JPH08155829A - ホーニング加工方法及び同方法に使用するホーニングヘッド - Google Patents

ホーニング加工方法及び同方法に使用するホーニングヘッド

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JPH08155829A
JPH08155829A JP29981094A JP29981094A JPH08155829A JP H08155829 A JPH08155829 A JP H08155829A JP 29981094 A JP29981094 A JP 29981094A JP 29981094 A JP29981094 A JP 29981094A JP H08155829 A JPH08155829 A JP H08155829A
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JP
Japan
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guide member
honing
grindstone
head
peripheral surface
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JP29981094A
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English (en)
Inventor
Masahiko Katsu
雅彦 勝
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工穴の内径をより高精度に検出するため
に、エアーマイクロメータにおける測定部としてのエア
ーノズルを備えたガイド部材を、径方向へ微動可能に備
えたホーニングヘッドを提供することである。 【構成】 本発明のホーニングヘッドは、円筒形状のヘ
ッド本体3に、外側部に砥石7A,7Bを備えた砥石シ
ュー9A,9Bを放射方向へ移動可能に設け、上記各砥
石シュー9A,9Bを押圧し拡開するための拡開用テー
パ部17を備えたロッド15を、前記ヘッド本体3内に
軸方向へ移動可能に設け、前記ヘッド本体3に設けた複
数のガイド部材11のうちの適数のガイド部材11に、
加工穴Hの内周面HFへ向けてエアーを噴出してガイド
部材表面11Fと内周面HFとの間の間隙を測定するた
めのエアーマイクロメータの測定部としてのエアーノズ
ル13を設け、このエアーノズル13を備えたガイド部
材11を、ヘッド本体3の径方向へ微動可能かつ所定位
置に位置決め可能に設けてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加工物に設けた加工
穴をホーニング加工する方法及び同加工方法に使用する
ホーニングヘッドに係り、さらに詳細には、加工穴の内
径をより高精度に検出するために、エアーマイクロメー
タにおける測定部としてのエアーノズルを備えたガイド
部材を、ホーニングヘッドの径方向へ微動し測定基準位
置を変更してホーニング加工を行う加工方法及びガイド
部材を径方向へ微動可能に備えたホーニングヘッドに関
する。
【0002】
【従来の技術】被加工物(ワーク)Wに設けた加工穴H
のホーニング加工を行う従来のホーニングヘッド1は、
図4に概略的に示すように構成してある。
【0003】すなわちホーニングヘッド1は、ホーニン
グ盤(図示省略)に備えたスピンドル2への取付部とし
てのシャンク3Sを上端部に備えた円筒形状のヘッド本
体3を備えている。このヘッド本体3の周方向には複数
のスリット5が適宜間隔に設けてあり、各スリット5内
には、外側部に砥石7を備えた砥石シュー9が放射方向
(径方向)へ移動可能に設けてある。
【0004】なお、各砥石シュー9は、適宜に設けたリ
ング状のスプリング10の作用によって常に放射内方向
へ付勢されているものである。
【0005】また前記ヘッド本体3の外周面には、超硬
ガイドよりなる複数のガイド部材11が適宜間隔に設け
てあり、適数のガイド部材11には、ガイド部材11の
表面11Fと加工穴Hの内周面HFとの間隙(クリアラ
ンス)Lを測定するためのエアーマイクロメータの測定
部としてのエアーノズル13が設けてある。
【0006】前記ヘッド本体3内には、ヘッド本体3の
軸方向へ移動可能のロッド15が内装してあり、このロ
ッド15には、前記各砥石シュー9を放射外方向へ押圧
し拡開するための拡開用テーパ部17が設けてある。
【0007】また、ロッド15の上端部はヘッド本体3
のシャンク3S内に突出しており、このロッド15に取
付けたフランジ部19とシャンク3Sとの間に弾装した
スプリング21の作用によって、ロッド15は常に上方
向へ付勢保持されている。
【0008】以上のごとき構成において、ヘッド本体3
のシャンク3Sをホーニング盤のスピンドル2に装着し
た後、ホーニングヘッド1をワークWの加工穴H内に挿
入し、前記スピンドル2を回転すると共に上下動し、か
つホーニング盤に備えた油圧シリンダ(図示省略)にお
いて上下動自在なピストンロッド23によって前記ロッ
ド15を下降せしめることにより、各砥石シュー9は拡
開用テーパ部17の作用によりスプリング10に抗して
放射外方向へ移動される。
【0009】上述のごとく各砥石シュー9が放射外方向
へ移動されて拡開されることにより、各砥石シュー9に
備えた砥石7が加工穴Hの内周面HFへ圧接され、加工
穴Hのホーニング加工が行われるものである。
【0010】上述のごとく砥石7を加工穴Hの内周面H
Fへ圧接してホーニング加工を行い、加工穴Hの内径を
測定するときは、ガイド部材11に設けたエアーノズル
13から内周面HFへ向けてエアーを噴出し、前記ガイ
ド部材11の表面11Fと加工穴Hの内周面HFとの間
の間隙Lの変化に対応してのエアー圧の変化をエアーマ
イクロメータにより検出して、前記間隙Lを検出するこ
とによって加工穴Hの内径を検出するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述したごとき従来の
ホーニングヘッド1においては、ガイド部材11はヘッ
ド本体3に固定してあるから、ガイド部材11の表面1
1Fはホーニングヘッド1の軸心から常に一定の位置に
位置している。
【0012】一方、ワークWの加工穴Hの径は、荒加工
時の径よりも仕上加工時の径の方が大径となるので、ホ
ーニング加工が進むに従ってガイド部材11の表面11
Fと加工穴Hの内周面HFとの間隙は次第に大きくな
る。
【0013】ところで、エアーマイクロメータにおける
測定部としてのエアーノズル13と加工穴Hの内周面H
Fとの間隙Lの寸法とエアー圧との関係は、図5に示す
ごとき関係にある。すなわち、間隙寸法が大きくなると
エアー圧が小さくなり、かつ間隙寸法の変化に対してエ
アー圧の変化率が小さくなる。逆に、間隙寸法が小さい
ときにはエアー圧が大きく、間隙寸法の変化に対してエ
アー圧の変化率が大きいものである。
【0014】エアーマイクロメータにおけるエアー圧は
上述のごとき特性であるから、従来は、間隙寸法が小さ
くエアー圧の変化率の大きい特性を示す部分で荒加工を
行い、間隙寸法が大きくなった状態において仕上加工を
行うものであるから、仕上加工時におけるエアー圧の変
化率は小さく、測定精度は荒加工時よりも低いものであ
り、仕上加工精度向上を図る上において問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は前述のごとき従
来の問題に鑑みてなされたもので、第1項に記載の本発
明の方法は、被加工物に設けた加工穴を、ホーニングヘ
ッドに備えた砥石によって荒加工及び仕上加工するに当
り、上記ホーニングヘッドに設けたガイド部材に、当該
ガイド部材表面と前記加工穴内周面との間隙を測定する
エアーマイクロメータの測定部としてのエアーノズルを
設け、このガイド部材を、加工穴内周面の荒加工時の第
1位置と仕上加工時の第2位置とに微動位置決めし、前
記ガイド部材を上記第2位置に位置決めしたときを基準
位置として加工穴の内径を測定し仕上加工を行うホーニ
ング加工方法である。
【0016】第2項に記載の発明は、ガイド部材を第1
位置及び第2位置に位置決めする毎に、マスタリング内
にホーニングヘッドを位置決めしてマスタリング内周面
とガイド部材表面との間の間隙寸法を測定し、前記第
1,第2位置にガイド部材を位置決めしたときにおける
ガイド部材表面の位置を予め測定する定寸マスタ合せを
行うホーニング加工方法である。
【0017】第3項に記載の発明に係るホーニングヘッ
ドは、ホーニングヘッドにおける円筒形状のヘッド本体
の周方向に適宜間隔に設けた複数のスリット内に、外側
部に砥石を備えた砥石シューを放射方向へ移動可能に設
け、上記各砥石シューを放射外方向へ押圧し拡開するた
めの拡開用テーパ部を備えたロッドを、前記ヘッド本体
内にヘッド本体の軸方向へ移動可能に配置して設け、前
記ヘッド本体の周方向に適宜間隔に配置して設けた複数
のガイド部材のうちの適数のガイド部材に、被加工物に
おける加工穴の内周面へ向けてエアーを噴出してガイド
部材表面と加工穴の内周面との間の間隙を測定するため
のエアーマイクロメータの測定部としてのエアーノズル
を設け、このエアーノズルを備えたガイド部材を、ヘッ
ド本体の径方向へ微動可能かつ所定位置に位置決め可能
に設けてなるものである。
【0018】第4項に記載の発明において、複数の砥石
シューには、荒加工用砥石を取付けた第1砥石シューと
仕上加工用砥石を取付けた第2砥石シューとがあり、上
記第2砥石シューを外方向へ押圧し拡開するための拡開
用テーパ部に、エアーノズルを備えたガイド部材をヘッ
ド本体の径方向の第1,第2位置へ位置決めする第1,
第2の位置決め部を設けた構成である。
【0019】
【作用】第1項に記載の本発明の方法は、被加工物に設
けた加工穴を、ホーニングヘッドに備えた砥石によって
荒加工及び仕上加工するに当り、上記ホーニングヘッド
に設けたガイド部材に、当該ガイド部材表面と前記加工
穴内周面との間隙を測定するエアーマイクロメータの測
定部としてのエアーノズルを設け、このガイド部材を、
加工穴内周面の荒加工時の第1位置と仕上加工時の第2
位置とに微動位置決めし、前記ガイド部材を上記第2位
置に位置決めしたときを基準位置として加工穴の内径を
測定し仕上加工を行うホーニング加工方法である。
【0020】すなわち、本発明においては、ホーニング
ヘッドをワークの加工穴内に挿入してホーニング加工を
行うに際し、荒加工を行うときには、エアーノズルを備
えたガイド部材は荒加工に対応した第1位置に位置決め
し、仕上加工時には仕上加工に対応した第2位置に位置
決めして、ガイド部材表面と加工穴内周面との間の間隙
寸法を測定するものである。
【0021】したがって本発明によれば、荒加工時及び
仕上加工時においても、前記間隙寸法を小さくし、エア
ー圧の変化率を大きく維持して間隙寸法の測定を行うこ
とができ、仕上加工精度の向上を図ることができるもの
である。
【0022】第2項に記載の発明は、ガイド部材を第1
位置及び第2位置に位置決めする毎に、マスタリング内
にホーニングヘッドを位置決めしてマスタリング内周面
とガイド部材表面との間の間隙寸法を測定し、前記第
1,第2位置にガイド部材を位置決めしたときにおける
ガイド部材表面の位置を予め測定する定寸マスタ合せを
行うものであるから、第1,第2位置にガイド部材を位
置決めしたとき、微小な加工粉の介在や熱膨脹等によっ
て誤差が介在する虞れがある場合であっても、上記誤差
を補正した態様となり、ガイド部材を相対的に移動する
構成であっても何等の問題なく高精度の測定を行うこと
ができるものである。
【0023】第3項に記載の発明に係るホーニングヘッ
ドは、ホーニングヘッドにおける円筒形状のヘッド本体
の周方向に適宜間隔に設けた複数のスリット内に、外側
部に砥石を備えた砥石シューを放射方向へ移動可能に設
け、上記各砥石シューを放射外方向へ押圧し拡開するた
めの拡開用テーパ部を備えたロッドを、前記ヘッド本体
内にヘッド本体の軸方向へ移動可能に配置して設け、前
記ヘッド本体の周方向に適宜間隔に配置して設けた複数
のガイド部材のうちの適数のガイド部材に、被加工物に
おける加工穴の内周面へ向けてエアーを噴出してガイド
部材表面と加工穴の内周面との間の間隙を測定するため
のエアーマイクロメータの測定部としてのエアーノズル
を設け、このエアーノズルを備えたガイド部材を、ヘッ
ド本体の径方向へ微動可能かつ所定位置に位置決め可能
に設けてなる構成である。
【0024】上記構成により、ホーニングヘッドをワー
クの加工穴内へ挿入し、ロッドに備えた拡開用テーパ部
によって砥石シューを放射外方向へ移動して砥石を加工
穴の内周面に圧接した後、ホーニングヘッドを回転する
と共に軸方向に往復動することにより、加工穴のホーニ
ング加工を行うことができる。
【0025】上述のごとくホーニング加工を行うことに
より、ガイド部材表面と加工穴内周面との間隙寸法が大
きくなったときには、エアーノズルを備えたガイド部材
を放射外方向へ微動して所定位置に位置決めすると、上
記間隙寸法が小さくなるので、エアーマイクロメータの
特性の良い領域を利用して間隙寸法を測定することがで
き、仕上加工時の測定精度の向上を図ることができる。
【0026】第4項に記載の発明において、複数の砥石
シューには、荒加工用砥石を取付けた第1砥石シューと
仕上加工用砥石を取付けた第2砥石シューとがあり、上
記第2砥石シューを外方向へ押圧し拡開するための拡開
用テーパ部に、エアーノズルを備えたガイド部材をヘッ
ド本体の径方向の第1,第2位置へ位置決めする第1,
第2の位置決め部を設けた構成である。
【0027】上記構成により、仕上加工用砥石を備えた
第2砥石シューを放射外方向へ拡開すべく拡開用テーパ
部でもって第2砥石シューを押圧すると、エアーノズル
を備えたガイド部材は、第1の位置から第2の位置へ移
動位置決めされる。
【0028】したがって、仕上加工を行う際には、エア
ーノズルを備えたガイド部材が外方向へ微動され、当該
ガイド部材表面と加工穴内周面との間の間隙寸法が小さ
くなり、エアーマイクロメータの測定精度の良い領域で
もって上記間隙寸法を測定することとなり、仕上加工精
度の向上を図ることができるものである。
【0029】
【実施例】以下図面を用いて実施例について詳細に説明
するに、前述した従来のホーニングヘッド1の構成と同
一機能を奏する構成部分には同一符号を付することとし
て、重複した説明は省略する。
【0030】図1,図2を参照するに、ホーニングヘッ
ド1のヘッド本体3には複数のスリット5が周方向に適
宜間隔に設けてあり、各スリット5内には、荒加工用砥
石7Aを備えた第1砥石シュー9A及び仕上加工用砥石
7Bを備えた第2砥石シュー9Bが放射方向(径方向)
へ移動可能に設けてある。
【0031】さらにヘッド本体3の外周面には、ホーニ
ングヘッド1をワークWの加工穴Hに案内するガイド部
材11が設けてあり、エアーマイクロメータにおける測
定部としてのエアーノズル13を備えたガイド部材11
は、ヘッド本体3の径方向(放射方向)へ微動可能かつ
所定位置に位置決め可能に設けてある。
【0032】すなわち可動のガイド部材11はヘッド本
体3に設けた前記スリット5内に径方向に移動可能に設
けてあり、かつ第1,第2の砥石シュー9A,9Bと同
様に、スプリング等によって放射内方向へ付勢されてい
る。
【0033】前記ヘッド本体3内に移動自在に備えたロ
ッド15には第2砥石シュー9Bを放射外方向へ押圧拡
開する拡開テーパ部17が設けてある。さらに、上記拡
開テーパ部17には、エアーノズル13を備えた可動の
ガイド部材11をヘッド本体3の径方向の第1,第2の
位置へ微動し位置決めする第1,第2の位置決め部17
A,17Bが軸方向に離隔し、径方向に段差を保持して
設けてあり、上記第1,第2の位置決め部17A,17
Bは傾斜面17Cによって接続してある。
【0034】前記第1,第2の位置決め部17A,17
Bは、本実施例においてはロッド15の軸心と平行に形
成してあり、かつ可動のガイド部材11が上記第1,第
2の位置決め部17A,17Bに接触する部分は面接触
するように構成されている。
【0035】前記荒加工用砥石7Aを備えた第1砥石シ
ュー9Aを放射外方向へ微動するために、前記ロッド1
5内には第2のロッド15Aが軸方向へ移動可能に設け
てあり、この第2ロッド15Aには、第1砥石シュー9
Aを放射外方向へ微動し拡開するための拡開用テーパ部
15Bが設けてある。なお、図2より理解されるよう
に、ロッド15の拡開用テーパ17には、第1砥石シュ
ー9Aの背部が進入自在のスリット17Sが形成してあ
る。
【0036】なお、前記ロッド15,15Aは、ホーニ
ング盤に備えた二重構造の油圧シリンダに備えた二重の
ピストンロッドによって個別に押し下げられるものであ
る。
【0037】以上のごとき構成において、ホーニングヘ
ッド1におけるヘッド本体3のシャンク3Sを、ホーニ
ング盤におけるスピンドルに装着し、ホーニングヘッド
1をワークWの加工穴H内へ挿入し、かつ前記ホーニン
グヘッド1を回転すると共に上下動して加工穴Hのホー
ニング加工を行うものである。
【0038】加工穴Hのホーニング加工を行うとき、先
ず、第2ロッド15Aを下降せしめると、第2ロッド1
5Aに備えた拡開用テーパ部15Bによって第1砥石シ
ュー9Aが放射外方向へ微動され、第1砥石シュー9A
に備えた荒加工用砥石7AがワークWの加工穴Hの内周
面HFに当接される。
【0039】すなわち、この場合は、荒加工用砥石7A
によってホーニング加工が行われる。
【0040】上述のごとく荒加工用砥石7Aによってホ
ーニング加工を行うときは、ロッド15は上下動される
ことなく定位置に位置するので、エアーノズル13を備
えた可動ガイド部材11の背部は拡開用テーパ部17の
第1位置決め部17Aに当接した状態にある。
【0041】すなわち可動ガイド部材11を第1の位置
に位置決めした状態に保持し、この第1の位置を基準位
置として加工穴Hの内周面HFとガイド部材11の表面
11Fとの間の間隙寸法を測定して加工穴Hの内径を測
定し、荒加工のホーニング加工を行うものである。
【0042】ワークWにおける加工穴Hの荒加工の終了
後に、第2ロッド15Aを元に戻すと、第1砥石シュー
9Aが放射内方向の元の位置に戻り、荒加工用砥石7A
は加工穴Hの内周面HFから離隔する。
【0043】次に、ロッド15を下降せしめると、ロッ
ド15に備えた拡開用テーパ部17によって第2砥石シ
ユー9Bが放射外方向へ微動され、この第2砥石シュー
9Bに備えた仕上加工用砥石7Bが加工穴Hの内周面に
圧接され、仕上加工用砥石7Bによるホーニング加工が
行われることとなる。
【0044】上述のごとく、仕上加工用砥石7Bを加工
穴Hの内周面に圧接すべくロッド15を下降せしめる
と、エアーノズル13を備えた可動のガイド部材11に
おける背部は、前記拡開用テーパ部17の第1の位置決
め部17Aから第2の位置決め部17Bに相対的に移動
して当接した状態となり、可動ガイド部材11は放射外
方向へ微動され、前記荒加工によって拡大された、加工
穴Hの内周面HFと可動ガイド部材11の表面との間隙
寸法をより小さくした第2の位置に位置決めされる。そ
して、この第2の位置を基準位置として加工穴の内周面
HFとガイド部材11の表面11Fとの間の間隙寸法を
測定するものである。
【0045】前述のごとく、エアーノズル13を備えた
可動のガイド部材11の背部を、拡開用テーパ部17の
第1,第2の位置決め部17A,17Bに個別に当接し
位置決め状態を基準位置として加工穴Hの内周面HFと
ガイド部材11の表面11Fとの間の間隙寸法を測定す
るに際しては、次のごとく行うことが望ましい。
【0046】すなわち、内径寸法が既知で、かつ予め高
精度に加工されたマスタリングMR内にホーニングヘッ
ド1を位置決めし、この位置決め状態においてエアーノ
ズル13からエアーをマスタリングMRの内周面へ噴出
して、マスタリングMRの内周面と可動ガイド部材11
の表面との間の間隙寸法を測定してホーニングヘッド1
の軸芯からガイド部材11の表面11Fまでの寸法を求
める定寸マスタ合わせを行う(ステップS1)。
【0047】上記定寸マスタ合わせを行った後に前述し
た荒加工を行い(ステップS2)、荒加工時における加
工穴Hの内径の検出を行う。
【0048】荒加工終了後、前述したごとくロッド15
を下降せしめて仕上砥石7Bを放射外方向へ微動して仕
上げ初期拡張を行う(ステップS3)。この仕上げ初期
拡張時には、ガイド部材11の背部は拡開用テーパ部1
7の第2の位置決め部17Bに位置するので、再び定寸
マスタ合わせを行い(ステップS4)、この位置決め状
態を基準位置としてガイド部材11の表面11F位置を
予め測定する。
【0049】そして、この予め測定したガイド部材11
の表面位置を基準として加工穴Hの内径を測定し乍ら仕
上加工を行うものである(ステップS5)。
【0050】上述のごとく、可動ガイド部材11を第
1,第2の位置に位置決めし、間隙寸法を測定して加工
穴Hの内径を検出しようとするとき、可動ガイド部材1
1を第1,第2の位置に位置決めする毎に定寸マスタ合
せを行うものであるから、例えば、拡開用テーパ部7と
ガイド部材11との間に微小の加工粉が入り込んだよう
場合や、加工時の発熱によりガイド部材11等に熱膨脹
が生じた状態にある場合であっても精度の良いホーニン
グ加工を行うことができるものである。
【0051】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、第1項に記載の本発明の方法においては、ホ
ーニングヘッドをワークの加工穴内に挿入してホーニン
グ加工を行うに際し、荒加工を行うときには、エアーノ
ズルを備えたガイド部材は荒加工に対応した第1位置に
位置決めし、仕上加工時には仕上加工に対応した放射外
方向の第2位置に位置決めして、ガイド部材表面と加工
穴内周面との間の間隙寸法を測定するものである。
【0052】したがって本発明によれば、荒加工時及び
仕上加工時においても、前記間隙寸法を小さくし、エア
ー圧の変化率を大きく維持して間隙寸法の測定を行うこ
とができ、仕上加工精度の向上を図ることができるもの
である。
【0053】第2項に記載の発明は、ガイド部材を第1
位置及び第2位置に位置決めする毎に、マスタリング内
にホーニングヘッドを位置決めしてマスタリング内周面
とガイド部材表面との間の間隙寸法を測定し、前記第
1,第2位置にガイド部材を位置決めしたときにおける
ガイド部材表面の位置を予め測定する定寸マスタ合せを
行うものであるから、第1,第2位置にガイド部材を位
置決めしたとき、微小な加工粉の介在や熱膨脹等によっ
て誤差が介在する虞れがある場合であっても、上記誤差
を補正した態様となり、ガイド部材を相対的に移動する
構成であっても何等の問題なく高精度の測定を行うこと
ができ、加工精度のバラツキが少なくなるものである。
【0054】第3項に記載の発明に係るホーニングヘッ
ドは、ホーニングヘッドにおける円筒形状のヘッド本体
の周方向に適宜間隔に設けた複数のスリット内に、外側
部に砥石を備えた砥石シューを放射方向へ移動可能に設
け、上記各砥石シューを放射外方向へ押圧し拡開するた
めの拡開用テーパ部を備えたロッドを、前記ヘッド本体
内にヘッド本体の軸方向へ移動可能に配置して設け、前
記ヘッド本体の周方向に適宜間隔に配置して設けた複数
のガイド部材のうちの適数のガイド部材に、被加工物に
おける加工穴の内周面へ向けてエアーを噴出してガイド
部材表面と加工穴の内周面との間の間隙を測定するため
のエアーマイクロメータの測定部としてのエアーノズル
を設け、このエアーノズルを備えたガイド部材を、ヘッ
ド本体の径方向へ微動可能かつ所定位置に位置決め可能
に設けてなる構成であるから、ホーニングヘッドをワー
クの加工穴内へ挿入し、ロッドに備えた拡開用テーパ部
によって砥石シューを放射外方向へ移動して砥石を加工
穴の内周面に圧接した後、ホーニングヘッドを回転する
と共に軸方向に往復動することにより、加工穴のホーニ
ング加工を行うことができるものである。
【0055】上述のごとくホーニング加工を行うことに
より、ガイド部材表面と加工穴内周面との間隙寸法が大
きくなったときには、エアーノズルを備えたガイド部材
を放射外方向へ微動して所定位置に位置決めすると、上
記間隙寸法が小さくなるので、エアーマイクロメータの
特性の良い領域を利用して間隙寸法を測定することがで
き、仕上加工時の測定精度の向上を図ることができる。
【0056】第4項に記載の発明において、複数の砥石
シューには、荒加工用砥石を取付けた第1砥石シューと
仕上加工用砥石を取付けた第2砥石シューとがあり、上
記第2砥石シューを外方向へ押圧し拡開するための拡開
用テーパ部に、エアーノズルを備えたガイド部材をヘッ
ド本体の径方向の第1,第2位置へ位置決めする第1,
第2の位置決め部を設けた構成であるから、仕上加工用
砥石を備えた第2砥石シューを放射外方向へ拡開すべく
拡開用テーパ部でもって第2砥石シューを押圧すると、
エアーノズルを備えたガイド部材は、第1の位置から第
2の位置へ移動位置決めされる。
【0057】したがって、仕上加工を行う際には、エア
ーノズルを備えたガイド部材が外方向へ微動され、当該
ガイド部材表面と加工穴内周面との間の間隙寸法が小さ
くなり、エアーマイクロメータの測定精度の良い領域で
もって上記間隙寸法を測定することとなり、仕上加工精
度の向上を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るホーニングヘッドの構成
を示す正断面説明図である。
【図2】同上の平断面説明図である。
【図3】ホーニング加工を行う際のフローチャートであ
る。
【図4】従来のホーニングヘッドの構成を示す正断面説
明図である。
【図5】エアーマイクロメータの測定特性を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 ホーニングヘッド 3 ヘッド本体 5 スリット 7A,7B 砥石 9A,9B 砥石シュー 11 ガイド部材 13 エアーノズル 15,15A ロッド 17 拡開口テーパ部 17A 第1の位置決め部 17B 第2の位置決め部 W 被加工物(ワーク) H 加工穴 HF 内周面 MR マスタリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に設けた加工穴を、ホーニング
    ヘッドに備えた砥石によって荒加工及び仕上加工するに
    当り、上記ホーニングヘッドに設けたガイド部材に、当
    該ガイド部材表面と前記加工穴内周面との間隙を測定す
    るエアーマイクロメータの測定部としてのエアーノズル
    を設け、このガイド部材を、加工穴内周面の荒加工時の
    第1位置と仕上加工時の第2位置とに微動位置決めし、
    前記ガイド部材を上記第2位置に位置決めしたときを基
    準位置として加工穴の内径を測定し仕上加工を行うこと
    を特徴とするホーニング加工方法。
  2. 【請求項2】 ガイド部材を第1位置及び第2位置に位
    置決めする毎に、マスタリング内にホーニングヘッドを
    位置決めしてマスタリング内周面とガイド部材表面との
    間の間隙寸法を測定し、前記第1,第2位置にガイド部
    材を位置決めしたときにおけるガイド部材表面の位置を
    予め測定する定寸マスタ合せを行うことを特徴とする請
    求項1に記載のホーニング加工方法。
  3. 【請求項3】 ホーニングヘッドにおける円筒形状のヘ
    ッド本体の周方向に適宜間隔に設けた複数のスリット内
    に、外側部に砥石を備えた砥石シューを放射方向へ移動
    可能に設け、上記各砥石シューを放射外方向へ押圧し拡
    開するための拡開用テーパ部を備えたロッドを、前記ヘ
    ッド本体内にヘッド本体の軸方向へ移動可能に配置して
    設け、前記ヘッド本体の周方向に適宜間隔に配置して設
    けた複数のガイド部材のうちの適数のガイド部材に、被
    加工物における加工穴の内周面へ向けてエアーを噴出し
    てガイド部材表面と加工穴の内周面との間の間隙を測定
    するためのエアーマイクロメータの測定部としてのエア
    ーノズルを設け、このエアーノズルを備えたガイド部材
    を、ヘッド本体の径方向へ微動可能かつ所定位置に位置
    決め可能に設けてなることを特徴とするホーニングヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 複数の砥石シューには、荒加工用砥石を
    取付けた第1砥石シューと仕上加工用砥石を取付けた第
    2砥石シューとがあり、上記第2砥石シューを外方向へ
    押圧し拡開するための拡開用テーパ部に、エアーノズル
    を備えたガイド部材をヘッド本体の径方向の第1,第2
    位置へ位置決めする第1,第2の位置決め部を設けたこ
    とを特徴とする請求項3に記載のホーニングヘッド。
JP29981094A 1994-12-02 1994-12-02 ホーニング加工方法及び同方法に使用するホーニングヘッド Pending JPH08155829A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11207592A (ja) * 1998-01-26 1999-08-03 Isuzu Motors Ltd シリンダボアの内面微細溝加工装置及び加工方法
CN102729130A (zh) * 2012-07-06 2012-10-17 宁夏银川大河数控机床有限公司 测量喷嘴可伸缩式的珩磨头测量装置
CN102729129A (zh) * 2012-07-06 2012-10-17 宁夏银川大河数控机床有限公司 可伸缩式的珩磨头气动测量装置

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