JP3765176B2 - シリンダボアの内面微細溝加工方法 - Google Patents

シリンダボアの内面微細溝加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3765176B2
JP3765176B2 JP02632998A JP2632998A JP3765176B2 JP 3765176 B2 JP3765176 B2 JP 3765176B2 JP 02632998 A JP02632998 A JP 02632998A JP 2632998 A JP2632998 A JP 2632998A JP 3765176 B2 JP3765176 B2 JP 3765176B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder bore
axis direction
slicing blade
support shaft
fine groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02632998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11207592A (ja
Inventor
浩 大関
聡 塩谷
克哉 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP02632998A priority Critical patent/JP3765176B2/ja
Publication of JPH11207592A publication Critical patent/JPH11207592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3765176B2 publication Critical patent/JP3765176B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのシリンダブロックのシリンダボアの内面に微細溝を高精度に、かつ効率的に加工するに好適なシリンダボアの内面微細溝加工装置及び加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのシリンダブロックには気筒数に対応して複数個のシリンダボアが形成されている。このシリンダボアの内面はピストンリングが押圧状態で摺動するため耐摩耗性を向上させる必要がある。そのため、従来よりシリンダボアの内面はホーニング加工され、表面粗さを低減してピストンリングとの摩擦抵抗を軽減させるように処理されていた。しかしながら、エンジンの高性能化,高速化に伴って従来のホーニング加工だけでは不十分となり、シリンダボアの内面に潤滑油を保持するための微細溝を形成する必要が生じた。この微細溝の加工方法として各種のものがあるが、従来における代表的な加工方法としてはプラトホーニングによるもの及びレーザホーニングによるものが挙げられる。
【0003】
プラトホーニングは、所定のホーニング加工仕上げされたシリンダボアを粗めのホーニング砥石を用いて加工し、まず、図12(a)に示すように内面に深い溝を作る。次に、仕上げホーニング砥石を用いてシリンダボアの内面を円滑に仕上げ加工し、図12(b)に示すように適宜深さの微細溝14aを形成するものである。
【0004】
一方、レーザホーニングは、所定のホーニング加工仕上げされたシリンダボアの内面に、図13に示すように数10[μm]のスポット径の微細溝14bをレーザにより加工し、次に、仕上げホーニング砥石を用いてシリンダボアの内面を円滑に仕上げ加工するものである。この加工方法は前記のプラトホーニングによる微細溝14aに較べて形状の安定した微細溝14bを形成し得る特徴を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のプラトホーニング及びレーザホーニングによる微細溝の加工方法はそれぞれ特徴を有するものであるが、次のような問題点がある。プラトホーニングの場合は、粗めのホーニング砥石と仕上げホーニング砥石等の専用の工具が必要となり工具コストが高くなる問題点がある。また、シリンダボアの入口側からの連続加工しか行われず、シリンダボアの任意の場所に微細溝14aを加工することが困難である。更に、粗めのホーニング砥石による深い溝加工をした後、砥石を取り換えて仕上げホーニング砥石による仕上げ加工が必要となり、加工時間がかかる問題点がある。また、レーザホーニングによるものは、装置自体が非常に高価であり、設備コスト高となるという問題点がある。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するもので、シリンダボアの内面の任意の位置に微細溝を高精度に、かつ比較的短時間に加工することができると共に、加工状態や工具摩擦等をインプロセスにモニタリングして切り込み量の制御を行い、所定の微細溝を加工するようにしたシリンダボアの内面微細溝加工方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、水平面に沿うX軸及びY軸方向に沿って移動自在に形成され装置本体側に載置されるXYテーブルと、垂直方向のZ軸方向に沿って前記装置本体上に立設されるコラムと、円盤状のスライシングブレードを回転自在に中心支持する支持軸と、前記コラム側にZ軸方向及びX軸又はY軸方向に沿って移動自在に支持されZ軸方向に沿う回転軸を枢支すると共に該回転軸の駆動機構部を有する回転軸支持機構部と、前記回転軸を一端側に連結し前記支持軸を前記回転軸に近接又はこれから離隔すべくX軸又はY軸方向に沿って移動自在に支持すると共に前記支持軸を回転駆動する駆動部を有する支持軸移動機構部と、前記スライシングブレードとシリンダボアとの接触時に発生する弾性波を検出すべく前記装置本体側に配設される第1のセンサと、前記スライシングブレードと前記シリンダボアとの間の間隔を検出すべくスライシングブレード側又はシリンダブロック側に設けられその検出信号によって前記支持軸移動機構部を位置制御する第2のセンサとを備えるシリンダボアの内面微細溝加工装置により前記シリンダブロックの複数個の前記シリンダボア内に微細溝をZ軸方向に沿って複数列加工するための加工方法であって、前記シリンダブロックを前記XYテーブル上に位置決め搭載する第1の手順と、それぞれの前記シリンダボアに対応する前記回転軸支持機構部を動作し前記回転軸と前記シリンダボアとの中心位置決めを行う第2の手順と、前記スライシングブレードを前記シリンダボアの微細溝加工位置に移動すると共に第1のセンサによる検出信号の発する位置まで前記支持軸移動機構部を作動する第3の手順と、前記支持軸移動機構部により前記スライシングブレードを所定の微細溝の溝深さに相当する位置まで移動する第4の手順と、前記回転軸を回転し前記スライシングブレードを回転軸まわりに旋回させて微細溝加工を行う第5の手順と、該微細溝加工中において、前記第2のセンサにより検出した前記間隔を常時一定値に保持すべく前記支持軸移動機構部の移動位置制御を行う第6の手順と、前記スライシングブレードをZ軸方向に移動し前記第3乃至第6の手順を繰り返す第7の手順とを行うシリンダボアの内面微細溝加工方法を特徴とするものである。
【0010】
シリンダブロックをXYテーブル上に位置決め搭載し、回転軸支持機構部を作動し、回転軸とシリンダボアの中心合わせを行う。次に、支持軸移動機構部を作動し、スライシングブレードをシリンダボアの内面に接触する位置まで移動すると共に、回転軸支持機構部を作動してスライシングブレードをZ軸方向に移動し、微細溝を加工する位置にセットする。この状態は第1のセンサにより検出される。次に、回転軸支持機構部を作動し、回転軸まわりに支持軸を旋回せしめ、支持軸移動機構部をX軸又はY軸方向に移動せしめて所定の溝深さになるようにスライシングブレードをシリンダボアの内面に切り込ませる。以上により、所定位置において微細溝が加工される。シリンダボアの内面とスライシングブレード側との間の間隔に変化がある場合には、常に一定深さの微細溝を加工すべく第2のセンサの検出信号により支持軸移動機構部の位置制御を行う。所定位置における微細溝加工が終了したら、スライシングブレードをZ軸方向に移動せしめ、前記と同様な加工方法により順次、複数列の微細溝の溝加工を行う。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシリンダボアの内面微細溝加工装置の実施の形態を図面を参照して詳述する。図1にシリンダボアの内面微細溝加工装置の全体概要構造を示す。シリンダボアの内面微細溝加工装置1は、大別してXYテーブル2と、コラム3と、スライシングブレード5を支持する支持軸4と、回転軸6を枢支する回転軸支持機構部7と、支持軸移動機構部8等とからなる。以下、これ等の構造を順次説明する。
【0012】
装置本体のベッド11上にはXYテーブル2が載置される。XYテーブル2は、ベッド11上にY軸方向に沿って移動自在に支持されるYテーブル12と、Yテーブル12上にX軸方向に沿って移動自在に支持されるXテーブル13とからなる。シリンダブロック9(以下、ワーク9という)は位置決め手段14(図2)等を介してXテーブル13上の所定位置に固定される。ワーク9にはシリンダボア10が形成される。なお、本例ではワーク9に2個のシリンダボア10が穿孔されているが、勿論シリンダボア10の数は2個に限らない。なお、2個のシリンダボア10,10のボアピッチをP(図3)とする。以上の構造により、ワーク9のシリンダボア10はベッド11に対しXY方向の任意の位置に位置決め固定される。なお、X軸及びY軸により形成されるXY平面が水平面に相当する。また、説明の都合上、シリンダボア10の内径寸法をDとする。
【0013】
図1に示すように、コラム3はベッド11上にZ軸方向に沿って立設して載置される。なお、Z軸は前記XY軸と直交する垂直軸に相当する。また、コラム3にはZ軸方向に沿うガイド21が設けられている。
【0014】
図1,図3,図7,図9等に示すように、支持軸4はZ軸方向に沿って配設される円筒軸からなり、その下端にはスライシングブレード5が回転可能にブレード挟持手段22等を介して固定される。なお、スライシングブレード5は薄肉の円盤体からなり、外径に切刃(図略)が形成される。スライシングブレード5の切刃の刃厚は微細溝20(図7)の溝幅にほぼ等しいものからなる。また、その外径寸法を説明の都合上d(図4)とする。
【0015】
コラム3にはスライドブロック15がガイド21に案内され、Z軸方向に沿って移動自在に支持される。また、スライドブロック15には回転軸支持機構部7がスライドブロック15にU軸(図1)方向に沿って形成されたガイド23に沿ってU軸方向に移動自在に支持される。なお、本例では、シリンダボア10が2個形成されているため、これに対応して回転軸支持機構部7は2セット配設される。また、本例ではU軸はX軸と同一方向のものからなるが、U軸はY軸と同一方向でもよい。
【0016】
回転軸支持機構部7は、スライドブロック15に移動自在に支持される箱本体16と、箱本体16に枢支されZ軸方向に沿って配設される回転軸6と、箱本体16内に収納され回転軸6を回転駆動する駆動機構部(図略)等とから形成される。
【0017】
支持軸移動機構部8はブロック体17と、ブロック体17内に収納され、ブロック体17側に保持される支持軸4をXt方向(図1)に沿って移動させるための移動機構部(図略)や支持軸4を回転駆動する駆動部(図略)等を有するものからなり、ブロック体17の一端側には回転軸6が固定される。なお、本例ではXt方向はX方向と同一であるがY方向と同一であってもよい。
【0018】
以上の構造のシリンダボアの内面微細溝加工装置により、ワーク9のシリンダボア10に微細溝20(図7)を加工する加工方法を説明する。なお、微細溝20の加工は以下に述べる第1のセンサ18や第2のセンサ19がなくても可能であるが、高精度の微細溝20を自動的に、かつシリンダボア10の内径寸法Dにバラツキや偏径があっても所定の深さの微細溝20を加工するためには第1のセンサ18や第2のセンサ19が必要である。そのため、以下の加工方法の説明では第1及び第2のセンサ18,19を備えたシリンダボアの内面微細溝加工装置における微細溝20の加工方法について説明する。それに先立って第1のセンサ18及び第2のセンサ19を説明する。
【0019】
第1のセンサ18は、スライシングブレード5の外周がシリンダボア10の内面に接触した瞬間を検出するセンサであり、本例では第1のセンサ18としてAE(Acoustic−Emission)センサが採用されるが、勿論これに限定するものではない。AEとは、工具やワーク等の固体の変形及び破壊等に伴って解放されるエネルギーが弾性波(AE波)として伝播する現象をいい、前記AEセンサはこの弾性波を検出するセンサである。具体的に説明すると、スライシングブレード5がシリンダボア10の内面に接触するとAE波が発生するが、前記AEセンサはこの接触瞬間を検出するセンサとして使用される。勿論、AEセンサ波は加工中にも生じ、かつスライシングブレード5の破損時にも発生する。従って、前記AEセンサを設けることにより、その波形からスライシングブレード5とシリンダボア10との接触や正常切削加工の状態やスライシングブレード5の破壊状態を検出することができる。なお、本例では検出精度を考慮して前記AEセンサは図1に示すように回転軸支持機構部7の箱本体16に装着されているが、AE波を検出できるならば装置本体の他のいずれの場所でも構わない。
【0020】
第2のセンサ19は、シリンダボア10の内面とスライシングブレード5の切刃の先端との関係位置を検出するものであるが、本例では支持軸4の外周に固着される。スライシングブレード5と支持軸4との関係位置は固定されており、支持軸4の外周とスライシングブレード5の外周との寸法関係も既知のため、支持軸4に第2のセンサ19を固定して支持軸4の外周とシリンダボア10の内面との間隔h(図7)を検出することによりシリンダボア10の内面とスライシングブレード5との関係寸法を検出することが可能である。勿論、第2のセンサ19は支持軸4以外の所に装着してもよい。第2のセンサ19としては接触式や非接触式の各種のセンサが適用される。接触式としては、例えば、接触式タッチセンサが挙げられ、非接触式としては、非接触高精度レーザ変位計等が挙げられる。なお、これ等はすべて公知技術であり、説明を省略する。
【0021】
次に、第1のセンサ18や第2のセンサ19を用いた本発明のシリンダボアの内面微細溝加工装置によるシリンダボア10の微細溝20の加工方法を図10のフローチャート及び図1乃至図9を用いて説明する。図2に示すようにワーク9をXYテーブル2上に搭載し、位置決め手段14を用いて所定位置に位置決め固定する(ステップ100)。次に、2個のシリンダボア10,10のそれぞれに対応する回転軸支持機構部7の箱本体16,16をスライドブロック15に沿ってU軸方向に移動させ、図3に示すように、その回転軸6,6をワーク9のそれぞれのシリンダボア10の中心に位置決めする(ステップ101)。図3ではシリンダボア10,10間のボアピッチがPで表示されているが、このPの値が変化しても箱本体16,16はそれぞれ独立にスライドブロック15に支持されているため、シリンダボア10の中心に回転軸6,6を正確に中心位置決めすることは容易にできる。
【0022】
次に、支持軸移動機構部8を作動し、支持軸4,4を回転軸6,6に近接する方向に移動せしめ、支持軸4,4に連結されているスライシングブレード5,5がシリンダボア10,10内に楽に挿入し得る位置まで支持軸4,4を移動させる(ステップ102)。図2はその状態を示す。次に、スライドブロック15をコラム3のガイド21に案内させてZ軸方向に沿って下降せしめ、スライシングブレード5,5をそれぞれシリンダボア10,10内に挿入すると共に、スライシングブレード5,5の下降位置を調整して微細溝20,20を加工すべき位置にセットする(ステップ103)。
【0023】
次に、図2に示すように、支持軸移動機構部8を作動し支持軸4,4を回転軸6,6から離隔するXt軸方向に沿って移動せしめ、スライシングブレード5,5の外周をシリンダボア10,10の内面に接触させる(ステップ104)。前記AEセンサはこの接触位置を検出する。なお、この場合、支持軸4,4の外周とシリンダボア10,10の内面との間の間隔hがシリンダボア10,10の全内周において同一の寸法になっているかを第2のセンサ19により確認し、回転軸6,6の中心位置の再調整を行う(ステップ105)。
【0024】
次に、図4に示すように、支持軸移動機構部8を作動し、支持軸4,4をシリンダボア10,10の内面に近接する方向に移動し、スライシングブレード5,5の外周をシリンダボア10,10に喰い込ませる(ステップ106)。勿論、この場合、支持軸4,4を回転駆動することは必要である。次に、支持軸4を回転しながら回転軸6を回転駆動することにより所定の溝深さの微細溝20が加工される(ステップ108)。次に、図4により、回転軸6,支持軸4等の関係位置と微細溝20の加工方法をわかり易く説明する。図示のように回転軸6は内径寸法Dのシリンダボア10の中心に位置決めされる。微細溝20の溝深さをδとすると、回転軸6から微細溝20の溝底までの寸法RはD/2+δとなる。スライシングブレード5の外径がdが表示されているため、支持軸4と回転軸6との間隔aはD/2+δ−d/2=R−d/2となる。すなわち、支持軸4を回転軸6からa寸法だけ離れた位置に移動して回転させ、回転軸6を回転するとスライシングブレード5の外周は寸法Rの旋回半径で回転軸6まわりに旋回し、シリンダボア10には溝深さδの微細溝20が形成される。
【0025】
以上のことは、図5に示すように、シリンダボア10の内面が、真円の場合において成立する。しかしながら、図6に示すように、シリンダボア10の内径が場所によって相異する場合は、前記した加工方法では溝深さの相異する加工が行われる。すなわち、場所により図示のように溝深さδが溝深さδ′のように相異する結果となる。溝深さが相異すると微細溝20内に溜る潤滑油の量にバラツキが生じ、ピストンリングが偏摩耗する不具合が生ずる。そこで、本発明のシリンダボアの内面微細溝加工方法では第2のセンサ19等を用いた加工方法が採用される。
【0026】
図7に示すように、支持軸4に固着された第2のセンサ19はシリンダボア10の内面との間隔hを検出する(ステップ107)。この間隔hの値がシリンダボア10の全内周にわたって一定ならば、そのまま微細溝20の加工が進められる(ステップ108)。一方、第2のセンサ19が検出した間隔hの値が所定の微細溝20の溝深さδを形成できない値の場合には、第2のセンサ19に連結されている制御装置24が支持軸移動機構部8の位置制御を指令する(ステップ109)。これにより、支持軸4の位置がその都度調整される(ステップ110)。以上の位置調整によりステップ108の微細溝20の加工が行われる。図8はその状態を示すものである。
【0027】
以上の加工方法により、シリンダボア10には1本の微細溝20が所定位置に形成されるが、引き続き次の微細溝20を加工する場合には(ステップ111)、図9に示すように、スライシングブレード5をZ軸方向に移動せしめ(ステップ112)、前記した加工手順を行うことにより同様に行われる。なお、スライシングブレード5をZ軸方向に移動するには、本例の場合はスライドブロック15をZ軸方向に移動して行うが、その前に、支持軸4を回転軸6に近傍する方向に移動し、加工済の微細溝20から離すことは勿論である。以上により、シリンダボア10の内面には複数列の微細溝20が順次形成される。
【0028】
本発明のシリンダボアの内面微細溝加工装置及び加工方法では、単にスライシングブレード5を所定位置で自転及び旋回せしめることにより、微細溝20を加工するため、従来技術に較べて加工が容易に行われ、加工効率の向上が図れる。また、微細溝20の溝幅や溝深さが正確に形成され、高精度の溝加工が行われる。また、前記したように、シリンダボア10の内面の内径が場所によって相異する場合でも、スライシングブレード5の切り込み深さがその都度調整され、所望の一定の深さの微細溝20が形成される。また、前記AEセンサを配設するため、スライシングブレード5による加工状態がモニタリングされ、その摩耗や破損等をタイムリに検出することができる。
【0029】
図11は、支持軸4に複数枚のスライシングブレード5を装着した場合を示す。これにより、シリンダボア10の内面に複数列の微細溝20を同時に加工することができ、加工時間の短縮が図れる。
【0030】
【発明の効果】
1)本発明の請求項1に記載のシリンダボアの内面微細溝加工方法によれば、加工状態をモニタリングしながら、シリンダボアの内面の内径の相異に関係なく、所定の寸法の微細溝を高精度に、かつ自動的に加工することができ、かつスライシングブレードの破損等の不具合も確認することが出来、製品の品質の安定化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンダボアの内面微細溝加工装置の概要構造を示す斜視図。
【図2】XYテーブル上に載置されたシリンダブロックと、これに係合するスライシングブレードを示す模式図。
【図3】回転軸支持機構部の回転軸とシリンダボアとの位置合わせ状態を説明するための模式図。
【図4】回転軸,支持軸,スライシングブレードとシリンダボアとの関係位置をわかり易く説明するための模式図。
【図5】シリンダボアの内面の内径が一定の場合における微細溝の溝深さの状態を示す平面図。
【図6】シリンダボアの内面の内径が場所により相異する場合における微細溝の溝深さの状態を示す平面図。
【図7】第2のセンサによる検出方法とそれによるスライシングブレードの位置調整を説明するための構成図。
【図8】シリンダボアの内面の内径が場所により相異する場合においてスライシングブレードの位置調整を行った場合の微細溝の溝深さの状態を示す平面図。
【図9】本発明のシリンダボアの内面微細溝加工装置による複数列の微細溝の加工方法を説明するための模式図。
【図10】本発明のシリンダボアの内面微細溝加工方法を説明するためのフローチャート。
【図11】1本の支持軸に複数枚のスライシングブレードを装着した場合を示す模式図。
【図12】従来のプラトホーニングによる微細溝の形成状態を説明するための部分拡大図。
【図13】従来のレーザホーニングによる微細溝の形成状態を説明するための部分拡大図。
【符号の説明】
1 シリンダボアの内面微細溝加工装置
2 XYテーブル
3 コラム
4 支持軸
5 スライシングブレード
6 回転軸
7 回転軸支持機構部
8 支持軸移動機構部
9 シリンダブロック(ワーク)
10 シリンダボア
11 ベッド
12 Yテーブル
13 Xテーブル
14 位置決め手段
15 スライドブロック
16 箱本体
17 ブロック体
18 第1のセンサ(AEセンサ)
19 第2のセンサ
20 微細溝
21 ガイド
22 ブレード挟持手段
23 ガイド
24 制御装置

Claims (1)

  1. 水平面に沿うX軸及びY軸方向に沿って移動自在に形成され装置本体側に載置されるXYテーブルと、垂直方向のZ軸方向に沿って前記装置本体上に立設されるコラムと、円盤状のスライシングブレードを回転自在に中心支持する支持軸と、前記コラム側にZ軸方向及びX軸又はY軸方向に沿って移動自在に支持されZ軸方向に沿う回転軸を枢支すると共に該回転軸の駆動機構部を有する回転軸支持機構部と、前記回転軸を一端側に連結し前記支持軸を前記回転軸に近接又はこれから離隔すべくX軸又はY軸方向に沿って移動自在に支持すると共に前記支持軸を回転駆動する駆動部を有する支持軸移動機構部と、前記スライシングブレードとシリンダボアとの接触時に発生する弾性波を検出すべく前記装置本体側に配設される第1のセンサと、前記スライシングブレードと前記シリンダボアとの間の間隔を検出すべくスライシングブレード側又はシリンダブロック側に設けられその検出信号によって前記支持軸移動機構部を位置制御する第2のセンサとを備えるシリンダボアの内面微細溝加工装置により前記シリンダブロックの複数個の前記シリンダボア内に微細溝をZ軸方向に沿って複数列加工するための加工方法であって、前記シリンダブロックを前記XYテーブル上に位置決め搭載する第1の手順と、それぞれの前記シリンダボアに対応する前記回転軸支持機構部を動作し前記回転軸と前記シリンダボアとの中心位置決めを行う第2の手順と、前記スライシングブレードを前記シリンダボアの微細溝加工位置に移動すると共に第1のセンサによる検出信号の発する位置まで前記支持軸移動機構部を作動する第3の手順と、前記支持軸移動機構部により前記スライシングブレードを所定の微細溝の溝深さに相当する位置まで移動する第4の手順と、前記回転軸を回転し前記スライシングブレードを回転軸まわりに旋回させて微細溝加工を行う第5の手順と、該微細溝加工中において、前記第2のセンサにより検出した前記間隔を常時一定値に保持すべく前記支持軸移動機構部の移動位置制御を行う第6の手順と、前記スライシングブレードをZ軸方向に移動し前記第3乃至第6の手順を繰り返す第7の手順とを行うことを特徴とするシリンダボアの内面微細溝加工方法。
JP02632998A 1998-01-26 1998-01-26 シリンダボアの内面微細溝加工方法 Expired - Fee Related JP3765176B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02632998A JP3765176B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 シリンダボアの内面微細溝加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02632998A JP3765176B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 シリンダボアの内面微細溝加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11207592A JPH11207592A (ja) 1999-08-03
JP3765176B2 true JP3765176B2 (ja) 2006-04-12

Family

ID=12190392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02632998A Expired - Fee Related JP3765176B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 シリンダボアの内面微細溝加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3765176B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001157906A (ja) 1999-11-29 2001-06-12 Toyota Motor Corp 機械加工装置および機械加工方法
JP4973904B2 (ja) * 2004-05-07 2012-07-11 日産自動車株式会社 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
JP4513438B2 (ja) * 2004-07-15 2010-07-28 日産自動車株式会社 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
JP5051499B2 (ja) * 2005-04-13 2012-10-17 日産自動車株式会社 微細凹部加工装置
JP4900672B2 (ja) * 2005-05-30 2012-03-21 日産自動車株式会社 微細凹部加工装置
US8641335B2 (en) 2005-07-06 2014-02-04 Nissan Motor Co., Ltd. Apparatus for forming microscopic recesses on a cylindrical bore surface and method of forming the microscopic recesses on the cylindrical bore surface by using the apparatus
JP5051503B2 (ja) * 2006-06-19 2012-10-17 日産自動車株式会社 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
JP4883348B2 (ja) * 2005-07-06 2012-02-22 日産自動車株式会社 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
DE102007042790A1 (de) * 2007-09-07 2009-03-12 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Herstellung einer Zündkerze mit seitlich angestellter Masseelektrode
PL2157304T3 (pl) * 2008-08-18 2013-12-31 Waertsilae Nsd Schweiz Ag Sposób obróbki do wytwarzania powierzchni ślizgowej ściany cylindra tulei cylindrowej silnika spalinowego tłokowego, oraz tuleja cylindrowa
KR101350869B1 (ko) * 2013-09-10 2014-01-24 주식회사 에스제이씨 연마 장치
WO2018105758A1 (ko) * 2016-12-05 2018-06-14 제해운 자동연마기
CN110421459B (zh) * 2019-07-24 2023-06-06 宁波奥涵机械科技有限公司 一种抛光拉丝装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61178167A (ja) * 1985-01-31 1986-08-09 Toshiba Corp 研磨装置
JPS62114872A (ja) * 1985-11-09 1987-05-26 Nakanishi Shika Kikai Seisakusho:Kk フライス盤を利用した回転研磨装置
JPS61168469A (ja) * 1986-01-22 1986-07-30 Tokyo Seimitsu Co Ltd 研削制御方法
JPS634258U (ja) * 1986-06-27 1988-01-12
JPS6480755A (en) * 1987-09-24 1989-03-27 Honda Motor Co Ltd Cylinder block for internal combustion engine
JPH03184708A (ja) * 1989-12-14 1991-08-12 Honda Motor Co Ltd 切削加工装置
JPH05111867A (ja) * 1991-10-23 1993-05-07 Fujitsu Ltd マルチ砥石によるワークの加工方法
JPH08155829A (ja) * 1994-12-02 1996-06-18 Nissan Motor Co Ltd ホーニング加工方法及び同方法に使用するホーニングヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11207592A (ja) 1999-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3765176B2 (ja) シリンダボアの内面微細溝加工方法
JP5213442B2 (ja) 眼科用レンズのラスタ切削技術
US20100003098A1 (en) Method for fine-machining crankshafts and machining center therefor
JP4953599B2 (ja) 加工物のプロファイルの研削方法及び研削装置
JP6546355B1 (ja) デフケースの加工機
CN112372379B (zh) 航空发动机用复杂曲面型叶尖的磨削加工方法
TW201016358A (en) Method and apparatus for machining V grooves
US4704825A (en) Method for automatically sizing a ground surface on a workpiece
JP3180327B2 (ja) ガイドローラ付きカッター、ガイドローラ付き研削工具、切削装置、研削装置及び加工機械
JP4587026B2 (ja) 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
JP4870593B2 (ja) ブローチ研削装置及びブローチ研削方法
JP5202179B2 (ja) ねじ研削方法及びねじ研削盤
JP4790749B2 (ja) 非円形穴開け加工装置
US6852015B2 (en) Method and apparatus for grinding workpiece surfaces to super-finish surface with micro oil pockets
JP2002361351A (ja) 表面加工装置及びこれを用いた微細凹凸創成方法
JP3698254B2 (ja) ダイシング装置
JP4427750B2 (ja) 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
JP3687324B2 (ja) シリンダボアの高精度微細溝加工装置及び加工方法
JP6333391B2 (ja) 研削により工作物の外側目標輪郭を測定しかつ形成する方法および研削機
JP2001157962A (ja) 研削装置
JPH07290322A (ja) ブレードセクタの製造方法および装置
JPH1058305A (ja) 砥石ヘッド
JP4737710B2 (ja) 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
JP3712494B2 (ja) 加工装置
JP2000225566A (ja) 内面研削盤

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees