JP3977236B2 - 屈伸式ブーム作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体上に伸縮動、起伏動及び旋回動自在に取り付けられたロアブームと、ロアブームの先端に伸縮動及び起伏動自在に取り付けられたアッパブームと、アッパブームの先端に取り付けられた作業台とを有する屈伸式ブーム作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような屈伸式ブーム作業車は既に広く用いられており、トラックシャーシ等の走行移動自在な車両の車体上に、伸縮動、起伏動及び旋回動自在に設けられたロアブームと、このロアブームに伸縮動及び起伏動自在に設けられたアッパブームと、アッパブームの先端に設けられその床面が常時水平状態に維持される作業台とからなる高所作業装置を有して構成されている。作業台には、ロアブーム及びアッパブームの作動操作を行う操作装置が設けられ、車体側には操作装置からの操作信号を受けてロアブーム及びアッパブームの作動を制御する作動制御装置が設けられている。
【0003】
そして、作業台に搭乗する作業者は、操作装置を操作することによりロアブームを伸縮動、起伏動及び旋回動、アッパブームを伸縮動及び起伏動(屈伸動)させて作業台を所望の高所に移動させることができるのであるが、作業台を高所に移動させると高所作業装置による転倒モーメントが働いて車体が不安定になる範囲ができるため、予め決められた範囲(規制作業領域)内で作業台が移動できるように安全装置が設けられている。
【0004】
例えば、図6に示すように、ロアブーム75とアッパブーム76を伸長させるとともに起立・伸長させて作業台78を上方に移動させた状態Aから、アッパブーム76をロアブーム75に対して屈曲作動させてアッパブーム76を水平に延びるように移動した状態Bを経て、このロアブーム75とアッパブーム76の角度を保ったままロアブーム75を全縮させた状態Cに作業台78を移動させた場合、Bの状態よりもCの状態の方が車体に対して作業台78が外側に位置するため転倒モーメントが大きくなり、安定度は悪くなる。このとき、図6において、状態Bから作業台78を略鉛直方向に直線移動させる手段を用いれば、安定度を悪化させずに作業台78を下方に移動することが可能であり、このような手段としては、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−220098号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されている方法によると、作業台78を略鉛直方向に移動させる場合に、ロアブーム75及びアッパブーム76の起伏・屈伸作動をさせているため、ロアブーム75及びアッパブーム76の起伏・屈伸作動による慣性力が作業台78に働き作業台78に搭乗した作業者が不快感を感じるという課題があった。また、ロアブーム75とアッパブーム76の起伏・屈伸作動で作業台78を略鉛直方向に移動する場合、起伏・屈伸角度の変化に対して、作業台78の移動量が比例しないため、制御が複雑になるという課題があった。
【0007】
さらに、ロアブーム75とアッパブーム76の起伏・屈伸作動で作業台78を略鉛直方向に移動させると、ロアブーム75とアッパブーム76の枢結部がこのロアブーム75とアッパブーム76の起伏・屈伸作動面内における水平方向に対して大きく移動する。そのため、作業環境によってはこの枢結部が車体幅方向より外側に突出して建物等と干渉するおそれがあるという課題もあった。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、車体とロアブームのなす角度及びロアブームとアッパブームのなす角度を一定に保ったままロアブームとアッパブームの伸縮動のみで作業台を略鉛直方向に直線移動させる制御を可能とする屈伸式ブーム作業車を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る屈伸式ブーム作業車は、車体と、この車体に伸縮動、起伏動及び旋回動自在に取り付けられたロアブームと、ロアブームの先端に伸縮動及び起伏動自在に取り付けられたアッパブームと、アッパブームの先端に取り付けられた作業台と、ロアブームの車体に対する位置及びアッパブームの車体に対する位置若しくはロアブームに対する位置を検出する位置検出装置とを備え、位置検出装置により検出したロアブームとアッパブームの位置に基づいて、ロアブーム及びアッパブームを連動して伸縮動させて車体とロアブームがなす角度及びロアブームとアッパブームがなす角度を保持しながら作業台を略鉛直方向に直線移動させる制御を行う直線作動制御手段(例えば、実施形態における直線作動制御回路33)を有するように構成する。
【0010】
このような構成によると、車体とロアブームのなす角度及びロアブームとアッパブームのなす角度を一定に維持するようにロアブーム及びアッパブームの伸縮作動だけで作業台を直線移動させることができるため、ロアブーム及びアッパブームの伸縮作動による慣性力は、このロアブーム及びアッパブームの支軸方向に働くため、ロアブーム及びアッパブームの基端部で受け止められ、作業台に過度の慣性力が働かず、作業台に搭乗した作業者に不快感を与えることがない。また、ロアブーム及びアッパブームの伸縮量と作業台の移動量が比例するために直線作動制御手段において直線作動を容易に行うことができる。さらに、ロアブームを起立させて起伏角度をある程度大きくした場合には、このロアブーム及びアッパブームの起伏・屈伸作動面内においてロアブームとアッパブームの枢結部が水平方向に大きく移動しないため、回りに建物等が存在して狭い空間内にあってもロアブーム及びアッパブームがこの建物等と干渉することがなく作業台を安全に略鉛直方向に直線移動させることが可能となる。
【0011】
なお、直線作動制御手段が、作業台を略鉛直方向若しくは略水平方向に直線移動させる制御を行うように構成することもでき、このような構成によると、直線作動制御手段を簡単にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る屈伸式ブーム作業車の一例として、ロアブームとアッパブームとがそれぞれ伸縮動自在な屈伸式ブーム作業車1を図2に示している。この屈伸式ブーム作業車1は、車体2の前方に運転キャビン2aを有し、前後輪3a,3bを有して走行可能なトラック車両をベースに構成される。車体2の後部には旋回モータ51により駆動されて旋回可能に構成された旋回台4が取り付けられている。そして、この旋回台4の上部に基端部が枢結されて起伏シリンダ52の伸縮作動により鉛直面内に起伏動可能にロアブーム5が取り付けられている。
【0013】
ロアブーム5は、ロア基端ブーム5aとロア先端ブーム5bとからなり、ロア基端ブーム5aに入れ子式にロア先端ブーム5bが嵌挿されるとともに、このロアブーム5に内蔵したロア伸縮シリンダ53(図1参照。図2おいては図示せず。)により駆動されて伸縮動可能に構成されている。
【0014】
ロア先端ブーム5bの先端部にロアブーム5に対して起伏動(屈伸動という)可能にアッパブーム6が枢結されており、このアッパブーム6は、アッパブーム6の左右に配設された屈伸シリンダ54の伸縮作動によりロアブーム5の起伏作動面と同一面内でロアブーム5に対して屈伸動可能に構成されている。アッパブーム6はアッパ基端ブーム6aとアッパ先端ブーム6bとからなり、アッパ基端ブーム6aに入れ子式にアッパ先端ブーム6bが嵌挿されるとともに、アッパブーム6に内蔵したアッパ伸縮シリンダ55(図1参照。図2においては図示せず。)の作動により伸縮作動可能となっている。
【0015】
アッパ先端ブーム6bの先端部には、ロアブーム5及びアッパブーム6の起伏・屈伸作動面と同一面内(鉛直面内)において揺動可能に垂直ポスト7が枢結されており、図示しないレベリングシステムによってロアブーム5の起伏動、アッパブーム6の屈伸動の如何に拘わらず垂直ポスト7が常に垂直に延びて位置するようにレベリング制御される。そして、このように常時垂直に保持される垂直ポスト7に図示しない首振モータによって水平旋回自在に(首振り自在に)作業台8が取り付けられており、作業台8の床面はロアブーム5の起伏作動やアッパブーム6の屈伸作動に拘わらず常に水平に保持される。
【0016】
車体2の前後左右の4箇所に、車体2の幅方向に拡幅自在で上下方向に伸縮自在なアウトリガジャッキ17(17L,17R)が設けられている。高所作業を行うときには、周囲の障害物との相対位置関係に応じて作業者が左右のアウトリガジャッキ17L,17Rをそれぞれ車幅方向に拡幅伸長させ、下方に張り出させて車体2を持上げ支持する。
【0017】
作業台8には、操作装置10が設けられている(図1参照。)。操作装置10には、旋回台4やロアブーム5、アッパブーム6等の作動指令を行う操作レバーが設けられており、この操作装置10は、作業台8に搭乗する作業者が旋回台4の旋回操作を行う旋回操作装置11、ロアブーム5の起伏並びに伸縮操作を行うロアブーム操作装置12、アッパブーム6の屈伸並びに伸縮操作を行うアッパブーム操作装置13等から構成されている。
【0018】
作業台8にはモード切替スイッチ14も設けられている。モード切替スイッチ14は通常モードと直線モードの2つのモードを有し、モード切替スイッチ14を左右に旋回動させると、2つのモードのいずれかを選択可能に構成されている。
【0019】
モード切替スイッチ14により通常モードが選択されているときは、旋回操作装置11の操作レバー11aを中立位置から一方側に傾動操作すると、旋回台4が平面視において時計方向に旋回動し、他方側に傾動操作すると反時計方向に旋回動するように構成されている。ロアブーム操作装置12の操作レバー12aを中立位置から前後方向の一方側に傾動操作するとロアブーム5が起仰動し、前後方向の他方側に傾動操作するとロアブーム5が倒伏動し、操作レバー12aを中立位置から左右方向の一方側に傾動操作するとロアブーム5が伸作動し、左右方向の他方側に傾動操作すると縮作動するように構成されている。
【0020】
また、アッパブーム操作装置13の操作レバー13aを中立位置から前後方向の一方側に傾動操作するとアッパブーム6が屈曲動し、前後方向の他方側に傾動操作すると伸長動し、操作レバー13aを中立位置から左右方向の一方側に傾動操作するとアッパブーム6が伸作動し、左右方向の他方側に傾動操作すると縮作動するように構成されている。
【0021】
モード切替スイッチ14により直線モードが選択されているときは、ロアブーム操作装置12を用いて、ロアブーム5及びアッパブーム6の起伏・屈伸作動面内で作業台8を現在位置から直線移動させることができるように構成されており、このロアブーム操作装置12の操作レバー12aにより作業台8を直線移動させることができる。なお、この説明では直線モードが選択されたときにロアブーム5及びアッパブーム6を制御して作業台8を直線移動させる操作装置としてロアブーム操作装置12としているが、旋回操作装置11又はアッパブーム操作装置13としてもよい。
【0022】
直線モードが選択されたときのロアブーム操作装置12は、この操作レバー12aが中立位置から前後方向の一方側に傾動操作されると作業台8を略鉛直上方に移動させ、前後方向の他方側に傾動操作されると作業台8を略鉛直下方に移動させ、操作レバー12aが中立位置から左右方向の一方側に傾動操作されると作業台8を略水平方向前側に移動させ、左右方向の他方側に傾動操作されると作業台8を略水平方向後側に移動させる(ロアブーム5及びアッパブーム6の起伏・屈伸作動面内を前後方向に水平移動させる)ように構成されている。
【0023】
この操作装置10において操作が行われると、操作装置10は操作内容に対応した操作信号を車体2に設けられたコントロールユニット30に出力する。図1にコントロールユニット30を含む作動制御装置の構成を示す。コントロールユニット30は、操作装置10からの操作信号を受け取ると、操作信号に基づいた指令信号を油圧ユニット40に出力する。なお、図1では、電気的又は光学的信号回路を実線で示し、油圧回路を点線で示している。
【0024】
油圧ユニット40は、作動油を貯めるタンク41、エンジン又は電動モータにより駆動されて所定油圧・流量の作動油を吐出する油圧ポンプ42、油圧ポンプ42から吐出される作動油を指令信号に基づいた供給方向及び供給量で旋回モータ51や起伏シリンダ52等の油圧アクチュエータ50に供給制御する電磁比例弁SV1〜SV5、温度上昇した作動油を冷却するオイルクーラ(図示せず)などから構成されている。油圧ユニット40は、コントロールユニット30からの指令信号に応じて各油圧アクチュエータ50に供給する作動油の流れを制御し、もって各油圧アクチュエータ50の作動を制御するユニットである。
【0025】
コントロールユニット30には、車体2に対するロアブーム5の作動位置、ロアブーム5の先端に対するアッパブーム6の作動位置、アッパブーム6の先端に対する作業台8の作動位置を求めるために、位置検出装置20から検出信号も入力されている。位置検出装置20は、車体2に対する旋回台4の旋回角度を検出する旋回角度検出器21、ロアブーム5の起伏角度を検出する起伏角度検出器22、ロアブーム5におけるロア先端ブーム5bの伸長量を検出するロア伸長量検出器23、ロアブーム5に対するアッパブーム6の屈伸角度を検出する屈伸角度検出器24、屈伸ブーム6におけるアッパ先端ブーム6bの伸長量を検出するアッパ伸長量検出器25から構成されており、各検出値がコントロールユニット30に入力されている。また、アウトリガジャッキ17L,17Rには、ジャッキの車幅方向への張出量を検出するジャッキ張出量検出器(図示せず)等が設けられており、このような検出値もコントロールユニット30に入力されており、上述の旋回角度や起伏角度等と合わせて作業台8の規制作業領域を算出するために利用される(本実施形態では説明を省略する。)。
【0026】
コントロールユニット30は、ユニット内部に作動制御回路31、作動位置検出回路32及び直線作動制御回路33を有している。作動制御回路31は、モード切替スイッチ14において通常モードが選択されているときに、操作装置10からの操作信号に基づいて旋回台4、ロアブーム5及びアッパブーム6を作動させるための回路である。作業台位置算出回路32は、位置検出装置20からの検出信号に基づいて車体2に対する作業台8の位置を算出する回路である。直線作動制御回路33は、モード切替スイッチ14において直線モードが選択されているときに、操作装置10からの操作信号と作業台位置算出回路32からの作業台8の位置に基づいて、ロアブーム5及びアッパブーム6のロア伸縮シリンダ53及びアッパ伸縮シリンダ55を制御して、このロアブーム5及びアッパブーム6を連動して伸縮動させることにより、作業台8を直線移動させる制御を行うための回路である。
【0027】
以上のような構成によるコントロールユニット30を有する屈伸式ブーム作業車1における作業台8の直線移動制御について、作業台8の略鉛直方向への移動を例に図3〜5を用いて説明する。なお、図3〜5において、車体2を構成するトラック車両をベースとしたシャシフレームは省略し、このシャシフレーム上に取り付けられるサブフレームを車体2として示しており、このサブフレーム(車体2)に取り付けられた旋回台4及びアウトリガジャッキ17を合わせて示している(従来の技術で説明した図6も同様の構成として図示している。)。
【0028】
図3において、状態Aは、ロアブーム5とアッパブーム6を伸長させて、作業台8を車体2の上方に移動させた場合を示している。そして、モード切替スイッチ14を通常モードとして、ロアブーム5に対してアッパブーム6を屈曲作動させ、アッパブーム6を略水平状態に移動させた状態が状態Bである。なお、この状態Bでは状態Aに比べて車体2に対するロアブーム5、アッパブーム6及び作業台8による転倒モーメントが大きくなるが、アウトリガジャッキ17が車体2を安定支持可能な範囲にあるものとする。
【0029】
状態Bからロアブーム5を縮作動させて作業台8を下方に移動すると、図6を用いて説明したとおり、作業台8が車体2から外側に向かって移動して車体2に対する転倒モーメントが大きくなる。そのため、例えば状態Bにおいて作業台8が規制作業領域の限界近傍にある場合、ロアブーム5を縮作動させることにより作業台8がより車体2から外側に移動して規制作業領域の限界に達して安全装置が働き、ロアブーム5の縮作動を停止させる。この安全装置の作動を避けるため、本発明に係る屈伸式ブーム作業車1においては、モード切替スイッチ14を直線モードとし、ロアブーム5を縮作動させると同時にアッパブーム6を縮作動させて作業台8を略鉛直下方に直線移動させる。この直線作動制御により、状態Bにおける車体2の安定度を維持したまま作業台8を下方の状態Cに移動するように構成している。このとき、車体2とロアブーム5のなす角度(起伏角度)θ1及びロアブーム5とアッパブーム6がなす角度(以下、「挟み角度」と呼ぶ。)θ2は一定に維持されるように制御されている。
【0030】
ロアブーム5及びアッパブーム6の制御を以上のような構成とすることにより作業台8を規制作業領域の限界(規制線)に沿って直線移動させることが可能となる。このとき、ロアブーム5とアッパブーム6の伸縮動のみで作業台8を直線移動させているため、起伏・屈伸動により作業台8に働く慣性力に比べて、伸縮動により作業台8に働く慣性力がロアブーム5及びアッパブーム6の基端部で受け止められて小さくなるため、作業台8に搭乗した作業者に不快感を与えることがない。また、ロアブーム5を伸縮作動させたときに、作業台8が移動する移動量は、ロアブーム5の伸縮作動量と比例している。そのため、ロアブーム5を一定速度で伸縮作動させときに、アッパブーム5の伸縮作動も一定速度で行うことができるため、直線作動制御回路33による制御が簡単になる。また、作業台8の移動速度の制御も同様の理由で容易である。
【0031】
図4は、ロアブーム5とアッパブーム6を伸長して作業台8を車体2の上方に移動させた状態(状態A)から、図3の場合と同様に、ロアブーム5とアッパブーム6を連動して伸縮動させることで作業台8を略鉛直方向に直線移動(図4においては、ロアブーム5とアッパブーム6を縮作動させて作業台8を略鉛直下方に直線移動)させて状態Bにした場合を示している。なお、このときも、ロアブーム5の起伏角度θ1及びロアブーム5とアッパブーム6の挟み角度θ2は一定に維持されるように制御されている。図4に示すように、ロアブーム5の起伏角度θ1がある程度大きい場合において、ロアブーム5とアッパブーム6の伸縮動で作業台8を直線移動させると、ロアブーム5及びアッパブーム6の起伏・屈伸作動面における水平方向幅が大きく変化しない。特に、ロアブーム5とアッパブーム6の枢結部は、作業台8を直線移動させても、このロアブーム5とアッパブーム6の起伏・屈伸作動面内における水平方向への移動量が小さいため、例えば、作業台8を上方へ移動させるためにロアブーム5とアッパブーム6を連動して伸長させても、この枢結部が車体2の外方に大きく移動して建物等と干渉するおそれが無いため、限られた作業領域内でも作業台8の直線移動を安全に行うことができる。
【0032】
図5は、従来のアッパブーム6の起伏動と伸縮動による作業台8の直線移動(状態A〜C)と、本発明に係るロアブーム5及びアッパブーム6の伸縮動のみによる直線移動(状態C〜D)とを組み合わせて作業台8を略鉛直方向に直線移動させた場合を示している。状態Aはロアブーム5とアッパブーム6を伸長させるとともに、起立・伸長動させて作業台8を車体2の上方に移動させた場合であり、この状態からアッパブーム6を屈曲動させるとともに縮作動させて作業台8を略鉛直方向に直線移動させアッパブーム6を水平に延びる位置である状態Bまで移動させる。さらに、アッパブーム6を屈曲動させるとともに伸作動させて作業台8を略鉛直方向に直線移動させて、アッパブーム6が全伸状態である状態Cまで移動させる。
【0033】
そして、さらに作業台8を下方に移動させるために、ロアブーム5とアッパブーム6を連動して縮作動させて作業台8を状態Dまで移動させるように構成されている。なお、このときも、ロアブーム5の起伏角度θ1及びロアブーム5とアッパブーム6の挟み角度θ2は一定に維持されるように制御されている。このように構成することにより、作業台8の直線移動可能な範囲が図5に示す通りH+H′の範囲とすることができるため、鉛直移動の範囲が広がり作業効率が向上する。なお、図5においては、先に、アッパブーム6の屈曲動と伸縮作動を連動させて作業台8を略鉛直下方に移動させ、次に、ロアブーム5とアッパブーム6の縮作動を連動させて作業台8を略鉛直下方に移動させるように操作しているが、逆の手順で操作して、作業台8を鉛直移動させることも可能である。
【0034】
以上の説明においては、ロアブーム5の起伏角度及びロアブーム5とアッパブーム6の挟み角度を一定に維持したままこのロアブーム5及びアッパブーム6を連動して伸縮動させて作業台8を略鉛直方向に直線移動させる場合について説明したが、同様の方法でロアブーム5とアッパブーム6の起伏・屈伸作動面内において、作業台8を略水平方向又は任意の方向への直線移動させることも可能である。このとき、作業台8を略鉛直方向若しくは略水平方向のみに直線移動可能なように構成すると、コントロールユニット30における直線作動制御回路32によるロアブーム5及びアッパブーム6の制御を簡単にすることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る屈伸式ブーム作業車によれば、車体とロアブームのなす角度と、ロアブームとアッパブームのなす角度を保持しながらロアブームとアッパブームを連動して伸縮動させることで作業台を直線移動させる直線作動制御手段を有して構成しているため、作業台に過度の慣性力が働かず、作業台に搭乗した作業者に不快感を与えることがない。また、ロアブーム及びアッパブームの伸縮量と作業台の移動量が比例するために直線作動制御手段において作業台の直線作動制御を容易に行うことができる。さらに、ロアブームを起立させて起伏角度をある程度大きくした場合には、このロアブーム及びアッパブームの起伏・屈伸作動面内においてロアブームとアッパブームの枢結部が水平方向に大きく移動しないため、回りに建物等が存在して狭い空間内にあってもロアブーム及びアッパブームがこの建物等と干渉することがなく作業台を安全に鉛直方向に直線移動させることが可能となる。
【0036】
なお、直線作動制御手段が、作業台を略鉛直方向若しくは略水平方向に直線移動させる制御を行うように構成することにより、直線作動制御手段の構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコントロールユニットの構成図である。
【図2】本発明に係る屈伸式ブーム作業車の射視図である。
【図3】本発明に係る屈伸式ブーム作業車において規制線に沿って作業台を上方から下方に移動させた場合を示す側面図である。
【図4】本発明に係る屈伸式ブーム作業車において、作業台を略鉛直方向に直線移動させた場合を示す側面図である。
【図5】作業台を従来の方法略鉛直方向に直線移動した場合と、本発明に係る直線移動で略鉛直方向に移動をした場合を組み合わせ場合の側面図である。
【図6】屈伸式ブーム作業車においてロアブームを縮作動させたときの作業台の移動範囲を示す側面図である。
【符号の説明】
1 屈伸式ブーム作業車
2 車体
5 ロアブーム
6 アッパブーム
8 作業台
20 位置検出装置
33 直線作動制御回路(直線作動制御手段)
Claims (1)
- 車体と、
前記車体に伸縮動、起伏動及び旋回動自在に取り付けられたロアブームと、
前記ロアブームの先端に伸縮動及び起伏動自在に取り付けられたアッパブームと、
前記アッパブームの先端に取り付けられた作業台と、
前記ロアブームの前記車体に対する位置及び前記アッパブームの前記車体に対する位置若しくは前記ロアブームに対する位置を検出する位置検出装置とを備える屈伸式ブーム作業車において、
前記位置検出装置により検出した前記ロアブームと前記アッパブームの位置に基づいて、
前記ロアブーム及び前記アッパブームを連動して伸縮動させて前記車体と前記ロアブームがなす角度及び前記ロアブームと前記アッパブームがなす角度を保持しながら前記作業台を略鉛直方向に直線移動させる制御を行う直線作動制御手段を有することを特徴とする屈伸式ブーム作業車。
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