JP3780247B2 - バルコニー設置方法と位置決め治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルコニー設置方法と位置決め治具に係り、詳しくは、工場製作のプレキャスト(以下、PC)製のバルコニーを型枠上に設置する際の作業性と安全性とを向上させるバルコニー設置方法と位置決め治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、外廊下やマンション等において、主にRC造の建物におけるPCバルコニー11を型枠に設置するには、従来例▲1▼;図3(A)に示すように、在来型枠と同様にスラブ型枠12aを設け、そのスラブ型枠12aの上にバルコニー設置位置の墨出しを行い、PCバルコニー11をクレーンなどで吊り込んで設置する。また、従来例▲2▼;図3(B)に示すように、バルコニー受けのサポート14に直接、PCバルコニー11を吊り込んで直受けさせる。在来側のスラブ型枠12に予め返り墨を出しておいて、それを基準にしてスケール15等で出入り調整しながら吊り込み作業するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−146900号公報(第2頁乃至第3頁、第1図、第7図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のPCバルコニーの吊り込み方法では、例えば、従来例▲1▼ではスラブ型枠の数量が増加してコストが嵩み工期も伸び、外部足場が更に必要となってコストが嵩んでしまう課題がある。また、従来例▲2▼では、一度、サポートにPCバルコニーを預けると簡単に動かすことができないので、複数回吊り込みを繰り返すことになり、手間が掛かると共に、作業人員も多く必要となるという課題がある。本発明はこのような課題を解決するために提案されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るバルコニー設置方法の要旨は、スラブ型枠とバルコニー用サポートとを設置した後に、型枠に載置される基部と、該基部に水平方向にスライド自在に設けられ先端部までの寸法が付与された目盛り部を有する墨出し腕部と、該墨出し腕部の先端部に設けられバルコニー端面が当接して位置決めされる当たりプレートとから構成されたバルコニー位置決め治具を形成して、その位置決め治具において所定の返り墨に合わせて前記墨出し腕部の墨出しを行って前記基部に対して位置固定し、当該バルコニー位置決め治具を一対で適宜間隔を置いて前記スラブ型枠の所要の位置にセットし、その後、PCバルコニーをそのテール部が若干下位置になるように斜めにクレーンで吊り上げて搬入し、前記テール部の端面を前記当たりプレートに当接させながら前記サポート上に設置することである。
【0006】
本発明に係るバルコニーの位置決め治具の要旨は、型枠に載置される基部と、該基部に水平方向にスライド自在に設けられ先端部までの寸法が付与された目盛り部を有する墨出し腕部と、該墨出し腕部の先端部に設けられバルコニー端面が当接して位置決めされる当たりプレートとから構成されていることである。
【0007】
前記当たりプレートの上部には、傾斜したガイド部が設けられていること、;
前記墨出し腕部の後端部には、転倒防止用のバランサーが設けられていること、;
前記基部には、型枠の一部に係合して水平面内の振れを防止する水平振止めプレートが設けられていること、;
を含むものである。
【0008】
本発明に係るバルコニー設置方法と位置決め治具によれば、位置決め治具により返り芯から墨出腕部を所定の距離だけ延ばして、スラブ型枠上にセットすることで、PCバルコニーの出入り位置墨が設定される。この位置決め治具の当たりプレートにPCバルコニーの端面を当接させながら型枠上にPCバルコニーをセットすることで、確実で且つ迅速に設置することができるようになる。また、梁幅寸法を逆算し、梁の内型枠からの寸法を決め、同様にPCバルコニーを設置することができるようになる。
【0009】
また、当たりプレートにガイド部を設けることで、クレーンで吊り上げられたPCバルコニーを型枠上に降ろす際の、ガイドとなって作業性が向上する。更に、転倒防止用のバランサーにより、この位置決め治具を型枠上に設置した状態の安定性が向上する。水平振止めプレートにより、水平面内において位置決め治具が捻れたりすることが阻止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るバルコニー設置方法、それに使用するバルコニー位置決め治具1について、図面を参照して説明する。
【0011】
前記バルコニー位置決め治具1は、図1に示すように、スラブ型枠等の型枠に載置される基部2と、該基部2の上部に設けられた貫通孔に挿通され、水平方向にスライド自在に設けられ先端部3aまでの寸法が側壁面に付与された目盛り部3bを有する墨出し腕部3と、該墨出し腕部3の先端部3aに設けられバルコニー11の端面11a(図2参照)が当接して位置決めされる当たりプレート4とから、概略構成されている。
【0012】
前記当たりプレート4の上部には、内側に傾斜したガイド部4aが設けられている。また、墨出し腕部3の後端部には、転倒防止用のバランサー5が設けられているとともに、上面には水平器6が設けられ、片側の側壁面には、ビス固定用の粗面7が所要範囲に設けられいる。前記目盛り部3bの目盛りは、前記当たりプレート4からの距離を表すようになっている。
【0013】
前記基部2には、型枠の一部に係合して水平面内の振れを防止する水平振止めプレート8が左右両側に設けられている。この基部2の上部の貫通孔の側壁には、前記墨出し腕部3を位置固定させる固定蝶ビス9が設けられている。更に、上部面には取っ手10が設けられている。この基部2の幅は、梁等のかぶり厚を確保する鉄筋の配筋間隔を考慮して、それらに邪魔されないようにすべく、例えば、40mm程度の幅にしてある。
【0014】
前記バルコニー位置決め治具1は、取扱いを容易にすべく軽量化を図っており、例えば、アルミニウムなどの軽量材で構成されている。また、墨出し腕部3の後端部には、仮の釘止めなどする場合に備えて、釘用孔3cを設けることもある。前記水平振止めプレート8は、例えば、200〜300mm程度の左右長さである。
【0015】
このような本発明に係るバルコニー位置決め治具1を使用して、例えば、RC造の建物に、PCバルコニー11を設置する場合の施工方法を説明する。図2に示すように、前記バルコニー位置決め治具1を形成して用意し、その位置決め治具1をスラブ型枠12上に載置し、梁型枠13に基部2を水平振止めプレートで位置合わせしてセットする。
【0016】
スラブ型枠12上の返り墨に、目盛り部3bの目盛りを合わせるべく、前記墨出し腕部3を適宜にスライドさせる。そして、固定蝶ビス9を締め込んで、墨出し腕部3を基部2に位置固定する。これにより、バルコニーの芯墨に合わせて、当たりプレート4が設定される。
【0017】
なお、バランサー5があるので固定の必要がないが、場合によっては、釘孔3cにより、スラブ型枠12に釘を打ってバルコニー位置決め治具1を固定するようにしても良い。また、型枠の水平精度は、水平器6にて確認する。
【0018】
このように、スラブ型枠12には、一つのPCバルコニー11に対して、2つのバルコニー位置決め治具1を両サイドに設置する。その後、PCバルコニー11を、そのテール部11bが、図2に示すように、若干下位置になるように斜めにクレーンで吊り上げて搬入する。
【0019】
そして、所定の設置位置よりもやや梁側になるようにして吊り込む。そして、作業員がこのPCバルコニー11を若干押し戻すようにして、テール部11bの端面11aを、ガイド部4aに当接させる。これにより、PCバルコニー11の重心が梁側に寄っているので、前記テール部11bの端面11aがガイド部4a及び当たりプレート4に、容易に当接するようになる。
【0020】
左右の寄りは、目地幅の板を挿入しておいて、前記端面11aを前記当たりプレート4のガイド部4aに当接させながら、PCバルコニー11を降下させる。当該PCバルコニー11は、若干斜めに傾いているのでその重心が梁側に偏るようになり、前記端面11aとガイド部4a及び当たりプレート4とが自然に当接し、それが維持されながら降下する。
【0021】
こうして、前記PCバルコニー11が、サポート14上に、一度で正確に所定の位置(バルコニー用の芯墨)に合わせて設置される。この作業では、合図者を除けば、バルコニーを引張り込む作業員は、一人で賄うことが可能である。
【0022】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明に係るバルコニー設置方法と位置決め治具は、スラブ型枠とバルコニー用サポートとを設置した後に、型枠に載置される基部と、該基部に水平方向にスライド自在に設けられ先端部までの寸法が付与された目盛り部を有する墨出し腕部と、該墨出し腕部の先端部に設けられバルコニー端面が当接して位置決めされる当たりプレートとから構成されたバルコニー位置決め治具を形成して、その位置決め治具において所定の返り墨に合わせて前記墨出し腕部の墨出しを行って前記基部に対して位置固定し、当該バルコニー位置決め治具を一対で適宜間隔を置いて前記スラブ型枠の所要の位置にセットし、その後、PCバルコニーをそのテール部が若干下位置になるように斜めにクレーンで吊り上げて搬入し、前記テール部の端面を前記当たりプレートに当接させながら前記サポート上に設置するので、少ない作業員で迅速に、PCバルコニーを所定の位置に精度良く設置することが可能となると言う優れた効果を奏するものである。
【0023】
本発明のバルコニー位置決め治具は、型枠に載置される基部と、該基部に水平方向にスライド自在に設けられ先端部までの寸法が付与された目盛り部を有する墨出し腕部と、該墨出し腕部の先端部に設けられバルコニー端面が当接して位置決めされる当たりプレートとから構成されているので、バルコニーを迅速に且つ精度良く設置することができる。
【0024】
前記当たりプレートの上部には、傾斜したガイド部が設けられているので、バルコニー降下作業が容易になる。また、墨出し腕部の後端部には、転倒防止用のバランサーが設けられているので、安定してセットすることができる。前記基部には、型枠の一部に係合して水平面内の振れを防止する水平振止めプレートが設けられているので、PCバルコニーの降下時の当接によりこの位置決め治具がブレたりすることが無く、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルコニー位置決め治具1の斜視図である。
【図2】同本発明に係るバルコニー設置方法を示す説明図である。
【図3】従来例▲1▼に係る説明図(A)と、従来例▲2▼に係る説明図(B)である。
【符号の説明】
1 バルコニー設置方法と位置決め治具、 2 基部、
3 墨出し腕部、 3a 先端部、
3b 目盛り部、 4 当たりプレート、
5 バランサー、 6 水平器、
7 粗面、 8 水平振止めプレート、
9 固定蝶ビス、 10 取っ手、
11 PCバルコニー、
12,12a スラブ型枠、 13 梁型枠、
14 サポート、 15 スケール。
Claims (5)
- スラブ型枠とバルコニー用サポートとを設置した後に、
型枠に載置される基部と、該基部に水平方向にスライド自在に設けられ先端部までの寸法が付与された目盛り部を有する墨出し腕部と、該墨出し腕部の先端部に設けられバルコニー端面が当接して位置決めされる当たりプレートとから構成されたバルコニー位置決め治具を形成して、その位置決め治具において所定の返り墨に合わせて前記墨出し腕部の墨出しを行って前記基部に対して位置固定し、
当該バルコニー位置決め治具を一対で適宜間隔を置いて前記スラブ型枠の所要の位置にセットし、
その後、PCバルコニーをそのテール部が若干下位置になるように斜めにクレーンで吊り上げて搬入し、
前記テール部の端面を前記当たりプレートに当接させながら前記サポート上に設置すること、
を特徴とするバルコニー設置方法。 - 型枠に載置される基部と、該基部に水平方向にスライド自在に設けられ先端部までの寸法が付与された目盛り部を有する墨出し腕部と、該墨出し腕部の先端部に設けられバルコニー端面が当接して位置決めされる当たりプレートとから構成されていること、
を特徴とするバルコニー位置決め治具。 - 当たりプレートの上部には、傾斜したガイド部が設けられていること、
を特徴とする請求項2に記載のバルコニー位置決め治具。 - 墨出し腕部の後端部には、転倒防止用のバランサーが設けられていること、
を特徴とする請求項2に記載のバルコニー位置決め治具。 - 基部には、型枠の一部に係合して水平面内の振れを防止する水平振止めプレートが設けられていること、
を特徴とする請求項2に記載のバルコニー位置決め治具。
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