JPH0681537A - 窓ガラス角度調節装置 - Google Patents

窓ガラス角度調節装置

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Publication number
JPH0681537A
JPH0681537A JP25897692A JP25897692A JPH0681537A JP H0681537 A JPH0681537 A JP H0681537A JP 25897692 A JP25897692 A JP 25897692A JP 25897692 A JP25897692 A JP 25897692A JP H0681537 A JPH0681537 A JP H0681537A
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JP
Japan
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window glass
carrier plate
guide rail
sub
angle
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Application number
JP25897692A
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English (en)
Inventor
Shigeki Arimoto
茂樹 有本
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Nippon Cable System Inc
Original Assignee
Nippon Cable System Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 窓ガラスの傾斜角度を精度よく、かつ迅速に
自動的に調節することができる窓ガラスの傾斜角度調節
装置を提供する。 【構成】 キャリアプレート本体6に対し、上下にガイ
ドローラ3、4を設け、一方のガイドローラの支軸をキ
ャリアプレート本体6に対し出入り自在に構成し、モー
タM、ウォーム31およびウォームホイール25からな
る電動式のアクチュエータでその支軸の出入りを調節す
るようにし、制御手段により状況に応じて窓ガラス7の
角度を自動的に調節するようにした構成。 【効果】 キャリアプレート本体6から支軸が出入り
し、窓ガラス7の角度を規制しているキャリアプレート
本体6の角度を直接、かつ独立的に変更することができ
る。このものは傾斜角度の変更のときの支点と作用点の
間隔が短いので、精度よく、かつ迅速に窓ガラス7の角
度を調節しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窓ガラス角度調節装置に
関する。さらに詳しくは、自動車のドアの窓ガラスを昇
降させるウインドレギュレータに組み込まれ、窓ガラス
の上端側が自動車の内側または外側に移動するように角
度調節するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のドアの窓ガラスを昇降させるウ
インドレギュレータは、図10aに示すように、ドアパ
ネル内に上下に配置されるガイドレール101と、その
ガイドレール101に案内されると共に、窓ガラス10
2の下端部を保持するキャリアプレート103とを有す
る。そしてそのキャリアプレート103は上下に延びる
ワイヤ104、105により、昇降駆動される。一方、
図12に示すように、窓ガラス107の上下移動の案内
を、左右のガイドレール108と、窓ガラス107に取
りつけたガイドローラ109とによって行なうと共に、
昇降駆動はX型アーム110によって行なうものもあ
る。
【0003】前記いずれのタイプのウインドレギレータ
も、ドアパネルの上部にドアサッシを有する場合は、ド
アサッシが窓ガラスの周縁を内外両面から保持する。そ
のため窓ガラスとサッシ間で充分なシール作用が維持さ
れる。しかしサッシのない、いわゆるハードトップタイ
プのものでは、ドアを外側に開く必要があるので、窓ガ
ラスの内面側がウェザーストリップに当接ないし摺接し
ているだけである。そのため高速走行時においては窓ガ
ラスが空気の流れによる圧力低下で外側に吸い出され、
とくに上端側が外向きに傾く問題がある。そしてそれに
より窓ガラスとサイドルーフレールのウェザーストリッ
プとの間に隙間を生じ、走行音、風切音などが室内に入
ってくるという問題がある。このような高速時の窓ガラ
スの吸い出しおよび傾斜に基づく問題に対しては、図1
0aのウインドレギュレータの場合では、図10bに示
すように、ガイドレールの取り付け時にアジャストボル
ト111、112の出入り量を加減して、ガイドレール
101の傾斜角θを調節し、窓ガラス102を車体のド
ア枠ないしウェザーストリップ等に強く当接させ、吸い
出し力が加わっても窓ガラス102とドア枠等との間に
隙間が生じないようにしている。なおそのようなアジャ
ストボルト111、112はもともとガイドレール10
1の角度調節のために設けられているものである(実開
平3−213号公報参照)。
【0004】また図11に示すように、キャリアプレー
ト114を窓ガラス115を支持する部分116とガイ
ドローラ117を支持する部分118とに分離し、両者
をアジャストボルト119と溶接などで半固定状態に
し、工場での組み立て時にアジャストボルト119の出
入りを調節することにより窓ガラス115の傾きを調節
することも行なわれている。またこれと似た方法で窓ガ
ラスの傾きを調節する他の方法もある(実開平2−11
1778号公報参照)。しかしこのような方法では、窓
ガラスの昇降操作時の摺動抵抗が増加し、各摺動部やウ
インドレギュレータの駆動部あるいは昇降駆動用モータ
(パワーウインドの場合)に悪影響を及ぼし、耐久性が
低下する問題がある。そのため現状では、摺動抵抗を低
めに設定し、図12の左上に示すように窓ガラス107
と当接するサッシまたはボデー(サッシレスの場合)に
吸い出し防止チップ120を取りつけ、このチップ12
0を窓ガラス107と弾力的に係合させることにより吸
い出しを抑制している。しかしこのようなチップ120
では吸い出し防止効果が不充分である。
【0005】そこで近時、図12〜13に示すように、
ガイドレール108の傾きを自動的に変更させるものが
提案されている(実開昭63−67183号公報参
照)。このものは通常の状態ではガイドレール108を
窓ガラスがウェザーストップなどから受ける摺動抵抗が
少なくなるように傾斜させておき、高速走行で、かつ窓
ガラス107が閉じているときはアクチュエータ121
を駆動してアジャストボルト122を回転し、ガイドレ
ール108を、その下端のヒンジ123を中心として上
端を外側に移動させるように傾斜させるのである。そし
て窓ガラス107の下端近辺のガイドローラ109を自
動車の外側に移動させ、窓ガラス107を挟んでいるド
アパネル上端のスタピライザ124を支点として窓ガラ
ス107の上端側を内向きに傾斜させ、窓ガラスとウェ
ザーストップとのシール性を向上させるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図10〜11のように
手動でアジャストボルトを調節する場合は、前述のよう
に摺動抵抗が増加するという問題がある。また図12〜
13に示すように必要なときだけアクチュエータ121
でアジャストボルト122を回転させ、自動的にガイド
レールの傾斜角度を調節する装置は、機構が簡単である
反面、スタピライザ124を支点として間接的に窓ガラ
ス107の傾斜角度を変えるので、傾斜角度の調整の精
度が低い。また精度を上げるにはスタピライザ124の
剛性をある程度高める必要があり、そのため窓ガラス1
07の摺動抵抗の増加につながる。また角度調節におけ
る窓ガラスに対する支点と作用点の距離が離れているた
め、必要な角度変位を与えるためにガイドローラの変位
量が大きくなり、ひいてはガイドレールのアジャスト量
も大きくなる。そのためアジャストボルト122の調整
代が多くなり、自動調整に要する時間が長くなり(レス
ポンスが遅い)、さらに窓ガラス107やガイドレール
108の変位量も大きいので、ドア内部における他の部
品との干渉が問題になり、また装置がドア本体に組付け
られるユニットであるのでドアスペースの確保も困難に
なる。本発明は窓ガラスの傾斜角度を精度よく、迅速に
微調節することができ、しかもスタピライザなどの他の
部分に影響を与えずコンパクトな窓ガラス角度調節装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の窓ガラス角度調
節装置は、(a)ドアパネル内に上下方向に配置される
ガイドレールと、(b)外面側に窓ガラスを固定するべ
く窓ガラス固定部を備えたキャリアプレート本体と、該
キャリアプレート本体の内面側から突出し、前記ガイド
レールと転動ないし摺動自在に係合する上下一対の係合
部材とを有し、前記ガイドレールに沿って上下に駆動さ
れるキャリアプレートと、(c)少なくとも一方の係合
部材をキャリアプレート本体に対して出入り自在に結合
し、かつ該一方の係合部材の出入り量を変更するように
駆動するアクチュエータと、(d)周囲の状況に応じて
前記アクチュエータに角度調節指令を送る制御手段とか
らなることを構成上の特徴としている。
【0008】このような装置においては、(a)前記ガ
イドレールと実質的に平行に、窓ガラスの前端または後
端をサブキャリアプレートを介して上下に案内するため
のサブガイドレールを備えており、(b)前記サブキャ
リアプレートが、外面側に窓ガラスを固定するべく窓ガ
ラス固定部を備えたサブキャリアプレート本体と、該サ
ブキャリアプレート本体の内面側から突出し、前記サブ
ガイドレールと転動ないし摺動自在に係合する上下一対
のサブ係合部材とを有し、かつ前記キャリアプレートと
実質的に同じ高さで窓ガラスに結合されており、(c)
少なくとも一方のサブ係合部材をサブキャリアプレート
本体に対して出入り自在に結合し、かつ該一方のサブ係
合部材の出入り量を、前記制御手段からの指令を受けて
前記キャリアプレートの係合部材と同調して駆動するた
めのサブアクチュエータを備えているものが好ましい。
【0009】本発明の装置の第2の態様は、(a)ドア
パネル内に実質的に互いに平行に上下方向に配置される
ガイドレールおよびサブガイドレールと、(b)外面側
に窓ガラスを固定するべく窓ガラス固定部を備えたキャ
リアプレート本体と、該キャリアプレート本体の内面側
から突出し、前記ガイドレールと転動ないし摺動自在に
係合する1個の係合部材とを有し、前記ガイドレールに
沿って上下に駆動されるキャリアプレートと、(c)前
記窓ガラスの、前記係合部材と異なる高さの位置に設け
られ、サブガイドレールと転動ないし摺動自在に係合す
るサブ係合部材と、(d)前記係合部材をキャリアプレ
ート本体に対して出入り自在に結合し、かつ該係合部材
の出入り量を変更するように駆動するアクチュエータ
と、(e)周囲の状況に応じて前記アクチュエータに角
度調節指令を送る制御手段とからなる。
【0010】本発明の装置の第3の態様は、(a)ドア
パネル内に上下方向に配置されるガイドレールと、
(b)外面側に窓ガラスを固定するべく窓ガラス固定部
を備えたキャリアプレート本体と、該キャリアプレート
本体の内側面から突出し、前記ガイドレールと転動ない
し摺動自在に係合する係合部材とを有し、前記ガイドレ
ールに沿って上下に駆動されるキャリアプレートと、
(c)前記係合部材とキャリアプレート本体とを、窓ガ
ラスのガイドレールに対する傾斜角度を変更しうるよう
に、たがいに角度調節自在に結合する結合手段と、
(d)前記係合部材とガラス固定部との間の角度を調節
するように前記結合手段を駆動するアクチュエータと、
(e)周囲の状況に応じて前記アクチュエータに角度調
節指令を送る制御手段とから構成される。
【0011】
【作用】本発明の装置においては、制御手段が車速、ド
アの開閉および窓ガラスの昇降などの周囲の状況に応じ
てアクチュエータに角度調節指令を送ると、アクチュエ
ータが係合部材(場合によりサブ係合部材も)や結合手
段を駆動して、キャリアプレート本体とガイドレールと
の角度を変更する。したがって窓ガラスの傾斜角度が直
接調節される。この場合、従来の装置のように、スタピ
ライザを支点として用いておらず、いわば自立的に直接
窓ガラスの角度を変更することができる。また作用点と
支点との距離が短いので、作動量が少なく、調整が迅速
で、調整精度も高い。
【0012】請求項1の装置では、アクチュエータの作
動により、上下の係合部材のうち一方がキャリアプレー
ト本体に対して出入りする。このとき出入りする係合部
材は固定されたガイドレールに係合しているので、出入
りの反作用としてキャリアプレート本体の上部または下
部がガイドレールから離れたり、近づいたりする。それ
により、キャリアプレート本体の角度も直接調節され
る。なお上下一対の係合部材の間隔は比較的狭いので、
アクチュエータの作動距離は少しで済む。請求項2の装
置では、ガイドレールのキャリアプレートとサブガイド
レールのサブキャリアプレートの傾斜角度が同調して調
節される。そのため窓ガラスは安定した2点支持の状態
で確実に角度調節される。請求項3の装置では、メイン
のキャリアプレートの係合部材が出入りし、サブガイド
レールのサブ係合部材は出入りしない。そのため窓ガラ
スはサブガイドレールのサブ係合部材を支点として回動
し、傾斜角度が調節される。請求項4の装置では、アク
チュエータが結合手段を駆動してキャリアプレート本体
と係合部材との角度を調節する。それによりキャリアプ
レート本体を通じて窓ガラスの角度が直接調節される。
【0013】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の装置を説
明する。図1は本発明の装置を備えたウインドレギュレ
ータの全体を示す側面図、図2は本発明の装置の一実施
例を示す斜視図、図3および図4はそれぞれ図2の装置
の縦断面図および正面図、図5は本発明にかかわるガイ
ドローラの一実施例を示す側面図、図6は図5のVI−VI
線断面図、図7は本発明の装置を備えたウインドレギュ
レータの他の実施例を示す側面図、図8は図7のVIII−
VIII線断面図、図9は本発明にかかわるアクチュエータ
の他の実施例を示す概略正面図である。
【0014】図1は自動車の外部から見ている状態を示
しており、1は自動車のドアパネルである。ドアパネル
1の内壁には、メインのガイドレール2が上下方向に取
り付けられている。そのガイドレール2には、上下2個
のガイドローラ3、4を備えたキャリアプレート5が上
下移動自在に設けられている。キャリアプレート5の本
体6の上端には窓ガラス7の下端が固定されている。さ
らにキャリアプレート5の本体6には、ワイヤ係止部8
が設けられている。そのワイヤ係止部8から上方に延び
るワイヤ9は、ガイドレール2の上部のアイドルプーリ
10で方向転換され、パワーユニット11を経由し、さ
らに下端のアイドルプーリ12で方向転換して再びワイ
ヤ係止部8に戻るループを構成している。前記メインの
ガイドレール2の前方には、メインのガイドレール2と
ほぼ平行にサブガイドレール13が配置され、ドアパネ
ル1に取り付けられている。このサブガイドレール13
にはサブキャリアプレート14がガイドローラ15、1
6によって上下移動自在に係合している。サブガイドレ
ール13およびサブキャリアプレート14は窓ガラス7
の前方をガイドし、メインのガイドレール2と共に窓ガ
ラス7の角度を2点支持の状態で規制するものである。
【0015】本発明の角度調節装置は前記メインのキャ
リアプレート5およびサブキャリアプレート14に組み
込まれている。その詳細を図2を参照しながら説明す
る。なおサブキャリアプレート14はワイヤで駆動しな
いほかはメインのキャリアプレート15と実質的に同じ
である。そのため、以下、メインのキャリアプレート5
を中心にして説明する。図2に示すように、カイドレー
ル2はほぼリップ付き溝型鋼と同じ断面形状を備え、窓
ガラス7の彎曲の程度に合わせて開口溝17側が伸びる
ように彎曲している。キャリアプレート本体6はガイド
レール2とほぼ同じように彎曲した板材であり、その上
端に窓ガラス固定用の長孔18が形成されている。そし
て中央部の裏面側の上下に、ガイドローラ3、4を突設
している。図3に示すようにガイドローラ3、4はゴム
ないし合成樹脂製の摺動部材19と、この摺動部材19
を軸方向に移動しないよう支持する支軸20、21とか
ら構成されている。そして上側のガイドローラ支軸20
はキャリアプレート本体6に固着されている。なお摺動
部材19は実際にはほとんど回転しない。一方、下側の
ガイドローラ4の支軸21は、図5〜6に示すように中
央に扁平なスライド部22を有し、そのスライド部22
の表面には、合成樹脂製のライナ22aが埋め込まれて
いる。そしてこのスライド部22が、本体6に一体成形
された合成樹脂製または金属製のブッシュ23により、
回転しないように、かつ軸方向摺動自在に支持されてい
る。さらに支軸21の自由端には、アジャストネジ24
が形成され、そのアジャストネジ24にウォームホイー
ル25の中心に形成したメネジが螺合し、さらにプッシ
ュナット26により抜けないようにされている。なおウ
ォームホイール25のボス部27は、本体6に取り付け
た箱状のブラケット28に嵌着したブッシュ29により
回転自在に、かつ軸方向に移動しないように支持されて
いる。これにより前記支軸21は、ウォームホイール2
5を介してブラケット28に支持されることになる。
【0016】さらにキャリアプレート本体6には横向き
にモータMが取り付けられ、その回転軸30に固着した
ウォーム31が前記ウォームホイール25と噛合してい
る。なお図2および図4において32はモータMの回転
軸30用の軸受けである。また前述のワイヤ係止部8は
図4に詳細に示すように、ワイヤ9端部に固着した係止
金具33を抜けないように係止する箱の形態を呈してい
る。前記のごとく構成される角度調節装置においては、
モータMが回転するとウォーム31を経由してウォーム
ホイール25が図4の矢印A−B方向に回転する。した
がってウォームホイール25のメネジと螺合するアジャ
ストネジ24を備えた支軸21は、図3の矢印C−D方
向にスライドしようとする。そのとき摺動部材19はガ
イドレール2の内面と当接しているので、反作用として
ウォームホイール25およびキャリアプレート本体6の
下端部が矢印D−C方向に移動する。一方、上側のガイ
ドローラ3の支軸20は軸方向に動かないので、結局キ
ャリアプレート本体6は矢印E−Fのように、上側のガ
イドローラ3を支点として揺動することになる。
【0017】前記図1のサブガイドレール13およびサ
ブキャリアプレート14においても上述と同じように下
側のサブガイドローラ16の支軸がサブキャリアプレー
ト本体から出入りするように構成されている。そしてそ
のサブガイドローラ16の支軸はメインのキャリアプレ
ート5における下側の支軸21の出入りの動きと同調し
て出入りし、同様にサブキャリアプレート本体の下端部
がサブガイドレール13に近づいたり離れたりする動き
を行なう。したがって窓ガラス7は、一対の上側のガイ
ドローラ3、15を結ぶ直線L1 を中心としてその上端
側が外向きまたは内向きに動いて傾斜角度が調節され
る。なお前述のようにメインのキャリアプレート本体6
が揺動しても、キャリアプレート5を上下に駆動するワ
イヤ9には実質的に影響がない。また摺動部材19は図
3に示すように、断面形状において外周が丸くされてい
るのが好ましく、それによりキャリアプレート5が揺動
しやすくなる。
【0018】上記のように窓ガラス7の上端を内向きに
傾斜させるのは自動車の高速走行により窓ガラス7が吸
い出されようとするのを抑制させるためである。そのた
め前記モータMは、窓ガラス7が上昇端にきており、か
つ車速が一定値(たとえば40〜60Km/時)を超えた
ときに窓ガラス7の上端を内側に傾斜させるように駆動
させればよい。またドアが閉じている場合にのみ作動す
るようにしてもよい。そのような制御機構は、キャリア
プレート5の位置検出センサまたはパワーユニット(図
1の11)における回転位置検出センサや、車速検出セ
ンサとマイクロプロセッサ等とを組み合わせた公知の手
段で構成しうる。また車速に応じて下側の支軸21の出
入りを段階的または連続的に調節するようにしてもよ
い。前記実施例ではガイドレール2の内壁の側面を摺動
(ないし転動)するガイドローラ3、4を備えている場
合を説明したが、ガイドローラに代えてスライドブッシ
ュ等の摺動部材を備えている場合も同じ調節装置を採用
しうる。またメインのガイドレールではガイドローラを
採用し、サブガイドレールではスライドブッシュを採用
してもよい。前記ガイドローラおよびスライドブッシュ
はいずれも請求項1にいう係合部材を構成しうる。
【0019】つぎに図7を参照して本発明の他の実施例
(請求項3の発明に対応)を説明する。図7のウインド
レギュレータでは、メインのガイドレール34によって
案内されるキャリアプレート35に1個のガイドローラ
36が取り付けられている。そして窓ガラス7の後端側
に取り付けたサブガイドローラ37を案内するための第
1サブガイドレール38がドアパネルの後部側に取り付
けられている。さらに窓ガラス7の前端側に取り付けた
スライダ39を案内するための第2サブガイドレール4
0を備えている。このものはメインのガイドレール34
と第1サブガイドレール38とが平行に配置されておら
ず、窓ガラス7が下降してくると、タイヤハウスを避け
るために窓ガラス7の前端が下向きに傾斜するように配
列されている。なお第2サブガイドレール40は窓ガラ
ス7の動きを安定させる役割を果たすものである。
【0020】したがってこのタイプのウインドレギュレ
ータでは、メインのキャリアプレート35には窓ガラス
7の前傾を許すように、1個のガイドローラだけを設け
ている。そして第1サブガイドレール38のサブガイド
ローラ37および第2サブガイドレール40のスライダ
39がメインのガイドレール34のガイドローラ36よ
りも高い位置に、かつたがいにほぼ同じ高さに設置され
ており、三者で窓ガラス7をガイドしている。このもの
はメインのキャリアプレート35のガイドローラ36に
対し、図2〜4と同じ支軸出入り調節機構を設けてい
る。そのためキャリアプレート35からのガイドローラ
36の支軸の突出長さを調節させることにより、サブガ
イドローラ37およびスライダ39を結ぶ直線L2 を中
心として、窓ガラス7の上端側を外向きまたは内向きに
傾斜するように動かすことができる。図7の実施例にお
いても傾斜角度を自動的に変更するために前述と同じ制
御機構が採用される。なお前記スライダ39は窓ガラス
7の傾斜に追従できるように、たとえば図8に示すよう
な彎曲したガイド面39aを備えているものが好まし
い。
【0021】図2〜4の実施例ではモータMの回転を減
速しながら下側のガイドローラの支軸21の直進運動に
変換させるために、ウォーム31とウォームホイール2
5を組み合わせた減速機構を採用している。しかし本発
明の装置におけるアクチュエータはこれらに限定される
ものではない。たとえば図9に示すように、ピニオン4
3とラック44を用いて往復回転運動を往復直進運動に
変換してもよい。さらに前記実施例ではいずれもガイド
ローラの支軸のキャリアプレート本体から出入り量を調
節することによりキャリアプレート本体の角度を変えて
いるが、本発明はこのものに限定されるものではない。
たとえば図11に示す従来の角度調節機構におけるアジ
ャストボルト119を、たとえば図2〜4のアクチュエ
ータ(想像線G)で調節するようにしたものも本発明の
一つの態様である(請求項4の装置に対応)。このばあ
い溶接部やアジャストボルトなどが請求項4の結合手段
を構成する。さらに図9のアクチュエータなどを用いて
もよい。この実施例の場合はガイドレールに対するガイ
ドローラないしスライドブッシュの係合の向きが安定す
る効果がある。
【0022】
【発明の効果】本発明の装置によれば、とくにハードト
ップタイプの自動車のドアの窓ガラスの傾斜角度を精度
よく、自動的に、かつ迅速に微調節することができる。
それにより窓ガラスの昇降のときの摺動抵抗を低く維持
しながら、高速走行における窓ガラスの吸い出しを防止
してシール性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置を備えたウインドレギュレータの
全体を示す側面図。
【図2】本発明の装置の一実施例を示す斜視図である。
【図3】図2の装置の縦断面図である。
【図4】図2の装置の正面図である。
【図5】本発明にかかわるガイドローラの一実施例を示
す側面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】本発明の装置を備えたウインドレギュレータの
他の実施例を示す側面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】本発明にかかわるアクチュエータの他の実施例
を示す概略正面図である。
【図10】図10aおよび図10bはそれぞれ従来のガ
イドレール角度調節機構の一例を示す正面図および側面
図である。
【図11】従来のキャリアプレート角度調節機構の一例
を示す側面図である。
【図12】従来の窓ガラス角度調節装置の一例を示す正
面図である。
【図13】図12のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 ドアパネル 2 ガイドレール(メイン) 3 ガイドローラ(上側) 4 ガイドローラ(下側) 5 キャリアプレート(メイン) 6 キャリアプレート本体 7 窓ガラス 13 サブガイドレール 14 サブキャリアプレート 15 ガイドローラ(上側) 16 ガイドローラ(下側) 20 支軸 21 支軸 24 アジャストネジ 25 ウォームホイール 31 ウォーム M モータ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のドアの窓ガラスを、その上端が
    自動車の内側または外側に移動するように角度調節する
    ための装置であって、(a)ドアパネル内に上下方向に
    配置されるガイドレールと、(b)外面側に窓ガラスを
    固定するべく窓ガラス固定部を備えたキャリアプレート
    本体と、該キャリアプレート本体の内面側から突出し、
    前記ガイドレールと転動ないし摺動自在に係合する上下
    一対の係合部材とを有し、前記ガイドレールに沿って上
    下に駆動されるキャリアプレートと、(c)少なくとも
    一方の係合部材をキャリアプレート本体に対して出入り
    自在に結合し、かつ該一方の係合部材の出入り量を変更
    するように駆動するアクチュエータと、(d)周囲の状
    況に応じて前記アクチュエータに角度調節指令を送る制
    御手段とからなる窓ガラス角度調節装置。
  2. 【請求項2】 (a)前記ガイドレールと実質的に平行
    に、窓ガラスの前端または後端をサブキャリアプレート
    を介して上下に案内するためのサブガイドレールを備え
    ており、(b)前記サブキャリアプレートが、外面側に
    窓ガラスを固定するべく窓ガラス固定部を備えたサブキ
    ャリアプレート本体と、該サブキャリアプレート本体の
    内面側から突出し、前記サブガイドレールと転動ないし
    摺動自在に係合する上下一対のサブ係合部材とを有し、
    かつ前記キャリアプレートと実質的に同じ高さで窓ガラ
    スに結合されており、(c)少なくとも一方のサブ係合
    部材をサブキャリアプレート本体に対して出入り自在に
    結合し、かつ該一方のサブ係合部材の出入り量を、前記
    制御手段からの指令を受けて前記キャリアプレートの係
    合部材と同調して駆動するためのサブアクチュエータを
    備えている請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 自動車のドアの窓ガラスを、その上端が
    自動車の内側または外側に移動するように角度調節する
    ための装置であって、(a)ドアパネル内に実質的に互
    いに平行に上下方向に配置されるガイドレールおよびサ
    ブガイドレールと、(b)外面側に窓ガラスを固定する
    べく窓ガラス固定部を備えたキャリアプレート本体と、
    該キャリアプレート本体の内面側から突出し、前記ガイ
    ドレールと転動ないし摺動自在に係合する1個の係合部
    材とを有し、前記ガイドレールに沿って上下に駆動され
    るキャリアプレートと、(c)前記窓ガラスの、前記係
    合部材と異なる高さの位置に設けられ、サブガイドレー
    ルと転動ないし摺動自在に係合するサブ係合部材と、
    (d)前記係合部材をキャリアプレート本体に対して出
    入り自在に結合し、かつ該係合部材の出入り量を変更す
    るように駆動するアクチュエータと、(e)周囲の状況
    に応じて前記アクチュエータに角度調節指令を送る制御
    手段とからなる窓ガラス角度調節装置。
  4. 【請求項4】 自動車のドアの窓ガラスを、その上端が
    自動車の内側または外側に移動するように角度調節する
    ための装置であって、(a)ドアパネル内に上下方向に
    配置されるガイドレールと、(b)外面側に窓ガラスを
    固定するべく窓ガラス固定部を備えたキャリアプレート
    本体と、該キャリアプレート本体の内側面から突出し、
    前記ガイドレールと転動ないし摺動自在に係合する係合
    部材とを有し、前記ガイドレールに沿って上下に駆動さ
    れるキャリアプレートと、(c)前記係合部材とキャリ
    アプレート本体とを、窓ガラスのガイドレールに対する
    傾斜角度を変更しうるように、たがいに角度調節自在に
    結合する結合手段と、(d)前記係合部材とガラス固定
    部との間の角度を調節するように前記結合手段を駆動す
    るアクチュエータと、(e)周囲の状況に応じて前記ア
    クチュエータに角度調節指令を送る制御手段とからなる
    窓ガラス角度調節装置。
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