JP2012168742A - 砥石摩耗補正機能を備えるマシニングセンタ - Google Patents

砥石摩耗補正機能を備えるマシニングセンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2012168742A
JP2012168742A JP2011029303A JP2011029303A JP2012168742A JP 2012168742 A JP2012168742 A JP 2012168742A JP 2011029303 A JP2011029303 A JP 2011029303A JP 2011029303 A JP2011029303 A JP 2011029303A JP 2012168742 A JP2012168742 A JP 2012168742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grindstone
tool
unit
grinding wheel
machining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011029303A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Yamanaka
敏夫 山中
Takenao Yoshikawa
武尚 吉川
Toshio Tamura
利夫 田村
Hiroyuki Kojima
弘之 小島
Hideaki Onozuka
英明 小野塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2011029303A priority Critical patent/JP2012168742A/ja
Publication of JP2012168742A publication Critical patent/JP2012168742A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】耐熱合金などの難削材を研削した際の砥石磨耗量の補正手段を提供する。
【解決手段】砥石の外周及び端面をドレスするユニットと、砥石を含む工具の直径を測定するユニットと、砥石を含む工具の突き出し長さを測定するユニットと、研削条件値に対応する砥石半径減少量を、砥石の仕様と被削材の組み合わせに対応させて格納している砥石半径減少量データベースユニットと、工具の仕様と形状情報を格納している工具形状情報データベースユニットと、工具と被削材および仕上げ精度の組み合わせで加工条件を格納しているデータベースユニットと、被削材の素材形状と加工後形状を入力する被削材形状入力ユニットと、工具経路・加工条件決定ユニットと使用工具決定ユニットと砥石半径減少量決定ユニットと、加工シミュレーションユニットとNCデータ出力ユニットを具備し、砥石の半径減少量をNCデータに補正して、加工する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動工具交換装置(ATC)に交換自在な砥石工具を備えたCNCマシニングセンタに関する。
本発明の背景技術として、特開平8−52653号公報(特許文献1)がある。この公報には、円柱物をスパイラル状に搬送しつつ、円柱物の外径を平形砥石で研削する際に、研削砥石を油圧シリンダにより発生させた力により円柱物に押し付け、この押し付け力の変動をフィードバック制御して均一な押し付け力で円柱物を研削する制御方法が開示されている。砥石の押し付け力の変動を検知する方法としては、油圧シリンダに接続された油圧計が示す値の変化を検出する方法や、油圧シリンダと研削砥石の間にロードセルを介在させてこのロードセルから検出する方法が記載されている。この押し付け力のフィードバック制御により均一な除去量を維持することが示されている。
また、砥石の外径は、砥石と相対位置が変化しない位置に、複数の光電ユニットを直列状に等間隔に配置して、これらの複数ある光電ユニットのON、OFFによって計測する方法が示されている。砥石の放射方向に砥石と相対位置が変化しない位置に光電ユニットを配置して、砥石の外径が大きい時はより外側の光電ユニットが遮断されており、砥石が摩耗して外径が小さくなると、砥石で遮断される光電ユニットは砥石の中心側に移り、遮断されている光電ユニットが減ることを利用して、砥石の摩耗による直径減少を把握するユニットが記載されている。この光電ユニットで砥石直径を把握することによって、その情報から砥石の回転数を制御することによって、砥石の周速度を一定に保つ制御方法が記載されている。
また、WO01/036150公報(特許文献2)には、ドレッシング用の工具修正装置が常設されており、ツルーイングやドレッシングの砥石修正処理を研削加工中、あるいは研削加工を中断して行う装置の構成が記載されている。また、本加工装置に備えた自動工具測定装置によって、研削砥石の外径寸法を測定する装置の構成が記載されている。
また、特開平10−15800号公報(特許文献3)は、砥石の磨耗を補正して加工精度の向上を図る技術を開示している。
特開平8−52653号公報 WO01/036150号公報 特開平10−15800号公報
耐熱合金は、高温強度が強く、熱伝導率が悪く、工具材料との親和性が良い。そのため、超硬合金で加工能率を上げるために、切削速度を速くしたり、切込みを大きくしたり、工具送り速度を速くするなどして単位時間に切り取る体積である材料除去能率(いわゆる加工能率)を大きくしようと試みると、著しい工具摩耗をまねいたり、容易に工具欠損が発生する。材料の削り易さの指標である「被削性指数」は、例えば、航空機用ジェットエンジンに用いられるインコネル718材は炭素鋼の1/10以下である。
本発明が解決しようとする課題は、耐熱合金のような難削材に分類される材料を、マシニングセンタの一工具に砥石を用いて高能率に加工しようと試みる場合に発生する。
まず、第一の課題は、マシニングセンタは通例サーボモータにより位置制御で工具あるいは被削材を移動させるように構成されており、特許文献1に示されるように圧力制御ではないため、砥石が摩耗して直径が小さくなっても、あらかじめ設計形状でプログラムされた軌跡で加工が進行する。耐熱合金、特にNi基の耐熱合金の荒加工は切削加工では工具摩耗が顕著で、砥石で加工した方が材料除去能率は大きく加工能率が良い場合がある。
そこで、耐熱合金の荒加工をマシニングセンタに砥石を装着して行うと、切削加工よりも材料除去能率は大きいものの加工の進行に伴う砥石の摩耗も大きい場合が通例であった。よって、あらかじめ設計形状でプログラムされた軌跡で砥石を移動させると、砥石摩耗に伴い精度が悪くなっていく課題があった。
第二の課題は、マシニングセンタで耐熱合金の荒加工を行う目的で選定する砥石は、軟らかい結合剤を用いて、切れ刃である砥粒がある程度摩滅したら、その砥粒は脱落して新しい砥粒が表層に出現して加工が継続できる、いわゆる自生発刃を活発に行わせる砥石仕様を選定することになる。マシニングセンタで砥石を用いて輪郭加工を行う場合、特許文献2に示されるような砥石に接する位置に、砥石を修正あるいは目立てをするドレッサを設置することは困難であった。輪郭加工ではドレッサ側の位置で加工を行う場合もあるため、ドレッサが被削材に干渉する状況が発生する。よって、研削加工中に加工点の反対側でドレスを行う、いわゆるインプロセスドレスを採用することは困難である。このインプロセスドレスが採用できない問題から、自生発刃が活発に起こる結合剤の軟らかい砥石を選定することになり、この要因からも砥石摩耗が大きい課題が発生する。
第三の課題は、耐熱合金の研削は、通例大量のクーラントを噴射して加工するため、特許文献1に例があるような光学式の工具直径測定装置を加工中に使用できないことである。加工中に砥石直径の測定が可能であれば、砥石直径が減少した分、砥石直径データを書き換えて、砥石軌跡を修正しながら加工できるが、この手段を採用することができない。よって、砥石摩耗に伴って変化する砥石直径をインプロセス測定できない問題がある。一方、円筒研削盤や内面研削盤では、被削材に測定装置を挿入して、被削材を直接測定しながら研削加工することは一般に行われている。この手段が利用できるのは、寸法測定ゲージが砥石と干渉しない位置に挿入でき、研削加工中の被削材の動きに寸法測定ゲージが追随できる場合に限られる。例えば、断面が円である軸の直径を測定しながら研削加工する円筒研削盤や、同様に、断面が円である穴の直径を測定しながら研削加工する内面研削盤が一般的である。また、段差を測定しながら平面を加工する、端面研削盤にも利用されている。マシニングセンタでは、加工中の砥石を一旦休止させて、座標測定用のタッチプローブを主軸に換装し、被削材の加工部位の座標を測定することで砥石の摩耗量を把握して、NCデータを修正することは可能である。しかし、前述したようにインプロセス計測ではなく、加工を中断してしばしば測定プロセスを稼動させることは非加工時間を多くしてしまい加工能率を阻害する要因になる。このように、マシニングセンタで加工中の被加工物、あるいは砥石を測定して砥石に関するNCデータを修正する手段を採用するのは非現実的であった。
本発明の目的は、ATCに砥石工具を備えたマシニングセンタにおいて、研削条件に対応する砥石半径減少量をNCデータに補正することにより、上述した問題を解決するマシニングセンタを提供することである。
本発明の目的は、研削用砥石を含む転削工具を工具回転軸に着脱自在に装着することができるマシニングセンタであって、前記砥石の外周及び端面をドレスするユニットと、前記砥石を含む工具の直径を測定するユニットと、前記砥石を含む工具の突き出し長さを測定するユニットと、砥石の送り速度と、前記砥石の周速と、前記砥石の半径と、前記砥石の切込みから求まる研削条件値に対応する砥石半径減少量を、砥石の仕様と被削材の組み合わせに対応させて格納している砥石半径減少量データベースユニットと、工具の仕様と形状情報を格納している工具形状情報データベースユニットと、工具と被削材および仕上げ精度の組み合わせで加工条件を格納しているデータベースユニットと、被削材の素材形状と加工後形状を入力する被削材形状入力ユニットと、工具経路・加工条件決定ユニットと使用工具決定ユニットと砥石半径減少量決定ユニットと、加工シミュレーションユニットとNCデータ入出力ユニットを具備し、前記砥石の半径減少量をNCデータに補正して、前記砥石が加工することにより達成される。
本発明のマシニングセンタは以上のように、ATCに装備する砥石工具に自生発刃機能を有するビトリファイドボンド砥石を用いて被削性の悪い耐熱合金を効率良く加工することができる。
すなわち、ビトリファイドボンド砥石にあって、自生発刃が発生しやすいという状況は、砥石の摩耗量が多いことになり、砥石の直径が減少するので、加工精度が悪い重大な課題があった。被削材の除去体積を砥石の摩耗体積で除した研削比という砥石摩耗の評価指数では、一般のアルミナ系砥石を用いてHRc40程度の鋼材を平面研削する一般の研削において100以上の値であるのが通例である。これは、加工条件は、砥石周速30m/s、切込み0.003mm、ワーク送り速度10m/minの例である。しかし、同様の平面研削条件で、Ni基耐熱合金であるインコネル718を加工すると、研削比は10以下になり非常に砥石の摩耗が多くなる。さらに高能率研削であるクリープフィード研削では、切込みが2mmで送り速度を0.5m/min程度の条件で、研削比は3程度と非常に小さくなる。これは、砥石摩耗が大きい状態を示しているが、本発明では、摩耗が大きい研削加工においても、その摩耗を前提に加工を行う。
本発明は、まず、簡単な数回の実験から砥石直径減少量のデータベースを構築して、このデータベースを元に複数の研削条件から求める無次元量である研削諸元値に対応する砥石直径減少量を求める。そして、実際に加工する際にその研削諸元値を求めて、この研削諸元値と研削距離から砥石の摩耗に伴う半径減少量を求め、NCデータを補正して加工する装置である。
この装置を用いれば、砥石の半径減少量を予測して、あらかじめ砥石摩耗量を補正して加工できるため、加工を停止して砥石の直径を計測して、その後NCデータを修正して再度加工を行うなど煩雑な工程をとらなくても砥石の摩耗分が加工前あるいは加工中に修正されるため、所望の寸法の製品が安易に得られる大きな効果がある。
マシニングセンタの概略構造を示した説明図である。 砥石のドレスと計測を行うユニットの機能概略を示した説明図である。 研削諸元と砥石半径減少量の関係を示したグラフである。 砥石半径減少量を得る実験方法を示した説明図である。 コンピュータの構成を示した説明図である。 マシニングセンタの動作順序を示したフローチャートである。 砥石径修正もしくは砥石経路修正の方法を簡略に示した説明図である。
本発明の一実施例を図1ないし図7によって説明する。
図1は本願に関わるマシニングセンタの概略を示した説明図で、1はマシニングセンタ全体、11はマシニングセンタのベッド、12はコラム、13はX軸テーブル、14はY軸テーブル、15はZ軸テーブル、16は工具交換ユニット、17はATCのツールマガジン、2は工具回転軸、3は工具径および長さ測定機能付き砥石ドレスユニット、4はNCユニット、5は加工工具、51ないし53はツールマガジン内で待機中の工具、6は加工中の被加工物、7はコンピュータである。
このような構成のマシニングセンタで、コンピュータ7によって生成されたプログラムにより、工具回転軸2の回転数、X軸テーブル13、Y軸テーブル14、Z軸テーブル15の位置が制御され、工具5、51ないし53などの工具によって所望の形状に被加工物6が加工される。通例、加工中に加工点の冷却や潤滑あるいは切粉除去の目的でクーラント(加工液)が加工点に噴射される(図示せず)。現在加工している工具の工程が終われば、ツールマガジン17にストックされた次工程の加工工具51が工具交換ユニット16によって工具回転軸2に装着されて加工が継続される。このマシニングセンタの例では、工具は5、51ないし53に示したように、研削砥石と、エンドミルやドリルなどの切削工具をツールマガジン17に備えている。
ここで、マシニングセンタ1には、工具径および長さ測定機能付き砥石ドレスユニット3が備えられている。この砥石ドレスユニット3は、図2(a)に示すように、金属結合剤でダイヤモンド粒子が保持されたドレッサ31が回転し、矢印aの方向に砥石である加工工具5をドレッサ31に切込みを与えて移動させると、工具5の側面のツルーイング(形状成形)とドレッシング(目立て)が可能となっている。矢印bの方向に砥石である工具5をドレッサ31に切込みを与えて移動させると、工具5の底面のツルーイング(形状成形)とドレッシング(目立て)が可能となっている。
図2(b)は、砥石である工具5の径をタッチセンサ32により測定している状態を示している。工具5が矢印c方向に移動している間に測定が行われるが、タッチセンサ32と工具5の中心を結ぶ線が矢印cの方向となるように、加工工具5の測定位置があらかじめ座標が設定されている。図2(c)は、加工工具5の底面の位置を測定している状態を示している。工具5が矢印dの方向に移動してタッチセンンサ33により加工工具5の底面位置が測定される。これらタッチセンサ32、33と工具主軸2の工具取り付け位置はあらかじめキャリブレーションされており、一方向からの測定で加工工具5の直径と長さの測定が可能となっている。
加工工具5が砥石である場合、工具主軸2に装着されるとまずドレスをドレスユニット3によって行うのが通例である。この作業は、前回の使用でダメージを受けた砥粒層の除去が目的である。このドレスが終了した後は、タッチセンサ32により、砥石直径データが測定されて、NC制御装置4の砥石直径データ格納部に記録される。これで、砥石である加工工具5は加工準備が完了する。以下の一例では、被加工物6の加工を開始する前、すなわち加工プログラムを作動させる前に、使用する全ての砥石(図1の51、52など)に対してドレスを行い、NC制御装置4の砥石直径データ格納部に記録しておくとともに、コンピュータ7にも転送される。
この砥石である加工工具5は加工のために、回転しながら移動をするが、この移動経路は工具摩耗を配慮したコンピュータ7によって決められた経路を進む。この工具摩耗を配慮した砥石である加工工具5の経路の設定方法について説明する。図3は横軸に研削諸元値ψ、縦軸に砥石の単位幅単位移動距離当り半径減少量εを示したグラフである。すなわち、幅1mmの砥石が1mm移動したときの砥石の半径減少量を示している。図3は、アルミナ系ビトイファイド結合剤の砥石で耐熱合金を加工した場合のデータの一例である。このデータによる図中の近似式である数式1を用いると、研削する条件が決められると加工部位の移動距離によって減少する砥石半径減少量εを知ることができる。NCユニット4は、工具の半径分を指定経路に対して右または左に経路を補正する工具径補正機能を通例備えている。このNC装置4の機能を用いると、NCプログラムは所望の加工形状になるようにしておけば、工具半径分離れた位置を工具は移動して加工を行うようになっている。そこで、設定している工具半径に砥石半径減少量εの補正を、加工開始点から終了点に向かって加工距離に比例して加えれば、所望の形状を得ることができる。同様なプロセスを他の砥石51、52などに対しても行う。
以下に、上述した内容をより詳しく述べる。図3に示したグラフは、研削諸元値ψと砥石半径減少量εの関係を示している。このグラフは、砥石の仕様と被削材によって異なり、加工条件を変えて数回の加工実験を行い求める。この図3のグラフを求める加工実験の一例を図4に示す。図4に示すように、工具である砥石5を周速Vで回転させて、砥石送り速度vでテスト用被削材8に対して移動させ、切込みΔを与えて加工する。必要に応じてクーラント9を噴射させる。この加工前後で砥石5の直径を測定し、その差を半径で求め、加工距離で除すと、単位距離あたりの砥石半径減少量が求まる。この実験を、砥石移動速度v、砥石周速度V、切込量Δ、砥石半径Rを変えて数回〜10回程度行なえば、図3に示したようなグラフと近似式を得ることができる。この実験を、使用する仕様の砥石5と被削材6の組み合わせに対して行い、図3に示したようなグラフと近似式を求めてデータベースにする。また、自生発刃が完全におこなわれずに、砥石に目つぶれや目詰まりを起こし、熱障害が発生する砥石を使用せざるを得ない場合には、目つぶれや目詰まりを起こすまでに加工できる研削距離をデータベースに保存する。
図5は本発明のマシニングセンタに装備されるコンピュータ7のシステム構成を示す。コンピュータ7は、砥石半径減少量データベース71、工具形状情報データベース72、加工条件データベース73にそれぞれのデータを収納しており、被削材形状入力ユニット74、工具経路・加工条件決定ユニット75、使用工具決定ユニット76、砥石半径減少量決定ユニット77、加工シミュレーションユニット78、NCデータ入出力ユニット79で構成されている。また、コンピュータ7は、NCユニット4とLANなどで通信する接続がなされている。このコンピュータ7の71〜78の各機能を使用する一例を次に順を追って説明する。
まず、被削材形状入力ユニット74に、被削材である加工対象製品とその素材のCAD(Computer Aided Design)によって設計された形状データと被削材データを取り込む。またこのコンピュータ7にCADユニットを組み込んでおき、それによって設計を行なってもかまわない。被削材形状入力ユニット74に取り込んだ設計データに対して、工具形状情報データベース72と加工条件データベース73を参照して使用工具決定ユニット76と、工具経路・加工条件決定ユニット74によって、使用工具、工具経路および加工条件を決定する。設計データから使用工具、工具経路および加工条件を求めるのは、CAM(Computer Aided Manufacturing)が有する機能に同等であるが、本願記載のユニット郡は加工部の特徴によって砥石を選定する機能を備えている点が従来の切削工具しか選定対象にしないCAMとは異なる。砥石を選定する条件の一例は、被削材が難削材と称される耐熱合金、チタン、シリコンアルミ、高硬度材などで、荒加工を高能率加工するためにクリープフィード研削(砥石送り速度が遅く、切込みが大きい加工)を選定する場合である。また、加工工程集約の目的で、切削加工では得られない良好な表面粗さなどの高精度な仕上げを同一加工機で行う場合も、砥石による加工の選定が成される。
次いで、工具経路決定ユニット75により、NCプログラム中で砥石を使用して加工するブロックを抽出し、その各々のブロックで空走距離を含まずに砥石が実際に切粉を出して加工する距離を算出し、工具経路決定ユニット75内でメモリーする。次に、工具経路決定ユニット75により各ブロックの研削諸元値ψを求める。この研削諸元値ψは、図3に示したグラフの横軸で、以下の数式2によって求められる。
ψ=(v/V)・(Δ/2R)1/2・・・・・・・・・数式2
使用砥石5とその砥石5で加工される被削材6ごとに砥石の半径減少量を格納してある砥石半径減少量データベース71を参照して、使用砥石5と被削材6に適合するグラフの近似式である数式1により、数式2で求めた研削諸元値に対応する、単位移動距離あたりの砥石半径摩耗量αを求める。この値に、先に求めたブロックの移動距離を乗じて、そのブロックを実行して研削した場合の砥石半径減少量γが求まる。
求まった砥石半径減少量γを、ブロックの開始点から終了点に向かって移動距離に比例して砥石半径が減少するように元のプログラムの工具データを修正する。もしくは、ブロックの開始点から終了点に向かって移動距離に比例して、砥石半径減少量γに応じて正規の加工ができるように砥石5が移動する設定になっている軌跡座標を修正する。上述の砥石半径データの修正もしくは、砥石軌跡座標の修正を、砥石を使用するプログラムのブロックに対して行い、修正後のプログラムをNCデータ入出力ユニット79からNC装置4に転送し、加工を行う。修正後のプログラムをNC装置4に転送する前に確認するためには、加工シミュレーションユニット78を稼動させて、修正されたプログラムに問題がないかどうか確認する。
上述の例では、被削材6の加工を開始する前に、使用する全ての砥石をドレスして直径の確定と、形状修正・目立てを行っているが、以下に述べるように、砥石を使用する直前にドレスを行うこともできる。これは、砥石を装着した際の着脱にともなう微量の振れまわりを除去して高精度な加工を望む場合に採用する手順になる。この場合は、砥石にドレスを施して、砥石直径を測定し、その砥石の半径データをコンピュータ7に転送して、工具形状データベースを書き換えて、ドレスを行った砥石を用いるブロックの砥石半径減少を考慮した上述のデータ修正を行い、その加工以降のプログラムの修正データを元に訂正しコンピュータ7のNCデータ出力ユニット79からNC装置に訂正プログラムを転送して、ドレスを行ったブロックから加工を行えばよい。この場合は、砥石の振れ回りを除去できるとい利点がある。
以上に述べたことを、簡略に表すと図6のフローチャートになる。上述の内容と重複するので、簡潔に図6の流れを以下に説明する。図6(a)の方式では、加工の開始に先立って加工装置で使用する砥石の全てをドレスして、このドレス後に砥石の直径と長さの測定を行い、NC装置内4の砥石データメモリと、工具形状情報データベース72内の砥石形状データを書き換える(S10)。次いで、加工前の被削材の形状、加工後の被削材の形状、使用工具の形状のデータを得て(S11)、NCプログラムを生成し(S12)、工具に砥石がある場合には(S13)、前述の方法で工具径データまたは工具経路を修正して(S14)、作成されたNCプログラムに修正を加えて(S15)、加工機に転送する(S16)。加工機では、このプログラムにより加工を行い(S17)、加工を完了する(S18)。
図6(b)の方式では、工具毎に加工プログラムを作成し加工を行う方式である。まず、加工前の被削材の形状、加工後の形状、使用工具の形状を得て(S20)、i番目の工具が砥石であれば(S21)、砥石を機械に装着してドレスし(S24)、ドレス後の直径と長さを測定して(S25)、NC装置4内の砥石データメモリと、工具形状情報データベースの修正を行う(S26)。その後、工具経路・加工条件決定ユニット75によりNCプログラムの修正を行い(S27)、NCデータ入出力ユニットから修正後のプログラムをNC装置4に転送して(S28)、加工を行う(S29)。このサイクルを使用する工具の加工パートがなくなるまで続けると(S30)、所期の加工が終了する(S32)。上記のいずれの場合も、先に述べた目つぶれと目詰まりが生じる砥石の場合は、目つぶれと目詰まりが原因で加工不能になる前にドレスを行う。そして、砥石直径の測定とNCデータの書き換えを行う。
さらに、これまでに述べたプログラム修正、工具径データ補正の動作形態を簡潔な模式図である図7を用いて説明する。
図7(a)は、加工装置1のテーブル上に被削材6が置かれ、砥石5が周速Vで回転し、送り速度Fでp点からq点に進み被削材6を研削加工する直前の状態を示している。ここでは辺pqは簡便のため機械のX軸に平行にしてある。また、簡便のために、被削材6の一頂点は座標系の原点に置いている。
砥石5の半径はRで、s点に位置している。この図7(a)の状態から、砥石5はX軸に平行に進行して、被削材6を加工して端点qに砥石中心tが来た状態を示したのが図7(b)である。砥石5は、この間に砥石半径がRからRにεだけ減少して、p点(X,Y)を目指して加工したものの、実際にはp’点(X,Y+ε)が加工点になっており、被削材のY座標はY+εとεだけ誤差が生じた加工結果となる。砥石5の半径はRからRへとεだけ小さくなっている。
この図7(b)のような誤差が生じるのを防止するために、加工が開始する図7(a)の状態で、採用している工具径オフセットRをp(X,Y2)点まで維持し、点qでは、先に述べたような手段で砥石摩耗を修正した工具径データRに修正したプログラムとして、pq間で砥石半径減少量εが、研削距離に比例して減少していくようにして加工を行えば、図7(c)のように、被削材6の辺pqは、X軸に平行に加工できる。
この砥石データの修正は、先述のように図7(a)で示される砥石5の加工を指示するプログラムの前で行っても良いし(図6(b))、プログラム全体を作成した段階で行っても(図6(a))良い。
上の例では工具径データを修正する手段を説明したが、図7(c)のように加工の終了点における砥石中心座標tを、t(X,Y+R)のようにして、砥石半径データを修正せずに、プログラム座標を変更しても目的は達成できる。
このように、砥石5の摩耗に伴う砥石径データあるいはプログラムされた軌跡データを修正せずに、加工途中で一旦加工を止めて、砥石径を測定して砥石径データあるいはプログラムを修正する手段を採用することは可能ではあるが、測定に多大な時間がかかるため非現実的である。
砥石半径減少量データベースを用いて加工する本願の手法は効率が良い利点がある。この砥石半径減少量データベースを用いた加工は、図5に示した制御ユニット郡によって可能となる。
従来のCADとCAMを用いたNC加工プログラム作成装置では、砥石半径減少量εをあらかじめ組み込んでNCプログラムを作成できない課題があったが、本装置のコンピュータ7を中心に構成された砥石半径減少量データベース71、工具形状情報データベース72、加工条件データベース、被削材形状入力ユニット74、工具経路・加工条件決定ユニット、使用工具決定ユニット75、砥石半径減少量決定ユニット77、NCデータ入出力ユニット79によれば、上述の砥石5の摩耗を補正した形状の加工が可能となる。
これによって切削加工では工具摩耗が激しく、材料除去能率を犠牲にして加工せざるをえなかった耐熱合金などの荒加工を、研削砥石の摩耗を修正しながら能率良く実施することができ、精度の良い高能率研削加工が可能となる。
1 マシニングセンタ
11 ベッド
12 コラム
13 X軸テーブル
14 Y軸テーブル
15 Z軸テーブル
16 ツール交換ユニット
17 ツールマガジン
2 工具回転軸
3 工具径および長さ測定機能付き砥石ドレスユニット
31 ドレッサ
32 タッチセンンサ
33 タッチセンンサ
4 NCユニット
5 主軸装着工具
51 ツールマガジン内砥石
52 ツールマガジン内砥石
53 ツールマガジン内工具
6 被削材
7 コンピュータ
71 砥石半径減少量データベース
72 工具形状情報データベース
73 加工条件データベース
74 被削材形状入力ユニット
75 工具径路・加工条件決定ユニット
76 使用工具決定ユニット
77 砥石半径減少量決定ユニット
78 加工シミュレーションユニット
79 NCデータ入出力ユニット

Claims (6)

  1. 研削用砥石を含む転削工具を工具回転軸に着脱自在に装着することができるマシニングセンタであって、前記砥石の外周及び端面をドレスするユニットと、前記砥石を含む工具の直径を測定するユニットと、前記砥石を含む工具の突き出し長さを測定するユニットと、砥石の送り速度と、前記砥石の周速と、前記砥石の半径と、前記砥石の切込みから求まる研削条件値に対応する砥石半径減少量を、砥石の仕様と被削材の組み合わせに対応させて格納している砥石半径減少量データベースユニットと、工具の仕様と形状情報を格納している工具形状情報データベースユニットと、工具と被削材および仕上げ精度の組み合わせで加工条件を格納しているデータベースユニットと、被削材の素材形状と加工後形状を入力する被削材形状入力ユニットと、工具経路・加工条件決定ユニットと使用工具決定ユニットと砥石半径減少量決定ユニットと、加工シミュレーションユニットとNCデータ出力ユニットを具備し、前記砥石の半径減少量をNCデータに補正して、前記砥石が加工することを特徴とするマシニングセンタ。
  2. 請求項1に記載のマシニングセンタであって、前記砥石を装着した工具ホルダを収納可能なツールマガジンを備え、前記工具ホルダを自動的に前記ツールマガジンに収納し、前記工具ホルダを他の工具ホルダと交換する機能を備え、前記砥石の収納時には、前記砥石が砥石半径減少量決定ユニットによって求められた前記ツールマガジンに収納する前の直径を自動的にメモリーすることを特徴とするマシニングセンタ。
  3. 請求項1に記載のマシニングセンタであって、前記砥石の半径減少量をNCデータおよびプログラムに補正する際に、前記砥石の加工点から終点にわたって、前記砥石の減少量にともなう修正量を前期砥石の移動距離に比例して配分することを特徴とするマシニングセンタ。
  4. 請求項1に記載のマシニングセンタであって、前記砥石の半径減少量をNCデータおよびプログラムに補正する際に、前記砥石の加工を指示するNCプログラムのブロック毎に、前記砥石の減少量にともなう修正量を前期砥石の移動距離に比例して配分することを特徴とするマシニングセンタ。
  5. 請求項3に記載のマシニングセンタであって、前記砥石の減少量にともなう修正量を砥石の半径値データを変更することによって行うことを特徴とするマシニングセンタ。
  6. 請求項5に記載のマシニングセンタであって、前記砥石の減少量にともなう修正量を砥石の半径値データの変を、前記砥石の減少量に伴う修正量を前記砥石の移動距離に比例して配分することを特徴とするマシニングセンタ。
JP2011029303A 2011-02-15 2011-02-15 砥石摩耗補正機能を備えるマシニングセンタ Withdrawn JP2012168742A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029303A JP2012168742A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 砥石摩耗補正機能を備えるマシニングセンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029303A JP2012168742A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 砥石摩耗補正機能を備えるマシニングセンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012168742A true JP2012168742A (ja) 2012-09-06

Family

ID=46972836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011029303A Withdrawn JP2012168742A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 砥石摩耗補正機能を備えるマシニングセンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012168742A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102990477A (zh) * 2012-11-30 2013-03-27 徐建 带磨刀装置的加工中心
JP2018034297A (ja) * 2016-08-25 2018-03-08 株式会社岡本工作機械製作所 自動研削装置
JP2020004431A (ja) * 2017-07-28 2020-01-09 ドゥーマンズ株式会社 コンピュータを用いて設計した家具のパーツ部材を加工機械を用いて製造するためのシステム、方法、及びそのためのプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102990477A (zh) * 2012-11-30 2013-03-27 徐建 带磨刀装置的加工中心
JP2018034297A (ja) * 2016-08-25 2018-03-08 株式会社岡本工作機械製作所 自動研削装置
JP7083232B2 (ja) 2016-08-25 2022-06-10 株式会社岡本工作機械製作所 自動研削装置
JP2020004431A (ja) * 2017-07-28 2020-01-09 ドゥーマンズ株式会社 コンピュータを用いて設計した家具のパーツ部材を加工機械を用いて製造するためのシステム、方法、及びそのためのプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Klocke et al. Abrasive machining of advanced aerospace alloys and composites
CN106378668B (zh) 一种五轴双端面磨床的控制方法
US20210178499A1 (en) Method for machining toothings, as well as toothing machine and control program for same
JP2020069600A (ja) 工作機械
JP5272569B2 (ja) びびりシミュレーション装置、および、びびりシミュレーション方法
JP2012168742A (ja) 砥石摩耗補正機能を備えるマシニングセンタ
CN107695883B (zh) 整形修整装置以及整形修整方法
CN111823139A (zh) 砂轮的修整方法以及砂轮的修正装置
JP4261493B2 (ja) ドレス装置、研削装置、ドレス方法、及び数値制御プログラム
JP4868303B2 (ja) 内面研削砥石、研削装置、及び成形装置
JP3710575B2 (ja) 研削盤の研削制御方法
JP7172636B2 (ja) 工作機械のメンテナンス支援装置および工作機械システム
JP2008307633A (ja) 工作物の研削方法
JPH09254011A (ja) 穴形成装置
JP5603303B2 (ja) アンギュラ研削方法およびアンギュラ研削装置
JP2011245592A (ja) 研削方法および研削盤
JP2021074842A (ja) 加工品質予測システム
JPH09239631A (ja) 工具成形機能付き数値制御工作機械
JP4225210B2 (ja) 砥石車のツルーイング装置及びツルーイング方法
JP4581647B2 (ja) ツルーイング方法および研削盤
JP7271983B2 (ja) 熱変位量推定装置および研削盤
JP5039874B2 (ja) ドレス装置、ドレス方法、及び数値制御プログラム
WO2023047437A1 (ja) 加工推定装置
JP2022147691A (ja) 加工状態推定方法及び加工状態推定システム
JP2009285781A (ja) 複合加工機におけるワークの内径加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140513