JPH09254011A - 穴形成装置 - Google Patents

穴形成装置

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JPH09254011A
JPH09254011A JP8066188A JP6618896A JPH09254011A JP H09254011 A JPH09254011 A JP H09254011A JP 8066188 A JP8066188 A JP 8066188A JP 6618896 A JP6618896 A JP 6618896A JP H09254011 A JPH09254011 A JP H09254011A
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JP
Japan
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honing
hole
machining
boring
processing
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JP8066188A
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Inventor
Takehiro Terui
猛浩 照井
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内径ホーニング用の下穴形状を細かく制御で
き、ホーニング加工後の加工穴を高精度に形成する。 【解決手段】 この穴形成装置は、加工チップ25が取
り付けられた回転自在な加工スピンドル26を備え当該
加工スピンドルを軸線方向に進退移動自在に設けたボー
リング手段24と、このボーリング手段によってワーク
Wに形成された下穴21をホーニング加工するホーニン
グ加工手段30と、を有する。そして、ボーリング手段
は、下穴21の内周面のうちホーニング加工の加工効率
が悪い部位に対して、予め部分的な切削を進行させる補
助加工を施し、ホーニング加工手段は、補助加工が施さ
れた内径ホーニング用下穴21に対して仕上ホーニング
加工のみを実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボーリング手段と
ホーニング加工手段とを有し、例えば、自動車エンジン
のシリンダボアなどの穴を形成する穴形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車エンジンのシリンダブロ
ックには、複数のシリンダボアが形成されている。シリ
ンダボアなどの加工穴は、ボーリング手段とホーニング
加工手段とを有する穴形成装置を用いて形成されてい
る。
【0003】従来の穴形成装置による加工手順を図3に
基づいて説明する。なお、この図には、被加工物W(以
下、ワークともいう)の穴内周面の形状を、各加工ごと
に概念的に断面で示してある。また、最終加工工程が完
了した加工穴を符号「3」で表し、前工程の加工穴(下
穴ともいう)を符号「1または2」でそれぞれ表すこと
とする。
【0004】まず、図3のA欄に示すように、中仕上加
工工程の後、ファインボーリング仕上加工を行い、下穴
1の内周面1aを、ストレート形状に、かつ、均一な面
荒さに仕上げる。穴内周面1aの面粗さは、中心線平均
粗さ(Ra)で3.0、最大高さ(Rmax )で18.0
である。
【0005】ファインボーリング仕上加工はボーリング
手段4を用いてなされ、このボーリング手段4は、加工
チップ5が取り付けられた回転自在な加工スピンドル6
を備え、当該加工スピンドル6は軸線方向に進退移動自
在に設けられている。この加工スピンドル6が回転しな
がら下降することにより、加工チップ5により穴内周面
1aが切削加工される。このとき、加工スピンドル6の
1回転当たりの送りは、所定の速度に一定に維持されて
いる。
【0006】次いで、前記ボーリング手段4によってワ
ークWに形成された下穴1を内径ホーニングするが、こ
の内径ホーニングは、B欄に示すように荒砥石8を用い
た荒ホーニング加工と、C欄に示すように仕上砥石11
を用いた仕上ホーニング加工との2工程に分けられてい
る。仕上ホーニング加工は、荒ホーニング加工後の下穴
2を内径ホーニングする。
【0007】荒ホーニング加工は、荒砥石としてのダイ
ヤ砥石8(砥石寸法 幅4mm、長さ80mm)を備え
た第1のホーニング加工手段7によりなされる。第1ホ
ーニング加工手段7は、ダイヤ砥石8が拡張自在に取り
付けられた回転自在な加工スピンドル9を備え、当該加
工スピンドル9は軸線方向に進退移動自在に設けられて
いる。この加工スピンドル9が回転しながら上下運動を
繰り返し、その間、ダイヤ砥石8が加工スピンドル9の
回転中に径方向外方に徐々に拡張され、ダイヤ砥石9に
より穴内周面1aが研削加工(荒ホーニング加工)され
る。荒ホーニング加工完了後の下穴2の面粗さは、中心
線平均粗さ(Ra)で1.5、最大高さ(Rmax )で
9.0である。
【0008】引き続いて行われる仕上ホーニング加工
は、仕上砥石としてのGC砥石11(砥石寸法 幅8m
m、長さ80mm)を備えた第2のホーニング加工手段
10によりなされる。第2ホーニング加工手段10は、
GC砥石11が拡張自在に取り付けられた回転自在な加
工スピンドル12を備え、当該加工スピンドル12は軸
線方向に進退移動自在に設けられている。この加工スピ
ンドル12が回転しながら上下運動を繰り返し、その
間、GC砥石11が一定の圧力で穴内周面2aに押しつ
けられ、GC砥石11により穴内周面2aが研削加工
(仕上ホーニング加工)される。
【0009】仕上ホーニング加工が完了したシリンダボ
ア3の内周面3aは、軸線と平行なストレート形状であ
ること、つまり円筒度(幾何学的円筒からの狂いの大き
さ)で表される形状偏差が許容値以内であることが必要
であり、特にシリンダボアにあっては、極めて小さい円
筒度が要求される。
【0010】ここに、仕上ホーニング加工の研削効率
が、軸線方向に沿って均一でない場合がある。このよう
な場合に、荒ホーニング加工において穴内周面2aをス
トレート形状に形成していたときには、研削効率の悪い
部位に対する研削が他の部位に比べて進行せず、研削効
率の悪い部位が内方に突出したような断面形状となって
しまい、所定の円筒度を得ることができなくなる。
【0011】そのため、荒ホーニング加工時に、仕上ホ
ーニング加工の研削効率が悪い部位に対して、予め研削
を進行させる補助加工を施している。例えば、下穴2の
上端部近傍部位に対する仕上ホーニング加工の研削効率
が悪い場合には、図3のB欄に示すように、荒ホーニン
グ加工により、図中上側に拡がるテーパ形状となるよう
な下穴2を形成する。このような補助加工は、第1ホー
ニング加工手段7の加工スピンドル9の上下運動のみを
所定の時間停止させ、回転しつつ拡張される荒砥石8に
よりその停止位置に対応する穴内周面2aの研削を進行
させることにより行われる。なお、前記補助加工はドウ
エル加工とも称される。
【0012】荒ホーニング加工で上記補助加工を行った
後に仕上ホーニング加工を行うことにより、仕上ホーニ
ング加工時における軸線方向に沿った研削効率の差が補
われて、穴内周面3aはストレート形状になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、荒ホー
ニング加工工程における前記補助加工は、ホーニングと
いう工法上、面あたり加工とならざるを得ず、部分的な
形状補正を実現することが困難である。このため、仕上
ホーニング加工完了後における加工穴3の円筒度を良好
にするには自ずと限界があった。
【0014】また、仕上ホーニング加工を実施する前に
は既に荒ホーニング加工が完了しており、穴内周面2a
は、表面粗さが比較的細かい面となっている。このた
め、仕上砥石11の自生作用が行われ難いので加工効率
が下がり、加工時間が長くなるという問題もあった。
【0015】また、内径ホーニングとして荒ホーニング
加工と仕上ホーニング加工との2工程を要することか
ら、内径ホーニングで除去すべき取代が増加し、加工時
間が長くなるという問題もある。さらに、2工程に分か
れているのでホーニング加工手段7,10の設置台数も
増加してしまう。1台のホーニング加工手段で荒ホーニ
ング加工および仕上ホーニング加工を行うことも考えら
れるが、この場合には、砥石8,11を選択的に拡張さ
せる構成などが必要となるので、ホーニング加工手段の
構成が複雑なものとなり、設備寿命が短くなる虞があ
る。
【0016】また、荒ホーニング加工では上記のように
下穴形状を局部的に変えることが難しいので、仕上ホー
ニング後の形状を監視してその情報を荒ホーニング加工
工程にフィードバックしても、所望の形状補正を行うこ
とができず、自動制御ループの構築は困難である。この
ため、仕上砥石11の摩耗などによって仕上後の形状精
度が変化した場合には、作業者の手動による煩雑な補正
が必要であった。
【0017】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、ボーリング手段によっ
て被加工物に形成された下穴をホーニング加工手段によ
りホーニング加工する穴形成装置であって、内径ホーニ
ング用の下穴形状を細かく制御でき、内径ホーニング後
の加工穴形状を高精度に形成し得る穴形成装置を提供す
ることを目的とする。
【0018】また、ホーニング加工時の加工効率を高め
て、加工時間の短縮化を図ることを目的とする。
【0019】また、ホーニング加工工程の集約化を図
り、加工時間の短縮化およびホーニング加工手段の構成
の簡素化を図ることを目的とする。
【0020】また、内径ホーニング用の下穴形状を局部
的に変えることを可能とし、もって自動制御ループの構
成を可能とすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の本発明は、刃物が取り付けられた回
転自在な加工工具を備え当該加工工具を軸線方向に進退
移動自在に設けたボーリング手段と、前記ボーリング手
段によって被加工物に形成された下穴をホーニング加工
するホーニング加工手段と、を有する穴形成装置におい
て、前記ボーリング手段は、前記下穴の内周面のうち前
記ホーニング加工の加工効率が悪い部位に対して、予め
部分的な切削を進行させる補助加工を施し、前記ホーニ
ング加工手段は、前記補助加工が施された前記下穴をホ
ーニング加工することを特徴とする穴形成装置である。
【0022】従来では荒ホーニング加工によって被加工
物の下穴に対して補助加工を施していたので、当該補助
加工は面当たり加工となっていたが、上記構成によれ
ば、刃物による切削加工であるため補助加工はシングル
ポイントカットとなり、内径ホーニング用下穴の形状補
正を所望に応じて行い得る。
【0023】また、請求項2に記載の本発明は、前記補
助加工は、前記ボーリング手段における加工工具の1回
転当たりの軸線方向に沿う送り量を制御することにより
行われることを特徴とする。
【0024】かかる構成によれば、補助加工は、例えば
加工工具の進退移動速度が一定の場合には、ホーニング
加工の研削効率が悪い部位で加工工具の回転数を高める
ことに行われ、逆に、加工工具の回転数が一定の場合に
は、ホーニング加工の研削効率が悪い部位で加工工具の
進退移動速度を遅くすることにより行われる。
【0025】また、請求項3に記載の本発明は、前記ホ
ーニング加工手段による仕上ホーニング加工の前工程
で、前記ボーリング手段によるファインボーリング工程
が実施されることを特徴とする。
【0026】かかる構成によれば、ホーニング加工時に
は下穴の面粗さが適度に粗くなり、ホーニング砥石の自
生作用が促され、ホーニング加工時の加工効率が高ま
る。
【0027】また、請求項4に記載の本発明は、前記ホ
ーニング加工手段は、荒砥石を用いた荒ホーニング加工
を行わず、仕上砥石を用いた仕上ホーニング加工のみを
行うことを特徴とする。
【0028】かかる構成によれば、内径ホーニング工程
が仕上ホーニング加工の1工程のみに集約されるので、
内径ホーニングで除去すべき取代が減少する。また、仕
上ホーニング加工のみを行えばよいので、ホーニング加
工手段の設置台数が減少し、ホーニング加工手段の構成
が、荒ホーニング加工をも選択的に行い得るようにする
場合の構成に比較して、簡素なものとなる。
【0029】また、請求項5に記載の本発明は、前記ボ
ーリング手段は、前記下穴の形状を局部的に変えること
が可能である。
【0030】かかる構成によれば、ホーニング後の穴形
状を監視し、その情報をボーリング手段へフィードバッ
クすることにより、ホーニング加工後の形状変化に追従
して、内径ホーニング用の下穴形状を変化させることが
できる。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ボーリ
ング加工時に補助加工がシングルポイントカットにて施
されるので、内径ホーニング用の下穴形状を所望の形状
に補正でき、加工完了後の穴形状の精度を高めることが
可能となる。
【0032】請求項2に記載の発明によれば、内径ホー
ニング用の下穴形状の補正を、より細かく制御すること
ができ、加工完了後の穴形状の精度を一層高めることが
可能となる。
【0033】請求項3に記載の発明によれば、ホーニン
グ加工時には下穴の面粗さが適度に粗くなるので、ホー
ニング砥石の自生作用が促され、加工効率が上がり、加
工時間を短縮できる。
【0034】請求項4に記載の発明によれば、ホーニン
グ加工工程が仕上ホーニング加工の1工程のみに集約さ
れるので、ホーニング加工で除去すべき取代が減少し、
加工時間を短縮できる。また、仕上ホーニング加工のみ
を行えばよいので、ホーニング加工手段の設置台数が減
少してコスト的に有利なものとなり、しかも、ホーニン
グ加工手段の構成が簡素なものとなるので設備寿命が長
くなる。
【0035】請求項5に記載の発明によれば、下穴形状
を局部的に変えることが可能であるため、ホーニング後
の穴形状を監視させ、その情報をボーリング手段へフィ
ードバックすることにより、ホーニング加工後の形状変
化に追従して、内径ホーニング用の下穴形状を変化させ
ることができ、自動制御ループを簡単に構築することが
可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0037】図1は、本発明に係る穴形成装置を示す概
略構成図、図2は、図1に示される穴形成装置による加
工手順の説明に供する図である。
【0038】本実施の形態の穴形成装置は、自動車エン
ジンのシリンダブロックにシリンダボアを形成するため
のものであり、ファインボーリング加工を行うボーリン
グ手段24と、ボーリング手段24によってワークWに
形成された下穴21を内径ホーニングするホーニング加
工手段30と、を有する。
【0039】ボーリング手段24は、加工チップ25
(刃物に相当する)が先端に取り付けられた回転自在な
加工スピンドル26(加工工具に相当する)を備え、加
工スピンドル26は、主軸モータ27に連結され回転駆
動される。また、加工スピンドル26は、シリンダなど
からなる図示しない上下駆動機構に取り付けられ、軸線
方向に沿って上下動(進退移動)される。加工スピンド
ル26が回転しながら下降することにより、加工チップ
26により穴内周面21aが切削加工される。
【0040】従来の穴形成装置における内径ホーニング
は、荒ホーニング加工および仕上ホーニング加工の2工
程からなっていたが、本実施の形態では、荒ホーニング
加工を廃止し、仕上ホーニング加工の1工程のみとして
ある。このため、本実施の形態のホーニング加工手段3
0は、仕上砥石を用いた仕上ホーニング加工を行うべ
く、仕上砥石としてのGC砥石31(寸法幅8mm、長
さ80mm)が拡張自在に取り付けられた回転自在な加
工スピンドル32を備え、当該加工スピンドル32は軸
線方向に進退移動自在に設けられている。この加工スピ
ンドル32が回転しながら上下運動を繰り返し、その
間、GC砥石31が一定の圧力で穴内周面21aに押し
つけられ、GC砥石31により穴内周面21aが研削加
工(仕上ホーニング加工)される。
【0041】前述したように、仕上ホーニング加工の研
削効率は、シリンダボア23の軸線方向に沿って均一で
ない場合があるので、仕上ホーニング加工の研削効率が
悪い部位に対して補助加工を施しておく必要がある。
【0042】そのため、本実施の形態にあっては、下穴
21の内周面のうちホーニング加工の研削効率が悪い部
位に対して、前記ボーリング手段24によって予め部分
的な切削を進行させる補助加工を施してある。この補助
加工は、ボーリング手段24における加工スピンドル2
6の1回転当たりの軸線方向に沿う送り量を制御して行
われる。例えば加工スピンドル26の下降速度が一定の
場合には、仕上ホーニング加工の研削効率が悪い部位で
加工スピンドル26の回転数を高めることにより、補助
加工がなされる。また、加工スピンドル26の回転数が
一定の場合には、仕上ホーニング加工の研削効率が悪い
部位で加工スピンドル26の下降速度を遅くすることに
より、補助加工がなされる。図1には、ファインボーリ
ング加工送りが一定で、加工スピンドル26の回転数を
増減する形態の場合を図示してある。
【0043】穴形成装置はさらに、ファインボーリング
加工後の下穴21の内径を測定する第1の計測機33
と、仕上ホーニング加工後の加工穴23の内径寸法を測
定する第2の計測機34と、を有する。各計測機33,
34は、マイクロメータ方式などにより内径寸法を直接
測定する測定ヘッド33a,34aを備えている。な
お、1台の計測機により各加工後の内径寸法を測定して
もよいし、第2計測機34をホーニング加工手段30の
内部に組み込み、ホーニング加工しつつ内径寸法の測定
を行ってもよい。
【0044】第1計測機33による測定の結果、ファイ
ンボーリング後の加工形状デ−タが得られ、第2計測機
34による測定の結果、仕上ホーニング後の加工形状デ
−タが得られ、これら各データは、形状変化を比較判断
する判断装置35(判断手段)に入力される。判断装置
35における比較結果の情報は、主軸モータ27の回転
数を制御する主軸回転制御装置36(制御手段)にフィ
ードバックされる。例えば、仕上ホーニング後の加工形
状が所定の形状に達していない場合には、その部位にお
ける補助加工が不十分であると判断し、この情報が主軸
回転制御装置36にフィードバックされる。そして、ボ
ーリング手段24の加工チップ25が前記部位まで下降
したときには、主軸モータ27の回転数が高められ、当
該部位の切削が他の部位に比べて進行される。
【0045】次ぎに、本実施の形態の穴形成装置による
加工手順を図2に基づいて説明する。なお、この図に
は、ワークの穴内周面の形状を、各加工ごとに概念的に
断面で示してある。
【0046】まず、図2のA欄に示すように、中仕上加
工工程の後、ファインボーリング加工を行う。このファ
インボーリング時に、ボーリング手段24における加工
スピンドル26の1回転当たりの軸線方向に沿う送り量
を制御することにより、ホーニング加工の研削効率が悪
い部位に対して部分的な切削を進行させる補助加工が併
せて行われる。本実施の形態における補助加工は、ファ
インボーリング加工送りを一定にしたまま、加工チップ
25が前記部位に達したときに加工スピンドル26の回
転数を高めることによりなされる。
【0047】例えば、下穴21の上端近傍ほど仕上ホー
ニング加工の研削効率が悪い場合には、下穴21の上部
では加工スピンドル26の回転数を高め、加工スピンド
ル26が下側に送られるにしたがって加工スピンドル2
6の回転数を低くし、異なる高さ位置における内径寸法
a、b、cが「a>b>c」となるテーパ形状の下穴2
1を形成する。ファインボーリング加工により、穴内周
面21aは均一な面荒さ(例えば、Ra 3.0、Rma
x 18.0)に仕上げられる。
【0048】ファインボーリング加工が終了すると、第
1計測機33により下穴21の内径寸法が測定され、フ
ァインボーリング後の加工形状デ−タとして判断装置3
5に取り込まれる。
【0049】次いで、ワークWに形成された内径ホーニ
ング用下穴21を、ホーニング加工手段30により仕上
ホーニング加工する。下穴21は予め補助加工が施され
ているので、仕上ホーニング加工における軸線方向に沿
う加工効率の差が補われ、仕上ホーニング加工が完了し
たシリンダボア23の内周面は、軸線と平行なストレー
ト形状となる。
【0050】仕上ホーニング加工が終了すると、第2計
測機34により加工穴23の内径寸法が測定され、仕上
ホーニング後の加工形状デ−タとして判断装置35に取
り込まれる。
【0051】そして、判断装置35は、ファインボーリ
ング後および仕上ホーニング後のそれぞれ加工形状デ−
タを比較し、比較結果が主軸回転制御装置36にフィー
ドバックされる。ホーニング加工では砥石31の摩耗に
より研削効率が変化することから、判断装置35は、仕
上ホーニング後の形状の精度が変化する傾向を管理して
いる。そして、ファインボーリング後の加工形状が正常
であるにも拘らず、仕上ホーニング後の形状が大きく変
化した場合には、補助加工における目標加工形状そのも
のを変更するため、判断装置35は、補助加工を施すべ
き部位や加工スピンドル回転数の増減についての情報を
主軸回転制御装置36にフィードバックする。これによ
り、加工された個々のシリンダボア23の形状精度は、
自動的に安定した精度になる。
【0052】上述した本実施の形態は、以下の効果を奏
する。
【0053】従来荒ホーニング加工工程で実施していた
補助加工を施す目的を、前工程であるファインボーリン
グ仕上加工工程において、ボーリング手段24における
加工スピンドル26の1回転当たりの軸線方向に沿う送
り量を制御することにより達成するようにしたので、補
助加工がシングルポイントカットにてなされることにな
り、内径ホーニング用の下穴形状をより細かく制御する
ことができる。
【0054】また、仕上ホーニング加工の前工程をファ
インボーリング工程としたので、仕上ホーニング加工時
には下穴21の面粗さが適度に粗くなり、GC砥石31
の自生作用が促される。このため、加工効率が上がり、
加工時間を短縮できる。
【0055】また、内径ホーニングを、荒ホーニング加
工および仕上ホーニング加工の2工程から、仕上ホーニ
ング加工の1工程のみに工程を集約としたので、内径ホ
ーニングで除去すべき取代が減少し、加工時間を短縮で
きる。また、仕上ホーニング加工のみを行えばよいの
で、ホーニング加工手段30の設置台数が減少してコス
ト的に有利なものとなり、しかもホーニング加工手段3
0の構成が簡素なものとなるので設備寿命が長くなる。
【0056】また、下穴形状を局部的に変えることが可
能であるため、ホーニング後の形状を監視させ、加工完
了後の内径寸法を明らかにし、その情報を前工程である
ファインボーリング工程へフィードバックすることによ
り、シリンダボア23に対するホーニング加工において
自動制御ループを簡単に構築できる。
【0057】なお、補助加工を下穴21の上端寄りに施
した場合を示したが、補助加工を施すべき部位は、仕上
ホーニング加工の研削効率が悪い部位がどこにあるかに
応じて変動するものである。したがって、下穴21の下
端寄りに補助加工を施す場合や、下穴21の上下両端寄
りに補助加工を施す場合などもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る穴形成装置を示す概略構成図で
ある。
【図2】 図1に示される穴形成装置による加工手順の
説明に供する図である。
【図3】 従来の穴形成装置による加工手順の説明に供
する図である。
【符号の説明】
21…下穴 23…シリンダボア、加工穴 24…ボーリング手段 25…加工チップ(刃物) 26…加工スピンドル(加工工具) 30…ホーニング加工手段 31…仕上砥石 32…加工スピンドル 33,34…第1、第2計測機 35…判断装置 36…主軸回転制御装置 W…ワーク(被加工物)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刃物が取り付けられた回転自在な加工工
    具を備え当該加工工具を軸線方向に進退移動自在に設け
    たボーリング手段と、前記ボーリング手段によって被加
    工物に形成された下穴をホーニング加工するホーニング
    加工手段と、を有する穴形成装置において、 前記ボーリング手段は、前記下穴の内周面のうち前記ホ
    ーニング加工の加工効率が悪い部位に対して、予め部分
    的な切削を進行させる補助加工を施し、 前記ホーニング加工手段は、前記補助加工が施された前
    記下穴をホーニング加工することを特徴とする穴形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記補助加工は、前記ボーリング手段に
    おける加工工具の1回転当たりの軸線方向に沿う送り量
    を制御することにより行われることを特徴とする請求項
    1に記載の穴形成装置。
  3. 【請求項3】 前記ホーニング加工手段による仕上ホー
    ニング加工の前工程で、前記ボーリング手段によるファ
    インボーリング工程が実施されることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の穴形成装置。
  4. 【請求項4】 前記ホーニング加工手段は、荒砥石を用
    いた荒ホーニング加工を行わず、仕上砥石を用いた仕上
    ホーニング加工のみを行うことを特徴とする請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の穴形成装置。
  5. 【請求項5】 前記ボーリング手段は、前記下穴の形状
    を局部的に変えることが可能である請求項1〜請求項4
    のいずれかに記載の穴形成装置。
JP8066188A 1996-03-22 1996-03-22 穴形成装置 Withdrawn JPH09254011A (ja)

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