JPH11181047A - エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の製造方法

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JPH11181047A
JPH11181047A JP34910697A JP34910697A JPH11181047A JP H11181047 A JPH11181047 A JP H11181047A JP 34910697 A JP34910697 A JP 34910697A JP 34910697 A JP34910697 A JP 34910697A JP H11181047 A JPH11181047 A JP H11181047A
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秀也 鈴木
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啓一 浜中
Kazuyuki Onodera
和之 小野寺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−グリコール含有量の高い、高分子量エポ
キシ樹脂を製造して硬化物の加工性、耐水性及び耐食性
を改善すると共に、このα−グリコール含有量の高いエ
ポキシ樹脂の生産性を改善する。 【解決手段】 エピクロルヒドリンを3%NaOH水溶
液で反応させて、エピクロルヒドリンとグリシドールと
の混合溶液を調整し、次いで、これにビスフェノールA
を加え、α−グリコール含有量0.10〜0.50meq/
g低分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂を得、次い
で、これを高分子量化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、土木、建築
材料、電気、電子材料等の広い範囲に適用できる、α−
グリコール末端基を多く含有するエポキシ樹脂の製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】α-グリコール基を多く含有する高分子
量エポキシ樹脂は、硬化性や、硬化物の耐水性等に優れ
るため、塗料、土木、建築材料、電気、電子材料等の各
種分野で使用されている。その製造方法としては、その
ベースレジンとしての低分子量エポキシ樹脂のα-グリ
コール含有量を多くする方法が一般的である。
【0003】α−グリコール末端基の多い低分子量エポ
キシ樹脂を製造する方法としては、反応系の水分量を多
くして、多官能フェノール化合物とエピクロルヒドリン
とを反応させる方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、反応系内の水
分含有量を高める方法は、得られる低分子量エポキシ樹
脂のα−グリコール含有量は高々0.08meq/gにすぎ
ず、この様なものでは最終的に得られる高分子量体にお
いても、充分なα−グリコール含有量にはならず、硬化
物の加工性、耐水性及び耐食性が高められないものであ
った。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、高分子
量エポキシ樹脂のα−グリコール含有量を向上させて硬
化物の加工性、耐水性及び耐食性を改善すると共に、こ
のα−グリコール含有量の高いエポキシ樹脂を効率よく
製造できる、生産性に優れたエポキシ樹脂の製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、エピハロヒド
リンを多官能フェノール化合物との反応前に希アルカリ
で処理し、系内でグリシドールを生成させ、次に多官能
フェノール化合物と反応させることにより、目標のα−
グリコール含有量のエポキシ樹脂が容易に得られること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、エピハロヒドリンとアル
カリ金属水酸化物水溶液とを反応させてエピハロヒドリ
ンとグリシドールとの混合物を得(工程1)、次いで、
該混合物と多官能フェノール化合物とをアルカリ金属水
酸化物の存在下に反応させる(工程2)ことを特徴とす
るエポキシ樹脂の製造方法に関する。
【0008】工程1におけるエピハロヒドリンとアルカ
リ金属水酸化物水溶液との反応条件としては、特に制限
されるものではないが、エピハロヒドリンと1〜20%
のアルカリ金属水酸化物の水溶液を70〜100℃、好
ましくは85〜95℃で接触させる方法が挙げられ、こ
のように反応させることにより容易にグリシドールとエ
ピハロヒドリンとの混合物を生成することができる。該
混合物中のグリシドールとエピハロヒドリンとの存在比
は、特に制限されないが、重量比率で、前者/後者=
(2〜10)/(98〜90)でなる範囲が、生成エポ
キシ樹脂中のα−グリコール含有量を調整できる点から
好ましい。
【0009】ここで、エピハロヒドリンとしては、特に
限定されないが、エピクロルヒドリン、エピブロモヒド
リン等が挙げられるが、前者のエピクロルヒドリンが好
ましい。
【0010】次いで、工程2として、得られたエピハロ
ヒドリンとグリシドールとの混合物と多官能フェノール
化合物とをアルカリ金属水酸化物の存在下に反応させ
る。ここで、具体的な方法としては、特に制限されない
が、生産性の点から、工程1の反応終了後、そのまま該
反応容器に多官能フェノール化合物を加えて溶解し、次
いで、アルカリ金属水酸化物を添加する方法が挙げられ
る。
【0011】エピハロヒドリンとグリシドールとの混合
物と、多官能フェノール化合物との反応割合は、特に制
限されないが、モル比で前者/後者=5〜20モルであ
ることが、目的とするα−グリコール量の調整が容易
で、かつ、エポキシ当量を低減できる点で好ましい。
【0012】この際、グリシジルエーテル化の反応は、
公知慣用のいずれの方法でも良いが、例えば、多官能フ
ェノール化合物とグリシドールを含有したエピハロヒド
リン中に、常圧又は減圧下、50〜100℃でアルカリ
金属水酸化物の水溶液を連続的に添加して実施されるも
のである。アルカリ金属水酸化物の水溶液は、濃度5〜
50%のものが好ましい。
【0013】ここで、使用し得る多官能フェノール化合
物は、特に制限されず、例えば、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビス
フェノールA等のビスフェノール類、フェノールノボラ
ック、クレゾールノボラック、ビスフェノールノボラッ
ク等のノボラック樹脂、フェノール−ジシクロペンタジ
エン重付加物、ジヒドロキシナフタレン、ビナフトー
ル、ビフェノール等が挙げられる。これらのなかでも、
特に後述する高分子量化反応に供する場合は、2官能の
フェノール化合物が好ましく、特にビスフェノール類が
好ましい。
【0014】反応終了後、副生したアルカリ金属塩を水
を加えて溶解して除く。更に、エピハロヒドリンを蒸留
により回収し、目的とする低分子量エポキシ樹脂を製造
することができる。
【0015】工程2で得られる低分子量エポキシ樹脂
は、α−グリコール含有量が、0.10〜0.50meq/
gと従来になく高水準にあり、更に高分子量化して得ら
れるエポキシ樹脂の硬化物性能を著しく向上できる。ま
た、生成した低分子量エポキシ樹脂の性状は、樹脂構造
によって相違するが、例えば、好ましく使用できるビス
フェノール型エポキシ樹脂の場合、エポキシ当量160
〜230g/eq、なかでも170〜210g/eq、粘度1,
000〜100,000cps、なかでも3,000〜
40,000cpsの範囲が、当該低分子量エポキシ樹
脂の生産性に優れ、また、次工程の高分子量化反応にお
ける取り扱いが容易であり、更に、当該低分子量エポキ
シ樹脂を硬化させた際の密着性、可とう性の性能に優れ
たものとなり好ましい。また、加水分解性塩素量は0.
5重量%以下の範囲が電気的性能が良好となり好まし
い。
【0016】得られた低分子量エポキシ樹脂は、アミン
類、酸類、酸無水物などの硬化剤と組み合わせることに
より、速硬化性で、密着性、可とう性の良好な硬化物を
得ることができる。
【0017】次に、この低分子量エポキシ樹脂に更に多
価活性水素化合物を反応させることによって、より高分
子量で、かつ、α−グリコール量の高いエポキシ樹脂を
得ることができる。
【0018】反応方法としては、特に制限されるもので
はないが、低分子量エポキシ樹脂と多価活性水素化合物
を反応容器に仕込み、反応触媒を加え、不活性ガス封入
下で撹拌しながら加熱し、撹拌しながら反応させる方法
が挙げられる。
【0019】多価活性水素化合物としては、特に限定さ
れないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等の2価カルボン酸、
又は、ヘキシルアミン、ベンジルアミン、2−ヒドロキ
シエチルアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルアミン
等の2価アミン類、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA
等のビスフェノール類が挙げられる。なかでも、特にビ
スフェノール類が、塗料として加工性等に優れる点から
好ましい。
【0020】高分子量エポキシ樹脂を製造する際の反応
に使用される反応触媒としては、特に制限されるもので
はないが、例えば、多価活性水素化合物として、ビスフ
ェノール類及び2価カルボン酸を使用する場合、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩類、トリブチル
アミン等のアミン類、トリフェニルホスフィン等のホス
フィン類等、エポキシ基とフェノール性水酸基の反応に
使用される化合物が何れも使用できる。
【0021】この反応の反応温度は100〜250℃で
行うのが好ましく、100℃以下では反応の進行が遅く
反応に長時間を要し、250℃以上ではエポキシ基の副
反応が起こりやすくなる。
【0022】この様にして得られるエポキシ樹脂は、α
−グリコール含有量が0.06〜0.45meq/gの範囲
となり、加工性、耐水性及び耐食性が飛躍的に改善され
る。
【0023】また、得られたエポキシ樹脂のエポキシ当
量や溶融粘度は、低分子量エポキシ樹脂と多価活性水素
化合物との仕込み比率や、樹脂構造に依存するため特に
制限されないが、例えば、工程2で使用される多官能フ
ェノール化合物、及び、高分子量化反応で用いる多価活
性水素化合物として、ビスフェノール類を用いた場合、
硬化物の強度、加工性等の点から、通常エポキシ当量4
00g/eq以上、なかでも1,600〜13,000
g/eq、希釈粘度(樹脂分40%ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル溶液での25℃におけるガードナ
ー粘度)でC〜Z9、なかでもX〜Z7の範囲が好まし
い。また、加水分解性塩素量は0.5重量%以下である
ことが電気的性能の点から好ましい。
【0024】この様にして得られる高分子量エポキシ樹
脂は、α−グリコール含有量が多いことから、各種用途
に適用できる。例えば、高分子量エポキシ樹脂、硬化剤
及び有機溶媒と配合した塗料は、硬化塗膜の加工性、耐
水性及び耐食性に優れる点から有用であり、また、高分
子量エポキシ樹脂を、アクリル樹脂、スチレン−メタク
リル酸共重合体及びスチレン−メタクリル酸−アクリル
酸エチル共重合体等のカルボキシル基含有共重合体と反
応させた水性樹脂分散エマルジョン化した水性塗料は、
金属に対する付着性、可とう性に優れた金属用塗料とな
る。
【0025】前者の用途における、硬化剤としては、メ
ラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、フェノ
ールレゾール樹脂、ブロックイソシアネート樹脂等が挙
げられる。一方、有機溶媒としては、キシレン、トルエ
ン、シクロヘキサノン、アセトン、MEK、MIBK、
イソホロン、n−ブタノール、メトキシプロパノール、
ブチルセロソルブ、メトキシプロピルアセテート等が挙
げられ、なかでも、シクロヘキサノン、メトキシプロピ
ルアセテートが好ましい。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例により詳述するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】実施例1 撹拌機、温度計、冷却器付きデカンターを付したフラス
コにエピクロルヒドリン555g(6モル)と3%Na
OH水溶液166gを入れ、90℃で4時間撹拌した。
【0028】撹拌を停止し、エピクロルヒドリン層をサ
ンプリングし、グリシドール含有量を測定した所、4.
5%であった。水層を分離除去した後、ビスフェノール
A228g(1モル)を加え溶解し、それに、減圧下、
70℃で、48%NaOH水溶液158g(1.9モ
ル)を撹拌しながら滴下した。その間、フラスコを加熱
し続け、エピクロルヒドリンと水を蒸留し、冷却器を通
してデカンター内に凝縮したエピクロルヒドリンと水を
分離し、エピクロルヒドリンをフラスコ内に戻し続け
た。
【0029】更に、30分間撹拌を続けた後、エピクロ
ルヒドリンを150℃で蒸留回収後、トルエン440g
と水170g加え、生成したNaClを溶解し撹拌を止
め、分液によりNaCl水層を除去した。
【0030】次に、5%NaOH水溶液115gを加
え、80℃にて1時間撹拌後、撹拌を止め、分液により
水層を除去した。更に、水170gを加えて水洗し、水
層を棄却した後、脱水、濾過工程を経てトルエンを15
0℃で蒸留回収し、目的のエポキシ樹脂を得た。
【0031】得られたエポキシ樹脂の性状値は、エポキ
シ当量=200g/eq、粘度(25℃)=20,30
0cps、加水分解性塩素=0.01%、α-グリコー
ル含有量(過沃素酸酸化法)=0.25meq/gであ
った。
【0032】実施例2 エピクロルヒドリンの3%NaOH水溶液による処理条
件について、エピクロルヒドリンの仕込量を370g
(5モル)とし、3%NaOH水溶液の仕込量を111
gとする以外は、実施例1と同様の工程操作を行いエポ
キシ樹脂を得た。
【0033】得られたエポキシ樹脂の性状値は、エポキ
シ当量=215g/eq、粘度(25℃)=46,60
0cps、加水分解性塩素=0.01%、α-グリコー
ル含有量(過沃素酸酸化法)=0.21meq/gであ
った。
【0034】実施例3 エピクロルヒドリンの3%NaOH水溶液による処理条
件について、エピクロルヒドリンの仕込量を925g
(8モル)とし、3%NaOH水溶液の仕込量を278
gとする以外は、実施例1と同様の工程操作を行いエポ
キシ樹脂を得た。
【0035】得られたエポキシ樹脂の性状値は、エポキ
シ当量=198g/eq、粘度(25℃)=19,90
0cps、加水分解性塩素=0.01%、α-グリコー
ル含有量(過沃素酸酸化法)=0.34meq/gであ
った。
【0036】実施例4 エピクロルヒドリンの3%NaOH水溶液による処理条
件を90℃で1時間撹拌とする以外は、実施例1と同様
の工程操作を行いエポキシ樹脂を得た。
【0037】得られたエポキシ樹脂の性状値は、エポキ
シ当量=193g/eq、粘度(25℃)=15,50
0cps、加水分解性塩素=0.01%、α-グリコー
ル含有量(過沃素酸酸化法)=0.10meq/gであ
った。
【0038】実施例5 エピクロルヒドリンの3%NaOH水溶液による処理条
件を90℃で10時間撹拌とする以外は、実施例1と同
様の工程操作を行いエポキシ樹脂を得た。
【0039】得られたエポキシ樹脂の性状値は、エポキ
シ当量=211g/eq、粘度(25℃)=38,20
0cps、加水分解性塩素=0.01%、α-グリコー
ル含有量(過沃素酸酸化法)=0.50meq/gであ
った。
【0040】実施例6 ビスフェノールA228gをビスフェノールF200g
(1モル)に変える以外は、実施例1と同様の工程操作
を行いエポキシ樹脂を得た。
【0041】得られたエポキシ樹脂の性状値は、エポキ
シ当量=178g/eq、粘度(25℃)=4,800
cps、加水分解性塩素=0.01%、α-グリコール
含有量(過沃素酸酸化法)=0.26meq/gであっ
た。
【0042】比較例1 エピクロルヒドリンの3%NaOH水溶液による処理を
行わずに、フラスコにエピクロルヒドリン,ビスフェノ
ールAと共に水(エピクロルヒドリンに対し5%)を入
れて溶解し、実施例1と同様に、減圧下、70℃で、4
8%NaOH水溶液を滴下し反応させた。
【0043】その後も実施例1と同様の工程操作を行い
エポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂の性状値
は、エポキシ当量=191g/eq、粘度(25℃)=
14,500cps、加水分解性塩素=0.01%、α
-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)=0.08me
q/gであった。
【0044】比較例2 エピクロルヒドリンの3%NaOH水溶液による処理を
行わない以外は、実施例1と同様の工程操作を行いエポ
キシ樹脂を得た。
【0045】得られたエポキシ樹脂の性状値は、エポキ
シ当量=188g/eq、粘度(25℃)=13,20
0cps、加水分解性塩素=0.01%、α-グリコー
ル含有量(過沃素酸酸化法)=0.03meq/gであ
った。
【0046】比較例3 エピクロルヒドリンの3%NaOH水溶液による処理を
行わない以外は、実施例6と同様の工程操作を行いエポ
キシ樹脂を得た。
【0047】得られたエポキシ樹脂の性状値は、エポキ
シ当量=170g/eq、粘度(25℃)=3,600
cps、加水分解性塩素=0.01%、α-グリコール
含有量(過沃素酸酸化法)=0.03meq/gであっ
た。
【0048】実施例7(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 実施例1で製造されたエポキシ樹脂677gとビスフェ
ノールA323gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、160℃で6時間撹拌し反応さ
せた。
【0049】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z1、
エポキシ当量=2,240g/eq、加水分解性塩素=
0.01%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.17meq/gであった。
【0050】実施例8(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 実施例1で製造されたエポキシ樹脂662gとビスフェ
ノールA338gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、200℃で6時間撹拌し反応さ
せた。
【0051】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z6、
エポキシ当量=4,340g/eq、加水分解性塩素=
0.02%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.16meq/gであった。
【0052】実施例9(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 実施例2で製造されたエポキシ樹脂699gとビスフェ
ノールA301gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、160℃で7時間撹拌し反応さ
せた。
【0053】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z1、
エポキシ当量=2,140g/eq、加水分解性塩素=
0.01%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.15meq/gであった。
【0054】実施例10(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 実施例3で製造されたエポキシ樹脂673gとビスフェ
ノールA327gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、160℃で5時間撹拌し反応さ
せた。
【0055】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z1、
エポキシ当量=2,590g/eq、加水分解性塩素=
0.01%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.23meq/gであった。
【0056】実施例11(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 実施例4で製造されたエポキシ樹脂658gとビスフェ
ノールA342gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、200℃で8時間撹拌し反応さ
せた。
【0057】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z6、
エポキシ当量=3,060g/eq、加水分解性塩素=
0.02%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.06meq/gであった。
【0058】実施例12(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 実施例5で製造されたエポキシ樹脂656gとビスフェ
ノールA344gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、200℃で8時間撹拌し反応さ
せた。
【0059】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z6、
エポキシ当量=12,400g/eq、加水分解性塩素
=0.02%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化
法)=0.31meq/gであった。
【0060】実施例13(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 実施例6で製造されたエポキシ樹脂703gとビスフェ
ノールF297gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、160℃で6時間撹拌し反応さ
せた。
【0061】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z、エ
ポキシ当量=1,410g/eq、加水分解性塩素=
0.01%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.18meq/gであった。
【0062】比較例4(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 比較例1で製造されたエポキシ樹脂677gとビスフェ
ノールA323gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、160℃で8時間撹拌し反応さ
せた。
【0063】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z1、
エポキシ当量=1,640g/eq、加水分解性塩素=
0.01%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.05meq/gであった。
【0064】比較例5(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 比較例1で製造されたエポキシ樹脂656gとビスフェ
ノールA344gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、200℃で6時間撹拌し反応さ
せた。
【0065】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z6、
エポキシ当量=2,930g/eq、加水分解性塩素=
0.02%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.05meq/gであった。
【0066】比較例6(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 比較例2で製造されたエポキシ樹脂677gとビスフェ
ノールA323gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、160℃で8時間撹拌し反応さ
せた。
【0067】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Z1、
エポキシ当量=1,450g/eq、加水分解性塩素=
0.01%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化法)
=0.02meq/gであった。
【0068】比較例7(高分子量エポキシ樹脂の製造
例) 比較例3で製造されたエポキシ樹脂703gとビスフェ
ノールF297gをフラスコに仕込み、反応触媒として
トリフェニルホスフィン0.2gを添加し、窒素封入下
で撹拌しながら加熱し、160℃で8時間撹拌し反応さ
せた。
【0069】得られたエポキシ樹脂の性状値は、希釈粘
度(樹脂分40%ジエチレングリコールモノブチルエー
テル溶液での25℃におけるガードナー粘度)=Y−
Z、エポキシ当量=1,080g/eq、加水分解性塩
素=0.01%、α-グリコール含有量(過沃素酸酸化
法)=0.02meq/gであった。
【0070】[高分子量エポキシ樹脂の塗料の調整及び
評価]実施例7〜13および比較例4〜7で製造された
エポキシ樹脂100部、チタン白52部、ジンククロメ
ート26部を配合した配合物にブチルセロソルブ/1−
ブタノール=50/50重量比の混合溶剤を適量加え3
本ロールを使用して充分に混練した後、メチル化メラミ
ン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「スーパーベッ
カミンL−105−60」)18部を配合し、さらに、
25℃の粘度がフォードカップ#4にて40〜50秒と
なるように、ブチルセロソルブ/1−ブタノール=50
/50重量比の混合溶剤を添加して金属被覆用硬化性組
成物を調整した。亜鉛目付量90g/cm2,板厚0.
6mmの溶融亜鉛メッキ鋼鈑に180℃×30秒の塗装
条件で焼き付けして膜厚5μmの塗装鋼板を得た。つい
で、上塗り塗料として市販のポリエステル系塗料を用い
て220℃×40秒の塗装条件で焼き付けして、塗膜厚
が下塗りと上塗り合計20μmの塗装鋼鈑を得た。
【0071】得られた塗装鋼鈑の塗膜物性試験を行い、
結果を表1〜2に示した。塗膜物性試験は次の方法で実
施した。
【0072】加工性:1Tの折り曲げ試験を25℃で行
い、加工部のクラックの有無を観察した。判定基準は次
のようである。 ◎:異常なし ○:肉眼では異常が見られないが、20倍のルーペで僅か
なクラックを確認 △:クラックを確認 ×:塗膜剥離
【0073】耐水性:煮沸水に5時間浸漬した後の平面
部を観察した。判定基準は次のようである。 ◎:異常なし ○:肉眼では異常が見られないが、20倍のルーペで僅か
なフクレを確認 △:肉眼でフクレを確認 ×:塗膜剥離
【0074】耐食性:40℃にて塩水噴霧試験を行い、
500時間後の切断端面を観察した。判定基準は次のよ
うである。 ◎:異常なし ○:白錆発生でフクレなし △:赤錆発生でフクレなし ×:フクレ発生
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、高分子量エポキシ樹脂
のα−グリコール含有量を向上させて硬化物の加工性、
耐水性及び耐食性を改善すると共に、このα−グリコー
ル含有量の高いエポキシ樹脂を効率よく製造できる、生
産性に優れたエポキシ樹脂の製造方法を提供できる。
【0078】従って、本発明で得られたα−グリコール
含有量の多いエポキシ樹脂は、加工性や耐食性等に優れ
る被覆用組成物として有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エピハロヒドリンとアルカリ金属水酸化
    物水溶液とを反応させてエピハロヒドリンとグリシドー
    ルとの混合物を得(工程1)、次いで、該混合物と多官
    能フェノール化合物とをアルカリ金属水酸化物の存在下
    に反応させる(工程2)ことを特徴とするエポキシ樹脂
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程1におけるアルカリ金属水酸化物水
    溶液が、濃度1〜20%のものである請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 工程2で得られるエポキシ樹脂のα−グ
    リコール含有量が、0.10〜0.50meq/gである請
    求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 工程1としてエピハロヒドリンに濃度1
    〜20%のアルカリ金属水酸化物の水溶液を加え反応さ
    せた後、系内の水層を除去してエピハロヒドリンとグリ
    シドールとの混合物を得、次いで、工程2として該混合
    物に、多官能フェノール化合物と、濃度5〜50%のア
    ルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応させる請求項
    1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 工程1で得られる混合物中の、グリシド
    ールとエピハロヒドリンとの存在比が重量比率で、前者
    /後者=(2〜10)/(98〜90)であって、且
    つ、工程2における前記混合物と多官能フェノール化合
    物との反応割合がモル比で前者/後者=5〜20モルで
    ある請求項1〜4の何れか1つに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 工程1における反応温度が70〜100
    ℃であり、かつ、工程2における反応温度が50〜10
    0℃で行なう請求項1〜5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 多官能フェノール化合物が、ビスフェノ
    ール類である請求項1〜6の何れか1つに記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜8の何れか1つに記載の製造
    方法で、得られたエポキシ樹脂に、更に、多価活性水素
    化合物を反応させて、α−グリコール含有量が0.06
    〜0.45meq/gのエポキシ樹脂とすることを特徴とす
    るエポキシ樹脂の製造方法。
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