JP4678219B2 - 微細凹部加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車用エンジンのシリンダブロックにおけるシリンダボアの内周面などのように、他の部材との摺動接触を伴う被加工物の円形穴の円周面に、低フリクション化を実現するための微細凹部(油だまり)を形成するのに用いられる微細凹部加工装置に関するものである。
従来、被加工物における円形穴の内周面に微細凹部を形成する場合には、ショットブラストが多く採用されていた。このショットブラストでは、円形穴の内周面に所定形状の透孔を有するマスキングシートを貼り付けた後、セラミックス等の小径粒子を内周面に向けて圧縮空気とともに投射することで、内周面の透孔を通して露出している部分に微細凹部を形成するようにしている。
そして、微細凹部を形成した後は、マスキングシートを取り外して洗浄するのに続いて、再びホーニングを行うことにより、上記ショットブラスト加工で微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を除去するようにしている。
特開2002−307310
しかしながら、上記したようなショットブラストによる微細凹部の形成にあっては、微細凹部を規則的に配置することが困難であり、加えて、円形穴の内周面に対するマスキングシートの貼り付け工程及び取り外し工程、並びに洗浄工程が不可欠であって、このような作業が多い分だけ加工コストが嵩むという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、被加工物の円形穴の内周面に対して精度良好に微細凹部を形成することができると共に、加工コストの低減を実現することが可能である微細凹部加工装置を提供することを目的としている。
本発明の微細凹部加工装置は、例えば自動車用エンジンのシリンダブロックのように円形穴(シリンダボア)を有する被加工物に対して、円形穴の内周面に微細凹部を形成する加工装置である。そして、微細凹部加工装置は、円形穴と同軸状態に配置される工具ホルダを備えると共に、この工具ホルダに、中心線に直交する方向に移動可能なローラ支持部材と、ローラ支持部材に対して工具ホルダの中心線と平行なローラ軸回りに回転可能に設けられ且つ工具ホルダの中心線に対してローラ軸がオフセットされた凹部形成用のフォームローラと、フォームローラを円形穴の内周面に圧接させる荷重付与手段と、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線回りに相対的に回転させる回転駆動手段を備えており、さらに、フォームローラを回転駆動するローラ駆動手段を備えたことを特徴としている。
本発明の微細凹部加工装置は、従来のような使い捨てのマスキングシートを用いずにフォームローラによる機械加工を行うことから、被加工物の円形穴の内周面に高精度の微細凹部を高効率で形成することができると共に、生産性の向上や製造コストの低減を実現することができる。
そして、本発明の微細凹部加工装置は、荷重付与手段により円形穴の内周面に対してフォームローラを所定荷重で圧接させた状態にして、回転駆動手段により被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線回りに相対的に回転駆動し、これと同時に、ローラ駆動手段によりフォームローラを回転駆して円形穴の内周面に沿って転動させることで、円形穴の内周面とフォームローラとの間の滑りを防止しつつ微細凹部を高精度に形成することができ、これにより、円形穴の内径、真円度及び円筒度に関して前加工精度を厳密に管理しなくても、深さのばらつきがきわめて小さい微細凹部を形成することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の微細凹部加工装置の一実施例を説明するが、微細凹部加工装置の詳細な構成は以下の実施例に限定されるものではない。
図2に示す微細凹部加工装置1は、自動車用エンジンのシリンダブロックを被加工物とし、被加工物の円形穴であるシリンダボアの内周面に微細凹部を形成するNC工作機械であって、鉛直方向に移動可能な主軸ヘッド2と、主軸ヘッド2に下向きに突出した状態で支持される主軸3と、主軸ヘッド2の下側において水平面内で互いに直交する二軸方向に移動可能な被加工物載置用のテーブル4と、主軸3に同軸に装着されて一体で回転する工具ホルダ(ホルダ)10を備えており、図示しない自動工具交換装置により、主軸3に対して工具ホルダ10の着脱を行うようになっている。
工具ホルダ10は、図1に示すように、中心線L1をシリンダボアCBの中心線L2に一致させた同軸状態に配置されると共に、主軸3に装着する部位であるシャンク部10Aと、その下側に連続するボディ部10Bを有すると共に、ボディ部10Bの下側に、アダプタ10Cを介してハウジング10Dを備えている。
また、工具ホルダ10は、ハウジング10Dに、当該工具ホルダ10の中心線L1に直交する水平方向(シリンダボアBの径方向)に移動可能なローラ支持部材11を介して、凹部形成用のフォームローラ12と、フォームローラ12を回転駆動するローラ駆動手段13を備えている。
微細凹部加工装置1では、アダプタ10C、ハウジング10D、ローラ支持部材11、フォームローラ12及びローラ駆動手段13がシリンダボアBの内側に対して挿脱可能である。フォームローラ12は、ローラ支持部材11に対して工具ホルダ10の中心線L1と平行なローラ軸14回りに回転可能に設けてあると共に、工具ホルダ10の中心線L1に対してローラ軸14がオフセットされた位置にある。
アダプタ10Cは、例えば図示しないステッピングモータを具備した移動機構を内蔵しており、この移動機構の作動により、シリンダブロックCBのシリンダボアBの内周面Baに対してハウジング10D、ローラ支持部材11、フォームローラ12及びローラ駆動手段13を一体的に近接離間させる。
ハウジング10Dは、片側に開放された筒状の中空体であって、内部には、軸線方向を水平にしたスプラインナット15が嵌合固定してある。ローラ支持部材11は、スプラインナット15とスプライン結合するスプラインシャフトであって、その先端にローラ駆動手段13を連結し、シリンダボアBの内周面Baに対してフォームローラ12が近接離間するように、ローラ駆動手段13及びフォームローラ12を支持している。
また、ハウジング10Dには、フォームローラ12をシリンダボアBの内周面Baに圧接させる荷重付与手段としての圧縮コイルばね16が介装してある。この実施例の圧縮コイルばね16は、ローラ駆動手段13を押圧することで、内周面Baに対するフォームローラ12の圧接荷重を発生させるものであり、その後方には、フォームローラ12に付与した荷重を検出する荷重検出手段としての圧電型のロードセル17が設けてある。
つまり、この実施例では、ハウジング10Dに、荷重付与手段である圧縮コイルばね16や荷重検出手段であるロードセル17がコンパクトに内蔵してあり、当該装置の構造の簡素化や小型化に貢献し得るものとなっている。
ローラ支持部材11には、ハウジング10D内の端部に、当該ローラ支持部材11の直径よりも大径の止め具18が固定してあり、この止め具18は、圧縮コイルばね16の伸びを抑えると共に、圧縮コイルばね16が伸びきった際の衝撃を緩和し、ハウジング10Dからローラ支持部材11が脱落するのを阻止する。なお、図1においては、ローラ支持部材11と圧縮コイルばね16が同軸上に図示してあるが、実際には、これらは互いに干渉しない位置にずれて配置してある。
フォームローラ12は、外周部に凹部形成用の凸部が一定間隔で設けてあり、シリンダボアBの直径よりも充分に小さい直径を有している。このフォームローラ12は、材料がとくに限定されるものではないが、例えば、超硬、超硬以外の硬質金属やアルミナ、窒化珪素等のセラミックスなどから成るものであって、高い強度と靭性を有しており、被加工物が焼入れ鋼などの高硬度材料であっても微細凹部を形成することができる。凸部の高さは例えば100μm程度であり、数μm又は数十μm程度のディンプル状の微細凹部を形成する。
ローラ駆動手段13は、駆動源であるモータや減速機構などを内蔵したものであって、下向きに突出した出力軸を先のローラ軸14とし、このローラ軸14に装着したフォームローラ12を回転駆動する。また、このローラ駆動手段13は、フォームローラ12の回転角を検出するための第1の回転検出手段R1を備えている。
ここで、この実施例では、主軸3が、回転駆動手段すなわち被加工物であるシリンダブロックCBと工具ホルダ10をシリンダボア(円形穴)Bの内周面Baの中心線L1回りに相対的に回転させる手段に相当し、ここでは工具ホルダ10を回転駆動する。そして、この実施例では、主軸3に、工具ホルダ10の回転角を検出する第2の回転検出手段R2が設けてある。
第1及び第2の回転検出手段R1、R2には、より好ましい実施形態としてロータリーエンコーダが用いられ、これにより装置構成のさらなる簡略化や検出精度の向上を図ることができる。
また、この実施例では、主軸ヘッド2が、軸方向駆動手段すなわちシリンダボアBの内周面Baの中心線L1に沿う方向に、被加工物であるシリンダブロックCBと工具ホルダ10を相対的に移動させる手段に相当し、ここでは工具ホルダ10を移動させる。
さらに、この実施例では、アダプタ10Cが、径方向駆動手段すなわちシリンダボアBの内周面Baに対してフォームローラ12が近接離間する方向に、被加工物であるシリンダブロックCBと工具ホルダ10を相対的に移動させる手段に相当し、ここではフォームローラ12を径方向に駆動する。
さらに、微細凹部加工装置1は、図示を省略した制御装置を備え、この制御装置において、主軸ヘッド2、主軸3、テーブル4及びローラ駆動手段13の動作制御を行うと共に、第1及び第2の回転検出手段R1,R2からの検出信号を入力し、その検出信号に基づいて各動作部位のフィードバック制御を行うことが可能である。
上記の微細凹部加工装置1において、シリンダボアBの内周面Baに微細凹部を形成するに際しては、まず、工具ホルダ10の回転中心L1とシリンダボアBの中心線L2とが一致するように位置決めをした後、主軸ヘッド2によって主軸3とともに工具ホルダ10を下降させ、シリンダボアB内にフォームローラ12を挿入する。
次に、アダプタ10C内の移動機構を作動させて、シリンダボアBの内周面Baに対してフォームローラ12を接触させ、ロードセル17により検出した荷重が予め設定した値になるまでアダプタ10C内の移動機構の作動を継続させる。
つまり、シリンダボアBの内周面Baにフォームローラ12が接触した後、アダプタ10C内の移動機構の作動を継続させると、ローラ駆動手段13とハウジング10Dとの間で圧縮コイルばね16が圧縮され、その反発力が荷重としてフォームローラ12に付与されると共に、ロードセル17によりこの荷重が検出されることから、このロードセル17の検出荷重が設定値になるまでアダプタ10C内の移動機構の作動を継続させれば、フォームローラ12がシリンダボアBの内周面Baに所定荷重で圧接することとなり、これにより微細凹部の深さも決まる。
その後、微細凹部加工装置1は、圧縮コイルばね16によりフォームローラ12をシリンダボアBの内周面Baに圧接させた状態で、主軸3によって工具ホルダ10をシリンダボアBの中心線L2回りに回転駆動し、これに同期して、ローラ駆動手段13によってフォームローラ12を回転駆動すると共に、第1及び第2の回転検出手段R1,R2でフォームローラ12の回転角及び工具ホルダ10の回転角を検出してこれらを監視する。
このとき、当該微細凹部加工装置1では、図3に示すように、フォームローラ12のローラ軸14がシリンダボアB1の中心線L2回り(図中矢印A1回り)に移動するのと同時に、フォームローラ12をローラ軸14の移動方向とは逆回り(図中矢印A2回り)に回転駆動することで、フォームローラ12をシリンダボアBの内周面Baに沿って転動させ、このように二軸を回転駆動することにより、シリンダボアBの内周面Baとフォームローラ12との間での滑りを防止しつつ同内周面Baに微細凹部を形成する。
また、微細凹部加工装置1は、上記の動作に加えて、主軸ヘッド2によって工具ホルダ10を徐々に下降させ、フォームローラ12の進入を継続すると、シリンダボアBの内周面Baに対して螺旋状の軌跡で微細凹部を連続的に形成し、シリンダボアBの中心線L2に沿う方向の所定範囲にわたって微細凹部を形成することができる。
ここで、例えば、フォームローラ12の外径をφ30mm、凹部形成用の凸部の数を100、シリンダボアBの内径をφ60mmとすると、フォームローラ12がシリンダボアBの内周面Baを滑りなく転動した場合、シリンダボアBの内周面Baにおける一周あたりの微細凹部の数は200である。また、フォームローラ12は、(シリンダボア内径)/(フォームローラ外径)=60/30であるから、ローラ駆動手段13がシリンダボアBの中心線L2回りに一回転する間(工具ホルダ10が一回転する間)に二回転することになる。
すなわち、工具ホルダ10が自己の回転軸L1回りに一回転する間に、フォームローラ12がローラ軸14回りに二回転すれば、フォームローラ12がシリンダボアBの内周面Baを滑りなく転動したことになり、双方の回転角で表せば、フォームローラ12を1度回転させるのに対して、工具ホルダ10を0.5度回転させればよいことになる。
このようにして、微細凹部加工装置1では、圧縮コイルばね16によりフォームローラ12をシリンダボアBの内周面Baに圧接させた状態で、第1及び第2の回転検出手段R1,R2でフォームローラ12及び工具ホルダ10の各回転角を検出して、工具ホルダ10の回転駆動と、ローラ駆動手段13によるフォームローラ12の回転駆動と、主軸ヘッド2によるフォームローラ12の下降を同期させることにより、シリンダボアBの内周面Baの広い領域に対して、図4(a)に示すように、縦横に規則的にパターニングされたディンプル状の微細凹部Dを高精度に且つ効率良く形成することができる。
また、例えば、シリンダボアBの内周面Ba一周あたりの微細凹部の数が200.5になるようにした場合、フォームローラ12における凸部一つあたりの回転角度は、360(度)/100(歯)=3.6(度)であるため、工具ホルダ10が一回転する間に、フォームローラ12を一回転+3.6度/二回転させれば良い。このとき、フォームローラ12の回転角1度に対して、工具ホルダ10の回転角は、360/(720+3.6/2)=0.499度である。
このようにして、圧縮コイルばね16によりフォームローラ12をシリンダボアBの内周面Baに圧接させた状態で、第1及び第2の回転検出手段R1,R2でフォームローラ12及び工具ホルダ10の各回転角を検出して、工具ホルダ10の回転駆動と、ローラ駆動体2によるフォームローラ12の回転駆動と、主軸ヘッド2によるフォームローラ12の下降を同期させることにより、シリンダボアBの内周面Baの広い領域に対して、図4(b)に示すように、一周毎にずれた状態にパターニングされた微細凹部Dを高精度に且つ効率良く形成することができる。
ところで、シリンダボアBには、当該微細凹部加工装置1による微細凹部形成の前加工において、図5に誤差を誇張して示すように、内径、真円度及び円筒度に誤差が生じていることがある。このようなシリンダボアBの内周面Baに微細凹部を形成するに際して、自由に回転するフォームローラを備えた加工装置では、シリンダボアBの内径が設定通りである場合には、図6(a)に示すように、微細凹部Dを螺旋状の軌跡に沿って規則的に形成することができる。
しかし、シリンダボアBの内径が大きくなると、図6(b)に示すように、一周目の微細凹部Dの列に対して、二周目以降の微細凹部Dが加工方向(フォームローラの転動方向)とは逆の方向にずれることとなり、シリンダボアBの内径が小さくなると、図6(c)に示すように、二周目以降の微細凹部Dが加工方向にずれることとなる。
このような事態に対して、本発明の微細凹部加工装置1では、フォームローラ12がローラ駆動手段13により回転駆動されるものとなっていて、主軸3による工具ホルダ10の回転とローラ駆動手段13によるフォームローラ12の回転とを同期させると共に、工具ホルダ10の回転角とフォームローラ12の回転角とが一定の関係を維持するように制御を行うことができるので、シリンダボアBの内径、真円度及び円筒度に関して前加工精度を厳密に管理しなくても、深さのばらつきがきわめて小さい微細凹部を規則的に形成することができ、前加工の簡略化を図ることも可能となる。
以上のように、上記実施例で説明した微細凹部加工装置1は、従来のような使い捨てのマスキングシートを用いずにフォームローラ12による機械加工を行うことから、シリンダボアBの内周面Baに高精度の微細凹部を規則的に且つ効率的に形成することができると共に、生産性の向上や製造コストの低減を図ることができる。
そして、微細凹部加工装置1は、とくに、荷重付与手段である圧縮コイルばね16によりフォームローラ12を内周面Baに圧接させた状態で、工具ホルダ10の回転駆動とフォームローラ12の回転駆動を同期させることで、シリンダブロックCBの材質や形成する微細凹部の深さが異なる場合であっても、なお且つ内径、真円度及び円筒度に誤差がある場合でも、内周面Baとフォームローラ12との間の滑りを防止して高精度の微細凹部を規則的に形成することができる。
さらに、回転検出手段R1,R2の採用により、シリンダボアBの内周面Baとフォームローラ12との間の滑りを監視しつつ微細凹部を形成することで、微細凹部のさらなる高精度化に貢献し得るものとなる。
さらに、微細凹部加工装置1は、移動機構を内蔵したアダプタ10C、すなわち内周面Baに対してフォームローラ12を近接離間する方向に移動させる径方向駆動手段を備えているので、内周面Baに対するフォームローラ12の圧接力を容易に変更して、異なる深さの微細凹部を形成することができ、加工中に微細凹部の深さを部分的に変化させることもできる。
さらに、微細凹部加工装置1は、荷重付与手段として圧縮コイルばね16を採用しているので、装置構造を簡略化することができると共に、簡単な構造でありながらフォームローラ12に充分な荷重を付与することができる。なお、荷重付与手段としては、ばねのほかにアクチュエータを用いることができ、この場合には、アクチュエータ自体で付与荷重の増減を自由に行うことができ、このほか、荷重付与手段と径方向駆動手段(アダプタ10C)を共通化して装置構造のさならる簡略化を図ることもできる。
そしてさらに、微細凹部加工装置1は、荷重検出手段としてロードセル17を採用したことにより、簡単な構造で付与荷重を正確に検出することができると共に、その検出信号を用いて例えば径方向駆動手段(アダプタ10C)をフィードバック制御することで、形成される微細凹部が常に一定の深さとなるように荷重を制御することができ、また、微細凹部の深さが徐々に変化するようにしたり、微細凹部の深さが部分的に変化するように荷重を制御することも可能である。
上記の微細凹部加工装置1を用いて微細凹部の加工が施されたシリンダブロックCBは、シリンダボアBの内周面Baに高精度の微細凹部が規則的に形成されたものとなり、ピストンとの摺動接触において微細凹部が油だまりとして有効に機能し、エンジンの性能向上に貢献し得るものとなる。
なお、本発明に係わる微細凹部加工装置は、その構成が上記各実施例に限定されるものではなく、構成の細部を適宜変更することができる。例えば、上記各実施例では、回転駆動手段として主軸3を、軸方向駆動手段として主軸ヘッド2を、径方向駆動手段としてアダプタ10Cを例示したが、被加工物であるシリンダブロックCBをシリンダボアBの径方向や中心線L2に沿う方向に移動させたり、シリンダブロックCBをシリンダボアBの中心線L2回りに回転させたり、さらには工具ホルダ10とシリンダブロックCBの両方を移動又は回転させたりして、工具ホルダ10とシリンダブロックCBを相対的に動作させることが可能である。
また、被加工物としては、上記実施例で説明したシリンダブロックCBに限らず、円形穴を有する被加工物であって、円形穴の内周面に微細凹部の加工を要する全ての被加工物に適用可能である。
本発明の微細凹部加工装置の一実施例を説明する断面図である。 微細凹部加工装置の全体を説明する斜視図である。 微細凹部形成時におけるフォームローラの動作を示す平面説明図である。 形成した微細凹部のパターンを示す各々説明図(a)(b)である。 シリンダボアの内周面に誤差が生じている場合を説明する断面図である。 回転自在なフォームローラを備えた加工装置において、シリンダボアの内径が設定通りである場合の微細凹部のパターンを示す説明図(a)、シリンダボアの内径が大きくなる場合の微細凹部のパターンを示す説明図(b)、及びシリンダボアの内径が小さくなる場合の微細凹部のパターンを示す説明図(c)である。
符号の説明
1 微細凹部加工装置
2 主軸ヘッド(軸方向駆動手段)
3 主軸(回転駆動手段)
10 工具ホルダ
10C アダプタ(径方向駆動手段)
11 ローラ支持部材
12 フォームローラ
13 ローラ駆動手段
14 ローラ軸
16 圧縮コイルばね(荷重付与手段)
17 ロードセル(荷重検出手段)
B シリンダボア(円形穴)
Ba シリンダボアの内周面
CB シリンダブロック(被加工物)
D 微細凹部
L1 工具ホルダの中心線
L2 シリンダボアの中心線
R1 第1の回転検出手段
R2 第2の回転検出手段

Claims (11)

  1. 被加工物における円形穴の内周面に微細凹部を形成する加工装置であって、円形穴と同軸状態に配置される工具ホルダに、その中心線に直交する方向に移動可能なローラ支持部材と、ローラ支持部材に対して工具ホルダの中心線と平行なローラ軸回りに回転可能に設けられ且つ工具ホルダの中心線に対してローラ軸がオフセットされた凹部形成用のフォームローラと、フォームローラを円形穴の内周面に圧接させる荷重付与手段と、被加工物と工具ホルダを円形穴の中心線回りに相対的に回転させる回転駆動手段を備えると共に、フォームローラを回転駆動するローラ駆動手段を備えたことを特徴とする微細凹部加工装置。
  2. ローラ駆動手段によるフォームローラの回転角を検出する第1の回転検出手段と、回転駆動手段による被加工物又は工具ホルダの回転角を検出する第2の回転検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の微細凹部加工装置。
  3. 回転検出手段がロータリエンコーダであることを特徴とする請求項2に記載の微細凹部加工装置。
  4. 円形穴の中心線に沿う方向に被加工物と工具ホルダを相対的に移動させる軸方向駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  5. 円形穴の内周面に対してフォームローラが近接離間する方向に被加工物とフォームローラを相対的に移動させる径方向駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  6. 荷重付与手段が、アクチュエータであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  7. 荷重付与手段が、ばねであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  8. 荷重付与手段によりフォームローラに付与した荷重を検出する荷重検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  9. 荷重検出手段がロードセルであることを特徴とする請求項8に記載の微細凹部加工装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円形穴の内周面に微細凹部を形成するに際し、フォームローラを円形穴の内周面に圧接させた状態にして、回転駆動手段による被加工物と工具ホルダの相対的な回転駆動と、ローラ駆動手段によるフォームローラの回転駆動とを同期させることにより、円形穴の内周面に沿ってフォームローラを転動させて、同内周面に微細凹部を形成することを特徴とする微細凹部加工方法。
  11. 被加工物がシリンダブロックであると共に、被加工物の円形穴がシリンダボアであることを特徴とする請求項10に記載の微細凹部加工方法。
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