JP3794131B2 - ウインドレギュレータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両ドアに形成された窓部を開閉するウインドガラスをドア上下方向に昇降させるウインドレギュレータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のウインドレギュレータ装置としては、特開平9−119260号公報に示されるものが知られている。これは、一端がウインドガラスに連係されドアパネルにベースプレートを介して回動自在に支持されたリフトアームと、リフトアームの他端に固着されたセクタギヤと、ベースプレートに支持されセクタギヤと噛合するピニオンギヤを備えた駆動機構とを有するものである。
【0003】
この従来装置では、駆動機構の作動によるピニオンギヤの回転でピニオンギヤと噛合するセクタギヤを介してリフトアームを回動させ、これにより、ウインドガラスを車両ドアの上下方向に昇降させ、車両ドアの窓部を開閉している。
【0004】
又、この従来装置におけるセクタギヤとリフトアームとの固着は、セクタギヤに半抜き形成された突部をリフトアームに形成された貫通孔に挿通し、その先端をかしめる(貫通孔の径よりも大きくなるように塑性変形させる)ことで成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来装置では、セクタギヤとリフトアームとをかしめにより固着しているが、その強度は十分でなく、特に、リフトアームが薄型化されるとその強度は一段と低下する恐れがある。よって、リフトアームの薄型化には限度があり、よりリフトアームの薄型化を図るためには、固着部位の強度を向上させる必要があった。
【0006】
故に、本発明は、リフトアームとセクタギヤとの固着部位の強度を向上させることを、その技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、リフトアームの一端に形成された貫通孔と、セクタギヤに半抜き形成され前記貫通孔に挿通されて先端が前記貫通孔に対してかしめられる突部と、前記駆動機構及び前記リフトアームをドアパネルに支持する共に前記リフトアームを前記セクタギヤと協働して前記突部の先端側から挟持するベースプレートとを有し、前記突部及び前記貫通孔を前記リフトアームの前記ベースプレートへの支持部位中心回りに配した、ことである。
【0008】
この技術的手段によれば、リフトアームのセクタギヤとの固着部位は、セクタギヤとベースプレートとにより挟まれる。よって、リフトアームの変形を抑制し、その部位の強度を向上させ得る。
【0009】
より好ましくは、前記突部を、前記セクタギヤの歯部の円弧形状に沿って所定間隔で複数個羅列形成する、と良い。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示されるように、車両ドアのドアパネル(図示せず)に固定されるベースプレート1には、リフトアーム2がピン3によりその基端で回動自在に支持されている。このリフトアーム2の先端は、ドア上下方向(図1示上下方向)に昇降して車両ドアの窓部を開閉するウインドガラス8の下部に固定されたレール9にローラ6を介して摺動自在に支持されている。又、このリフトアーム2の長手方向の略中央には、ピン4が立設されており、このピン4に2本のイコライザアーム5、7がその一端で回動自在に支持されている。イコライザアーム5の他端は、レール9にローラ5aを介して摺動自在に支持されており、イコライザアーム7の他端は、ドアパネルに固定されたレール10にローラ7aを介して摺動自在に支持されている。レール9、10は、ドア上下方向と直交するドア前後方向(図1示左右方向)に互いに平行に延在している。
【0012】
リフトアーム2、イコライザアーム5、7は、夫々、高張力鋼材の薄板(厚さ0.8mm)よりなり、無数の凹凸が形成されていわゆる星打ちが施されて強度アップがなされている。又、錆止めとして、メッキ加工を施している。
【0013】
ベースプレート1には、駆動機構11が支持されている。この駆動機構11は、周知のモータや手動ハンドルよりなるものであって、このモータ及び手動ハンドルの作動で回転するピニオンギヤ12(図2示)を備えている。
【0014】
図2及び図4に示されるように、リフトアーム2の基端には、セクタギヤ13が後述の構造で固着されている。このセクタギヤ13は、亜鉛メッキ鋼板よりなり、その円弧歯部13aでピニオンギヤ12と噛合しており、ピニオンギヤ12の回転でリフトアーム2をピン3回りで一体に回動させる。
【0015】
図2ないし図4に示されるように、リフトアーム2の基端の軸止部21(ピン3が挿通する)には、ピン3を中心としてその周囲に等分配置された3つの貫通孔22が形成されている。セクタギヤ13には、軸止部21上に重合される腕状の取付部13bが円弧歯部13aから延在形成されている。この取付部13bは、ピン3が貫通する貫通孔14を備えており、その周囲に貫通孔22と同様に等分配置された3つの突部15が半抜き形成されている。セクタギヤ13の突部15は、リフトアーム2の貫通孔22に挿通され、その先端がかしめられる。これにより、セクタギヤ13がリフトアーム2に固着される。図4に示されるように、セクタギヤ13の取付部13bは、リフトアーム2の軸止部21に重合された状態でベースプレート1と協働してリフトアーム2を突部15のかしめ側から挟持している。これにより、リフトアーム2の軸止部21の強度アップが図られている。尚、リフトアーム2のピン3回りには、円状のビート23が形成されており、このビート23でベースプレート1と当接している。これにより、リフトアーム2の軸止部21とベースプレート1との面接触を避け、リフトアーム2の回動を容易にしている。ビート23は、ベースプレート1に形成してリフトアーム2の軸止部21と当接するものであってもよい。
【0016】
図5に示されるように、セクタギヤ13のリフトアーム2への固着は、リフトアーム2の軸止部21以外の基端としてもよい。又、セクタギヤ13の円弧歯部13aにその円弧形状に沿うように羅列して複数の突部15を形成してもよい。これにより、リフトアーム2のセクタギヤ3に対する固着位置を円弧歯部13aの円弧形状に沿って自由に設定でき、搭載される車両ドアの大きさに合わせてリフトアーム2のセクタギヤ13に対する初期角度を自由に設定できる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、セクタギヤに形成された突部をリフトアームに形成した貫通孔に挿通してその先端をかしめることによりセクタギヤをリフトアームに固着しているので、従来の溶接による固着を廃止することができる。これにより、リフトアームの薄型化が可能となり、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0018】
又、本発明によれば、リフトアームをセクタギヤとベースプレートにより挟持したので、リフトアームとセクタギヤとの固着部位の強度を向上させることができ、リフトアームをより薄型のものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウインドレギュレータ装置の正面図である。
【図2】本発明に係るウインドレギュレータ装置のリフトアームとセクタギヤの固着構造を示す正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】本発明に係るウインドレギュレータ装置のリフトアームとセクタギヤの固着構造を示す変形例である。
【符号の説明】
1 ベースプレート
2 リフトアーム
11 駆動機構
12 ピニオンギヤ
13 セクタギヤ
15 突部
22 貫通孔
13a 歯部(円弧歯部)
Claims (2)
- 一端がウインドガラスに連係された回動自在なリフトアームと、該リフトアームの他端に固着されたセクタギヤと、該セクタギヤと噛合するピニオンギヤを備えた駆動機構とを有するウインドレギュレータ装置において、前記リフトアームの他端に形成された貫通孔と、前記セクタギヤに半抜き形成され前記貫通孔に挿通されて先端が前記貫通孔に対してかしめられる突部と、前記駆動機構及び前記リフトアームをドアパネルに支持する共に前記リフトアームを前記セクタギヤと協働して前記突部の先端側から挟持するベースプレートとを有し、前記突部及び前記貫通孔を前記リフトアームの前記ベースプレートへの支持部位中心回りに配したことを特徴とするウインドレギュレータ装置。
- 前記突部は、前記セクタギヤの歯部の円弧形状に沿って所定間隔で複数個羅列形成されている、請求項1記載のウインドレギュレータ装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP28880497A JP3794131B2 (ja) | 1997-10-21 | 1997-10-21 | ウインドレギュレータ装置 |
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Family Applications (1)
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