JP2977267B2 - 自動車ドアのウインドガラス案内構造 - Google Patents

自動車ドアのウインドガラス案内構造

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JP2977267B2 JP2318832A JP31883290A JP2977267B2 JP 2977267 B2 JP2977267 B2 JP 2977267B2 JP 2318832 A JP2318832 A JP 2318832A JP 31883290 A JP31883290 A JP 31883290A JP 2977267 B2 JP2977267 B2 JP 2977267B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車ドアのウインドガラス案内構造に係
り、特に、ウインドガラス昇降時に、該ウインドガラス
の昇降姿勢を変化させるようにしたものに関する。
(従来の技術) 従来より、実開平2−111778号公報に示されるよう
に、自動車のドアにはドア本体に対して昇降自在とされ
たウインドガラスが設けられている。そして、一般に、
このウインドガラスは、その下端部に配設されたローラ
がドア本体内部で上下方向に延設されたガイドレールに
沿って案内されることによって所定の軌跡上を昇降する
ようになっている。
そして、この種のウインドガラスの1タイプとして、
車体前後方向へ揺動しながら昇降させる、つまり昇降姿
勢が変化するような構成として、ドア本体内部への収容
動作を円滑に行わせるようにしたものが考えられてい
る。このものは、例えば第6図及び第7図に示すよう
に、ウインドガラスaの上下方向の湾曲に沿って湾曲形
成された一対のガイドレールb,bが平行でなく、略ハの
字状に配設されるようになっている。このようにガイド
レールb,bを配設すると、ウインドガラスaの降下時に
は該降下に伴なってガイドレールb,b間の水平方向の間
隔が次第に大きくなるために、ウインドガラスaは、第
7図に矢印で示すように車体後方側に回転(揺動)しな
がらドア本体c内に収容されることになる。また、第6
図に示すgはウインドガラスを昇降させるための駆動モ
ータである。
(発明が解決しようとする課題) ところが、このようなウインドガラスaにあっては、
該ウインドガラスaの昇降の際に、ローラdのガイドレ
ールb内での上下移動が円滑に行われ難いものであっ
た。つまり、ウインドガラスaは、上下方向に湾曲して
おり、且つその車幅方向の位置がドア本体cのベルトラ
インeに対応した位置で規制されることになるために、
ウインドガラスaが回転すると、第8図に示すように、
ローラdの回転軸fが車体前後方向に捩れることにな
り、ローラdの端面がガイドレールbの内側壁に接触し
たり、場合によっては回転軸fがガイドレールbに干渉
してしまうおそれがある。
本発明はこの点に鑑みてなされたものであって、昇降
姿勢が変化するウインドガラスに対し、その昇降移動を
円滑に行うことのできる構成を得ることを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明は、ガイドレー
ルを、該ガイドレールのガイド溝の開口がウインドガラ
ス昇降時の係合部材の角度変化に対応する方向に向くよ
うに捩るようにした。具体的には、自動車のドア本体に
昇降自在に設けられたウインドガラスの昇降移動を案内
する案内構造を前提としている。そして、前記ウインド
ガラスを上下方向に湾曲して形成する。また、ドア本体
内部におけるドアアウタパネルとドアインナーパネルと
の間において、前後に所定間隔を存して配設され、前記
ウインドガラスの下端部に設けられた複数の係合部材
と、ドアアウタパネル側に開口しかつ該係合部材が夫々
移動可能に嵌め込まれて係合されるガイド溝を有し、ド
アインナーパネルに支持された複数本のガイドレールと
を備えている。更に、ウインドガラスの昇降時における
昇降姿勢を変化させるように、ガイドレールの間隔を上
端から下端に亘って変えるようにしていることにより、
ウインドガラスの昇降動作に伴なって前後複数の係合部
材の水平面内での角度が同じ方向に変化するようになっ
ている。そして、前記複数本のガイドレールを、該各ガ
イドレールのガイド溝の開口がウインドガラス昇降時の
各係合部材の角度変化に夫々対応する方向に向くように
捩るような構成とした。
(作用) 上記の構成により、本発明では、ガイドレール間の間
隔が上端から下端に亘って変えられているために、ウイ
ンドガラスの昇降時にはその昇降姿勢が変化する。ま
た、このウインドガラスの昇降動作に伴なって複数の係
合部材の水平面内での角度が同じ方向に変化することに
なるが、前記複数本のガイドレールは、該各ガイドレー
ルのガイド溝の開口がウインドガラス昇降時の各係合部
材の角度変化に夫々対応する方向に向くように捩られて
いるために、係合部材は、常にガイドレールと所定状態
で係合されることになり、ウインドガラスの昇降動作が
円滑に行われる。
(実施例) 次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図に示すものは、自動車の右側フロントドア1で
ある。このドア1は、ドア本体2と該ドア本体2に昇降
自在に設けられたウインドガラス3とで成っている。そ
して、ドア本体2は、ドアアウタパネル2aとドアインナ
パネル2bとから成り、この両パネル2a,2b間に前記ウイ
ンドガラス3やその駆動系を収容するための空間部2cが
形成されている。また、ドアインナパネル2bの前端面に
は図示しない車体側フロントピラーに支持されるドアヒ
ンジ4,4が取付けられており、ドア本体2はこのドアヒ
ンジ4,4を揺動中心として車室の開閉が自在となってい
る。また、ドアインナパネル2bの後端部には図示しない
車体側ストライカに係合自在なロック装置5が設けられ
ている。
次に、本発明の特徴とするウインドガラス3について
説明する。
先ず、ウインドガラス3の移動を案内するガイドレー
ル6は、フロントガイドレール6a及びリヤガイドレール
6bから成っている。各ガイドレール6a,6bは第2図〜第
4図に示すように、前記ドアインナパネル2bに、その上
下両端が支持されており、その内部に形成されたガイド
溝6cにはドアアウタパネル2aに向って開口する開口部6d
が形成されている。また、各ガイドレール6a,6bはウイ
ンドガラス3の上下方向の湾曲に応じて湾曲成形されて
いる。
そして、フロントガイドレール6aはドア1の前後方向
略中央部において下方に向って車体前方へ所定の傾斜角
度をもって傾斜配置された側面視が略一直線状のレール
材で成っている。
一方、リヤガイドレール6bは前記フロントガイドレー
ル6aの後方において、下方に向って車体前方へ、前記フ
ロントガイドレール6aとは異なる傾斜角度をもって傾斜
配置されており、複数箇所で前後方向に湾曲されてい
る。つまり、このリヤガイドレール6bは、上端部周辺に
おいて車体前方へ湾曲され、その下方で僅かに逆方向
(車体後方)へ湾曲され、更にその下方では一直線上に
且つ前記フロントガイドレール6aに比べて僅かに大きな
傾斜角度をもってやや立ち上がり気味の姿勢で配設され
ている。従って、この両ガイドレール6a,6bには、上端
部周辺において下方に向ってその間隔が次第に小さくな
る第1揺動領域Aと、中央部から下端部に亘ってその間
隔が次第に大きくなる第2揺動領域Bとが形成されてい
る。
そして、本例のウインドガラス3は、その駆動源とし
て駆動モータ7を備え、該駆動モータ7の駆動力によっ
て昇降されるようになっている。そして、ウインドガラ
ス3の前後方向中央部の下端で前記フロントガイドレー
ル6aの配設位置に対応した部分にはガイドブラケット8
が取付けられている。そして、このガイドブラケット8
には、その内側面に、回転軸9aを存して回転自在に支持
された係合部材としてのフロントローラ9が設けられて
いる。
一方、前記ウインドガラス3の前後方向後端部の下端
で前記リヤガイドレール6bの配設位置に対応した部分に
は、前記フロントレール6aと同様に回転軸10aを存して
回転自在に支持された同じく係合部材としてのリヤロー
ラ10が前記フロントローラ9の後方斜め上方位置に設け
られている。
そして、前記フロントローラ9はフロントガイドレー
ル6aのガイド溝6cに、リヤローラ10はリヤガイドレール
6bのガイド溝6cに夫々嵌込まれており、各ローラ9,10が
夫々ガイドレール6a,6bに沿って上下方向に移動するこ
とにより、ウインドガラス3は所定の軌跡を描きながら
昇降するようになっている。つまり、ウインドガラス3
の降下時において、各ローラ9,10が第1揺動領域Aを通
過する際にはガイドレール間隔が次第に小さくなるため
にウインドガラス3は前方へ揺動し、一方、第2揺動領
域Bを通過する際にはガイドレール間隔が次第に大きく
なるためにウインドガラス3は後方へ揺動するような構
成となっている。
次に、このウインドガラス3の駆動系について説明す
る。前記フロントガイドレール6aの前側には駆動モータ
7が配設されており、この駆動モータ7の駆動力がドラ
ム11に伝達されるようになっている。ドラム11には所定
長さのワイヤ12が巻回されており、このワイヤ12の長さ
方向の中央部が前記ガイドブラケット8に結合されてい
る。また、ワイヤ12はフロントガイドレール6aの上端及
び下端に近接した前側でドアインナパネル2b側に取付け
られたローラ13,13に掛けられている。従って、前記駆
動モータ7の駆動に伴なうドラム11によるワイヤ12の巻
取繰出し動作に伴なってガイドブラケット8が上下移動
されてウインドガラス3が昇降するような構成となって
いる。
そして、本例の特徴とする構成としては、前記各ガイ
ドレール6a,6bが車体前後方向に捩られていることにあ
る。つまり、第1図及び第3図に示すように、両ガイド
レール6a,6bの間隔が次第に狭くなる第1揺動領域Aで
は、各ガイドレール6a,6bのガイド溝6cの開口部6dが車
体前方に向く方向に僅かに捩られている。一方、第1図
及び第4図に示すように、両ガイドレール6a,6bの間隔
が次第に広くなる第2揺動領域Bでは、各ガイドレール
6a,6bのガイド溝6cの開口部6aが車体後方に向く方向に
僅かに捩られている。
次に、このように形成されたウインドガラス3の昇降
動作について説明する。
ウインドガラス3の全閉(第1図の仮想線C)状態か
ら該ウインドガラス3を降下させる際には、駆動モータ
7を駆動させてドラム11を第1図において時計回り方向
に回転させ、ワイヤ12を第1図D方向に移動させる。こ
れによって、ガイドブラケット8が下側へ移動されるこ
とによってウインドガラス3が降下する。
この降下に伴い、各ローラ9,10が第1揺動領域Aを通
過しているとき、ガイドレール6a,6bの間隔が小さくな
っているために、フロントローラ9の降下量に対してリ
ヤローラ10の降下量は少なくなり、従って、ウインドガ
ラス3は矢印Eに示すように前方へ揺動しながら降下す
ることになる。そして、このようにウインドガラス3が
揺動すると、ウインドガラス3の全閉状態では、ドアイ
ンナパネル2bに向って下方に傾斜していた回動軸9a,10a
は、第3図に示すように、ウインドガラス3の移動に伴
なってドアインナパネル2bに向って僅かに車体後方に傾
斜することになる。これに対し、前述したように、この
第1揺動領域Aにおいては各ガイドレール6a,6bの開口
部6dが車体前方に向く方向に該ガイドレール6a,6bが僅
かに捩られているために、回動軸9a,10aの延長方向とガ
イドレール6a,6bの開口部6dが形成されている開口面と
が直交している。従って、各ローラ9,10の周面がガイド
溝6cのガイド面に接することになって所定のガイド動作
が行われる。
そして、ウインドガラスの降下が進み、各ローラ9,10
が第2揺動領域Bを通過しているときには、ガイドレー
ル6a,6bの間隔が大きくなっているために、フロントロ
ーラ9の降下量に対してリヤローラ10の降下量は多くな
り、従って、ウインドガラス3は矢印Fに示すように後
方へ揺動しながら降下することになる。そして、このよ
うにウインドガラス3が揺動すると、第4図に示すよう
に、各ローラ9,10の回動軸9a,10aはドアインナパネル2b
に向って僅かに車体前方に傾斜することになる。これに
対し、前述したように、この第2揺動領域Bにおいては
各ガイドレール6a,6bの開口部6dが車体後方に向く方向
に該ガイドレール6a,6bが僅かに捩られているために、
この場合にも回動軸9a,10aの延長方向とガイドレール6
a,6bの開口部6dを形成する開口面とが直交しており、所
定のガイド動作が行われる。
従って、本例の構成によれば、ウインドガラス3の昇
降姿勢の変化に伴う各ローラ9,10の回転軸9a,10aの前後
方向への角度変化に対応してガイドレール6が捩られて
いるために、各ローラ9,10の端面がガイドレール6の内
側壁に接触したり、回転軸9a,10aがガイドレール6に干
渉するようなことがなく所定のガイド動作を行わせるこ
とができる。
また、本例の変形例として、第5図に示すように、リ
ヤドア21に採用するようにしてもよい。この第5図に示
すリヤドア21では、フロントガイドレール26aを略への
字状に折曲形成しており、ウインドガラス23の昇降時の
移動軌跡は第5図に仮想線で示すように、一旦後方へ揺
動(矢印G)した後、前方へ揺動(矢印H)するように
なる。従って、ガイドレール26a,26bは、両ガイドレー
ル26a,26bの間隔が次第に狭くなる第1揺動領域A′で
は、各ガイドレール26a,26bのガイド溝の開口部が車体
後方に向く方向に僅かに捩られている。一方、両ガイド
レール26a,26bの間隔が次第に広くなる第2揺動領域
B′では、各ガイドレール26a,26bのガイド溝の開口部
が車体前方に向く方向に僅かに捩られている。
尚、上述した実施例では、フロントガイドレール6a及
びリヤガイドレール6bのうち一方を湾曲又は折曲するよ
うな構成としたが、本発明はこれに限らず、両方のガイ
ドレール6a,6bを、ウインドガラス3の昇降姿勢の変化
の要求に応じて湾曲又は折曲するようにしてもよい。ま
た、本例では、各ローラ9,10の角度変化に対応させてガ
イドレール6を前側及び後側に捩るような構成とした
が、本発明はこれに限られるものではなく、ウインドガ
ラス3の上端位置から下端位置に亘るローラ9,10の振り
角の中間値に対応した捩り角でもって該ガイドレール6
を上端から下端に亘って均一な捩り角度に設定するよう
な構成としてもよい。また、ウインドガラス3側の係合
部材としてはローラ9,10に限らず、ガイドレールに嵌合
されるスライダ等によって構成してもよい。
(発明の効果) 上述したように、本発明によれば、ウインドガラスの
昇降時にはその昇降姿勢を自由に変化させることがで
き、また、このウインドガラスの昇降動作に伴なう係合
部材の水平面内での角度変化に対応してガイドレールが
捩られているために、係合部材は、常にガイドレールと
所定状態で係合されることになり、ウインドガラスの昇
降動作の円滑化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜5図は本発明の実施例を示し、第1図はフロン
トドアを車室内側から見た一部破断側面図、第2図はフ
ロントドア周辺の縦断背面図、第3図は第1揺動領域に
おけるガイドレールとローラとの係合状態を示す図、第
4図は第2揺動領域におけるガイドレールとローラとの
係合状態を示す図、第5図はリヤドアにおける第1図相
当図である。第6図〜第8図は従来例を示し、第6図は
ドアの内部構造を示す斜視図、第7図はウインドガラス
の下降動作を説明するための図、第8図はガイドレール
とローラとの係合状態を示す横断面図である。 1,21……ドア 1a……ドア本体 3,23……ウインドガラス 6,26……ガイドレール 9……フロントローラ(係合部材) 10……リヤローラ(係合部材)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E05F 11/38 E05F 11/48 B60J 1/17

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車のドア本体に昇降自在に設けられた
    ウインドガラスの昇降移動を案内する案内構造であっ
    て、 前記ウインドガラスは上下方向に湾曲して形成され、 ドア本体内部におけるドアアウタパネルとドアインナー
    パネルとの間において、前後に所定間隔を存して配設さ
    れ、前記ウインドガラスの下端部に設けられた複数の係
    合部材と、ドアアウタパネル側に開口しかつ該係合部材
    が夫々移動可能に嵌め込まれて係合されるガイド溝を有
    し、ドアインナーパネルに支持された複数本のガイドレ
    ールとを備え、 該ガイドレールは、ウインドガラスの昇降時における昇
    降姿勢を変化させるように、その間隔が上端から下端に
    亘って変えられていて、前記ウインドガラスの昇降動作
    に伴なって前記複数の係合部材の水平面内での角度が同
    じ方向に変化するようになっており、 前記複数本のガイドレールは、該各ガイドレールのガイ
    ド溝の開口がウインドガラス昇降時の各係合部材の角度
    変化に夫々対応する方向に向くように捩られていること
    を特徴とする自動車ドアのウインドガラス案内構造。
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