JP3109893B2 - ノンフライ即席麺の製造方法 - Google Patents

ノンフライ即席麺の製造方法

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JP3109893B2
JP3109893B2 JP04048040A JP4804092A JP3109893B2 JP 3109893 B2 JP3109893 B2 JP 3109893B2 JP 04048040 A JP04048040 A JP 04048040A JP 4804092 A JP4804092 A JP 4804092A JP 3109893 B2 JP3109893 B2 JP 3109893B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はノンフライ即席麺の製造
方法に関し、更に詳しくは、湯戻りが速く、且つ、可食
時間が長く、しかも優れた食感を有するノンフライ即席
麺の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】即席麺は小麦粉又はそば粉を主原料と
し、これに水、食塩又は麺質改良剤を加えて製麺し、油
処理その他の方法により乾燥したもののうち、調味料を
添付したもの又は調味料で味付けしたものであって、簡
便な調理操作により食用に供されるものとされている。
【0003】これらの即席麺はその乾燥方法によって、
フライ麺とノンフライ麺に大別される。更に、袋詰品と
容器詰にしたスナック麺に分けられる。スナック麺は熱
湯を注ぐだけで可食状態になることが必要で、しかも一
般には熱湯を注いで、概ね3分以内に可食状態になるも
のと受けとめられている。
【0004】尚、本発明ではこの熱湯を注いで可食状態
になることを「湯戻り」と表現する。また、可食状態に
戻った後、経時的に、所謂麺が伸びて食感がまずくなる
ことを「湯伸び」と称する。
【0005】フライ麺は油揚げして乾燥する際に、麺線
は膨化してポーラスとなり、湯戻りは速く、熱湯を注ぐ
だけで可食状態に戻るので、カップ麺に用いられてい
る。しかし、油揚げの際に吸油し、この油の酸化による
劣化が問題である他に、最近のカロリー過多の観点から
油が敬遠されている。
【0006】ノンフライ麺は熱風乾燥によって製造さ
れ、油分が少なくて製品の変敗の心配も少なく、また、
麺本来の食味を具現化する可能性を有し、好ましい製法
であるが、湯戻りが遅く、熱湯を注ぐだけで簡単に可食
状態に戻すことが困難であった。この湯戻りは麺線を細
くし、且つ、減圧下で乾燥して膨化させた麺線にするこ
とによって、改善されることが知られているが、この場
合、湯伸びが早く、好ましい可食状態が極く短時間しか
ない問題があった。
【0007】即席麺には一般に馬鈴薯澱粉、ワキシーコ
ーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉が食感改良、湯戻
りを速くする等の目的で使用されているが、ノンフライ
麺については上述の難点は未解決の状態にあった。ま
た、麺類全般の湯戻りを改良する目的で、種々の変性澱
粉を添加する方法が提案されている。
【0008】アルファー化澱粉を1〜30%添加する方
法(特開昭59−74961号)、エーテル化澱粉、エ
ステル化澱粉を添加する方法(特開昭59−71657
号)、架橋エーテル化澱粉、架橋エステル化澱粉を添加
する方法(特開昭59−71658号)等で、これらに
はノンフライ麺の湯戻りも改善されることを示唆してい
るが、これらの方法では、特に、うどんタイプのように
麺線を太くした場合、まだ、満足し得る湯戻りは得られ
ず、その他アルファー化澱粉を添加する方法では、効果
が見られる程度の添加量にすると、製麺時粘着性を生じ
る作業上の問題もあった。
【0009】一方、ノンフライ麺の湯戻りの改善を意図
した方法も開示されている。特開昭53−145939
号には、根茎澱粉の加水分解物を1〜10%添加し、麺
厚を1.5mm以下とする方法が提案されている。しかし
この場合、麺線は細いものに限られ、麺線を細くして湯
戻りを速くすると、湯伸びも速くなることは避けられな
い難点である。
【0010】また、特公昭62−40980号では、エ
ーテル化澱粉、エステル化澱粉を主原料とし、活性グル
テンを添加する方法が提案されている。この方法によれ
ば湯戻りは良好であるが、澱粉を主原料とするため小麦
粉の風味を有さず、従来の麺とは異質のものとなる欠点
を有している。
【0011】この様に、ノンフライ即席麺に於いて、熱
湯を注ぐだけで、簡便に可食状態に戻す湯戻りの改善を
意図した種々の方法が試みられているが、完全に満足の
いくものはこれまで得られていなかった。即ち、湯戻り
が改善されると、食感、湯伸び、作業性などに問題を生
じ、これらの問題を解消しようとすると、湯戻りが不充
分となる。特に、太い麺線の場合、この傾向が顕著で、
熱湯を注ぐだけで喫食できる麺、即ち、スナック麺であ
って、しかも生麺に近い食感、風味を有し、且つ、湯伸
びしにくいノンフライ即席麺は、喫食時の簡便性、食
味、製品の変敗などの点から渇望されていながら、充分
に満足されるものは得られていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、スナック麺として用いられ得るノンフライ
即席麺、即ち、熱湯を注ぐだけで容易に可食状態に戻し
得て、しかも生麺に近い食感を有し、湯伸びしにくいノ
ンフライ即席麺の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】ノンフライ即席麺の製造
に際し、加熱溶解度が8重量%以下であって、60メッ
シュの篩を通過しない区分が5重量%以下の粒子状を有
し、冷水膨潤度(Sc)と加熱膨潤度(Sh)の比が
1.2≧Sc/Sh≧0.8の関係にあり、且つ、冷水膨
潤度が4〜15である加工澱粉(以下本発明加工澱粉と
いうことがある)を原料穀粉と澱粉類の合計量に対し2
〜10重量%及びβ澱粉を5〜30重量%添加すること
によって解決される。
【0014】
【発明の作用並びに構成】本発明に於いて、ノンフライ
即席麺とは、α化即席麺のなかにあって、蒸煮してα化
したのちの乾燥工程が、ノンフライ、即ち、油揚げ以外
の方法、例えば、熱風乾燥、高温気流乾燥、凍結乾燥、
減圧乾燥、マイクロ波乾燥などの乾燥手段によって行わ
れた即席麺を言う。
【0015】本発明で用いられる本発明加工澱粉は、加
熱溶解度が8重量%以下、好ましくは6重量%以下であ
って、60メッシュの篩を通過しない区分が5重量%以
下の粒子状を有し、冷水膨潤度(Sc)と加熱膨潤度
(Sh)の比が1.2≧Sc/Sh≧0.8の関係にあ
り、且つ、冷水膨潤度が4〜15、好ましくは6〜12
の加工澱粉である。
【0016】加熱溶解度が8重量%を越えると製麺時、
粘着性を生じ、作業性や食感にも問題がある。60メッ
シュの篩を通過しない区分が5重量%を越えると、食感
的に滑らかさに欠ける面が観られる。また、冷水膨潤度
と加熱膨潤度の比が上記の範囲をはずれると、弾力性、
滑らかさに欠け、ぼそつく、歯切れが悪いなどの食感と
なり、湯戻し、湯伸びでも劣り、好ましくない。また冷
水膨潤度が4より小さい場合も、食感的に或いは湯戻し
の点で好ましくない。冷水膨潤度が15より大なる場合
には、製麺時粘着性を生じて作業性に劣る。更に食感も
悪くなるばかりでなく、湯戻りが遅くなり、可食時間も
短くなる。但し、本発明に於いて粒子状とは、試料を約
1%程度の濃度に水に分散させ、ヨード溶液を加えて光
学顕微鏡で観察するとき、試料の原形の存在が確認でき
るものを言う。
【0017】斯かる本発明加工澱粉は、例えば、特願平
3−190656号に従って製造することができる。具
体的には先ず、澱粉を架橋澱粉とする。澱粉は市販品、
例えば馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱
粉、コーンスターチ、ワキシーコースターチ、小麦澱
粉、米澱粉などを用いることができる。
【0018】架橋澱粉は常法にしたがって架橋剤のみを
作用させたものでもよいが、好ましくはエステル化又は
エーテル化と架橋反応を行った架橋エステル澱粉又は架
橋エーテル澱粉である。その架橋の程度は90℃まで加
熱し、50℃に冷却してB型粘度計で測定したとき、約
500cpsの粘度を示す濃度が、約10−17重量%
になるような程度である。また、エステル化及びエーテ
ル化はその置換度(DS)が0.01−0.25になるよ
うに行う。架橋反応、エステル化及びエーテル化自体は
従来方法に従えばよく、この際使用される架橋剤、エス
テル化剤及びエーテル化剤も従来から使用されて来たも
のが広い範囲で使用される。また、架橋澱粉を架橋エス
テル化澱粉又は架橋エーテル化澱粉にすることにより、
限定された特性を有する該加工澱粉を得る条件を広くす
ることができる。
【0019】かくして得た架橋澱粉を、約10〜40重
量%の水性スラリーとし、好ましくは約130℃以下の
温度で、且つ、その20重量%の濃度で、ブラベンダー
アミログラフで測定した膨潤開始温度より約27℃以上
高い温度に加熱することにより、本発明に用いられる加
工澱粉が得られる。更に、これを噴霧乾燥、ドラム乾燥
など適宜な手段によって乾燥し、粉末状とすることもで
きる。
【0020】尚、加工澱粉に関して述べる粒度、冷水膨
潤度、加熱膨潤度及び加熱溶解度は次の方法に従って測
定される。
【0021】<粒度>試料を5%濃度の水分散液とし、
これを25℃に30分間放置した後、JIS60メッシ
ュ試験篩で篩別し、その残分の乾燥重量を、試料の絶乾
物重量に対する%で表す。
【0022】<冷水膨潤度> 乾燥物換算で試料約1gを、25℃の水100mlに分散
した状態にし、30分間25℃の恒温槽の中でゆるやか
に撹拌した後、遠心分離(3000rpm、10分)
し、ゲル層と上澄層に分ける。次いでゲル層の重量を測
定し、これをAとする。次に重量測定したゲル層を乾固
(105℃、恒量)して重量を測定し、これをBとし、
A/Bで冷水膨潤度を表す。
【0023】<加熱膨潤度、加熱溶解度> 乾燥物換算で試料1.0gを、水100mlに分散した状態
にし、90℃で30分間加熱後、直ちに遠心分離(30
00rpm、10分間)して、ゲル層と上澄層に分け
る。次いでゲル層の重量を測定し、これをCとする。次
に重量測定したゲル層を乾固(105℃、恒量)して重
量を測定し、これをDとし、C/Dで加熱膨潤度を表
す。一方、この時の上澄層の容量及び上澄層に含まれる
全糖量をフェノール硫酸法で測定し、加熱溶解度を算出
する。
【0024】本発明に於いては上述の本発明加工澱粉と
共にβ澱粉が使用される。このβ澱粉は冷水では殆ど変
化せず、加熱によって膨潤又は糊化する澱粉を意味し、
これらの澱粉としては、未処理澱粉の他、漂白した澱
粉、酸処理澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル
化澱粉、架橋澱粉、架橋エステル化澱粉、架橋エーテル
化澱粉などの変性澱粉が挙げられる。
【0025】これらβ澱粉の中でも、好ましくは糊化温
度の低い澱粉であり、未処理澱粉、漂白澱粉、架橋澱粉
などでは、元来糊化温度の低い馬鈴薯澱粉、タピオカ澱
粉、ワキシーコーンスターチなどが好ましい澱粉として
挙げられる。
【0026】一方、エステル化澱粉又はエーテル化澱粉
とすることにより、糊化温度は低下し、この場合にはい
ずれの種類の澱粉も好適に使用し得るが、上述の種類の
澱粉ではより糊化温度が低下して特に好ましい。又、架
橋エステル化澱粉、架橋エーテル化澱粉も同様に糊化温
度が低くなり、エステル化澱粉、エーテル化澱粉とは架
橋がプラスされることによって、得られた麺の食感が異
なるのみで、本発明の効果は同様に発揮され、食感の好
みによって選択されるので、本発明では同じ範疇の変性
澱粉として扱う。尚、エステル化及びエーテル化の程度
はその置換度(DS)を約0.2以下にする。DSが0.
2を越えると、湯伸びが速くなる傾向が見られて好まし
くない。
【0027】これら好ましいβ澱粉の中でも、澱粉の種
類、変性方法などによって、得られた麺の食感が異な
り、好みに応じて選択して一種又は二種以上を組み合わ
せて使用する。食感的には例えば、馬鈴薯澱粉では硬め
で、歯応のある食感となり、タピオカ澱粉では弾力性が
あって、つるつるした食感になり、架橋したものはその
程度により硬くなる。又、エステル化及びエーテル化す
るとその置換度(DS)に比例して弾力性が大きくな
り、ソフトになる。
【0028】ノンフライ即席麺は一般に以下の工程に従
って製造されている。即ち、小麦粉、ソバ粉を主原料と
し、これに食塩、澱粉、かん水等の副材料及び水を加え
て混捏し、これを圧延して麺帯としたものを、切断して
麺線とする。この麺線を蒸煮してα化し、必要に応じて
味付けした後、乾燥する。乾燥は熱風乾燥、高温気流乾
燥、減圧乾燥、凍結乾燥、マイクロ波乾燥等による。
【0029】本発明は副材料として前述の本発明加工澱
粉とβ澱粉を添加することを特徴とするが、その製造工
程は従来法に従って行うことができ、それらの工程中の
混捏時に添加される。その際、小麦粉、ソバ粉等と一緒
にプレミックスとしておくこともできるし、其々を別々
に添加してもよい。
【0030】混捏時、通常、対粉あたり、32〜38重
量%程度の水を加えて混捏して、ドウを形成するが、本
発明ではこの加水量を好ましくは原料穀粉と澱粉類の合
計量に対して40〜55重量%とする。一般に、加水量
を多くすると、ドウが柔らかくなったり、粘着性を生じ
たりして、製麺性が問題となるが、本発明では斯かる問
題も何ら生じない。
【0031】本発明に於いては、β澱粉と共に前述の本
発明加工澱粉を、原料穀粉と澱粉類の合計量に対して2
〜10重量%添加する。添加量が2%未満では、本発明
の効果に乏しく、10%を越えると、麺にはだ荒れが観
られ、滑らかさに欠けてくる。
【0032】β澱粉は原料穀粉と澱粉類の合計量に対し
て5〜30重量%添加する。添加量が5%未満では湯戻
りが遅く、30%を越えると湯伸びが早くなって、好ま
しい食感を有する喫食時間が短くなる。
【0033】また、加工澱粉とβ澱粉の添加量の合計量
が原料穀粉と澱粉類の合計量に対し7〜45重量%、好
ましくは15〜35重量%になるように添加する。15
%未満では本発明の効果に乏しくなる場合があり、また
35%を越えると麺本来の食味から離れる傾向がある。
尚、ここで澱粉類とは加工澱粉とβ澱粉を併せたものを
指す。
【0034】本発明に於いては、本発明加工澱粉とβ澱
粉の添加を必須とするが、その他の副材料は一般に麺類
の副材料として知られているもの、例えば食塩、かん水
の外、グルテン、有機酸、天然ガム、乳化剤、油脂、色
素、卵粉、カゼイン、ソルビトールなどで、これらを必
要に応じて適宜添加することができる。中でもグルテン
は澱粉類の添加量が多くなると必然的にグルテン含量が
低下するので、使用する小麦粉のグルテン含量にもよる
が、製麺性から添加するのが好ましい場合が多い。
【0035】
【実施例】以下に参考例、実施例を示し、本発明を更に
詳しく説明する。但し、部とあるは重量部を示す。
【0036】
【参考例1】(加工澱粉の製造例) 水120部に、硫酸ナトリウム20部を溶解し、市販の
馬鈴薯澱粉100部を加えてスラリーとし、撹拌下4%
の苛性ソーダ水溶液30部、プロピレンオキサイド4部
に、エピクロルヒドリン0.1部(試料No.1)、0.1
4部(試料No.2)、0.2部(試料No.3)、0.4部
(試料No.4)、0.8部(試料No.5)を其々加え、4
1℃で21時間反応せしめた後、硫酸で中和し、水洗い
した。これらの約500cpsを示す濃度は其々約8.
5%、10%、12%、15%、16.5%であり、膨
潤開始温度は約53℃であった。次いで其々約25%の
水性スラリーとし、表面温度約150℃のダブルドラム
ドライヤーで加熱処理し、乾燥した。この時の加熱処理
温度は102℃であった。次いでこの乾燥物を粉砕して
試料No.1−5の加工澱粉を得た。その物性を表1に示
す。尚、これらのエーテル化度(DS)は0.08−0.
085の範囲にあった。また表1の膨潤度比は冷水膨潤
度/加熱膨潤度である。
【0037】
【表1】
【0038】
【参考例2】(β澱粉としてのエステル化澱粉の製造
例) 水120部に馬鈴薯澱粉100部を加えてスラリーと
し、撹拌下3%の苛性ソーダ水溶液を添加して、pH8.
5〜9.5に維持しながら、無水酢酸6部を加えてアセ
チル化した後、硫酸で中和し、水洗、乾燥して、置換度
(DS)0.067のエステル化(アセチル化)澱粉
(試料No.6)を得た。
【0039】
【参考例3】(β澱粉としてのエーテル化澱粉の製造
例) 水120部に硫酸ナトリウム20部を溶解し、タピオカ
澱粉100部を加えてスラリーとし、撹拌下4%の苛性
ソーダ水溶液25部、プロピレンオキサイド5部を添加
して、40℃で20時間反応した後、硫酸で中和し、水
洗、乾燥してエーテル化(ヒドロキシプロピル化)澱粉
(試料No.7)を得た。この試料の置換度(DS)は0.
092であった。
【0040】
【参考例4】(β澱粉としての架橋エステル化澱粉の製
造例) 水120部に小麦澱粉100部を加えてスラリーとし、
撹拌下3%の苛性ソーダ水溶液を加えて、pH11.3〜
11.5に維持しながら、トリメタリン酸ソーダ0.00
5部を加え、39℃で5時間反応した後、硫酸でpH9.
5とし、25℃に冷却する。次いで、3%苛性ソーダ水
溶液でpH8.5〜9.5に維持しながら無水酢酸6部を加
えてアセチル化した後、硫酸で中和し、水洗、乾燥し
て、架橋エステル化(アセチル化)澱粉(試料No.8)
を得た。この試料のアセチル化度は(DS)0.064
であった、
【0041】
【参考例5】(β澱粉としての架橋エーテル化澱粉の製
造例) 参考例3に於いて、プロピレンオキサイドを加えて20
時間反応後、更にトリメタリン酸ソーダ0.02部を加
えて5時間反応し、硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥し
て架橋ヒドロキシプロピル澱粉(試料No.9)を得た。
この試料のヒドロキシプロピル化度(DS)は0.09
3であった。
【0042】
【実験例1】グルテン含量11.5%の準強力小麦粉7
5部に、参考例1で得た表1に示す試料No.1〜5の加
工澱粉各5部と試料No.9の架橋エーテル化澱粉20
部、及び活性グルテン3部を混合し、これに粉末かんす
い0.5部、食塩2部を水43部に溶解した液を添加、
混練し、常法に従って製麺ロール(最終麺厚1.0mm)
及び回転切刃(No.18)を用いて、生中華麺を得た。
これを飽和水蒸気で2分間蒸煮した後、約90℃の空気
浴中で水分10%程度に熱風乾燥して、ノンフライ麺を
得た。得られたノンフライ麺を以下に従って評価し、そ
の結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】ノンフライ即席麺として用いる麺が実験N
o.2〜5で得られ、中でも実験No.3、4で得られた麺
はより好ましいものであった。
【0045】<作業性> ◎………ミキシング時、製麺時ローラーへのひっつき、
だれ、蒸熱処理後のほぐれ状態とも極めて良好 ○………ミキシング時、製麺時ローラーへのひっつき、
だれ、蒸熱処理後のほぐれ状態とも良好 △………ミキシング時、製麺時ローラーへのひっつき、
だれ、蒸熱処理後のほぐれ状態とも普通 ×………ミキシング時、製麺時ローラーへのひっつき、
だれ、蒸熱処理後のほぐれ状態とも不良 ××……ミキシング時、製麺時ローラーへのひっつき、
だれ、蒸熱処理後のほぐれ状態とも極めて不良
【0046】<湯戻し>熱湯を注ぎ可食状態に戻るまで
の時間(分)で表す。
【0047】<湯のび>可食状態に戻ってから7分後の
食感 ◎………可食状態に戻った時点の食感を持続している。 ○………可食状態に戻った時点の食感とほぼ同じ食感を
持続している。 △………可食状態に戻った時点の食感に較べ少し劣化し
ている。 ×………可食状態に戻った時点の食感に較べ劣化してい
る。 ××……可食状態に戻った時点の食感に較べ大きく劣化
している。
【0048】
【実験例2】グルテン含量11.2%の準強力小麦粉7
5部に、参考例1で得た試料No.3の加工澱粉5部と、
β澱粉として参考例2〜5で得た試料No.6〜9を含む
表3に示すβ澱粉を夫々20部混合し、次いで、食塩3
部を水50部に溶解した食塩水を混合、混練し、常法に
従って製麺ロール(最終麺厚1.5mm)及び回転切刃(N
o.10)を用いて生うどんを得た。
【0049】これを飽和水蒸気で2分間蒸煮した後、常
温水に浸漬し、再び2分間蒸煮し、約90℃の空気浴中
で水分10%程度に熱風乾燥し、ノンフライ麺を得た。
得られたノンフライ麺を実験例1と同様に評価し、その
結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】いずれもノンフライ麺として用い得るが、
エステル化澱粉、エーテル化澱粉を用いた実験No.7〜
10でより好ましい結果を得た。
【0052】
【実験例3】グルテン含量11.8%の準強力小麦粉
に、試料No.7のエーテル化澱粉25部と参考例1で得
た試料No.4を、表4に示す割合で全体が100部にな
るように混合して用いた他は、実験例2と同様にノンフ
ライ麺を製造し、評価した。その結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】加工澱粉の添加量が1%以下では、作業性
が悪い上、得られたノンフライ麺も品質的に劣り、又添
加量が13%では特に食味の点で劣る。
【0055】
【実験例4】グルテン含量11.0%の準強力小麦粉
に、試料No.8の架橋エステル化澱粉と参考例1で得た
試料No.3を、表5に示す割合で全体が100部になる
ように混合して用いた他は、実験例2と同様にノンフラ
イ麺を製造し評価した。その結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】β澱粉の添加量が5%未満では湯戻り時間
が遅く又添加量が30%を越えると湯伸びが早くなり、
食味の点でも劣る。
【0058】
【実験例5】グルテン含量11.4%の準強力小麦粉7
5部に、参考例1で得た試料No.4の加工澱粉5部と、
試料No.6のエステル化澱粉を20部加えて混合し、食
塩3部を表6に示す加水量で、実験例2と同様にノンフ
ライ麺を製造し評価した。その結果を表6に示す。
【0059】
【表6】
【0060】加水量35部では、戻り遅く食味の点で劣
り、又加水量が60部では作業性が悪く、得られたノン
フライ麺も品質的に劣る。
【0061】
【実施例1】グルテン含量11.8%の準強力小麦粉7
3部に、参考例1で得た試料No.4の加工澱粉3部、試
料No.7のエーテル化澱粉16部と試料No.9の架橋エー
テル化澱粉8部、活性グルテン2.5部を加えて混合
し、これに食塩1.5部、粉末かんすい0.5部を水45
部に溶解した溶液を、添加、混練し、常法に従って製麺
ロール(最終麺厚1.0mm)及び回転切刃(No.18)を
用いて生中華麺を得た。これを、飽和水蒸気で2分間蒸
煮した後、約90℃の空気浴中で水分10%程度に熱風
乾燥してノンフライ麺を得た。
【0062】このノンフライ麺60gを容器に入れ、約
100℃の熱湯550mlを注入し、蓋をして約3分間放
置した。その後蓋を取り除き、よくかき混ぜた後試食し
た。
【0063】得られたノンフライ麺は、麺表面のざらつ
きがなく、艶があり、熱湯注加3分後で充分に復元し、
粉っぽさが除去され、滑らかで、腰のある食感が得ら
れ、食感の持続がある即席中華麺として優れたものであ
った。
【0064】
【実施例2】グルテン含量11.4%の準強力小麦粉6
8部に、参考例1で得た試料No.3の加工澱粉6部、試
料No.6のエーテル化澱粉20部とワキシコーンスター
チ澱粉6部を加えて混合し、これに食塩1.5部を水4
5部に溶解した溶液を、添加、混練し、常法に従って製
麺ロール(最終麺厚1.5mm)及び回転切刃(No.10)
を用いて生うどんを得た。これを、飽和水蒸気で2分間
蒸煮した後、少量の乳化油脂を添加した水溶液に浸漬
し、再び2分間蒸煮し、実施例1と同様に製造し、評価
した。
【0065】得られたノンフライ麺は、作業性(蒸煮後
のほぐれ)もよく、麺表面は滑らかで、熱湯注加3分後
で充分に復元し、粉っぽさが除去され、ソフトな弾力感
を有し、食感の持続があるうどんタイプの即席麺として
優れたものであった。
【0066】
【実施例3】そば粉30部に、グルテン含量12.8%
の強力小麦粉40部と参考例1で得た試料No.4の加工
澱粉4部、試料No.8の架橋エステル化澱粉26部と活
性グルテン3.5部を加えて混合し、これに食塩2部を
水47部に溶解した溶液を、添加、混練し、常法に従っ
て製麺ロール(最終麺厚1.0mm)及び回転切刃(No.2
0)を用いて生日本そばを得た。
【0067】これを、飽和水蒸気で2分間蒸煮した後、
常温水に浸漬し、再び2分間蒸煮し、実施例1と同様に
製造し、評価した。
【0068】得られたノンフライ麺は、麺表面のざらつ
きがなく、熱湯注加3分後で充分に復元し、粉っぽさが
除去され、歯切れも良く、腰のある生麺に近いズッシリ
感と、食感の持続がある日本そばタイプの即席麺として
優れたものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16 - 1/162

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノンフライ即席麺の製造に際し、加熱溶解
    度が8重量%以下であって、60メッシュの篩を通過し
    ない区分が5重量%以下の粒子状を有し、冷水膨潤度
    (Sc)と加熱膨潤度(Sh)の比が1.2≧Sc/S
    h≧0.8の関係にあり、且つ、冷水膨潤度が4〜15
    である加工澱粉を、原料穀粉と澱粉類の合計量に対して
    2〜10重量%、及びその他の澱粉たるβ澱粉を5〜3
    0重量%添加することを特徴とするノンフライ即席麺の
    製造方法。
  2. 【請求項2】加工澱粉とβ澱粉の添加量の合計量が、原
    料穀粉と澱粉類の合計量に対して15〜35重量%であ
    る請求項1に記載のノンフライ即席麺の製造方法。
  3. 【請求項3】加工澱粉の加熱溶解度が6%以下で、冷水
    膨潤度が6〜12である請求項1に記載のノンフライ即
    席麺の製造方法。
  4. 【請求項4】ノンフライ即席麺の製造に際し、混捏時の
    加水量を原料穀粉と澱粉類の合計量に対し、40〜55
    重量%とする請求項1に記載のノンフライ即席麺の製造
    方法。
  5. 【請求項5】β澱粉がエステル化澱粉及びエーテル化澱
    粉である請求項2に記載のノンフライ即席麺の製造方
    法。
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