JP4195235B2 - スライドドア用駆動装置の取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドドアのガイドレール内に配索されたケーブルを介して、スライドドアを駆動するための駆動装置をパネルの定位置に取付けるスライドドア用駆動装置の取付け構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の取付け構造としては、例えば、特開平１０−１８７０８号公報、特開平９−３１７３２４号公報、および特開平１０−３３８０３１号公報に記載のものが知られている。
【０００３】
これらの公報における取付け構造は、自動車のスライドドアを駆動するための駆動装置を車体パネルに取付けるものである。スライドドアは、車体パネルに取付けられるガイドレールによってスライド可能にガイドされ、ケーブルを介して駆動装置により駆動される。車体パネルにおける駆動装置の取付け部位は、車体パネルにおけるガイドレールの取付け部位とは異なる位置に設定されている。つまり、駆動装置とガイドレールは、車体パネルの異なる部位に離れて取付けられる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の取付け構造においては、車体パネルにおける駆動装置の取付け部位の強度を確保するために、その取付け部位に補強部材を追加したりビード等を施す必要があった。そのため、車体パネルの構造の複雑化、生産性の低下、および高価格化を招くおそれがあった。
【０００５】
本発明の目的は、構造の複雑化を伴うことなく、スライドドア用駆動装置の取付け部位の強度を向上させて、その駆動装置を堅固に取付けることができるスライドドア用駆動装置の取付け構造を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明のスライドドア用駆動装置の取付け構造は、スライドドアのガイドレール内に配索されたケーブルを介して、前記スライドドアを駆動するための駆動装置をパネルの定位置に取付けるスライドドア用駆動装置の取付け構造において、前記駆動装置が取付けられる前記パネルの部位は、前記ガイドレールが取付けられる前記パネルの部位と同じ位置とし、前記駆動装置を前記パネルに取付けるためのねじ部材と、前記ガイドレールを前記パネルに取付けるためのねじ部材と、を共用するように、前記パネルに前記ガイドレールを直接取付けるためのねじ部材を前記パネルに貫通させて、そのねじ部材により、前記パネルを挟んで前記駆動装置と前記ガイドレールとを取付け、前記パネルを貫通するねじ部材は、前記ガイドレールに植設されることを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本例は、自動車のスライドドア用駆動装置の取付け構造としての適用例である。
【０００９】
図１は、スライドドア１を備えた自動車の斜視図であり、スライドドア１は、車体２の上側位置、中間位置、下側位置のそれぞれにおいて前後方向に延在する計３つのガイドレールにスライド可能にガイドされる。スライドドア１は、それらのガイドレールに沿ってスライドされることによって、前後方向に開閉する。３は、車体２の中間位置に取付けられたガイドレールであり、その内部には第１，第２ケーブル１０，１１が配索される。車体２側に取付けられたスライドドア用の駆動装置４は、第１，第２ケーブル１０，１１を介して、スライドドア１をスライドさせる。車体２に対するガイドレール３と駆動装置４の取付け構造については後述する。
【００１０】
図２は駆動装置４の正面図、図３は駆動装置４の平面図であり、１０ａ，１１ａは、スライドドア１に連結される第１，第２ケーブル１０，１１の一端側のケーブルエンド（一端部）である。駆動装置４におけるほぼ垂直なベースプレート５には、可逆転モータ６、ギアボックス７、および軸心Ｏを中心として回転可能なドラム２０が備えられており、モータ６の駆動力により、ギアボックス７内のギア列を介してドラム２０が矢印Ａ１方向またはＡ２方向に回転される。１９はドラムケースである。第１，第２ケーブル１０，１１の中間部位は、車体２の前後の定位置に備わるケーブルガイド３０，４０のガイドプーリ３１，４１にガイドされ、それらのケーブル１０，１１の他端側は、ドラム２０の外周面に逆向きに巻き付けられる。そして、ドラム２０が矢印Ａ１方向に回転されたときに、第２ケーブル１１が巻き取られかつ第１ケーブル１０が繰り出されることにより、スライドドア１が後方に開動する。逆に、ドラム２０が矢印Ａ２方向に回転されたときに、第１ケーブル１０が巻き取られかつ第２ケーブル１１が繰り出されることにより、スライドドア１が前方に閉動する。
【００１１】
本例において、ドラム２０は、ほぼ水平の軸心Ｏを中心として回転し、また、ガイドプーリ３１，４１は、上下方向の軸心Ｏ１，Ｏ２を中心として回転する。図２においては、説明の便宜上、軸心Ｏ，Ｏ１，Ｏ２が同方向となるように、駆動装置４とケーブルガイド３０，４０を現している。
【００１２】
ベースプレート５には、ケーブル１０，１１に張力を付与するためのテンショナー１５，１６が備えられている。テンショナー１５，１６とケーブルガイド３０，４０との間におけるケーブル１０，１１の部位には、アウターチューブ１７，１８が備わっており、テンショナー１５，１６は、アウターチューブ１７，１８の端部１７ａ，１８ａをＰ０位置からＰ１位置の方向に付勢することによって、ケーブル１０，１１に張力を付与する。本例のテンショナー１５，１６は、ケーブル１０，１１に張力を付与しないように端部１７ａ，１８ａをＰ０位置にロックする機構が備えられており、そのロックを爪１５ａ，１６ａの操作によって解除することにより、不図示のスプリングが端部１７ａ，１８ａをＰ１位置の方向に付勢して、ケーブル１０，１１に張力を付与する構成となっている。
【００１３】
ベースプレート５の上部には、車体２のアウターパネル（パネル）２Ａの内側に取付けられる取付けアーム５Ａ，５Ｂが設けられている。また、ベースプレート５の側部には、アウターパネル２Ａ等の車体内部の定位置に引っ掛けられるフック部５Ｃ，５Ｄが設けられている。駆動装置４は、ベースプレート５のアーム５Ａ，５Ｂ、およびフック部５Ｃ，５Ｄによってアウターパネル２Ａの内側に取付けられ、またガイドレール３はアウターパネル２Ａの外側に取付けられる。
【００１４】
すなわち、図４のように、ガイドレール３には、アウターパネル２Ａを外側から内側に貫通する複数の雄ねじ部（ねじ部材）３Ａが植設されており、その雄ねじ部３Ａに、アウターパネル２Ａの内側から不図示のナットをねじ付けることによって、ガイドレール３がアウターパネル２Ａの外側に取付けられる。図４中右側２つの雄ねじ部３Ａは、アウターパネル２Ａを貫通し、さらに駆動装置４におけるベースプレート５の取付けアーム５Ａ，５Ｂを貫通してから、不図示のナットがねじ付けられる。したがって、図４中右側２つの雄ねじ部３Ａは、ガイドレール３および駆動装置４の取付け手段として共用されて、ガイドレール３と駆動装置４を同時に取付けることになる。そして、ガイドレール３と駆動装置４のベースプレート５は、アウターパネル２Ａを挟んで同一箇所に取付けられる。そのため、アウターパネル２Ａにおける駆動装置４の取付け部位と、そのアウターパネル２Ａにおけるガイドレール３の取付け部位と、は同じ位置となる。この結果、ガイドレール３が駆動装置４の取付け部位の補強部材として機能し、特別な補強部材を追加したりビード等を施すことなく、駆動装置４が堅固に取付けられることになる。
【００１５】
また、駆動装置４の取付けに際しては、左右のフック部５Ｃ，５Ｄを車体内部の定位置に引っ掛けて、駆動装置４全体を一旦、車体側にて支えてから、取付けアーム５Ａ，５Ｂの先端の取付け孔に図４中右側２つの雄ねじ部３Ａを通す。このように、左右のフック部５Ｃ，５Ｄを用いて、駆動装置４を一旦支えることによって、その駆動装置４の取付け作業性を向上させることができる。
【００１６】
（他の実施形態）
ガイドレール３と駆動装置４の取付け手段は、雄ねじ部３Ａとナットの組み合わせのみに特定されず任意であり、要は、それらの取付け位置が同じであればよい。
【００１７】
【発明の効果】
本発明のスライドドア用駆動装置の取付け構造は、駆動装置が取付けられるパネルの部位と、ガイドレールが取付けられるパネルの部位と、を同じ位置に設定することにより、その駆動装置の取付け部位の補強部材としてガイドレールを機能させることができる。この結果、構造の複雑化を伴うことなく、スライドドア用駆動装置の取付け部位の強度を向上させて、その駆動装置を堅固に取付けることができる。
【００１８】
本発明のスライドドア用駆動装置の取付け構造は、駆動装置とガイドレールを同じねじ部材によって取付けることにより、ガイドレールと同時に駆動装置を取付けて、それらの組付け作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の取付け構造を備えた自動車の斜視図である。
【図２】図１における駆動装置の正面図である。
【図３】図２のＩＩＩ矢視図である。
【図４】図３におけるガイドレールと駆動装置の取付け部分の一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
１ スライドドア
２ 車体
２Ａ アウターパネル（パネル）
３ ガイドレール
３Ａ 雄ねじ部（ねじ部材）
４ 駆動装置
５ ベースプレート
５Ａ，５Ｂ 取付けアーム
５Ｃ，５Ｄ フック部
１０ 第１ケーブル
１１ 第２ケーブル
２０ ドラム
３０，４０ ケーブルガイド
Claims (1)
- スライドドアのガイドレール内に配索されたケーブルを介して、前記スライドドアを駆動するための駆動装置をパネルの定位置に取付けるスライドドア用駆動装置の取付け構造において、
前記駆動装置が取付けられる前記パネルの部位は、前記ガイドレールが取付けられる前記パネルの部位と同じ位置とし、
前記駆動装置を前記パネルに取付けるためのねじ部材と、前記ガイドレールを前記パネルに取付けるためのねじ部材と、を共用するように、前記パネルに前記ガイドレールを直接取付けるためのねじ部材を前記パネルに貫通させて、そのねじ部材により、前記パネルを挟んで前記駆動装置と前記ガイドレールとを取付け、
前記パネルを貫通するねじ部材は、前記ガイドレールに植設される
ことを特徴とするスライドドア用駆動装置の取付け構造。
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|---|---|---|---|
| JP2002137769A JP4195235B2 (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | スライドドア用駆動装置の取付け構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002137769A JP4195235B2 (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | スライドドア用駆動装置の取付け構造 |
Publications (2)
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|---|---|
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ID=29699434
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
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| JP4812864B2 (ja) | 2009-09-08 | 2011-11-09 | 本田技研工業株式会社 | パワースライドドアを備えた車両の操作ケーブルの配索構造 |
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