JP2000176716A - シリンダボア加工装置およびこれを用いた加工方法 - Google Patents
シリンダボア加工装置およびこれを用いた加工方法Info
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Abstract
縮と、シリンダ内周面の表面性状を一定の状態とするこ
とが可能な、シリンダボアの加工装置およびこれを用い
た加工方法を提供すること。 【解決手段】 ボーリング工具2を回転させて内燃機関
のシリンダボアのボーリング加工を行なうボーリング加
工装置において、シリンダボア内周面のボーリングを行
なう少なくとも1つ以上の切れ刃と、ボーリング加工後
に油溝を形成する油溝形成手段と、次いで前記シリンダ
ボア内周面の仕上げ加工を行なう仕上げ加工手段が、ボ
ーリング工具に一体に具備されている構成とする。
Description
れる内燃機関のシリンダボア内面の加工装置およびこれ
を用いた加工方法に関する。さらに詳しくは、コスト低
減、加工時間の短縮を図ったシリンダボア内面の加工装
置およびこれを用いた加工方法に関するものである。
有するシリンダブロックのシリンダボア内周面の加工方
法としては、先ず、切削工具を取り付けた回転工具によ
りボーリング加工を行ない、その後仕上げホーニングを
行なう。このホーニング加工によりボア形状精度および
面精度を向上させるのと同時に、シリンダの内周面に油
溝を形成しピストンリングとの潤滑性を向上させようと
するものである。また、ボーリング工具にホーニング砥
石を付属させて、仕上げボーリングからホーニングまで
を1台の機械で兼ねた装置もある。
加工後の加工面にレーザ光線を照射して油溝を形成する
方法も用いられている。この方法は、図6(a)に示す
ように、ボーリング工具2の先端にチップ1を設置し、
ボーリング工具2を回転させながらシリンダ3の内周面
を回転方向に移動させて、シリンダボア内面の仕上げ加
工を行なう。次いで、図6(b)に示すように、ボーリ
ング工具2をシリンダボアより取り出した後、レーザ光
照射装置4を設置する。レーザ発振機5より照射された
レーザ光が照射ミラー6を介してボア加工面に照射され
る。このとき、ボーリング工具2はボア内周で軸方向に
移動しながら回転しボア内面に油溝を形成する。レーザ
が照射された部位は、断面A−Aに示すように、油溝の
周囲が溶融金属で盛り上がった形状となる。そこで、シ
リンダボアよりレーザ光照射装置4を取り出して、図6
(c)に示すように、再度ホーニング砥石7の付いたホ
ーニング工具を設置し、内周面の仕上げ加工を行なう。
この仕上げ加工により、油溝は、断面B−Bに示すよう
に、周囲の盛り上がった部分が削り取られて平滑な面が
得られる。
うな従来のシリンダボアの加工方法にあっては、ボーリ
ング加工、油溝形成および仕上げ加工を行なうに当た
り、それぞれ異なった加工機をシリンダボアに順番に出
し入れさせて加工を行なうため、その都度段取りが必要
となり工具軸合わせに多大な時間が必要であった。ま
た、仕上げボーリング加工の精度が悪い場合には、レー
ザ加工により盛り上がった部分のみならず、油溝までも
削り取ってしまうことがあり、シリンダ内面の表面性状
を一定に保つことが困難である、という問題点があっ
た。また、このような従来の異なった加工機を用いてレ
ーザ加工による油溝を形成する方法では、加工部位の周
辺に溶融した金属が残り付着する場合があり、ピストン
とシリンダとの円滑な動きを阻害するだけでなく、溶融
金属がエンジンオイル等に混入して各種摺動部分にダメ
ージを与える可能性もあった。そこで、仕上げ加工のた
め、さらに別の手段を用いて完全に除去する方法も考え
られるが、これ以上に段取り時間が必要となり、また、
さらにボーリング精度にも影響を与えるようになる。
工時間の短縮を図り、シリンダ内周面の表面性状を一定
の状態とするようなシリンダボアの加工装置およびこれ
を用いた加工方法を得ることが課題となっていた。
してなされたもので、レーザ等によりシリンダ内面の油
溝加工を行なう装置および工法において、ボア加工工具
と油溝加工を行なう装置および仕上げ加工装置とを一体
にし、一段取りでシリンダボア内周面加工を終了できる
ようにすることにより、従来の課題を解決することを目
的としている。
決するために、ボーリング工具を回転させて内燃機関の
シリンダボアのボーリング加工を行なうボーリング加工
装置において、シリンダボア内周面のボーリングを行な
う少なくとも1つ以上の切れ刃と、ボーリング加工後に
油溝を形成する油溝形成手段と、次いで前記シリンダボ
ア内周面の仕上げ加工を行なう仕上げ加工手段が、ボー
リング工具に一体に具備されていることを特徴とするシ
リンダボア加工装置およびこれを用いた加工方法とす
る。
加工装置およびこれを用いた加工方法の実施の形態を添
付図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明によるシリンダボ
ア加工装置およびこれを用いた加工方法の第1の実施の
形態を示す図である。まず、構成を説明すると、ボーリ
ング工具2の先端にチップ1が取り付けられている。ま
た、レーザ伝達光学系8が、ボーリング工具2内部に内
蔵されている。照射ミラー6には、レーザ発振機5から
伝達ミラー6aを介してレーザが伝達される。レーザ発
振機5、レーザ制御装置9は、工作機械制御装置10と
連動してレーザ発振機5を制御している。ボーリング工
具2は、工具の摩耗等で刃先位置が変化したときのため
に、回転軸から偏芯機構11を有している。
を加工する際には、始めに、偏芯機構11によりボーリ
ングヘッドが予め設定された位置に移動して、チップ1
でボーリング加工を行なう。ボーリング加工取り代が大
きい場合には、粗加工、仕上げ加工の2工程に分けて実
施してもよい。
光照射による油溝加工工程に移行する。ボーリング工具
2は、制御信号に基づいて、所定の回転数、送り速度で
回転し、該制御信号に連動してレーザ制御装置9がレー
ザ発振機5に信号を送り、レーザ光を照射する。ここ
で、レーザ光は断続的に照射され、ボーリング工具2の
回転ならびに軸方向の動きを伴い、任意の角度、長さお
よび深さの油溝をシリンダ3内周面に形成する。
構11が動作してボーリング工具2の先端を移動させ、
チップ1をわずかに切り込む位置まで移動させ、レーザ
加工により発生した溶着金属を除去して加工を行なう。
リンダ3内面にレーザを用いて油溝を形成するレーザ加
工装置とボーリング工具2を一体化することにより、一
回の段取りでシリンダボアの加工が可能となり、さら
に、レーザによる加工周辺の溶着金属等の付着物をボア
精度を低下させることなく除去可能である。また、従来
のホーニング加工に使用されていた大量の研削油剤を用
いずに、極微量の切削油あるいは切削油を用いずに加工
が可能である。
るシリンダボア加工装置およびこれを用いた加工方法の
第2の実施の形態を示す図である。まず、構成を説明す
ると、回転するボーリング工具2の内部に円周方向に移
動可能なように取り付けられた切削切れ刃12と、その
後部で切削切れ刃12の突き出し制御用圧電素子13
と、さらにその軸線上に取り付けられた切削切れ刃12
への負荷検出用圧電素子14と、ボーリング加工に使用
するチップ1から構成されている。
リング加工を行ない、内周面を仕上げる。
芯機構11によりボーリング工具2を偏芯させて、切削
切れ刃12を内周面に近づける。切削切れ刃12が近づ
いたところで、工作機械制御装置10の指令に基づいて
駆動電圧発生装置15が切削切れ刃12の突き出し制御
用圧電素子13に電圧信号を送り、突き出し制御用圧電
素子13の伸び縮みにより切削切れ刃12を移動させて
油溝加工を行なう。
を交互に繰り返す信号を送り、最終的に仕上げたい油溝
パターンに合わせて信号を送信する。負荷検出用圧電素
子14は、加工中の反力を検出して、工作機械制御装置
10に信号を伝達し、常に最適な接触圧となるようにフ
ィードバック制御している。
油溝を形成することにより、熱影響の少ない状態で形成
することが可能となり、表面の性状を一定に保ち易いと
いうメリットがある。
るシリンダボア加工装置およびこれを用いた加工方法の
第3の実施の形態を示す図である。まず、構成を説明す
ると、ボーリング加工に使用するチップ1を備えたボー
リング工具2に、先端が円錐形状になったセンターシャ
フト16が取り付けられており、その先端部には回転半
径方向に移動可能なように、先端に硬質素材ピン17が
取り付けられている。この硬質素材ピン17は、スプリ
ング18でボーリング工具2に付勢される方向に力が作
用している。センターシャフト16には、リニアモータ
19が取り付けられており、センターシャフト16を上
下に移動可能としている。
に、チップ1でボーリング加工を行ない、内周面を仕上
げた後に、ボーリング工具2が回転させながら、センタ
ーシャフト16がリニアモータ19で上下に移動する。
センターシャフト16が上下移動することにより、円錐
面に接触している硬質素材ピン17は、半径方向に移動
してボア内周面に押し付けられて打痕が付けられる。こ
の一連の動作を繰り返すことにより、所定の油溝パター
ンが得られる。
内周面を塑性変形させて油溝を形成すると、打痕周辺部
に盛り上がりを生じるため、これを除去するため、再度
チップ1を用いて仕上げボーリング加工を行なう。
同様、熱的影響を受けないため、均質なシリンダボア内
周面を形成することが可能である。
るシリンダボア加工装置およびこれを用いた加工方法の
第4の実施の形態を示す図である。まず、構成を説明す
ると、ボーリング加工に使用するチップ1を備えたボー
リング工具2を有するボーリング加工装置において、ボ
ーリングヘッドを駆動するNC装置により蛇行円軌跡2
0を設定して、ボーリングヘッドの回転軸を半径方向
に、2次元的にX−Y方向に移動可能としたものであ
る。
工具2に取り付けられたチップ1によりシリンダボア内
周面を加工した後、ボーリングヘッドを駆動するNC装
置により蛇行円軌跡20を設定して、ボーリング軸をX
−Y方向に移動させて、チップ1の刃先をボーリング加
工時の円軌跡上を蛇行しながら移動させて、ボア内周面
に油溝を形成する。油溝の形状、長さおよび深さ等は、
NC装置で設定する蛇行円軌跡20の大きさ、パターン
等により決定される。
るシリンダボア加工装置およびこれを用いた加工方法の
第5の実施の形態を示す図である。第5の実施の形態
は、第1の実施の形態の装置と全く同様の装置を用い、
ボーリング工具2の先端にブラシ21を取り付けたもの
である。
り油溝を形成した後、偏芯機構11により回転軸が移動
して、ブラシ21がボア内周面に押し付けられ、ボア内
周面に付着した異物や油溝加工部周辺の盛り上がり部分
等を除去し、仕上げ加工を行なうものである。
よれば、その構成を、ボーリング工具を回転させて内燃
機関のシリンダボアのボーリング加工を行なうボーリン
グ加工装置において、シリンダボア内周面のボーリング
を行なう少なくとも1つ以上の切れ刃と、ボーリング加
工後に油溝を形成する油溝形成手段と、次いで前記シリ
ンダボア内周面の仕上げ加工を行なう仕上げ加工手段
が、ボーリング工具に一体に具備されているシリンダボ
ア加工装置としたため、段取り替えを行なわずに、一つ
のボーリング装置により、ボーリング加工、油溝形成お
よび仕上げ加工まで行なえるため、同軸精度が大幅に向
上し、シリンダ内周面の表面性状が整えられる、という
優れた効果を得ることができる。
能となるため、コストおよび加工時間の短縮を図ること
ができる。
剤を用いずに、切削油を全く用いないかまたは極微量の
使用での加工が可能となるため、作業環境および地球環
境の改善に大いに役立つと共に、コスト低減についても
優れた効果が得られる。
を用いた加工方法の第1の実施の形態を説明する図であ
る。
れを用いた加工方法を説明する図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 ボーリング工具を回転させて内燃機関の
シリンダボアのボーリング加工を行なうボーリング加工
装置において、 シリンダボア内周面のボーリングを行なう少なくとも1
つ以上の切れ刃と、ボーリング加工後に油溝を形成する
油溝形成手段と、次いで前記シリンダボア内周面の仕上
げ加工を行なう仕上げ加工手段が、ボーリング工具に一
体に具備されていることを特徴とするシリンダボア加工
装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のシリンダボア加工装置
において、 ボーリング加工後に油溝を形成する前記油溝形成手段
が、レーザ光線の照射により形成することを特徴とする
シリンダボア加工装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載のシリンダボア加工装置
において、 ボーリング加工後に油溝を形成する前記油溝形成手段
が、ボーリング工具の半径方向に移動可能な切削工具
と、該切削工具を半径方向に移動させるアクチュエータ
と、該アクチュエータを駆動する回路および前記切削工
具の切削中の負荷を検出する検出手段であることを特徴
とするシリンダボア加工装置。 - 【請求項4】 請求項3に記載のシリンダボア加工装置
において、 前記アクチュエータが圧電素子であることを特徴とする
シリンダボア加工装置。 - 【請求項5】 請求項1に記載のシリンダボア加工装置
において、 ボーリング加工後に油溝を形成する前記油溝形成手段
が、リニアモータによりボーリング工具の軸方向に移動
可能なセンターシャフトの円錐形状先端部が、油溝形成
用ピンの斜面状後端部に接触付勢して、前記ピンを前記
ボーリング工具の回転半径方向に突き出させてシリンダ
ボア内周面に打痕を付ける油溝形成用ピンであることを
特徴とするシリンダボア加工装置。 - 【請求項6】 請求項1に記載のシリンダボア加工装置
において、 ボーリング加工後に油溝を形成する前記油溝形成手段
が、ボーリング軸をX−Y方向に移動可能で、チップ刃
先がボーリング加工時の円軌跡上を蛇行して油溝を形成
するNC装置であることを特徴とするシリンダボア加工
装置。 - 【請求項7】 請求項1に記載のシリンダボア加工装置
において、 シリンダボア内周面の前記仕上げ加工手段が、ボーリン
グ工具の先端に取り付けたブラシであることを特徴とす
るシリンダボア加工装置。 - 【請求項8】 請求項1または2に記載のシリンダボア
加工装置において、 ボーリング工具に具備されたチップによりシリンダボア
の内周面のボーリング加工を行ない、次いでボーリング
工具と一体化したレーザ発振機により所定の回転数、送
り速度で回転しながらレーザを照射して油溝を形成し、
その後に前記ボーリング工具に具備されたチップにより
シリンダボアの内周面の仕上げ加工を行なうことを特徴
とするシリンダボア加工方法。 - 【請求項9】 請求項3または4に記載のシリンダボア
加工装置において、 ボーリング工具に具備されたチップによりシリンダボア
の内周面のボーリング加工を行なった後、ボーリング工
具を回転させながら、ボーリング工具と一体化した切削
切れ刃を工作機械制御装置の指令に基づいて圧電素子に
電圧信号を送り、素子の伸び縮みにより切削切れ刃を移
動させてシリンダボア内周面に油溝を形成することを特
徴とするシリンダボア加工方法。 - 【請求項10】 請求項5に記載のシリンダボア加工装
置において、 ボーリング工具に具備されたチップによりシリンダボア
の内周面のボーリング加工を行なった後、ボーリング工
具を回転させながら、ボーリング工具に取り付けられ先
端が円錐形状のセンターシャフトをリニアモータにより
ボーリング工具の軸方向の上下に移動させて、前記セン
ターシャフト端部の円錐面に接触するピンをボーリング
工具の半径方向に移動させて、シリンダボア内周面に押
し付けて打痕状の油溝を形成することを特徴とするシリ
ンダボア加工方法。 - 【請求項11】 請求項6に記載のシリンダボア加工装
置において、 ボーリング工具に具備されたチップによりシリンダボア
の内周面のボーリング加工を行なった後、ボーリングヘ
ッドを駆動するNC装置により、ボーリングヘッドの回
転軸を半径方向に2次元のX−Y方向に移動させ、チッ
プ刃先がボーリング加工時の円軌跡上を蛇行移動させ
て、シリンダボア内周面に油溝を形成することを特徴と
するシリンダボア加工方法。 - 【請求項12】 請求項1乃至7のいずれかに記載のシ
リンダボア加工装置において、 ボーリング工具に具備されたチップによりシリンダボア
の内周面のボーリング加工を行なった後、所定の手段に
より油溝を形成し、次いでボーリング工具先端に取り付
けたブラシによりシリンダボア内周面の仕上げ加工を行
なうことを特徴とするシリンダボア加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35233898A JP4019533B2 (ja) | 1998-12-11 | 1998-12-11 | シリンダボア加工装置およびこれを用いた加工方法 |
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JP2000176716A true JP2000176716A (ja) | 2000-06-27 |
JP4019533B2 JP4019533B2 (ja) | 2007-12-12 |
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- 1998-12-11 JP JP35233898A patent/JP4019533B2/ja not_active Expired - Fee Related
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