナトリウム水溶液添加時間中自己加熱させた。したがって、13分後、水酸化ナトリウム水溶液の21.85%を添加して反応温度を27℃の最大値に到達させ、水酸化ナトリウム水溶液添加の持続時間この温度のままにした。水酸化ナトリウム水溶液の添加には合計70分を要した。生成物は、水酸化ナトリウム水溶液添加の最後で、沈殿固体をさらに含有する濁った二相性混合物であった。反応後16.95時間後、温度は25℃に低下し、試料をGC分析のために取り出した。溶媒(アセトニトリルおよびトルエン)および未反応エピクロロヒドリンを除去するための正規化後のGC分析により、GC分析の条件下で揮発性であった7.14面積%の軽分画、3.03面積%の未反応TMCBD;8.16面積%のモノグリシジルエーテル、0.16面積%のジグリシジルエーテルピークに関連する一対の成分、72.41面積%のジグリシジルエーテル、および9.10面積%のオリゴマーの存在が明らかになった(注:GC分析用の試料は、反応混合物中に存在する沈殿TMCBD反応物質に対して不均質であったので、この反応物質の量を控えめに述べる)。反応後累積17.00時間後、DI水(185mL)を撹拌反応器に添加して、27℃までの発熱を生じさせた。30分後に撹拌を停止し、反応器内容物を沈降させた。結晶固体の層が有機層と水層との間に認められた。有機層のバルクを反応器からデカントし、引き続いて残りの有機層、沈殿固体および水層を、フリットガラス漏斗を通して真空濾過した。濾液を分液漏斗に添加し、次いで、有機層を回収し、水層を捨てた。合計8.19gの湿気を帯びた白色結晶固体がフリットガラス漏斗上に回収された。一定分量の固体のGC分析により、これが未反応TMCBDであることが明らかになった。
段階4
段階3から得られた合わせた有機層および未反応TMCBDを、新たなベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(10.91g、0.0479モル)と共に反応器に再装入した。DI水(90g)に溶解した水酸化ナトリウム(90g、2.25mol)を、スリガラスストッパーで密閉され、その後反応器に取り付けられたサイドアーム通気追加漏斗に添加した。撹拌が開始すると24℃の混合物が得られ、引き続いて水酸化ナトリウム水溶液の滴加を開始した。反応混合物を水酸化ナトリウム水溶液添加時間中自己加熱させた。したがって、35分後、水酸化ナトリウム水溶液の58.33%を添加して反応温度を26℃の最大値に到達させ、水酸化ナトリウム水溶液添加の持続時間この温度のままにした。水酸化ナトリウム水溶液の添加には合計67分を要した。生成物は、水酸化ナトリウム水溶液添加の最後で濁った二相性混合物であった。反応後20.63時間後、温度は25℃に低下し、試料をGC分析のために取り出した。溶媒(アセトニトリルおよびトルエン)および未反応エピクロロヒドリンを除去するための正規化後のGC分析により、GC分析の条件下で揮発性であった7.91面積%の軽分画、1.19面積%の未反応TMCBD;4.72面積%のモノグリシジルエーテル、0.17面積%のジグリシジルエーテルピークに関連する一対の成分、74.45面積%のジグリシジルエーテル、および11.56面積%のオリゴマーの存在が明らかになった。反応後累積20.71時間後、DI水(185mL)を撹拌反応器に添加して、27℃までの発熱を生じさせた。30分後に撹拌を停止し、反応器内容物を沈降させた。(結晶固体は有機層と水層との間にもはや観察されなかった。)有機層を反応器からデカントして一対の2L分液漏斗に入れ、反応器中に残っている水層を微量の分液漏斗から除去した水層と共に捨てた。
B.エポキシ樹脂単離
分液漏斗の一対間に等しく分けた有機層を、激しく振盪することにより、DI水(分液漏斗1つ当たり400mL)で洗浄した。洗浄した生成物を4時間沈降させ、次いで、水層を除去し、廃棄物として捨てた。第2の洗浄を、上記方法を使用して行い、一晩(20時間)沈降させた。合わせた濁った有機溶液を、600mLフリットガラス漏斗中で無水顆粒硫酸ナトリウムのベッドを通して真空濾過し、透明濾液を得た。トルエンを使用して硫酸ナトリウム中に含有されているエポキシ樹脂生成物を濾液中に洗い流した。
5.6mmHgの最終真空までの65℃の最大油浴温度を使用した濾液の回転式蒸発により、揮発性物質のバルクを除去した。合計770.66gの黄橙色、透明液体が回転式蒸発の完了後に回収された。溶媒(アセトニトリル)を除去するための正規化後のGC分析により、GC分析の条件下で揮発性であった4.69面積%の「軽分画」(ジオール出発反応物質とモノグリシジルエーテルとの間の保持時間を有する2つのピーク)、4.47面積%のモノグリシジルエーテル、0.17面積%のジグリシジルエーテルピークに関連する一対の成分、76.61面積%のジグリシジルエーテル、および14.06面積%のオリゴマーの存在が明らかになった。GC分析により、本質的に全ての未反応エピクロロヒドリン、トルエンおよび未反応ジオールが除去されたことが明らかになった。TMCBDエポキシ樹脂は、表6に示すように、23.3cPのI.C.I.コーンおよびプレート粘度を有した。
C.分別真空蒸留
回転式蒸発からの残渣の一部(765.08g)を磁気撹拌およびポット温度を監視するための温度計を備えた1L三つ首ガラス丸底反応器に添加した。蒸留ヘッドを有する1ピース一体型真空ジャケットVigreux蒸留塔を、両カラム上のそれぞれ24/40接続部を通して真空ジャケットVigreux蒸留塔の第2のセクションに取り付けた。次いで、連結した対の蒸留塔を反応器に取り付けた。蒸留塔の各々は、運転モードに応じて名目上9〜18の理論段を提供した。蒸留ヘッドにオーバーヘッド温度計、空気冷却器、レシーバーおよび真空離脱を備えさせた。真空ポンプを液体窒素トラップおよびインラインデジタル熱伝導率真空計と共に使用した。撹拌を開始し、引き続いて完全真空を引き、次いで、サーモスタット制御された加熱マントルを使用して加熱を進行的に増加させた。清潔なレシーバーを使用して各それぞれの蒸留留分を回収した。蒸留中、初期蒸留留分を取ってTMCBDのモノグリシジルエーテルより下で沸騰する全成分、次いで、モノグリシジルエーテルのバルクを順に除去した。最終蒸留留分を探してジグリシジルエーテルを選択的に除去し、オリゴマー生成物(143.38g)を蒸留ポット中に残した。GC分析により、オリゴマーが残留0.1面積%モノグリシジルエーテル、25.3面積%ジグリシジルエーテルとオリゴマーとしての残りを含有することが明らかになった。アセトニトリルおよびジグリシジルエーテルに関連するピークを除去するための正規化後、GC分析は、表2(構造は化学イオン化ガスクロマトグラフィー−質量分析から得られた分子量データに基づく)に示すように複数の異性体を含有するオリゴマー成分を示した。
Figure 2014173090
種々の蒸留留分を合わせてTMCBD DGE448.24gを得ることによりマスターバッチを調製した。CG分析により、99.61面積%のTMCBDのジグリシジルエーテル、および0.23面積%のTMCBDのモノグリシジルエーテルが明らかになり、残り(0.15面積%)は異性体ジグリシジルエーテルに関連する小さいピークであった。TMCBD DGEのEEWは滴定により決定されるように130.07であった。TMCBD DGEのオキシラン酸素含量は12.30重量%であったが、これは理論値の98.56%である。100%TMCBD DGEの理論オキシラン酸素含量は12.48%である。TMCBD DGEのI.C.I.コーンおよびプレート粘度は14.5cPであった。TMCBDの総塩素は、中性子活性化分析を介して決定されるように59±2ppmであった。加水分解性塩化物は、滴定により決定されるように3.55μg/g±10%であった。
調製実施例2:TMCBDのエポキシ樹脂およびジグリシジルエーテルの反復合成
TMCBDの4段階エポキシ化(A)、エポキシ樹脂単離(B)および分別真空蒸留(C)を含む、実施例1の手順を反復した。得られたエポキシ樹脂は99.72面積%のTMCBDのジグリシジルエーテルおよび0.07面積%のTMCBDのモノグリシジルエーテルを含有し、残り(0.21面積%)は異性体ジグリシジルエーテルに関連する小さいピークであった。EEWは、滴定により決定されるように129.93であった。オキシラン酸素含量は12.31%であったが、これは理論値の98.64%である。I.C.I.コーンおよびプレート粘度は14.5cPであった。
比較実施例1〜5:異性体シクロヘキサンジメタノール(CHDM)のエポキシ樹脂およびジグリシジルエーテルの合成および特徴づけ
比較実施例1〜5の各々について、CHDMのエポキシ化を、CHDMをTMCBDの代わりに使用してエポキシ樹脂を調製したことを除いて、実施例1のTMCBDのエポキシ化と同じ方法で行った。比較実施例4〜5では、CHDM DGEを分別真空蒸留によりエポキシ樹脂から単離した。
比較実施例1:シス−およびトランス−1,4−CHDMのエポキシ樹脂の第1の例
単離ステップ(B)の後の比較実施例1のシス−およびトランス−1,4−CHDMのエポキシ樹脂のCG分析の結果を表3に要約する。I.C.I.コーンおよびプレート粘度は62.5cPであった。
Figure 2014173090
比較実施例2:シス−およびトランス−1,4−CHDMのエポキシ樹脂の第2の例
単離ステップ(B)の後の比較実施例2のシス−およびトランス−1,4−CHDMのエポキシ樹脂のCG分析の結果を表4に要約する。I.C.I.コーンおよびプレート粘度は60.5cPであった。
Figure 2014173090
比較実施例3:シス−およびトランス−1,4−CHDMのエポキシ樹脂の第3の例
単離ステップ(B)の後の比較実施例3のシス−およびトランス−1,4−CHDMのエポキシ樹脂のCG分析の結果を表5に要約する。I.C.I.コーンおよびプレート粘度は61.5cPであった。
Figure 2014173090
比較実施例4:シス−およびトランス−1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル(CHDM DGE)の粘度
この実施例では、CHDM DGEを分別真空蒸留によりCHDMのエポキシ樹脂から単離した。シス−およびトランス−1,3−および1,4−CHDM DGEのGC分析により、99.60面積%のCHDMのジグリシジルエーテル、0.14面積%のCHDMのモノグリシジルエーテルが明らかになり、残り(0.26面積%)は異性体ジグリシジルエーテルに関連する2つの小さなピークとして存在した。EEWは、滴定により決定されるように128.73であった。I.C.I.コーンおよびプレート粘度は29cPであった。
比較実施例5:シス−およびトランス−1,4−CHDM DGEの粘度
シス−およびトランス−1,4−CHDM DGEを比較実施例4のように分別真空蒸留によりシス−およびトランス−1,4−CHDMのエポキシ樹脂から単離した。CG分析により、99.67面積%のCHDMのジグリシジルエーテルが明らかになり、残り(0.33面積%)は異性体ジグリシジルエーテルに関連する3つの小さなピークとして存在した。I.C.I.コーンおよびプレート粘度は27.5cPであった。
実施例1および2ならびに比較実施例1〜5のジグリシジルエーテル含量およびI.C.I.コーンおよびプレート粘度を表6に要約する。表6から分かるように、単離ステップ(B)で得られたTMCBDのエポキシ樹脂は、単離ステップ(B)で得られたCHDMのエポキシ樹脂よりも有意に低い粘度を有している。さらに、分別真空蒸留ステップ(C)で得られた精製TMCBD DGEは、ほぼ同じ生成物純度(99.6+面積%)で、分別真空蒸留ステップ(C)で得られた精製CHDM DGEよりも有意に低い粘度を有している。
Figure 2014173090
実施例1および2ならびに比較実施例1〜5はまた、TMCBDを水性エポキシ化プロセスでエピクロロヒドリンとの反応を介してエポキシ化すると、CHDMの対応する水性エポキシ化よりも、ジグリシジルエーテルに向かう大きな選択性が得られたことを示している。TMCBDが二級ジオールである一方でCHDMが一級ジオールであるとすると、これは驚くべきことである。TMCBDの二級水酸基は、CHDMの一級水酸基よりもエピクロロヒドリンとのカップリングに向かう反応性が低いと予想される。さらに、二級水酸基はエピハロヒドリンとの反応からクロロヒドリン中間体を形成することにより産生されるので、エピハロヒドリンと、前記クロロヒドリンの二級水酸基の反応とシクロブタン環上の二級水酸基の反応との間で競合が予想される。このような競合は所望のTMCBD DGEを犠牲にしたクロロメチル含有オリゴマーをもたらすだろう。驚くべきことに、微量のクロロメチル含有オリゴマーしかTMCBDのエポキシ樹脂中に検出されていない。
比較実施例6:ルイス酸触媒エポキシ化シス−およびトランス−1,4−CHDM
シス−およびトランス−1,4−CHDMのルイス酸触媒エポキシ化を介して製造された商業グレードのCHDMのエポキシ樹脂(ERISYS(商標)GE−22S、CVC Thermoset Specialties、Moorestown、NJから市販されている)をGC−MSにより分析し、以下のオリゴマー成分、すなわち、CHDM DGEよりもGC−MS分析で高い保持時間を有する成分を同定した:
Figure 2014173090
式9のクロロメチル含有ジグリシジルエーテルは、80面積%超の量で存在した。式7〜11の成分の化学構造から、ルイス酸触媒エポキシ化が相間移動触媒エポキシ化により得られるものと非常に異なる反応生成物を産生することが明らかである。表1〜4により特徴づけられるように、式7〜11の成分のいずれも、シクロヘキサンジメタノールの相間移動触媒エポキシ化からのエポキシ樹脂中に見られない。トリグリシジルエーテルを含有する相間移動触媒エポキシ化により得られたエポキシ樹脂とは異なって、ルイス酸触媒エポキシ化により得られたエポキシ樹脂の最高グリシジルエーテル基官能度は2(ジグリシジルエーテル)であることにも注意する。
ルイス酸触媒エポキシ化はまた、クロロメチル基の形態の結合塩素を含有する多量の副産物を産生した。式8〜11の成分の各々は、クロロメチル基の形態で結合した塩素を有する。式8の成分、モノグリシジルエーテルモノクロロヒドリンの存在は、エポキシ化の脱塩化水素ステップを完了するためには水酸化ナトリウム水溶液によるさらなる処理が必要であることを示している。結合塩素の存在は、エレクトロニクスおよび食品と接触して使用される塗装を含む多くの用途からこのエポキシ樹脂の使用を排除する。
実施例1:カテコールを用いた2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオールのジグリシジルエーテルのアドバンスメント
カテコール(24.00g)、TMCBDのDGE(58.69g)およびジグリム(82.69g)の混合物を、冷却器、窒素パージおよび機械攪拌機を備えた500mL四つ首フラスコ中で撹拌および133℃に加熱した。テトラフェニルホスホニウムアセテート(0.494g)を133℃でフラスコに装入し、得られた混合物を165℃にさらに加熱した。アドバンスメント反応をエポキシド滴定により監視した。出発エポキシドの97.5%が反応したら3.0時間後に反応を停止した。機械的に撹拌しながら、プラスチック容器中メタノールおよび氷(体積で1:1)の500mL混合物に添加することにより、アドバンスドエポキシ樹脂を溶液から沈殿させた。沈殿を濾過により回収し、メタノール/氷混合物で3回洗浄(1回の洗浄当たり300mL)し、60℃で、24時間真空オーブン中で乾燥させた。得られたアドバンスドエポキシ樹脂は、淡黄色透明固体であり、85%収率で得られた。DSC分析により、42.3℃のTが明らかになった。EEWは8691であり、重量平均分子量は66,058g/molであり、多分散度は3.84であり、ヒドロキシル価は285mg KOH/gであり、150℃での溶融体粘度は135,000cPであった。
比較実施例7:カテコールを用いたシス−およびトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテルのアドバンスメント
カテコール(12.2g)、シス−およびトランス−1,4−CHDMのDGE(30.0g)およびジグリム(129.3g)の混合物を、冷却器、窒素パージおよび機械攪拌機を備えた250mL三つ首フラスコ中で撹拌および140℃に加熱した。テトラフェニルホスホニウムアセテート(0.9g)を140℃でフラスコに装入し、得られた混合物を163℃にさらに加熱した。アドバンスメント反応をエポキシド滴定により監視した。エポキシドの98.9%が反応したら13.0時間後に反応を停止した。機械的に撹拌しながら、プラスチック容器中メタノールおよび氷(体積で1:1)の750mL混合物に添加することにより、アドバンスドエポキシ樹脂を溶液から沈殿させた。得られたアドバンスドエポキシ樹脂を濾過により回収し、メタノール/氷混合物で3回洗浄(1回の洗浄当たり300mL)し、60℃で、24時間真空オーブン中で乾燥させた。得られたアドバンスドエポキシ樹脂は、淡黄色透明固体であった。DSC分析により、31℃のTが明らかになった。重量平均分子量は27,950g/モルであった。
実施例2a〜d:実施例1のアドバンスドエポキシ樹脂を含む塗装組成物の調製および硬化
4つの塗装を調製し以下の通り試験した。Konig硬度、クロスハッチ接着、乳酸レトルト、MEK二重摩擦、鉛筆硬度および楔曲げ結果を表7に示す。
実施例2a
実施例1からのカテコールアドバンスドTMCBD DGE(3.97g)、METHYLON 75108(0.5g)、リン酸の10%水溶液(0.19g)、BYK−310(0.045g)、およびエチレングリコールとシクロヘキサノンのモノブチルエーテルの混合物(重量で80:20、15.3g)の混合物を一晩撹拌して透明な溶液を形成した。溶液を、1μmシリンジフィルターを通して濾過し、次いで、22番巻線ロッド引き落とし棒を用いて電解ブリキ(ETP)上に塗装した。塗装パネルを205℃で10分間、オーブン中で乾燥および硬化した。硬化塗装の厚さは5.8μmであった。
実施例2b
実施例1からのカテコールアドバンスドTMCBD DGE(3.98g)、フェノール系架橋剤METHYLON 75108(0.5g)、リン酸の10%水溶液(0.09g)、BYK−310(0.045g)、およびモノブチルエチレングリコールエーテルとシクロヘキサノン混合物の混合物(重量で80:20、15.4g)の混合物を一晩撹拌して透明な溶液を形成した。溶液を実施例2aの方法を使用して濾過、塗装および硬化した。硬化塗装の厚さは6.6μmであった。
実施例2c
実施例1からのカテコールアドバンスドTMCBD DGE(3.99g)、フェノール系架橋剤METHYLON 75108(0.5g)、リン酸の10%水溶液(0.05g)、BYK−310(0.02g)、およびモノブチルエチレングリコールエーテルとシクロヘキサノン混合物の混合物(重量で80:20、15.4g)の混合物を一晩撹拌して透明な溶液を形成した。溶液を実施例2aの方法を使用して濾過、塗装および硬化した。硬化塗装の厚さは5.6μmであった。
実施例2d
実施例1からのカテコールアドバンスドTMCBD DGE(3.97g)、フェノール系架橋剤METHYLON 75108(0.5g)、リン酸の10%水溶液(0.22g)、BYK−310(0.02g)、およびモノブチルエチレングリコールエーテルとシクロヘキサノン混合物の混合物(重量で80:20、15.3g)の混合物を一晩撹拌して透明な溶液を形成した。溶液を実施例2aの方法を使用して濾過、塗装および硬化した。硬化塗装の厚さは6.4μmであった。
実施例2a〜dの塗装の特性を表7に示す。有利な楔曲げ可撓性試験結果は、硬化アドバンスドエポキシ樹脂が既知の硬化高分子量エポキシ樹脂よりも可撓性であることを示している。
Figure 2014173090

Claims (23)

  1. 式1
    Figure 2014173090
    (式中、nは1、2または3であり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキルまたはC6〜24アリールであり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜24アリールまたはグリシジルエーテル基である)
    のジグリシジルエーテル(但しジグリシジルエーテルは2個のグリシジルエーテル基を有する)
    を含むエポキシ樹脂と;
    芳香族ジオールおよびジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物
    の反応生成物を含むアドバンスドエポキシ樹脂。
  2. 各グリシジルエーテル基が、独立に式2
    Figure 2014173090
    (式中、Rは水素またはC1〜4アルキルであり、Sは直接結合、C1〜12アルキレンまたはC6〜24アリーレンである)
    を有する、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  3. ジグリシジルエーテルについての理論値の90%以上のオキシラン酸素含量を有する、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  4. 2重量%以下の総塩素含量を有する、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  5. ジグリシジルエーテルがシス−およびトランス−2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジグリシジルエーテルを含む、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  6. 11.2重量%以上のオキシラン酸素含量および142.5以下のエポキシド当量を有する、請求項5記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  7. 二官能性化合物が、式6
    Figure 2014173090
    (式中、R基の1個はヒドロキシル基であり、残りの4個のR基はそれぞれ独立に水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、ブロックイソシアネートまたはアルキルオキシ基である;あるいは残りのR基の任意の2個は縮合脂肪族環または芳香環を形成する)
    の芳香族ジオールを含む、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  8. 芳香族ジオールがカテコール、置換カテコール、レゾルシノール、置換レゾルシノール、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、ナフタレンジオール、置換ナフタレンジオール、または前記芳香族ジオールの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、請求項7記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  9. 芳香族ジオールが、式7
    Figure 2014173090
    の芳香族ジオール、式8
    Figure 2014173090
    の芳香族ジオールまたは前記芳香族ジオールの1種または複数を含む組み合わせを含み、
    式7および8中、Aは1〜12個の炭素原子を有する二価炭化水素基、−S−、−S−S−、−SO−、−SO−、−CO−または−O−であり;各Rは独立に水素または1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり;各R’は独立に水素、1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビルもしくはヒドロカルビルオキシ基、またはハロゲンであり;nは0または1の値を有し;n’は0〜10の値を有する、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  10. 式8の芳香族ジオールが、ビスフェノールA、置換ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換ビスフェノールF、ビスフェノールS、置換ビスフェノールS、ビスフェノールK、置換ビスフェノールK、フェノールフタレイン、置換フェノールフタレイン、または前記芳香族ジオールの少なくとも1種を含む組み合わせを含む、請求項9記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  11. 二官能性化合物が、フタル酸、置換フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、または前記ジカルボン酸の少なくとも1種を含む組み合わせを含むジカルボン酸を含む、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  12. (a)水分散性アクリルまたはポリエステル樹脂を添加するステップ;(b)アドバンスドエポキシ樹脂を水分散性アクリルまたはポリエステル樹脂と反応させるステップ;(c)アドバンスドエポキシ樹脂を少なくとも1種のエチレン性不飽和酸モノマーとグラフトするステップ;(d)アドバンスドエポキシ樹脂を少なくとも1種のエチレン性不飽和酸モノマーおよび少なくとも1種の非イオン性エチレン性不飽和モノマーとグラフトするステップ;または(e)アドバンスドエポキシ樹脂をリン酸および水と反応させ、(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の反応生成物を塩基で少なくとも部分的に中和するステップとにより、水分散性にさせられる、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  13. (a)エチレン性不飽和ジカルボン酸を骨格に組み込むステップ;(b)アドバンスドエポキシ樹脂を少なくとも1種のエチレン性不飽和酸モノマーとグラフトするあるいはアドバンスドエポキシ樹脂を少なくとも1種のエチレン性不飽和酸モノマーおよび少なくとも1種の非イオン性エチレン性不飽和モノマーとグラフトするステップ;および(c)ステップ(a)および(b)の反応生成物を塩基で少なくとも部分的に中和するステップ、により水分散性にさせられる、請求項11記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  14. ポリスチレン標準に基づいてゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される、300〜1,000,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  15. 0〜150℃のガラス転移温度を有する、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂。
  16. 式1
    Figure 2014173090
    (式中、nは1、2または3であり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキルまたはC6〜24アリールであり;各Rは独立に水素、C1〜12アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜24アリールまたはグリシジルエーテル基である)
    のジグリシジルエーテルエーテル(但しジグリシジルエーテルは2個のグリシジルエーテル基を有する)
    を含むエポキシ樹脂を
    芳香族ジオールおよびジカルボン酸から選択される少なくとも1種の二官能性化合物と反応させるステップを含む、請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂を製造する方法。
  17. 請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂と;
    硬化剤と;
    任意選択により硬化触媒と
    を含む硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物。
  18. 硬化剤がフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を含む、請求項18記載の硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物。
  19. 請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂を硬化剤および任意選択により硬化触媒と反応させるステップを含む、硬化性アドバンスドエポキシ樹脂組成物を硬化する方法。
  20. 請求項1記載のアドバンスドエポキシ樹脂と硬化剤の反応生成物を含む硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物。
  21. 組成物が缶塗装または一般的保護/補修塗装の形態である、請求項20記載の硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物。
  22. 楔曲げ可撓性試験により測定される5%以下の破損率;25以上のMEK二重摩擦の耐溶剤性;ASTM D 4366にしたがって測定される100〜250のKonig硬度;ASTM D 3359にしたがって測定される4B〜5Bのクロスハッチ接着;およびASTM D3363にしたがって測定されるB以上の鉛筆硬度の1つまたは複数を有する、請求項20記載の硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物。
  23. 塗装、接着剤、電気もしくは構造積層板、電気もしくは構造複合材料、フィラメントワインディング、成型物、鋳造物、ポッティングまたは封止材である、請求項20記載の硬化アドバンスドエポキシ樹脂組成物を含む物品。
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