JP6694790B2 - ワーク加工方法 - Google Patents

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本発明は、ワークに形成された穴に対して中ぐり加工を行うワーク加工方法に関する。
従来より、切削加工後のワークの加工面にバニッシュ加工を行うことにより、該加工面の面粗度を向上させることが行われている。特許文献1には、ワークの穴の内周面に対してバニッシュ加工を行う際、バニッシュツールの押圧力を調整可能に構成することが開示されている。
特開2005−288557号公報
ところで、ワークの穴の内周面に対する切削加工とバニッシュ加工とを同時に行う場合、切削抵抗により内周面の形状が変形すると、バニッシュ加工時のつぶし代が変化し、なだらかな内周面を形成することができない。また、ワークとしてのシリンダブロックは、冷却効果を高めるため、ボアの箇所を薄肉に形成している。そのため、ボアに対して切削加工及びバニッシュ加工を同時に行うと、切削抵抗によるボアの変形が特に顕著となる場合がある。この場合でも、切削加工後の内周面の表層だけをバニッシュ加工により均一に潰すことは困難である。
本発明は、このような問題を考慮してなされたものであり、ワークの穴の内周面に対して、切削加工後にバニッシュ加工を行う場合、切削抵抗による穴の変形を抑えつつ、バニッシュ加工により、なだらかな表面を形成することが可能となるワーク加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、ワークに形成された穴に対して中ぐり加工を行うワーク加工方法であって、前記穴の内周面に対してバニッシュツールにより粗加工を行う第1のステップと、前記粗加工後の前記穴の内周面に対してバイトにより切削加工を行う第2のステップと、前記切削加工後の前記穴の内周面に対して前記バニッシュツールにより仕上加工を行う第3のステップとを有する。
この加工方法によれば、前記第2のステップに先立ち、前記第1のステップによって前記穴の内周面に前記粗加工を行うと、前記バニッシュツールから前記内周面に加圧力が付与される。これにより、前記ワークにおける前記内周面側の表層から前記穴の半径方向外方に入り込んだ部分(内方部分)に応力が付与される。
この応力は圧縮残留応力となるため、前記第2のステップで前記切削加工を行っても、切削抵抗による前記内周面の変形が抑制される。すなわち、前記切削加工では、前記圧縮残留応力に起因して最大主応力が発生する前記内方部分よりも前記内周面側の表層の部分が除去される。
これにより、前記切削加工により前記内周面に露出した前記内方部分に形成される凹凸を、前記第3のステップで前記仕上加工により潰すことで、前記穴の変形が抑えられ、且つ、滑らかな内周面が容易に得られる。
すなわち、本発明では、前記切削加工による取り代を見越した前記ワークの深さ位置(前記内方部分)に対して、前記粗加工により応力を付与することで、前記ワークにおける前記穴の部分の剛性を高くする。
そして、前記第3のステップの後、DLC(Diamond-like Carbon)等の被膜を前記内周面に形成した際、前記内周面(素地)の変形に追従できず、該被膜が剥がれることを効果的に抑制することができる。
従って、本発明では、前記内周面に対して、前記第2のステップでの切削加工後、前記第3のステップでバニッシュ加工を行う際、切削抵抗による前記穴の変形を抑えつつ、該バニッシュ加工により、なだらかな表面を形成することが可能となる。
ここで、前記粗加工での前記バニッシュツールから前記内周面への加圧力を、前記仕上加工での前記バニッシュツールから前記内周面への加圧力よりも高くすれば、前記第1のステップにおいて、より大きな応力が前記内方部分に付与されるので、前記第3のステップにおいて、滑らかな内周面を容易に形成することができる。
さらに、前記穴の深さ方向に挿入可能な加工ヘッドの側面に前記バニッシュツール及び前記バイトを配設してもよい。この場合、前記第1のステップでは、前記加工ヘッドが前記深さ方向に沿って前記穴に挿入される際、前記バニッシュツールにより前記内周面に対する前記粗加工が行われる。また、前記第2のステップでは、前記深さ方向に沿って前記加工ヘッドが前記穴から引き抜かれる際、前記バイトにより前記内周面に対する前記切削加工が行われる。さらに、前記第3のステップでは、前記深さ方向に沿って前記加工ヘッドが前記穴に挿入される際、前記バニッシュツールにより前記内周面に対する前記仕上加工が行われる。
これにより、前記穴の深さ方向に沿って前記加工ヘッドを1.5往復させると前記第1〜第3のステップが完了するので、前記内周面に対する加工を効率よく行うことができる。
本発明によれば、ワークの穴の内周面に対して、第2のステップでの切削加工後、第3のステップでバニッシュ加工を行う際、切削抵抗による穴の変形を抑えつつ、該バニッシュ加工により、なだらかな表面を形成することが可能となる。
本発明に係るワーク加工方法を実施するワーク加工装置の一例を示す構成図である。 ワークの穴に対する加工を図示した説明図である。 本実施形態に係るワーク加工方法を説明したフローチャートである。 図4Aは、図3のステップS2の粗加工を図示した説明図であり、図4Bは、ステップS2の粗加工によりワークに付与された応力の分布を示す説明図である。 図5Aは、図3のステップS2の粗加工前の面粗度と回転位置との関係を示す図であり、図5Bは、粗加工後の面粗度と回転位置との関係を示す図である。 図6Aは、図3のステップS3の切削加工を図示した説明図であり、図6Bは、ステップS4の仕上加工を図示した説明図である。 図7Aは、図3のステップS4の仕上加工前の面粗度と回転位置との関係を示す図であり、図7Bは、仕上加工後の面粗度と回転位置との関係を示す図である。 ワーク加工装置の他の構成によってワークの穴に対する加工を行う場合を図示した説明図である。
以下、本発明に係るワーク加工方法について、ワーク加工装置との関係で好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら説明する。
[1.ワーク加工装置10の構成例]
図1は、本発明に係るワーク加工方法を実施するワーク加工装置10の一実施形態を示す構成図である。
ワーク加工装置10は、ワーク12の穴14(例えば、車両のエンジンを構成するシリンダブロックのボア)に加工ヘッド16を挿入し、該穴14の内周面18に対して切削加工及びバニッシュ加工等の中ぐり加工を行う装置である。
ワーク加工装置10は、加工ヘッド16と、該加工ヘッド16の中心軸20を中心に該加工ヘッド16を回転させる回転駆動機構22と、穴14に対して加工ヘッド16を進退させる進退機構24と、回転駆動機構22及び進退機構24を制御する制御部26とを備える。なお、内周面18の加工時には、加工ヘッド16の中心軸20と、穴14の中心軸28とを略同軸とした状態で、中心軸20、28と平行なZ1方向(穴14の深さ方向)に沿って、加工ヘッド16が穴14に挿入される。
回転駆動機構22は、中心軸20と同軸に配置された円筒形状のアーバ30と、アーバ30の内方で中心軸20と同軸に収容されたシャフト32と、アーバ30を回転駆動させるアーバモータ34と、シャフト32を回転駆動させるシャフトモータ36と、アーバ30、シャフト32及びアーバモータ34を収容するハウジング38とを備える。
ハウジング38は、中心軸20に沿った該ハウジング38の両端において、2個のベアリング40を介して、アーバ30を回転可能に保持する。また、ハウジング38内のシャフトモータ36側の箇所には、アーバ30の回転量(回転角度)を検出するロータリエンコーダ42が収容されている。一方、シャフトモータ36には、シャフト32の回転量(回転角度)を検出するロータリエンコーダ44が配設されている。
進退機構24は、ネジが刻設された軸部46と、該軸部46を回転駆動させる進退モータ48と、軸部46の回転量を検出するロータリエンコーダ50とを備える送りねじ機構である。軸部46は、ハウジング38の外周面に固定された送りナット52に螺合している。従って、進退モータ48の駆動により軸部46が回転すると、中心軸20、28に沿って、加工ヘッド16及び回転駆動機構22を穴14に対してZ方向(Z1方向又はZ2方向)に進退させることができる。
加工ヘッド16は、中心軸20と同軸に配置され且つアーバ30と一体に連結される有底筒状のアーバ60と、アーバ60の内方で中心軸20と同軸に配置され且つシャフト32と一体に連結されるシャフト62と、アーバ60の外周面(側面)に設けられた切削加工用のバイト64及びバニッシュツール66とを備える。
アーバ60の先端部の内方には、シャフト62の外径よりも大径の空間68が形成されている。空間68において、シャフト62の先端部には、2つの円盤状のカム70、72が取り付けられている。これらのカム70、72は、中心軸20から偏心した状態でシャフト62に取り付けられた偏心カムである。一方のカム70は、シャフト62の先端側に取り付けられ、他方のカム72は、カム70からZ2方向に僅かに離間した状態でシャフト62に取り付けられている。なお、カム70、72は、シャフト62の中心(中心軸20)に対して所定の角度位置(例えば、同じ角度位置)で偏心した状態でシャフト62に取り付けられている。
アーバ60の先端部におけるカム70の外周面に対向する部分には、中心軸20の直交方向、すなわち、中心軸20、アーバ60及びシャフト62の半径方向(R方向)に沿って、該アーバ60を貫通する貫通孔74が形成されている。貫通孔74には、棒状の切削工具であるバイト64が挿入されている。バイト64は、図示しない付勢手段により、カム70の外周面に付勢されている。
アーバ60の先端部におけるカム72の外周面に対向する部分であって、且つ、中心軸20を挟んで貫通孔74とは反対側の位置(180°位相が異なる角度位置)には、アーバ60をR方向に貫通する貫通孔76が形成されている。貫通孔76には、棒状のバニッシュツール66が挿入されている。バニッシュツール66は、図示しない付勢手段により、カム72の外周面に付勢されている。
前述のように、加工ヘッド16は、中心軸20、28が略同軸となるように、Z1方向に沿って穴14に挿入される。そのため、加工ヘッド16の挿入時、バイト64及びバニッシュツール66は、ワーク12の内周面18に対向するように、R方向に沿って配置される。この場合、穴14の半径方向と、中心軸20、アーバ60及びシャフト62の半径方向とは、いずれもR方向であることは勿論である。
そして、ワーク加工装置10においては、シャフトモータ36が駆動することにより、シャフト32、62が回転すると、シャフト62に連結された偏心のカム70の回転によって、バイト64は、R方向に沿って、内周面18に対して進退する。一方、カム72の回転によって、バニッシュツール66は、R方向に沿って、内周面18に対して進退する。
図1に戻り、制御部26は、主制御回路112、同期コントローラ114及びサーボアンプ116〜120を備える。主制御回路112は、サーボアンプ116、120を介してアーバモータ34及び進退モータ48をそれぞれ駆動させることにより、ワーク12に対するバイト64及びバニッシュツール66の相対位置を制御する。また、主制御回路112は、この相対位置に応じて、同期コントローラ114及びサーボアンプ118を介して、シャフトモータ36を駆動させることにより、バイト64及びバニッシュツール66の突出量を調整する。
同期コントローラ114は、シャフトモータ36の動作を、アーバモータ34及び進退モータ48の動作に同期させるものである。すなわち、同期コントローラ114は、ロータリエンコーダ42で検出したアーバ30の回転量(回転角度)、及び、ロータリエンコーダ50で検出した軸部46の回転量に基づいて、サーボアンプ118を介して、シャフトモータ36を駆動させる。このとき、同期コントローラ114は、サーボアンプ118により、ロータリエンコーダ44で検出したシャフト32の回転角度に応じて、シャフトモータ36をフィードバック制御する。
従って、制御部26は、アーバ30及びシャフト32を同期して回転させつつ、アーバ30の回転角度の位相に対して、シャフト32の回転角度の位相を進角化又は遅角化させることにより、バイト64及びバニッシュツール66の加工ヘッド16からの突出量を調整する。
[2.ワーク加工方法の説明]
以上のように構成されるワーク加工装置10の動作、すなわち、本実施形態に係るワーク加工方法について、図2〜図7Bを参照しながら説明する。
図2は、ワーク12の穴14に対する加工を図示した説明図であり、図3は、ワーク加工方法のフローチャートである。図2では、ワーク加工装置10のうち、加工ヘッド16の外観を模式的に図示すると共に、ワーク12について、シリンダブロックのボア(穴14)の部分を模式的に図示している。
図3のステップS1において、シリンダブロックとなるワーク12に対し、図示しないドリル等の切削工具を用いたボーリング加工により、穴14を形成する。
次のステップS2(第1のステップ)において、ワーク加工装置10を用いて、1回目のバニッシュ加工が行われる。図1、図2及び図4Aを参照して、ステップS2を詳しく説明する。
ステップS2では、先ず、加工ヘッド16を原点位置に配置する。原点位置は、穴14の上方であって、且つ、加工ヘッド16の中心軸20と、穴14の中心軸28とが略同軸であるZ2方向側の位置である。
この状態において、制御部26(図1参照)からの制御によってシャフトモータ36を駆動させ、シャフト32、62を所定角度回転させる。これにより、カム70、72も所定角度回転する。このようなカム70の回転位置の変化により、バイト64の先端は、付勢手段によるカム70への付勢力によって、加工ヘッド16のアーバ60内(半径方向内方)に後退する。なお、以下の説明において、「半径方向内方」とは、R方向に沿って中心軸20、28に向かう方向、すなわち、ワーク12の穴14の内周面18からシャフト32、62側に離間する方向をいう。
一方、カム72の回転位置の変化により、バニッシュツール66は、付勢手段によるカム72への付勢力に抗して、加工ヘッド16のアーバ60から半径方向外方に突出する。なお、以下の説明において、「半径方向外方」とは、R方向に沿って中心軸20、28から離間する方向、すなわち、シャフト32、62側からワーク12の穴14の内周面18に近接する方向をいう。
そして、制御部26からの制御によってアーバモータ34が駆動すると、アーバ30及び加工ヘッド16は、中心軸20、28を中心に回転する。これにより、バニッシュツール66は、原点位置において、加工ヘッド16(を構成するアーバ60)から半径方向外方に突出した状態で、中心軸20、28を中心に回動することになる。なお、前述のように、バイト64は、アーバ60内に後退している。
次に、制御部26からの制御によって進退モータ48が駆動し、軸部46が回転すると、原点位置から穴14に向かってアーバ30及び加工ヘッド16がZ1方向に進行する。これにより、加工ヘッド16は、中心軸20、28を中心に回転しながら、Z1方向に移動しつつ、該穴14に挿入される。
加工ヘッド16が穴14に挿入されると、図4Aに示すように、中心軸20、28を中心に回動するバニッシュツール66が内周面18に接触し、該内周面18へのバニッシュ加工が開始される。バニッシュツール66は、加工ヘッド16の回転及び移動に伴って、内周面18を周方向に加圧しつつ、Z1方向に移動する。
この場合、バニッシュツール66は、比較的高い加圧力(荷重)で内周面18を加圧する粗加工を行う。なお、このときの加圧力は、後述するステップS4のバニッシュ加工での加圧力よりも高く設定されている。
この結果、図4Bに示すように、ヘルツ面圧によって、ワーク12内における内周面18(穴14の表層)から半径方向外方の内方部分150に、応力が付与される。図4A及び図4Bでは、加圧力を加えた内周面18側の表層から、ワーク12内の少し深い部分である内方部分150に応力が付与され、加工硬化によって、最大主応力が発生していることが図示されている。なお、図4Bでは、濃いハッチングの部分ほど大きな応力が付与されていることを図示している。また、内方部分150の深さは、ステップS3での切削加工における取り代を見越した深さであればよい。
図5Aは、粗加工前における内周面18の面粗度とバニッシュツール66の回転位置(内周面18の周方向の位置)との関係を示す図であり、図5Bは、粗加工後の面粗度と回転位置との関係を示す図である。このように、粗加工を行うことにより、内周面18の面粗度は、概ね均一化されることが理解できる。
ステップS2のバニッシュ加工が行われ、バニッシュツール66の位置がワーク12よりもZ1方向側になると、ステップS2の加工処理が完了する。ステップS2後、制御部26は、進退モータ48の駆動を停止し、アーバ30及び加工ヘッド16の進行を停止させると共に、アーバモータ34の駆動を停止して、アーバ30及び加工ヘッド16の回転を停止させる。
次に、制御部26は、シャフトモータ36を駆動させ、シャフト32、62を所定角度だけ回転(正転又は逆転)させる。これにより、カム70、72も所定角度回転し、バニッシュツール66は、付勢手段の付勢力により、半径方向内方に後退する。この結果、中心軸20、28(Z方向)から見て、バニッシュツール66は、穴14の内周面18から離間する。一方、バイト64は、付勢手段の付勢力に抗して、半径方向外方に突出する。
次のステップS3(第2のステップ)において、制御部26からの制御によってアーバモータ34が駆動すると、アーバ30及び加工ヘッド16は、中心軸20、28を中心に回転する。これにより、バイト64は、加工ヘッド16(を構成するアーバ60)から半径方向外方に突出した状態で、中心軸20、28を中心に回動することになる。なお、前述のように、バニッシュツール66は、アーバ60内に後退している。
次に、制御部26からの制御によって進退モータ48が駆動し、軸部46が回転すると、加工ヘッド16は、Z1方向側の位置から原点位置に向かってZ2方向に移動(上昇)し、穴14に挿入される。加工ヘッド16が穴14に挿入されると、中心軸20、28を中心に回動するバイト64が内周面18に接触し、該内周面18への切削加工(仕上切削加工)が開始される。バイト64は、加工ヘッド16の回転及び移動に伴って、内周面18を周方向に切削しつつ、Z2方向に移動する。
これにより、内周面18の表層が切削され、ステップS2で応力が付与された内方部分150が外部に露出する。すなわち、ステップS3では、加工硬化して最大主応力が発生している内方部分150の箇所まで切削加工が行われる。
そして、加工ヘッド16が穴14を通って原点位置に戻った時点で、制御部26は、進退モータ48の駆動を停止させ、加工ヘッド16の移動を停止させると共に、アーバモータ34の駆動を停止して、アーバ30及び加工ヘッド16の回転を停止させる。
次のステップS4(第3のステップ)において、制御部26からの制御によってシャフトモータ36を再度駆動させ、シャフト32、62を所定角度回転させる。これにより、カム70、72も所定角度回転し、バイト64の先端は、付勢手段の付勢力によって、半径方向内方に後退する。一方、バニッシュツール66は、付勢手段の付勢力に抗して、アーバ60から半径方向外方に突出する。
そして、制御部26からの制御によってアーバモータ34が駆動すると、アーバ30及び加工ヘッド16は、中心軸20、28を中心に回転し、バニッシュツール66は、アーバ60から半径方向外方に突出した状態で、中心軸20、28を中心に回動する。
次に、制御部26からの制御によって進退モータ48が駆動し、軸部46が回転することで、原点位置から穴14に向かってアーバ30及び加工ヘッド16がZ1方向に再度進行する。これにより、加工ヘッド16は、中心軸20、28を中心に回転しながら、Z1方向に移動しつつ、該穴14に挿入される。
加工ヘッド16が穴14に挿入されると、図6Bに示すように、中心軸20、28を中心に回動するバニッシュツール66が内周面18に接触し、該内周面18への2回目のバニッシュ加工が開始される。バニッシュツール66は、加工ヘッド16の回転及び移動に伴って、内周面18を周方向に加圧しつつ、Z1方向に移動する。
この場合、バニッシュツール66は、ステップS2での粗加工と比較して、低く設定された加圧力(荷重)で内周面18を加圧する仕上加工を行う。なお、仕上加工では、外部に露出している内方部分150に対して低圧のバニッシュ加工が行われる。
この結果、内方部分150が露出した内周面18の表層だけが潰され、なだらかな内周面18を形成することができる。すなわち、仕上加工前は図7Aの状態であった面粗度が、仕上加工を行うことにより、図7Bのように、概ね均一化されることになる。
ステップS4のバニッシュ加工が行われ、バニッシュツール66の位置がワーク12よりもZ1方向側になると、ステップS4の加工処理が完了する。この場合、制御部26は、進退モータ48の駆動を停止し、アーバ30及び加工ヘッド16の進行を停止させると共に、アーバモータ34の駆動を停止して、アーバ30及び加工ヘッド16の回転を停止させる。
次に、制御部26は、シャフトモータ36を駆動させ、シャフト32、62を所定角度だけ回転(正転又は逆転)させる。これにより、カム70、72も所定角度回転し、バニッシュツール66は、付勢手段の付勢力により、半径方向内方に後退する。この結果、中心軸20、28(Z方向)から見て、バニッシュツール66は、穴14の内周面18から離間する。なお、バイト64は、付勢手段の付勢力により、半径方向内方に後退している。
次に、制御部26は、進退モータ48を駆動させ、軸部46を回転させることにより、アーバ30及び加工ヘッド16を加工完了の位置(Z1方向側)から原点位置(Z2方向側)に戻す。この場合、加工ヘッド16は、中心軸20、28に沿って、Z2方向に向かい、仕上加工を行ったワーク12の穴14を通って原点位置に戻る。前述のように、バイト64及びバニッシュツール66は、半径方向内方に後退し、内周面18から離間している。そのため、加工ヘッド16を中心軸20、28に沿って原点位置に引き抜いても、バイト64及びバニッシュツール66と、仕上加工後の内周面18とが接触することはない。そして、加工ヘッド16が穴14から引き抜かれて原点位置に戻った時点で、制御部26は、進退モータ48の駆動を停止させ、加工ヘッド16の移動を停止させる。
次のステップS5において、穴14の内周面18に対して、DLC等の被膜を形成する。これにより、ワーク12に対する加工処理が完了し、シリンダブロックが形成される。
[3.ワーク加工方法の効果]
以上説明したように、本実施形態に係るワーク加工方法によれば、ステップS3に先立ち、ステップS2によって穴14の内周面18に粗加工を行うと、バニッシュツール66から内周面18に加圧力が付与される。これにより、ワーク12における内周面18の表層から穴14の半径方向外方の内方部分150に応力が付与される。
この応力は圧縮残留応力となるため、ステップS3で切削加工を行っても、切削抵抗による内周面18の変形が抑制される。すなわち、切削加工では、圧縮残留応力に起因して最大主応力が発生する内方部分150よりも内周面18側の表層の部分が除去される。
これにより、切削加工により内周面18に露出した内方部分150に形成された凹凸を、ステップS4で仕上加工により潰すことで、穴14の変形が抑えられ、且つ、滑らかな内周面18が容易に得られる。
すなわち、本実施形態では、切削加工による取り代を見越したワーク12の深さ位置(内方部分150)に対して、粗加工により応力を付与することで、ワーク12における穴14の部分の剛性を高くする。
そして、ステップS4後のステップS5において、DLC等の被膜を内周面18に形成した際、内周面18(素地)の変形に追従できず、該被膜が剥がれることを効果的に抑制することができる。
従って、本実施形態に係るワーク加工方法では、内周面18に対して、ステップS3での切削加工後、ステップS4でバニッシュ加工(仕上加工)を行う際、切削抵抗による穴14の変形を抑えつつ、該バニッシュ加工により、なだらかな表面を形成することが可能となる。
また、ステップS2の粗加工でのバニッシュツール66から内周面18への加圧力を、ステップS4の仕上加工でのバニッシュツール66から内周面18への加圧力よりも高くすれば、ステップS2において、より大きな応力が内方部分150に付与されるので、ステップS4において、滑らかな内周面18を容易に形成することができる。
従って、本実施形態に係るワーク加工方法では、ワーク12の穴14の内周面18に対して、ステップS2〜S4の順に加工を行うことにより、シリンダブロックにおける低剛性のボア(薄肉部分)であっても精度よく加工を行うことができる。また、シリンダブロックにオイル保持用の溝を生成することも可能となる。さらには、DLC等の被膜の形成後、シリンダブロックの穴でのピストンリング等の部品との摺動時における、被膜のチッピング(剥がれ)に対するタフネスを向上させることができる。
また、本実施形態では、Z1方向に挿入可能な加工ヘッド16の側面にバニッシュツール66及びバイト64を配設した場合、ステップS2では、加工ヘッド16がZ1方向に沿って穴14に挿入される際、バニッシュツール66により内周面18に対する粗加工が行われる。また、ステップS3では、Z2方向に沿って加工ヘッド16が穴14から引き抜かれる際、バイト64により内周面18に対する切削加工が行われる。さらに、ステップS4では、Z1方向に沿って加工ヘッド16が穴14に挿入される際、バニッシュツール66により内周面18に対する仕上加工が行われる。
これにより、Z方向に沿って加工ヘッド16を1.5往復させるとステップS2〜S4の加工処理が完了するので、内周面18に対する加工を効率よく行うことができる。
[4.変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
例えば、上述のステップS2〜S4の加工処理を行えるのであれば、ワーク加工装置10における内周面18に対するバイト64及びバニッシュツール66の進退機構は、どのような構成でも採用可能である。
すなわち、上記の説明では、カム70、72の外周面にバイト64及びバニッシュツール66の基端部を接触させ、シャフト32、62の回転に伴ってカム70、72が回転したときに、バイト64及びバニッシュツール66をR方向に進退させる場合について説明した。
本実施形態では、図8に示すように、加工ヘッド16において、例えば、アーバ60の側面にZ方向に延在するカートリッジ82を配置し、カートリッジ82のZ2方向側の基端部をアーバ60に固定すると共に、Z1方向の先端部にバニッシュツール66を取り付けてもよい。この場合、カートリッジ82の先端部と、カム72の外周面との間には、プッシュロッド78が介挿されている。プッシュロッド78は、図示しない付勢手段によりカム72に付勢されている。なお、この変形例では、加工ヘッド16内部におけるバニッシュツール66に関わる構成のみが図1のワーク加工装置10の構成とは異なっていることに留意する。
このような加工ヘッド16の構成において、シャフト32、62の回転によってカム72が回転すると、カム72の回転位置に応じてプッシュロッド78は、R方向に進退する。すなわち、カム72の回転によってプッシュロッド78が付勢手段による付勢力に抗して半径方向外方に進行した場合、プッシュロッド78は、カートリッジ82の先端部を押圧する。これにより、カートリッジ82は、基端部を支点として、先端部が半径方向外方に湾曲する。この結果、先端部に取り付けられたバニッシュツール66は、内周面18に向かって半径方向外方に突出する。
一方、カム72の回転によってプッシュロッド78が前記付勢力によって半径方向内方に後退した場合、カートリッジ82の先端部は、プッシュロッド78の押圧状態から解放され、弾性力によって半径方向内方に後退する。この結果、バニッシュツール66は、内周面18から離間して半径方向内方に後退する。
このようなシャフト62、カム72、プッシュロッド78及びカートリッジ82の動作を利用することで、以下に説明するように、ステップS2、S4でのバニッシュ加工を容易に行うことができる。
すなわち、ステップS2では、カム72の回転によってプッシュロッド78の半径方向外方への移動量を大きくすることにより、カートリッジ82の先端部及びバニッシュツール66の突出量を大きくすればよい。これにより、バニッシュツール66から内周面18への加圧力が容易に大きくなり、高圧のバニッシュ加工によって、内方部分150に大きな応力を付与することが可能となる。
一方、ステップS4では、カム72の回転によってプッシュロッド78の半径方向外方への移動量を、ステップS2での移動量よりも小さくすることにより、カートリッジ82の先端部及びバニッシュツール66の突出量を、ステップS2での突出量よりも小さくする。これにより、バニッシュツール66から内周面18への加圧力が小さくなり、低圧のバニッシュ加工によって、内周面18の表層だけを潰すことができる。
このように、図8の変形例では、ステップS2、S4において、バニッシュ加工時の加圧力を、一層容易に変化させることができる。
10…ワーク加工装置 12…ワーク
14…穴 16…加工ヘッド
18…内周面 20、28…中心軸
22…回転駆動機構 24…進退機構
26…制御部 30、60…アーバ
32、62…シャフト 34…アーバモータ
36…シャフトモータ 46…軸部
48…進退モータ 64…バイト
66…バニッシュツール 68…空間
70、72…カム 78…プッシュロッド
82…カートリッジ 150…内方部分

Claims (2)

  1. ワークに形成された穴に対して中ぐり加工を行うワーク加工方法において、
    前記穴の内周面に対してバニッシュツールにより粗加工を行う第1のステップと、
    前記粗加工後の前記穴の内周面に対してバイトにより切削加工を行う第2のステップと、
    前記切削加工後の前記穴の内周面に対して前記バニッシュツールにより仕上加工を行う第3のステップと、
    を有し、
    前記粗加工での前記バニッシュツールから前記内周面への加圧力は、前記仕上加工での前記バニッシュツールから前記内周面への加圧力よりも高いことを特徴とするワーク加工方法。
  2. ワークに形成された穴に対して中ぐり加工を行うワーク加工方法において、
    前記穴の内周面に対してバニッシュツールにより粗加工を行う第1のステップと、
    前記粗加工後の前記穴の内周面に対してバイトにより切削加工を行う第2のステップと、
    前記切削加工後の前記穴の内周面に対して前記バニッシュツールにより仕上加工を行う第3のステップと、
    を有し、
    前記穴の深さ方向に挿入可能な加工ヘッドの側面に前記バニッシュツール及び前記バイトが配設され、
    前記第1のステップでは、前記加工ヘッドが前記深さ方向に沿って前記穴に挿入される際、前記バニッシュツールにより前記内周面に対する前記粗加工が行われ、
    前記第2のステップでは、前記深さ方向に沿って前記加工ヘッドが前記穴から引き抜かれる際、前記バイトにより前記内周面に対する前記切削加工が行われ、
    前記第3のステップでは、前記深さ方向に沿って前記加工ヘッドが前記穴に挿入される際、前記バニッシュツールにより前記内周面に対する前記仕上加工が行われることを特徴とするワーク加工方法。
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