JP2006334613A - 微細凹部加工装置 - Google Patents

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Yoshitaka Uehara
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Abstract

【課題】被加工物の円周面に対して精度良好に微細凹部を形成することができる微細凹部加工装置を提供する。
【解決手段】フォームローラ15と、ローラ支持部材13と、ローラ支持部材13を保持する工具ホルダ10と、フォームローラ15を円周面に圧接させるアクチュエータ12と、円周面に沿ってフォームローラ15を転動させる主軸3と、工具ホルダ10を円周面の中心線に沿う方向に移動させる主軸ヘッド2を備え、ローラ支持部材13に、円周面に対するフォームローラ15の接触角を変化させる回動軸14及び駆動部18を備えた構成とし、円周面に対して精度良好に微細凹部を形成するほか、回動軸14及び駆動部18によって微細凹部の断面形状を変更し得るものとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、自動車用エンジンを構成するシリンダブロックにおけるシリンダボアの内周面などのように、摺動接触を伴う被加工物の円周面に、低フリクション化を実現するための微細凹部(油だまり)を形成するのに用いられる微細凹部加工装置に関するものである。
従来、被加工物の円周面に微細凹部を形成する場合には、ショットブラストが多く採用されていた。このショットブラストでは、円周面に所定形状の透孔を有するマスキングシートを貼り付けた後、セラミックス等の小径粒子を円周面に向けて圧縮空気とともに投射することで、円周面の透孔を通して露出している部分に微細凹部を形成するようにしている。
そして、微細凹部を形成した後は、マスキングシートを取り外して洗浄するのに続いて、再びホーニングを行うことにより、上記ショットブラスト加工で微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を除去するようにしている。
特開2002−307310
しかしながら、上記したようなショットブラストによる微細凹部の形成にあっては、微細凹部を規則的に配置することが困難であり、加えて、円周面に対するマスキングシートの貼り付け工程及び取り外し工程、並びに洗浄工程が不可欠であって、このような作業が多い分だけ加工コストが嵩むという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、被加工物の円周面に対して精度良好に微細凹部を形成することができると共に、加工コストの低減を実現することが可能である微細凹部加工装置を提供することを目的としている。
本発明の微細凹部加工装置は、被加工物の円周面に微細凹部を形成する装置である。この微細凹部加工装置は、外周部に凹部形成用の凸部を有するフォームローラと、フォームローラを回転可能に支持するローラ支持部材と、円周面の中心線とローラ軸とが概略平行となるようにローラ支持部材を保持する工具ホルダと、工具ホルダに設けられ且つフォームローラを円周面に圧接させるローラ圧接手段と、円周面の中心線回りに被加工物と工具ホルダを相対的に回転させることにより円周面に沿ってフォームローラを転動させる回転駆動手段と、被加工物と工具ホルダを円周面の中心線に沿う方向に相対的に移動させる軸方向移動手段を備えている。
そして、微細凹部加工装置は、ローラ支持部材に、円周面に対するフォームローラの接触角を変化させる角度調整手段を備えたものとしており、ローラ圧接手段により円周面にフォームローラを圧接させた状態にして、回転駆動手段により円周面に沿ってフォームローラを転動させ、これに同期して、軸方向移動手段により円周面の中心線に沿う方向に被加工物と工具ホルダを相対的に移動させることで、円周面に対して螺旋状の軌跡に沿って微細凹部を形成する。
このとき、微細凹部加工装置は、上記の微細凹部の形成前に、角度調整手段により円周面に対するフォームローラの接触角を設定することで、円周面に所定の断面形状の微細凹部を形成することとなり、また、上記の微細凹部の形成中に、角度調整手段により円周面に対するフォームローラの接触角を変更することで、円周面に形成した微細凹部の断面形状を部分的に異ならせる。
また、本発明の微細凹部加工方法は、上記の微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円周面に微細凹部を形成するに際し、被加工物の円周面にフォームローラを圧接させ、この状態で円周面の中心線回りに被加工物と工具ホルダを相対的に回転させることにより、円周面に沿ってフォームローラを転動させて同円周面に微細凹部を形成すると共に、円周面の中心線に沿う方向に被加工物と工具ホルダを相対的に移動させることにより、円周面に対して螺旋状の軌跡に沿って微細凹部を形成する。
そして、上記の如く微細凹部を形成する間に、円周面の中心線に沿う方向におけるフォームローラの位置、及び円周面の周方向におけるフォームローラの位相の少なくとも一方に応じて、円周面に対するフォームローラの接触角を変化させることにより、円周面の中心線に沿う方向及び円周面の周方向の少なくとも一方において微細凹部の断面形状を部分的に異ならせる。
本発明の微細凹部加工装置によれば、従来のような使い捨てのマスキングシートを用いずにフォームローラによる機械加工を行うことから、被加工物の円周面に高精度の微細凹部を高効率で形成することができると共に、生産性の向上や製造コストの低減を実現することができる。
そして、本発明の微細凹部加工装置によれば、円周面に対するフォームローラの接触角を変化させる角度調整手段を採用したことにより、微細凹部の断面形状を任意に設定したり、円周面における微細凹部の断面形状を部分的に異ならせたりすることができ、これにより、摺動部材として用いられる被加工物に対して、その摺動条件に最適な断面形状を有する微細凹部を高精度に形成することが可能となって、摺動抵抗の低減などに貢献することができる。
本発明の微細凹部加工方法によれば、従来のような使い捨てのマスキングシートを用いずにフォームローラによる機械加工を行うことから、被加工物の円周面に高精度の微細凹部を高効率で形成することができると共に、生産性の向上や製造コストの低減を図ることができ、また、微細凹部の断面形状を任意に設定したり、円周面における微細凹部の断面形状を部分的に異ならせたりすることができるので、摺動部材として用いられる被加工物に対して、その摺動条件に最適な断面形状を有する微細凹部を高精度に形成することができ、摺動抵抗の低減を実現する被加工物を提供することができる。
図1〜図4は、本発明の微細凹部加工装置の一実施例を説明する図である。
図2に示す微細凹部加工装置1は、自動車用エンジンに使用するシリンダブロック(CB)を被加工物とし、被加工物の円周面すなわち円形穴であるシリンダボア(B)の内周面(Ba)に微細凹部を形成するNC工作機械であって、鉛直方向に移動可能な主軸ヘッド2と、主軸ヘッド2に下向きに突出した状態で支持される主軸3と、主軸ヘッド2の下側において水平面内で互いに直交する二軸方向に移動可能な被加工物載置用のテーブル4と、主軸3に同軸に装着されて一体で回転する工具ホルダ10を備えており、図示しない自動工具交換装置により、主軸3に対して工具ホルダ10の着脱を行う。
工具ホルダ10は、図1に示すように、シリンダボアBに対して同軸状に配置され、主軸3に装着する部位であるシャンク部10Aと、その下側に連続するボディ部10Bを有すると共に、ボディ部10Bの下側に、水平方向へのガイド部10Cと、ガイド部10Cにより案内されるリニアスライド11と、水平方向に伸縮駆動されるアクチュエータ12を備えており、アクチュエータ12によってリニアスライド11を往復駆動する。
リニアスライド11には、その下方に延出するローラ支持部材13が設けてある。このローラ支持部材13には、リニアスライド11の移動方向に直交する水平方向の回動軸14を介して、フォームローラ15のローラ軸16が連結してある。このとき、ローラ軸16は、シリンダボアBの中心線L1に対して概略平行であると共に、同中心線L1に対してオフセットされた位置にある。
アクチュエータ12には、その発生荷重を検出するための圧電型のロードセル17が設けてある。また、ローラ支持部材13には、例えばモータを駆動源とする駆動部18が設けてあり、この駆動部18で回動軸14を回動させることにより、ローラ軸16及びフォームローラ15を傾動させる。
フォームローラ15は、図3に示すように、外周部に凹部形成用の凸部15aが一定間隔で設けてあり、シリンダボアBの直径よりも小さい直径を有する。この実施例のフォームローラ15に設けた凸部15aは、先端を平坦面とした断面矩形状を成している。
上記のフォームローラ15は、材料がとくに限定されるものではないが、例えば、超硬、超硬以外の硬質金属やアルミナ、窒化珪素等のセラミックスなどから成るものであり、高い強度と靭性を有しており、被加工物が焼入れ鋼などの高硬度材料であっても微細凹部を形成することができる。凸部15aの高さは例えば100μm程度であり、被加工物に数μm又は数十μm程度の微細凹部を形成する。
このようにして、微細凹部加工装置1は、外周部に凹部形成用の凸部15aを有するフォームローラ15と、フォームローラ15を回転可能に支持するローラ支持部材13と、ローラ支持部材13を保持する工具ホルダ10を備えると共に、ローラ支持部材13に、シリンダボアBの内周面Baに対するフォームローラ15の接触角を変化させる角度調整手段として、回動軸14及び駆動部18を備えた構成となっている。
また、この実施例では、アクチュエータ12が、工具ホルダ10に設けられ且つフォームローラ15をシリンダボアBの内周面(円周面)Baに圧接させるローラ圧接手段に相当し、ロードセル17が、アクチュエータ(ローラ圧接手段)12によるフォームローラ15の圧接荷重を検出する荷重検出手段に相当する。
さらに、この実施例では、主軸3が、シリンダボアBの内周面Baの中心線回りにシリンダブロック(被加工物)CBと工具ホルダ10を相対的に回転させることにより同内周面Baに沿ってフォームローラ15を転動させる回転駆動手段に相当し、ここでは工具ホルダ10を回転駆動する。
さらに、この実施例では、主軸ヘッド2が、シリンダブロック(被加工物)CBと工具ホルダ10を内周面Baの中心線L1に沿う方向に相対的に移動させる軸方向移動手段に相当し、ここでは工具ホルダ10を移動させる。
さらに、この実施例では、テーブル4が、シリンダボアBの半径方向にシリンダブロック(被加工物)CBと工具ホルダ10を相対的に移動させる径方向移動手段に相当し、ここではシリンダブロックCBを移動させる。なお、この径方向移動手段を用いることにより、直径の異なるシリンダボアにも容易に対処し得るものとなる。
さらに、微細凹部加工装置1は、主軸ヘッド2に、主軸(回転駆動手段)3の回転を検出するロータリエンコーダ19を備えており、この実施例では、ロータリエンコーダ19が、シリンダボアBの周方向におけるフォームローラ15の位相を検出するローラ位相検出手段に相当する。つまり、主軸3に装着した工具ホルダ10に対して、フォームローラ15の位置は不変であるから、ロータリエンコーダ19で主軸3の回転を検出することにより、内周面Baに対するフォームローラ15の位相を間接的に検出する。
さらに、微細凹部加工装置1は、主軸ヘッド2、主軸3、テーブル4、アクチュエータ12及び回動軸14の駆動部8を制御するための制御装置(図示せず)を備えている。この制御装置は、加工に要する初期データのほか、ロードセル17やロータリエンコーダ19からの検出結果を入力することにより、各機能部をフィードバック制御することができる。
さらに、微細凹部加工装置1は、一般的なNC工作機械と同様に主軸ヘッド2の昇降位置を判断し得るので、この機能をローラ位置検出手段すなわちシリンダボアBの中心線L1に沿う方向におけるフォームローラ15の位置を検出する手段として利用する。
次に、上記の微細凹部加工装置1の動作説明と共に、本発明の微細凹部加工方法の一例を説明する。
微細凹部加工装置1を用いて、シリンダボアBの内周面Baに微細凹部を形成するに際しては、主軸3に装着した工具ホルダ10とシリンダボアBとが同軸状態になるように位置決めした後、主軸3とともに工具ホルダ10を下降させてシリンダボアB内にフォームローラ15を進入させる。
次に、微細凹部加工装置1は、アクチュエータ12を伸長駆動してシリンダボアBの内周面Baにフォームローラ15を接触させ、ロードセル17により検出した荷重が予め設定した値になるまでアクチュエータ12の伸長駆動を継続させる。これにより、フォームローラ15がシリンダボアBの内周面Baに圧接状態となり、同内周面Baに凸部の転写形である微細凹部が形成される。
こののち、微細凹部加工装置1は、主軸3により工具ホルダ10を回転駆動すると、シリンダボアBの内周面Baに圧接しているフォームローラ15が転動して同内周面Baにディンプル状の微細凹部を形成することとなり、これと同時に主軸ヘッド2を下降させることで、シリンダボアBの内周面Baに対して螺旋状の軌跡に沿って微細凹部を連続的に形成する。
このとき、微細凹部加工装置1では、回動軸14及び駆動部18で構成される角度調整手段により、シリンダボアBの内周面Baに対するフォームローラ15の接触角を変更することができ、接触角を予め設定することで全ての微細凹部を同一断面形状に形成することは勿論可能であるし、同円周面Baに形成した微細凹部の断面形状を部分的に変化させることができる。
すなわち、この実施例では、被加工物がシリンダブロックCBであって、ピストンと摺動接触するシリンダボアBの内周面Baにおいては、ピストンの上死点側に対応する上側部位と、ピストンの下死点側に対応する下側部位と、双方の間である中間部位とでは、夫々の摺動条件が異なり、摺動抵抗のさらなる低減等を図るには、油だまりとして機能する微細凹部の断面形状を夫々の摺動条件に適したものにするのが望ましい。
そこで、当該微細凹部加工装置1及び加工方法では、上述の如く微細凹部を形成する間において、シリンダボアBの中心線L1に沿う方向におけるフォームローラの位置、つまり上側部位、中間部位及び下側部位に応じて、内周面Baに対するフォームローラ15の接触角を変化させる。
より具体的には、図3に示すように、凸部15aの先端面が内周面Baと平行になる状態(シリンダボアBの中心線L1とローラ軸16とが平行の状態)を基準A0とすると共に、その両側に傾斜角A1,A2を設定し、内周面Baの上側部位、中間部位及び下側部位に応じてフォームローラ15を傾動させる。
なお、フォームローラ15の接触角を変化させるタイミングは、フォームローラ15が各部位間に達した時点であるから、シリンダボアBの中心線L1に沿う方向におけるフォームローラ15の位置を検出するローラ位置検出手段(主軸ヘッド2の昇降制御系)によって判断することができる。
これにより、例えば、内周面Baの上側部位に対して傾斜角A1、中間部位に対して基準A0、及び下側部位に対して傾斜角A2とした場合には、図4(a)に示すように、上側部位には断面三角形状の微細凹部Q1が形成され、中間部位には断面矩形状の微細凹部Q2が形成され、下側部位には上側とは逆の断面三角形状の微細凹部Q3が形成されることとなる。
また、図4(b)に示すように、上側及び下側の微細凹部Q1,Q3を上記形態と逆にしたり、図4(c)に示すように、上側部位及び下側部位に断面矩形状の微細凹部Q2を形成し、中間部位に断面三角形状の微細凹部Q1(Q3)を形成することもできる。
さらに、当該微細凹部加工装置1及び加工方法では、ローラ位相検出手段(ロータリエンコーダ19)により検出したフォームローラ15の位相に応じて、内周面Baに対するフォームローラ15の接触角を変化させることにより、内周面Baの周方向において微細凹部の断面形状を部分的に異ならせることもできる。
このように、微細凹部加工装置1及び加工方法では、フォームローラ15を用いた機械加工を行うことから、シリンダボアBの内周面Baに高精度な微細凹部を高効率で形成することができ、使い捨てのマスキングシートを用いてショットブラスト行う従来の微細凹部加工に比べて、生産性の向上や製造コストの低減を実現することができる。
そして、微細凹部加工装置1及び加工方法では、内周面Baに対するフォームローラ15の接触角を変化させる角度調整手段(回動軸14及び駆動部18)を採用したことにより、微細凹部の断面形状を任意に設定したり、内周面Baにおける微細凹部の断面形状を部分的に異ならせたりすることができ、これにより、摺動面であるシリンダボアBの内周面Baに対して、その摺動条件に最適な断面形状を有する微細凹部を高精度に形成することができる。
また、微細凹部加工装置1は、ローラ圧接手段としてアクチュエータ12を採用しているので、フォームローラ15の圧接荷重を自由に設定することができ、さらに、荷重検出手段としてロードセル17を採用したことにより、簡単な構造で圧接荷重を正確に検出することができる。
さらに、上記の微細凹部加工装置1及び加工方法では、加工中において、内周面Baに対するフォームローラ15の圧接荷重をロードセル17で常時検出し得るので、ロードセル17の検出結果に基づいてアクチュエータ12をフィードバック制御することで、微細凹部の深さが常に均一になるように、あるいは微細凹部の深さが部分的に異なるように、加工中のフォームローラ15の圧接荷重を任意に調整することができる。
上記の微細凹部加工装置1及び加工方法を用いて、シリンダボアBの内周面Baに微細凹部が形成されたシリンダブロックCBは、内周面Baに高精度の微細凹部が規則的に形成され、しかも、上側部位、中間部位及び下側部位の夫々に対して摺動条件に最適な断面形状の微細凹部が形成されているので、ピストンとの摺動接触においてこれらの微細凹部が油だまりとして有効に機能し、摺動抵抗の低減などを実現すると共に、エンジンの性能向上に貢献し得るものとなる。
図5及び図6は、本発明の微細凹部加工装置の他の実施例を説明する図である。なお、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図示の微細凹部加工装置31は、自動車用エンジンに使用するカムシャフトCSを被加工物とし、被加工物の円周面すなわちジャーナル部Jの外周面Jaに微細凹部を形成する装置である。
この微細凹部加工装置31は、テーブル32上に、チャッキング装置33を有する主軸台34と、スライド35により主軸台34に対して進退可能な心押し台36を相対向する配置で備えており、主軸台34のチャッキング装置33でカムシャフトCSの一端部を把持すると共に、心押し台36でカムシャフトCSの他端部を回転自在に保持する。これにより、カムシャフトCSは、中心線L2を水平方向(X方向)にした状態で保持され、主軸台34を駆動することで中心線回りの回転が与えられる。
また、微細凹部加工装置31は、主軸台34や心押し台36の上位側に、垂直方向(Z方向)及び水平方向(X方向)に移動可能な工具ヘッド37を備えており、この工具ヘッド37に工具ホルダ40が取り付けてある。
工具ホルダ40は、円筒形状を成すと共に、中心線を垂直方向にした状態で工具ヘッド37に取り付けてあり、上端部に閉塞部材41が嵌合固定してあると共に、下端側の内側に円筒形状のスライダ42が固定してある。
スライダ42の内側には、ローラ支持部材43を構成するロッド43Aが垂直方向に摺動自在に挿設してあり、このロッド43Aの下端部には、工具ヘッド37の水平移動方向に直交する水平な回動軸14を介して、ローラ支持部材43を構成するリテーナ43Bが連結してあり、このリテーナ43Bにローラ軸16を介してフォームローラ15が回転自在に設けてある。この際、ローラ軸16とその下位側で保持されたカムシャフトCSの中心線L2は互いに平行となる。
工具ホルダ40において、ロッド43Aの上端部には、当該ロッド43Aの下降位置を規制するストッパを兼ねるばね座44が固定してあり、このばね座44と閉塞部材41の間に圧縮コイルばね45が設けてある。また、圧縮コイルばね45の上部には、受圧部材46が設けてあり、この受圧部材46と閉塞部材41との間には、圧縮コイルばね45による発生荷重を検出する圧電型のロードセル17が設けてある。
このようにして、微細凹部加工装置31は、外周部に凹部形成用の凸部を有するフォームローラ15と、フォームローラ15を回転可能に支持するローラ支持部材43と、ローラ支持部材43を保持する工具ホルダ40を備えると共に、ローラ支持部材43に、カムシャフトCSのジャーナル部Jの外周面Jaに対するフォームローラ15の接触角を変化させる角度調整手段として、回動軸14及び駆動部18を備えた構成となっている。
また、この実施例では、圧縮コイルばね45が、工具ホルダ40に設けられ且つフォームローラ15をジャーナル部Jの外周面(円周面)Jaに圧接させるローラ圧接手段に相当し、ロードセル17が、圧縮コイルばね(ローラ圧接手段)45によるフォームローラ15の圧接荷重を検出する荷重検出手段に相当する。なお、ローラ圧接手段に圧縮コイルばね45を採用することにより、装置構造のさらなる簡略化や小型化を実現することができる。
さらに、この実施例では、主軸台34及び心押し台36が、ジャーナル部Jの外周面Jaの中心線回りにカムシャフト(被加工物)CSと工具ホルダ40を相対的に回転させることにより同外周面Jaに沿ってフォームローラ15を転動させる回転駆動手段に相当し、ここではカムシャフトCSを回転駆動する。
さらに、この実施例では、工具ヘッド37が、カムシャフト(被加工物)CSと工具ホルダ40を外周面Jaの中心線L2に沿う方向に相対的に移動させる軸方向移動手段に相当し、ここでは工具ホルダ40を移動させる。
さらに、この実施例では、工具ヘッド37が、ジャーナル部Jの半径方向にカムシャフト(被加工物)CSと工具ホルダ40を相対的に移動させる径方向移動手段に相当し、ここでは工具ホルダ40を移動させる。この径方向移動手段を用いることにより、直径の異なるジャーナル部にも容易に対処し得るものとなる。
さらに、微細凹部加工装置31は、主軸台34に、回転検出用のロータリエンコーダ19を備えており、この実施例では、ロータリエンコーダ19が、ジャーナル部Jの周方向におけるフォームローラ15の位相を検出するローラ位相検出手段に相当する。つまり、この実施例では、工具ホルダ40は回動しないので、ロータリエンコーダ19で主軸台34の主軸の回転を検出することで、ジャーナル部Jに対するフォームローラ15の位相を間接的に検出する。
さらに、微細凹部加工装置31は、主軸台34、工具ヘッド37及び回動軸14の駆動部18を制御するための制御装置(図示せず)を備えている。この制御装置は、加工に要する初期データのほか、ロードセル17やロータリエンコーダ19からの検出結果を入力することで、各機能部をフィードバック制御することができる。
さらに、微細凹部加工装置31は、一般的なNC工作機械と同様に工具ヘッド37の昇降位置を判断することができるので、この機能をローラ位置検出手段すなわちカムシャフトCSの中心線L2に沿う方向におけるフォームローラ15の位置を検出する手段として利用する。
上記構成を備えた微細凹部加工装置31は、主軸台34及び心押し台36によりカムシャフトCSを保持した後、工具ヘッド37によりフォームローラ15をジャーナル部Jに向けて前進(下降)させ、フォームローラ15がジャーナル部Jに当接した後には、圧縮コイルばね45を圧縮し、その反発力を外周面Jaに対するフォームローラ15の圧接荷重として付与する。
また、ロードセル17で検出した荷重が所定値になったところで、工具ヘッド37によるフォームローラ15の前進を停止し、その後、主軸台34によりカムシャフトCSを中心線回りに定速回転させることにより、フォームローラ15を転動させると共に、工具ヘッド37で工具ホルダ40をカムシャフトCSの中心線L2に沿う方向(X方向)に移動させることにより、ジャーナル部Jの外周面Jaに対して螺旋状の軌跡で微細凹部を連続的に形成する。
そして、微細凹部加工装置31は、上記の如く微細凹部を形成する間に、角度調整手段である回動軸14及び駆動部18によって外周面Jaに対するフォームローラ15の接触角を変更することができ、これにより、ジャーナル部Jの摺動条件に適した断面形状の微細凹部を形成することができ、先の実施例と同様の効果をもたらすこととなる。
なお、本発明に係わる微細凹部加工装置は、その構成が上記各実施例に限定されるものではなく、構成の細部を適宜変更することができ、例えば、フォームローラとしては、溝状の微細凹部を形成するための鍔状の形成用凸部を備えたものや、凹部形成用の凸部を複列に備えたものなどを用いることも可能である。
また、当該微細凹部加工装置は、例えば、被加工物に対するフォームローラ15の前進及び後退と、ローラ軸16に沿う方向の移動とを繰り返し行って、円周面に一周毎に微細凹部を形成しても良いが、上記各実施例で説明したように、円周面に対して螺旋状の軌跡に沿って微細凹部を連続形成することにより、微細凹部を短時間で効率的に形成することができる。
さらに、被加工物としては、シリンダブロックやカムシャフトのほか、クランクシャフトやバランサシャフト(サイレントシャフト)などが挙げられる。
本発明の微細凹部加工装置の一実施例を説明する断面図である。 微細凹部加工装置の全体を説明する斜視図である。 フォームローラの凸部を示す拡大断面図である。 シリンダボアの内周面に形成した微細凹部の異なる形態例を示す各々断面図(a)〜(c)である。 本発明の微細凹部加工装置の他の実施例を説明する断面図である。 図5に示す工具ホルダの内部を説明する断面図である。
符号の説明
B シリンダボア(円形穴)
Ba シリンダボアの内周面(円周面)
CB シリンダブロック(被加工物)
CS カムシャフト
J ジャーナル部
Ja ジャーナル部の外周面
1 微細凹部加工装置
2 主軸ヘッド(軸方向移動手段)
3 主軸(回転駆動手段)
4 テーブル(径方向移動手段)
10 工具ホルダ
12 アクチュエータ(ローラ圧接手段)
13 ローラ支持部材
14 回動軸(角度調整手段)
15 フォームローラ
16 ローラ軸
17 ロードセル(荷重検出手段)
18 駆動部(角度調整手段)
19 ロータリエンコーダ(ローラ位相検出手段)
31 微細凹部加工装置
34 主軸台(回転駆動手段)
36 心押し台(回転駆動手段)
37 工具ヘッド(径方向移動手段)
40 工具ホルダ
43 ローラ支持部材
45 圧縮コイルばね(ローラ圧接手段)

Claims (13)

  1. 被加工物の円周面に微細凹部を形成する微細凹部加工装置であって、外周部に凹部形成用の凸部を有するフォームローラと、フォームローラを回転可能に支持するローラ支持部材と、ローラ支持部材を保持する工具ホルダと、工具ホルダに設けられ且つフォームローラを円周面に圧接させるローラ圧接手段と、円周面の中心線回りに被加工物と工具ホルダを相対的に回転させることにより円周面に沿ってフォームローラを転動させる回転駆動手段と、被加工物と工具ホルダを円周面の中心線に沿う方向に相対的に移動させる軸方向移動手段を備え、ローラ支持部材に、円周面に対するフォームローラの接触角を変化させる角度調整手段を備えたことを特徴とする微細凹部加工装置。
  2. 円周面の中心線に沿う方向におけるフォームローラの位置を検出するローラ位置検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の微細凹部加工装置。
  3. 円周面の半径方向に被加工物と工具ホルダを相対的に移動させる径方向移動手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の微細凹部加工装置。
  4. ローラ圧接手段が、伸縮駆動されるアクチュエータであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  5. ローラ圧接手段が、ばねであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  6. ローラ圧接手段によるフォームローラの圧接荷重を検出する荷重検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  7. 荷重検出手段がロードセルであることを特徴とする請求項6に記載の微細凹部加工装置。
  8. 円周面の周方向におけるフォームローラの位相を検出するローラ位相検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  9. ローラ位相検出手段が、回転駆動手段の回転を検出するロータリエンコーダであることを特徴とする請求項8に記載の微細凹部加工装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円周面に微細凹部を形成するに際し、被加工物の円周面にフォームローラを圧接させ、この状態で円周面の中心線回りに被加工物と工具ホルダを相対的に回転させることにより、円周面に沿ってフォームローラを転動させて同円周面に微細凹部を形成すると共に、円周面の中心線に沿う方向に被加工物と工具ホルダを相対的に移動させることにより、円周面に対して螺旋状の軌跡に沿って微細凹部を形成し、この間に、円周面の中心線に沿う方向におけるフォームローラの位置に応じて、円周面に対するフォームローラの接触角を変化させることにより、円周面の中心線に沿う方向において微細凹部の断面形状を部分的に異ならせることを特徴とする微細凹部加工方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円周面に微細凹部を形成するに際し、被加工物の円周面にフォームローラを圧接させ、この状態で円周面の中心線回りに被加工物と工具ホルダを相対的に回転させることにより、円周面に沿ってフォームローラを転動させて同円周面に微細凹部を形成すると共に、円周面の中心線に沿う方向に被加工物と工具ホルダを相対的に移動させることにより、円周面に対して螺旋状の軌跡に沿って微細凹部を形成し、この間に、円周面の周方向におけるフォームローラの位相に応じて、円周面に対するフォームローラの接触角を変化させることにより、円周面の周方向において微細凹部の断面形状を部分的に異ならせることを特徴とする微細凹部加工方法。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、被加工物の円周面に微細凹部を形成するに際し、被加工物の円周面にフォームローラを圧接させ、この状態で円周面の中心線回りに被加工物と工具ホルダを相対的に回転させることにより、円周面に沿ってフォームローラを転動させて同円周面に微細凹部を形成すると共に、円周面の中心線に沿う方向に被加工物と工具ホルダを相対的に移動させることにより、円周面に対して螺旋状の軌跡に沿って微細凹部を形成し、この間に、円周面の中心線に沿う方向におけるフォームローラの位置及び円周面の周方向におけるフォームローラの位相に応じて、円周面に対するフォームローラの接触角を変化させることにより、円周面の中心線に沿う方向及び円周面の周方向において微細凹部の断面形状を部分的に異ならせることを特徴とする微細凹部加工方法。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、シリンダボアの内周面に微細凹部を形成したことを特徴とするエンジンのシリンダブロック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016180351A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 マツダ株式会社 金属製基材上に樹脂含有皮膜を有するワークの加工方法

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