JP5322020B2 - 微細凹部の加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、クランクシャフトやカムシャフトのジャーナルなどの摺動部の外周面に、低フリクション化を実現するための油溜まりとして機能する多数の微細凹部を形成するのに用いられる微細凹部の加工装置に関するものである。
この種の微細凹部の加工装置としては、円周状被加工面を有する被加工物を回転可能に保持すると共に、外周部に微細凹部形成用の微細凸部を有するフォームローラを備え、被加工物とフォームローラを互いの軸線が平行になるように配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。
この加工装置は、被加工物にフォームローラを圧接させた状態にして、被加工物を回転させると共に、被加工物とフォームローラを軸線方向に相対的に移動させることで、円周状被加工面の軸線回りの螺旋に沿ってフォームローラを転動させ、円周状被加工面に微細凹部を形成する。
このようなフォームローラを用いた微細凹部の形成は、機械加工であるため、例えばショットブラスト等によって微細凹部を形成する場合に比べて、微細凹部を高精度に且つ効率良く形成することができ、生産性の向上や製造コストの低減を実現するうえで非常に有効なものとなっている。
公開番号:2004−223570号公報
ところで、被加工物が、例えば自動車用エンジンを構成するクランクシャフトやカムシャフトであって、円周状被加工面がジャーナルの外周面である場合、その外周面には潤滑油の吐出孔がある。このような場合、円周状被加工面に対してフォームローラを連続的に転動させていくと、フォームローラの微細凸部は衝撃に弱いので、吐出孔の部分でフォームローラの微細凸部を破損する恐れがある。
このため、従来の加工装置では、フォームローラを長持ちさせるために、吐出孔の部分でフォームローラを一旦離間させるようにしたり、被加工物の回転速度を小さくしたりする必要があり、これにより加工時間が長くなるという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の問題点に着目して成されたもので、外周面の一部に穴等の非加工域を有する被加工物に対して、非加工域を避けながら微細凹部を短時間で効率良く形成することができる微細凹部の加工装置を提供することを目的としている。
本発明の微細凹部の加工装置は、外周部に微細凸部を有し且つ回転自在に保持されたフォームローラを被加工物に圧接させ、被加工物を回転させると共に、フォームローラ及び被加工物を軸線方向に相対的に移動させることにより、フォームローラを転動させて被加工物の外周面に微細凹部を形成する装置である。
そして、微細凹部の加工装置は、フォームローラの外周部に、被加工物の外周面の一部である非加工域に対して、微細凸部の無い非加工部を設け、フォームローラの回転方向の初期位置を決定するローラ位置決め手段を備えると共に、前記ローラ位置決め手段が、偏心位置に設けたアンバランスウエイトであることを特徴としており、被加工物の非加工域にフォームローラの非加工部が対応するように被加工物及びフォームローラの回転方向の位置決めを行ってから加工を開始することとなる。
本発明の微細凹部の加工装置によれば、外周面の一部に穴等の非加工域を有する被加工物に対して、非加工域を避けながら微細凹部を短時間で効率良く形成することができ、生産性のさらなる向上などに貢献することができる。また、微細凹部の加工装置は、ローラ位置決め手段としてのアンバランスウエイトにより、非加工部1bが所定位置になるようにフォームローラを自然に回転させて、これを回転方向の初期位置とすることができ、装置構造のさらなる簡略化や製造コストの節減を実現することができる。
図1〜図7は、本発明に係わる微細凹部の加工装置の一実施形態を説明する図である。
微細凹部の加工装置は、図3に示すように、フォームローラ1を回転自在に保持するアーム2と、被加工物Wの円柱部Fの外周面(被加工面)に対してアーム2とともにフォームローラ1を進退可能に保持するハウジング3と、円柱部Fに当接したフォームローラ1に対して同円柱部Fへの荷重を付与する荷重付与手段4と、荷重付与手段4による荷重を測定する荷重測定手段5を備えている。
より具体的には、加工装置は、三軸方向に移動可能な移動テーブル(図示せず)上に、チャッキング装置6を有する主軸台7と、主軸台7に対して進退可能な心押し台8を相対向する配置で備えており、主軸台7のチャッキング装置6で被加工物Wの一端部を把持すると共に、心押し台8で被加工物Wの他端部を回転自在に保持する。これにより、被加工物Wは、軸線を水平方向(X方向)にして保持され、主軸台7を駆動することで軸線回りの回転が与えられる。
さらに、加工装置は、主軸台7及び心押し台8の上位側に、垂直方向(Z方向)及び水平方向(X方向)に移動可能な工具ヘッド(図示せず)を備えており、この工具ヘッドにハウジング3が取り付けてある。
ハウジング3は、円筒形状を成すと共に、軸線を垂直方向にした状態で工具ヘッドに取り付けてあり、上端部に閉塞部材9が嵌合固定してあると共に、下端側の内側に円筒形状のスライダ10が固定してある。また、スライダ10の内側には、ロッド11が垂直方向に摺動自在に挿設してあり、このロッド11の下端部には、アーム2及び水平な回転軸を介して、フォームローラ1が回転自在に設けてある。このとき、フォームローラ1とその下位側で保持された被加工物Wは、互いの軸線が平行な配置となる。
ハウジング3内において、ロッド11の上端部には、当該ロッド11の下降位置を規制するストッパを兼ねるばね座12が固定してあり、ばね座12と閉塞部材9の間には、円柱部Fに当接したフォームローラ1に対して同円柱部Fへの荷重を付与する荷重付与手段4が設けてある。また、荷重付与手段4の上部には、受圧部材13が設けてあり、この受圧部材13と閉塞部材9との間には、荷重付与手段4による荷重を測定する荷重測定手段5が設けてある。
ここで、被加工物Wは、図1及び図2に示すように、円柱部Fの円周上の一部に穴Hを有している。このように、穴Hを有する円柱部Fの外周面に微細凹部Dを形成する場合、穴Hの部分でフォームローラ1の微細凸部を破損する恐れがある。そこで、被加工物Wは、穴H及びその周囲を非加工域Nとしている。図示例の非加工域Nは、とくに図2に示すように、穴Hの直径よりも大きい幅で、軸線方向にわたる領域である。
上記の被加工物Wとしては、各種機器を構成する摺動部材、とくに潤滑材中で使用される摺動部材を挙げることができ、より具体的には、自動車用エンジンを構成するクランクシャフト、カムシャフト及びバランサシャフトが挙げられる。そして、これらのジャーナルが円柱部Fに相当する。ジャーナルには、潤滑油の吐出孔が設けてある。よって、ジャーナルの外周面において、吐出孔及びその周囲が非加工域Nとなる。
上記の被加工物Wに対して、当該加工装置は、とくに図1に示すように、フォームローラ1が、その外周部に微細凸部1aを有すると共に、被加工物Wの非加工域Nに対して、微細凸部1aの無い非加工部1bを備えたものとなっている。このため、フォームローラ1は、被加工物Wの円柱部Fの直径とほぼ同じ直径を有するものとなっている。
なお、加工時のフォームローラ1は、被加工物Wの円柱部Fの外周面に沿って転動すると共に、円柱部Fの軸線方向にも送られるので、円柱部Fの軸線回りの螺旋に沿って転動する。したがって、より正確には、フォームローラ1の外径は、図7に示すように、円柱部Fを1周加工する距離、すなわち幾何学的な寸法に加えてフォームローラ1と被加工物Wの間のすべり(軸方向の送り)を考慮した距離と同じになっている。
また、被加工物Wの非加工域Nが一箇所である場合、フォームローラ1の直径を円柱部Fの直径の整数倍にし、その倍数の非加工部1bを等間隔で設けることも可能である。しかし、フォームローラ1の直径を無駄に大きくするよりも、フォームローラ1の直径を円柱部Fの直径に合わせた構成にする方がより実用的である。
上記フォームローラ1の非加工部1bは、より好ましい実施形態として、とくに図1に示すように、軸線方向の長さLbが、微細凸部1aの軸線方向の長さLaよりも大きいものとしている。これにより、非加工部1bの表面積を大きくして、被加工物Wとの接触面積を大きくし、フォームローラのさらなる長寿命化や、被加工物Wに対する押付け速度のさらなる増大を図ることができる。
さらに、上記フォームローラ1の非加工部1bは、より望ましい実施形態として、フォームローラ1のそれ以外の部位よりも軟質の材料で形成する。これにより、加工時の衝撃を吸収して、フォームローラ1の寿命をさらなる長寿命化や、被加工物Wに対する押付け速度のさらなる増大を図ることができる。
さらに、加工装置は、上記の如く被加工物Wが非加工域Nを有するものであるから、これに対応する構成として、フォームローラ1の回転方向の初期位置を決定するローラ位置決め手段と、被加工物Wの回転方向の初期位置を決定するワーク位置決め手段14を備えている。これにより、微細凹部Dの加工のさらなる高精度化や自動化を実現する。
この実施形態におけるフォームローラ1のローラ位置決め手段は、フォームローラ1の回転位置を検出するローラ回転検出部15と、ローラ検出部15からの検出データに基づいてフォームローラ1を回転調整するローラ回転調整部16と、ローラ回転調整部16により所定位置に回転させたフォームローラ1を保持するローラ保持部17を備えており、これらを制御器Cで制御するようにしてある。
ローラ回転検出部15は、ロータリエンコーダであって、これにより簡単な装置構造で正確な回転検出を可能にしている。
ローラ回転検出部15は、より好ましい実施形態として、フォームローラ1の微細凸部1aが、ロータリエンコータの被検出部を兼用している構成にしても良い。
すなわち、ローラ回転検出部15は、図5に示すように、アーム2において、フォームローラ1の両側に、発光部15aと受光部15nを相対向させて配置し、微細凸部1aによる光の遮断(不受信)と、微細凸部1a同士の間を通過した光の受信とに基づいて、フォームローラ1の回転を検出し、これにより非加工部1bがどの位相にあるかを認識することができる。
また、ローラ回転検出部15は、図6に示すように、アーム2において、フォームローラ1の片側に、発光部15aと受光部15nを並列配置し、微細凸部1aの側面で反射した光の受信と、微細凸部1a同士の間による光の通過(不受信)とに基づいて、フォームローラ1の回転を検出し、これにより非加工部1bがどの位相にあるかを認識することができる。
このように、ローラ回転検出部15は、微細凸部1aをロータリエンコータの被検出部に用いれば、装置構造のさらなる簡略化や制作費の節減などを実現することができる。
ローラ回転調整部16は、主軸台7の上部に設けてあって、モータと、このモータを回転駆動源とする駆動輪等で構成してあり、回転自在に保持されているフォームローラ1の側面を駆動輪に接触させ、この状態で駆動輪を回転駆動することで、フォームローラ1を回転させるものである。
ローラ保持部17は、アーム2に設けてあって、モータと、このモータを進退駆動源とするブレーキパッド等で構成してあり、ブレーキパッドを前進させてフォームローラ1の側面に接触させることで、フォームローラ1の回転を阻止し、ブレーキパッドを後退させれば、フォームローラ1が回転自在になる。
また、ワーク位置決め手段14は、主軸台7に内蔵してあり、例えば、主軸台7のモータの回転検出を行う。ただし、被加工物Wは、ロボットや人為的な作業によって主軸台7及び心押し台8にセットされ、このときに初期位置が決定される。そこで、ワーク位置決め手段14は、例えば、非加工域Nが上部や側部となるように、予め被加工物Wの取付け姿勢を決めておき、その取付け姿勢を回転方向の初期位置として認識する。その後は、モータの回転を検出することで、被加工物Wの非加工域Nがどの位相にあるかを認識することができる。
制御器Cは、ローラ位置決め手段を構成するローラ回転検出部15、ローラ回転調整部16、及びローラ保持部17、並びにワーク位置決め手段14との間で信号の送受信を夫々行う。この制御器Cは、上記各部位の制御のほかに、主軸台7や、図示しない移動テーブル及び工具ヘッドの駆動制御を行うものであっても良い。
次に、上記構成を備えた微細凹部の加工装置の動作を説明する。
加工装置は、主軸台7及び心押し台8に、非加工域Nが上部となるように被加工物Wをセットし、これに対して、非加工部1bが下部となるようにフォームローラ1の回転方向の初期位置を決定する。すなわち、図4に示すように、ローラ回転調整部16によりフォームローラ1を回転させると共に、その回転をローラ回転検出部15で検出し、非加工部1bが下部に達したところで、ローラ回転調整部16の駆動を停止すると共に、ローラ保持部17でフォームローラ1の回転を一時的に規制する。
次に、加工装置は、図1に示すように、被加工物Wの円柱部Fの一端側にフォームローラ1を接触させると共に、フォームローラ1をさらに下降させる。この際、フォームローラ1の下降に伴って非加工物Wに対する圧接荷重が増していくので、その荷重を荷重測定手段5で検出し、検出値が予め設定した値に達したところでフォームローラ1の下降を停止する。その後、ローラ保持部17によるフォームローラ1の回転規制を解除する。
次に、加工装置は、被加工物Wを円柱部Fの軸線回りに回転させて、円柱部Fに圧接しているフォームローラ1を転動させる共に、図1中に矢印で示すように、フォームローラ1を円柱部Fの一端側から他端側へ向けて送ることにより、フォームローラ1を円柱部Fの軸線回りの螺旋に沿って転動させて微細凹部Dを形成する。
このとき、加工装置は、フォームローラ1の外周部に、被加工物(円柱部F)Wの外周面の一部である非加工域Nに対して、微細凸部の無い非加工部1bが設けてあり、非加工域Nには必ず非加工部1bが接触するので、図2に示すように、非加工域N以外の部分に微細凹部Dが形成される。
このように、当該加工装置は、外周面の一部に穴等の非加工域Nを有する被加工物Wに対して、非加工域Nを避けながら微細凹部Dを連続的に形成することができる。つまり、従来のようにフォームローラ1を一旦離間させたり、被加工物Wの回転速度を低く抑えたりする必要もなく、当然のことながら、非加工域Nによりフォームローラ1の微細凸部1aを破損するようなことも無い。したがって、微細凹部Dを短時間で効率良く形成することができ、生産性のさらなる向上や、フォームローラ1を含む工具のさらなる長寿命化などに貢献することができる。
図8及び図9は、本発明に係わる微細凹部の加工装置の他の実施形態を説明する図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図8に示す加工装置は、先の実施形態の装置(図3参照)に対して、ローラ位置決め手段が異なっている。この実施形態のローラ位置決め手段は、図9に示すように、フォームローラ1の偏心位置に設けたアンバランスウエイトB1である。このアンバランスウエイトB1は、非加工部1bの位相に合わせて設けてあるが、その位置がとくに限定されるものではない。
フォームローラ1は、回転自在に保持されているので、上記のアンバランスウエイトB1によって、非加工部1bが必ず下部になるように自然に回転し、これが回転方向の初期位置となる。この実施形態のローラ位置決め手段によれば、装置構造のさらなる簡略化や製造コストの節減を実現することができる。
図10は、本発明に係わる微細凹部の加工装置のさらに他の実施形態を説明する図である。
この実施形態の加工装置は、ローラ位置決め手段が、上記実施形態と同様のアンバランスウエイトBであると共に、アンバランスウエイトと180度異なる位置に、中心方向に弾性保持され且つ遠心力により反中心方向に移動するバランスウエイトB2を備えている。
バランスウエイトB2は、フォームローラ1に形成した長孔状の凹部(又は開口部)18に、フォームローラ1の半径方向に移動可能に収容され、アーム19が固定してあると共に、アーム19の両端部とフォームローラ1の側面との間に引張りコイルばね20,20が介装してある。これにより、バランスウエイトB2は、フォームローラ1の中心方向に弾性保持され、フォームローラ1の回転時において、その遠心力により反中心方向に移動するようになっている。
上記構成を備えたフォームローラ1は、常態においてはバランスウエイトB2が中心方向に付勢されているので、両ウエイトB1,B2によって、非加工部1bが必ず下部になるように自然に回転し、これが回転方向の初期位置となる。そして、加工時においては、フォームローラ1の回転に伴って、その遠心力によりバランスウエイトB2が半中心方向に移動し、加工中のバランスを確保する。
この実施形態のローラ位置決め手段によれば、装置構造の簡略化や製造コストの節減を図ることができるうえに、加工中においては、フォームローラ1の振動を防止して安定した回転を実現し、微細凹部Dを高精度に形成することができる。
図11は、本発明に係わる微細凹部の加工装置のさらに他の実施形態を説明する図である。
被加工物Wの非加工域Nは、先にも述べたように穴H及びその周囲である。これに対して、図示のフォームローラ1は、非加工部1bが、穴Hを閉塞する面積の平坦面を有するものとなっている。
これにより、フォームローラ1は、加工前において被加工物Wに接触させた段階で、非加工域N内の穴Hに対して非加工部1bが平面で接触することにより、回転が一時的に規制され、簡単な構成で初期の位置決めを行うことができる。なお、フォームローラ1の圧接負荷に比べて、非加工部1bによる回転規制の力は小さいので、被加工物Wを回転させればフォームローラ1の転動が開始されることとなる。
図12及び図13は、本発明に係わる微細凹部の加工装置のさらに他の実施形態を説明する図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図12に示す微細凹部の加工装置は、加工中において被加工物(円柱部F)Wの外周面に形成した微細凹部Dを測定する微細凹部測定手段21と、微細凹部測定手段21の測定データに基づいてフォームローラ1の軸線方向の移動速度を算出するフォームローラ演算手段を備えている。
微細凹部測定手段21には、例えば、微細凹部Dを撮像するCCDカメラとその画像処理装置を備えた非接触式の手段や、微細凹部Dに対する接触子を備えた接触式の手段などを採用することができる。また、フォームローラ演算手段には、図3において説明した制御器Cを用いることができる。
そして、加工装置は、フォームローラ演算手段である制御器Cの算出データに基づいてフォームローラ1の軸線方向の移動速度をフィードバック制御するものとなっている。なお、フォームローラ1の移動速度を制御することから、フォームローラ1の軸線方向の移動量も制御することができる。
当該加工装置は、先にも説明したように、被加工物Wを回転させると共に、この被加工物Wに圧接させたフォームローラ1を軸線方向に送るので、フォームローラ1は、螺旋に沿って転動することになる。
そこで、この実施形態の加工装置は、図13に示すように、被加工物Wに加工された直後の微細凹部Dを微細凹部測定手段21で測定し、軸線方向に隣接する微細凹部D同士のずれPと、円周方向に隣接する微細凹部D同士のずれδを測定する。


そして、制御器Cにおいて、上記の測定結果に基づいて各ずれP,δを修正するためのフォームローラ1の軸線方向の移動速度(及び移動量)を計算し、フォームローラ1の同移動速度(及び移動量)を補正する。
具体的には、円周方向に隣接する微細凹部D同士の間隔Lよりも、実際に加工した微細凹部D同士のずれ(間隔)δが大きい場合(δ>L)には、フォームローラ1の軸線方向の移動速度を大きくする。他方、円周方向に隣接する微細凹部D同士の間隔Lよりも、実際に加工した微細凹部D同士のずれ(間隔)δが小さい場合(δ<L)には、フォームローラ1の軸線方向の移動速度を小さくする。
当該加工装置は、上記した一連の動作を加工領域全体にわたって繰返すことで、微細凹部Dを高精度なパターンで形成することができる。
図14及び図15は、フォームローラの他の実施形態を説明する図である。図14に示すフォームローラ1は、その側面がテーパ状を成していて、外周部に微細凹部形成用の微細凸部1aを有すると共に、円周上の一部に厚肉部1cを有し、この厚肉部1cの外周部を非加工部1bとしている。
また、図15に示すフォームローラ1は、図14に示すものと基本的に同一構成であるが、非加工部1bの外周面及び厚肉部1cの側面に、微細な粒子を分散付着させたものとなっている。
図14及び図15に示すフォームローラ1にあっても、先の各実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。また、図15に示すフォームローラ1は、とくに非加工部1bの外周面に分散付着させた微細な粒子により、被加工物Wとの間の滑りを低減することができ、微細凹部D及びそのパターンを高精度に加工することができる。
なお、本発明の微細凹部の加工装置は、その構成の細部が上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成を適宜変更することが可能であり、また、上記各実施形態における構成を組み合わせることも当然可能である。
また、フォームローラは、各実施形態のように、外周部に一列の微細凸部を有するものだけでなく、複数列の微細凸部を有するものや、円周方向に連続した凸条型の微細凸部を有するものでも良い。
さらに、被加工物Wは、全体及び一部に円柱部を有し、円柱部の外周面を被加工面とするものであれば良い。具体的には、先述したように、各種摺動部材、潤滑油中で使用される摺動部材に適用可能であると共に、自動車用エンジンを構成するクランクシャフト、カムシャフト及びバランサシャフトにおけるジャーナルの外周面に微細凹部Dを形成するのにより好適である。
これにより、回転時の摺動抵抗が少なく且つ焼付き荷重が大きいクランクシャフト、カムシャフト及びバランサシャフトを提供することができ、自動車用エンジンの高性能化に貢献することができる。
本発明に係わる微細凹部の加工装置の一実施形態において、フォームローラ及び被加工物を説明する側面図(a)及び正面図(b)である。 微細凹部を形成した被加工物を説明する斜視図である。 微細凹部の加工装置の一実施形態を示す断面説明図である。 フォームローラの回転調整を行う状態を示す断面説明図である。 ローラ回転検出部の一例を説明する正面図(a)及び要部の拡大斜視図(b)である。 ローラ回転検出部の他の例を説明する正面図(a)及び要部の拡大斜視図(b)である。 被加工物の周長に対するフォームローラの軌跡を示す説明図である。 本発明に係わる微細凹部の加工装置の他の実施形態を示す断面説明図である。 図8に示すフォームローラの実施形態を示す側面図である。 図8の加工装置に適用されるフォームローラの他の実施形態を説明する側面図である。 本発明に係わる微細凹部の加工装置のさらに他の実施形態を示す要部の断面説明図である。 本発明に係わる微細凹部の加工装置のさらに他の実施形態を示す断面説明図である。 図12の加工装置による加工及び制御を示す説明図である。 フォームローラのさらに他の実施形態を示す拡大図付の斜視図である。 フォームローラのさらに他の実施形態を示す拡大図付の斜視図である。
符号の説明
1 フォームローラ
1a 微細凸部
1b 非加工部
14 ワーク位置決め手段
15 ローラ回転検出部(ローラ位置決め手段)
16 ローラ回転調整部(ローラ位置決め手段)
17 ローラ保持部(ローラ位置決め手段)
21 微細凹部測定手段
B1 アンバランスウエイト(ローラ位置決め手段)
B2 バランスウエイト
C 制御器(フォームローラ演算手段)
D 微細凹部
H 穴(非加工域)
N 非加工域
W 被加工物

Claims (13)

  1. 外周部に微細凸部を有し且つ回転自在に保持されたフォームローラを被加工物に圧接させ、被加工物を回転させると共に、フォームローラ及び被加工物を軸線方向に相対的に移動させることにより、フォームローラを転動させて被加工物の外周面に微細凹部を形成する装置において、
    フォームローラの外周部に、被加工物の外周面の一部である非加工域に対して、微細凸部の無い非加工部を設け
    フォームローラの回転方向の初期位置を決定するローラ位置決め手段を備えると共に、 前記ローラ位置決め手段が、偏心位置に設けたアンバランスウエイトであることを特徴とする微細凹部の加工装置。
  2. 被加工物の回転方向の初期位置を決定するワーク位置決め手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の微細凹部の加工装置。
  3. 加工中において被加工物の外周面に形成した微細凹部を測定する微細凹部測定手段と、微細凹部測定手段の測定データに基づいてフォームローラの軸線方向の移動速度を算出するフォームローラ演算手段を備え、フォームローラ演算手段の算出データに基づいてフォームローラの軸線方向の移動速度をフィードバック制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の微細凹部の加工装置。
  4. フォームローラの軸線方向において、微細凸部の長さよりも非加工部の長さが大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置。
  5. フォームローラにおいて、非加工部がそれ以外の部位よりも軟質の材料で形成してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置。
  6. フォームローラにおいて、非加工部の外周面に、微細な粒子が分散付着させてあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置。
  7. 被加工物の非加工域が穴及びその周囲であり、フォームローラの非加工部が、穴を閉塞する平坦面を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置。
  8. フォームローラが、アンバランスウエイトと180度異なる位置に、中心方向に弾性保持され且つ遠心力により反中心方向に移動するバランスウエイトを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置を用いて、摺動部の外周面に微細凹部を形成したことを特徴とする摺動部品。
  10. 潤滑剤中で使用することを特徴とする請求項9に記載の摺動部品。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置を用いて、摺動部の外周面に微細凹部を形成したことを特徴とするクランクシャフト。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置を用いて、摺動部の外周面に微細凹部を形成したことを特徴とするカムシャフト。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細凹部の加工装置を用いて、摺動部の外周面に微細凹部を形成したことを特徴とするバランサシャフト。
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