JP3798509B2 - 麺類 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、レジスタントスターチを含む麺類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
澱粉の中には、アミラーゼに対して作用を受けにくいアミラーゼ非消化性澱粉があることが知られており、レジスタントスターチと呼ばれている(不破英次、澱粉科学、第38巻、第1号、p.51-54 、1991年参照)。また、このレジスタントスターチを麺類に含有させることも提案されている(特開昭49-125845 号、食品と開発Vol.31、No.2、p.38参照)。
【0003】
レジスタントスターチは、食物繊維の定量法として公認されているプロスキー法(L.PROSKYら、J. ASSOC. OFF. ANAL. CHEM.、第71巻、第5号、p.1017-1023 、1988年参照)によって食物繊維として定量されるものであり、レジスタントスターチを食することによって、日常の食生活で不足しがちな食物繊維を補給することができる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかしながら、レジスタントスターチを比較的多く含有する澱粉、例えば高アミロースコーンスターチなどは、澱粉全体の糊化開始温度が高く、膨潤性に劣るため、この澱粉の絶対添加量が多くなると、製麺性、食感に悪影響を与えるという問題点があった。
【0005】
ところが、従来のレジスタントスターチを含有する澱粉、例えば高アミロースコーンスターチなどは、レジスタントスターチの含量が20〜45重量%と低かったため、食物繊維の補給に十分な量で麺類に含有させようとすると、澱粉を大量に配合しなければならず、製麺性、食感を著しく低下させてしまうという問題点があった。
【0006】
この問題は、特に即席ノンフライ麺のように1食分当りの麺重量が55〜80gというように少なくなった場合、すなわち相対的に澱粉の配合割合を高めなければならない場合に顕著であった。
【0007】
また、麺類のカロリー低下を目的とした場合には、レジスタントスターチの割合を多くすることが望まれるが、上記のように従来のレジスタントスターチを含有する澱粉では、レジスタントスターチの含量があまり高くないので、カロリーを十分に低減できるほどその割合を高くすることは困難であった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、食物繊維の補給源となり、カロリーも低減することができ、製麺性や食感も良好に保たれる麺類を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、高アミロースコーンスターチを湿熱処理することによって、レジスタントスターチの含量が高い澱粉を得ることができること、及びこの澱粉を用いることによって、食物繊維含量を十分に高め、かつ、カロリー低減効果が得られる程度に麺類に含有させても、製麺性や食感を良好に維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の第1は、穀粉と、60重量%以上のレジスタントスターチを含むレジスタントスターチ含有澱粉とを含有することを特徴とする麺類を提供するものである。
【0011】
この発明によれば、レジスタントスターチ含有澱粉中のレジスタントスターチの含量が60重量%以上と高いので、食物繊維含量を十分に高め、カロリー低減効果が得られる程度にレジスタントスターチの配合量を多くしても、澱粉全体の添加量を比較的少なくすることができ、製麺性や食感の低下を防止できる。
【0012】
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記穀粉100 重量部に対して、前記レジスタントスターチ含有澱粉を10〜80重量部含有する麺類を提供するものである。
【0013】
この発明によれば、レジスタントスターチ含有澱粉を上記の割合で配合することにより、製麺性や食感に悪影響を与えない範囲で、レジスタントスターチの含量を高めて前記効果を得ることができる。なお、穀粉100 重量部に対するレジスタントスターチ含有澱粉の配合量が10重量部未満では、食物繊維を補給し、カロリーを低下させる効果が十分に得られず、80重量部を超えると、製麺性や食感が低下する。
【0014】
本発明の第3は、穀粉と、60重量%以上のレジスタントスターチを含むレジスタントスターチ含有澱粉と、糊化開始温度を低下させる化工を施した化工澱粉とを含有することを特徴とする麺類を提供するものである。
【0015】
この発明によれば、レジスタントスターチ含有澱粉と上記化工澱粉とを併用することにより、レジスタントスターチ含有澱粉だけを用いるのに比べて、製麺性や食感を向上させることができる。
【0016】
本発明の第4は、前記第3の発明において、前記穀粉100 重量部に対して、前記レジスタントスターチ含有澱粉を10〜80重量部、前記化工澱粉を5〜80重量部含有する麺類を提供するものである。
【0017】
この発明によれば、製麺性や食感を良好に維持しつつ、レジスタントスターチの配合量をできるだけ高めることができる。なお、穀粉100 重量部に対するレジスタントスターチ含有澱粉の配合量が10重量部未満では、食物繊維を補給し、カロリーを低下させる効果が十分に得られず、80重量部を超えると、製麺性や食感が低下する。また、穀粉100 重量部に対する化工澱粉の配合量が5重量部未満では、食感改善効果が十分に得られず、80重量部を超えると、製麺性が低下するという問題がある。
【0018】
本発明の第5は、前記第3又は第4の発明において、前記化工澱粉が、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉から選ばれた少なくとも一種を原料とするエステル化澱粉、エーテル化澱粉又はリン酸架橋澱粉である麺類を提供するものである。
【0019】
この発明によれば、化工澱粉によって製麺性及び食感を改善する効果をより確実に得ることができる。
【0020】
本発明の第6は、前記第1〜5の発明のいずれかにおいて、前記レジスタントスターチ含有澱粉が、高アミロースコーンスターチ及び/又はその誘導体の湿熱処理澱粉である麺類を提供するものである。
【0021】
この発明によれば、60重量%以上のレジスタントスターチを含むレジスタントスターチ含有澱粉を容易に得ることができるため、第1〜5の発明の麺類を工業的に容易に生産することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明において、レジスタントスターチとは、前記プロスキー法によって測定したとき食物繊維として定量されるもの、すなわち難消化性澱粉を意味する。本発明で用いるレジスタントスターチを含む澱粉は、レジスタントスターチを60重量%以上、好ましくは70重量%以上含むものであれば特に限定されない。
【0023】
上記レジスタントスターチ含有澱粉の好ましい製造方法としては、アミロース含量が30重量%以上の澱粉、好ましくは高アミロースコーンスターチ及び/又はその誘導体を、特開平4-130102号や、特開平6-145203号に示される方法で湿熱処理する方法が挙げられる。すなわち、減圧ラインと加圧蒸気ラインとの両方を付設し、内圧、外圧共に耐圧性の密閉できる容器を用い、この容器内に上記澱粉を入れ、減圧した後、蒸気を導入して加圧加熱し、又はこの操作を繰り返して、澱粉を所定時間加熱した後、冷却することにより湿熱処理する方法である。
【0024】
本発明に用いる化工澱粉としては、糊化開始温度を低下させる化工を施した澱粉であればよく、化工方法は特に限定されない。例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉等を原料澱粉として、酢酸、コハク酸等の有機酸をエステル化させた澱粉、リン酸架橋を施した澱粉、ヒドロキシプロピル化等のエーテル化を行った澱粉等を挙げることができる。より好ましくは、タピオカ澱粉のエステル化及び/又はエーテル化澱粉である。
【0025】
また、上記における糊化開始温度の低下温度は、元の澱粉の糊化開始温度より0.1 〜10℃の範囲のものであればよい。好ましくはアミログラフの測定において粘度上昇開始温度から最高粘度に至るまでの粘度上昇曲線の立ち上がりの急なものであり、最高粘度の高いものが好ましい。すなわち、澱粉粒の膨潤度の大きい化工方法がよく、例えばタピオカ澱粉の酢酸エステル化澱粉、小麦澱粉やコーンスターチのヒドロキシプロピル化澱粉などを挙げることができる。
【0026】
本発明の麺類の主原料となる穀粉としては、小麦粉、蕎麦粉、米粉、トウモロコシ粉などが挙げられ、これらは目的とする麺の種類によって適宜選択される。また、本発明の麺類の原料としては、前述した穀粉、レジスタントスターチ含有澱粉、化工澱粉の他に、例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉などの通常の澱粉類や、卵白、乳蛋白、大豆蛋白、グルテンなどの動植物蛋白質類や、サツマイモ、トウモロコシ、小麦、リンゴ、レモン、米等の食物及び木材より分離精製されるセルロース及びヘミセルロースなどの食物繊維や、オリゴ糖、エリスリトール、還元糖質、還元デキストリン、ポリデキストロースなどの難消化性糖質や、キサンタンガム、グアガム、カラギーナン、カードラン、寒天、コンニャク、ゼラチン、タマリンドガム、アルギン酸、ジェランガム、サイリュウムガムなどのガム類及びこれらガム類の酵素又は化学分解物や、難消化性デキストリンや、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチンなどの乳化剤類や、クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、リン酸、炭酸、塩酸、硫酸などの酸類及びそのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩類などから選択された一種又は二種以上を自由に用いることができる。
【0027】
各原料の配合割合は、前述したように、化工澱粉を用いない場合は、穀粉100 重量部に対して、レジスタントスターチ含有澱粉10〜80重量部とすることが好ましく、化工澱粉を用いる場合は、穀粉100 重量部に対して、レジスタントスターチ含有澱粉10〜80重量部、化工澱粉5〜80重量部とすることが好ましい。また、レジスタントスターチ含有澱粉100 重量部に対する化工澱粉の配合割合は、20〜80重量部とすることが好ましい。
【0028】
本発明の対象とする麺類は、中華麺、うどん、日本そば、焼きそば、パスタ類及びこれら麺類のノンフライ即席麺及び加熱殺菌を行った長期保存が可能なLL麺類などである。また、本発明の麺類を製造する方法は、上記麺類の種類に応じた常法に従えばよく、特別な方法を採用する必要はない。例えば、レジスタントスターチを含む澱粉の添加方法は、主原料である穀粉に予め混合する方法が好ましいが、穀粉の生地を混捏するときに添加する方法、小麦粉以外の添加物に混合しておく方法、捏ね水に分散する方法などを採用してもよい。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、特に説明のない限り%は重量基準である。
【0030】
参考例(レジスタントスターチを多く含む澱粉の調製)
内圧、外圧共に耐圧性の密封できる容器を有する湿熱処理装置として、内容積100 リットルのナウタミキサ(リアクタ)NXV 型(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)を用い、そのジャケットに、予め蒸気を導入して、装置全体を予備加熱して約80℃にした後、アミロース含量70重量%の高アミロースコーンスターチ約50kgを入れて密封し、容器内に配置されたスクリューを自転速度93rpm 、公転速度65rpm で回転させながら、約6分間撹拌した。
【0031】
原料澱粉の品温が約80℃に達した時点で、減圧ラインを開けて減圧し、6分間経過後、70トールに達した時点で減圧ラインを閉じ、蒸気ラインを開けて蒸気を導入した。蒸気を導入して11分間経過後、内圧は、1.5kg/cm2 、温度は125 ℃に達した。この状態を0〜120 分間保持した後、蒸気ラインを閉じ、内圧を開放して、降圧し、続いて減圧ラインを開けて減圧し、品温が約80℃になるまで冷却して、レジスタントスターチ含有量の異なる湿熱処理ハイアミロースコーンスターチを得た。また、難消化性澱粉(レジスタントスターチ)含量は、プロスキー法で測定した。その結果を表1に示す。また、以下の説明において、レジスタントスターチ含量の異なる各澱粉は、表1の名称を引用する。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例1,2及び比較例1,2(低カロリーノンフライ即席中華麺の製造)
準強力粉8.5kg に参考例1で調整したRS20(比較例1)、RS40(比較例2)、RS70(実施例1)、RS90(実施例2)をそれぞれ1.5kg 混合した粉4種類を用意し、これらの粉を混捏機の中に入れ、食塩100gとかん粉60g を3.7kg の水に溶解した水溶液を加え、15分間の混捏を行った後、製麺機で厚さ6 〜7 mmの麺帯とした後、麺帯が乾燥しないようにビニール袋に包み室温で約1時間の麺帯熟成を行った。
【0034】
その後、圧延ロールの間を狭くしながら厚さ1.2mm になるまで麺帯を圧延した後、切り歯24番(幅30/24mm )で切断し麺線とした。この麺線を直径6cm、高さ10cmの円筒形の網篭に85g を入れ、蒸し器で10分間蒸した後、80℃の熱風で1〜2時間の乾燥を行い、63g ±1gのノンフライ即席中華麺を得た。また、標準品として小麦粉のみで同様に作りノンフライ即席中華麺を得た。
【0035】
これらのノンフライ即席中華麺を即席麺用発泡容器の中に入れ、熱水を麺がかぶるまで注ぎ、蓋をして4分間放置した後、試食評価を行った。また、製麺性についても評価を行った。
【0036】
その結果を表2に示す。結果からわかるようにRSを同様に添加しても、本発明品のレジスタントスターチ含有量の多いものは標準品と同様又はそれ以上に食感のよいものであった。
【0037】
【表2】
【0038】
また、これらの即席麺のカロリーとプロスキー法による難消化性澱粉の測定値を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
実施例3及び比較例3(低カロリーノンフライ即席日本蕎麦の製造)
強力小麦粉5.5kg と、蕎麦粉 3kgと、実施例1で使用した RS70 を 1.5kgとを混合した中に、水 3.3kgを加えて15分間の混捏を行った後、実施例1と同様にして、麺帯の形成、麺帯熟成、麺線の切り出し、蒸し及び乾燥を行って、ノンフライ即席日本蕎麦を得た(実施例3)。また、RS70の代わりに RS20 を使用し、同様にノンフライ即席日本蕎麦を得た(比較例3)。
【0041】
これらのノンフライ即席日本蕎麦を実施例1で使用したものと同じ発泡容器の中に入れ、熱水を面がかぶるまで注ぎ、蓋をして4分間放置した後、試食評価を行った。
その結果を表4に示す。表4の結果からわかるように、本発明品は製麺性、食感とも優れたものであった。
【0042】
【表4】
【0043】
実施例4及び比較例4(低カロリーノンフライ即席中華麺の製造)
準強力小麦粉7kgと、タピオカ澱粉の酢酸エステル化澱粉1kgと、RS70を2kg とを混合したものに、食塩100g、かん粉400gを 3.8kgの水に溶解した水溶液を加え、15分間の混捏を行った後、製麺機で厚さ6 〜7mm の麺帯とした後、麺帯が乾燥しないようにビニール袋に包み、室温で約1時間の麺帯熟成を行った。
【0044】
その後、圧延ロールの間隙を狭くしながら厚さ1.2mm になるまで麺帯を圧延した後、切り歯24番(幅30/24mm )で切断し麺線を得た。この麺線を直径6cm、高さ10cmの円筒形の網篭に85g 入れ、蒸し器で10分間蒸した後、80℃の熱風で1〜2時間乾燥を行い、63g ± 1g のノンフライ即席中華麺を得た(実施例4)。
【0045】
また、RS70の代わりにRS20を用いた他は、上記と同様にしてノンフライ即席中華麺を得た(比較例4)。
【0046】
これらのノンフライ即席中華麺を発泡容器の中に入れ、沸騰したお湯を麺がかぶる程度まで入れ、4分間置いた後、試食評価を行った。
その結果を表5に示す。表5の結果からわかるように、本発明品は食感の優れたものであった。
【0047】
【表5】
【0048】
実施例5及び比較例5(低カロリーノンフライ即席中華麺の製造)
準強力小麦粉5.1 kgと、タピオカ澱粉の酢酸エステル化澱粉1kgと、RS70を3kg と、卵白粉300gと、グルテン600gとを混合したものに、食塩100g、かん粉400g及びグアガム50g を3.8 kgの水に溶解した水溶液を加え、15分間の混捏を行った後、製麺機で厚さ6 〜7mm の麺帯とした後、麺帯が乾燥しないようにビニール袋に包み室温で約1時間の麺帯熟成を行った。
【0049】
その後、圧延ロールの間隙を狭くしながら厚さ1.2mm になるまで麺帯を圧延した後、切り歯24番(幅30/24mm )で切断し麺線を得た。この麺線を直径6cm、高さ10cmの円筒形の網篭に85g 入れ、蒸し器で10分間蒸した後、80℃の熱風で1〜2時間乾燥を行い、62g ± 1g のノンフライ即席中華麺を得た(実施例5)。
【0050】
また、RS70の代わりにRS20を用いた他は、上記と同様にしてノンフライ即席中華麺を得た(比較例5)。
【0051】
これらノンフライ即席中華麺を発泡容器の中に入れ、沸騰したお湯を麺がかぶる程度まで入れ、4分間置いた後、試食評価を行った。
その結果を表6に示す。表6の結果からわかるように、本発明品は食感の優れたものであった。
【0052】
【表6】
【0053】
実施例6、比較例6及び7(低カロリー乾燥スパゲッティの製造)
強力小麦粉6kg と、小麦澱粉のヒドロキシプロピル化澱粉1kgと、RS70を3kg とを予め混合し、水3.5kg を加え、スパゲッティマシンを使用して直径2mm の乾燥スパゲッティを得た(実施例6)。
【0054】
また、RS70の代わりにRS20を使用した他は、上記と同様にして乾燥スパゲッティを得た(比較例6)。更に、強力小麦粉だけを使用した他は、上記と同様にして乾燥スパゲッティを得た(比較例7)。
【0055】
これらの乾燥スパゲッティをお湯で8分間茹でその食感を評価した。その結果を表7に示す。
【0056】
【表7】
【0057】
また、実施例6と比較例7について、カロリーを計算した結果と、プロスキー法により難消化性澱粉を測定した結果を表8に示す。
表8の結果から、本発明品は食感に優れているだけではなく、カロリーも低下させることができることがわかる。
【0058】
【表8】
【0059】
実施例7及び比較例8(低カロリーLLうどんの製造)
準強力小麦粉5 kgと、馬鈴薯澱粉1kgと、タピオカ澱粉の酢酸エステル化澱粉2 kgと、RS90を2kg とを予め混合したものに、食塩300gを4kg の水に溶解した水溶液を加え、15分間混捏を行った後、製麺機で厚さ8 〜10mmの麺帯とした後、麺帯が乾燥しないようにビニール袋に包み、室温で約1時間麺帯熟成を行った。
【0060】
その後、圧延ロールの間隙を狭くしながら厚さ3mm になるまで麺帯を圧延した後、切り歯10番(幅30/10mm )で切断しうどんを得た。このうどんをお湯で12分間茹でた後、0.6 %乳酸水溶液の中に1分間浸漬したものを耐熱性のビニール袋に200g詰め、中心温度が85℃になってから30分間その温度を保つような条件で殺菌し、長期保存の可能なLLうどんを得た(実施例7)。
【0061】
また、RS90を馬鈴薯澱粉に置き換えた他は、上記と同様にしてLLうどんを得た(比較例8)。
【0062】
これらのLLうどんを発泡スチロール容器に入れ、熱水を麺がかぶる程度まで入れ、蓋をして1分間置いた後、お湯を切り、再びお湯と麺つゆを入れ試食評価を行った。
その結果を表9に示す。表9の結果からわかるように、本発明品は食感、製麺性に優れたものであった。
【0063】
【表9】
【0064】
また、これらLLうどんについて、カロリーを計算した結果と、プロスキー法により難消化性澱粉含量を測定した結果を表10に示す。
【0065】
【表10】
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レジスタントスターチを60重量%以上含む澱粉を含有するので、製麺性の悪化、食感の低下を起こさずに、食物繊維に富んだ低カロリーの麺類を提供することができる。
Claims (6)
- 穀粉と、60重量%以上のレジスタントスターチを含むレジスタントスターチ含有澱粉とを含有することを特徴とする麺類。
- 前記穀粉100 重量部に対して、前記レジスタントスターチ含有澱粉を10〜80重量部含有する請求項1記載の麺類。
- 穀粉と、60重量%以上のレジスタントスターチを含むレジスタントスターチ含有澱粉と、糊化開始温度を低下させる化工を施した化工澱粉とを含有することを特徴とする麺類。
- 前記穀粉100 重量部に対して、前記レジスタントスターチ含有澱粉を10〜80重量部、前記化工澱粉を5〜80重量部含有する請求項3記載の麺類。
- 前記化工澱粉が、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉から選ばれた少なくとも一種を原料とするエステル化澱粉、エーテル化澱粉又はリン酸架橋澱粉である請求項3又は4記載の麺類。
- 前記レジスタントスターチ含有澱粉が、高アミロースコーンスターチ及び/又はその誘導体の湿熱処理澱粉である請求項1〜5のいずれか1つに記載の麺類。
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