JP3712568B2 - 作業車の作動規制装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は作業車の作動規制装置に関し、さらに詳細には、車体に伸縮且つ旋回動自在に設けられた伸縮ブームを有する自走式の作業車の作動規制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
造船工事において、高所作業を行なう高所作業車は車体幅方向に設けられた一対のホイール式走行体と、車体上に伸縮・起伏・旋回動自在に設けられたブームと、ブームの先端に設けられ作業者が搭乗可能な作業台とを有して構成されているものがある。作業台にはブームと走行体の作動を操作するブーム操作装置と走行体操作装置とが設けられており、これらの操作装置を手動操作することで、作業台を所望の位置に移動させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高所作業車が所定の傾斜角を越えた傾斜地に移動した場合、作業台が地面への当接を防止するため車両に設けられた警報ブザーが鳴り、作業台に搭乗した作業者の注意を喚起するが、ブームを伸長させた状態でのブームや走行体の作動規制はないので、ブームを倒伏作動させてブーム先端部に設けられた作業台が誤って地面に押し付けられて走行体の一部が地面から浮き上がり車両の制動力が低下したり、車両の進行方向が急激に変化し、及び車両が転倒する虞がある、という問題が生じる。
【0004】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、高所作業車が所定の傾斜角の傾斜地に移動した場合に、作業台が地面に当接して走行体が浮き上がり、車両の制動力を低下させたり、車両の進行方向の急激な変化や、及び車両が転倒する虞を未然に防止する作業車の作動規制装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の作業車の作動規制装置は、走行可能な車体に起伏動且つ伸縮動自在なブーム(例えば、実施形態における伸縮ブーム15)を有した作業車(例えば、実施形態における高所作業車1)の作動規制装置であって、ブームを起伏動させる起伏アクチュエータ(例えば、実施形態における起伏シリンダ19)と、ブームを伸縮動させる伸縮アクチュエータ(例えば、実施形態における伸縮シリンダ17)と、車体が載置された地面に対するブームの先端部の位置を算出するブーム先端位置算出手段(例えば、実施形態における作業台位置算出回路53)と、車体が載置された地面にブームの先端部を当接させないで移動可能なブームの限界移動範囲を設定し、ブーム先端位置算出手段により算出されたブーム先端部位置が限界移動範囲を越える起伏アクチュエータ及び伸縮アクチュエータの作動を規制する作動規制手段(例えば、実施形態における作動規制回路59)とを有している。
【0006】
この装置によれば、ブーム先端部の位置がブーム先端位置算出手段により算出され、この算出されたブーム先端部位置が限界移動範囲を越える場合には、作動規制手段が起伏アクチュエータ及び伸縮アクチュエータの作動を規制する。このため、車両が載置された地面の傾斜角度に係わらずブームの先端部が地面に当接することを未然に防止することができ、ブームの先端部が地面に当接して車体を走行させる走行体が浮上して車体の制動力を低下させたり、車両の進行方向の急激な変化及び車両の転倒を未然に防止することができる。
【0007】
また、第2の本発明に係る作動規制装置は、車体を走行させる走行手段(例えば、実施形態における前輪5、後輪7、走行モータ47)を有し、ブーム先端部位置が限界移動範囲を越えているときは作動規制手段が走行手段の作動を規制する。ブーム先端部位置が限界移動範囲を越えている場合は、車体が載置された地面に作業台が当接し、走行手段の一部を浮上させる虞が大きいので、作動規制手段が走行手段の作動を規制することで、車両進行方向の急激な変化や車両の転倒を未然に防止することができる。
【0008】
さらに、上記作動規制装置において、ブーム先端部算出手段は、ブームの伸長量を検出するブーム伸長検出手段と、車体に対するブームの起伏角度を検出するブーム起伏角検出手段と、車体の地面に対する傾斜角度を検出する傾斜検出手段とを備え、限界移動範囲は、傾斜検出手段により検出された車体の傾斜角度から検出された地面と平行で上方に所定距離を有する位置の仮想平面を設定することで設定される。この傾斜検出手段により検出された車体傾斜角度が所定の角度を超え、ブーム先端部が仮想平面を超えようとしているときには、作動規制手段により、起伏アクチュエータ及び伸縮アクチュエータの作動規制もしくは走行手段の作動規制を行うようにするのが好ましい。車両が限界移動範囲を超えようとしている状態で作業台が地面に当接して走行手段の一部が浮き上がったときに、車両進行方向の急激な変化や車両の転倒が生じやすいため、車体傾斜角が所定角度以上のときには、作動規制を行って作業台と地面との当接が生じるようなことを未然に防止したり、走行を規制したりするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図4に基づいて説明する。本実施の形態は車体の左右方向の両端部に一対の前輪と後輪を有した自走式の高所作業車の態様を示す。最初に本発明の作動規制装置を説明する前に、この作動規制装置を搭載した高所作業車を説明する。高所作業車1は、図1に示すように、車体3の前後の各左右方向の両端部に一対の前輪5と後輪7とを有している。前輪5は従動輪であるとともに車体3の左右方向に揺動可能に設けられ車両の進行方向を変える方向舵の機能を有している。一対の後輪7は駆動輪であり、各後輪7に接続された図示しない走行モータの駆動により一対の後輪7が回転駆動するように構成されている。尚、前輪5と後輪7との関係は前述したものに限るものではなく、前輪5を駆動輪とし後輪7を従動輪とし、また、前輪5と後輪7を共に駆動輪とすることもできる。
【0010】
車体3の上部には旋回動自在な旋回台9が設けられ、旋回台9の下方の車体3内には旋回モータ11が設けられている。この旋回モータ11が作動することで旋回台9が旋回動するように構成されている。旋回台9の上部後側であってその左右方向の中央部には伸縮動自在な伸縮ブーム15の基部が上下方向に揺動自在に枢結されている。伸縮ブーム15はその基端部側から基端ブーム部材15a・中間ブーム部材15b・先端ブーム部材15cの3本のブーム部材を入れ子式に構成し、基端ブーム部材15a内に伸縮シリンダ17を内蔵し、この伸縮シリンダ17を伸縮作動させることで伸縮ブーム15が伸縮動するように構成されている。基端ブーム部材15aの下面側の側壁と旋回台9の上部間には起伏シリンダ19が枢結されており、起伏シリンダ19の伸縮作動により伸縮ブーム15が起伏作動するように構成されている。旋回台9の後端下部には車両のバランスを保持するバランサウェイト21が取り付けられている。
【0011】
伸縮ブーム15の先端部には作業者が搭乗可能な作業台23が上下方向に揺動自在に設けられている。先端ブーム部材15cと作業台23間には図示しないレベリング装置が設けられており、伸縮ブーム15の起伏角度に応じてレベリング装置が作動して作業台23を常に水平状態に保持している。作業台23には伸縮ブーム15を起伏・伸縮・旋回動させるブーム操作装置25と、車両の走行方向や走行速度を操作する走行操作装置27が設けられている。尚、ブーム操作装置25と走行操作装置27は車体3の側部にも設けられており、これらの操作装置は、伸縮ブーム15が起立した状態で車体3に格納されているときに伸縮ブーム15を倒伏動させて作業者が作業台23に搭乗する場合に主に使用される。また、ブーム操作装置25と走行操作装置27は遠隔操作が可能であり、地上にいる作業者がリモートコントロール装置を操作してブーム操作装置25と走行操作装置27を操作することができるように構成することもできる。
【0012】
次に、作動規制装置40を図2を使用して説明する。作動規制装置40は車両が載置された地面に図1に示す作業台23が当接しないように伸縮ブーム15の作動源である伸縮シリンダ17と起伏シリンダ19の伸縮作動を規制したり、走行を規制したりする装置である。作動規制装置40は、図2に示すように、ブーム操作装置25と走行操作装置27とブーム伸長量センサ41とブーム起伏角センサ43と車体傾斜角センサ44とコントローラ45と起伏シリンダ19と伸縮シリンダ17と走行モータ47と作動制御弁49とを有して構成されている。
【0013】
ブーム操作装置25と走行操作装置27は前述したのでその説明は省略する。
ブーム伸長量センサ41は図1に示す伸縮ブーム15の伸長量を検出する機能を有し、伸縮ブーム15に設けられ、コントローラ45に電気的に接続されている。ブーム起伏角センサ43は車体に対する伸縮ブーム15の起伏角度を検出する機能を有し、車体傾斜角センサ44は地面に対する車体の傾斜角度を検出する機能を有し、それぞれコントローラ45に電気的に接続されている。
【0014】
コントローラ45は作動制御回路51と作業台位置算出回路53と限界移動範囲設定回路55と判定回路57と作動規制回路59とを有して構成されている。作動制御回路51はブーム操作装置25と走行操作装置27の操作信号に基づいて作動制御弁49の作動を制御して起伏シリンダ19・伸縮シリンダ17・走行モータ47の作動を制御する。作業台位置算出回路53はブーム伸長量センサ41とブーム起伏角センサ43と車体傾斜角センサ44との検出値に基づいて車両が載置された地面に対する作業台23の位置を算出する機能を有する。ここで、車両が傾斜地に載置されている場合において作業台23が地面に当接し易い部分は、レベリング機構が作業台23を常に水平状態に保持していることを考慮すると、作業台23の先端下部又は後端下部である。そこで、ここでは、作業台位置算出回路53により算出される作業台23の位置を作業台23の先端下部として説明する。
【0015】
図3は限界移動範囲設定回路55により設定される作業台23の限界移動範囲を説明するための図であり、同図に示すように、限界移動範囲設定回路55は車両の載置された地面(水平面から傾斜角度θをなす面)に作業台23が当接しないようにこの地面と平行であって上方へ所定の離間寸法Hを有する位置に仮想平面aを設定し、この仮想平面aを作業台23の移動限界として設定する機能を有する。尚、傾斜角度θは任意の角度に対応でき水平面(θ=0度)であっても、水平面に対して負角であってもよい。
【0016】
図2に示す判定回路57は作業台位置算出回路53により算出された作業台23の位置が限界移動範囲設定回路55により設定された作業台23の仮想平面aを越えている(図1や図3に示す仮想平面aよりも地面側に作業台23の先端下部がある状態)か否かを判定する機能を有する。作動規制回路59は作業台23が仮想平面aを越えている旨の判定回路57による判定信号を受け取ったときに、ブーム操作装置25からの操作信号のうち作業台23が仮想平面aを越える方向への操作信号に対応した作動制御回路51による制御信号の出力を規制する機能を有する。起伏シリンダ19・伸縮シリンダ17・走行モータ47には図示しない油圧管路を介して作動制御弁49が接続されており、作動制御弁49はコントローラ45に電気的に接続されている。
【0017】
次に、本発明の作動規制装置40の作用を高所作業車1を走行移動させる場合について説明する。最初に、図1に示すように、水平な地面上にいる作業者が車体3に設けられたブーム操作装置(図示せず)を操作して伸縮ブーム15を倒伏動させて作業台23を地面の近傍に降下させ、作業者が作業台23に搭乗する。更に詳細には、車体3内のブーム操作装置が操作されると、その操作信号が図2に示す作動制御回路51に送られ、作動制御回路51はその操作信号に基づいて起伏シリンダ19と伸縮シリンダ17に接続された作動制御弁49の作動を制御して、起伏シリンダ19と伸縮シリンダ17の伸縮作動を制御する。この結果、図1に示す伸縮ブーム15が倒伏作動して作業台23が降下する。
【0018】
このように車体3に設けられたブーム操作装置が操作されて伸縮ブーム15が作動されると、図2に示すブーム伸長量センサ41とブーム起伏角センサ43により伸縮ブーム15の伸長量と起伏角が検出され、これら伸長量検出値と起伏角検出値がコントローラ45の作業台位置算出回路53に送られる。作業台位置算出回路53は伸長量検出値と起伏角検出値に基づいて作業台23の先端下部の位置を算出し、算出された作業台23の位置は判定回路57に送られる。
【0019】
更に、限界移動範囲設定回路55は車体傾斜角センサ44の検出値などから地面の位置を算出し、算出された地面と平行であって上方へ所定の離間寸法Hを有する位置に仮想平面aを設定し、この仮想平面aを下方に越える作業台23の移動限界として設定する。仮想平面aの位置情報は図2に示す判定回路57に送られ、作業台位置算出回路53により算出された作業台23の現在位置と比較される。
【0020】
ここで、例えば、作業者による降下する作業台23の停止操作が遅れ、作業台23の先端下部が仮想平面aを越えようとすると、図2に示す判定回路57が作業台位置算出回路53により算出された作業台23の位置情報と仮想平面aの位置情報に基づいて作業台23の位置が仮想平面aを越えると判定し、この判定信号が作動規制回路59に送られる。そして、作動規制回路59が判定信号に基づいて作動制御回路51から出力される仮想平面aを越える作業台23の作動制御信号の出力を規制する。この結果、作業台23が地面の近傍で停止する。この結果、作業者が作業台23に容易に搭乗することができる。
【0021】
そして、作業台23に搭乗した作業者が作業台23内のブーム操作装置25を操作して作業台23を所望の高さまで上昇させることができる。ブーム操作装置25の操作信号は図2に示す作動制御回路51に送られ、作動制御回路51はその操作信号に基づいて起伏シリンダ19と伸縮シリンダ17に接続された作動制御弁49の作動を制御して、起伏シリンダ19と伸縮シリンダ17の伸縮作動を制御する。この結果、伸縮ブーム15が起仰作動するとともに伸縮作動して作業台23が作業者の指定する所望の位置に移動する。
【0022】
また、作業者が走行操作装置27を手動操作して車両を走行させることもできる。走行操作装置27が操作されると、その操作信号が図2に示す作動制御回路51に送られ、作動制御回路51がその操作信号に基づいて走行モータ47に接続された作動制御弁49の作動を制御して、走行モータ47の回転方向と回転数を制御する。この結果、車両が所定の速度で、例えば、図1に示すように水平面上を走行したり、図3に示すように水平面から傾斜面に移動して走行したりする制御が可能となる。このような傾斜面上においても図3に示すように傾斜面から所定の離間寸法Hを有して傾斜面に平行な仮想平面aが設定される。尚、設定される仮想平面aの範囲は少なくとも伸縮ブーム15を全縮及び全伸長させるとともに傾斜面の近傍まで倒伏動させたときに、作業台23の先端下部が仮想平面aと交差する位置まであればよい。
【0023】
ここで、傾斜面上を車両が走行しているときに作業台23に搭乗している作業者が、ブーム操作装置25を誤操作して作業台23が仮想平面aを越えようとすると、図2に示す判定回路57が作業台位置算出回路53により算出された作業台23の位置情報と仮想平面aの位置情報に基づいて作業台23の位置が仮想平面aを越えると判定し、この判定信号が作動規制回路59に送られる。そして、作動規制回路59が判定信号に基づいて作動制御回路51から出力される仮想平面aを越える作業台23の作動制御信号の出力を規制する。この結果、作業台23が傾斜面と当接することを未然に防止することができ、作業台23が傾斜面に当接して車両の前輪又は後輪が浮き上がり車両の制動力を低下させたり、車両の進行方向の急激な変化及び車両の転倒する虞を未然に防止することができる。
【0024】
尚、前述した実施の形態では、図2に示すコントローラ45に作動規制回路59を設けて、作業台23の位置が仮想平面aを越える起伏シリンダ19と伸縮ブーム7の作動を規制したが、作業台23の位置が仮想平面aを越えようとするときに走行モータ47の作動を規制するようにしても良い。この場合には、図4に示すように、作業台23が仮想平面aを越えたときに、図2に示す判定回路57が判定信号を作動規制回路59に送り、この判定信号に基づいて作動規制回路59が走行操作装置27から送られた車両の走行信号に対応し作動制御回路51から出力される走行制御信号を遮断して、走行モータ47の作動を停止させる。このため、作業台23が図4に示すように傾斜面に当接したまま車両が走行を続けて、車両の進行方向が急激に変化したり、車両が転倒したりすることを未然に防止することができる。
【0025】
なお、作業台23が地面に当接したときに問題となるのは、車両が傾斜面を走行している場合であるので、車体傾斜センサ44により検出された車体傾斜角が所定角度を超えて大きいときには、作業台23が下動するような作動を規制したり、走行規制を行ったりするのが好ましい。
【0026】
また、高所作業車1をトレーラに搭載して他の場所に搬送する場合、高所作業車1は次のようにしてトレーラに搭載される。即ち、伸縮ブーム15を全縮且つ起伏角度が負角にならない状態で車体3に格納した後に、高所作業車1の積み込み方向に対して作業台23を後側にして高所作業車1を走行させ、トレーラの後部から斜め下方に延出させた登降用の傾斜板上を登り、トレーラの荷台に高所作業車1が積み込まれる。ここで、傾斜板の傾斜角度は一般に大きく、高所作業車1が水平な地面から傾斜板上を走行し始めると作業台23が水平な地面に当接する虞があるが、伸縮ブーム15は全縮状態で且つ起伏角度が負角にならないように車体3に格納されているので、作業台23が水平な地面に当接する虞はない。また、作業台23は傾斜板の仮想平面aよりも上方の位置にあるので、作動規制装置59は作動せず伸縮ブーム15の作動を規制したり、車両の走行が規制されることはない。このため、作業台23が地面に当接することなく高所作業車1をトレーラの荷台に搭載することができる。
【0027】
同様の理由から、例えば、図3に示すように、水平面から傾斜面に走行移動するときに、車両がまだ水平面にある状態でブーム先端の作業台23が傾斜面と当接するとう問題が生じるおそれがある。このようなことから、走行可能となる最大傾斜面を想定し、この最大傾斜面に走行移動するときにも作業台23が傾斜面に当接しないような伸縮ブーム15の起伏角(この起伏角はブームの伸長量に応じて可変設定される)を設定し、伸縮ブーム15の起伏角がこの設定起伏角以下のときには走行規制を行うようにしても良い。これにより、平坦路から坂道に走行移動するときに、作業台23が地面と干渉するおそれがなくなり、スムーズな走行が可能となる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の作業車の作動規制装置によれば、車体が載置された地面にブームの先端部を当接させないブームの限界移動範囲を設定し、限界移動範囲をブーム先端位置検出手段の傾斜検出手段により検出された車体の傾斜角度から検出された地面と平行で上方に所定距離を有する位置の仮想平面を設定し、さらにブーム先端位置算出手段により算出されたブーム先端部位置が限界移動範囲を越える起伏アクチュエータと伸縮アクチュエータの作動を作動規制手段が規制することで、車両が載置された地面にブームの先端部が地面に当接することを未然に防止することができ、ブームの先端部が地面に当接して車体を走行させる場合に走行体が浮上して車体の制動力を低下させたり、車両の進行方向の急激な変化、及び車両の転倒を未然に防止することができる。
【0029】
また、車体を走行させる走行手段を有し、ブーム先端部位置が限界移動範囲を越えているときは作動規制手段が走行手段の作動を規制するようにしても良い。この場合には、作業台が地面に当接したまま走行することが防止され、車両進行方向の急激な変化や車両の転倒を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における作動規制装置を搭載した高所作業車の正面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態における作動規制装置のブロック図である。
【図3】 本発明の一実施の形態における作動規制装置の限界移動範囲設定回路により設定される限界移動範囲を説明するための図である。
【図4】 本発明の一実施の形態における作動規制装置の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 高所作業車(作業車)
3 車体
5 前輪(走行手段)
7 後輪(走行手段)
15 伸縮ブーム(ブーム)
17 伸縮シリンダ(伸縮アクチュエータ)
19 起伏シリンダ(起伏アクチュエータ)
40 作動規制装置
47 走行モータ(走行手段)
53 作業車位置算出回路(ブーム先端部位置算出手段)
59 作動規制回路(作動規制手段)
Claims (3)
- 走行可能な車体に起伏動且つ伸縮動自在なブームを有した作業車の作動規制装置であって、
前記ブームを起伏動させる起伏アクチュエータと、
前記ブームを伸縮動させる伸縮アクチュエータと、
車体が載置された地面に対する前記ブームの先端部の位置を算出するブーム先端部位置算出手段と、
前記車体が移動する際に該車体が載置された地面に前記ブームの先端部を当接させないで移動可能な前記ブームの先端部の限界移動範囲を設定し、前記ブーム先端部位置算出手段により算出されたブーム先端部位置が前記限界移動範囲を越える前記起伏アクチュエータ及び前記伸縮アクチュエータの作動を規制する作動規制手段とを有し、
さらに、前記ブーム先端部算出手段は、前記ブームの伸長量を検出するブーム伸長検出手段と、前記車体に対するブームの起伏角度を検出するブーム起伏角検出手段と、前記車体の地面に対する傾斜角度を検出する傾斜検出手段とを備え、
前記限界移動範囲は、前記傾斜検出手段により検出された車体の傾斜角度から検出された地面と平行で上方に所定距離を有する位置の仮想平面を設定することで設定される、ことを特徴とすることを特徴とする作業車の作動規制装置。 - 走行可能な車体に起伏動且つ伸縮動自在なブームを有した作業車の作動規制装置であって、
前記ブームを起伏動させる起伏アクチュエータと、
前記ブームを伸縮動させる伸縮アクチュエータと、
車体が載置された地面に対する前記ブームの先端部の位置を算出するブーム先端部位置算出手段と、
前記車体を走行させる走行手段と、
前記車体が移動する際に該車体が載置された地面に前記ブームの先端部を当接させないで移動可能な前記ブームの先端部の限界移動範囲を設定し、前記ブーム先端部位置算出手段により算出されたブーム先端部位置が前記限界移動範囲を越えているときは前記走行手段の作動を規制する作動規制手段とを有し、
さらに、前記ブーム先端部算出手段は、前記ブームの伸長量を検出するブーム伸長検出手段と、前記車体に対するブームの起伏角度を検出するブーム起伏角検出手段と、前記車体の地面に対する傾斜角度を検出する傾斜検出手段とを備え、前記限界移動範囲は、前記傾斜検出手段により検出された車体の傾斜角度から検出された地面と平行で上方に所定距離を有する位置の仮想平面を設定することで設定される、ことを特徴とする作業車の作動規制装置。 - 前記傾斜検出手段により検出された前記車体の傾斜角度が所定の角度を超えているときに、前記作動規制手段により、前記起伏アクチュエータ及び前記伸縮アクチュエータの作動規制もしくは前記走行手段の作動規制を行うことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の作業車の作動規制装置。
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