JP3776032B2 - ブーム自動格納装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブーム自動格納装置に関し、更に詳細には、車体に旋回、起伏及び伸縮動自在に取り付けられて先端に作業台を備えたブームを車体の格納位置に自動格納させるブーム自動格納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業を行なう高所作業車には、例えば、車体に旋回、起伏及び伸縮動自在に取り付けられて先端に作業台を備えたブームを車体の格納位置に自動格納させるブーム自動格納装置を有して構成されているものがある。このブーム自動格納装置は、ブームを自動格納するときに操作される自動格納スイッチと、自動格納スイッチが操作されるとブームを旋回、起伏及び伸縮動させる旋回モータ、起伏シリンダ及び伸縮シリンダの作動を制御するコントローラとを有して構成されている。自動格納スイッチが操作されると、コントローラは作業台が格納領域内を移動するように旋回モータ等の3つのアクチュエータのうちのいずれか1つずつを作動(以下、この作動を「各軸作動」と記す。)させてブームを格納位置に移動させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のブーム自動格納装置によるブームの自動格納制御は、予め決められた順序でアクチュエータが各軸作動して作業台を格納経路に沿って移動させるので、作業台の現在位置によってはブームが格納位置に移動するまでの格納経路が遠回りとなる場合があり、ブームを短時間で格納できない場合が生じる。また、車両が橋梁点検車であって作業台が橋の下方に移動するものでは、橋の下方に多くの障害物があると、アクチュエータが予め決められた順序で各軸作動すると、ブームの自動格納作動において作業台が障害物に当接する虞が高くなり、その結果としてブーム自動格納装置を使用する機会を少なくした。
【0004】
また、作業台を高所に移動させると車体側に作用する転倒方向モーメントが増加して車体支持が不安定になりやすくなるので、高所作業車にはアウトリガ装置を搭載したものがある。このような高所作業車において、アウトリガ装置の張り出し幅が小さい状態でブームを自動格納する場合、ブームの起伏角度が小さすぎると転倒方向モーメントが許容モーメントを越えて車体支持が不安定になる可能性があることから、ブームの自動格納が可能な姿勢におけるブームの起伏角度を大きくせざるを得ないが、これを満足する程にブームの起伏角度を大きくすると、ブーム自動格納が可能な姿勢の範囲となる格納領域が極めて狭くなる。そして、安全を考慮してアウトリガ装置の張り出し幅が大きいときでも小さいときの格納領域を適用すれば、自動格納が可能なブーム姿勢が限定されることになり、その結果としてブーム自動格納装置の使い勝手を悪くする。
【0005】
更に、作業台の底面積が大きいタイプの作業台を備えたブームの自動格納制御を開始するときにおいて、自動格納制御の最初の作動を作業台の旋回動にした場合、作業台が作業対象物に当接したり、規制(例えば、転倒防止規制や車両はみ出し規制)にかかってブームの自動格納作動が停止する場合があるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ブームを短時間で自動格納し、車両の姿勢に応じた格納領域を確保し、ブームの自動格納作動において作業台の旋回動により規制にかかって自動格納作動が停止する事態を防止し、ブームの自動格納作動において作業台が作業対象物等に当接しないブーム自動格納装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明のブーム自動格納装置は、車体に旋回、起伏及び伸縮動自在に取り付けられて先端に作業台を備えたブームを車体の格納位置に自動格納させるブーム自動格納装置であって、作業台の位置を検出する作業台位置検出手段(例えば、実施形態における作業台位置センサ61)と、ブームを旋回、起伏及び伸縮動させるブームアクチュエータ(例えば、実施形態における旋回モータ13、起伏シリンダ17,伸縮シリンダ19)と、ブームの移動速度を検出するブーム速度検出手段(例えば、実施形態における速度算出回路77)と、作業台位置検出手段により検出される検出値に基づいてブームアクチュエータの作動によりブームを介して移動する作業台の移動軌跡と、移動軌跡に対応したブーム速度検出手段により検出されたブームの移動速度とを記憶する移動軌跡記憶手段(例えば、実施形態におけるブーム移動軌跡記憶回路75)と、ブームを自動格納するときに操作される自動格納操作手段(例えば、実施形態における自動格納スイッチ51)と、自動格納操作手段が操作された場合、移動軌跡記憶手段により記憶されている作業台の移動軌跡に基づいてブームが車体の格納位置に格納可能な作業台の移動可能領域を算出し、この算出された移動可能領域内を通る作業台の移動軌跡および作業台の移動軌跡に対応したブームの移動速度に基づいて作業台の移動軌跡毎に作業台の移動時間を各々算出し、この算出された作業台の移動時間に対応して複数の格納経路を設定し、設定された複数の格納経路のうちから1つの格納経路を選択する格納経路設定手段(例えば、実施形態における格納経路設定回路79)と、格納経路設定手段により決定された格納経路を作業台が移動するようにブームアクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御手段(例えば、実施形態における作動制御回路73)とを有して構成される。
【0008】
上記構成のブーム自動格納装置によれば、作業台の移動軌跡に基づいてブームが車体の格納位置に格納可能な作業台の移動可能領域が算出され、この移動可能領域内を通る適切な格納経路が設定され、この格納経路を作業台が移動するので、作業台がどのような位置にあっても遠回りとなる格納経路を採ることはなく、適切な格納経路に沿って作業台を移動させてブームの自動格納を短時間で行なうことができる。また、車両が橋梁点検車のように作業台が橋の下方に移動するタイプのものである場合、格納経路はブームや作業台が障害物等に当接しない作業台の移動軌跡に基づいて設定された経路であるので、この格納経路を作業台が移動することで、作業台やブームが障害物等に当接せずにブームを自動格納することができる。更に、車両に車体を安定支持するアウトリガ装置が搭載されている場合、アウトリガ装置の張り出し幅が小さいときでも大きいときでも、各張り出し幅における作業台の移動軌跡に基づいてブームが車体の格納位置に格納可能なブームの移動可能領域が算出される。このため、アウトリガ装置の張り出し幅が大きいときにはアウトリガ装置の張り出し幅が小さいときの領域の狭い移動可能領域を適用しなくても車両が転倒する虞はないので、張り出し幅が大きいときの移動可能領域に基づいた格納経路に従ってブームを作動させることができ、その結果として自動格納が可能なブーム姿勢が限定されず、ブーム自動格納装置の使い勝手を向上させることができる。
【0009】
上記構成のブーム自動格納装置において、格納経路設定手段は、設定された複数の格納経路のうち作業台の移動時間が最も短くなる格納経路を選択し、アクチュエータ作動制御手段は、格納経路設定手段により選択された格納経路を作業台が移動するようにブームアクチュエータの作動を制御するように構成されてもよい。
【0010】
上記構成のブーム自動格納装置によれば、複数の格納経路が設定されたときには、作業台の移動時間が最も短くなる格納経路を作業台が移動するようにブームアクチュエータの作動が制御されるので、ブームの格納時間をより短時間にすることができる。
【0011】
上記構成のブーム自動格納装置において、格納経路設定手段は、設定された格納経路を含む移動可能領域内のブームの移動速度を移動軌跡記憶手段から読み出し、読み出されたブームの移動速度が低速である移動軌跡の位置の周辺にある格納経路上の位置を特定し、アクチュエータ作動制御手段は、格納経路設定手段により特定された格納経路上の位置の周辺に作業台が移動すると、その特定位置を通る作業台の移動速度が低速になるようにブームアクチュエータの作動を制御するように構成されてもよい。
【0012】
上記構成のブーム自動格納装置によれば、移動軌跡内のブームの移動速度が低速にされた位置やこの位置の周辺を格納経路が通る場合において、作業台が格納経路の前述した位置若しくはこの位置の周辺を移動するときは、作業台の移動速度は低速になる。移動軌跡においてブームの移動速度が低速にされたということは、低速にされた経路から作業台が外れると作業台等が何らかの障害物等に当接する虞があることになる。しかしながら、ブーム自動格納装置側からみると、この速度情報が無い場合には、移動軌跡の集合から格納経路を設定することになるので、設定された格納経路を作業台が移動するときに通常の速度で作業台が移動すると、作業台等が障害物等に当接する虞がある。そこで、設定された格納経路上若しくはこの格納経路の近傍位置にブームの移動速度を低速にした位置がある場合において作業台がこの位置の近くを通る場合には、作業台の移動速度を低速にする。このため、作業台等の移動の安全を確実にすることができる。
【0013】
上記構成のブーム自動格納装置において、作業台はブームの先端に対して旋回動可能に取り付けられ、アクチュエータ作動制御手段により作業台の旋回動が制御されるように構成され、アクチュエータ作動制御手段は、ブームの自動格納制御を開始するときに作業台を旋回動させる場合、作業台位置検出手段により検出される作業台の現在位置に基づいて作業台を旋回動させても作業台が設定された格納経路を含む移動可能領域を越えないと判定したときのみ作業台を旋回動させるようにしてもよい。
【0014】
上記構成のブーム自動格納装置によれば、作業台を旋回動させるときに作業台が旋回動しても作業台が移動可能領域内にあれば、作業台を旋回作動させるように構成されているので、ブームの自動格納制御を開始したときに作業台を旋回動させると規制にかかってブームの自動格納作動が停止したり、作業台が障害物等に当接する事態を未然に防止することができる。
【0015】
上記構成のブーム自動格納装置において、アクチュエータ作動制御手段は、自動格納操作手段が操作されてブームの自動格納制御を行なっているときに、操作に応じてブームアクチュエータの動作を操作する操作信号を出力する手動操作手段から操作信号を受け取った場合、操作信号がブームアクチュエータのうちの自動格納制御により制御されていないブームアクチュエータに対応した信号であるとともに、少なくとも格納位置に近づく方向の信号であるときには、操作信号に応じて制御されていないブームアクチュエータの作動制御を許容するように構成されてもよい。
【0016】
上記構成のブーム自動格納装置によれば、手動操作手段からの操作信号がブームアクチュエータのうちの自動格納制御により制御されていないブームアクチュエータに対応した信号であり、且つ少なくとも格納位置に近づく方向の信号であるときには、その操作信号に応じて制御されていないブームアクチュエータが作動する。このため、ブームが格納位置から遠ざかる方向に移動するように手動操作手段が操作されると、例えば、ブームの縮作動を行なっているときにブームを伸長動させる伸長操作が行なわれると、その操作信号は無効となってブームの自動格納制御が継続され若しくはブームの自動格納制御が停止する。このため、ブームの移動格納制御中において、ブームが格納位置から遠ざかる方向に移動することはなく、操作装置の誤操作によるブームの移動を未然に防止することができる。また、ブームの自動格納制御時にブームの格納位置に近づく方向に移動するように手動操作手段が操作されると、例えば、ブームの縮作動を行なっているときに格納位置に近づく方向の旋回操作がされると、その旋回動を許容する。このため、ブームの複合作動が可能となり、より短時間でブームを格納位置に移動させることができる。
【0017】
上記構成のブーム自動格納装置において、格納経路設定手段により設定若しくは選択された格納経路が予め設定されたブームアクチュエータの作動規制にかかる虞があるか否かを判定する作動規制判定手段を有し、アクチュエータ作動制御手段は、自動格納操作手段が操作されてブームの自動格納制御を開始するときに、作動規制判定手段によりブームアクチュエータの作動が作動規制にかかる虞がないと判定された場合には、ブームの自動格納制御を開始し、作動規制判定手段によりブームアクチュエータの作動が作動規制にかかる虞があると判定されると、警報作動及び格納経路設定手段により作動規制にかかる虞のない格納経路を再設定させてこの再設定された格納経路に応じてブームの自動格納制御を開始する作動の少なくともいずれかの作動を行なうように構成されてもよい。
【0018】
上記構成のブーム自動格納装置によれば、設定若しくは選択された格納経路が作動規制にかかる虞があるか否かをブームの自動格納制御の開始時に判定し、作動規制にかかる虞がある場合には、規制される虞がない余裕のある格納経路に従って作業台を移動させる作動及び警報作動の少なくともいずれかの作動を行なう。このため、規制域の近傍を通る格納経路の設定若しくは選択が回避され、余裕のある格納経路に従って作業台が移動するので、ブームを格納位置に確実に移動させることができる。また、警報作動が行なわれると、作業者は作動規制にかかる虞があると気づき、この作動規制にかからない状態にする作業が確実に行なわれる。このため、ブームを格納位置に確実に移動させることができる。尚、本明細書において、警報作動とは、規制を回避するための作動指示を音声やランプ表示等によって知らせる作動を含めた作動を意味する。この結果、作業者は作動指示に従って規制を回避するための操作を確実に行なうことができる。
【0019】
上記構成のブーム自動格納装置において、アクチュエータ作動制御手段によるブームの自動格納制御の作動速度を設定する速度設定手段(例えば、実施形態における自動格納速度設定装置55)を有し、アクチュエータ作動制御手段は、速度設定手段により作動速度が設定されると、予め設定されている作動速度を速度設定手段により設定された作動速度に変更し、この変更された作動速度でブームの自動格納制御を行なうように構成されてもよい。
【0020】
上記構成のブーム自動格納装置によれば、速度設定手段により作動速度が設定されれば、その設定速度でブームアクチュエータが作動する。このため、ブームの作動速度を所望の速度に調整することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図7に基づいて説明する。本実施の形態はブームの先端に床面積の大きな作業台を備えた高所作業車の態様を示す。先ず、本発明に係わるブーム自動格納装置を説明する前に、このブーム自動格納装置を搭載した高所作業車を説明する。高所作業車1は、図1に示すように、トラック車両をベースとして構成されており、車体3の前部に運転キャビン5を有し、車両前後の左右両側部には車両を走行させる前輪7及び後輪9が配設されている。前輪7及び後輪9間の車体3の左右両側部及び後輪9よりも車両後方側の車体3の左右両側部には上下に伸縮動して下端が接地して車両を支持するアウトリガジャッキ11が配設されている。
【0022】
車体後部には車体3に内蔵された旋回モータ13により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台15が配設され、旋回台15の上部には基端部を枢結したブーム15が取り付けられている。ブーム15は起伏シリンダ17により起伏動可能に構成され、基端ブーム15a、中間ブーム15b及び先端ブーム15cを入れ子式に組み合わせて内蔵された伸縮シリンダ19により伸縮動するように構成されている。ブーム15は全縮状態で車両前後方向に延びて車両前側に倒伏し、車両前方側に所定起伏角度で傾斜した格納位置で車体7に突設されたブーム受20に支持された状態で格納されるように構成されている。尚、ブーム15は3段式に限るものではなく、2段式及び4段式以上でもよい。
【0023】
先端ブーム15cの先端には上下に揺動自在に取り付けられた作業台支持部材21が取り付けられ、作業台支持部材21の先端部には外側へ拡開するフランジ部21aが形成されている。フランジ部21aの一端と先端ブーム15cの先端間にはレベリングシリンダ23が枢結されている。フランジ部21aの上部には首振り装置30が装着されている。首振り装置30は内蔵された図2に示す首振りモータ31を備え、この首振りモータ31に作業台25が接続され、作業台25は作業台支持部材21に対して首振り動可能である。前述したレベリングシリンダ23はブーム15の起伏動に連動して伸縮動して作業台25を常に水平状態に保持している。作業台25の外周には上方へ延びた手摺り27が配設されている。作業台25にはブーム15の旋回、起伏及び伸縮動、作業台25の首振り動を操作する操作装置40及びブーム15を自動格納させるときのブーム23の作動速度を設定する自動格納速度設定装置55が配設されている。
【0024】
操作装置40には起伏操作レバー41、伸縮操作レバー43、旋回操作レバー45及び首振り操作レバー47が設けられており、それぞれ中立位置から前後方向若しくは左右方向に揺動操作可能に構成されている。ここで、起伏操作レバー41を前後方向に傾動操作するとブーム15の起伏、即ち、起伏シリンダ17の伸縮動作を行なわせる操作信号が出力され、伸縮操作レバー43を前後方向に傾動操作するとブーム15の伸縮、即ち、伸縮シリンダ19の伸縮動作を行なわせる操作信号が出力される。また、旋回操作レバー45を前後方向に傾動操作するとブーム15の旋回、即ち、旋回モータ13の順逆方向の回転動作を行なわせる操作信号が出力され、首振り操作レバー47を前後方向に傾動操作すると作業台25の首振り動、即ち、図2に示す首振りモータ31の順逆方向の回転動を行なわせる操作信号が出力される。これらの操作レバー41、43、45、47の操作により出力される操作信号は、レバーの傾動方向を検出して得られる傾動方向信号と、レバーの傾動量(傾動角度)を検出して得られる傾動量信号とからなっている。
【0025】
上記構成の高所作業車1には図2に示すブーム自動格納装置60が搭載されている。ブーム自動格納装置60はブーム15を自動で格納位置に移動させる機能を有し、図2に示すように、操作装置40と自動格納速度設定装置55と自動格納スイッチ51と作業台位置センサ61とコントローラ71と警報ブザー83とを有して構成されている。以下、ブーム自動格納装置60の各構成要素について説明する。尚、操作装置40は前述したのでその説明を省略する。自動格納スイッチ51はブーム15を自動格納するときに操作されるスイッチであり、これが操作されると格納信号を出力する。このスイッチは図1に示す操作装置40に隣接して配設されている。自動格納速度設定装置55は、自動格納スイッチ51が操作されて図1に示すブーム15が自動格納制御されるときのブーム15の作動速度(即ち、旋回モータ13、起伏シリンダ17及び伸縮シリンダ19の作動速度)を設定する機能を有し、操作レバー55aの傾動量に応じてブーム15の格納速度が調整可能に構成されている。なお、自動格納速度設定装置55は図1に示す操作装置40の近傍位置に配設されている。
【0026】
作業台位置センサ61は作業台25の位置を検出する機能を有し、ブーム15の伸長量を検出するブーム伸長センサ63と、ブーム15の車体3に対する起伏角度を検出するブーム起伏角センサ65と、ブーム15の旋回角度を検出するブーム旋回角センサ67及び作業台25の首振り角度を検出する作業台首振りセンサ69とを有して構成されている。コントローラ71はブーム15の動作、作業台25の首振り動及び警報ブザー83の動作を制御する機能を有し、作動制御回路73、ブーム移動軌跡記憶回路75、速度算出回路77、格納経路設定回路79及び作動規制判定回路81とを有して構成されている。
【0027】
作動制御回路73は、操作装置40の操作信号に応じて旋回モータ13、起伏シリンダ17、伸縮シリンダ19及び首振りモータ31(以下、旋回モータ13、起伏シリンダ17、伸縮シリンダ19をまとめて単に「アクチュエータ13、17、19」と記す。)の作動を制御する作動制御弁Vの作動をコントロールし、また、警報ブザー83の作動をコントロールする。更に詳細には、作動制御回路73は自動格納スイッチ51が操作されると、ブーム15を車両の格納位置に格納するためアクチュエータ13、17、19及び首振りモータ31の作動を制御し、また自動格納速度設定装置55が操作され且つ自動格納スイッチ51が操作された場合には、自動格納速度設定装置55の設定内容に応じてアクチュエータ13、17、19の作動速度を調整し、さらに作業台25の位置が後述する移動可能領域を超えたときに警報ブザー83を鳴らす。尚、警報ブザー83の代わりにブーム15を格納側へ移動させるように操作レバー41、43、45、47の操作内容を表示する表示装置(図示せず)を取り付け、また、警報ブザー83とともにこの表示装置を取り付けてもよい。
【0028】
ブーム移動軌跡記憶回路75は操作装置40からの操作信号を受け取ると作動し、作業台位置センサ61の位置情報に基づいて作業台25が首振り動する首振り中心位置の軌跡を算出してこれを記憶するとともに、作業台首振りセンサ69により作業台25が首振り動して首振り角度が検出されたときの作業台25の位置と作業台25が首振り動した首振り領域を記憶する。尚、記憶する作業台25の位置は前述した位置に限るものではなく、作業台25の角部や作業台側部の任意の位置でもよい。
【0029】
速度算出回路77はクロック機能を備え、ブーム移動軌跡記憶回路75により算出された作業台25の移動軌跡と作業台位置センサ61の位置情報に基づいて作業台25の移動距離を算出するとともに、この移動距離を移動に要した時間で除算してブーム15の移動速度を算出する。
【0030】
格納経路設定回路79については図3を更に追加して説明する。なお、図3は車両の後方側から車両を見たときの作業台25の移動軌跡を示している。図2に示す格納経路設定回路79は、自動格納スイッチ51が操作された場合において、ブーム移動軌跡記憶回路75に記憶された作業台25の図3に示す移動軌跡G0、G1、G2から作業台25が移動可能な領域(以下、「移動可能領域A」と記す。)を算出し、この移動可能領域A内の任意の位置にある作業台25が車両の格納位置Psに戻ることができる格納経路を設定する機能を有する。格納経路設定回路79による格納経路の設定方法は、作業台25が移動可能領域A内を移動し、且つブーム作動により作業台25が格納位置側に近づく経路とし、複数の格納経路を設定した場合には作業台25の移動時間が最も短い格納経路を選択する。
【0031】
図2に示す作動規制判定回路81は、設定された格納経路に沿って作業台25を移動させたならば作業台25が移動可能領域Aを越える虞があるか否か、及び作業台位置センサ61の検出値に基づいて算出される車両に作用する転倒方向モーメントが許容転倒モーメントを越えているか否かを判定する。なお、作動規制判定回路81は、前述したモーメントの代わりに、算出される転倒方向モーメントが許容転倒モーメントを越えないように車両が転倒する虞のない許容移動可能領域を予め定めておき、この許容移動可能領域を作業台25が越えているか否かを判定するように構成されてもよい。図2に示す作動制御回路73には4つの作動制御弁V及び警報ブザー83が電気的に接続されている。
【0032】
次に、ブーム自動格納装置の作動について図3、図4及び図5を使用して説明する。なお、図4(a)及び図4(b)は車両の後方側から見たときの格納経路の正面図を示し、図5は車両の上方から見たときの図4(a)に対応する格納経路の平面図を示している。まず、図3に示すように、アウトリガジャッキ11が最大の張出幅で張り出され、この状態で作業台25が車両の格納位置Psから複数の移動経路G1、G2を通って障害物87の上方の現在位置Peに至ったものと想定する。
【0033】
なお、移動経路G1、G2は次の通りである。即ち、移動経路G1は、図3及び図5を使用して説明すると、車両の格納位置Psから全縮状態のブーム15の起仰動により作業台25が位置P1に移動し、続いてブーム15の伸長動により作業台25が位置P2に移動し、そしてブーム15の旋回動により作業台25が位置Pe′に移動し、続いて作業台25の首振り動により作業台25が現在位置Peに移動する経路である。また、移動経路G2は、格納位置Psから全縮状態のブーム15の起仰動により作業台25が位置P1に移動し、続いてブーム15の伸長動により作業台25が位置P2に移動し、さらにブーム15の起仰動により作業台25が位置P3に移動し、続いてブーム15の旋回動により作業台25が位置P4に移動し、そしてブーム15の倒伏動により作業台25が位置Pe′に移動し、そして作業台25の首振り動により作業台25が現在位置Peに移動する経路である。
【0034】
ここで、作業台25が格納位置Psから移動しているときは、図2に示すように、ブーム移動軌跡記憶回路75は操作装置40からの操作信号を受けて作動状態にあるので、ブーム移動軌跡記憶回路75は図3に示す作業台の移動軌跡G1、G2、G0を記憶するとともに、図5に示す現在位置Peの近傍で作業台25が旋回動した旋回位置Pe′及び旋回領域Qを記憶している。また、速度算出回路77はブーム移動軌跡記憶回路75により算出された複数の作業台25の移動軌跡G1、G2、G0と移動軌跡G1、G2、G0内の隣接する位置間(例えば、図3に示す移動軌跡G1の場合ではPs−P1間、P1−P2間、P2−Pe間)のブーム15の移動速度を算出し、これらの移動速度をブーム移動軌跡記憶回路75に記憶させる。その結果、作業台25が現在位置Peに移動した状態では、作業台25の複数の移動軌跡G1、G2、G0及びブーム15の移動速度及び首振り領域Qがブーム移動軌跡記憶回路75に記憶されている。
【0035】
このような状態で、図2に示す自動格納スイッチ51が操作されると、格納経路設定回路79は、ブーム移動軌跡記憶回路75に記憶されている図3に示す複数の移動軌跡G0、G1,G2の位置情報及び図5に示す作業台25の首振り領域Qに基づいて作業台25が格納位置Psに移動してブーム15が車体3に格納可能な図3に示す作業台25の移動可能領域Aを算出する。この移動可能領域Aは複数の移動軌跡G0、G1,G2と首振り領域Qを合算して得られる領域である。
【0036】
そして、格納経路設定回路79は、図4に示すように、作業台25が移動可能領域A内を移動し、且つブーム作動により作業台25が格納位置Ps側に近づくような経路を格納経路として設定する。その結果、図2に示す格納経路設定回路79は2つの格納経路R1、R2を設定する。設定された格納経路R1は、図5を更に追加して説明すると、図3に示す移動軌跡G1を逆方向に進む経路であり、現在位置Peから作業台25が首振り動してブーム15の伸長方向と同一方向の位置Pe′に旋回移動し、続いてブーム15が車両側に旋回動して作業台25が位置P2に移動し、そして、ブーム15が縮小動して作業台25が位置P1に移動し、続いてブーム15が倒伏動して作業台25が格納位置Psに移動する経路である。一方、格納経路R2は、作業台25が位置Peから首振り動してブーム15の伸長方向と同一方向の位置Pe′に移動し、続いてブーム15が起仰動して作業台25が位置4に移動し、そしてブーム15が車両側へ旋回動して作業台25が位置P3に移動し、ブーム15が倒伏動して作業台25が位置P2に移動し、そして、ブーム15が縮小動して作業台25が位置P1に移動し、そしてブーム15が倒伏動して作業台25が格納位置Psに移動する経路である。
【0037】
そして、図2に示す格納経路設定回路79は、これらの設定した2つの格納経路R1、R2から作業台25の移動時間が短い方の格納経路、即ち、図4(b)に示す格納経路R1を選択する。この格納経路の選択方法は、格納経路R1、R2の距離からブーム15の移動速度を除算して移動時間を各々算出し、算出された移動時間の短い方の格納経路R1を選択する。そして、図2に示すように、格納経路設定回路79は選択した図4(b)に示す格納経路R1の位置情報を作業制御回路73に送り、作業制御回路73はこの格納経路R1の情報に基づいてブーム15を首振り動させた後に旋回、縮小、倒伏動させるため、首振りモータ31、旋回モータ13、伸縮シリンダ19及び起伏シリンダ17の作動を制御するためこれらに対応する作動制御弁Vの作動を順次コントロールする。その結果、図4(b)及び図5に示すように、作業台25は、格納経路R1に沿って現在位置Peから格納位置Psに移動する。尚、前述した実施の形態では、作業台25の位置が現在位置Peにある場合を示したが、作業台25は移動可能領域A内であればどのような位置にあってもよい。
【0038】
なお、図4(b)に示すように、ブーム15の自動格納作動において、現在位置Peから破線で示すように、先ず、ブーム15を縮作動させてから旋回動させるように予めブーム15の格納作動が決められている場合には、ブーム15を最初に縮作動させると、作業台25が障害物87に当接する虞が生じるため、ブーム15の自動格納が出来なくなる。しかしながら、本発明に係わる図2に示すブーム自動格納装置60では、設定した格納経路R1は作業台等が障害物87を回避する経路であるので、この格納経路R1に沿って作業台25が移動することで、作業台25を障害物87に当接することなく安全に車両に格納することができる。
【0039】
このように、ブーム15の自動格納制御では、作業台25の位置が移動可能領域A内のどのような位置にあっても、格納経路として移動可能領域A内を作業台25が格納位置側へ移動するような経路を選択し、この選択された経路に沿って作業台25が移動するように図2に示すアクチュエータ13、17、19及び首振りモータ31が作動するので、遠回りするような経路を採ることはなく、ブーム15の自動格納を短時間で行なうことができる。また、格納経路は作業台25が障害物等に接触することなく移動した複数の移動軌跡Gから構成される移動可能領域A内を通る経路であるので、障害物が多い例えば橋の下に作業台25を移動させる橋梁点検車(図示せず)に本発明に係わるブーム自動格納装置60を搭載して使用した場合でも、作業台25は障害物に当接せずに安全に移動してブームを車両に格納させることができる。
【0040】
また、本発明に係わるブーム自動格納装置60では、図4に示すように、複数の格納経路R1、R2が設定された場合には、最も移動時間が短い格納経路を作業台25が移動するように構成されているので、ブーム15の格納時間をより短時間にすることができる。更に、前述した実施の形態ではアウトリガジャッキ11が最大に張り出された状態において、ブーム15を自動格納させる場合について説明したが、アウトリガジャッキ11の張出幅が小さい場合でも、ジャッキの張出幅に応じた移動可能領域(図示せず)が算出されて格納経路(図示せず)が設定される。即ち、アウトリガジャッキ11の張出幅に応じて移動可能領域が算出される。このため、ジャッキの張出幅が大きいときに小さいときの移動可能領域を適用しなくても車両が転倒する虞はないので、ジャッキの張出幅が大きいときに小さいときの移動可能領域を適用した場合と比較して自動格納が可能なブーム姿勢の範囲を広げることができ、ブーム自動格納装置60の使い勝手を向上させることができる。
【0041】
さて、図4(b)に示すように、作業台25が現在位置Peから位置P1に移動する格納経路R1が二点鎖線で示されたような経路(即ち、ブーム15の縮作動と旋回作動が連動して作業台25を移動させる経路)が設定された場合、この二点鎖線で示された経路と障害物87との間の離間距離が十分でない場所(図4(b)のB′で示した場所)では、作業台25の移動速度Vは低速に制御される。更に詳細には、図3に示すように、移動軌跡G1において作業台25を位置P2から現在位置Peに移動させる場合、ブーム15が障害物87に当接する虞がある区間Bに作業台25が移動すると、図示しない作業者はブーム25の移動速度が低速になるように図2に示す操作装置40の旋回操作レバー43を操作する。その結果、図2に示すブーム移動軌跡記憶回路75には区間Bに対応するブーム15の移動速度を低速の移動速度として記憶される。
【0042】
ここで、図4(b)に示すように、前述した二点鎖線で示す格納経路R1が設定された場合、図2に示す格納経路設定回路79は、この設定した格納経路R1を含む図4(a)に示す移動可能領域A内のブームの移動速度を図2に示すブーム移動軌跡記憶回路75から読み出し、この読み出されたブームの移動速度のうち低速の移動速度となった図3に示す移動軌跡G1の区間Bの周辺に位置する格納経路R1上の区間B′を特定する。そして、図2に示す作動制御回路73は、格納経路R1上の区間B′に作業台25が移動しようとすると、前述したようにこの区間B′を通る作業台25の移動速度が低速になるように図2に示すアクチュエータ13の作動を制御する。その結果、ブーム15は障害物87に当接することなく作業台25を安全に位置P1側へ移動させることができる。
【0043】
また、図5に示すように、作業台25が現在位置Peに移動している状態からブーム15の自動格納制御を開始する時に、先ず作業台25を首振り動させる制御を行なうような図4(a)に示す格納経路R1が選択された場合、図2に示す作動制御回路73は作業台位置センサ61により検出される作業台25の現在位置に基づいて、作業台25の向きがブーム15の延出方向と同一方向になるように作業台25を首振り動させても作業台25が首振り領域Qを含んだ移動可能領域Aを越えないと判定し、且つ車両に作用する転倒方向モーメントが許容転倒モーメントを越えないと判定したときのみ、作業台25を旋回動させる。なお、図2に示す作動制御回路73は、作業台25を現在位置Peからブーム15の延出方向と同一方向になるように首振り動させたならば、例えば、作業台25の角部jの位置が首振り領域Q内の点J′(点J′は移動可能領域A内でもある。)に移動すれば作業台25は移動可能領域Aを越えないと判定する。また、作業台25の角部jの位置が首振り領域Qの外側に移動すれば(図示せず)、作業台25が移動可能領域Aを越えると判定して作業台25の首振り動を規制する。作業台25の首振り動が規制された場合には、図2に示す作動制御回路73が図2に示す警報ブザー83を鳴らして作業者(図示せず)に知らせ、作業者は図2に示す操作装置40を手動操作してブーム15を格納側へ移動させる。その結果、ブーム自動格納装置60によりブーム15の自動格納制御が行なわれる。
【0044】
このため、例えば、作業位置Peにおいて作業台25に多くの荷物が積載されて車両に作用する転倒方向モーメントが許容転倒モーメントを越えているときに警報ブザー83が鳴ると、作業者は作業台25から荷物を降ろし、若しくは図2に示す操作装置40を操作してブーム15を格納側へ移動させて、ブーム15の自動格納制御を開始させる。また、図2に示す格納経路設定回路79により設定された格納経路が、図4(a)に示す移動可能領域Aの境界ラインの近傍を通るようなものであったときには、図2に示す作動規制判定回路81は移動可能領域Aを越える虞があると判定して、図2に示す作動制御回路73は警報ブザー83を鳴らし、又は図2に示す格納経路設定回路79が作動規制にかかる虞のない格納経路を再設定し、この再設定された格納経路に応じて作動制御回路73がブーム15の自動格納制御を開始する。警報ブザー83が鳴ったときには後述する自動格納速度設定装置55によりブーム15の移動速度が低速になるように操作する。このため、ブーム15の自動格納を確実に且つ安全に行なうことができる。
【0045】
また、図6に示すように、ブーム15の自動格納制御が行なわれている場合、ブーム15が旋回動しているときに図2に示す伸縮操作レバー43によりブーム15が縮作動するように操作されると、図2に示す作動制御回路73はブーム15が旋回動且つ縮作動するようにアクチュエータ13、19の作動を制御する。このため、図6に示す作業台25は現在位置Peから斜め下方へ移動して位置P1に移動する。また、ブーム15が縮作動しているときに図2に示す伸縮操作レバー43によりブーム15が伸長動するような操作がされたり、ブーム15が旋回動しているときに図2に示す伸縮操作レバー43によりブーム15が伸長動するような操作がされると、図2に示す作動制御回路73はブーム15の移動が停止するようにアクチュエータ13,19の作動を規制する。なお、この場合、図2に示す作動制御回路73はブーム15を伸長動させる操作信号を無視してブーム15の縮作動若しくはブーム15の旋回動を継続させるように構成されてもよい。つまり、図2に示す作動制御回路73は、ブーム15の自動格納制御が行なわれているときに操作装置40が操作された場合、格納側への操作は許容してブーム15の作動を複合制御とし、格納側から遠ざかるような操作装置40の操作がされたときにはブーム15を停止させる。このため、作業台25が格納側と反対側へ移動することはなく、ブーム15の格納時間が延長する事態を未然に防止することができる。また、複合作動により格納経路の距離を短くすることができるので、ブーム15の格納時間を短時間にすることができる。
【0046】
また、ブーム15の自動格納制御が行なわれる前に、図2に示す自動格納速度設定装置55の操作レバー55aが操作されてブーム15の作動速度が高速側に設定された場合には、図6に示すように、実線で示すブーム15の各軸作動(即ち、旋回作動、縮作動及び倒伏作動)における通常の作動速度が、破線で示すような速い作動速度になる。このため、ブーム25の格納時間を短縮することができる。また、格納経路に応じて図2に示す自動格納速度設定装置55により作動速度を遅くすることで、作業台25をより安全に移動させることができる。なお、前述した実施の形態では自動格納速度設定装置55により作動速度を調整したが、図2に示す操作装置40の各操作レバー41、43、45、47のいずれかに自動格納速度設定装置55と同一機能を割り付けてもよい。
【0047】
また、前述した実施の形態では、図4(a)に示すように、格納経路R1、R2は各軸作動による経路を示したが、格納経路の一部若しくは全部がアクチュエータ13、17、19が複合作動(例えば、ブーム15が旋回動しながら縮小動)するような格納経路を算出するように構成してもよい。更に、図1に示す作業台25はブーム15の先端に首振り動可能な例を示したが、ブーム15の先端に旋回動可能なアーム部材(図示せず)を設け、このアーム部材の先端に作業台25を取り付けるような構成にしてもよい。また、車両の例として図1に示す高所作業車1を示したが、作業台の床面積が小さいものや、橋梁点検車(図示せず)のように作業台を橋の下方に移動可能なもの、更に、伸縮動自在なブームの先端に屈伸動自在な屈伸アームを備えたもの、ロアブームにアッパーブームを枢結し、これらが屈伸動自在に構成されたブームを備えたものでもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明におけるブーム自動格納装置によれば、作業台の移動軌跡に基づいてブームが車体の格納位置に格納可能な作業台の移動可能領域を算出し、この移動可能領域内を通る適切な格納経路を決定し、この格納経路を作業台が移動するので、作業台がどのような位置にあっても遠回りとなる格納経路を採ることはなく、適切な格納経路に沿って作業台を移動させてブームの自動格納を短時間で行なうことができる。また、車両が橋梁点検車のように作業台が橋の下方に移動するタイプのものである場合、格納経路はブームや作業台が障害物等に当接しない作業台の移動軌跡に基づいて決定された経路であるので、この格納経路を作業台が移動することから作業台やブームが障害物に当接せずにブームを自動格納することができ、ブーム自動格納装置の使用できる機会が多くなり使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるブーム自動格納装置を搭載した高所作業車の左側側面図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態におけるブーム自動格納装置のブロック図を示す。
【図3】本発明の一実施の形態における移動可能領域Aを説明するための図である。
【図4】本発明の一実施の形態におけるブーム自動格納装置の作動を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施の形態におけるブーム自動格納装置の作動を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施の形態におけるブーム自動格納装置の作動を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施の形態におけるブーム自動格納装置の作動を説明するための図である。
【符号の説明】
3 車体
13 旋回モータ(ブームアクチュエータ)
15 ブーム
17 起伏シリンダ(ブームアクチュエータ)
19 伸縮シリンダ(ブームアクチュエータ)
25 作業台
40 操作装置(手動操作手段)
51 自動格納スイッチ(自動格納操作手段)
55 自動格納速度設定装置(速度設定手段)
60 ブーム自動格納装置
61 作業台位置センサ(作業台位置検出手段)
73 作動制御回路(アクチュエータ作動制御手段)
75 ブーム移動軌跡記憶回路(移動軌跡記憶手段)
77 速度算出回路(ブーム速度検出手段)
79 格納経路設定回路(格納経路設定手段)
81 作動規制判定回路(作動規制判定手段)
A 移動可能領域
R1、R1 格納経路
Ps 格納位置
G1,G2 移動軌跡

Claims (7)

  1. 車体に旋回、起伏及び伸縮動自在に取り付けられて先端に作業台を備えたブームを前記車体の格納位置に自動格納させるブーム自動格納装置であって、
    前記作業台の位置を検出する作業台位置検出手段と、
    前記ブームを旋回、起伏及び伸縮動させるブームアクチュエータと、
    前記ブームの移動速度を検出するブーム速度検出手段と、
    前記作業台位置検出手段により検出される検出値に基づいて前記ブームアクチュエータの作動により前記ブームを介して移動する前記作業台の移動軌跡と、前記移動軌跡に対応した前記ブーム速度検出手段により検出された前記ブームの移動速度とを記憶する移動軌跡記憶手段と、
    前記ブームを自動格納するときに操作される自動格納操作手段と、
    前記自動格納操作手段が操作された場合、前記移動軌跡記憶手段により記憶されている前記作業台の移動軌跡に基づいて前記ブームが前記車体の格納位置に格納可能な前記作業台の移動可能領域を算出し、この算出された前記移動可能領域内を通る前記作業台の移動軌跡および前記作業台の移動軌跡に対応した前記ブームの移動速度に基づいて前記作業台の移動軌跡毎に前記作業台の移動時間を各々算出し、この算出された前記作業台の移動時間に対応して複数の格納経路を設定し、設定された前記複数の格納経路のうちから1つの前記格納経路を選択する格納経路設定手段と、
    前記格納経路設定手段により設定された前記格納経路を前記作業台が移動するように前記ブームアクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御手段とを有することを特徴とするブーム自動格納装置。
  2. 前記格納経路設定手段は、設定された前記複数の格納経路のうち前記作業台の移動時間が最も短くなる格納経路を選択し、
    前記アクチュエータ作動制御手段は、前記格納経路設定手段により選択された前記格納経路を前記作業台が移動するように前記ブームアクチュエータの作動を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のブーム自動格納装置。
  3. 前記格納経路設定手段は、設定された前記格納経路を含む前記移動可能領域内の前記ブームの移動速度を前記移動軌跡記憶手段から読み出し、読み出された前記ブームの移動速度が低速である前記移動軌跡の位置の周辺にある前記格納経路上の位置を特定し、
    前記アクチュエータ作動制御手段は、前記格納経路設定手段により特定された前記格納経路上の位置の周辺に前記作業台が移動すると、その特定位置を通る前記作業台の移動速度が低速になるように前記ブームアクチュエータの作動を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブーム自動格納装置。
  4. 前記作業台は前記ブームの先端に対して旋回動可能に取り付けられ、前記アクチュエータ作動制御手段により前記作業台の旋回動が制御されるように構成され、
    前記アクチュエータ作動制御手段は、前記ブームの自動格納制御を開始するときに前記作業台を旋回動させる場合、前記作業台位置検出手段により検出される前記作業台の現在位置に基づいて前記作業台を旋回動させても前記作業台が設定された前記格納経路を含む前記移動可能領域を越えないと判定したときのみ前記作業台を旋回動させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のブーム自動格納装置。
  5. 前記アクチュエータ作動制御手段は、前記自動格納操作手段が操作されて前記ブームの自動格納制御を行なっているときに、操作に応じて前記ブームアクチュエータの動作を操作する操作信号を出力する手動操作手段から前記操作信号を受け取った場合、前記操作信号が前記ブームアクチュエータのうちの自動格納制御により制御されていないブームアクチュエータに対応した信号であるとともに、少なくとも前記格納位置に近づく方向の信号であるときには、前記操作信号に応じて制御されていない前記ブームアクチュエータの作動制御を許容するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のブーム自動格納装置。
  6. 前記格納経路設定手段により設定若しくは選択された前記格納経路が予め設定された前記ブームアクチュエータの作動規制にかかる虞があるか否かを判定する作動規制判定手段を有し、
    前記アクチュエータ作動制御手段は、前記自動格納操作手段が操作されて前記ブームの自動格納制御を開始するときに、前記作動規制判定手段により前記ブームアクチュエータの作動が前記作動規制にかかる虞がないと判定された場合には、前記ブームの自動格納制御を開始し、前記作動規制判定手段により前記ブームアクチュエータの作動が前記作動規制にかかる虞があると判定されると、警報作動及び前記格納経路設定手段により前記作動規制にかかる虞のない格納経路を再設定させてこの再設定された前記格納経路に応じて前記ブームの自動格納制御を開始する作動の少なくともいずれかの作動を行なうように構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のブーム自動格納装置。
  7. 前記アクチュエータ作動制御手段による前記ブームの自動格納制御の作動速度を設定する速度設定手段を有し、
    前記アクチュエータ作動制御手段は、前記速度設定手段により前記作動速度が設定されると、予め設定されている作動速度を前記速度設定手段により設定された作動速度に変更し、この変更された前記作動速度で前記ブームの自動格納制御を行なうように構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のブーム自動格納装置。
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