JP5051503B2 - 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法 - Google Patents

微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、自動車用エンジンのシリンダブロックにおけるシリンダボア(円形穴)の内周面に、低フリクション化を実現するための微細凹部(油だまり)を形成するのに用いられる微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法に関するものである。
従来、上記したようなシリンダブロックのシリンダボアの内周面に微細凹部を形成する場合には、ショットブラストが多く採用されているが、このショットブラストによる微細凹部加工では、微細凹部を規則的に配置することができないのに加えて、シリンダボアの内周面に対するマスキングシートの貼り付け工程や取り外し工程や洗浄工程などといった工程が不可欠である分だけ加工コストが嵩むという欠点がある。
このような欠点に対処するべく、最近では、シリンダボアと同軸状態に配置して回転駆動される工具ホルダと、この工具ホルダに対して径方向に移動可能に保持されて工具ホルダの回転軸と平行なローラ軸回りに回転自在としたフォームローラと、このフォームローラの外周部に設けた凹部形成用の凸部をシリンダボアの内周面に圧接させる荷重付与手段を備えた微細凹部加工装置が構築されている。
特開2005−319476
しかしながら、上記したような微細凹部加工装置にあっては、回転駆動される工具ホルダの回転中心に対してフォームローラを含めた機能部分の重量中心がずれているので、工具ホルダを高速回転させるとその回転速度の二乗に比例する遠心力が大きくなり過ぎてしまい、フォームローラをシリンダボアの内面に対して低荷重で押し付けて加工することが難しい。したがって、低荷重で加工するためには低回転での加工が余儀なくされて、加工能率が低く、そして、加工コストが高くついてしまうという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、高荷重での加工は勿論のこと、低荷重で加工する場合であったとしても、高速回転させて加工することができ、その結果、加工効率の向上及び加工コストの低減を実現することが可能である微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法を提供することを目的としている。
本発明に係る微細凹部加工装置は、被加工物の円形穴の内周面に微細凹部を形成するものであり、円形穴と同軸状態に配置して回転駆動される工具ホルダと、工具ホルダにその回転軸に直交する方向に移動可能に保持されるローラ支持部材と、外周部に凹部形成用の凸部を有し且つローラ支持部材に対して工具ホルダの回転軸と平行なローラ軸回りに回転自在なフォームローラと、ローラ支持部材に荷重を付与してフォームローラを円形穴の内周面に圧接させる荷重発生手段と、工具ホルダにその回転軸に直交する方向で且つフォームローラと反対側に移動可能に保持される回転バランス調整用錘と、ローラ支持部材を工具ホルダの回転軸に直交する方向に移動させる支持部材駆動手段と、ローラ支持部材及び回転バランス調整用錘を連動させる連動機構とを有し、上記錘駆動手段及び支持部材駆動手段のうちのいずれか一方の駆動手段がいずれか他方の駆動手段を兼ねていることを特徴としている。
本発明に係る微細凹部加工方法は、上記した微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円形穴の内周面に微細凹部を形成するに際して、被加工物の円形穴と工具ホルダを同軸状態に配置し、工具ホルダの回転軸に対してフォームローラのローラ軸をオフセットさせると共に回転バランス調整用錘をフォームローラのオフセット方向とは反対方向で且つ回転バランスを取り得る位置に移動させて、円形穴の内周面にフォームローラの外周部を所定荷重で圧接させた状態で工具ホルダを回転駆動することにより、円形穴の内周面に沿ってフォームローラを転動させて同内周面に微細凹部を形成している。
本発明の微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法では、ローラ支持部材及びフォームローラの移動方向に対して、反対側に移動する回転バランス調整用錘を備えているので、円形穴の内径が変化してローラ支持部材及びフォームローラの位置が変化したとしても、これによる回転アンバランスを払拭するべく回転バランス調整用錘の位置を調整すれば、回転バランスが取れた状態で工具ホルダを高速で回転させることができ、その結果、高能率で加工し得ることとなる。
本発明では、上記した構成としているので、高荷重で加工した場合に、被加工物の円形穴の内周面に微細凹部を高効率で且つ高精度に形成することができのは言うまでもなく、低荷重で加工する場合であったとしても、高速回転させて加工することができるので、加工効率の向上及び加工コストの大幅な低減を実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
本発明の微細凹部加工装置において、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線に沿う方向に相対的に移動させる軸方向移動手段を備えた構成とすることができ、この構成を採用すると、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線に沿う方向に相対的に移動させる分だけ、円形孔の広い範囲に微細凹部を加工し得ることとなる。
また、本発明の微細凹部加工装置において、回転バランス調整用錘を工具ホルダの回転軸に直交する方向に移動させる錘駆動手段を備えた構成や、ローラ支持部材を工具ホルダの回転軸に直交する方向に移動させる支持部材駆動手段を備えた構成とすることが可能であり、支持部材駆動手段を備えた場合には、フォームローラの位置を自由に変化させることができるので、加工前にフォームローラを円形穴の内周面の内側に配置することで、工具ホルダを回転させた状態で円形穴に挿入でき、この後、加工位置まで軸方向に移動させながらフォームローラを円形穴の内周面に接触させることで、非加工時間を少なく抑えつつ加工し得ることとなる。
加えて、フォームローラの位置を自由に変化させることができるので、円形穴の内径が変化しても容易に対応し得ることとなる。
さらに、本発明の微細凹部加工装置において、錘駆動手段及び支持部材駆動手段のうちのいずれか一方が、伸長駆動されるアクチュエータである構成としたり、錘駆動手段及び支持部材駆動手段のうちのいずれか一方が、モータである構成としたりすることができ、この場合には、装置の簡略化が図られることとなる。
さらにまた、本発明の微細凹部加工装置において、荷重発生手段が伸長駆動されるアクチュエータであり、支持部材駆動手段を兼ねている構成とすることが可能であり、この構成を採用すると、荷重発生手段がアクチュエータなので、円形穴の内径が変わった場合の荷重調整が容易なものとなり、加えて、荷重発生手段が支持部材駆動手段を兼ねているので、装置の簡略化が図られることとなる。
さらにまた、本発明の微細凹部加工装置において、荷重発生手段が圧縮コイルばねである構成としてもよく、この構成を採用した場合には、油圧配管や空圧配管や電気配線等の配管配線を設置する必要がない分だけ、装置の簡略化が図られることとなる。
さらにまた、本発明の微細凹部加工装置において、ローラ支持部材及び回転バランス調整用錘を連動させる連動機構を備え、錘駆動手段及び支持部材駆動手段のうちのいずれか一方の駆動手段がいずれか他方の駆動手段を兼ねている構成とすることが可能である。
この場合には、バランス調整が容易になるのに加えて、ローラ支持部材及びフォームローラと、回転バランス調整用錘とが連動して移動することから、ローラ支持部材又は回転バランス調整用錘のいずれかに荷重発生手段を設ければ、フォームローラの被加工面への圧接荷重をコントロールし得ることとなり、その結果、装置構成の簡略化が図られることとなる。
そして、ローラ支持部材及びフォームローラと、回転バランス調整用錘とが連動して移動することで、ローラ支持部材及びフォームローラに作用する遠心力の影響が常に打ち消されるので、荷重発生手段の発生する荷重がすべてフォームローラの円形穴の内周面に対する圧接荷重になることとなり、したがって、荷重発生手段の荷重設定が容易になる。
さらにまた、本発明の微細凹部加工装置において、荷重発生手段による発生荷重を検出する荷重検出手段を備えた構成とすることが望ましく、この場合には、加工初期または加工中の荷重を測定することができるので、荷重を高精度にコントロールするようになすことで、高精度な微細凹部を形成し得ることとなる。この際、荷重検出手段をロードセルとすれば、装置構成の簡略化をも実現できる。
さらにまた、本発明の微細凹部加工装置において、工具ホルダの回転アンバランス量とアンバランス方向のうち少なくとも一方を検出するアンバランス検出手段を備えた構成とすることが望ましく、例えば、主軸が回転する際に主軸ヘッドに生じる振動を検出する振動センサと、主軸の回転位相を検出する回転センサを備えた構成とすることが望ましく、この場合には、工具ホルダで発生するアンバランス量及びアンバランス方向を検出し得ることとなり、回転中の工具ホルダの回転バランスを測定して微調整することで、さらに回転アンバランス量が小さくなって、より一層高精度な微細凹部を形成し得ることとなる。
一方、本発明の微細凹部加工方法において、工具ホルダを回転駆動すると共に、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線に沿う方向に相対的に移動させる構成とすることが可能であり、この構成を採用すると、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線に沿う方向に相対的に移動させる分だけ、円形孔の広い範囲に微細凹部を加工し得ることとなる。
また、本発明の微細凹部加工方法において、本発明の微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円形穴の内周面に微細凹部を形成するに際して、被加工物の円形穴と工具ホルダを同軸状態に配置し、フォームローラを円形穴の内周面の内側に位置させるべくローラ軸を移動させて、工具ホルダを回転駆動すると共に、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線に沿う方向に相対的に移動させ、フォームローラが円形穴の内周面の加工部位に達した段階で、工具ホルダの回転軸に対してフォームローラのローラ軸をオフセットさせると共に回転バランス調整用錘をフォームローラのオフセット方向とは反対方向で且つ回転バランスを取り得る位置に移動させて、円形穴の内周面にフォームローラの外周部を所定荷重で圧接させた状態で工具ホルダを回転駆動することにより、円形穴の内周面に沿ってフォームローラを転動させて同内周面に微細凹部を形成する構成とすることが可能である。
このように、加工前にフォームローラを円形穴の内周面の内側に配置することで、工具ホルダを回転させた状態で円形穴に挿入でき、この後、加工位置まで軸方向に移動させながらフォームローラを円形穴の内周面に接触させることで、非加工時間を少なく抑えつつ加工し得ることとなる。
以下、図面に基づいて、本発明に係わる微細凹部加工装置及び加工方法の一実施例を説明する。
図2に示す微細凹部加工装置1は、自動車用エンジンのシリンダブロックを被加工物とし、円形穴であるシリンダボアの内周面に微細凹部を形成するNC工作機械であって、鉛直方向に移動可能な主軸ヘッド2と、主軸ヘッド2に下向きに突出した状態で支持される主軸3と、主軸ヘッド2の下側において水平面内で互いに直交する二軸方向に移動可能な被加工物載置用のテーブル4と、主軸3に同軸に装着されて一体で回転する工具ホルダ10を備えている。
工具ホルダ10は、図1に示すように、工具ホルダ10の径方向に移動可能なテーブル11と、このテーブル11に固定されたローラ支持部材12と、このローラ支持部材12に対して工具ホルダ10の回転軸L1と平行なローラ軸L2回りに回転自在なフォームローラ13を備えており、図3に示すように、工具ホルダ10に設けた水平ガイド17に沿ってテーブル11を移動させることで、シリンダボアBの内周面に対してフォームローラ13を進退可能にしている。
この場合、テーブル11の上方にも径方向に移動可能なテーブル14を備えており、テーブル11及びテーブル14を歯車15を介して組み合わせることで連動機構を構成していて、テーブル11は、テーブル14の移動に連動してテーブル14の移動方向とはと反対側に向けて移動するようになっている。テーブル14には、アクチュエータである油圧シリンダ(錘駆動手段)16Aを内蔵した回転バランス調整用錘16が固定されており、回転バランス調整用錘16は、油圧シリンダ16を作動させて水平ガイド17に沿ってテーブル14を移動させることで、工具ホルダ10の径方向に往復動するようになっている。
ローラ支持部材12は、その下端部に、組合せアンギュラ玉軸受を含む垂直な支持軸18を介してフォームローラ13を回転自在に装着している。この支持軸18の中心線がローラ軸L2である。
フォームローラ13は、シリンダボアBの直径よりも小さい直径を有すると共に、その外周部に凹部形成用の凸部を有している。このとき、フォームローラ13は、ディンプル状の微細凹部を形成する突起型の凸部を所定間隔で設けたものや、溝状の微細凹部を連続的に形成する鍔型の凸部を設けたものとすることができる。
上記のフォームローラ13は、材料がとくに限定されるものではないが、例えば、超硬、超硬以外の硬質金属やアルミナ、窒化珪素等のセラミックスなどから成るものであって、高い強度と靭性を有しており、被加工物が焼入れ鋼などの高硬度材料であっても微細凹部を形成することができる。
このように、当該微細凹部加工装置1では、回転バランス調整用錘16に内蔵された油圧シリンダ16Aが、テーブル14の駆動手段としての錘駆動手段と支持部材駆動手段とを兼ねる、すなわち、錘駆動手段とフォームローラ13をシリンダボアBの内周面に押圧する荷重発生手段とを兼ねるようになすことで、工具ホルダ10の内部構造の簡略化及び小型化を図っている。
また、当該微細凹部加工装置1は、主軸ヘッド2が、軸方向移動手段すなわちシリンダブロック(被加工物)CBと工具ホルダ10をシリンダボア(円形穴)の中心線L3に沿う方向に相対的に移動させる手段であり、ここでは工具ホルダ10を昇降させる。
上記の微細凹部加工装置1において、シリンダボアBの内周面に微細凹部を形成するに際しては、まず、工具ホルダ10の回転軸L1とシリンダボアBの中心線L3とが一致するように位置決めを行い、回転バランス調整用錘16に内蔵された油圧シリンダ16Aを作動させてテーブル14を移動させ、これに連動するテーブル11上のローラ支持部材12をフォームローラ13がシリンダボアBの内周面に収まる位置まで移動させて、主軸3により工具ホルダ10を加工回転数で回転させる。
この後、主軸ヘッド2により工具ホルダ10を下降させ、シリンダボアB内にフォームローラ13を侵入させる。
フォームローラ13が加工開始位置に達したら、図4に示すように、回転バランス調整用錘16に内蔵された油圧シリンダ16Aを作動させてテーブル14を移動させ、これに連動するテーブル11上のローラ支持部材12を回転バランス調整用錘16とは反対方向に移動させ、フォームローラ13をシリンダボアBの内周面に所定荷重で圧接させる。
この状態において、シリンダボアBの内周面に圧接しているフォームローラ13が連れ回りし、このフォームローラ13の転動によってシリンダボアBの内周面に微細凹部を形成する。また、主軸3の回転駆動と主軸ヘッド(軸方向移動手段)2の下降とを同期させると、シリンダボアBの内周面に対して螺旋状の軌跡に沿って微細凹部が連続的に形成されることとなり、同内周面の広い領域に微細凹部を効率良く形成することができる。
上記の微細凹部加工装置1において、ローラ支持部材12及びフォームローラ13と、回転バランス調整用錘16とを互いに反対方向に移動させることによって、回転アンバランス量を限りなく消し去ることができるため、油圧シリンダ16Aの作動荷重のほぼ全体がフォームローラ13のシリンダボアBの内面への圧接荷重となり、その結果、圧接荷重を精密にコントロールするこができることとなって、高精度な微細凹部を形成し得ることとなる。
このように、上記の微細凹部加工装置1及び加工方法によれば、シリンダボアBの内周面に微細凹部を高効率で且つ高精度に形成することができ、加えて、同内周面に対してフォームローラ13を一定荷重で圧接させることができるので、微細凹部を加工する前の内周面を精度良く仕上げておく必要がなく、この前工程を省略することができ、その結果、加工コストの大幅な低減を実現する。
また、ローラ支持部材12及びフォームローラ13と回転バランス調整用錘16を互いに反対方向に移動させることによって、加工時にローラ支持部材12及びフォームローラ13に作用する遠心力を相殺することができるので、工具ホルダ10を高速回転させた場合でも、深さや大きさが均一な微細凹部を低荷重で形成することができると共に、工具ホルダ10の回転の高速化に伴って加工効率をより一層高めることができ、また、構造が簡単で且つ小型であることから、小径のシリンダボアBにも対応し得るものとなる。
さらに、当該微細凹部加工装置1は、荷重発生手段及び駆動手段(錘駆動手段、支持部材駆動手段)に油圧シリンダ16Aを使用しているので、図5に示すように、径が異なるシリンダボアBに対応することが容易であり、上記実施例では、大きさや深さが均一な微細凹部を形成する場合を説明したが、加工中にフォームローラ13の圧接荷重を変化させて、微細凹部の大きさや深さを部分的に異ならせることも可能である。
そして、上記の微細凹部加工装置1及び加工方法により、シリンダボアBの内周面に微細凹部が規則的に形成されたシリンダブロックCBは、その微細凹部が油溜りとして有効に機能して、ピストンとの摺接面である内周面の低フリクション化を実現し、ひいてはエンジンの高出力化にも貢献し得るものとなる。
図6は、本発明の微細凹部加工装置の他の実施例を説明する図である。なお、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図示の微細凹部加工装置における工具ホルダ10は、先の実施例では、荷重発生手段及び駆動手段(錘駆動手段、支持部材駆動手段)が回転バランス調整用錘16に内蔵された油圧シリンダ16Aであったのに対して、荷重発生手段に圧縮コイルばね19を用い、支持部材駆動手段を兼ねる錘駆動手段に、モータ20を用いた場合を例示している。
この場合、モータ20は回転バランス調整用錘を兼ねていて、テーブル14に固定してあり、このモータ20の回転軸に固定した歯車21を工具ホルダ10に固定したラック22に噛み合わせることで、その作動により工具ホルダ10の径方向に往復動するようになっている。
上記モータ20と工具ホルダ10との間で且つテーブル14が移動する側(図6右側)に、モータ20を押圧して荷重発生手段として作用する圧縮コイルばね19と、この圧縮コイルばね19による発生荷重を検出する荷重検出手段としての圧電型のロードセル23が介在させてある。ロードセル23は、工具ホルダ10に取り付けられたアダプタ24に固定してあり、このアダプタ24を回転させて径方向位置を変更することで、圧縮コイルばね19のモータ20に対する押圧力を変更することができるようにしてある。
なお、圧縮コイルばね19のモータ20に対する押圧力を変更することは、圧縮コイルばね19を交換することによっても可能である。
このように、上記の微細凹部加工装置1によれば、先の実施例と同様に、回転バランス調整用錘を兼ねるモータ20を作動させてテーブル14を移動させ、これに連動するテーブル11上のローラ支持部材12をモータ20とは反対方向に移動させることで、ローラ支持部材12及びフォームローラ13に作用する遠心力を相殺することができる。
また、荷重発生手段に圧縮コイルばね19を使用しているため、シリンダボアBの真円度や円筒度精度が悪かったとしても、フォームローラ13をシリンダボアBの内周面にスムーズに追従させることができ、均一な深さの微細凹部を容易に形成することができる。
さらに、荷重発生手段に圧縮コイルばね19を使用しているため、取り回しが面倒な油圧や空圧の配管が必要でないため、装置構成の簡略化が図られることとなる。
なお、本発明の微細凹部加工装置及び加工方法は、その構成が上記各実施例のみに限定されることはなく、構成の細部を適宜変更することができ、また、シリンダボア以外の円形穴の内周面に微細凹部を形成する場合にも適用可能であり、さらには、円形穴の内周面に微細凹部を形成した後、ホーニング等により微細凹部の周囲に生じた材料の盛り上がりを除去することも、円形穴の内周面の品質をより一層高めるうえで有効である。
本発明の微細凹部加工装置の一実施例を説明する要部の正面方向からの断面図である。(実施例1) 微細凹部加工装置の全体を示す斜視図である。(実施例1) 図1に示した微細凹部加工装置の要部の側面方向からの断面図である。(実施例1) 図1に示した微細凹部加工装置による加工開始時の要部の正面方向からの断面図である。(実施例1) 小径のシリンダボアに対する図1に示した微細凹部加工装置による加工開始時の要部の正面方向からの断面図である。(実施例1) 本発明の微細凹部加工装置の他の実施例を説明する要部の正面方向からの断面図である。(実施例2) 図6に示した微細凹部加工装置の要部の側面方向からの断面図である。(実施例2)
符号の説明
B シリンダボア(円形穴)
CB シリンダブロック(被加工物)
L1 工具ホルダの回転軸
L2 ローラ軸
1 微細凹部加工装置
2 主軸ヘッド(軸方向移動手段)
10 工具ホルダ
11,14 テーブル(連動機構)
12 ローラ支持部材
13 フォームローラ
15 歯車(連動機構)
16 回転バランス調整用錘
16A 油圧シリンダ(駆動手段;荷重発生手段)
19 圧縮コイルばね(荷重発生手段)
20 モータ(駆動手段;回転バランス調整用錘)
23 ロードセル(荷重検出手段)

Claims (12)

  1. 被加工物の円形穴の内周面に微細凹部を形成する加工装置であって、円形穴と同軸状態に配置して回転駆動される工具ホルダと、工具ホルダにその回転軸に直交する方向に移動可能に保持されるローラ支持部材と、外周部に凹部形成用の凸部を有し且つローラ支持部材に対して工具ホルダの回転軸と平行なローラ軸回りに回転自在なフォームローラと、ローラ支持部材に荷重を付与してフォームローラを円形穴の内周面に圧接させる荷重発生手段と、工具ホルダにその回転軸に直交する方向で且つフォームローラと反対側に移動可能に保持される回転バランス調整用錘と、この回転バランス調整用錘を工具ホルダの回転軸に直交する方向に移動させる錘駆動手段と、ローラ支持部材を工具ホルダの回転軸に直交する方向に移動させる支持部材駆動手段と、ローラ支持部材及び回転バランス調整用錘を連動させる連動機構とを有し、
    上記錘駆動手段及び支持部材駆動手段のうちのいずれか一方の駆動手段がいずれか他方の駆動手段を兼ねていることを特徴とする微細凹部加工装置。
  2. 被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線に沿う方向に相対的に移動させる軸方向移動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の微細凹部加工装置。
  3. 錘駆動手段及び支持部材駆動手段のうちのいずれか一方が、伸長駆動されるアクチュエータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の微細凹部加工装置。
  4. 錘駆動手段及び支持部材駆動手段のうちのいずれか一方が、モータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の微細凹部加工装置。
  5. 荷重発生手段が伸長駆動されるアクチュエータであり、支持部材駆動手段を兼ねていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
  6. 荷重発生手段が圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
  7. 荷重発生手段による発生荷重を検出する荷重検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
  8. 荷重検出手段が、ロードセルであることを特徴とする請求項に記載の微細凹部加工装置。
  9. 工具ホルダの回転アンバランス量とアンバランス方向のうち少なくとも一方を検出するアンバランス検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つの項に記載の微細凹部加工装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円形穴の内周面に微細凹部を形成するに際して、被加工物の円形穴と工具ホルダを同軸状態に配置し、工具ホルダの回転軸に対してフォームローラのローラ軸をオフセットさせると共に回転バランス調整用錘をフォームローラのオフセット方向とは反対方向で且つ回転バランスを取り得る位置に移動させて、円形穴の内周面にフォームローラの外周部を所定荷重で圧接させた状態で工具ホルダを回転駆動することにより、円形穴の内周面に沿ってフォームローラを転動させて同内周面に微細凹部を形成することを特徴とする微細凹部加工方法
  11. 工具ホルダを回転駆動すると共に、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線に沿う方向に相対的に移動させることを特徴とする請求項10に記載の微細凹部加工方法
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円形穴の内周面に微細凹部を形成するに際して、被加工物の円形穴と工具ホルダを同軸状態に配置し、フォームローラを円形穴の内周面の内側に位置させるべくローラ軸を移動させて、工具ホルダを回転駆動すると共に、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線に沿う方向に相対的に移動させ、フォームローラが円形穴の内周面の加工部位に達した段階で、工具ホルダの回転軸に対してフォームローラのローラ軸をオフセットさせると共に回転バランス調整用錘をフォームローラのオフセット方向とは反対方向で且つ回転バランスを取り得る位置に移動させて、円形穴の内周面にフォームローラの外周部を所定荷重で圧接させた状態で工具ホルダを回転駆動することにより、円形穴の内周面に沿ってフォームローラを転動させて同内周面に微細凹部を形成することを特徴とする微細凹部加工方法。
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