JP4513438B2 - 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法 - Google Patents

微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法 Download PDF

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本発明は、例えば、自動車用エンジンのシリンダブロックにおけるシリンダボア(円形穴)の内周面に、低フリクション化を実現するための微細な凹部(油だまり)を形成するのに用いられる微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法に関するものである。
従来、上記したようなシリンダブロックのシリンダボアの内周面に微細な凹部を形成する場合には、ショットブラストが多く採用されている。このショットブラストでは、シリンダボアの内周面に所定形状の透孔を有するマスキングシートを貼り付けた後、セラミックス等の小径粒子をシリンダボアの内周面に向けて圧縮空気とともに投射することで、内周面の透孔を通して露出している部分に凹部を形成するようにしている。
そして、凹部を形成した後は、マスキングシートを取り外して洗浄するのに続いて、再びホーニングを行うことにより、上記ショットブラスト加工で凹部の周囲に生じた盛上り部分を除去するようにしている。
特開2002−307310
しかしながら、上記したようなショットブラストによる微細な凹部の形成にあっては、微細な凹部を規則的に配置することが困難であり、加えて、円形穴の内周面に対するマスキングシートの貼り付け工程及び取り外し工程、並びに洗浄工程が不可欠であって、このような作業が多い分だけ加工コストが嵩むという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、被加工物の円形穴の内周面に対して精度良好に微細な凹部を形成することができると共に、加工コストの低減を実現することが可能である微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法を提供することを目的としている。
本発明の微細凹部加工装置は、被加工物の円形穴の内周面に微細な凹部を形成する微細凹部加工装置であって、
鉛直方向に移動可能な主軸ヘッドと、主軸ヘッドに下向きに突出した状態で支持される主軸と、主軸に装着され且つ円形穴と同軸状態に配置して回転駆動される工具ホルダを備え、前記工具ホルダに、機能部として、主軸による回転軸に直交する方向に移動可能なローラ支持部材と、ローラ支持部材に対して工具ホルダの回転軸と平行なローラ軸回りに連れ回り回転自在に設けた凹部形成用のフォームローラと、ローラ支持部材に荷重を付与してフォームローラを円形穴の内周面に圧接させる荷重付与手段を備えている。
この微細凹部加工装置は、工具ホルダを円形穴と同軸状態に配置してフォームローラを円形穴の内周面に圧接させると共に、工具ホルダを回転駆動することで、円形穴の内周面に添ってフォームローラを転動させ、円形穴の内周面に微細な凹部を連続的に形成する。また、主軸により工具ホルダを回転駆動しながら主軸ヘッドにより工具ホルダを回転軸線方向に移動させることで、微細な凹部を円形穴の内周面の軸線方向に規則的に形成する。
さらに、当該微細凹部加工装置は、工具ホルダに対してフォームローラがオフセットされた位置に設けてあると共に、ローラ支持部材、フォームローラ及び荷重付与手段を含む機能部の重心が、工具ホルダの回転軸に対してフォームローラ側、又は工具ホルダの回転軸に対してフォームローラの反対側、にあることを特徴としており、機能部に重心調整用の錘を設けることで、機能部の重心位置を選択することが可能である。
そして、とくに、機能部の重心が工具ホルダの回転軸からずれているものでは、被加工物の円形穴の内周面に微細な凹部を形成するに際し、工具ホルダの回転速度を変化させて微細な凹部を形成する微細凹部加工方法を採用することができる。
この微細凹部加工方法では、工具ホルダの回転速度を変化させると、機能部の重心が工具ホルダの回転軸からフォームローラ側又はその反対側にずれているので、フォームローラに作用する遠心力が増加あるいは減少してフォームローラの圧接力が変化することとなり、これにより微細な凹部の深さが変化する。
本発明の微細凹部加工装置によれば、被加工物の円形穴の内周面に微細な凹部を高効率で且つ高精度に形成することができ、加えて、同内周面に対してフォームローラを一定荷重で圧接させることができるので、微細な凹部を加工する前の加工面を精度良く仕上げておく必要がなく、この前工程を省略することができ、その結果、加工コストの大幅な低減を実現することが可能である。
本発明の微細凹部加工装置は、機能部の重心位置の相違によって次の効果を得ることができる。すなわち、工具ホルダの回転軸に対して機能部の重心がフォームローラ側にある場合では、主として、工具ホルダの回転速度を高めるだけで、円形穴の内周面に対するフォームローラの圧接力を増大させることができる。また、工具ホルダの回転軸に対して機能部の重心がフォームローラの反対側にある場合では、主として、工具ホルダの回転速度を高めるだけで、円形穴の内周面に対するフォームローラの圧接力を減少させることができる
本発明の微細凹部加工方法によれば、機能部の重心が工具ホルダの回転軸からずれている微細凹部加工装置を用いると共に、工具ホルダの回転速度を変化させるだけで、円形穴の内周面に対するフォームローラの圧接力を簡単にコントロールすることができる。つまり、特別な荷重調整機構を必要としないので、構造が簡単で比較的安価な装置と簡単な制御により、様々な深さの凹部の形成に対応することができ、例えば、異なる円形穴の内周面に対して深さが異なる凹部を形成したり、一つの円形穴の内周面に対して連続的に深さが変化する凹部を形成したりすることができる。
以下、図面に基づいて、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図2に示す微細凹部加工装置1は、自動車用エンジンのシリンダブロックを被加工物とし、円形穴であるシリンダボアの内周面に微細な凹部を形成するNC工作機械であって、鉛直方向に移動可能な主軸ヘッド2と、主軸ヘッド2に下向きに突出した状態で支持される主軸3と、主軸ヘッド2の下側において水平面内で互いに直交する二軸方向に移動可能な被加工物載置用のテーブル4と、主軸3に同軸に装着されて一体で回転する工具ホルダ10を備えており、図示しない自動工具交換装置により、主軸3に対して工具ホルダ10の着脱を行うようになっている。
工具ホルダ10は、図1に示すように、主軸3に装着する部位であるシャンク部10Aと、その下側に連続するボディ部10Bを有しており、ボディ部10Bの下側には、アダプタ10Cを介して、外周部に微細な凹凸を有するフォームローラ11と、フォームローラ11を回転自在に支持するローラ支持部材12と、ローラ支持部材12を保持するハウジング13を備えている。
フォームローラ11は、シリンダボアBの直径よりも小さい直径を有する。このフォームローラ11は、材料がとくに限定されるものではないが、例えば、超硬、超硬以外の硬質金属やアルミナ、窒化珪素等のセラミックスなどから成るものであって、高い強度と靭性を有しており、被加工物が焼入れ鋼などの高硬度材料であっても微細な凹部を形成することができる。
ローラ支持部材12は、その下部に、複列アンギュラ玉軸受15を介して支持軸14を回転自在に備えており、支持軸14の下部にフォームローラ11が固定してある。このとき、主軸3による工具ホルダ10の回転軸L1と、支持軸14によるフォームローラ12のローラ軸L2とは互いに平行である。
ハウジング13は、ボディ部10Bにアダプタ10Cを介して連結した中空ブロック状を成すものであって、下端側中空部分には、軸線方向を水平にしたスプラインナット17が嵌合固定してあり、このスプラインナット17と、ローラ支持部材12に連結したスプラインシャフト18とを互いにスプライン結合することで、ローラ支持部材12を主軸3と直交する方向に移動可能にしている。
ローラ支持部材12と、ハウジング13の上端側中空部分に嵌合したキャップ19との間には、荷重付与手段としての圧縮コイルばね20が介装してあり、ローラ支持部材12に対して主軸3と直交する方向の荷重を付与することで、シリンダボアBの内周面Baにフォームローラ11の外周部を圧接させる。この場合、キャップ19と圧縮コイルばね20との間には、荷重検出手段としての圧電型のロードセル21が設けてある。
また、スプラインシャフト18には、ローラ支持部材12と反対側の端部に、スプラインシャフト18の直径よりも大径の止め具22が固定してあり、この止め具22は、圧縮コイルばね20の伸びを抑えると共に、この圧縮コイルばね20が伸びきった際の衝撃を緩和し、そして、ハウジング13からローラ支持部材12が脱落するのを阻止する。
さらに、圧縮コイルばね20とロードセル21の間には、圧縮コイルばね20に予圧を与える調整駒23が設けてあり、この調整駒23の長さ(圧縮コイルばね20の伸縮方向の長さ)を選択することで、予圧力を調整することができる。なお、ロードセル21は、調整駒23との接触部21aを球面状の突部としており、これにより、圧縮コイルばね20の伸縮方向に対する倒れを吸収することができる。
ハウジング13と連結したアダプタ10Cは、図示しないステッピングモータを具備した移動機構を内蔵しており、この移動機構の作動により、ハウジング13に保持したフォームローラ11をシリンダボアBの内周面Baに対して近接離間させることができるようになっている。
上記の微細凹部加工装置1は、シリンダボア(円形穴)Bと同軸状態に配置して回転駆動される工具ホルダ10に、機能部として、その回転軸L1に直交する方向に移動可能なローラ支持部材12と、ローラ支持部材12に対して工具ホルダ10の回転軸L1と平行なローラ軸L2回りに回転自在に設けた凹部形成用のフォームローラ11と、ローラ支持部材12に荷重を付与してフォームローラ11をシリンダボア(円形穴)Bの内周面Baに圧接させる荷重付与手段(圧縮コイルばね20)を備えたものとなっている。
そして、微細凹部加工装置1は、工具ホルダ10に対してフォームローラ11がオフセットされた位置に設けてあり、ローラ支持部材12、フォームローラ11及び荷重付与手段(圧縮コイルばね20)を含む機能部、すなわちこの実施例ではアダプタ10Cからフォームローラ11に至る機能部の重心が、工具ホルダ10の回転軸L1に対してフォームローラ11側にある。
上記の微細凹部加工装置1において、シリンダボアBの内周面Baに微細凹部を形成するに際しては、まず、工具ホルダ10の回転軸L1とシリンダボアBの中心軸とを一致させるように位置決めをして、主軸3とともに工具ホルダ10を下降させ、シリンダボアB内にフォームローラ11を挿入する。
次に、アダプタ10C内の移動機構を作動させて、シリンダボアBの内周面Baに対してフォームローラ11を接触させ、ロードセル21により検出した荷重が予め設定した値になるまでアダプタ10C内の移動機構の作動を継続させる。
つまり、シリンダボアBの内周面Baにフォームローラ11が接触した後、アダプタ10C内の移動機構の作動を継続させると、ローラ支持部材12とハウジング13との間で圧縮コイルばね20が圧縮され、その反発力が荷重としてフォームローラ11に付与されると共に、ロードセル21によりこの荷重が検出されることから、このロードセル21の検出荷重が設定値になるまでアダプタ10C内の移動機構の作動を継続させれば、フォームローラ11がシリンダボアBの内周面Baに所定荷重で圧接することとなる。
そして、上記のように、荷重の設定値を検出した段階において、アダプタ10C内の移動機構の作動を停止し、主軸3により工具ホルダ10を回転駆動すると、シリンダボアBの内周面Baに圧接しているフォームローラ11が連れ回りし、このフォームローラ11の転動によってシリンダボアBの内周面Baに微細な凹部が形成される。この際、主軸3の回転と下降速度とを同期させると、シリンダボアBの内周面Baの広い領域に微細な凹部を形成することができる。
このように、この実施例による微細凹部加工装置1では、シリンダボアBの内周面Baに微細な凹部を高精度で形成することができ、これにより同内周面Baに施す前加工を省略することが可能となり、工程数の削減及び低コスト化を実現し得る。
また、上記の微細凹部加工装置1は、機能部の重心が工具ホルダ10の回転軸L1に対してフォームローラ11側にあることから、以下に述べるように、主軸3による工具ホルダ10の回転速度を変化させることで、微細な凹部の深さを変化させることができる。
図3は、シリンダボアBの内周面Baに対するフォームローラ11の圧接力である押し付け荷重と微細な凹部の深さの関係を示すグラフであり、押し付け荷重の増大に伴って凹部の深さが増大することを表している。また、図4は、主軸3の回転数(工具ホルダ10の回転数)とフォームローラ11側に作用する遠心力の関係を示すグラフであり、先述したように、機能部の重心が工具ホルダ10の回転軸L1に対してフォームローラ11側にある場合には、主軸3の回転数が増大すればフォームローラ11側に作用する遠心力は増大する。
そこで、当該微細凹部加工装置1では、凹部を加工するに際し、主軸3の回転数を初期設定値N0から任意設定値N1に至る間で連続的に増減させ、このような主軸3の回転数制御と主軸3の下降速度とを同期させる。これにより、フォームローラ11に作用する遠心力が連続的に増減して、フォームローラ11の押し付け荷重が初期設定値F0から任意設定値F0+F1に至る間で連続的に増減する。
その結果、図5に示すように、シリンダボアBの軸線方向(図5において上下方向)に対して深さが漸次変化する凹部Aを形成することができる。この場合、凹部Aの深さは、初期設定値d0から漸次増大して任意設定値d1に至り、その後、初期設定値d0まで漸次減少したものとなる。
次に、本発明の微細凹部加工装置1は、他の実施例として、図1に示すものと同様の構成において、ローラ支持部材12、フォームローラ11及び荷重付与手段(圧縮コイルばね20)を含む機能部の重心が、工具ホルダ10の回転軸L1に対してフォームローラ11の反対側にあるものとすることで、以下に述べるように、主軸3による工具ホルダ10の回転速度を変化させて、微細な凹部の深さを変化させることができる。
図6は、シリンダボアBの内周面Baに対するフォームローラ11の圧接力である押し付け荷重と微細な凹部の深さの関係を示すグラフであり、押し付け荷重の増大に伴って凹部の深さが増大することを表している。また、図7は、主軸3の回転数(工具ホルダ10の回転数)とフォームローラ11側に作用する遠心力の関係を示すグラフであり、機能部の重心が工具ホルダ10の回転軸L1に対してフォームローラ11の反対側にある場合には、主軸3の回転数が増大すればフォームローラ11側に作用する遠心力は減少する。
そこで、当該微細凹部加工装置1では、凹部を加工するに際し、主軸3の回転数を初期設定値N0から任意設定値N1に至る間で連続的に増減させ、このような主軸3の回転数制御と主軸3の下降速度とを同期させる。これにより、フォームローラ11に作用する遠心力が連続的に且つ反比例的に増減して、フォームローラ11の押し付け荷重が初期設定値F0から任意設定値F0−F1に至る間で連続的に増減する。
その結果、図8に示すように、シリンダボアBの軸線方向(図8において上下方向)に対して深さが漸次変化する凹部Aを形成することができる。この場合、凹部Aの深さは、初期設定値d0から漸次減少して任意設定値d1に至り、その後、初期設定値d0まで漸次増大したものとなる。
さらに、微細凹部加工装置1は、参考例として、図1に示すものと同様の構成において、ローラ支持部材12、フォームローラ11及び荷重付与手段(圧縮コイルばね20)を含む機能部の重心が、工具ホルダ10の回転軸L1上にあるものとすることができる。
この場合には、主軸3の回転数(工具ホルダ10の回転数)の大きさに係わらず、シリンダボアBの内周面Baに対するフォームローラ11の圧接力が一定に維持され、常に一定の深さの微細な凹部を形成することができる。
さらに、上記各実施例の微細凹部加工装置1は、機能部の重心を設定する手段として、重心調整用の錘を備えたものとし、例えば図1に示す構造では、ローラ支持部材12及び止め具22に錘の機能を付加することができ、極めて簡単な構成で重心の設定を自由に行うことが可能となる。
この場合、基本的な構成としては、機能部の重心が工具ホルダ10の回転軸L1上にあるものとしておき、重心をフォームローラ11側にする場合には、ローラ支持部材12に錘の機能を付加し、重心をフォームローラ11の反対側にする場合には、止め具22に錘の機能を付加するようにし、また、重量が異なるローラ支持部材12及び止め具22を予め幾つか用意して、これらを選択的に使用することが可能である。
ここで、図9は、重量が異なる錘Wa〜Wcに対して、主軸3の回転数(工具ホルダ10の回転数)と遠心力の関係を示すグラフである。この場合、錘Waは重量小、錘Wbは重量中、及び錘Wcは重量大であり、錘の重量が大きくなるほど大きな遠心力が得られることが判る。したがって、高い主軸回転数N1を有する加工装置では、軽量の錘Waを用いて短時間で効率良く微細な凹部を形成することができ、また、低い主軸回転数N2,N3しか得られない加工装置を用いた場合でも、重量が大きい錘Wb,Wcを用いることで、同等の遠心力を得て同じ凹部を形成することができる。
このように、上記各実施例の微細凹部加工装置1のうち、とくに機能部の重心が工具ホルダ10の回転軸L1からずれているものについては、本発明の微細凹部加工方法に適用することが可能であって、主軸3の回転速度(工具ホルダ10の回転速度)を変化させるだけで、シリンダボアBの内周面Baに対するフォームローラ11の圧接力を簡単にコントロールすることができ、例えば、異なる円形穴の内周面に対して深さが異なる凹部を形成したり、図5及び図8に示す如く一つの円形穴の内周面に対して連続的に深さが変化する凹部を形成したりすることができる。
なお、本発明の微細凹部加工装置は、上記各実施例以外に、フォームローラ11の外周部の先端形状や主軸3の送りを選択することで、様々な形状や配置の凹部を形成することができるほか、溝状に連続する凹部や点線状の不連続の凹部を形成することができ、この際、フォームローラ11の転動に伴って微細な凹部を形成するので、工具磨耗も非常に少ないものとなり、その結果、工具寿命を長く持たせることができる。
また、微細凹部加工装置は、上記各実施例以外の様々な実施態様にも適用されるものである。例えば、フォームローラ11に微細な凹凸を複数列設けるような構成としたり、あるいは、荷重付与手段の荷重を変えるために、圧縮コイルばね20を交換可能にしたりしてもよい。また、荷重付与手段として圧縮コイルばね20を例に挙げたが、一定の荷重を付与するような弾性体であればその他のものも適用可能である。
さらに、微細凹部加工装置は、上記各実施例ではローラ支持部材12及び止め具22に錘の機能を付加した場合を説明したが、別体の錘を採用することも当然可能であり、例えば、基本的な構成として機能部の重心を工具ホルダ10の回転軸L1上とし、フォームローラ11側及びその反対側に対して選択的に錘を着脱可能にした構成や、基本的な構成として機能部の重心を一方側に偏倚させ、少なくとも他方側に対して選択的に錘を着脱可能にした構成などにより、機能部の重心を自由に設定することが可能となる。
上記した微細凹部加工装置1を用いて円形孔の内周面に微細凹部を形成すると、この円形孔を有する部材の低コスト化が図られ、また、上記したように、微細凹部加工装置1を用いて自動車用部品、例えば、シリンダブロックのシリンダボアBの内周面Baに微細凹部を形成すると、部品の低コスト化が図られるのに加えて、フリクションの低減及びエンジン性能の向上を実現し得る。
本発明の微細凹部加工装置の一実施例を説明する要部の断面図である。 微細凹部加工装置の全体を示す斜視図である。 押し付け荷重と微細凹部の深さの関係を示すグラフである。 主軸回転数と遠心力の関係を示すグラフである。 シリンダボアに形成した凹部を説明する断面図である。 押し付け荷重と微細凹部の深さの関係を示すグラフである。 主軸回転数と遠心力の関係を示すグラフである。 シリンダボアに形成した凹部を説明する断面図である。 重量が異なる錘に対して主軸回転数と遠心力の関係を示すグラフである。
符号の説明
A 凹部
B シリンダボア(円形穴)
Ba 内周面
L1 工具ホルダの回転軸
L2 ローラ回転軸
2 主軸ヘッド
3 主軸
10 工具ホルダ
11 フォームローラ(機能部)
12 ローラ支持部材(機能部:錘)
20 圧縮コイルばね(荷重付与手段:機能部)
22 止め具(錘)

Claims (4)

  1. 被加工物の円形穴の内周面に微細な凹部を形成する微細凹部加工装置であって、
    鉛直方向に移動可能な主軸ヘッドと、主軸ヘッドに下向きに突出した状態で支持される主軸と、主軸に装着され且つ円形穴と同軸状態に配置して回転駆動される工具ホルダを備え、
    前記工具ホルダに、機能部として、主軸による回転軸に直交する方向に移動可能なローラ支持部材と、ローラ支持部材に対して工具ホルダの回転軸と平行なローラ軸回りに連れ回り回転自在に設けた凹部形成用のフォームローラと、ローラ支持部材に荷重を付与してフォームローラを円形穴の内周面に圧接させる荷重付与手段を備えると共に、工具ホルダに対してフォームローラがオフセットされた位置に設けてあり、
    ローラ支持部材、フォームローラ及び荷重付与手段を含む機能部の重心が、工具ホルダの回転軸に対してフォームローラ側にあり、且つ工具ホルダの回転数制御と、主軸ヘッドの下降速度とを同期させたことを特徴とする微細凹部加工装置。
  2. 被加工物の円形穴の内周面に微細な凹部を形成する微細凹部加工装置であって、
    鉛直方向に移動可能な主軸ヘッドと、主軸ヘッドに下向きに突出した状態で支持される主軸と、主軸に装着され且つ円形穴と同軸状態に配置して回転駆動される工具ホルダを備え、
    前記工具ホルダに、機能部として、主軸による回転軸に直交する方向に移動可能なローラ支持部材と、ローラ支持部材に対して工具ホルダの回転軸と平行なローラ軸回りに連れ回り回転自在に設けた凹部形成用のフォームローラと、ローラ支持部材に荷重を付与してフォームローラを円形穴の内周面に圧接させる荷重付与手段を備えると共に、工具ホルダに対してフォームローラがオフセットされた位置に設けてあり、ローラ支持部材、フォームローラ及び荷重付与手段を含む機能部の重心が、工具ホルダの回転軸に対してフォームローラの反対側にあり、且つ工具ホルダの回転数制御と、主軸ヘッドの下降速度とを同期させたことを特徴とする微細凹部加工装置。
  3. ローラ支持部材、フォームローラ及び荷重付与手段を含む機能部に、重心調整用の錘を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の微細凹部加工装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細凹部加工装置を用いて被加工物の円形穴の内周面に微細な凹部を形成するに際し、工具ホルダの回転速度を変化させて微細な凹部を形成することを特徴とする微細凹部加工方法。
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