JP6308387B2 - 加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法 - Google Patents

加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6308387B2
JP6308387B2 JP2014092403A JP2014092403A JP6308387B2 JP 6308387 B2 JP6308387 B2 JP 6308387B2 JP 2014092403 A JP2014092403 A JP 2014092403A JP 2014092403 A JP2014092403 A JP 2014092403A JP 6308387 B2 JP6308387 B2 JP 6308387B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
fine
roller
workpiece
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014092403A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015208767A (ja
Inventor
▲高▼嶋 和彦
和彦 ▲高▼嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2014092403A priority Critical patent/JP6308387B2/ja
Publication of JP2015208767A publication Critical patent/JP2015208767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6308387B2 publication Critical patent/JP6308387B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gears, Cams (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

本発明は、自動車用エンジンを構成するカムシャフト等の摺動部材に対して、その摺動面にフリクション低減のための微細凹部(油溜まり)を形成するのに用いられる加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法に関するものである。
従来の加工ローラとしては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の加工ローラは、円盤状を成すローラ本体の外周面に微細凹凸を有し、この微細凹凸の凸部をワークに押し付けて微細凹部をワークの表面に形成するものである。そして、加工ローラは、ローラ本体の微細凹凸の凹部に、ローラ本体の素材よりも軟質の材料から成る緩衝体を配置した構成である。
上記構成を備えた加工ローラは、油孔などの貫通孔やキー溝などの凹部を有するワークの外周面に微細凹部を形成するに際して、その凹部に微細凹凸の凸部が落ち込んだとしても、緩衝体により微細凹凸にチッピングなどの不具合が生じるのを阻止し、工具の刃こぼれを防止して、長寿命化を実現するものである。
特許第4367194号公報
ところで、上記した従来の加工ローラは、ワークの凹部を起因とする微細凹凸のチッピングを阻止する点で優れた効果をもたらすのであるが、微細凹凸の各凹部に緩衝体を配置することから、単体の加工ローラに比べて製造コストを低減することが難しく、低コスト化を図るうえでのさらなる改善が要望されていた。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであり、円柱部を有するワークの前記円柱部に穴や溝等の空処部が形成されている場合において、空処部を起因とする微細凸部のチッピングなどの不具合を防止する機能を低コストで実現することができる加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法をを提供することを目的としている。
本発明に係わる加工ローラは、円盤状を成すローラ本体の外周面に、その円周方向にわたって所定間隔で微細凸部を有し、円柱部を有するワークの前記円柱部の外周面に微細凸部を圧接させて同外周面に微細凹部を形成するものである。この加工ローラは、ローラ本体の外周面に、前記微細凸部と、前記微細凸部の配列の少なくとも片側に配置され且つ円柱部の外周面に対する微細凸部の圧入量を維持するためのサポート部とを備えており、前記ワークが、円柱部に穴や溝等である空処部を有しており、前記サポート部が、円柱部の外周面に対する微細凸部の圧入量を維持すると共に、空処部に対する微細凸部の落ち込みを抑制することを特徴としている。なお、上記構成におけるワークは、部分的に円柱部を有するものや、全体が円柱部に相当するものであって、円柱部の外周面を被加工部としている。
本発明に係わる微細凹部加工装置は、上記の加工ローラを用いて、ワークの円柱部の外周面に微細凹部を形成する装置である。この微細凹部加工装置は、ワークを保持して円柱部の軸線回りに回転させるワーク保持手段と、ワーク保持手段に保持されたワークの円柱部の軸線に対して回転軸が平行になる向きで加工ローラを回転自在に保持するローラ保持手段とを備えている。そして、微細凹部加工装置は、ワーク保持手段に保持されたワークとローラ保持手段に保持された加工ローラとを相対的に近接離間させる進退方向駆動手段と、ワーク保持手段に保持されたワークとローラ保持手段に保持された加工ローラとを軸線方向に沿って相対的に移動させる軸線方向駆動手段とを備えたことを特徴としている。
本発明に係わる微細凹部の加工方法は、上記の微細凹部加工装置を用いて、円柱部に円形の空処部を有するワークの前記円柱部の外周面に微細凹部を形成する方法である。そして、加工方法は、空処部の中心線位置に加工ローラの微細凸部を合わせて加工を開始し、片側のサポート部側が進行方向となるようにワークと加工ローラとを軸線方向に沿って相対的に移動させながら微細凹部を形成することを特徴としている。
本発明に係わる加工ローラは、ローラ本体の外周面において、微細凸部と、円柱部の外周面に対する微細凸部の圧入量を維持すると共に、空処部に対する微細凸部の落ち込みを抑制するためのサポート部とを一体化した単体の構成となるので、複数の材料を使用するローラに比べて製造コストを低減し得る。
この加工ローラは、円柱部を有するワークの前記円柱部の外周面に微細凸部を圧接させて、同外周面に微細凹部を形成する。より具体的には、加工ローラは、回転自在に保持された状態にして、回転するワークの円柱部に圧接することで、連れ回りしながら円柱部の外周面に微細凹部を形成する。このとき、加工ローラは、円柱部の空処部を通過する際に、サポート部が円柱部の外周面に当接することによって、空処部に対する微細凸部の落ち込み量を小さく抑制し、微細凸部のチッピングなどの不具合を防止する。
このようにして、加工ローラは、円柱部を有するワークの前記円柱部に空処部が形成されている場合において、空処部を起因とする微細凸部のチッピングなどの不具合を防止する機能を低コストで実現することができ、長寿命化を図ることができる。
本発明に係わる微細凹部加工装置及び加工方法は、上記加工ローラを採用したことにより、円柱部の外周面を被加工面とするワークに対して、長期にわたって微細凹部を高精度に形成することができる。
本発明に係わる加工ローラ及び微細凹部加工装置の第1実施形態を示す断面説明図である。 ワークの円柱部を示す正面図(A)及び断面図(B)である。 加工ローラが空処部を通過する状態を説明する平面図及び各部の断面図である。 本発明に係わる加工ローラ及び微細凹部加工装置の第2実施形態を示す要部の各々正面図(A)(B)である。 本発明に係わる加工ローラ及び微細凹部加工装置の第3実施形態を示す要部の正面図である。 図4及び図5に示す加工ローラの要部を示す斜視断面図である。
〈第1実施形態〉
図1に示す加工ローラ1は、円盤状を成すローラ本体1Aの外周面に、その円周方向にわたって所定間隔で微細凸部1Bを有し、図2にも示すワークWの円柱部Cの外周面に微細凸部1Bを圧接させて、前記円柱部Cの外周面に油溜まりとして機能する微細凹部Qを形成するものである。
上記の加工ローラ1は、図1中の拡大図に示すように、ローラ本体1Aの先端部分の断面が台形状を成している。そして、加工ローラ1は、ローラ本体1Aの外周面に、微細凸部1Bと、微細凸部1Bの配列の少なくとも片側に配置され且つ円柱部Cの外周面に対する微細凸部1Bの圧入量を維持するためのサポート部1Cとを備えている。図示例の加工ローラ1は、外周面の中央に微細凸部1Bを有し、その両側にサポート部1C,1Cを有している。
上記の加工ローラ1におけるサポート部1Cは、ワークWの円柱部Cの外周面に対する微細凸部1Bの圧入量を維持すると共に、後記するワークWの空処部に対する微細凸部1Bの落ち込みを抑制するものである。より具体的には、サポート部1Cは、各微細凸部1Bの先端に外接する円の半径よりも微細凸部1Bの高さ分だけ小さい半径を有している。この加工ローラ1は、材料がとくに限定されるものではないが、例えば、超硬、超硬以外の硬質金属やアルミナ、窒化珪素等のセラミックスなどの材料を用いることができる。
図示例のワークWは、図2に示す如く断面円形のシャフトであって、その中間部分に、シャフト本体よりも大径の円柱部Cを有している。このワークWは、例えば、エンジン等の機械に用いる摺動部材であって、回転可能に保持されると共に、円柱部Cの外周面が他の構成部位に摺動接触する。このため、ワークWは、軸線上にオイルの流通路Pを有すると共に、円柱部Cに、流通路Pに連通する円形の油穴Hを有している。この実施形態では、油穴Hが、ワークWの円柱部Cにおける円形の空処部である。
図1に示す微細凹部加工装置(以下、『加工装置』とする。)は、上記の加工ローラ1を用いてワークWの円柱部Cの外周面に微細凹部を形成する装置であって、ワーク保持手段と、ローラ保持手段と、進退方向駆動手段と、軸線方向駆動手段を備えている。
ワーク保持手段は、ワークWを保持して円柱部Cの軸線回りに回転させるもので、図示例では、テーブル10上に配置した主軸台11及び心押し台12で構成されている。主軸台11は、図示しないモータを内蔵すると共に、そのモータにより回転駆動されるチャッキング装置13を備えており、チャッキング装置13でワークWの一端部を把持する。他方、心押し台12は、主軸台11に対して進退可能であると共に、チャッキング装置13と同軸上に配置したセンタシャフト14を備えており、センタシャフト14をワークWの他端部に係合させる。これにより、ワークWは、その軸線を水平にした状態で回転可能に保持される。
ローラ保持手段は、ワーク保持手段に保持されたワークWの円柱部Cの軸線に対して、回転軸が平行になる向きで加工ローラ1を回転自在に保持するもので、概略として、下端部に加工ローラ1を装着したローラホルダ15と、このローラホルダ15を上下方向(X方向)とワークWの軸線方向(水平方向・Y方向)に移動させる工具ヘッド16で構成されている。なお、工具ヘッド16は、直交する三軸方向にローラホルダ15を移動させるものでも良い。
ローラホルダ15は、軸線を垂直にした円筒形状のハウジング17と、ハウジング17の上端部に嵌合固定した閉塞部材18と、ハウジング17の他端部内側に嵌合固定した円筒形状のスライダ19を備えている。スライダ19内には、ロッド20が、その軸線方向に摺動自在に挿設されている。そして、ロッド20の下端部に、リテーナ21及び回転軸22を介して、加工ローラ1が回転自在に設けてある。
また、ハウジング17内において、ロッド20の上端部にはばね座23が固定してあり、このばね座23と閉塞部材18の間には、加工ローラ1に対してワークWへの圧接力を付与するためのコイルばね24が設けてある。さらに、コイルばね24の反ばね座側には、受圧部材25が設けてあり、この受圧部材25と閉塞部材18との間には、加工ローラ1に付与した圧接力を検知するための圧電型のロードセル26が設けてある。
進退方向駆動手段は、ワーク保持手段(11,12)に保持されたワークWとローラ保持手段(15,16)に保持された加工ローラ1とを相対的に近接離間させるもので、この実施形態では、ローラ保持手段を構成する工具ヘッド16である。すなわち、工具ヘッド16は、ローラホルダ15を昇降(X方向に上下動)させることにより、ワークWに対して加工ローラ1を進退させる。
軸線方向駆動手段は、ワーク保持手段(11,12)に保持されたワークWとローラ保持手段(15,16)に保持された加工ローラ1とを軸線方向に沿って相対的に移動させるもので、この実施形態では、ローラ保持手段及び進退方向駆動手段を構成する工具ヘッド16である。すなわち、工具ヘッド16は、ローラホルダ15を水平方向(Y方向)に往復動させることにより、ワークWの軸線方向に加工ローラ1を移動させる。
ここで、上記の加工装置は、例えば数値制御される工作機械を用いることができる。すなわち、主軸台11と、心押し台12と、工具が着脱可能な工具ヘッド16とを備えた工作機械を用いることが可能であり、ロードセル26の信号を工作機械の制御装置に入力するようにして、その入力信号を微細凹部形成時の動作制御に利用する。また、加工装置は、テーブル10を上下方向及び水平方向に移動可能にした構成としても良く、この場合には、テーブル10を進退方向駆動手段や軸線方向駆動手段として用いることができる。
上記構成を備えた加工装置は、ワーク保持手段(11,12)でワークWを保持した後、工具ヘッド16により加工ローラ1をワークWに向けて前進(下降)させる。そして、加工ローラ1ワークWの円柱部Cに当接した後には、ローラホルダ15においてコイルばね24を圧縮して加工ローラ1を円柱部Cに押し付けると共に、コイルばね24の圧縮に伴って発生した荷重をロードセル26で検知する。
そして、加工装置は、ロードセル26で検知した荷重が所定値になったところで、工具ヘッド16による加工ローラ1の前進を停止して、微細凹部の形成を開始する。すなわち、主軸台11によりワークWを軸線回りに定速回転させることにより、加工ローラ1を連れ回りさせると共に、工具ヘッド16で加工ローラ1をワークWの軸線方向(Y方向)に移動させることにより、円柱部Cの外周面に微細凹部Qを連続的に形成する。図2(A)に一部の微細凹部Qを示す。
ここで、この種の加工装置では、ワークWの円柱部Cに油穴(空処部)Hがある場合、その油穴Hの部分で加工ローラ1の微細凸部1Bが大きく落ち込み、その際、油穴Hの縁部に当たった微細凸部1Bにチッピングなどの不具合が生じる虞がある。
これに対して、上記の加工ローラ1は、油穴Hを通過する際に、サポート部1Cが円柱部Cの外周面に当接することによって、油穴Hに対する微細凸部1Bの落ち込み量を小さく抑制し、微細凸部1Bのチッピングなどの不具合を防止する。
すなわち、図3に示すように、油穴Hの中心を微細凸部1Bが通過(太点線)する場合において、微細凸部1Bからサポート部1Cの端部までの長さをL1、各微細凸部1Bの先端に外接する円の半径をR1、サポート部1Cの半径をR2とすると、サポート部1Cの端部は、油穴Hの中心線から長さL1分だけ離れた位置を通過(細点線)する。このとき、油穴Hは円形であるから、その中心線を通る通過距離L2は最大となり、長さL1分だけ離れたサポート部1Cの端部の通過距離L3は、それ以下(L2>L3)である。また、微細凸部1Bの部分での落ち込み量D1も最大となるが、サポート部1Cの端部の落ち込み量D2は、それよりも小さく(D1>D2)なり、サポート部1Cの幅や油穴Hの大きさによっては落ち込み量が実質的に零になる。これにより、微細凸部1Bの落ち込み量はD1以上にはならない。
上記の加工ローラ1は、ローラ本体1Aの外周面において、微細凸部1Bとサポート部と1Cを一体化した単体の構成となるので、複数の材料を使用するローラに比べて製造コストを低減し得るものである。
このように、加工ローラ1は、円柱部Cを有するワークWの前記円柱部Cに油穴(空処部)Hが形成されている場合において、油穴(空処部)Hを起因とする微細凸部1Bのチッピングなどの不具合を防止する機能を低コストで実現することができ、長寿命化を図ることができる。また、上記の加工ローラ1を用いた微細凹部加工装置は、円柱部Cの外周面を被加工面とするワークWに対して、長期にわたって微細凹部Qを高精度に形成することができる。
図4〜図6は、本発明の加工ローラ及び微細凹部加工装置の第2及び第3の実施形態を説明する図である。なお、以下の実施形態において、先の第1実施形態と同等の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
〈第2実施形態〉
図4に示す加工ローラ51は、ローラ本体51Aの外周面において、微細凸部51Bの配列の片側のみにサポート部51Cを備えている。この場合、加工ローラ51は、ローラホルダ(図1中符号15)において、図6に示すように、板状のリテーナ21に回転軸22を介して装着してある。図示例のリテーナ21は、その下端部に、加工ローラ51の厚さに相当する段差部21Aを有し、この段差部21Aに回転軸22を介して加工ローラ51を装着している。また、回転軸22と加工ローラ51との間には、ラジアルベアリング31が介装してあり、リテーナ21と加工ローラ51との間には、スラストベアリング32が介装してある。
これにより、ローラホルダは、リテーナ21の下端部に加工ローラ51をコンパクトに収容したものとなり、加工ローラ51の部分を薄型化して、以下に述べるように、ワークWの狭い部分に微細凹部を形成する場合に好適なものとなる。
すなわち、図4に示すワークは、クランクシャフトCSであって、円柱部としてのジャーナル部Jの外周面に微細凹部Qを形成する。ここで、クランクシャフトCSは、ジャーナル部Jの両側にクランクKがあって、その間が狭い空間となっており、また、ジャーナル部Jの中央に円形の油穴Hが形成されている。
上記のクランクシャフトCSに対しては、次に述べる加工方法によって微細凹部Qを形成する。すなわち、微細凹部の加工方法は、円柱部(ジャーナル部J)に円形の空処部(油穴H)を有するワーク(クランクシャフトCS)の前記円柱部(ジャーナル部Jの外周面に微細凹部を形成するものである。そして、加工方法は、図4(A)に示すように、油穴Hの中心線位置に加工ローラ51の微細凸部1Bを合わせて加工を開始し、片側のサポート部1C側が進行方向(矢印で示す)となるように、ワーク(クランクシャフトCS)と加工ローラ51とを軸線方向に沿って相対的に移動させながら微細凹部Qを形成する。
この際、加工の開始は、油穴Hの中心線上でも良いが、油穴Hの中心線位置すなわち中心線を延長した線上であれば良い。なお、この実施形態では、クランクシャフトCSに対して、加工ローラ51を軸線方向に移動させている。これにより、ジャーナル部Jの外周面の片側半分の領域に微細凹部Qが形成される。
次に、加工方法では、図4(B)に示すように、ローラホルダとともに加工ローラ51を縦軸回りに180度回動させた後、油穴Hの中心線位置に加工ローラ51の微細凸部51Bを合わせて加工を開始し、片側のサポート部51C側が進行方向(矢印で示す)となるように、加工ローラ51を軸線方向に移動させながら微細凹部Qを形成する。この際、加工ローラ51の進行方向は、最初の加工とは逆方向である。これにより、ジャーナル部Jの外周面の残り半分の領域に微細凹部Qが形成される。
上記の加工ローラ51によれば、微細凸部51Bの片側のみにサポート部51Cを有するので、その分、構造が簡単で且つ薄型化されたものとなり、製造コストのさらなる低減や、クランクシャフトのジャーナル部Jのような狭い部分に微細凹部を形成することが可能となる。
また、上記の加工方法によれば、油穴(空処部)Hの中心線位置に加工ローラ51の微細凸部51Bを合わせて加工を開始し、片側のサポート部1C側が進行方向となるように加工を進めるので、最初の段階で、油穴Hへの微細凸部51Bの落ち込み量が小さく抑制され、加工開始後は、落ち込み量が次第に減少して油穴Hの領域から外れるので、微細凸部51Bのチッピングなどの不具合を防止することができ、長期にわたって微細凹部Qを高精度に形成することができる。
〈第3実施形態〉
図5に示す加工ローラ51は、図4及び図6に示すものと同様の基本構造を有するものであって、第2実施形態と同様に、ワークがクランクシャフトCSであり、円形の油穴(空処部)Hを有するジャーナル部(円柱部)Jの外周面に微細凹部Qを形成する。
この実施形態では、クランクシャフトCSの上下若しくは水平方向の左右に、加工ローラ51及びローラホルダ15を夫々配置している。このとき、両加工ローラ51,51は、夫々のサポート部51Cが互いに逆向きになる姿勢で配置される。
そして、微細凹部の加工方法は、両加工ローラ51,51において、油穴Hの中心線位置に微細凸部51Bを合わせて加工を開始し、片側のサポート部51C側が進行方向(矢印で示す)となるように、クランクシャフトCSと加工ローラ51とを軸線方向に沿って相対的に移動させながら微細凹部Qを形成する。
この実施形態では、クランクシャフトCSに対して、両加工ローラ51,51を軸線方向に移動させており、この際、両加工ローラ51,51の進行方向は互いに逆方向である。これにより、一方の加工ローラ51により、ジャーナル部Jの外周面の片側半分の領域に微細凹部Qが形成され、他方の加工ローラ51により、ジャーナル部Jの外周面の残り半分の領域に微細凹部Qが形成される。
上記の加工ローラ51及び加工方法によっても、先の第2実施形態と同様に、加工ローラ51の構造が簡単で且つ薄型化されたものとなり、製造コストのさらなる低減や、クランクシャフトのジャーナル部Jのような狭い部分に微細凹部Qを形成することが可能となる。また、微細凸部1Bのチッピングなどの不具合を防止することができ、長期にわたって微細凹部Qを高精度に形成することができる。
本発明に係る加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法において、対象となるワークは、上記のクランクシャフトCSのほか、バランサシャフトやカムシャフトのような各種摺動部材が挙げられる。クランクシャフトCSでは、円柱部としてのクランクジャーナル部J及びクランクピンの少なくとも一方の外周面に微細凹部Qが形成される。バランサシャフトでは、円柱部としてのジャーナル部の外周面に微細凹部Qが形成される。カムシャフトでは、円柱部としてのカムジャーナル部及びカムロブの少なくとも一方の外周面に微細凹部Qが形成される。これらの摺動部材は、その円柱部に微細凹部Qが高精度に形成されたものとなり、円柱部におけるフリクションの低減を実現すると共に、エンジンの高効率化に貢献し得るものとなる。
なお、本発明の加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法は、その構成が上記各実施例に限定されるものではなく、構成の細部を適宜変更することができ、対象となるワークにあっても、上記したエンジン用部品の他、円柱部を有する各種の摺動部材に対する微細凹部の形成に用いることが可能である。また、本発明の加工ローラは、当然のことながら、穴や溝等の空処部が無いワークに対しても適用可能である。
1,51 加工ローラ
1A,51A ローラ本体
1B,51B 微細凸部
1C,51C サポート部
11 主軸台(ワーク保持手段)
12 心押し台(ワーク保持手段)
15 ローラホルダ(ローラ保持手段)
16 工具ヘッド(ローラ保持手段・進退方向駆動手段・軸線方向駆動手段)
C 円柱部
CK クランクシャフト(ワーク)
H 油穴(空処部)
J ジャーナル部(円柱部)
Q 微細凹部
W ワーク

Claims (6)

  1. 円盤状を成すローラ本体の外周面に、その円周方向にわたって所定間隔で微細凸部を有し、円柱部を有するワークの前記円柱部の外周面に微細凸部を圧接させて同外周面に微細凹部を形成する加工ローラであって、
    ローラ本体の外周面に、前記微細凸部と、前記微細凸部の配列の少なくとも片側に配置され且つ円柱部の外周面に対する微細凸部の圧入量を維持するためのサポート部とを備えており、
    前記ワークが、円柱部に穴や溝等である空処部を有しており、
    前記サポート部が、円柱部の外周面に対する微細凸部の圧入量を維持すると共に、空処部に対する微細凸部の落ち込みを抑制することを特徴とする加工ローラ。
  2. サポート部が、各微細凸部の先端に外接する円の半径よりも微細凸部の高さ分だけ小さい半径を有していることを特徴とする請求項1に記載の加工ローラ。
  3. 請求項1又は2に記載の加工ローラを用いて、ワークの円柱部の外周面に微細凹部を形成する装置であって、
    ワークを保持して円柱部の軸線回りに回転させるワーク保持手段と、
    ワーク保持手段に保持されたワークの円柱部の軸線に対して回転軸が平行になる向きで加工ローラを回転自在に保持するローラ保持手段と、
    ワーク保持手段に保持されたワークとローラ保持手段に保持された加工ローラとを相対的に近接離間させる進退方向駆動手段と、
    ワーク保持手段に保持されたワークとローラ保持手段に保持された加工ローラとを軸線方向に沿って相対的に移動させる軸線方向駆動手段とを備えたことを特徴とする微細凹部加工装置。
  4. 加工ローラが、微細凸部の配列の片側のみにサポート部を備えていることを特徴とする請求項に記載の微細凹部加工装置。
  5. 請求項3又は4に記載の微細凹部加工装置を用いて、円柱部に円形の空処部を有するワークの前記円柱部の外周面に微細凹部を形成するに際し、
    空処部の中心線位置に加工ローラの微細凸部を合わせて加工を開始し、片側のサポート部側が進行方向となるようにワークと加工ローラとを軸線方向に沿って相対的に移動させながら微細凹部を形成することを特徴とする微細凹部の加工方法。
  6. 前記ワークが、前記円柱部としてのクランクジャーナル部と、前記空処部としての油穴とを有するクランクシャフトであることを特徴とする請求項5に記載の微細凹部の加工方法
JP2014092403A 2014-04-28 2014-04-28 加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法 Expired - Fee Related JP6308387B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014092403A JP6308387B2 (ja) 2014-04-28 2014-04-28 加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014092403A JP6308387B2 (ja) 2014-04-28 2014-04-28 加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015208767A JP2015208767A (ja) 2015-11-24
JP6308387B2 true JP6308387B2 (ja) 2018-04-11

Family

ID=54611434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014092403A Expired - Fee Related JP6308387B2 (ja) 2014-04-28 2014-04-28 加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6308387B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1882956A (en) * 1929-08-22 1932-10-18 Johnson Bronze Co Bearing
GB1318631A (en) * 1970-06-22 1973-05-31 Le I Tochnoj Mekhaniki Optiki Method of making grooves on surfaces of an article apparatus therefor and article made by said method
JP2005103572A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Hitachi Ltd ロッド溝加工方法および転造ローラ
JP4918960B2 (ja) * 2003-11-19 2012-04-18 日産自動車株式会社 略円柱状部材のマイクロロールフォーミング装置
JP4367194B2 (ja) * 2004-03-25 2009-11-18 日産自動車株式会社 加工ローラ及びその製造方法
JP5055866B2 (ja) * 2006-07-19 2012-10-24 日産自動車株式会社 微細凹部加工装置
JP5322020B2 (ja) * 2008-02-25 2013-10-23 日産自動車株式会社 微細凹部の加工装置
JP5844568B2 (ja) * 2011-07-28 2016-01-20 日立オートモティブシステムズ株式会社 棒状部材の溝加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015208767A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7862404B2 (en) Micro-concave portion machining method
JP4918960B2 (ja) 略円柱状部材のマイクロロールフォーミング装置
JP2011088243A (ja) 複合加工工具および加工方法
JP6308387B2 (ja) 加工ローラ、微細凹部加工装置及び加工方法
JP5943851B2 (ja) 軸状部材の研磨用保持装置及びこの保持装置を用いた研磨装置
JP4812489B2 (ja) ころ軸受軌道輪の超仕上げ加工装置
JPWO2006104130A1 (ja) 超仕上砥石及びそれを用いた超仕上加工方法
JP4389554B2 (ja) 超仕上げ装置
JP6365936B2 (ja) 微細凹部加工用ローラ及び微細凹部加工方法
JP6749806B2 (ja) 精密孔仕上装置
JP4678219B2 (ja) 微細凹部加工装置
JP2008142853A (ja) 超仕上方法及び超仕上盤
JPH054163A (ja) 有底穴加工用ホーニングヘツド
JP2008126303A (ja) 微細凹部加工装置及び加工方法
JP4973904B2 (ja) 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
JP5051499B2 (ja) 微細凹部加工装置
JP2006263762A (ja) 微細凹部加工装置
JP6528722B2 (ja) ホーニング加工具
JP4513438B2 (ja) 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法
JP5545254B2 (ja) バニシングツール
JP2006326669A (ja) 微細凹部加工装置
JP2006297467A (ja) 微細凹部加工装置
JP3687654B2 (ja) ラッピング加工装置およびラッピング加工方法
JP2024073241A (ja) 逃げ部加工装置、逃げ部加工方法、および軸受用外輪製造方法
JP2006289457A (ja) 微細凹部加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180228

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6308387

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees