JP2004175561A - ブーム式高所作業車の作業範囲規制装置 - Google Patents

ブーム式高所作業車の作業範囲規制装置 Download PDF

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昌彦 梅山
Takaaki Oba
孝明 大葉
Takeshi Kagata
武志 加賀田
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Abstract

【課題】許容作業範囲の限界に差し掛かって作業台の移動ができなくなった場合でも作業台の立ち往生等を回避する。
【解決手段】ブーム30の先端部が許容作業範囲Rの限界Lに達しているときにブーム30の先端部が許容作業範囲Rを超えるブーム30の作動を規制するブーム作動規制部65と、ブーム30の作動が規制されている状態で規制解除スイッチ57が操作されたときに、ブーム作動規制部65によるブーム30の作動規制を解除するとともに、ブーム30の作動が規制された限界L上の位置を基準として許容作業範囲の限界の外側にブーム30の先端部の移動を許容する所定の付加作業範囲Sを設定する付加作業範囲設定部66とを備え、ブーム作動規制部65は、付加作業範囲設定部66により上記限界L上に付加作業範囲Sが設定されている状態では、ブーム30の先端部が許容作業範囲Rと付加作業範囲Sとからなる新たな許容作業範囲を超えるブーム30の作動を規制する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、起伏動及び伸縮動が自在なブームの先端部に作業台を有して構成されるブーム式高所作業車の転倒を防止する作業範囲規制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブーム式高所作業車は、走行体上に備えたブームにより作業者搭乗用の作業台を移動自在に構成した車両であり、電線や橋梁のメンテナンス作業や建築物或いは船舶の壁塗り作業等、種々の高所での作業に用いられている。このようなブーム式高所作業車には、転倒モーメントにより走行体が転倒しない条件下でのみブームの起伏、伸縮作動(場合によっては旋回作動も)を許容するとともに、このような条件を逸脱するブーム作動を規制する安全装置が組み込まれているのが一般的であり、これにより作業の安全が図られている。
【0003】
このようなブーム式高所作業車の安全装置の形態には大きく二種あり、一つは走行体に作用する転倒モーメントを逐次算出してこれを予め定めた許容モーメントと比較し、転倒モーメントが許容モーメントを超えるようなブームの作動を規制するもの(モーメント規制)である。もう一つは、検出したブームの先端部の位置(あるいは作業台の位置)と予め定めた許容作業範囲とを比較し、ブームの先端部がその許容作業範囲を超えるようなブームの作動を規制するようにしたものである(作業範囲規制)。後者の作業範囲規制における許容作業範囲はブームの旋回姿勢(旋回角度)ごとに設定されることもあり、この場合には走行体の側方に設定される許容作業範囲が最も小さいものとなる。
【0004】
上記作業範囲規制による安全装置(以下、作業範囲規制装置と称する)では、ブームの先端部の現在位置が許容作業範囲の限界に達している状態において、ブームの先端部がその許容作業範囲を超えるようなブーム操作がなされたときには、そのブーム操作信号をキャンセルする(或いは、そのようなブーム操作に応じたブーム作動が行われないように関連する油圧アクチュエータへの油圧供給を遮断する)ようになっており、これにより走行体を転倒させる虞のあるブーム作動が規制されるようになっている。なお、このような作業範囲規制の例は、高所作業車に限らず他のブーム式作業車(例えばクレーン車や穴掘り建柱車等)にも備えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−30626号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような作業範囲規制装置を備えたブーム式高所作業車においては、ブームの起仰作動と伸長作動とにより作業ポイントにアプローチしたものの、転倒モーメントを増大させる方向のブーム作動であるブームの倒伏作動が規制されてしまい、他の障害物の存在等があってブームの収縮もできずに立ち往生してしまうようなケースがあり得た。作業範囲規制装置では、予め定められる許容作業範囲は安全のため或る程度の余裕を持って定められるのが普通であり、許容作業範囲外であっても実際には走行体が転倒しない領域は存在するため、安全装置を解除してこのような領域内でブーム移動させることができるようにするシステムを採用することも可能であるが、安全装置を解除して作業者の判断のみに任せたブームの作動操作を許容することは、走行体の転倒防止の面からは好ましいものではない。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、許容作業範囲の限界に差し掛かって一時的に作業台の移動ができなくなった場合であっても、走行体の転倒を確実に防止しつつ、作業台の立ち往生等の事態を回避することが可能な構成のブーム式高所作業車の作業範囲規制装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係るブーム式高所作業車の作業範囲規制装置は、走行体と、走行体上に起伏動、伸縮動自在に設けられたブームと、ブームの先端部に取り付けられた作業台と、ブームの作動指令を行う指令手段(例えば、実施形態におけるブーム操作レバー51)と、指令手段の操作に応じてブームを起伏動、伸縮動させる制御を行う制御手段(例えば、実施形態におけるコントローラ60のバルブ制御部61)と、ブームの先端部又は作業台の位置を検出する位置検出手段(例えば、実施形態における起伏角度検出器91、長さ検出器92、旋回角度検出器93及びコントローラ60の位置算出部62からなる位置検出装置)と、位置検出手段により検出されたブームの先端部又は作業台の位置と予め定めた許容作業範囲とを比較し、ブームの先端部又は作業台が許容作業範囲の限界に達しているか否かを判断する判断手段(例えば、実施形態におけるコントローラ60の判断部64)と、判断手段においてブームの先端部又は作業台が許容作業範囲の限界に達していると判断されているときにブームの先端部又は作業台が許容作業範囲を超えるブームの作動を規制するブーム作動規制手段(例えば、実施形態におけるブーム作動規制部65)とを有したブーム式高所作業車の作業範囲規制装置において、ブーム作動規制手段によるブームの作動規制を解除する指令を行う規制解除指令手段(例えば、実施形態における規制解除スイッチ57)と、ブーム作動規制手段によりブームの作動が規制されている状態で規制解除指令手段が操作されたときに、ブーム作動規制手段によるブームの作動規制を解除するとともに、ブームの作動が規制された限界上の位置を基準として許容作業範囲の限界の外側にブームの先端部又は作業台の移動を許容する所定の付加作業範囲を設定する付加作業範囲設定手段(例えば、実施形態におけるコントローラ60の付加作業範囲設定部66)とを備え、ブーム作動規制手段は、付加作業範囲設定手段により許容作業範囲の限界の外側に付加作業範囲が設定されている状態では、ブームの先端部又は作業台が許容作業範囲とこの許容作業範囲の限界の外側に設定された付加作業範囲とからなる新たな許容作業範囲を超えるブームの作動を規制するようになっている。ここで、上記付加作業範囲は、例えば、作業半径の増加分或いはブームの倒伏角度範囲及び伸長量により規定されることが好ましい。
【0009】
このように本発明に係るブーム式高所作業車の作業範囲規制装置では、ブームの先端部又は作業台が予め定めた許容作業範囲の限界に達した場合でも、規制解除指令手段が操作されたときには、その許容作業範囲を対象としたブームの作動規制を解除するとともに、ブームの作動が規制された限界上の位置を基準として許容作業範囲の限界の外側に設定(付加)した所定の付加作業範囲内でのブームの先端部又は作業台の移動を許容するようになっているので、ブームの先端部又は作業台が元の許容作業範囲の限界に差し掛かって一時的に作業台の移動ができなくなった場合であっても、付加作業範囲内でブームの先端部又は作業台を移動させることにより立ち往生等する事態を回避することができる。しかも、元の許容作業範囲と限界の外側に設定した付加作業範囲とからなる新たな許容作業範囲を超えるようなブームの作動は規制されるので、走行体の転倒に対する安全性は十分に保たれる。
【0010】
ここで、上記付加作業範囲は、その付加作業範囲が設定される基準となる上記限界上の位置の如何に拘わらず同一の領域であることが好ましい。このような構成であれば、ブームの作動が規制された限界上の位置の如何により異なる領域の付加作業範囲が設定される場合よりも構成が簡単(記憶するデータが少なくて)で済み、製造コストを低く抑えることができる。
【0011】
また、本発明に係るブーム式高所作業車の作業範囲規制装置では、ブームの先端部又は作業台が付加作業範囲内から許容作業範囲内に移動したときには、設定された付加作業範囲は解除されるようになっていることが好ましい。このような構成であれば、上記立ち往生等の事態を回避した後は、一時的に拡大された許容作業範囲は自動的に元の領域に戻ることとなるので、転倒に対する安全性が十分に確保される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図2は本発明の一実施形態に係る作業範囲規制装置を備えたブーム式高所作業車の側面図である。本ブーム式高所作業車(以下、単に高所作業車と称する)1はタイヤ車輪11,11,…を備えて運転キャビン12から走行運転操作が可能なトラック式の走行体10と、走行体10上に設けられた旋回体20と、この旋回体20から上方に延びて設けられた支柱21の上部にフートピン22により上下揺動自在に取り付けられたブーム30と、このブーム30の先端部に取り付けられた作業者搭乗用の作業台40とを有して構成されている。
【0013】
旋回体20は走行体10の後部に上下軸まわり360度回動自在に取り付けられており、走行体10に内蔵された旋回モータ23を油圧駆動することにより水平旋回作動させることができる。ブーム30は基端ブーム30aと、中間ブーム30bと、先端ブーム30cとが入れ子に構成されており、内部に設けられた伸縮シリンダ31を油圧駆動することによりブーム30全体を伸縮作動させることができる。また、ブーム30は基端ブーム30aと支柱21との間に跨設された起伏シリンダ24を油圧駆動することにより上下面内で起伏作動させることができる。
【0014】
先端ブーム30cの先端部には垂直ポスト保持金具32が取り付けられており、この垂直ポスト保持金具32には揺動ピン33を介して垂直ポスト34の下端部が取り付けられている。この垂直ポスト34はブーム30内に設けられた図示しないポスト保持装置により、ブーム30の起伏角度によらず常時垂直姿勢が保持される構成となっている。
【0015】
作業台40は作業者が搭乗する箱状の作業台本体41と、この作業台本体41に取り付けられた作業台保持ブラケット42とを有して構成されており、作業台保持ブラケット42は自身に内蔵されたベアリング(図示せず)を介して垂直ポスト34の上端部に回動自在に取り付けられている。作業台保持ブラケット42の内部には首振りモータ43が設けられており、この首振りモータ43を油圧作動させて垂直ポスト34の周囲に設置されたギヤ(図示せず)を駆動することにより作業台40全体を垂直ポスト34まわりに首振り作動させることができるようになっている。ここで、垂直ポスト34は上記のように常時垂直姿勢が保たれるため、結果として作業台本体41の床面は常時水平に保持される。
【0016】
走行体10の前後左右各箇所には作業中の走行体10を安定状態に支持するためのアウトリガジャッキ13,13,…が設けられている。各アウトリガジャッキ13は上下方向に延びたアウタージャッキ(シリンダチューブ)13aと、このアウタージャッキ13a内に設けられて下方向に伸縮自在なインナージャッキ(ピストンロッド)13bと、インナージャッキ13bの下端部に揺動自在に取り付けられたジャッキパッド13cとを有して構成されており、各アウトリガジャッキ13においてインナージャッキ13bを下方に移動(伸長)させ、ジャッキパッド13cを地面に接地させて突っ張らせることにより走行体10を持ち上げ状態に支持させることができる。また、各アウトリガジャッキ13は走行体10の側方に張り出させることも可能であり、より高い走行体10の安定が得られるようになっている。なお、これらアウトリガジャッキ13,13,…の作動操作は走行体10の後部に備えられたジャッキ操作レバー14の操作により行われる。
【0017】
作業台40上に備えられた操作ボックス50内には、図3に示すように、ブーム30の起伏、伸縮、旋回操作を行うためのブーム操作レバー51と、作業台40の首振り操作を行うための作業台首振り操作レバー52とが設けられている。また、この操作ボックス50内には、コントローラ60のブーム作動規制部65によるブーム30の作動規制(後述)を解除して新たな許容作業範囲内でのブーム作動規制を行わせる指令を行うための規制解除スイッチ57のほか、ブーム30の作動規制が行われているときに作業者に注意を喚起する警報ランプ58と警報ブザー59が設けられている。
【0018】
ブーム操作レバー51は自動復帰位置である垂直位置を中立位置として前方(向こう側)、後方(手前側)、左方及び右方へ傾動操作することが可能であるとともに、軸回り左及び右方向に捻り操作をすることが可能である。ここで、ブーム操作レバー51を中立位置から前方に傾動操作したときにはブーム30を倒伏作動させることができ、中立位置から後方に傾動操作したときにブーム30を起仰作動させることができる。また、ブーム操作レバー51を中立位置から右方に傾動操作したときにはブーム30を伸長作動させることができ、中立位置から左方に傾動操作したときにはブーム30を収縮作動させることができる。更に、ブーム操作レバー51を中立位置から左回り(反時計回り)に捻り操作したときにはブーム30を(旋回体20を)左回りに旋回作動させることができ、中立位置から右回り(時計回り)に捻り操作したときにはブーム30を右回りに旋回作動させることができる。
【0019】
作業台首振り操作レバー52は自動復帰位置である垂直位置を中立位置として左方及び右方に傾動操作することが可能である。ここで、作業台首振り操作レバー52を中立位置から左方に傾動操作したときには作業台40を右回り(時計回り)に首振り作動させることができ、中立位置から右方に傾動操作したときには作業台40を左回り(反時計回り)に首振り作動させることができる。なお、ブーム30及び作業台40の各方向の作動速度は、対応するレバーの操作量(傾動量)にほぼ比例して大きくなるようになっており、作業者はこれら両レバー51,52の操作量を所望に調節することにより、最適の作動速度を選んでブーム30及び作業台40の作動操作を行うことができる。
【0020】
図1は本高所作業車1におけるブーム30及び作業台40の作動系統を示すブロック図である。ブーム操作レバー51の前後傾動方向の操作状態(操作方向及び操作量)、左右傾動方向の操作状態、左右捻り方向の操作状態はそれぞれブーム操作レバー51の基部に設けられた起伏検知ポテンショメータ53、伸縮検知ポテンショメータ54、旋回検知ポテンショメータ55により検知され、これらポテンショメータ53,54,55より出力される信号がブーム起伏信号、ブーム伸縮信号、ブーム旋回信号として走行体10内に設置されたコントローラ60のバルブ制御部61に入力される。また、作業台首振り操作レバー52の左右傾動方向の操作状態は作業台首振り操作レバー52の基部に設けられた首振り検知ポテンショメータ56により検知され、このポテンショメータ56より出力される信号が作業台首振り信号として同じくコントローラ60のバルブ制御部61に入力される。
【0021】
コントローラ60のバルブ制御部61は、起伏検知ポテンショメータ53より出力されたブーム起伏信号に基づいて起伏シリンダ24に対応する第1制御バルブV1を電磁駆動し、伸縮検知ポテンショメータ54より出力されたブーム伸縮信号に基づいて第1伸縮シリンダ31に対応する第2制御バルブV2を電磁駆動する。また、バルブ制御部61は、旋回検知ポテンショメータ55より出力されたブーム旋回信号に基づいて旋回モータ23に対応する第3制御バルブV3を電磁駆動し、首振り検知ポテンショメータ56より出力された作業台首振り信号に基づいて首振りモータ43に対応する第4制御バルブV4を電磁駆動する。
【0022】
走行体10内に設けられた油圧ポンプPより吐出される作動油は上記第1〜第4制御バルブV1,V2,V3,V4経由で起伏シリンダ24、伸縮シリンダ31、旋回モータ23及び首振りモータ43に供給されるようになっている。コントローラ60のバルブ制御部61により駆動された第1〜第4制御バルブV1,V2,V3,V4の各スプール(図示せず)はブーム操作レバー51及び作業台首振り操作レバー52の各操作方向に応じた方向へ、その操作量に応じたスプール開度になるように動作するため、結果として、起伏シリンダ24、伸縮シリンダ31、旋回モータ23及び首振りモータ43へ送られる作動油の方向とその流量とがブーム操作レバー51又は作業台首振り操作レバー52の操作に応じて制御される。このため、起伏シリンダ24、伸縮シリンダ31、旋回モータ23及び首振りモータ43はブーム操作レバー51及び作業台首振り操作レバー52の操作方向に対応した方向に、その操作量に応じた作動速度で作動することとなる。なお、ここでは作業台40の首振り動作が、作業台首振り操作レバー52の操作信号を受けたコントローラ60が上記第4制御バルブV4のスプールを駆動することにより行われるようになっているが、この第4制御バルブV4のスプールはコントローラ60を介することなく、作業台首振り操作レバー52の操作により直接動かされる構成になっていてもよい。
【0023】
このような構成であるため、作業台40に搭乗した作業者は、ブーム操作レバー51を操作することによりブーム30を所望の作動速度で起伏、伸縮、旋回させることができるとともに、作業台首振り操作レバー52を操作することにより作業台40を垂直ポスト34まわりに所望の作動速度で首振りさせることができ、自らのレバー操作により作業台40を所望に移動させて任意の位置での作業を行うことが可能である。
【0024】
また、コントローラ60には位置算出部62、許容作業範囲データ記憶部63、判断部64及びブーム作動規制部65が設けられている。位置算出部62は基端ブーム30a内に設けられてブーム30の起伏角度を検出する起伏角度検出器91、基端ブーム30aの先端部に設けられてブーム30の長さを検出する長さ検出器92及び走行体10内に設けられてブーム30の旋回角度を検出する旋回角度検出器93からの各検出情報に基づいて走行体10の所定の基準位置に対するブーム30の先端部の位置を算出する部分であり、その結果を後述の判断部64に出力するとともに、旋回角度検出器93において検出されたブーム30の旋回角度の情報を後述の許容作業範囲データ記憶部63に出力する。なお、コントローラ60の位置算出部62は、上記検出器91,92,93とともにブーム30の先端部の位置を検出する位置検出装置を構成する。
【0025】
コントローラ60の許容作業範囲データ記憶部63は、ブーム30の旋回姿勢(旋回角度)ごとの許容作業範囲データを記憶している部分である。この許容作業範囲データ記憶部63は、位置算出部62を経由して送られてくる旋回角度検出器93からの検出情報に基づいて、そのときのブーム30の旋回姿勢に応じた許容作業範囲データ(許容作業範囲のデータ)を選択して判断部64に出力する。
【0026】
判断部64は、位置検出装置において算出されたブーム30の先端部の現在位置と、許容作業範囲データ記憶部63より与えられるブーム30の旋回姿勢に応じた許容作業範囲とを比較し、ブーム30の先端部が許容作業範囲の限界に達しているか否かの判断を行う。そして、ブーム30の先端部が許容作業範囲の限界に達していると判断したときには規制指令信号をブーム作動規制部65に出力する。
【0027】
ブーム作動規制部65は、判断部64より出力される上記規制指令信号を受けているときには、ブーム30の先端部が許容作業範囲を超えるようなブーム30の作動を規制するブーム作動規制信号をバルブ制御部61に出力する。そして、バルブ制御部61は、ブーム作動規制部65よりブーム作動規制信号を受けている間は、ブーム30の先端部が許容作業範囲を超えるブーム操作信号(前述のブーム起伏信号、ブーム伸縮信号、ブーム旋回信号)を無視する。これにより転倒モーメントが過大になって走行体10が転倒に至るようなことはなく、作業の安全が図られる。また、前述した操作ボックス50上の警報ランプ58及び警報ブザー59はこのブーム作動規制部65と電気的に繋がっており、ブーム作動規制部65は、バルブ制御部61に上記ブーム作動規制信号を出力しているときにはこれら警報ランプ58及び警報ブザー59にも同様の信号を出力し、警報ランプ58を点灯させるとともに警報ブザー59より警報音を発生させる。
【0028】
図4は、或るブーム30の旋回姿勢(及びアウトリガジャッキ13の張り出し幅)に対応して走行体10の側方に設定される許容作業範囲の一例を示したものである。ここでは、図中に斜線で縁取りした領域が許容作業範囲Rに該当する。この図に示すように、ブーム30の先端部を移動させることができる作業範囲の限界は、許容作業範囲Rの最も外側の限界L(2点P1,P2を結ぶ線上の領域)となる。そして、ブーム30の伸長若しくは倒伏を伴う動作によりブーム30の先端部がこの限界L上に位置したときには上記規制がブーム30に働くことになる。
【0029】
ここで、ブーム30を単純伸長させることによりブーム30の先端部が限界Lに達したときにはブーム30の伸長作動は強制的に停止されることとなり、ブーム30を倒伏させることによりブーム30の先端部が限界Lに達したときには、ブーム30は強制的に収縮されつつ、倒伏動作が続行されることとなる。なお、このようにブーム30の先端部が上記限界L上に位置してブーム30作動の規制が働いているときには、上述のようにブーム作動規制部65が警報ランプ58を点灯させるとともに警報ブザー59より警報音を発生させるので、作業台40上の作業者に注意が喚起される。
【0030】
また、図1に示すように、本高所作業車1におけるコントローラ60には付加作業範囲設定部66が設けられている。この付加作業範囲設定部66は操作ボックス50内の規制解除スイッチ57と電気的に繋がっており、規制解除スイッチ57が作業台40上の作業者により操作されたときには規制解除指令信号が入力されるようになっている。付加作業範囲設定部66には、ブーム作動規制部65がバルブ制御部61に出力する上記ブーム規制信号も入力されるようになっており、ブーム作動規制部65よりブーム規制信号を受けている状態において、規制解除スイッチ57の操作により出力される上記規制解除指令信号を受けたときには、規制解除信号をブーム作動規制部65に出力して、それまで許容作業範囲データ記憶部63に記憶されていた許容作業範囲のデータを基準として行っていたブーム作動規制部65によるブーム30の作動規制を解除するとともに、許容作業範囲データ記憶部63に信号を出力して、下に示す方法により、許容作業範囲データ記憶部63に記憶されている許容作業範囲の限界の外側にブーム30の先端部の移動を許容する所定の付加作業範囲を設定させる。
【0031】
図5は、許容作業範囲Rに設定する付加作業範囲の規定方法の第1例を説明するための図である。この例では、コントローラ60の判断部64においてブーム30の先端部が許容作業範囲の限界Lに達していると判断されている状態で規制解除スイッチ57が操作されたときに、ブーム30の先端部を移動させることができる一定の領域としての付加作業範囲Sを作業半径の増加分Δrにより規定し、これを限界L上の各位置(限界L上の全ての位置であってもよいが、作業台40の位置している高さ及びその上下近傍に対応する限界L上の位置であってもよい)を基準に、限界Lの外側の領域に付加する設定を行うものである。
【0032】
この付加作業範囲Sは当然ながら、走行体10を転倒に至らしめる限界Lよりも内側の領域内に形成されるようになっており、例えば、ブーム30の先端部が図5における限界L上のA点に至ることによりブーム30の作動が強制的に停止された場合には、このA点を含む限界L上の全ての位置若しくはA点及びその上下近傍に対応する限界L上の各位置を基準に、限界Lの外側に付加作業範囲S(作業半径の増加分Δrであり、2点A,A’を結ぶ線上の領域)が付加される。その結果、許容作業範囲Rの限界Lの外側に、限界L上の各位置を基準に設定された付加作業範囲Sの集合領域としての追加作業範囲R’が元の許容作業範囲Rに追加される。図5では、付加作業範囲Sが限界L上の全ての位置を基準に付加された場合の例を示しており、図5中において線P1−P2,P2−P3,P3−P4,P4−P1で四辺が形成される領域が追加作業範囲R’となっている。ここで、付加作業範囲Sが作業台40の位置している高さ及びその上下近傍に対応する限界L上の位置のみを基準に設定される場合には、その追加作業範囲は図5中に示す追加作業範囲R’中の一部の領域となるが、作業台40の移動(作業台40の高さの変化)に伴って付加作業範囲が設定される限界L上の基準位置も移動するため、その付加作業範囲の集合領域としての追加作業範囲も図5中に示す追加作業範囲R’内を移動することとなる。なお、この半径増加分Δrの付加作業範囲は、規制解除スイッチ57の操作のたび(ブーム30の作動規制が一時的に解除されるたび)に、その都度、ブーム30の先端部が限界L上に至った点を基準に演算され、その点を基準に限界Lの外側に付加されることは勿論である。
【0033】
このように付加作業範囲S(作業半径の増加分Δr)が限界Lの外側に設定(付加)され、元の許容作業範囲Rに追加許容作業範囲R’が追加されてこれが新たな許容作業範囲(R+R’)とされた場合には、この追加作業範囲R’の追加により拡大された新たな限界L’を超えない範囲でブーム30の先端部を移動させることが可能となる。このため作業台40上の作業者は、走行体10を転倒させる虞なく、元の許容作業範囲Rを超えてその限界Lの外側に設定された付加作業範囲S(付加作業範囲Sの集合領域としての追加許容作業範囲R’)内でブーム30の先端部を移動させることができ、障害物等を回避して再び元の許容作業範囲R内に移動させることが可能である。
【0034】
ここで、この付加作業範囲S(作業半径の増加分Δr)は、その付加作業範囲Sが設定される基準となる限界L上の位置の如何に拘わらず同一の領域であることが好ましい。すなわち、許容作業範囲Rの限界L上のどの位置に対しても常に同一の作業半径の増加分Δrにより規定される付加作業範囲Sが設定(付加)されるようになっていることが好ましい。このような構成とすることにより、限界L上の位置の如何により異なる領域の付加作業範囲が設定される場合よりも構成が簡単で済み(具体的にはコントローラ60に記憶させるデータが少なくて済み)、製造コストを低く抑えることができる。なお、このような構成とした場合における追加許容作業範囲R’の限界は、図5に示すように、元の許容作業範囲Rの限界Lをそのまま水平距離Δrだけ平行移動させた限界L’となる。また、限界Lが直線からなる場合には限界L’も直線となり、これら双方は互いに平行となる。
【0035】
また、図6は、許容作業範囲Rに設定する付加作業範囲の規定方法の第2例を説明するための図である。この例では、コントローラ60の判断部64においてブーム30の先端部が許容作業範囲Rの限界Lに達していると判断されている状態で規制解除スイッチ57が操作されたときに、ブーム30の先端部を移動させることができる一定の領域としての付加作業範囲Sをブーム30の倒伏角度範囲Δθ及び伸長量ΔLにより規定し、これを限界L上の各位置(限界L上の全ての位置であってもよいが、作業台40の位置している高さ及びその上下近傍に対応する限界L上の位置であってもよい)を基準に、限界Lの外側の領域に付加する設定を行うものである。
【0036】
この場合も付加作業範囲Sは走行体10を転倒に至らしめる限界Lよりも内側の領域内に形成されるようになっており、例えば、ブーム30の先端部が図6における限界L上のA点に至ることによりブーム30の作動が強制的に停止された場合には、このA点を含む限界L上の全ての位置若しくはA点及びその上下近傍に対応する限界L上の各位置を基準として、限界Lの外側に付加作業範囲Sが付加される。この例における付加作業範囲Sは、4点A,B,C,Dにより囲まれる領域ΔS1と3点ADEにより囲まれる領域ΔS2とを合わせた領域となり、この領域からなる付加作業範囲S(ΔS1+ΔS2)が設定されることになる。ここで、図6中におけるB点は、先端部がA点にあるブーム30をΔLだけ伸ばした状態におけるブーム30の先端部の位置であり、C点は、先端部がB点にあるブーム30を起伏角度Δθだけ倒伏させた状態におけるブーム30の先端部の位置である。また、D点は、先端部がA点にあるブーム30を起伏角度Δθだけ倒伏させた状態におけるブーム30の先端部の位置であり、E点は、先端部がD点にあるブーム30を収縮させたときに、ブーム30の先端部が限界L上に至った状態におけるブーム30の先端部の位置である。
【0037】
その結果、許容作業範囲Rの限界Lの外側に、限界L上の各位置を基準に設定された付加作業範囲S(ΔS1+ΔS2)の集合領域としての追加作業範囲R’が元の許容作業範囲Rに追加される。図6では、付加作業範囲Sが限界L上の全ての位置を基準に付加された場合の例を示しており、図6中において線P1−P2,P2−P3’,P3’−P4’,P4’−P1で四辺が形成される領域が追加作業範囲R’となっている。なお、付加作業範囲Sが作業台40の位置している高さ及びその上下近傍に対応する限界L上の位置のみを基準に設定される場合には、その追加作業範囲は図6中に示す追加作業範囲R’中の一部の領域となるが、作業台40の移動(作業台40の高さの変化)に伴って付加作業範囲が設定される限界L上の位置も移動するため、その付加作業範囲の集合領域としての追加作業範囲も図6中に示す追加作業範囲R’内を移動することとなる。
【0038】
このように付加作業範囲S(ブーム30の倒伏角度範囲Δθ及び伸長量ΔLにより規定されるΔS1+ΔS2の領域)が、ブーム30の作動が規制された限界L上の位置を基準として限界Lの外側に設定(付加)され、元の許容作業範囲Rに追加許容作業範囲R’が追加されてこれが新たな許容作業範囲(R+R’)とされた場合には、この追加作業範囲R’の追加により拡大された新たな限界L’を超えない範囲でブーム30の先端部を移動させることが可能となる。このため作業台40上の作業者は、走行体10を転倒させる虞なく、元の許容作業範囲Rを超えてその限界Lの外側に設定された付加作業範囲S(付加作業範囲Sの集合領域としての追加許容作業範囲R’)内でブーム30の先端部を移動させることができ、障害物等を回避して再び元の許容作業範囲R内に移動させることが可能となるのは、上述の第1例の場合と同様である。
【0039】
また、この第2例においても付加作業範囲S(ブーム30の倒伏角度範囲Δθ及び伸長量ΔLにより規定されるΔS1+ΔS2の領域)は、その付加作業範囲Sが設定される基準となる限界L上の位置の如何に拘わらず同一の領域であることが好ましい。但し、この第2例では、上述した第1例の場合のように、元の許容作業範囲Rの限界Lが直線であっても、これと新たな許容作業範囲(R+R’)の限界L’とは必ずしも平行にはならない。
【0040】
許容作業範囲データ記憶部63が付加作業範囲設定部66より出力される信号を受けて行う新たな許容作業範囲のデータの作成手順は上記の通りであるが、許容作業範囲データ記憶部63は、このようにして作成した新たな許容作業範囲のデータをコントローラ60の判断部64に出力する。これにより判断部64は、位置検出装置において算出されたブーム30の先端部の現在位置と、元の許容作業範囲Rに追加許容作業範囲R’を加えた新たな許容作業範囲(R+R’)のデータとを比較し、ブーム30の先端部がこの新たな許容作業範囲(R+R’)の限界L’に達しているか否かの判断を行う。そして、ブーム30の先端部が新たな許容作業範囲(R+R’)の限界L’に達していると判断したときには規制指令信号をブーム作動規制部65に出力する。これにより、ブーム30の先端部が新たな許容作業範囲(R+R’)を超えるようなブーム30の動作は規制されることとなる。
【0041】
このように本作業範囲規制装置では、ブーム30の先端部が予め定めた許容作業範囲Rの限界Lに達した場合でも、規制解除スイッチ57が操作されたときには、その許容作業範囲Rを対象としたブーム30の作動規制を解除するとともに、ブーム30の作動が規制された許容作業範囲Rの限界L上の位置を基準に設定(付加)した所定の付加作業範囲S内でのブーム30の移動を許容するようになっているので、ブーム30の先端部が元の許容作業範囲Rの限界Lに差し掛かって一時的に作業台40の移動ができなくなった場合であっても、付加作業範囲S(付加作業範囲Sの集合領域としての追加許容作業範囲R’)内でブーム30の先端部を移動させることにより立ち往生等する事態を回避することができる。しかも、元の許容作業範囲Rと限界Lの外側に設定した付加作業範囲S(=追加作業範囲R’)とからなる新たな許容作業範囲(R+R’)を超えるようなブーム30の作動は規制されるので、走行体10の転倒に対する安全性は十分に保たれる。
【0042】
なお、コントローラ60の判断部64は、位置検出装置により検出されるブーム30の先端部が限界Lの外側に設定された付加作業範囲S(或いは追加許容作業範囲R’)内を移動することなく、或いはこの範囲内を移動した後、再び元の許容作業範囲R内に移動したと判断したときには、設定(付加)された付加作業範囲S(すなわち追加許容作業範囲R’)を解除させるようになっている。これにより、上記のような立ち往生等の事態を回避した後は、一時的に拡大された許容作業範囲は自動的に元の領域に戻ることとなるので、転倒に対する安全性が十分に確保される。
【0043】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示されたものに限定されない。例えば、上述の実施形態において示した付加作業範囲の規定方法は単なる例に過ぎず、ブーム30の先端部が達した許容作業範囲Rの限界L上の位置を基準として、限界Lの外側にブーム30の先端部の移動を許容する一定の領域を付加(設定)するものであれば、その規定方法は上述のものに限定されない。
【0044】
また、上述の実施形態では、位置検出装置はブーム30の先端部の位置を検出し、コントローラ60の判断部64は位置検出装置により検出されたブーム30の先端部の位置と予め定めた許容作業範囲とを比較し、ブーム30の先端部が許容作業範囲の限界に達しているか否かを判断するものであったが、位置検出装置が作業台40の位置を検出し、コントローラ60の判断部64が位置検出装置により検出された作業台40の位置と予め定めた許容作業範囲とを比較し、作業台40が許容作業範囲の限界に達しているか否かを判断するものであってもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、許容作業範囲Rは位置算出部62を経由して送られてくる旋回角度検出器93からの検出情報に基づいて許容作業範囲データ記憶部63が選択して設定するとしていたが、これは許容作業範囲がブーム30の旋回角度ごとに定められている場合の例であり、許容作業範囲がブーム30の旋回角度によらず一定であるのであれば、このように旋回角度検出器93からの検出情報に基づいて許容作業範囲が定められる構成とはならない。また、許容作業範囲がブーム30の旋回角度のみならず、アウトリガジャッキ13の張り幅も条件等して定められるのであれば、アウトリガジャッキ13の張り幅を検出するアウトリガジャッキ張り幅検出器を備えるとともに、その検出情報を許容作業範囲データ記憶部63に送るようにし、このアウトリガジャッキ13の張り幅の値にも基づいて、許容作業範囲が定められる構成となる。
【0046】
また、上述の実施形態では、許容作業範囲は作業台の積載重量等を条件として定められるものではなかったが、本発明ではこのような許容作業範囲の定め方を除外するものではなく、許容作業範囲が作業台の積載重量の条件等により変化する構成であっても、本発明に係る作業範囲規制装置を適用できることは勿論可能である。
【0047】
また、上述に実施形態においては、作業台40を移動させるブーム30は伸縮式のブームであったが、これは屈伸式のブーム等であってもよい。更に、本発明に係るブーム式高所作業車は、上述の実施形態ではタイヤ車輪により走行する構成であったが、これは必ずしもタイヤ車輪により走行するものでなくてもよく、クローラ装置等により走行するものであってもよい。或いは軌道走行用車輪を備えて軌道上を走行する軌道走行用の高所作業車、更にはタイヤ車輪と軌道走行用車輪との両方を備えた軌陸両用の高所作業車等であってもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るブーム式高所作業車の作業範囲規制装置では、ブームの先端部又は作業台が予め定めた許容作業範囲の限界に達した場合でも、規制解除指令手段が操作されたときには、その許容作業範囲を対象としたブームの作動規制を解除するとともに、ブームの作動が規制された限界上の位置を基準として許容作業範囲の限界の外側に設定(付加)した所定の付加作業範囲内でのブームの先端部又は作業台の移動を許容するようになっているので、ブームの先端部又は作業台が元の許容作業範囲の限界に差し掛かって一時的に作業台の移動ができなくなった場合であっても、付加作業範囲内でブームの先端部又は作業台を移動させることにより立ち往生等する事態を回避することができる。しかも、元の許容作業範囲と限界の外側に設定した付加作業範囲とからなる新たな許容作業範囲を超えるようなブームの作動は規制されるので、走行体の転倒に対する安全性は十分に保たれる。
【0049】
ここで、上記付加作業範囲は、その付加作業範囲が設定される基準となる上記限界上の位置の如何に拘わらず同一の領域であることが好ましく、このような構成であれば、ブームの作動が規制された限界上の位置の如何により異なる領域の付加作業範囲が設定される場合よりも構成が簡単(記憶するデータが少なくて)で済み、製造コストを低く抑えることが可能である。
【0050】
また、本発明に係るブーム式高所作業車の作業範囲規制装置では、ブームの先端部又は作業台が付加作業範囲内から許容作業範囲内に移動したときには、設定された付加作業範囲は解除されるようになっていることが好ましく、このような構成であれば、上記立ち往生等の事態を回避した後は、一時的に拡大された許容作業範囲は自動的に元の領域に戻ることとなるので、転倒に対する安全性を十分に確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る作業範囲規制装置を備えたブーム式高所作業車におけるブーム及び作業台の作動系統を示すブロック図である。
【図2】上記作業範囲規制装置を備えたブーム式高所作業車の側面図である。
【図3】作業台上の操作ボックス内に設けられたブーム操作レバーと作業台首振り操作レバーの外観を示す斜視図である。
【図4】或るブームの旋回角度姿勢に対応して走行体の側方に設定されるブームの先端部の移動できる領域(許容作業範囲)を例示する図である。
【図5】許容作業範囲の限界の外側に付加する付加作業範囲の規定方法の第1例を説明するための図である。
【図6】許容作業範囲の限界の外側に付加する付加作業範囲の規定方法の第2例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ブーム式高所作業車
10 走行体
20 旋回体
30 ブーム
40 作業台
51 ブーム操作レバー
52 作業台首振り操作レバー
57 規制解除スイッチ
58 警報ランプ
59 警報ブザー
60 コントローラ
61 バルブ制御部
62 位置算出部
63 許容作業範囲データ記憶部
64 判断部
65 ブーム作動規制部
66 付加作業範囲設定部
R 許容作業範囲
L 許容作業範囲の限界

Claims (5)

  1. 走行体と、
    前記走行体上に起伏動、伸縮動自在に設けられたブームと、
    前記ブームの先端部に取り付けられた作業台と、
    前記ブームの作動指令を行う指令手段と、
    前記指令手段の操作に応じて前記ブームを起伏動、伸縮動させる制御を行う制御手段と、
    前記ブームの先端部又は作業台の位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段により検出された前記ブームの先端部又は前記作業台の位置と予め定めた許容作業範囲とを比較し、前記ブームの先端部又は前記作業台が前記許容作業範囲の限界に達しているか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段において前記ブームの先端部又は前記作業台が前記許容作業範囲の限界に達していると判断されているときに前記ブームの先端部又は前記作業台が前記許容作業範囲を超える前記ブームの作動を規制するブーム作動規制手段とを有したブーム式高所作業車の作業範囲規制装置において、
    前記ブーム作動規制手段による前記ブームの作動規制を解除する指令を行う規制解除指令手段と、
    前記ブーム作動規制手段により前記ブームの作動が規制されている状態で前記規制解除指令手段が操作されたときに、前記ブーム作動規制手段による前記ブームの作動規制を解除するとともに、前記ブームの作動が規制された前記限界上の位置を基準として前記許容作業範囲の限界の外側に前記ブームの先端部又は作業台の移動を許容する所定の付加作業範囲を設定する付加作業範囲設定手段とを備え、
    前記ブーム作動規制手段は、前記付加作業範囲設定手段により前記許容作業範囲の限界の外側に前記付加作業範囲が設定されている状態では、前記ブームの先端部又は前記作業台が前記許容作業範囲とこの許容作業範囲の限界の外側に設定された前記付加作業範囲とからなる新たな許容作業範囲を超える前記ブームの作動を規制するようになっていることを特徴とするブーム式高所作業車の作業範囲規制装置。
  2. 前記付加作業範囲は作業半径の増加分により規定されることを特徴とする請求項1記載のブーム式高所作業車の作業範囲規制装置。
  3. 前記付加作業範囲は前記ブームの倒伏角度範囲及び伸長量により規定されることを特徴とする請求項1記載のブーム式高所作業車の作業範囲規制装置。
  4. 前記付加作業範囲は、その付加作業範囲が設定される基準となる前記限界上の位置の如何に拘わらず同一の領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のブーム式高所作業車の作業範囲規制装置。
  5. 前記ブームの先端部又は前記作業台が前記付加作業範囲内から前記許容作業範囲内に移動したときには、設定された前記付加作業範囲は解除されるようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブーム式高所作業車の作業範囲規制装置。
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