JP4711576B2 - 高所作業車のレベリング作動制御装置 - Google Patents

高所作業車のレベリング作動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体上に起伏自在に配設されたブームの先端に作業台が取り付けられて構成される高所作業車に関し、さらに詳しくはこの作業台のレベリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車には、車体上に旋回、起伏などが自在にブームが設けられ、ブーム先端にはレベリング機構により常時垂直に保持される垂直ポストが設けられており、垂直ポストには作業者搭乗用の作業台が首振り(水平旋回)自在に軸支されて構成されたものがある。この高所作業車において、ブームの起伏、旋回作動を行う起伏アクチュエータおよび旋回アクチュエータとして、一般的に油圧モータ、油圧シリンダ等といった油圧アクチュエータが用いられる。この油圧アクチュエータからなる起伏および旋回アクチュエータを作動させるために、作動油を供給する油圧ポンプ、油圧ポンプから起伏および旋回アクチュエータに供給される作動油の流量を制御する制御バルブ、ブームの作動を行わせるための操作レバー、そして操作レバーからの操作信号に応じて制御バルブに作動信号を送るコントローラなどが用いられる。このような構成によれば、操作レバーを動かすことにより、操作レバーの操作信号に応じてコントローラから制御バルブに作動信号が送られ、制御バルブが前記作動信号に応じて作動し、制御バルブを介して油圧ポンプから起伏および旋回アクチュエータに作動油が供給され、起伏および旋回アクチュエータが作動する。その結果、ブームが操作レバーの操作に対応した作動を行う。
【0003】
このようにブームの作動が操作レバーの操作に応じて行われるときに、作業台をブームの起伏に拘わらず水平に保つため、レベリング作動が行われる。このレベリング作動を行うレベリングアクチュエータとして一般に油圧アクチュエータが用いられ、レベリングアクチュエータの作動油は、起伏および旋回アクチュエータと同じ油圧ポンプから供給される。
【0004】
このように油圧アクチュエータにより各作動が行われるため、油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプに故障等のトラブルが発生すると問題となる。そこで、高所作業車には上記油圧ポンプを通常主たる油圧駆動手段であるメインポンプとして設け、またメインポンプの故障時に対処するための非常時駆動手段として非常用ポンプが設けられているものが多い。非常用ポンプは高所作業車に設けられた非常用ポンプスイッチにより作動し、メインポンプに代わり油圧アクチュエータに対する作動油圧の供給を行う構造になっている。但し、非常用ポンプは非常時にのみ用いられるものであるため、必要最小限の機能のみを確保してできる限り小型で低廉なものを用いるようにされている。そのため、非常用ポンプの容量は通常使用される油圧ポンプより小さい場合が殆どである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メインポンプはレベリングアクチュエータの作動に足る充分な流量を供給しているが非常用ポンプはメインポンプより容量が小さいため、非常用ポンプ作動時にブームの起伏作動を行った場合、起伏アクチュエータへ先に多くの作業油が流れ、レベリングアクチュエータへの作動油供給が不足し、起伏作動が先行してレベリングが遅れてしまうことがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、非常用ポンプ作動時に、ブーム作動に対応してレベリングアクチュエータにその作動に足る充分な流量の作動油を常に供給することができるような構成のレベリング作動制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
このような目的達成のため、本発明においては、車体上に起伏、旋回が自在に設けられたブームと、ブームの先端に上下に揺動自在に取り付けられた作業台と、ブームの起伏作動を行わせる起伏アクチュエータと、ブームの旋回作動を行わせる旋回アクチュエータと、ブームの起伏、旋回作動を行なわせるため操作される操作手段と、操作手段の操作に応じてメインポンプおよびメインポンプより容量が小さい非常用ポンプから起伏アクチュエータおよび旋回アクチュエータへの作動油の供給制御を行うブーム作動制御バルブと、作業台を上下に揺動させるレベリングアクチュエータと、ブームの起伏作動に応じてメインポンプおよび非常用ポンプからレベリングアクチュエータへの作動油の供給制御を行うレベリング制御バルブと、ブーム作動制御バルブおよびレベリング制御バルブの作動を制御するコントローラとを備え、常用ポンプを作動させて、操作手段によりブームの起伏操作が行われた場合には、コントローラは、操作手段の起伏操作に対応してブームの起伏アクチュエータのみに供給必要な第1供給必要流量と、業台を水平に保持するために前記ブームの起伏作動に連動して生じる前記作業台の傾斜角に対応した速度でレベリングアクチュエータを作動させるために必要とされる第2供給必要流量とをそれぞれ算出し、第1供給必要流量と第2供給必要流量との合計流量と、非常用ポンプから供給される供給流量とを比較し、合計流量が供給流量より同等以上かの判断を行い、合計流量が供給流量に対して同等以上の場合には、起伏アクチュエータに供給される流量を減少させて、操作手段の起伏操作に対応した作動速度より遅い速度で起伏アクチュエータを作動させることにより、第2供給必要流量も減少させ、起伏アクチュエータに供給される流量とレベリングアクチュエータに供給される流量の合計流量が供給流量未満となるようにブーム作動制御バルブおよびレべリング制御バルブの開度制御を行う。
【0009】
また、非常用ポンプ作動時に、操作手段によりブームの起伏操作に加えてブームの起伏操作以外の操作も行われた場合に、ブームの起伏操作のみに必要とされる作動油を供給し、ブームの起伏操作以外の操作に必要とされる作動油を供給しないようにするように構成されていることが好ましい。このようにすれば、吐出容量の小さな非常用ポンプを用いる場合に、その吐出油をブームの起伏作動のみに特定し、ブームの起伏作動およびそれに伴う作業台のレベリング作動を適切に行わせることができる。
【0010】
さらに、非常用ポンプ作動時に、ブームの起伏操作に加えてブームの起伏操作以外の操作も行われた場合、上記レベリング作動制御装置が高所作業車に備えられた警報手段に警報作動信号を送ればより好ましい。本明細書においては、警報作動とは、作業装置の作動を規制する作動や、警報ブザー、警報ランプ等を用いて警報を行う作動を含めた作動を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係るレベリング制御装置を備えた高所作業車1を図1および図2に示している。この高所作業車1は、前後輪3a,3bを有して走行可能であり、前部に運転キャビン2aを有したトラック車両をベースに構成される。このトラック車両の車体2の上に図示しない旋回モータ13(油圧モータ)により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台4が配設されている。この旋回台4に基端部が枢結されてブーム5が取り付けられており、このブーム5は起伏シリンダ6により起伏動されるようになっている。ブーム5は、基端ブーム5a、中間ブーム5bおよび先端ブーム5cを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ7により伸縮動可能に構成されている。
【0012】
先端ブーム5cは先端にブームヘッド5dを有し、このブームヘッド5dに枢結されて支持部材8が上下に揺動可能に取り付けられている。この支持部材8は垂直ポスト部(図示せず)を有し、ブームヘッド5dと支持部材8との間に配設されたレベリングシリンダ12により支持部材8の揺動制御が行われ、ブーム5の起伏の如何に拘わらず垂直ポスト部が常に垂直に延びて位置するように支持部材8が揺動制御される。このように常時垂直に保持される垂直ポスト部に水平旋回自在に(首振り自在に)作業台9が取り付けられおり、作業台9はブーム5の起伏に拘わらず常に水平に保持される。
【0013】
作業台9には、ここに搭乗した作業者が操作する上部操作装置20が設けられている。この上部操作装置20はブーム5の起伏作動を行わせる起伏操作レバー21、旋回台4の旋回作動を行わせる旋回操作レバー22、ブーム5の伸縮作動を行わせる伸縮操作レバー23および車体2に取り付けられた図示しない非常用ポンプ30を作動させるための非常用ポンプスイッチ24を有する。
【0014】
なお、支持部材8の上端部に吊り上げ装置10が設けられている。また、車体2の前後左右の4カ所に下方に伸縮自在なアウトリガ11が設けられており、高所作業を行うときには、図示のようにアウトリガ11を下方に張り出して車体2を持ち上げ支持できるようになっている。
【0015】
以下に、高所作業車1のレベリング作動制御装置について図3を参照して説明する。この制御装置は、コントローラ25からの制御信号により、ブーム作動制御バルブ26の作動と、レベリング制御バルブ27の作動と、コンタクタ33の作動制御と、警報器40の警報作動とを行うように構成されている。コントローラ25には、起伏操作レバー21、旋回操作レバー22および伸縮操作レバー23の操作信号、非常用ポンプスイッチ24の作動信号、作業台9に設けられた作業台傾斜角度検出器14の検出信号、そして電気モータ32の回転信号が入力される。
【0016】
起伏操作レバー21、旋回操作レバー22および伸縮操作レバー23はそれぞれ起立状態から傾動操作可能に構成されており、傾動操作されると傾動方向に対応し且つ傾動角に比例する操作信号がコントローラ25に出力される。コントローラ25はこれら操作信号に対応する流量が、起伏シリンダや伸縮シリンダ7や旋回モータ13といったブームアクチュエータにそれぞれ供給されるようにブーム作動制御バルブ26の開度制御を行う。なお、この場合、操作信号(すなわち操作レバーの傾動角)とバルブ開度(すなわち油圧アクチュエータへの供給流量)との関係は、例えば図4に示すように比例関係となるように設定される。その結果、旋回操作レバー22を傾動操作すれば、その傾動角に対応した流量の作動油が旋回モータ13に供給され、旋回台4が旋回操作レバー22の傾動角に対応する速度で旋回作動する。同様に、起伏操作レバー21や伸縮操作レバー23を傾動操作しても、各傾動角に対応した流量の作動油が起伏シリンダ6や伸縮シリンダ7に供給され、起伏操作レバー21および伸縮操作レバー23の傾動角に対応する速度でブーム5が起伏作動し、伸縮作動する。このことから分かるように、各ブームアクチュエータに要求される作動油量は各操作レバー21、22、23の傾動角に対応している。
【0017】
作業台傾斜角度検出器14は、主にブーム5の起伏作動に連動して生ずる作業台9の傾斜角を検出し、その傾斜角がコントローラ25に出力される。コントローラ25は、傾斜角を基に作業台9を水平状態に戻すのに必要な流量の作動油がレベリングシリンダ12に供給されるようにレベリング制御バルブ27の開度制御を行う。その結果、作業台9の傾斜角に応じた流量の作動油がレベリングシリンダ12に供給され、作業台9がその傾斜角に対応する速度でレベリング作動される。
【0018】
起伏シリンダ6、伸縮シリンダ7、旋回モータ13およびレベリングシリンダ12に供給される作動油は、通常、エンジンにより駆動されるメインポンプ30から供給される。また、非常用ポンプスイッチ24から作動信号がコントローラ25に入力されると、コントローラ25はコンタクタ33に、電気モータ32とバッテリ34との間を導通させる信号を出力する。その結果、バッテリ34から電力供給を受けて電気モータ32が回転し、電気モータ32が非常用ポンプ31を駆動することにより、非常用ポンプ31から作動油が供給される。なお、非常用ポンプ用逆止め弁36を設けることにより、非常用ポンプ31に逆流することなくメインポンプ30から作動油が供給され、同様に、メインポンプ用逆止め弁35を設けることにより、メインポンプ30に逆流することなく非常用ポンプ31から作動油が供給される。
【0019】
上述のように構成された高所作業車1のレベリング作動制御装置は、メインポンプ30作動時、作業台9の傾斜角を基に作業台9を水平状態に戻すのに必要な流量の作動油がレベリングシリンダ12に供給されるようにレベリング制御バルブ27の開度制御を行う。一方、非常用ポンプ31作動時、非常用ポンプ31の容量はメインポンプ30の容量より小さいことから、レベリングシリンダ12に供給される作動油の流量を確保するため、非常用ポンプ31から供給される作動油の流量に応じて、起伏シリンダ6、伸縮シリンダ7、旋回モータ13およびレベリングシリンダ12に供給する作動油の流量制御を行う。そして、コントローラ25に起伏操作レバー21の操作信号が入力された場合、旋回操作レバー22あるいは伸縮操作レバー23の操作信号に対応するブーム作動制御バルブ26の開度制御を行わないようにする制御を行う。さらに、コントローラ25に起伏操作レバー21の操作信号が入力された場合、旋回操作レバー22あるいは伸縮操作レバー23の操作信号がコントローラ25に入力されると、警報器40に警報作動を行わせる制御を行う。
【0020】
この制御内容について図3を参照して説明する。最初に、メインポンプ30から作動油が供給される状態、すなわち非常用ポンプスイッチ24からの作動信号がコントローラ25に入力されない場合、まず各操作レバー21、22、23からの操作信号を検出し、この操作信号に対応した速度で対応する各ブームアクチュエータを作動させるために必要とされる供給必要流量Qを算出する。なお、この場合、いづれか一つの操作レバーの操作信号のみがコントローラ25に入力されている場合には、この一つの操作信号に対応したブームアクチュエータへの供給必要流量Qを算出する。一方、複数の操作レバーの操作が同時に行われて複数の操作信号がコントローラ25に入力されている場合には、各操作信号に対応した各ブームアクチュエータの作動を行わせるために必要な流量をそれぞれ算出し、その合計流量を供給必要流量Qとして算出する。そして、各ブームアクチュエータに、その供給必要流量Qが得られるようにブーム作動制御バルブ26の開度制御を行う。
【0021】
並行して、作業台傾斜角度検出器14から作業台9の傾斜角を検出し、作業台9の傾斜角変化に対応した速度で対応するレベリングシリンダ12を作動させるために必要とされる供給必要流量Qを算出する。そして、レベリングシリンダ12にその供給必要流量Qが得られるようにレベリング制御バルブ27の開度制御を行う。そして、上記レベリング制御に対し作業台9の傾斜角が0となるようにフィードバック制御が行われる。
【0022】
さて、非常用ポンプスイッチ24からの作動信号がコントローラ25に入力された場合について説明を行う。まず各操作レバー21、22、23からの操作信号を検出し、この操作信号に対応した速度で対応する各ブームアクチュエータを作動させるために必要とされる供給必要流量Qを算出する。なお、この場合、いづれか一つの操作レバーの操作信号のみがコントローラ25に入力されている場合には、この一つの操作信号に対応したブームアクチュエータへの供給必要流量Qを算出する。一方、複数の操作レバーの操作が同時に行われて複数の操作信号がコントローラ25に入力されている場合、その中で起伏操作レバー21の操作信号が入力されないときは、各操作信号に対応した各ブームアクチュエータの作動を行わせるために必要な流量をそれぞれ算出し、その合計流量を供給必要流量Qとして算出する。それに対し起伏操作レバー21の操作信号が入力されたときは、起伏操作レバー21の操作信号に対応した起伏シリンダ6への供給必要流量のみを供給必要流量Qとして算出する。
【0023】
次に、作業台傾斜角度検出器14から作業台9の傾斜角を検出し、作業台9の傾斜角に対応した速度で対応するレベリングシリンダ12を作動させるために必要とされる供給必要流量Qを算出する。
【0024】
次に、電気モータ32から回転信号を検出し、検出された電気モータ32の回転数から非常用ポンプ31の流量Qを算出する。そして、(Q+Q)<Qである場合、各ブームアクチュエータに、その供給必要流量Qが得られるようにブーム作動制御バルブ26の開度制御を行い、レベリングシリンダ12にその供給必要流量Qが得られるようにレベリング制御バルブ27の開度制御を行う。そして、レベリング制御に対し作業台9の傾斜角が0となるようにフィードバック制御が行われる。一方、(Q+Q)≧Qである場合、レベリングシリンダ12にその作動に足る充分な流量の作動油が供給されないため、Qを減少させる必要がある。また、Qが減少すればブームアクチュエータの作動速度が減少するため、Qを減少補正した補正値に比例してQは少なくて済む。そこで、供給必要流量Q、Qの補正流量Q1a、Q2aを(Q1a+Q2a)<QかつQ1a:Q2a=Q:Qとなるように算出する。すなわち、通常の傾動操作に対応したブームアクチュエータの作動時よりもブームアクチュエータの作動速度を減少させ、ブームアクチュエータの作動速度の減少に応じてレベリングシリンダ12の作動速度を減少させる。そして各ブームアクチュエータに、補正流量Q1aをその供給必要流量としてブーム作動制御バルブ26の開度制御を行い、レベリングシリンダ12にその供給必要流量Q2aが得られるようにレベリング制御バルブ27の開度制御を行う。そして、レベリング制御に対し作業台9の傾斜角が0となるようにフィードバック制御が行われる。但し、複数の操作レバーの操作が同時に行われて複数の操作信号がコントローラ25に入力され、かつその中で起伏操作レバー21の操作信号が入力された場合を除く。
【0025】
複数の操作レバーの操作が同時に行われて複数の操作信号がコントローラ25に入力され、かつその中で起伏操作レバー21の操作信号が入力された状態においては、(Q+Q)<Qである場合、起伏シリンダ6のみに、その供給必要流量Qが得られるようにブーム作動制御バルブ26の開度制御を行い、レベリングシリンダ12にその供給必要流量Qが得られるようにレベリング制御バルブ27の開度制御を行う。一方、(Q+Q)≧Qである場合、供給必要流量Q、Qの補正流量Q1a、Q2aを(Q1a+Q2a)<QかつQ :Q2a=Q:Qとなるように算出する。そして同様に起伏シリンダ6のみに、補正流量Q1aをその供給必要流量としてブーム作動制御バルブ26の開度制御を行い、レベリングシリンダ12にその供給必要流量Q2aが得られるようにレベリング制御バルブ27の開度制御を行う。そして、レベリング制御に対し作業台9の傾斜角が0となるようにフィードバック制御が行われる。
【0026】
さらに、複数の操作レバーの操作が同時に行われて複数の操作信号がコントローラ25に入力され、かつその中で起伏操作レバー21の操作信号が入力された状態においては、上部操作装置20に備えられた警報器40へ警報作動信号を出力する。
【0027】
以上のようにして、非常用ポンプ31の作動時に、非常用ポンプ31の吐出油量に対応してブームアクチュエータへの作動油供給を制限して上記所定配分とするようにブーム作動制御バルブの作動を制御するため、ブーム作動に対応してレベリングアクチュエータにもその作動に足る充分な流量の作動油を常に供給することができる。そして非常用ポンプ31の作動時に、起伏操作レバー21の操作信号がコントローラ25に入力されたときは、旋回台4の旋回、ブーム5の伸縮作動を規制し、さらに、起伏操作レバー21の操作信号に加えて旋回操作レバー22または伸縮操作レバー23の操作信号がコントローラ25に入力されたときは、警報器40に警報作動を行わせることができる。
【0028】
なお、非常用ポンプスイッチ24を用いて、非常用ポンプ31の作動状態を検出したが、本発明はこれに限られるものではなく、電気モータ32の駆動電流や、あるいはコンタクタ33の作動状態を非常用ポンプ30の作動状態を検出する手段としてもよい。
【0029】
また、本発明による非常用ポンプ作動時のレベリング作動速度制御装置は、当該例において示した高所作業車にのみ適用されるものではなく、例えば図5のように車体上に起伏自在に取り付けられたブーム51の先端に、屈伸リンク機構52を垂直面上で揺動自在に枢設し、この屈伸リンク機構の先端にブームの起伏角に拘わらず水平方向に支持される作業台53を有する高所作業車にも適用できる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、非常用ポンプ作動時には、非常用ポンプからの吐出油を起伏アクチュエータ、旋回アクチュエータおよびレベリングアクチュエータに所定配分するようにブーム作動制御バルブの作動を制御する。すなわち、非常用ポンプの吐出油量に対応して起伏アクチュエータおよび旋回アクチュエータへの作動油供給を制限して上記所定配分とするようにブーム作動制御バルブの作動を制御するため、ブーム作動に対応してレベリングアクチュエータにもその作動に足る充分な流量の作動油を常に供給することができる。また、非常用ポンプ作動時に、ブームの起伏操作以外の操作に対応するブーム作動制御バルブの作動を行わないように制御される。さらに、非常用ポンプ作動時に、ブームの起伏操作に加えてブームの起伏操作以外の操作も行われた場合、警報作動が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業車の斜視図である。
【図2】上記高所作業車のレベリングシリンダ付近の拡大図である。
【図3】本発明に係るレベリング作動速度制御装置を含む高所作業車の制御装置構成を示すブロック図である。
【図4】制御バルブ開度と操作レバーの操作角との関係を示すグラフである。
【図5】屈伸リンク機構を有する高所作業車の背面図である。
【符号の説明】
2 車体
5 ブーム
6 起伏シリンダ(油圧アクチュエータ)
9 作業台
12 レベリングシリンダ(油圧アクチュエータ)
13 旋回モータ(油圧アクチュエータ)
20 上部操作装置
21 起伏操作レバー
22 旋回操作レバー
23 伸縮操作レバー
24 非常用ポンプスイッチ
25 コントローラ
26 ブーム作動制御バルブ
27 レベリング制御バルブ
30 メインポンプ
31 非常用ポンプ
40 警報器

Claims (3)

  1. 車体上に起伏、旋回が自在に設けられたブームと、
    前記ブームの先端に上下に揺動自在に取り付けられた作業台と、
    前記ブームの起伏作動を行わせる起伏アクチュエータと、
    前記ブームの旋回作動を行わせる旋回アクチュエータと、
    前記ブームの起伏、旋回作動を行なわせるため操作される操作手段と、
    前記操作手段の操作に応じてメインポンプおよび前記メインポンプより容量が小さい非常用ポンプから前記起伏アクチュエータおよび前記旋回アクチュエータへの作動油の供給制御を行うブーム作動制御バルブと、
    前記作業台を上下に揺動させるレベリングアクチュエータと、
    前記ブームの起伏作動に応じて前記メインポンプおよび前記非常用ポンプから前記レベリングアクチュエータへの作動油の供給制御を行うレベリング制御バルブと、
    前記ブーム作動制御バルブおよび前記レベリング制御バルブの作動を制御するコントローラと、
    を備え、
    記非常用ポンプを作動させて、前記操作手段により前記ブームの起伏操作が行われた場合には、
    前記コントローラは、
    前記操作手段の起伏操作に対応して前記ブームの前記起伏アクチュエータのみに供給必要な第1供給必要流量と、前記業台を水平に保持するために前記ブームの起伏作動に連動して生じる前記作業台の傾斜角に対応した速度で前記レベリングアクチュエータを作動させるために必要とされる第2供給必要流量とをそれぞれ算出し、
    前記第1供給必要流量と前記第2供給必要流量との合計流量と、前記非常用ポンプから供給される供給流量とを比較し、前記合計流量が前記供給流量より同等以上か否かの判断を行い、前記合計流量が前記供給流量に対して同等以上の場合には、
    前記起伏アクチュエータに供給される流量を減少させて、前記操作手段の起伏操作に対応した作動速度より遅い速度で前記起伏アクチュエータを作動させることにより、前記第2供給必要流量も減少させ、前記起伏アクチュエータに供給される流量と前記レベリングアクチュエータに供給される流量の合計流量が前記供給流量未満となるように前記ブーム作動制御バルブおよび前記レべリング制御バルブの開度制御を行うことを特徴とする高所作業車のレべリング作動制御装置。
  2. 前記非常用ポンプを用いるときに、前記操作手段により前記ブームの起伏操作に加えて前記ブームの起伏操作以外の操作も行われた場合に、前記ブームの起伏操作のみに必要とされる作動油を供給し、前記ブームの起伏操作以外の操作に必要とされる作動油を供給しないようにするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の高所作業車のレベリング作動制御装置。
  3. 前記非常用ポンプを用いるときに、前記操作手段により前記ブームの起伏操作に加えて前記ブームの起伏操作以外の操作も行われた場合に、警報作動を行う警報手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の高所作業車のレベリング作動制御装置。
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