JP3788279B2 - パターン検査方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置や液晶などの回路パターンを有する基板製造装置にかかわり、特に製造途中の基板のパターンを検査する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学式、又は電子線式パターン検査装置は特開平5−258703号公報、特開平11−160247号公報等に記述されている。
【0003】
電子線式パターン検査装置の例として特開平5−258703号公報に開示されている構成を図1に示す。電子線源1からの電子線2を偏向器3でX方向に偏向し、対物レンズ4を介して対象物基板5に照射し、同時にステージ6をY方向に連続で移動させながら、対象物基板5からの二次電子等7を検出器8で検出し、検出信号をA/D変換器9でA/D変換し、デジタル画像とし、画像処理回路10で本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と比較し、差がある場所をパターン欠陥11として検出し、欠陥位置を確定するものである。
【0004】
光学式の検査装置の例として特開平11−160247号公報に開示されている構成を図2に示す。光源21よりの光を対物レンズ22を介して対象物基板5に照射し、その時の反射光をイメージセンサ23で検出する。ステージ6を一定速度で移動しながら検出を繰返すことで画像を検出画像24として検出し、メモリ25に記憶する。検出画像24と同一のパターンであることが期待できるメモリ25上の記憶画像27と比較し、同一のパターンであれば正常部、パターンが異なればパターン欠陥11として検出し、欠陥位置を確定するものである。
【0005】
一例として、対象物基板5がウェーハ31の場合のレイアウトを図3に示す。ウェーハ31上に最終的に切離されて同一品種の個別の製品になるダイ32が形成されている。ステージ6を走査線33に沿って移動し、ストライプ領域34の画像を検出する。現在、検出位置Aが35の場合に、メモリ25上の検出位置B36の画像を記憶画像27として取出し、比較する。これにより、同一パターンであることが期待できるパターンと比較する。ここで、メモリ25は同一パターンであることが期待できる画像を保持可能な容量を持ち、リング状に使いまわすことで実際の回路を構成する。
以下に述べる2つの例は、2値画像で欠陥判定をする対象物に対してパターンの検出に同期してパターンが欠陥かどうかを判定すると共に特定のマスク領域の欠陥を無視して検査している。
【0006】
特開昭61−278706号公報には、プリント板のスルーホールの検査の例が開示されている。予め、非検査領域にすべき領域のみに穿孔したプリント板を用意し、そのプリント板の画像を検査に先立って検出し、穿孔有り無しの2値画像にすることでマスキングの要否を検知し、マスキングデータ記憶部に画像データとして記憶する。検査時に2値画像に差異を生じている場所がマスキングデータ記憶部に記憶している画像領域である場合に差異を無視することで非検査にする。
【0007】
特開平7−5116号公報には、プリント基板の検査の例が開示されている。パターン形状を検出して2値化し、検出パターンより正常/異常を判定し、検出したパターンが規則パターン中にあるかどうかを判定し、不適合パターンが規則パターン中にある場合のみに異常と判定するものである。
【0008】
以下に述べる2つの例は、パターン情報よりパターン境界部分の誤差を許容する目的で境界部分に不感帯を設けて検査している。
特開平2−146682号公報には、マスクパターンを設計情報と比較する検出の例が開示されている。設計情報からパターンを一定の幅だけ縮小して得られた縮小画像と、一定の幅だけ拡大して得られた拡大画像を計算、その共通部分を取出すことで、一定の幅の不感帯を設ける。つまり、設計情報よりパターン境界部分の一定幅の誤差は無視するようにマスク領域を設定して検査している。
特開平9−312318号公報には、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope ; 以下、SEMと記す)を用いてパターンを検査する例である。予め取得している参照画像より、パターンエッジの微細なずれは欠陥ではないのでパターンエッジ近傍を致命な欠陥の生じない領域として設定し、致命的な欠陥の生じない領域の画像を取得しない。画像を取得した領域で参照画像との差異が認められた場合に欠陥として判定している。
特開平3−85742号公報には、プリント基板のパターンを比較検査する装置の例が開示されている。比較検査で得られた欠陥候補の画像をメモリに記憶し、記憶画像を基に検査と非同期で真の欠陥かどうかを判定するものである。
【0009】
特開平8−245161号公報には、複数の繰返しパターンを有する検査対象に対して繰返し候補部分と比較し、全ての比較で正常と判定された場合に正常と判定するもので同時にN箇所の画像と比較判定している。
【0010】
特開平3−232250号公報には繰返しを有する部分を検査するためのセル比較(繰り返しパターン比較)方式とダイ全面を検査するダイ比較(チップ比較)方式を同時に判定している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
検査には、大きく分類すると統計的な意味を持たせる為の安定な検査とデバイス開発時に適用する高感度検査の2種類の要求がある。統計的な意味を持たせる検査は、例えば同一条件で特定の工程のウェーハを定期的に検査し、その欠陥の個数を管理する手法で一般に安定な検査条件ではあるが、低感度で比較的大きい欠陥のみしか検出できない条件での検査である。一方、デバイス開発時に適用する検査は全ての欠陥モードや、微細な欠陥までを確実に検出する目的で高感度で検査している。
【0012】
従来の検査装置ではこれら2つの検査をするためには検査条件を換えて2種類の検査を行う必要があった。この為、複数回分の検査時間を要する。又は複数の検査レシピを用意する必要がある。また、 SEM式の検査装置の場合には複数回検査を実行すると電子線を複数回照射することになり、電子線照射により対象物の状態が変化し、変化した状態での不正確な検査しか出来ない。これら問題に対して従来の検査方法と装置では十分に配慮しているとは言えなかった。
【0013】
また、検査対象は設計情報に基づいて製作されている。パターンの密度、材質、形状は設計により決まり、場所により偏差がある。パターン密度が異なると、検出系に解像度の限界があるため、検出パターンの検出信号量の振幅が異なる。同様にパターン形状、材質によっても同様のことが発生する。従って、同一寸法の欠陥であっても背景パターンが異なるために、均一な感度で検査すると、検出される場所と検出されない場所が生じる。また、同一寸法の欠陥であっても致命的な欠陥となりうるかどうかが異なる。つまり、パターン密度の小さい場所の欠陥は致命性が低い。逆にパターン密度の高い場所は微小欠陥であっても致命的な欠陥となりうる。従って欠陥の重要性はパターン密度に左右される。同様に材質、形状によっても異なる。検出感度、欠陥の管理と設計情報は切離して考えることは出来ない。これらの問題に対して従来の検査装置と方法はこれらの問題に対して十分に配慮しているとは言えなかった。
【0014】
特開平5−258703号公報、特開平11−160247号公報に開示されている従来の光学式、又は電子線式パターン検査装置では、1個の検査条件で全領域を均一な条件で検査することしか出来ない。
特開昭61−278706号公報、特開平7−5116号公報に開示されている技術では、検査条件を変更する非検査領域を設定しているが、特開昭61−278706号公報に開示されている例では、非常に大きい検査面積中の非検査領域をビットパターンで設定する必要がある。ウェーハ検査に適用する場合には、直径300mmの検査面積を0.1μm画素で検査することを考えると、7兆画素(7Tbit)であり、実質上不可能である。また、特開平7−5116号公報に開示されている発明では、規則パターン部以外は非検査領域となるが、ウェーハパターンの場合には非常に複雑なパターンで構成されているため、単純な規則性を利用するのみでは非検査領域を設定することは出来ない。また、複数の検査結果を1回の検査であることもできない。
特開平2−146682号公報、特開平9−312318号公報等に記述されている検査条件を変更する非検査領域はパターンエッジに限定されるため必要な場所に非検査領域を設定することは出来ない。また、複数の検査結果を1回の検査であることもできない。
特開平3−85742号公報に記述されている方式では欠陥候補部の画像情報を保存し、保存した画像情報を基に詳細に検査をし、真の欠陥かどうかを判定するもので複雑なパターン形状に対応することが出来る。しかしながら、1個の一律の基準で欠陥かどうかを判定し、欠陥でないものは正常部と考えている。つまり、一旦正常部と考えられたものは情報が失われている。また、複数の検査結果を1回の検査で得ることもできない。
【0015】
特開平8−245161号、又は特開平3−232250公報に記載されている方式は同時にN方式で検査しているが、異なる場所との比較であり、同一箇所に対する異なる検査条件での結果を得てはいない。
【0016】
【課題を解決するための手段】
問題を解決する為の構成を説明する。ここでは電子線を用いた構成を示すが、本質的には光学式と同一である。まず第1の例を図4に示す。電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線2を偏向させる偏向器3、及び電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4、及び対象物基板5を保持し、走査又は位置決めをするステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出信号をA/D変換しデジタル画像にするA/D変換器9、及びデジタル画像より本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と比較し、差がある場所を欠陥候補40として検出する画像処理回路10、欠陥候補40の座標、投影長、画像情報等の特徴量を記憶する欠陥候補記憶部41、欠陥候補記憶部41に記憶された欠陥候補40の特徴量、又は設計情報42を用いて各検査条件で検査した場合に欠陥となる欠陥候補を選択し、パターン欠陥11を出力する欠陥選択部43より構成される。
【0017】
問題を解決する為の構成の第2の例を図5に示す。電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線2を偏向させる偏向器3、及び電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4、及び対象物基板5を保持し、走査又は位置決めをするステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出信号をA/D変換しデジタル画像にするA/D変換器9、及びデジタル画像より本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と第1の条件で比較し、差がある場所を第1の条件での欠陥候補A44として検出する画像処理回路A45、及びデジタル画像より本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と第2の条件で比較し、差がある場所を第2の条件での欠陥候補B46として検出する画像処理回路B47、及び第1、第2の条件で検査した場合に抽出される欠陥候補A44、欠陥候補B46の座標、投影長、画像情報等の特徴量を選択、記憶し、最終的なパターン欠陥11を出力する欠陥選択記憶部48より構成される。
【0018】
第1の構成の第1の動作を説明する。電子線源1からの電子線2を偏向器3でX方向に偏向し、対物レンズ4を介して対象物基板5に照射し、同時にステージ6をY方向に連続で移動させながら、対象物基板5からの二次電子等7を検出器8で検出し、検出信号をA/D変換器9でA/D変換し、デジタル画像とし、高感度な画像処理条件A50(図示していない)を用いて画像処理回路10で本来同一であることが期待出来る場所のディジタル画像と比較し、差が有る場所を欠陥候補40とし、その座標、投影長、画像情報などの特徴量、又は画像データを欠陥候補記憶部41に記憶し、欠陥選択部42では低感度な画像処理条件B51(図示していない)を用いた場合に差が有ると判定されるかどうかを判断し、差が有る場合には画像処理条件A50、及び画像処理条件B51何れもでも欠陥となる情報を付加する。差が無い場合には画像処理条件A50でのみ欠陥となる情報を付加する。情報を付加しパターン欠陥11とする。パターン欠陥11には画像処理条件A50、画像処理条件B51で検査した場合に欠陥として判定されるかの情報が含まれている。この動作では設計情報42は用いていない。
【0019】
第1の構成の第2の動作を説明する。電子線源1からの電子線2を偏向器3でX方向に偏向し、対物レンズ4を介して対象物基板5に照射し、同時にステージ6をY方向に連続で移動させながら、対象物基板5からの二次電子等7を検出器8で検出し、検出信号をA/D変換器9でA/D変換し、デジタル画像とし、高感度な画像処理条件A50(図示していない)を用いて画像処理回路A44で本来同一であることが期待出来る場所のディジタル画像と比較し、差が有る場所を欠陥候補A45とし、その座標、投影長、画像情報などの特徴量、又は画像データを欠陥候補記憶部41に記憶し、欠陥選択部42では設計情報を用いて低感度な画像処理条件B51(図示していない)を用いるべきかを判断し、差が有る場合で有って、設計情報42で低感度で検査すべき場所と判定した場合には画像処理条件A50、及び画像処理条件B51何れもでも欠陥となる情報を付加する。それ以外の場合には画像処理条件A50でのみ欠陥となる情報を付加しパターン欠陥11とする。パターン欠陥11には画像処理条件A50、画像処理条件B51で検査した場合に欠陥として判定されるかの情報が含まれている。
【0020】
また、設計情報ではなく、欠陥候補記憶部41に記憶されている情報を用いて、例えばパターン密度が高い、又は画像の微分値の総和が大きい、又は低感度で検査すべき特定形状のパターンである等を用いて、設計情報42を用いない。又は設計情報42と欠陥候補記憶部41に記憶されている情報を併用する方法がある。例えば、設計情報42を用い冗長配線かどうかを判断し、冗長配線上は欠陥候補記憶部41に記憶されている寸法情報が特定寸法以上で有る場合に画像処理条件B51で欠陥と判定するとする。
【0021】
第2の構成の第1の動作を説明する。電子線源1からの電子線2を偏向器3でX方向に偏向し、対物レンズ4を介して対象物基板5に照射し、同時にステージ6をY方向に連続で移動させながら、対象物基板5からの二次電子等7を検出器8で検出し、検出信号をA/D変換器9でA/D変換し、デジタル画像とし、画像処理回路A45でデジタル画像より本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と高感度な画像処理条件A50である第1の条件で比較し、差がある場所を第1の条件での欠陥候補A44として判定する。画像処理回路B47でデジタル画像より本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と低感度な画像処理条件B51である第2の条件で比較し、差がある場所を第2の条件での欠陥候補B46として判定する。欠陥選択部43で欠陥候補A44の中で欠陥候補B46と同一座標である欠陥候補A44の情報に画像処理条件A50、及び画像処理条件B51何れもでも欠陥となる情報を付加する。これにより、高感度な画像処理条件A50、低感度な画像処理条件B51で欠陥として判定する情報が含まれている。この動作では設計情報42は用いていない。
【0022】
第2の構成の第2の動作を説明する。電子線源1からの電子線2を偏向器3でX方向に偏向し、対物レンズ4を介して対象物基板5に照射し、同時にステージ6をY方向に連続で移動させながら、対象物基板5からの二次電子等7を検出器8で検出し、検出信号をA/D変換器9でA/D変換し、デジタル画像とし、画像処理回路A45でデジタル画像より本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と高感度な画像処理条件A50である第1の条件で比較し、差がある場所を第1の条件での欠陥候補A44として判定する。画像処理回路B47でデジタル画像より本来同一である事が期待できる場所のデジタル画像と低感度な画像処理条件B51である第2の条件で比較し、差がある場所を第2の条件での欠陥候補B46として判定する。
【0023】
欠陥選択部43において欠陥候補A44の中で欠陥候補B46と同一座標である欠陥候補A44の情報に画像処理条件A50、及び画像処理条件B51何れもでも欠陥となる情報を仮に付加する。設計情報42で低感度で検査すべき場所と判定した場合で仮に付加された画像処理条件A50、及び画像処理条件B51何れもでも欠陥となる情報が有る場合に、真の画像処理条件A50、及び画像処理条件B51何れもでも欠陥となる情報を付加する。仮の情報のみの場合には画像処理条件A50でのみ欠陥となる情報を付加する。情報を付加しパターン欠陥11とする。パターン欠陥11には画像処理条件A50、画像処理条件B51で検査した場合に欠陥として判定されるかの情報が含まれている。また、設計情報ではなく、欠陥候補記憶部41に記憶されている情報を用いて、例えばパターン密度が高い、又は画像の微分値の総和が大きい、又は低感度で検査すべき特定形状のパターンである等を用いて、設計情報42を用いない。又は設計情報42と欠陥候補記憶部41に記憶されている情報を併用する方法がある。例えば、設計情報42を用い冗長配線かどうかを判断し、冗長配線上は欠陥候補記憶部41に記憶されている寸法情報が特定寸法以上で有る場合に画像処理条件B51で欠陥と判定するとする。
【0024】
これらにより、1回の検査で複数の検査条件での検査を実施することができる。また、設計情報を元にした場所、欠陥の存在する場所の検査時の画像情報を用いて画像処理の感度を変更することができる。また、パターンによらず同一の感度で検査することができる。また、同一の致命性である欠陥を検査することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、具体的な図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態を説明する。図6に第1の実施形態の構成を示す。
【0026】
電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線源1からの電子線2を電極で加速して取出し静電又は磁界重畳レンズで一定場所に仮想光源101を作る電子銃102と仮想光源101よりの電子線2を一定場所に収束させるコンデンサレンズ103と電子銃102で収束した位置の近傍に設置し電子線2のON/OFFを制御をするブランキングプレート104と電子線2をXY方向に偏向する偏向器105と電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4よりなる電子光学系106、及び対象物基板であるウェーハ31を真空に保持する試料室107、及びウェーハ31を搭載し任意の位置の画像検出を可能とするリターディング電圧108を印可したステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出器8で検出した検出信号をA/D変換器しデジタル画像を得るA/D変換器9、及びデジタル画像を記憶しておくメモリ109、及びメモリ109に記憶した記憶画像とA/D変換したデジタル画像を比較して、差がある場所を欠陥候補40として検出する画像処理回路10、欠陥候補40の座標、投影長、面積、限界しきい値DD(しきい値がこの値以下の場合に欠陥と検出されるしきい値)、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量を記憶する欠陥候補記憶部41、欠陥候補記憶部41よりの欠陥候補40に情報を付加したパターン欠陥11を出力する欠陥選択部43、装置全体の制御と欠陥選択部43からのパターン欠陥11を受け取る全体制御部110(全体制御部110からの制御線は図上では省略)、及び各種操作をする操作画面52、及び操作を指示するキーボード120とマウス121とつまみ122(いずれも非表示)、及びウェーハ31の高さを測定し対物レンズ4の電流値をオフセット112を加算して制御することで検出されるディジタル画像の焦点位置を一定に保つZセンサ113、及びカセット114内のウェーハ31を試料室107に出し入れするローダ116(非表示)、及びウェーハ31の外形形状を基準にウェーハ31を位置決めするオリフラ検出器117(非表示)、及びウェーハ31上のパターンを観察する為の光学式顕微鏡118、及びステージ6上に設けた標準試料片119よりなる。
【0027】
第1の実施形態の動作を説明する。動作にはN式のしきい値を設定する条件出しと、検出した欠陥候補40に夫々のしきい値の場合に欠陥となるかの情報を付加したパターン欠陥情報として出力する検査がある。
【0028】
条件出しは操作画面52に図7で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31のある棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、レシピ作成開始ボタン132を押すことで条件出しを開始する。条件出しには電子光学系の条件を設定するコントラスト設定、ウェーハ31のパターンレイアウト設定、ウェーハ31のパターンの位置決めをするアライメント、ウェーハ31の信号量を的確に表現する場所で信号量の確認をするキャリブレーション、画像処理しきい値の設定と確認をする画像処理条件設定がある。ここでは関連するコントラストの設定、画像処理条件の設定の2点について説明する。
【0029】
開始すると全体制御部110は各部に動作を以下の手順で指示する。ローダ116(非表示)に指示を出し、ローダ116はウェーハ31をカセット114から取出し、オリフラ検出器117(非表示)で外形形状を基準にウェーハを位置決めし、ステージ6にウェーハ31を搭載し、試料室107内を真空にする。搭載と共に、電子光学系106とリターディング電圧108の条件を設定し、ブランキングプレート104に電圧を印可して電子線2をOFFする。ステージを標準試料片119に移動し、Zセンサ113有効として焦点をZセンサ113の検出値値+オフセット112の一定に保ち、偏向器105をラスタスキャンし、スキャンに同期してブランキングプレート104の電圧を切り、電子線2を必要なときのみウェーハ31に照射し、その時ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でデジタル画像とする。
【0030】
オフセット112を変更してデジタル画像を複数枚検出し、検出毎に全体制御部110で最も画像の微分値の画像内総和が最高となる最適オフセット111を現在のオフセット値として設定する。設定後Zセンサ113を無効にし、画面を図8で示したコントラスト調整画面に遷移する。コントラスト調整画面はマップ表示とウェーハ全体又はダイ全体等とマップの表示方法を制御するボタンとマウス(図には非表示)で選択した時そこに移動する又そこの項目を選択するという動作を指示するマウス動作指示ボタン140を備えたマップ表示部55、及び画像を表示する部分と画像の倍率と光顕118での光顕画像又は電子光学系106でのSEM画像と画像の種類を指定する画像切替ボタン141を備えた画像表示部56、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134より構成される。
【0031】
コントラスト調整画面ではマウス動作指示ボタン140を移動モードにし、マウス121クリックでマップ上を移動し、その場所の画像を画像表示部に表示する。つまみ122に電子光学系調整項目を割り当て、電子光学系106の各部を調整して適切なコントラストを得る。レシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142はそれぞれレシピ作成の終了、及びレシピ条件の保存、及び別の条件の設定と画面遷移を指示するボタンで全画面共通である。レシピ作成項目選択ボタン142を画像処理条件設定画面に切り替えることで図9に示す画像処理条件設定画面に遷移する。
【0032】
画像処理条件設定画面はマップ表示部55、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及び検査開始ボタン143、及び検査終了ボタン144、及び初期しきい値設定部品145より構成される。マウス動作選択ボタン140は選択モードにしてある。ユーザがマップ表示部のダイをクリックすることで試しに検査の対象となるダイの選択/非選択を切り替え、検査対象とするダイを選択する。検査対象のダイを選定し、初期しきい値設定部品145で初期しきい値th0146(図示していない)を設定後、検査開始ボタン143で試し検査の開始を指示する。試し検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。
【0033】
オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図10に示した順で検査する。
【0034】
画像処理回路10で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し初期しきい値th0146以上の差がある場所を欠陥候補40として抽出し、欠陥候補40の座標、投影長、面積、限界しきい値(しきい値がこの値以下の場合に欠陥と検出されるしきい値)、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量を欠陥候補記憶部41に記憶する。欠陥候補記憶部41では欠陥候補40の限界しきい値DDがN式の検査しきい値thN(但しこの時点ではthNは1式でthN=th0)以上であるかどうかの情報を付加してパターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。全体制御部110では欠陥候補記憶部41からのパターン欠陥11の特徴量を受け取る。必要な領域の検査終了後に図11に示した欠陥確認画面を表示する。
【0035】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、表示する欠陥のしきい値の範囲(上限しきい値thh、下限しきい値thl)を設定する表示しきい値設定部品152、及びN式の検査しきい値thN147(図示していない)、及び表示しきい値設定部品152で設定したしきい値の範囲のうちの表示すべき欠陥候補のしきい値を切り替える表示切替ボタン151、現在の表示しきい値設定部品152で設定されている表示しきい値の上限thh、又は下限thl、又は任意のしきい値をN式の検査しきい値thN147のうちの1個に設定する検査しきい値設定部品153、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。表示切り換えボタン151を表示しきい値設定部品152で設定したしきい値を表示するモードとする。
【0036】
表示しきい値設定部品152の上下限しきい値thl、thhを設定する。thl、thhの設定を変更すると、各欠陥候補の限界しきい値DDとthl、thhを比較し、thl<DD<thhの欠陥候補のみをマップ表示部55に表示する。表示したマウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像情報として保存している検査時の画像、又は再度欠陥の場所に移動して画像を取得した画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。
【0037】
分類を付与するとマップ表示部で分類を表示図形、又は表示色等の違いとして識別可能とする。マップ表示部55に表示されている付与した分類を参考にN式の検査しきい値thN147をユーザが判断して決定する。決定した検査しきい値thNを検査しきい値設定部品153でN式の検査しきい値thN147のうちの1つに設定する。N式の検査しきい値thN147設定後に、表示切替ボタン151で検査しきい値thN147の表示モードに切換える。各欠陥候補のDDがDD>thNを満足する欠陥候補のみがマップ表示部55に表示され、検査しきい値thN147の妥当性を確認できる。この表示状態で検査しきい値設定部品153で検査しきい値thN147を変更するとマップ表示部55に表示される欠陥候補が変化する。この変化を見て検査しきい値thN147を微調整することができる。
【0038】
設定終了後に、レシピ保存ボタンで設定した初期しきい値th0146、N式の検査しきい値thN147などをレシピに保存する。また、検査終了ボタンで画像処理条件設定初期画面に戻る。また、必要に応じて結果保存ボタン(非表示)で検査結果を保存することができる。欠陥候補40として検出されるものは初期しきい値th0146以上の差をもつものである。従って、表示しきい値設定部品152、検査しきい値設定部品153で設定するしきい値はth0より大き必要がある。th0を十分小さく設定しておけば必要な値を設定可能である。
【0039】
画像処理条件設定初期画面では再度試し検査の検査ダイを設定し、試し検査を行うこともできる。確認終了で、レシピ終了ボタン133を押してレシピ作成を終了する。作成終了でウェーハ31をアンロードして元のカセット114に戻す。
次に、検査について説明する。検査は操作画面52に図7で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、検査開始ボタン330を押すことで検査を開始する。検査はウェーハのロード、アライメント、キャリブレーションを行った後、検査処理を行い、欠陥確認、欠陥出力後、ウェーハをアンロードして終了する。ここでは、本発明に関連のある検査処理と、欠陥確認について説明する。
【0040】
検査開始ボタン330で検査の開始を指示する。検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図10に示した順で検査する。
【0041】
画像処理回路10で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し初期しきい値th0146以上の差がある場所を欠陥候補40として抽出し、欠陥選択部143で欠陥候補40の限界しきい値DDがN式の検査しきい値thN以上であるかどうかの情報を付加してパターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。全体制御部110では欠陥候補記憶部41からのパターン欠陥11の特徴量を受け取り、必要な領域の検査終了後に図12に示した検査時欠陥確認画面を表示する。
【0042】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及びN式の検査しきい値thNを切り替える表示切替ボタン151、及び検査終了を指示する検査終了ボタン144より構成されている。マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。
【0043】
N式の検査しきい値thNを切り替える表示切替ボタン151で検査しきい値thNを切り換えてそのしきい値で欠陥となる欠陥候補のみを表示できる。また、表示切り換えボタン151で表示しきい値を表示するモードに切り換えて表示しきい値設定部品152で設定したしきい値範囲thlとthhの範囲の欠陥候補40を表示させることも出来る。検査終了ボタンで欠陥確認を終了し、結果を出力後に初期画面に戻る。
【0044】
本実施形態によると、N式のしきい値の検査結果を1回の検査で得ることができる。また、検査後にしきい値が妥当でなかった場合にしきい値を修正して確認することができる。また、しきい値の設定、結果の確認で検査時の画像を用いて確認できるため、検査対象に対して1回目に電子線を当てた時の画像を基に欠陥かどうかを判断できる。また、しきい値の設定、結果の確認で検査時の画像と再度検出した画像を切り換えて確認できるため、より正確に欠陥かどうかを判断できる。また、初期しきい値で欠陥候補を取出し、その情報を保持しているため、検査しきい値よりも高感度な条件で検査した場合に結果を得たい場合にも対応可能である。欠陥リストに画像情報を含んでいるため結果ファイルを基に、欠陥確認時に重要性を認識できなかった欠陥について後から検査時の画像を確認できる。また、画像処理条件設定の欠陥確認画面で検査結果の保存ができるため、1回のみの検査の場合に検査条件設定と検査結果出力を同時に行うことができる。
【0045】
本実施形態の第1変形は初期しきい値th0146をオペレータが設定しているが、装置自身が持つノイズ、統計的揺らぎで決まる最低限必要なしきい値に自動設定する、又は自動設定したものを最初にオペレータに提示することも出来る。本変形によると無意味に大量の真の欠陥で無い欠陥候補を検出する高感度なしきい値を設定することが無い。
【0046】
本実施形態の第2の変形は限界しきい値DDを画像処理回路10で計算しているが、欠陥選択部43で欠陥候補40の座標、投影長、面積、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量から演算する。特徴量としてN番目に大きい画像差を用いれば、一定面積以上の差が大きい場所を欠陥と定義すれば限界しきい値DDを演算できる。また、特徴量として画像情報(欠陥部と参照画像を中心に切り出した2枚の画像)を用いれば2枚の画像から再度、欠陥選択部と同等の欠陥判定することで限界しきい値DDを演算できる。本変形によると、画像処理回路10は従来の画像処理回路をそのまま用いることができ、欠陥選択部43をソフトウェアで構成すれば小さい開発工数で実現できる。
【0047】
本実施形態の第3の変形はN式の検査しきい値をオペレータが手動で設定したが、各欠陥の限界しきい値DDの頻度分布を用いて自動で演算する。例えば、図13にDDの頻度分布の一例を示す。一般に正常部のDDは小さく、欠陥部のDDは大きい。従って、頻度分布の谷にN式の検査しきい値のうちの1つを設定する。これにより、正常部と欠陥部を識別する検査しきい値を設定することが出来る。本変形によればオペレータが設定する必要が無い、又は設定をアシストすることができ、熟練しないオペレータであっても正確なしきい値設定が出来る。また、本実施形態の第4の変形は第3の実施形態で説明したDDの頻度分布を表示し、オペレータの検査しきい値の設定を容易にする。本変形によると視覚的に確認しながら検査しきい値を設定できる。
【0048】
本実施形態の第5の変形は限界しきい値DDを画像処理回路10で計算しているが、欠陥選択部43で欠陥候補40の座標、投影長、面積、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量から演算する。特徴量としてN番目に大きい画像差と参照画像のテクスチャを用いてテクスチャに応じて画像差にオフセットを加算すれば、パターン密度に応じた限界しきい値DDを演算できる。また、特徴量として画像情報(欠陥部と参照画像を中心に切り出した2枚の画像)を用いて2枚の画像から欠陥選択部と異なる方式で欠陥判定することでパターン密度に応じた限界しきい値DDを演算できる。本変形によると、パターン密度に応じて感度を変更できるため、背景のパターン密度によらない欠陥検出感度を設定できる。また、ソフトウェアを変更することにより感度条件を柔軟に設定できる。
本実施形態の第6の変形は欠陥選択部43でN式の画像処理方式と感度で欠陥判定する。これにより、単純なしきい値の調整ではなく、より柔軟なユーザニーズに合せた判定方法を選択、感度調整できる。
【0049】
本実施形態の第7の変形は欠陥候補記憶部41に記憶する欠陥候補40は一定の個数に達した場合に限界しきい値DDの大きいものを残し、小さいものを上書きする。または、削除すべき欠陥候補を一定基準で選択して削除フラグを立て、削除フラグのついた欠陥候補を追加する欠陥候補で上書きする。本変形によれば、限定された欠陥候補記憶部43の容量でもシステムを構成できる。
【0050】
本実施形態の第8の変形は画像処理回路10での特徴量にM式のしきい値で検査した場合に欠陥となるかの情報を欠陥候補40の特徴量として出力するようにし、N式の検査しきい値thN147を設定する場合にはM式の中から選択する形式とする。本変形によれば、限界しきい値DDの演算が不要である。また、単本実施例の第9の変形はM式の検査条件で検査した場合に欠陥となるかの情報を欠陥候補40の特徴量として出力する。本変形によればしきい値は単純な純なしきい値でなく例えばランクバリューフィルタなどのノイズ欠陥除去パラメータや面積しきい値などの画像処理パラメータを変更することができ、より柔軟にユーザニーズにこたえることができる。尚、本変形には画像処理回路自体をM式持つ方式をも含んでいる。
【0051】
本実施形態の第9の変形は欠陥確認は一旦検査結果を記憶媒体に保存し、保存した検査結果を読み出して行う。本変形によれば検査対象であるウェーハが無くとも、検査時の画像情報を基に欠陥確認できる特徴がある。また、検査後に判定条件やしきい値条件等の画像処理条件を変更した場合の検査結果を得ることができる特徴がある。
【0052】
本実施形態の第10の変形は検出手段として光を用いる方式の例である。光学式の装置の構成を図14に示す。
【0053】
光源21、及び光源21よりの光をハーフミラー(番号未設定)を介して対象物基板であるウェーハ31上に収束させる対物レンズ22、及び試料室107、及びウェーハ31を搭載し任意の位置の画像検出を可能とするステージ6、及びウェーハ31からの反射光を検出する一次元のイメージセンサ23、及び二次元のイメージセンサ450、及びイメージセンサ23と二次元イメージセンサ450の信号を切り替えるスイッチ451、及び切り替えた検出信号をA/D変換器しデジタル画像を得るA/D変換器9、及びデジタル画像を記憶しておくメモリ109、及びメモリ109に記憶した記憶画像とA/D変換したデジタル画像を比較して、差がある場所を欠陥候補40として検出する画像処理回路10、欠陥候補40の座標、投影長、面積、限界しきい値DD(しきい値がこの値以下の場合に欠陥と検出されるしきい値)、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量を記憶する欠陥候補記憶部41、欠陥候補記憶部41よりの欠陥候補40に情報を付加したパターン欠陥11を出力する欠陥選択部43、装置全体の制御と欠陥選択部43からのパターン欠陥11を受け取る全体制御部110(全体制御部110からの制御線は図上では省略)、及び各種操作をする操作画面52、及び操作を指示するキーボード120とマウス121とつまみ122(いずれも非表示)、及びウェーハ31の高さを測定し対物レンズ4の電流値をオフセット112を加算して制御することで検出されるディジタル画像の焦点位置を一定に保つZセンサ113、及びカセット114内のウェーハ31を試料室107に出し入れするローダ116(非表示)、及びウェーハ31の外形形状を基準にウェーハ31を位置決めするオリフラ検出器117(非表示)、及びステージ6上に設けた標準試料片119よりなる。
【0054】
次に動作を説明する。動作にはSEM式と同様にN式のしきい値を設定する条件出しと、検出した欠陥候補40に夫々のしきい値の場合に欠陥となるかの情報を付加したパターン欠陥情報として出力する検査がある。ここではSEM式との差異のある部分のみについて説明する。条件設定を開始すると全体制御部110は各部に動作を以下の手順で指示する。ローダ116(非表示)に指示を出し、ローダ116はウェーハ31をカセット114から取出し、オリフラ検出器117(非表示)で外形形状を基準にウェーハを位置決めし、ステージ6にウェーハ31を搭載する。ステージ6を標準試料片119に移動し、Zセンサ113有効として対物レンズ22の位置をZセンサ113の検出値値+オフセット112の一定に保つ事で焦点位置を調整する。
【0055】
スイッチ451を二次元イメージセンサ451に切り替え、イメージセンサ450で検出した信号をA/D変換器9でデジタル画像とする。オフセット112を変更してデジタル画像を複数枚検出し、検出毎に全体制御部110で最も画像の微分値の画像内総和が最高となる最適オフセット111を現在のオフセット値として設定する。設定後Zセンサ113を無効にし、画面を図8で示したコントラスト調整画面に遷移する。
【0056】
コントラスト調整画面はマップ表示とウェーハ全体又はダイ全体等とマップの表示方法を制御するボタンとマウス(図には非表示)で選択した時そこに移動する又そこの項目を選択するという動作を指示するマウス動作指示ボタン140を備えたマップ表示部55、及び二次元イメージセンサ450で検出した画像を表示する部分と画像のデジタルでズーミングした倍率を指定する画像切替ボタン141を備えた画像表示部56、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134より構成される。
【0057】
コントラスト調整画面ではマウス動作指示ボタン140を移動モードにし、マウス121クリックでマップ上を移動し、その場所の画像を画像表示部に表示する。つまみ122をオフセット112に割り当て、調整して適切なコントラストを得る。この時の調整値をウェーハ固有のオフセットとして記憶する。レシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142はそれぞれレシピ作成の終了、及びレシピ条件の保存、及び別の条件の設定と画面遷移を指示するボタンで全画面共通である。レシピ作成項目選択ボタン142を画像処理条件設定画面に切り替えることで図9に示す画像処理条件設定画面に遷移する。
【0058】
試し検査開始画面はマップ表示部55、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及び検査開始ボタン143、及び検査終了ボタン144、及び初期しきい値設定部品145より構成される。マウス動作選択ボタン140は選択モードにしてある。ユーザがマップ表示部のダイをクリックすることで試しに検査の対象となるダイの選択/非選択を切り替え、検査対象とするダイを選択する。検査対象のダイを選定し、初期しきい値設定部品145で初期しきい値th0146(図示していない)を設定後、検査開始ボタン143で試し検査の開始を指示する。試し検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。
【0059】
オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、スイッチ451をイメージセンサ23に切り替える。図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、反射光をイメージセンサ23で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図10に示した順で検査する。本変形によれば光学式の検査装置でウェーハ31を検査できるためSEM式とは異なった欠陥種を検出可能な特徴がある。
【0060】
本実施例の第11の変形の構成を図15に示す。図はネットワーク500に接続した構成を示している。ネットワーク500にはサーバ501、及び検査装置A502、及び検査装置B503、及びレビュー装置504、及び欠陥確認装置505を接続する。検査装置A502、又は検査装置B503で検出したパターン欠陥11の情報をネットワーク経由で一旦サーバ501に記憶する。ウェーハ31を検査装置A502、又は検査装置B503から取り出し、レビュー装置504に設定する。
【0061】
レビュー時に図12に示した検査時欠陥確認画面を表示する。この時、画像表示部56に表示する画像は検査装置A502、又は検査装置B503が検査時に取得した画像、又はレビュー装置で欠陥位置に移動して取得した画像を切り替えて表示できる。これによりレビュー装置で検査時の画像を確認できる。また、検査しきい値設定部品153を切り替えることでレビュー装置上でN式の検査しきい値thN147を切り替えて確認できる。また、表示しきい値設定部品152を調整することで表示するしきい値を調整できる。
【0062】
これらにより、レビュー装置上で多くの情報を得ることができ、必要な判断を正確に下すことができる。また、レビュー装置上の自動欠陥分類機能に検査時の画像情報を用いることで、一部のシーケンスを簡略化したり、より正確な分類ができる特徴がある。また、欠陥確認装置505ではウェーハ31はハンドリングしないが、パターン欠陥11の情報を解析する装置である。
【0063】
画像表示部56に表示する画像は検査装置A502、又は検査装置B503が検査時に取得した画像を表示できる。これにより欠陥確認装置505での解析時に検査時の画像を確認できる。また、検査しきい値設定部品153を切り替えることでレビュー装置上でN式の検査しきい値thN147を切り替えて確認できる。また、表示しきい値設定部品152を調整することで表示するしきい値を調整できる。これらにより、欠陥確認装置505上で多くの情報を得ることができ、必要な判断を正確に下すことができる。
【0064】
また、欠陥確認装置で複数枚のウェーハの情報を扱う場合に、表示しきい値を変えた場合の情報変化、複数の検査しきい値thN147を切り替えたときの情報変化を確認できる。また、解析の過程で特定の場所の欠陥について情報が更に必要となった場合に、対象となるウェーハが既に無くなった後でも検査時の画像を確認できる。これらにより、複数枚のウェーハの統計解析時により多くの情報を得ることができ、正確に判断できる。また、ウェーハがメモリ製品の場合にはフェイルビットマップとの突き合わせ時、その他の製品であっても電気的特性検査時に特定場所の欠陥が問題になることがある。対象となるウェーハが既にに無くなった後でも検査時の画像を確認できる。これらにより、フェイルビットマップとの突き合わせ時、電気的特性検査時により多くの情報を得ることができ、正確に判断できる。
【0065】
尚、情報はサーバ501を介して転送すると説明したが、直接必要な装置に転送することもできる。小規模なシステム構成時に有効な特徴がある。
【0066】
尚、情報の転送をネットワーク経由で説明したが、フロッピーディスク、Moディスク、DVDRAM、テープ等の記憶媒体を用いても良い。この場合、転送する情報を一定期間、例えばウェーハの製造が完了するまでの期間、又は半永久的に保管しておき、必要なときに取り出して確認できる特徴がある。
【0067】
本実施例の第12の変形を説明する。検査時欠陥確認画面を図12ではなく図11を用いる。これにより、実際の検査であっても検査しきい値を変更できる。より柔軟に条件設定ができる特徴がある。
【0068】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施形態を説明する。図16に第2の実施形態の構成を示す。
【0069】
電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線源1からの電子線2を電極で加速して取出し静電又は磁界重畳レンズで一定場所に仮想光源101を作る電子銃102と仮想光源101よりの電子線2を一定場所に収束させるコンデンサレンズ103と電子銃102で収束した位置の近傍に設置し電子線2のON/OFFを制御をするブランキングプレート104と電子線2をXY方向に偏向する偏向器105と電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4よりなる電子光学系106、及び対象物基板であるウェーハ31を真空に保持する試料室107、及びウェーハ31を搭載し任意の位置の画像検出を可能とするリターディング電圧108を印可したステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出器8で検出した検出信号をA/D変換器しデジタル画像を得るA/D変換器9、及びデジタル画像を記憶しておくメモリ109、及びメモリ109に記憶した記憶画像とA/D変換したデジタル画像を比較して、差がある場所を欠陥候補A44(欠陥候補A44には座標、投影長、面積、限界しきい値DD(しきい値がこの値以下の場合に欠陥と検出されるしきい値)、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量を含んでいる)として検出する画像処理回路A45、及びメモリ109に記憶した記憶画像とA/D変換したデジタル画像を比較して、差がある場所を欠陥候補B46(欠陥候補B46には座標、投影長、面積、限界しきい値DD(しきい値がこの値以下の場合に欠陥と検出されるしきい値)、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量を含んでいる。)として検出する画像処理回路B47、及び欠陥候補A44と欠陥候補B46を選択して記憶する欠陥選択記憶部48、及び装置全体の制御と欠陥選択記憶部48からのパターン欠陥11を受け取る全体制御部110(全体制御部110からの制御線は図上では省略)、及び各種操作をする操作画面52、及び操作を指示するキーボード120とマウス121とつまみ122(いずれも非表示)、及びウェーハ31の高さを測定し対物レンズ4の電流値をオフセット112を加算して制御することで検出されるディジタル画像の焦点位置を一定に保つZセンサ113、及びカセット114内のウェーハ31を試料室107に出し入れするローダ116(非表示)、及びウェーハ31の外形形状を基準にウェーハ31を位置決めするオリフラ検出器117(非表示)、及びウェーハ31上のパターンを観察する為の光学式顕微鏡118、及びステージ6上に設けた標準試料片119よりなる。
【0070】
第2の実施形態の動作を説明する。動作にはN式のしきい値を設定する条件出しと、検出した欠陥候補40に夫々のしきい値の場合に欠陥となるかの情報を付加したパターン欠陥情報として出力する検査がある。
【0071】
条件出しは操作画面52に図7で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31のある棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、レシピ作成開始ボタン132を押すことで条件出しを開始する。条件出しには電子光学系の条件を設定するコントラスト設定、ウェーハ31のパターンレイアウト設定、ウェーハ31のパターンの位置決めをするアライメント、ウェーハ31の信号量を的確に表現する場所で信号量の確認をするキャリブレーション、画像処理しきい値の設定と確認をする画像処理条件設定がある。ここでは関連するコントラストの設定、画像処理条件の設定の2点について説明する。
【0072】
開始すると全体制御部110は各部に動作を以下の手順で指示する。ローダ116(非表示)に指示を出し、ローダ116はウェーハ31をカセット114から取出し、オリフラ検出器117(非表示)で外形形状を基準にウェーハを位置決めし、ステージ6にウェーハ31を搭載し、試料室107内を真空にする。搭載と共に、電子光学系106とリターディング電圧108の条件を設定し、ブランキングプレート104に電圧を印可して電子線2をOFFする。
【0073】
ステージを標準試料片119に移動し、Zセンサ113有効として焦点をZセンサ113の検出値値+オフセット112の一定に保ち、偏向器105をラスタスキャンし、スキャンに同期してブランキングプレート104の電圧を切り、電子線2を必要なときのみウェーハ31に照射し、その時ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でデジタル画像とする。オフセット112を変更してデジタル画像を複数枚検出し、検出毎に全体制御部110で最も画像の微分値の画像内総和が最高となる最適オフセット111を現在のオフセット値として設定する。
【0074】
設定後、Zセンサ113を無効にし、画面を図8で示したコントラスト調整画面に遷移する。コントラスト調整画面はマップ表示とウェーハ全体又はダイ全体等とマップの表示方法を制御するボタンとマウス(図には非表示)で選択した時そこに移動する又そこの項目を選択するという動作を指示するマウス動作指示ボタン140を備えたマップ表示部55、及び画像を表示する部分と画像の倍率と光顕118での光顕画像又は電子光学系106でのSEM画像と画像の種類を指定する画像切替ボタン141を備えた画像表示部56、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134より構成される。コントラスト調整画面ではマウス動作指示ボタン140を移動モードにし、マウス121クリックでマップ上を移動し、その場所の画像を画像表示部に表示する。つまみ122に電子光学系調整項目を割り当て、電子光学系106の各部を調整して適切なコントラストを得る。
【0075】
レシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142はそれぞれレシピ作成の終了、及びレシピ条件の保存、及び別の条件の設定と画面遷移を指示するボタンで全画面共通である。レシピ作成項目選択ボタン142を画像処理条件設定画面に切り替えることで図17に示す画像処理条件設定画面に遷移する。
【0076】
試し検査開始画面はマップ表示部55、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及び検査開始ボタン143、及び検査終了ボタン144、及び画像処理回路A45のしきい値設定部品A410、及び画像処理回路B47のしきい値設定部品B411より構成される。マウス動作選択ボタン140は選択モードにしてある。ユーザがマップ表示部のダイをクリックすることで試しに検査の対象となるダイの選択/非選択を切り替え、検査対象とするダイを選択する。検査対象のダイを選定し、しきい値設定部品A410、及びしきい値設定部品B411でしきい値thA412、thB413(図示していない)を設定後、検査開始ボタン143で試し検査の開始を指示する。
【0077】
試し検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図10に示した順で検査する。
【0078】
画像処理回路A45、画像処理回路B47で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較しそれぞれしきい値thA412、thB413以上の差がある場所をそれぞれ欠陥候補A44、欠陥候補B46として抽出し、欠陥選択記憶部48で欠陥情報をマージして欠陥候補A44のみに現れるか、欠陥候補B46に現れるか、双方に現れるかの情報を付加してパターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。全体制御部110では欠陥候補記憶部41からのパターン欠陥11の特徴量を受け取る。必要な領域の検査終了後に図18に示した欠陥確認画面を表示する。
【0079】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及び欠陥候補A44と欠陥候補B46の表示を切り替える表示切替ボタン151、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。表示切り換えボタン151で表示する欠陥候補A44と欠陥候補B46を切り換える。
【0080】
マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像情報として保存している検査時の画像、又は再度欠陥の場所に移動して画像を取得した画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。分類を付与するとマップ表示部で分類を表示図形、又は表示色等の違いとして識別可能とする。オペレータはマップ表示部55に表示されている付与した分類を参考にしきい値thA412とthB413の妥当性を確認する。設定が良くない場合には画像処理条件設定画面に戻り再度条件設定、検査、欠陥確認をする。設定終了後に、レシピ保存ボタンで設定したしきい値thA412とthB413などをレシピに保存する。また、検査終了ボタンで試し検査初期画面に戻る。
【0081】
保存終了後に完了ボタン161で試し検査の欠陥確認画面に戻る。更に、欠陥確認画面の検査終了ボタン144で試し検査初期画面に戻る。再度試し検査の検査ダイを設定し、試し検査を行うこともできる。確認終了で、レシピ終了ボタン133を押してレシピ作成を終了する。作成終了でウェーハ31をアンロードして元のカセット114に戻す。
【0082】
次に、検査について説明する。検査は操作画面52に図7で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、検査開始ボタン330を押すことで検査を開始する。検査はウェーハのロード、アライメント、キャリブレーションを行った後、検査処理を行い、欠陥確認、欠陥出力後、ウェーハをアンロードして終了する。ここでは、本発明に関連のある検査処理と、欠陥確認について説明する。
【0083】
検査開始ボタン330で検査の開始を指示する。検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図10に示した順で検査する。
【0084】
画像処理回路A45、画像処理回路B47で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較しそれぞれしきい値thA412とthB413以上の差がある場所をそれぞれ欠陥候補A44、欠陥候補B46として抽出し、欠陥選択記憶部148でパターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。全体制御部110では欠陥候補記憶部41からのパターン欠陥11の特徴量を受け取り、必要な領域の検査終了後に図19に示した欠陥確認画面を表示する。
【0085】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及び欠陥候補A44と欠陥候補B46を切り替える表示切替ボタン151、及び検査終了を指示する検査終了ボタン144より構成されている。マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。N式の検査しきい値thNを切り替える表示切替ボタン151で検査しきい値thNを切り換えてそのしきい値で欠陥となる欠陥候補のみを表示できる。検査終了ボタンで欠陥確認を終了し、結果を出力後に初期画面に戻る。
【0086】
本実施形態によると、N式のしきい値の検査結果を1回の検査で得ることができる。また、しきい値の設定、結果の確認で検査時の画像を用いて確認できるため、検査対象に対して1回目に電子線を当てた時の画像を基に欠陥かどうかを判断できる。また、しきい値の設定、結果の確認で検査時の画像と再度検出した画像を切り換えて確認できるため、より正確に欠陥かどうかを判断できる。欠陥リストに画像情報を含んであるため結果ファイルを基に、欠陥確認時に重要性を認識できなかった欠陥について後から検査時の画像を確認できる。
【0087】
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施形態を説明する。図20に第3の実施形態の構成を示す。電子線2を発生させる電子線源1、及び電子線源1からの電子線2を電極で加速して取出し静電又は磁界重畳レンズで一定場所に仮想光源101を作る電子銃102と仮想光源101よりの電子線2を一定場所に収束させるコンデンサレンズ103と電子銃102で収束した位置の近傍に設置し電子線2のON/OFFを制御をするブランキングプレート104と電子線2をXY方向に偏向する偏向器105と電子線2を対象物基板5上に収束させる対物レンズ4よりなる電子光学系106、及び対象物基板であるウェーハ31を真空に保持する試料室107、及びウェーハ31を搭載し任意の位置の画像検出を可能とするリターディング電圧108を印可したステージ6、及び対象物基板5からの二次電子等7を検出する検出器8、及び検出器8で検出した検出信号をA/D変換器しデジタル画像を得るA/D変換器9、及びデジタル画像を記憶しておくメモリ109、及びメモリ109に記憶した記憶画像とA/D変換したデジタル画像を比較して、差がある場所を欠陥候補40として検出する画像処理回路10、欠陥候補40の座標、投影長、面積、限界しきい値DD(しきい値がこの値以下の場合に欠陥と検出されるしきい値)、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量を記憶する欠陥候補記憶部41、欠陥候補記憶部41よりの欠陥候補40に設計情報42をもとに情報を付加してパターン欠陥11を出力する欠陥選択部43、装置全体の制御と欠陥選択部43からのパターン欠陥11を受け取る全体制御部110(全体制御部110からの制御線は図上では省略)、及び各種操作をする操作画面52、及び操作を指示するキーボード120とマウス121とつまみ122(いずれも非表示)、及びウェーハ31の高さを測定し対物レンズ4の電流値をオフセット112を加算して制御することで検出されるディジタル画像の焦点位置を一定に保つZセンサ113、及びカセット114内のウェーハ31を試料室107に出し入れするローダ116(非表示)、及びウェーハ31の外形形状を基準にウェーハ31を位置決めするオリフラ検出器117(非表示)、及びウェーハ31上のパターンを観察する為の光学式顕微鏡118、及びステージ6上に設けた標準試料片119よりなる。
【0088】
第3の実施形態の動作を説明する。動作には設計情報をもとにしきい値を設定する条件出しと、検出した欠陥候補40に領域毎に感度を調整した場合に欠陥となるかの情報を付加したパターン欠陥情報として出力する検査がある。
【0089】
条件出しは操作画面52に図7で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31のある棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、レシピ作成開始ボタン132を押すことで条件出しを開始する。条件出しには電子光学系の条件を設定するコントラスト設定、ウェーハ31のパターンレイアウト設定、ウェーハ31のパターンの位置決めをするアライメント、ウェーハ31の信号量を的確に表現する場所で信号量の確認をするキャリブレーション、画像処理しきい値の設定と確認をする画像処理条件設定がある。ここでは関連するコントラストの設定、画像処理条件の設定の2点について説明する。
【0090】
開始すると全体制御部110は各部に動作を以下の手順で指示する。ローダ116(非表示)に指示を出し、ローダ116はウェーハ31をカセット114から取出し、オリフラ検出器117(非表示)で外形形状を基準にウェーハを位置決めし、ステージ6にウェーハ31を搭載し、試料室107内を真空にする。搭載と共に、電子光学系106とリターディング電圧108の条件を設定し、ブランキングプレート104に電圧を印可して電子線2をOFFする。
【0091】
ステージを標準試料片119に移動し、Zセンサ113有効として焦点をZセンサ113の検出値値+オフセット112の一定に保ち、偏向器105をラスタスキャンし、スキャンに同期してブランキングプレート104の電圧を切り、電子線2を必要なときのみウェーハ31に照射し、その時ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でデジタル画像とする。オフセット112を変更してデジタル画像を複数枚検出し、検出毎に全体制御部110で最も画像の微分値の画像内総和が最高となる最適オフセット111を現在のオフセット値として設定する。
【0092】
設定後、Zセンサ113を無効にし、画面を図8で示したコントラスト調整画面に遷移する。コントラスト調整画面はマップ表示とウェーハ全体又はダイ全体等とマップの表示方法を制御するボタンとマウス(図には非表示)で選択した時そこに移動する又そこの項目を選択するという動作を指示するマウス動作指示ボタン140を備えたマップ表示部55、及び画像を表示する部分と画像の倍率と光顕118での光顕画像又は電子光学系106でのSEM画像と画像の種類を指定する画像切替ボタン141を備えた画像表示部56、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134より構成される。コントラスト調整画面ではマウス動作指示ボタン140を移動モードにし、マウス121クリックでマップ上を移動し、その場所の画像を画像表示部に表示する。つまみ122に電子光学系調整項目を割り当て、電子光学系106の各部を調整して適切なコントラストを得る。
【0093】
レシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142はそれぞれレシピ作成の終了、及びレシピ条件の保存、及び別の条件の設定と画面遷移を指示するボタンで全画面共通である。レシピ作成項目選択ボタン142を画像処理条件設定画面に切り替えることで図9に示す画像処理条件設定画面に遷移する。
【0094】
試し検査開始画面はマップ表示部55、及びレシピ作成終了ボタン133、及びレシピ保存ボタン134、及びレシピ作成項目選択ボタン142、及び検査開始ボタン143、及び検査終了ボタン144、及び初期しきい値設定部品145より構成される。マウス動作選択ボタン140は選択モードにしてある。ユーザがマップ表示部のダイをクリックすることで試しに検査の対象となるダイの選択/非選択を切り替え、検査対象とするダイを選択する。検査対象のダイを選定し、初期しきい値設定部品145で初期しきい値th0146(図示していない)を設定後、検査開始ボタン143で試し検査の開始を指示する。
【0095】
試し検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図10に示した順で検査する。
【0096】
画像処理回路10で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し初期しきい値th0146以上の差がある場所を欠陥候補40として抽出し、欠陥候補40の座標、投影長、面積、限界しきい値(しきい値がこの値以下の場合に欠陥と検出されるしきい値)、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量を欠陥候補記憶部41に記憶する。欠陥選択部43では欠陥候補40の限界しきい値DDがN式の検査しきい値thI(但しこの時点ではthIは1式でthN=th0)以上であるかどうかの情報を付加してパターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。全体制御部110では欠陥選択部43からのパターン欠陥11の特徴量を受け取る。必要な領域の検査終了後に図11に示した欠陥確認画面を表示する。
【0097】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、表示する欠陥のしきい値の範囲(上限しきい値thh、下限しきい値thl)を設定する表示しきい値設定部品152、及び設計情報42を基に高感度で検査したい一定以上のパターン密度を持つ又は特定の材質で構成された領域などの欠陥候補のみを表示する表示切替ボタン151、現在の表示しきい値設定部品152で設定されている表示しきい値の上限thh、又は下限thl、又は任意のしきい値を設計情報の条件毎に設定する検査しきい値設定部品153、及びすでに説明した各種ボタンで構成されている。
【0098】
表示しきい値設定部品152の上下限しきい値thl、thhを設定する。thl、thhの設定を変更すると、各欠陥候補の限界しきい値DDとthl、thhを比較し、thl<DD<thhの欠陥候補のみをマップ表示部55に表示する。
【0099】
表示したマウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像情報として保存している検査時の画像、又は再度欠陥の場所に移動して画像を取得した画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。分類を付与するとマップ表示部で分類を表示図形、又は表示色等の違いとして識別可能とする。
【0100】
マップ表示部55に表示されている付与した分類を参考に設計情報の条件毎の検査しきい値thI420(表示していない)をユーザが判断して決定する。決定した検査しきい値を検査しきい値設定部品153で現在の設計情報の条件毎の検査しきい値thI420に設定する。設定終了後に、レシピ保存ボタンで設定した初期しきい値th0146、設計情報の条件毎の検査しきい値thI420などをレシピに保存する。また、検査終了ボタンで試し検査初期画面に戻る。欠陥候補40として検出されるものは初期しきい値th0146以上の差をもつものである。従って、表示しきい値設定部品152、検査しきい値設定部品153で設定するしきい値はth0より大き必要がある。th0を十分小さく設定しておけば必要な値を設定可能である。
【0101】
保存終了後に完了ボタン161で試し検査の欠陥確認画面に戻る。更に、欠陥確認画面の検査終了ボタン144で試し検査初期画面に戻る。再度試し検査の検査ダイを設定し、試し検査を行うこともできる。確認終了で、レシピ終了ボタン133を押してレシピ作成を終了する。作成終了でウェーハ31をアンロードして元のカセット114に戻す。
【0102】
次に、検査について説明する。検査は操作画面52に図7で示した開始画面を表示し、ユーザが対象となるウェーハ31の存在する棚番を棚番選択部品130で選択し、レシピ選定部品131で対象となるウェーハ31の品種、工程を指定し、検査開始ボタン330を押すことで検査を開始する。検査はウェーハのロード、アライメント、キャリブレーションを行った後、検査処理を行い、欠陥確認、欠陥出力後、ウェーハをアンロードして終了する。ここでは、本発明に関連のある検査処理と、欠陥確認について説明する。
【0103】
検査開始ボタン330で検査の開始を指示する。検査を開始するとステージ6を移動し、搭載したウェーハ31の検査すべき領域の走査開始位置に移動する。オフセット112に予め測定しておいたウェーハ固有のオフセットを加算して設定し、Zセンサ113を有効にし、図3に示した走査線33に沿ってステージ6をY方向走査し、ステージ走査に同期して偏向器105をX方向に走査し、有効走査時にブランキングプレート104の電圧を切り電子線2をウェーハ31に照射、走査する。ウェーハ31より発生する反射電子又は二次電子を検出器8で検出、A/D変換器9でストライプ領域34のデジタル画像を得、メモリ109に記憶する。ステージ6の走査終了後Zセンサ113を無効とする。ステージ走査を繰り返すことで必要な領域全面の検査をする。ウェーハ31の全面を検査する場合には図10に示した順で検査する。
【0104】
画像処理回路10で検出位置A 35を検出している場合にはメモリ109に記憶した検出位置B 36の画像と比較し初期しきい値th0146以上の差がある場所を欠陥候補40として抽出し、欠陥選択部143で欠陥候補40の限界しきい値DDが設計情報の条件毎に設定した検査しきい値thI以上であるかどうかの情報を付加してパターン欠陥11のリストを作成し、全体制御部110に送信する。全体制御部110では欠陥候補記憶部41からのパターン欠陥11の特徴量を受け取り、必要な領域の検査終了後に図12に示した検査時欠陥確認画面を表示する。
【0105】
欠陥確認画面は、欠陥の特徴量を表示、分類を編集できる欠陥表示編集部品150、及び現在位置を示す現在位置表示59と分類番号を記号表示したパターン欠陥11をウェーハ31のレイアウト情報とともに表示したマップ表示部55、及び現在の位置の画像を表示した画像表示部56、及び設計情報42を基に高感度で検査したい一定以上のパターン密度を持つ又は特定の材質で構成された領域などの欠陥候補のみを表示する表示切替ボタン151、及び検査終了を指示する検査終了ボタン144より構成されている。
【0106】
マウス動作指示ボタン140を選択モードとし、パターン欠陥11をクリックすることでその画像を画像表示部56、特徴量を欠陥表示編集部品150に表示する。画像と特徴量を基にパターン欠陥11を分類し、欠陥表示編集部品150で分類番号をそのパターン欠陥11の特徴量に付与する。設計情報42を基に特定の領域の欠陥候補のみを表示する表示切替ボタン151で検査しきい値thIを切り換えてその特定領域でその領域の検査しきい値thIで欠陥となる欠陥候補のみを表示できる。また、表示しきい値設定部品152で設定したしきい値範囲thlとthhの範囲の欠陥候補40を表示させることも出来る。検査終了ボタンで欠陥確認を終了し、結果を出力後に初期画面に戻る。
【0107】
本実施形態によると、設計情報42を基に特定の領域の毎に異なる画像処理条件の検査結果を得ることができる。また、検査後にしきい値が妥当でなかった場合にしきい値を修正して確認することができる。また、しきい値の設定、結果の確認で検査時の画像を用いて確認できるため、検査対象に対して1回目に電子線を当てた時の画像を基に欠陥かどうかを判断できる。また、しきい値の設定、結果の確認で検査時の画像と再度検出した画像を切り換えて確認できるため、より正確に欠陥かどうかを判断できる。また、初期しきい値で欠陥候補を取出し、その情報を保持しているため、検査しきい値よりも高感度な条件で検査した場合に結果を得たい場合にも対応可能である。欠陥リストに画像情報を含んであるため結果ファイルを基に、欠陥確認時に重要性を認識できなかった欠陥について後から検査時の画像を確認できる。
【0108】
本実施形態の第1変形は初期しきい値th0146をオペレータが設定しているが、装置自身が持つノイズ、統計的揺らぎで決まる最低限必要なしきい値に自動設定する、又は自動設定したものを最初にオペレータに提示することも出来る。
【0109】
本変形例によると、無意味に大量の真の欠陥でない欠陥候補を検出する高感度なしきい値を設定することがない。
【0110】
本実施形態の第2変形例は、限界しきい値DDを画像処理回路10で計算しているが、欠陥選択部43で欠陥候補40の座標、投影長、面積、差画像平均値、差画像分散、最大画像差、欠陥画像テクスチャ、参照画像テクスチャ、画像情報等の特徴量から演算する。特徴量としてN番目に大きい画像差を用いれば、一定面積以上の差が大きい場所を欠陥と定義すれば限界しきい値DDを演算できる。また、特徴量として画像情報(欠陥部と参照画像を中心に切り出した2枚の画像)を用いれば2枚の画像から再度、欠陥選択部で欠陥判定することで限界しきい値DDを演算できる。
【0111】
本変形例によると、画像処理回路10は従来の画像処理回路をそのまま用いることができ、欠陥選択部43をソフトウェアで構成すれば小さい開発工数で実現できる。
【0112】
【発明の効果】
本発明によると、対象物基板を検査して1回の検査でN式の画像処理方式やしきい値などの画像処理条件の結果を同時に得ることが出来る。
【0113】
また、本発明によると設計情報、又は検査時の画像情報を含む特徴量を基に検査感度をパターン密度、パターン形状、材質に応じて変更できる特徴がある。
【0114】
また、本発明によると設計情報、又は検査時の画像情報を含む特徴量を基に検査感度をパターン密度、材質に応じて変更することで検査感度を一定に保つ、又は致命欠陥の検出感度を一定に保つことができる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電子線式パターン検査装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】従来の光学式パターン検査装置の概略構成を示す正面図である。
【図3】ウェーハのレイアウトを示す平面図である。
【図4】本発明の第1の解決手段の構成を示す電子線式パターン検査装置の正面図である。
【図5】本発明の第2の解決手段の構成を示す電子線式パターン検査装置の正面図である。
【図6】第1の実施形態の構成を示す電子線式パターン検査装置の正面図である。
【図7】第1の実施形態の開始画面を示す表示画面の正面図である。
【図8】第1の実施形態のレシピ作成のコントラスト設定画面を示す表示画面の正面図である。
【図9】第1の実施形態のレシピ作成の試し検査初期画面を示す表示画面の正面図である。
【図10】第1の実施形態の走査順を示すウェハの平面図である。
【図11】第1の実施形態のレシピ作成の試し検査の欠陥確認画面を示す表示画面の正面図である。
【図12】第1の実施形態の検査の欠陥確認画面を示す表示画面の正面図である。
【図13】第1の実施形態の第3、第4の変形を説明する限界しきい値DDの頻度分布の一例を示すグラフである。
【図14】第1の実施形態の第10の変形の構成を示す光学式パターン検査装置の正面図である。
【図15】第1の実施形態の第11の変形の構成としてのネットワーク構成を示すシステム構成図である。
【図16】第2の実施形態の構成を示す電子線式パターン検査装置の正面図である。
【図17】第2の実施形態のレシピ作成の試し検査初期画面を示す表示画面の正面図である。
【図18】第2の実施形態のレシピ作成の試し検査の欠陥確認画面を示す表示画面の正面図である。
【図19】第2の実施形態の検査の欠陥確認画面を示す表示画面の正面図である。
【図20】第3の実施形態の構成を示す電子線式パターン検査装置の正面図である。
【符号の説明】
1・・・電子線源 2・・・電子線 5・・・対象物基板 8・・・検出器 10・・・画像処理回路 11・・・パターン欠陥 21・・・光源 23・・・イメージセンサ 24・・・検出画像 27・・・記憶画像 35・・・検出位置A 36・・・検出位置B 40・・・欠陥候補 41・・・欠陥候補記憶部 43・・・欠陥選択部 45・・・画像処理回路A 46・・・欠陥候補B 47・・・画像処理回路B 48・・・欠陥選択記憶部 52・・・操作画面 55・・・マップ表示部 56・・・画像表示部 59・・・現在位置表示 106・・・電子光学系 110・・・全体制御部 113・・・Zセンサ 130・・・棚番選択部品 131・・・レシピ選定部品 132・・・レシピ作成開始部品 133・・・レシピ作成終了ボタン 134・・・レシピ保存ボタン 140・・・マウス動作指示ボタン 141・・・画像切替ボタン 142・・・レシピ作成項目選択ボタン 143・・・検査開始ボタン 144・・・検査終了ボタン 151・・・表示切替ボタン 161・・・完了ボタン 330・・・検査開始ボタン 450・・・二次元イメージセンサ 451・・・スイッチ 500・・・ネットワーク 501・・・サーバ 502・・・検査装置A 503・・・検査装置B 504・・・レビュー装置 505・・・欠陥確認装置

Claims (8)

  1. 対象物基板上に形成されたパターンを撮像し該撮像して得られた信号をA/D変換することで前記パターンのディジタル画像を得、得られたパターンのディジタル画像を前記対象物基板上の同一のパターンであることが期待できる箇所を撮像して得た参照画像と比較して第1のしきい値を用いて欠陥候補を抽出し、該抽出した欠陥候補の画像と該欠陥候補に対応する前記参照画像の一部の画像を記憶し、該記憶した欠陥候補の画像を前記記憶した参照画像の一部の画像と比較して前記第1のしきい値より高い第2のしきい値を用いて前記第1のしきい値で抽出した欠陥候補の中から第2のしきい値による欠陥候補を抽出し、該抽出した第2のしきい値による欠陥候補の情報を出力することを特徴とするパターン検査方法。
  2. 対象物基板上に形成されたパターンを撮像し該撮像して得られた信号をA/D変換することで前記パターンのディジタル画像を得、得られたパターンのディジタル画像を前記対象物基板上の同一のパターンであることが期待できる箇所を撮像して得た参照画像と比較して第1のしきい値を用いて欠陥候補を抽出し、該抽出した欠陥候補の画像と該欠陥候補に対応する前記参照画像の一部を記憶し、該記憶した欠陥候補の画像を前記記憶した参照画像の一部と比較して前記第1のしきい値より高い複数のしきい値を用いて前記第1のしきい値で抽出した欠陥候補の中から複数のしきい値による欠陥候補を抽出し、該複数のしきい値で抽出し欠陥候補の情報を該複数のしきい値の情報と共に出力することを特徴とするパターン検査方法。
  3. 前記欠陥候補の情報を出力することが、前記抽出した欠陥候補の前記対象物基板上での分布の情報を画面上に表示することであることを特徴とする請求項1または2に記載のパターン検査方法。
  4. 対象物基板上に形成されたパターンを撮像する撮像手段と、
    該撮像手段により撮像して得られた信号を A/D 変換して前記パターンのディジタル画像を得る画像取得手段と、
    該画像取得手段により得られた前記パターンのディジタル画像を前記対象物基板上の同一のパターンであることが期待できる箇所を前記撮像手段で撮像して得られた参照画像と比較して第1のしきい値を用いて欠陥候補を抽出する第1の欠陥候補抽出手段と、
    該第1の欠陥候補抽出手段で抽出した欠陥候補の画像と該欠陥候補に対応する前記参照画像の一部の画像を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶した前記欠陥候補の画像を前記参照画像の一部の画像と比較して前記第1のしきい値より高い第2のしきい値を用いて前記第1のしきい値で抽出した欠陥候補の中から第2のしきい値による欠陥候補を抽出する第2の欠陥候補抽出手段と、
    該第2の欠陥候補抽出手段により抽出した第2のしきい値による欠陥候補の情報を画面上に表示する表示手段と
    を備えたことを特徴とするパターン検査装置
  5. 対象物基板上に形成されたパターンを撮像する撮像手段と、
    該撮像手段により撮像して得られた信号を A/D 変換して前記パターンのディジタル画像を得る画像取得手段と、
    該画像取得手段により得られた前記パターンのディジタル画像を前記対象物基板上の同一のパターンであることが期待できる箇所を前記撮像手段で撮像して得られた参照画像と比較して第1のしきい値を用いて欠陥候補を抽出する第1の欠陥候補抽出手段と、
    該第1の欠陥候補抽出手段で抽出した欠陥候補の画像と該欠陥候補に対応する前記参照画像の一部の画像を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶した前記欠陥候補の画像を前記参照画像の一部の画像と比較して前記第 1のしきい値より高い複数のしきい値を用いて前記第1のしきい値で抽出した欠陥候補の中から複数のしきい値による欠陥候補を抽出する第2の欠陥候補抽出手段と、
    該第2の欠陥候補抽出手段により抽出した複数のしきい値で抽出した欠陥候補の情報を該複数のしきい値の情報と共に画面上に表示する表示手段と
    を備えたことを特徴とするパターン検査装置
  6. 前記表示手段は、前記抽出した欠陥候補の前記対象物基板上での分布の情報を前記画面上に表示することを特徴とする請求項4または5に記載のパターン検査装置
  7. 前記撮像手段が、前記対象物基板のSEM像を撮像するものであることを特徴とする請求項4または5に記載のパターン検査装置
  8. 前記撮像手段が、前記対象物基板の光学像を撮像するものであることを特徴とする請求項4または5に記載のパターン検査装置
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