JP3765891B2 - ペット寄生虫の治療・予防用組成物 - Google Patents

ペット寄生虫の治療・予防用組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は寄生虫に寄生された動物の治療と寄生される可能性のある動物の予報のための組成物に関するものであり、特に、ペット、特にネコとイヌに寄生する寄生虫を抑制および駆除する組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ペットには下記a)〜c)の一種または複数の寄生虫が寄生することが多い:
a) ネコノミ、イヌノミ(Ctenocephalides felis, Cteno-cephalides種等)
b) ダニ(Rhipicephalus種, Ixodes種, Dermacentor 種, Amblyoma種等)
c) 皮膚の爛れをおこす寄生虫(Demodex種,Sarcoptes種,Otodectes種等)
ノミは動物に大きなストレスを与え、健康上有害であり、さらには病原体、例えばイヌサナダムシ(Dipylidium caninum)を媒介して人間に害を与えることもある。
ダニも同様に動物に大きなストレスを与え、健康上有害である。ダニは人間にとっても有害であるが、ダニによる最も深刻な問題は、それらが人間と同様動物にも害を与える病原体を媒介する点にある。予防が必要な病気としてはボレリア病(Borrelis burgdorferi によって引き起こされるライム病) 、バベシア病(またはピロプラズマ病, Babesia 種によって起こる)、リケッチア病(ロッキー山紅斑熱としても知られる)を挙げることができる。ダニは麻痺性および炎症性の毒素を放出することもあり、これらの毒素は時として死に致らしめる。
皮膚の爛れを起こす寄生虫は特に駆除が困難である。その理由はそのような寄生虫に作用する活性物質の数が非常に少なく、さらに頻繁に治療する必要があるためである。
【0003】
多くの殺虫剤が知られているが、その活性は平均的であり、価格もまちまちである。しかし、これらの殺虫剤、例えばカーバメート、有機リン化合物、ピレスロイドなどを使用していると抵抗を獲得することが多い。
WO-A-87/03781 および EP-A-0,295,117 号には、抗寄生虫活性を含む広範囲の活性を有する多数のN-フェニルピラゾール類が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は効果が高く且つ使用が容易な動物の治療および予防のための新規な抗寄生虫組成物を提供することにある。
本発明の他の目的はおおきさや毛皮の種類とは無関係に、全ての種類の家畜に容易に使用できる組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は動物の身体全体に散布する必要のない効果的な組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は動物の体の一部に投与するだけで体全体に拡散し、乾燥し、しかも、結晶化現象が起きないような組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は乾燥後に毛皮の外観に影響を与えない組成物、特に結晶が残らず、毛皮がべとつかないような組成物を提供することにある。
上記目的は本発明によって達成される。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は寄生虫に寄生された家畜の治療および寄生される可能性のある家畜の予防に有用な抗寄生虫組成物をすぐに使用可能な溶液の形で提供する。本発明組成物は下記a)〜d)を溶液状態で含んでいる:
a) 〔化3〕で表される殺虫活性物質:
【0006】
【化3】
Figure 0003765891
【0007】
(ここで、
1 はハロゲン原子、CNまたはメチル基を表し、
2 はS(O) n 3 、4,5-ジシアノイミダゾール-2- イルまたはハロアルキル基を表し、ここで、
3 はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
4 は水素またはハロゲン原子を表すか、NR5 6 、S(O) m 7 、C(O) R7 またはC(O)OR7 、アルキル、ハロアルキル、OR8 または−N=C(R9) (R10)を表し、ここで、
5 およびR6 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル、ハロアルキル、C(O) アルキル、S(O) r CF3 、アシルまたはアルコキシカルボニル基を表すか、R5 とR6 とが一緒になって2価のアルキレン基を作り、このアルキレン基は酸素、硫黄のような2価のヘテロ原子を1つまたは2つを含むことができ、
7 はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
8 はアルキル、ハロアルキル基または水素原子を表し、
9 はアルキル基または水素原子を表し、
10は単数または複数のハロゲン原子またはOH、−O−アルキル、−S−アルキル、シアノまたはアルキル等の基で置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリール基を表し、
【0008】
Yはハロゲン原子、ハロアルキルまたはハロアルコキシ基、例えば低級ハロアルコキシ基またはSF5 基を表し、ここで、
▲1▼ Yはフェニル環の2および6の位置でCNまたはNO2 になることができ、
▲1▼ フェニル環の2の位置の炭素は3価の窒素原子で置換でき、
▲3▼ Yはフェニル環の4に位置でS(O) q CF3 になることができ、好ましくはハロアルキル、ハロアルコキシまたはSF5 であり、
m、n、qおよびrは互いに独立に0、1または2の整数を表し、
pは1、2、3、4または5、好ましくは1、2または3、特に3の整数であり、
ただし、
1 がメチルの場合は、R3 がハロアルキルで、R4 がNH2 で、pが2で、6位にあるYがClで、4位にあるYがCF3 で、フェニル基の2位置にある炭素がNで置換されているか、R2 が 4,5- ジシアノイミダゾール -2- イルで、R4 がClで、pが3で、6位にあるYがClで、4位にあるYがCF3 で、フェニル基の2位にある炭素が=C−Clで置換されている) 。
〔化3〕の化合物は組成物中に1〜20%、好ましくは5〜15%(%は単位体積重量:W/V)で存在することができる。
【0009】
b) 結晶化阻害剤:この結晶化阻害剤は1〜20%(W/V)、好ましくは5〜15%の割合で存在し且つ下記の試験を満足する:
下記 c) で定義される溶媒中に式(I) の化合物を10%(W/V) 、この結晶化阻害剤を10%添加した溶液Aの 0.3 ml をガラススライドに付け、20℃で24時間放置した後にガラススライド上を肉眼で観察した時に、観察可能な結晶の数が10個以下、好ましくはゼロである。
c) 誘電率が10〜35、好ましくは20〜30である有機溶媒。組成物の残りの部分は全てこの溶媒 c) である。
d) 沸点が100 ℃以下、好ましくは80℃以下で、誘電率が10〜40、好ましくは20〜30の乾燥促進剤となる有機共溶媒。この共溶媒は組成物中に d)/c)の重量比(w/w) が1/15〜1/2となる割合で存在することができ、乾燥促進剤の役目をするために揮発性で、水および/または溶媒c)と混和性がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
殺虫活性物質は〔化4〕に対応するのが好ましい:
【0011】
【化4】
Figure 0003765891
【0012】
(ここで、
1 はハロゲン原子、CNまたはメチル基を表し、
2 はS(O)n 3 、4,5-ジシアノイミダゾール-2- イルまたはハロアルキルを表し、
3 はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
4 は水素、ハロゲン原子を表すか、NR5 6 、S(O) m 7 、C(O) R7 またはC(O)OR7 、アルキル、ハロアルキル、OR8 または−N=C(R9) (R10)を表し、ここで、
5 およびR6 は独立に水素原子、アルキル、ハロアルキル、C(O) アルキル、S(O) r CF3 またはアルコキシカルボニル基を表すか、R5 とR6 とが一緒になって2価のアルキレン基を形成し、このアルキレン基は酸素または硫黄のような2価のヘテロ原子を1つまたは2つ含むことができ、
7 はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
8 はアルキル、ハロアルキル基または水素原子を表し、
9 はアルキル基または水素原子を表し、
10は単数または複数のハロゲン原子またはOH、−O−アルキル、−S−アルキル、シアノまたはアルキル等の基によって置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリール基を表し、
【0013】
11とR12は互いに独立に水素またはハロゲン原子を表し、場合によってはCNまたはNO2 を表すこともできるが、Hまたはハロゲンが好ましく、
13はハロゲン原子またはハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)q CF3 またはSF5 基を示し、
m、n、qおよびrは互いに独立に0、1または2の整数表し、
Xは3価の窒素原子またはラジカルC−R12を表し、この場合、炭素原子の残りの3つの原子価は芳香族環の一部を成し、
ただし、R1 がメチルの場合には、R3 がハロアルキルで、R4 がNH2 で、R11がClで、R13がCF3 で、XがNであるか、R2 が4,5-ジシアノイミダゾール-2- イルで、R4 がClで、R11がClで、R13がCF3 で、Xが=C−Clである)。
【0014】
〔化3〕〔化4〕の化合物で定義のアルキル基は一般に1〜6個の炭素原子を含む。R5 とR6 に相当する2価のアルキレンラジカルとR5 およびR6 が結合する窒素原子とで形成されるリングは一般に5、6または7員環である。
より好ましいものはR1 がCNで、R3 がハロアルキルで、R4 がNH2 で、R11とR12は互いに独立にハロゲン原子で、R13はハロアルキルのものである。また、XがC−R12であるのが好ましい。
本発明で最も好ましい〔化3〕の化合物Aは、1-[2,6-Cl2 4-CF3 フェニル] 3-CN 4-[SO-CF3] 5-NH2 ピラゾール、慣用名フィプロニルである。〔化3〕の化合物は WO-A-87/3781 、93/6089 および94/21606やEP-A-295,117に記載の方法および化学合成の専門家が適宜行いえる他任意の方法で合成することができる。
当業者はケミカルアブストラクツ(Chemical Abstracts)とその中で引用されている文献の内容を全て自由に使用できれば、本発明化合物を化学的に製造することができるはずである。
【0015】
好ましくはないが、本発明組成物は水を 0〜30%(単位体積容積V/V)、特に0〜5%の比率で含むことができる。
組成物は空気酸化を防ぐための抗酸化剤をさらに含むことができる。この抗酸化剤は0.005 〜1%(W/V)、好ましくは0.01〜0.05%の割合で存在することができる。
本発明組成物はペット、特にネコおよびイヌを対象にするもので、一般に皮膚に塗布することによって(スポットオン方式またはポアオン方式で)投与されるが、この投与は一般に表面積10cm2 以下、特に5〜10cm2 の領域に対して行う局所投与で、好ましくは動物の両肩の間の2箇所に塗布する。本発明組成物は塗布後に動物体全体に拡散し、その後は結晶化せずに乾燥するので毛皮の外観が変化することはなく、特に白い付着物は観察されず、汚れた様子は全くなく、手触りを損なうこともない。
【0016】
本発明組成物はその効果および作用速度と、塗布・乾燥後の動物毛皮外観に優れているという点において特に有利である。
本発明で使用可能な有機溶媒c)としては特に、アセトン、アセトニトリル、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、ジメチルアセタミド、ジメチルホルムアミド、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エタノール、イソプロパノール、メタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、モノメチルアセタミド、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリオキシエチレングリコール、プロピレングリコール、2-ピロリドン、特にN-メチルピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、ジエチルフタレートまたはこれら溶媒の少なくとも二種類の混合物を挙げることができる。
好ましい溶媒c)はグリコールエーテルで、特にジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
【0017】
本発明で使用可能な結晶化阻害剤b)としては特に下記▲1▼〜▲5▼を挙げることができる:
▲1▼ ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、マンニトール、グリセロール、ソルビトール、ポリオキシエチレン化されたソルビタンエステル、レシチン、ソジウムカルボキシメチルセルロース、アクリル誘導体、例えばメタクリレート等。
▲2▼ アルカリステアレート等のアニオン界面活性剤、特にステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムまたはステアリン酸アンモニム、ステアリン酸カルシウム、トリエタノールアミンステアレート、ソジウムアビエテート、アルキルサルフェート、特にソジウムラウリルサルフェートおよびソジウムセチルサルフェート、ソジウムドデシルベンゼンスルホネート、ソジウムジオクチルスルホスクシネート、脂肪酸、特にやし油に由来する脂肪酸。
【0018】
▲3▼ カチオン界面活性剤、例えばN+ R’R”R'"""- で表される水溶性の第4級アンモニウム塩(ここで、Rは水酸化されていてもよい炭化水素基であり、Y- は強酸のアニオン、例えばハロゲン化物のアニオン、硫酸イオンおよびスルホン酸イオンである。使用可能なカチオン界面活性剤としてはセチルトリメチルアンモニウムブロミドがある。
▲4▼ 非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレン化されていてもよいソルビタンエステル等、特にポリソルベート80、ポリオキシエチレン化されたアルキルエーテル、ポリエチレングリコールステアレート、ヒマシ油のポリオキシエチレン化誘導体、ポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレン化された脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化された脂肪酸、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体。
▲5▼ 両性界面活性剤、例えばラウリル置換されたベタイン化合物。
好ましくは上記結晶化阻害剤の少なくとも2種類の混合物を用いる。
【0019】
特に好ましい方法は結晶化阻害剤系すなわちポリマータイプの膜形成剤と界面活性剤との組み合わせを用いるものである。
界面活性剤は結晶化阻害剤b)として上記で挙げた化合物から選択する。ポリマータイプの膜形成剤としては下記▲1▼〜▲3▼を挙げることができる:
▲1▼ 各種グレードのポリビニルピロリドン
▲2▼ ポリビニルアルコール
▲3▼ 酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体。
【0020】
界面活性剤としては特に非イオン性界面活性剤が挙げられる。好ましくはポリオキシエチレン化されたソルビタンエステル、特に各種グレートのポリソルベート、例えばポリソルベート80を挙げることができる。被膜形成剤および界面活性剤は上記の結晶化阻害剤全量の範囲内で同量またはほぼ等量だけ使用することができる。
この系は毛の表面に結晶を残さず、毛皮の美的外観を保つという目的が達成できるという特筆すべき利点を有している。すなわち、活性物質の濃度が高いにも係わらず、毛皮がくっつき合ったりベト付いた外観にならない。
【0021】
共溶媒d)としては無水エタノール、イソプロパノール (2-プロパノール) 、メタノールを挙げることができる。
抗酸化剤としては標準的な薬剤を用いることができるが、特にブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、ソジウムメタバイスルフィット、プロピルガレート、ソジウムチオサルフェートおよびこれらの抗酸化剤の2種以下の混合物を使用することができる。
本発明組成物は一般に上記定義の成分を単に混合して調製されるが、初めに活性物質を主溶媒に混合し、次いでその他の成分またはアジュバントを添加するのが有利である。
【0022】
本発明の他の対象は、寄生虫に寄生された動物の治療方法および寄生虫に対する予防方法において、本発明組成物の有効量を動物に局部的に塗布することを特徴とする方法にある。塗布は2箇所および/または動物の背中の両肩の間に行うのが有利である。
寄生虫だけでなくその残骸や排泄物を除去して動物の毛や皮膚をきれいにする場合の上記方法は非治療的目的になるが、この場合には動物の毛皮は外観、触感ともに良くなり、その結果、家の中でのノミの繁殖を防ぐことができる。
病源となる寄生生物による疾患の治療で使う場合には治療目的になる。投与量は動物の体重に応じて決まり、約 0.3〜1mlであり、ネコでは約0.5 ml、イヌでは0.3 〜3mlにするのが好ましい。
組成物の投与量は〔化3〕表される化合物の投与量で1kg当り 0.3〜60mg、特に5〜15mgにするのが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
実施例1〜 12
実施例1〜12で用いた組成物は〔表1〕に示してある。
【0024】
【表1】
Figure 0003765891
【0025】
例えば実施例1の配合物でqs (quantum sufficit: 十分な量)と表されたジエチレングリコールモノエチルエーテルの量は約75cm3 である。
下記成分を攪拌しながら混合する:
Figure 0003765891
【0026】
ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはジプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いて混合物を100cm3にする(実施例1ではこれは残量である約15cm3 に相当する)。
各混合物は濃縮溶液Sを構成する。
体重7、14および28kgの3頭のイヌにそれぞれ100 匹のノミを寄生させた。2日後、両肩の間のきこう(肩甲骨間の隆起)付近の皮膚の面積約5cm2 の領域に体重1kgあたり 0.1 ml の溶液Sを局所的に投与した。完全に乾燥するのに要する24時間が経過した後に皮膚に溶液を付着させた領域とその他の領域とを比較したが、元の状態に比べてイヌの毛皮の外観に変化は見られなかった。特に、動物の毛皮に触った時にべとつきや粘着感がなく、毛皮にゴワゴワした毛束が見られなかった。
【0027】
治療から24時間後にイヌの毛を櫛ですき、存在するノミを回収してカウントした。さらに、治療後一週間おきに上記と同様な方法で動物に再度ダニを寄生させた。この処置を行う度に、その24時間後に動物の毛を櫛ですいてその時点で存在しているノミをカウントした。
本発明による治療を行わなかった対照群と比べた場合の本発明によるノミ固体数の減少率は13週間以上に渡って約95%以上の値が維持された。
【0028】
実施例 12 24
実施例12〜24は〔表1〕の実施例1〜12を実施例12〜24に代え、活性成分の量を12.5gにするだけでよく、他の成分量は変わらない。ただし、全量を100cm3にするための溶媒量は相違する。すなわち、下記成分を攪拌しながら混合した:
Figure 0003765891
ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはジプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いて混合物の全量を100cm3にした。
各混合物を実施例1と同じ条件下で使用したところ、同等な結果が得られた。対照群と比べた場合のノミ固体数の減少率は24時間以内で約95%以上の値が得られた。

Claims (35)

  1. 下記の(a)〜(d)から成り、
    式(I)の化合物は1〜20%(w/v)の割合で存在し、
    結晶化阻害剤は1〜20%(w/v)の割合で存在し且つ(c)で定義した溶媒中に式(I)の化
    合物を10%(W/V)、結晶化阻害剤を10%添加した溶液Aの 0.3 ml をガラススライドに付け、20℃で24時間放置した後にガラススライド上を肉眼で観察した時に観察可能な結晶の数が10個以下あり、
    有機溶媒(c)は組成物全体を100 %にする比率で加えられ、
    有機共溶媒(d)は(d)/(c)の重量比(w/w)が1/15〜1/2となる割合で存在し、
    有機共溶媒(d)は水および/または溶媒c)と混和性がある、
    動物の身体の一部へ局所塗布することによって動物の全身へ拡散する、直ちに使用可能な溶液の形をした、寄生虫からペットを治療または予防するための組成物:
    (a) 〔化1〕で表される殺虫活性物質:
    Figure 0003765891
    (ここで、
    1はハロゲン原子、CNまたはメチル基を表し、
    2はS(O)n3、4,5-ジシアノイミダゾール-2-イルまたはハロアルキル基を表し、ここで、
    3はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
    4は水素またはハロゲン原子を表すか、NR56、S(O)m7、C(O)R7またはC(O)OR7、アルキル、ハロアルキル、OR8または−N=C(R9)(R10)を表し、ここで、
    5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル、ハロアルキル、C(O)アルキル、
    S(O)rCF3、アシルまたはアルコキシカルボニル基を表すか、R5とR6とが一緒になって2価のアルキレン基を作り、このアルキレン基は2価のヘテロ原子を1つまたは2つを含むことができ、
    7はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
    8はアルキル、ハロアルキル基または水素原子を表し、
    9はアルキル基または水素原子を表し、
    10は単数または複数のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリール基を表し、
    Xは炭素、三価の窒素原子またはC−R12を表し、
    12は水素原子、CNまたはNO2を表し、
    yはSF5基、CN、NO2 S(O)rCF3、ハロゲン原子、ハロアルキルまたはハロアルコキシ基を表し、
    m、nおよびrは互いに独立に0、1または2の整数を表し、
    pは1、2、3、4または5の整数を表し、
    ただし、R1がメチルの場合は、R3がハロアルキルで、R4がNH2で、pが2で、6位にあるyがClで、4位にあるyがCF3で、XがNであるか、R2が 4,5-ジシアノイミダゾール-2-イルで、R4がClで、pが3で、6位にあるyがClで、4位にあるyがCF3で、XがC−Clである)、
    (b) ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体、ポリオキシエチレン化されたソルビタンエステルおよびこれらの混合物の中から選択される結晶化阻害剤、
    (c) アセトン、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、ジプロピレングリコール n-ブチルエーテル、エタノール、イソプロパノール、メタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールおよびこれらの溶媒の少なくとも二つの混合物から成る群の中から選択される有機溶媒、
    (d) エタノール、イソプロパノールおよびメタノールから成る群の中から選択される有機溶媒とは異なる有機共溶媒。
  2. 動物の身体の10cm2以下の表面積に局所塗布して用いられる請求項1に記載の組成物。
  3. Xが炭素またはC−R12を表し、yがフェニル環の2および6位のCNまたはNO2を表す請求項1または2に記載の組成物。
  4. Xが炭素またはC−R12を表し、yがフェニル環の4位にあり且つS(O)rCF3、ハロアルキル、ハロアルコキシ基およびSF5基から成る群の中から選択され、rが0、1または2の整数を表す請求項1または2に記載の組成物。
  5. 式(I)の化合物のアルキル基が1〜6個の炭素原子を有する請求項1または2に記載の組成物。
  6. 5とR6とが一緒になって2価のアルキレン基を作り、R5とR6が結合した窒素原子と一緒に5−、6−または7員環を形成する請求項1または2に記載の組成物。
  7. 式(I)の化合物が 1-[4-CF3 2,6-Cl2フェニル] 3-シアノ 4-[CF3-SO] 5-NH2ピラゾールである請求項1または2に記載の組成物。
  8. 下記(a)〜(d)から成り、
    式(II)の化合物は1〜20%(w/v)の割合で存在し、
    結晶化阻害剤は1〜20%(w/v)の割合で存在し且つ(c)で定義した溶媒中に式(II)の化合物を10%(W/V)、結晶化阻害剤を10%添加した溶液Aの 0.3 ml をガラススライドに付け、20℃で24時間放置した後にガラススライド上を肉眼で観察した時に観察可能な結晶の数が10個以下あり、
    有機溶媒(c)は組成物全体を100 %にする比率で加えられ、
    有機共溶媒(d)は(d)/(c)の重量比(w/w)が1/15〜1/2となる割合で存在し、
    有機共溶媒(d)は水および/または溶媒c)と混和性がある、
    動物の身体の一部へ局所塗布することによって動物の全身へ拡散する、直ちに使用可能な溶液の形をした、寄生虫からペットを治療または予防するための組成物:
    (a) 〔化2〕で表される殺虫活性物質:
    Figure 0003765891
    (ここで、
    1はハロゲン原子、CNまたはメチル基を表し、
    2はS(O)n3、4,5-ジシアノイミダゾール-2-イルまたはハロアルキルを表し、
    3はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
    4は水素原子、ハロゲン原子を表すか、NR56、S(O)m7、C(O)R7、C(O)OR7、アルキル、ハロアルキル、OR8または−N=C(R9)(R10)を表し、ここで、 R5およびR6は独立に水素原子、アルキル、ハロアルキル、C(O)アルキル、S(O)rCF3またはアルコキシカルボニル基を表すか、R5とR6とが一緒になって2価のアルキレン基を形成し、このアルキレン基は2価のヘテロ原子を1つまたは2つ含むことができ、
    7はアルキルまたはハロアルキル基を表し、
    8はアルキル、ハロアルキル基または水素原子を表し、
    9はアルキル基または水素原子を表し、
    10は単数または複数のハロゲン原子またはOH、−O−アルキル、−S−アルキル、シアノまたはアルキル基によって置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリール基を表し、
    11は水素原子、ハロゲン原子、CNまたはNO2を表し、
    13はハロゲン原子、ハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)qCF3またはSF5基を示し、
    m、n、qおよびrは互いに独立に0、1または2の整数表し、
    Xは3価の窒素原子またはラジカルC−R12を表し、この場合、炭素原子の残りの3つの原子価は芳香族環の一部を成し、
    12は水素原子、ハロゲン原子、CNまたはNO2を表し、
    ただし、R1がメチルの場合には、R3がハロアルキルで、R4がNH2で、R11がClで、R13がCF3で、XがNであるか、R2が4,5-ジシアノイミダゾール-2-イルで、R4がClで、R11がClで、R13がCF3で、Xが=C−Clである)
    (b) ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体、ポリオキシエチレン化されたソルビタンエステルおよびこれらの混合物の中から選択される結晶化阻害剤、
    (c) アセトン、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、ジプロピレングリコール n-ブチルエーテル、エタノール、イソプロパノール、メタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールおよびこれらの溶媒の少なくとも二つの混合物から成る群の中から選択される有機溶媒、
    (d) エタノール、イソプロパノールおよびメタノールから成る群の中から選択される有機溶媒とは異なる有機共溶媒。
  9. 動物の身体の10cm2以下の表面積に局所塗布して用いられる請求項8に記載の組成物。
  10. Xが3価の窒素原子である請求項8または9に記載の組成物。
  11. 1がCNを表し、R3がハロアルキル基を表し、R4がNH2を表し、R11とR12が互いに独立してハロゲン原子を表し、R13がハロアルキルを表す請求項8または9に記載の組成物。
  12. XがC−R12を表す請求項8または9に記載の組成物。
  13. 式(II)の化合物のアルキル基が1〜6個の炭素原子を有する請求項8または9に記載の組成物。
  14. 5とR6とが一緒になって2価のアルキレン基を作り、R5とR6が結合した窒素原子と一緒に5−、6−または7員環を形成する請求項8または9に記載の組成物。
  15. 式(II)の化合物が5〜15%(w/v)の割合で存在する請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 結晶化阻害剤が5〜15%(w/v)の割合で存在する請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 水を30%(v/v)以下の割合でさらに含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 水を5%(v/v)以下の割合で含む請求項17に記載の組成物。
  19. 酸化防止剤を0.005〜1%(w/v)の割合でさらに含む請求項1〜14のいずれか一項に記載
    の組成物。
  20. 酸化防止剤を0.01〜0.05%(w/v)の割合で含む請求項19に記載の組成物。
  21. (c)で定義した溶媒中に式(II)の化合物を10%(W/V)、結晶化阻害剤を10%添加した溶液Aの 0.3 ml をガラススライドに付け、20℃で24時間放置した後にガラススライド上を肉眼で観察した時に観察可能な結晶の数がゼロである請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  22. ポリオキシエチレン化されたソルビタンエステルがポリソルベートである請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  23. ポリソルベートがポリソルベート80である請求項22に記載の組成物。
  24. 結晶化阻害剤がポリビニルピロリドンとポリソルベートとの混合物である請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 有機溶媒がジプロピレングリコール n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびこれらの溶媒の少なくとも二つの混合物から成る群の中から選択されるグリコールエーテルである請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  26. グリコールエーテルがジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルから成る群の中から選択される請求項25に記載の組成物。
  27. 酸化防止剤がブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、メタ亜硫酸ナトリウム、プロピルガレート、ソジウムチオサルフェートおよびこれらの抗酸化剤の2種以下の混合物の中から選択される請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  28. 結晶化阻害剤が少なくとも一種の酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体と、ポリビニルピロリドンと、ポリソルベートとの混合物である請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  29. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物の有効量を動物の身体の一部へ局所塗布し、それを動物の全身へ拡散させることを特徴とする寄生虫からペットを治療または予防する方法。
  30. 動物がネコまたはイヌであり、寄生虫がノミまたはダニである請求項29に記載の方法。
  31. 動物がネコまたはイヌであり、寄生虫がダニである請求項29に記載の方法。
  32. 動物がネコである請求項29に記載の方法。
  33. 動物がイヌである請求項29に記載の方法。
  34. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物の有効量をヒトを除く動物の身体の皮膚の一部へ局所塗布する方法によって、活性成分をヒトを除く動物の全身へ拡散させ、それによって寄生虫からヒトを除く動物を治療または予防する方法。
  35. 結晶化阻害剤がポリビニルピロリドンおよびポリソルベート80である請求項1に記載の組成物。
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