JP3687324B2 - シリンダボアの高精度微細溝加工装置及び加工方法 - Google Patents

シリンダボアの高精度微細溝加工装置及び加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、XYテーブルやZ軸に沿って移動するZ軸部材をNC制御装置により自動制御すべく形成される例えば、マシニングセンタのような装置本体に装着され、前記XYテーブル上に載置されたシリンダブロックのシリンダボアの内面に極薄のスライシングブレードにより高精度微細溝を加工するに好適なシリンダボアの高精度微細溝加工装置及び加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの高性能化,高速化に伴いシリンダブロックのシリンダボアの内面には微細溝が形成され、潤滑油を該微細溝内に溜めてピストンリングの摩擦抵抗を低減する手段が採用されている。この微細溝は、例えば、溝深さ20μm±5μm程度で溝幅も30乃至100μm程度の微小のものであり、かつ微細溝の真円度や複数列の微細溝の形状のバラツキが極めて厳しいバラツキ精度内に保持される必要がある。そのため、従来から採用されているプラトホーニングやレーザホーニングによる微細溝加工では前記精度を保持することは困難であり、極薄の刃厚を有する円盤状のスライシングブレードを用いた加工方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スライシングブレードを用いて微細溝を加工する場合、スライシングブレード自体の寸法バラツキの他にシリンダボアの円筒度や真円度のバラツキもあり、かつシリンダボアとスライシングブレードとの位置合わせを高精度に行うことが必要となる。従って、単にスライシングブレードをシリンダボアに係合せしめて微細溝を加工しても前記精度の微細溝を形成することは困難である。また、スライシングブレードは前記のように極薄のものであり、シリンダブロックが鋳鉄製のため、外周に砥粒を付着した円盤状のブレードから形成される。従って、スライシングブレードは砥粒の脱落や破損が生じ易く、インプロセスにスライシングブレードの形状変化を検出しながら加工を進めないと高精度の微細溝が加工されないという問題点がある。また、シリンダブロックには複数個のシリンダボアが穿孔されているため、加工効率を向上するためには複数個のシリンダボア,少なくとも2個のシリンダボアに同時に微細溝を加工することが必要となる。
【0004】
本発明は、以上の事情に鑑みて創案されたものであり、シリンダボアやスライシングブレードの寸法バラツキや真円度のバラツキ等に関係なく、常に一定の形状の微細溝が加工できると共に加工効率の向上が図れるシリンダボアの高精度微細溝加工装置及び加工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、NC制御装置により制御されるXYテーブル及びZ軸に沿って移動するZ軸部材を有する装置本体に装着され、XY平面と平行に配設される円盤状のスライシングブレードにより前記XYテーブル上に載置されるシリンダブロックのシリンダボアに微細溝を加工するシリンダボアの高精度微細溝加工装置であって、該加工装置は、前記スライシングブレードに連結される支持軸を回転駆動する機構部を有する支持軸駆動機構部と、該支持軸駆動機構部と前記Z軸部材との間に介設され前記支持軸駆動機構部をX軸及び/又はY軸方向に微動させる電歪素子と、前記支持軸駆動機構部側に固着される第1のセンサ及び第2のセンサとを有するものからなり、前記第1のセンサは前記スライシングブレードの加工時の状態を検出するセンサからなり、前記第2のセンサは前記スライシングブレードと前記シリンダボアの内面との間隔を検出するセンサからなり、前記支持軸駆動機構部,電歪素子,第1のセンサ及び第2のセンサは、前記NC制御装置により自動制御されるシリンダボアの高精度微細溝加工装置を構成するものである。
【0006】
更に具体的に、前記支持軸駆動機構部は、シリンダブロックの複数個のシリンダボアに対応して複数個配設され、複数個の前記シリンダボアに同時に前記微細溝を加工するものであり、前記スライシングブレードが、前記支持軸に複数枚装着されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、以上の目的を達成するために、NC制御装置により制御されるXYテーブル及びZ軸に沿って移動するZ軸部材を有する装置本体に装着され、前記XYテーブル上に載置されるシリンダブロックのシリンダボアに微細溝を加工すべくXY平面と平行に配設される円盤状のスライシングブレードと、該スライシングブレードを支持する支持軸を回転駆動する機構部を有する支持軸駆動機構部と、該支持軸駆動機構部と前記Z軸部材との間に介設され前記支持軸駆動機構部をX軸及び/又はY軸方向に微動させる電歪素子と、前記スライシングブレードの加工時の状態を検出する第1のセンサと、前記スライシングブレードと前記シリンダボアの内面との間隔を検出する第2のセンサとを有し、前記各機構部,電歪素子,第1のセンサ及び第2のセンサ等が前記NC制御装置により自動制御されるシリンダボアの高精度微細溝加工装置により前記シリンダボアの内面に微細溝を加工するためのシリンダボアの高精度微細溝加工方法であって、前記スライシングブレードをZ軸に沿って前記シリンダボア内の第1の微細溝の加工位置まで下降させる第1の手順と、前記スライシングブレードの外周を前記シリンダボアの内面の任意の4箇所に接触させ、前記第1のセンサで接触位置を検出しながら前記スライシングブレードの中心位置を求め、前記4箇所の前記中心位置から前記シリンダボアの中心点である第一原点を求める第2の手順と、前記XYテーブル及び電歪素子を作動して、前記スライシングブレードの中心を前記第一原点に芯出しする第3の手順と、前記XYテーブルを作動し、前記スライシングブレードの外周をシリンダボアの内面に接触させ前記第1のセンサで接触点を検出し、その状態におけるスライシングブレード側と前記シリンダボアの内面との間の間隔を求め、この値からこの位置における前記スライシングブレードの中心を加工原点として求め、前記第2のセンサに前記加工原点をインプットする第4の手順と、前記加工原点から前記微細溝の溝深さに対応する切り込み量分だけマイナスさせた位置に前記スライシングブレードの中心位置を移動させる第5の手順と、前記第5の手順によって位置決めされた前記スライシングブレードをその位置に固定した状態でXYテーブルを円弧運動させて前記シリンダボアの内面の全周に前記微細溝を加工する第6の手順と、前記第1の微細溝に引き続いて第2の微細溝及びそれ以降の多数列の微細溝を加工する必要がある場合には、前記スライシングブレードを更に第2の微細溝等に対応する位置までZ軸方向に移動して前記各手順を繰り返し行う第7の手順を行うシリンダボアの高精度微細溝加工方法を特徴とするものである。
【0008】
装置本体のXYテーブルやZ軸部材を自動制御するNC制御装置により本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工装置を構成する支持軸駆動機構部,電歪素子,第1のセンサ及び第2のセンサは自動制御される。加工物であるシリンダブロックはXYテーブル上に載置される。支持軸駆動機構部側に装着されるスライシングブレードをまずシリンダボアの中心に位置決めするための第一原点が求められる。なお、微動可能な電歪素子を用いることにより第一原点が正確に求められる。次に、スライシングブレードをシリンダボアの内面に接触せしめ、加工原点を求め、更に、これから微細溝の溝深さ分だけマイナスさせた位置にスライシングブレードを位置決めする。これ等は電歪素子や第1のセンサ及び第2のセンサを用いることにより高精度に行われる。この状態でXYテーブルを円弧運動させシリンダブロックを回転することによりシリンダボアの内面に微細溝が高精度に形成される。また、複数列の微細溝を加工するには第1の微細溝の加工後にスライシングブレードをZ軸方向に移動位置決めして前記同様な手順を行えばよい。なお、スライシングブレードを支持軸に複数枚装着することにより複数列の微細溝を同時に加工することができる。また、前記加工方法は複数のシリンダボアに対して同時に行うことができる。これにより、加工効率の向上が図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工装置の実施の形態を図面を参照して詳述する。本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工装置はNC制御装置により自動制御されるマシニングセンタのような装置本体に装着されるものであるが、図1では装置本体1は概要構造のみが示されている。装置本体1にはXYテーブル2及びZ軸方向に立設するコラム3と、コラム3に摺動自在に支持されてZ軸方向に移動するZ軸部材4が設けられている。また、XYテーブル2及びZ軸部材4はNC制御装置5により自動制御される。また、NC制御装置5にはパソコン(PC)6が付設され、制御に必要な各演算を行う。
【0010】
以上の概要構造の装置本体1のXYテーブル2上には加工品であるシリンダブロック7が図略の位置決め手段等を介して所定位置に位置決め固定される。なお、シリンダブロック7には複数個(図示では4個)のシリンダボア8が穿孔されている。本例のシリンダボアの高精度微細溝加工装置は装置本体1に装着され、2個のシリンダボア8,8に微細溝9(図6)を同時に加工する構成からなるが、これに限定するものではない。
【0011】
シリンダボアの高精度微細溝加工装置は、大別してスライシングブレード10の支持軸11を回転駆動する支持軸駆動機構部12と、2個の支持軸駆動機構部12,12とZ軸部材4との間に介設される電歪素子13と、第1のセンサの1つであるAEセンサ14と、第2のセンサである表面位置計測センサ15等とから構成される。なお、支持軸駆動機構部12,電歪素子13,AEセンサ14及び表面位置計測センサ15はそれぞれNC制御装置5に連結され、自動制御される。また、支持軸駆動機構部12側にはクーラントノズル16が設けられ、その噴出口から噴出する冷却油によりスライシングブレード10の刃部の冷却を行う。
【0012】
支持軸駆動機構部12は電歪素子13に連結されるケース本体17と、このケース本体17内に収納され支持軸11を回転駆動する図略の駆動機構部とを有するものからなる。なお、支持軸11はZ軸方向に軸線を有するものからなり、その下端には図略の挟持手段を介してスライシングブレード10が固定される。スライシングブレード10は極薄(30乃至100μm)のブレードを外周に形成する円盤状の部材からなる。なお、切刃部は砥粒からなる。
【0013】
電歪素子13は、本例では支持軸駆動機構部12をX軸方向及び/又はY軸方向に高精度に微動させるものであり、ピエゾ素子を用いたものからなる。NC制御装置5により、移動指令を電歪素子13に入力することにより、スライシングブレード10を所定の位置に高精度に微動させることができる。なお、電歪素子13は公知技術である。
【0014】
AEセンサ14はAE(Acoustic−Emission)センサである。AEとは、工具やワーク等の固体の変形及び破壊等に伴って解放されるエネルギーが弾性波(AE波)として伝播する現象をいい、AEセンサ14はこの弾性波を検出するセンサである。具体的に説明すると、スライシングブレード10がシリンダボア8の内面に接触するとAE波が発生するが、前記AEセンサ14はこの接触瞬間を検出するセンサとして使用される。勿論、AE波は加工中にも生じ、かつスライシングブレード10の破損時にも発生する。従って、AEセンサ14を設けることにより、その波形からスライシングブレード10とシリンダボア8との接触や正常加工の状態やスライシングブレード10の破壊状態を検出することができる。なお、本例では検出精度を考慮して前記AEセンサ14は図1に示すように支持軸駆動機構部12のケース本体17に装着されているが、AE波を検出できるならば装置本体1の他のいずれの場所でも構わない。
【0015】
表面位置計測センサ15は、シリンダボア8の内面とスライシングブレード10との関係位置を検出するものであるが、本例では支持軸11の外周に固着される。スライシングブレード10と支持軸11との関係位置は固定されており、支持軸11の外周とスライシングブレード10の外周との寸法関係も既知のため、支持軸11に表面位置計測センサ15を固定して支持軸11の外周とシリンダボア8の内面との間隔h(図5)を検出することによりシリンダボア8の内面とスライシングブレード10との関係寸法を検出することが可能である。勿論、この表面位置計測センサ15は支持軸11以外の所に装着してもよい。表面位置計測センサ15としては接触式や非接触式の各種のセンサが適用される。接触式としては、例えば、接触式タッチセンサが挙げられ、非接触式としては、非接触高精度レーザ変位計等が挙げられる。なお、これ等はすべて公知技術であり、説明を省略する。
【0016】
次に、本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工方法を図8のフローチャート及び図2乃至図7を用いて説明する。前記したように、シリンダブロック7はXYテーブル2上の所定位置に載置される。図2に示すように、本例では第1乃至第4の4個のシリンダボア8を有するシリンダブロック7の第1及び第3のシリンダボア8,8に微細溝9,9を同時に加工し、次に、第2及び第4のシリンダボア8,8に微細溝9,9を同時に加工する方法を採用する。従って、2個のシリンダボア8,8に対応して支持軸駆動機構部12,12が配設されるが、それぞれのシリンダボア8,8に対する加工方法は同一のため以下の説明では1個の支持軸駆動機構部12によるシリンダボア8の微細溝加工に絞って加工方法を説明する。
【0017】
図2に示すように、XYテーブル2を移動させ、支持軸駆動機構部12の支持軸11の中心とシリンダボア8の中心を概略一致させ、Z軸部材4をZ軸に沿って下降させ、スライシングブレード10を第1の微細溝9の加工位置に位置決めする(ステップ100)。次に、図3に示すように、スライシングブレード10の外周をシリンダボア8の内面の任意の4箇所に接触させる。図示では4等分された位置においてスライシングブレード10はシリンダボア8の内面に接しているが勿論これに限定するものではない。スライシングブレード10をシリンダボア8の内面に接触させるにはXYテーブル2をX軸及び/又はY軸方向に移動させると共に電歪素子13によるX軸及び/又はY軸方向の微動によって行う。また、接触したか否かの検出はAEセンサ14のAE波の検出により正確に行われる。4箇所におけるスライシングブレード10の中心点を求めることによりシリンダボア8の中心が正確にPC6等により演算され、第一原点(図3のOで示す)が求められる(ステップ101)。次に、スライシングブレード10を第一原点に芯出し位置決めする(ステップ102)。この場合、電歪素子13による微調整を行う。
【0018】
次に、図4,図5に示すように、XYテーブル2をX軸又はY軸方向に移動し、スライシングブレード10の外周をシリンダボア8の内面に接触させて加工原点を求め、この位置を表面位置計測センサ15にインプットする(ステップ103)。なお、スライシングブレード10とシリンダボア8の接触はAEセンサ14により正確に検出される。また、図5に示すように、支持軸11に固定された表面位置計測センサ15により間隔hが正確に求められ、支持軸11とスライシングブレード10とは所定の関係位置にあるため、間隔hを求めることにより加工原点が正確に求められる。
【0019】
次に、図6に示すように、微細溝9の溝深さδに相当する分だけ加工原点を移動する。すなわち、表面位置計測センサ15にインプットされた値から溝深さδに相当する切り込み量をマイナスさせた位置にスライシングブレード10の中心位置を移動させる(ステップ104)。この移動量の確認は表面位置計測センサ15による間隔h′(図6)を計測することにより正確に求められる。
【0020】
次に、図7に示すように、XYテーブル2をNC制御装置5によりシリンダボア8の内周に等しい輪郭18に沿う円弧運動をさせる。これにより、溝深さδの微細溝9がシリンダボア8の内周の全周に沿って形成される(ステップ105)。以上により、第1の微細溝9の加工が終了する。
【0021】
引き続き第2の微細溝9の加工が必要か否かがチェックされ(ステップ106)、必要時(yes)にはスライシングブレード10をZ軸方向に移動させ第2の微細溝9に対応する位置にセットする(ステップ107)。勿論この場合、スライシングブレード10を前記第一原点又は加工原点に戻した上でZ軸方向に移動させ、以下、ステップ104以下を前記と同様に行えばよい。更に、第3,第4・・・の微細溝9を加工する場合は同様の手順を繰り返し行えばよい。また、微細溝9の加工完了後に、更に引き続き微細溝の加工が不要の場合(no)にはエンドとなる。
【0022】
なお、前記したように、前記の加工手順は第1のシリンダボア8のみならず、第3のシリンダボア8においても同時に進行される。従って、4個のシリンダボア8があっても前記の加工手順を2回行うことによりシリンダブロック7の全シリンダボア8に微細溝9をすべて加工することができる。これにより、加工効率の向上が図れる。また、本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工方法は、前記のように微調整可能な電歪素子13とAEセンサ14及び表面位置計測センサ15を用いて第一原点,加工原点を正確に求めて微細溝9を加工するため、極めて高精度な微細溝9を形成することができる。
【0023】
本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工装置ではAEセンサ14を用いているため、スライシングブレード10の回転時における異常が正確に把握される。すなわち、スライシングブレード10が正常の加工を行っている場合のAE波を基にし、加工状態をモニタリングするとスライシングブレード10の摩耗や破損の状態がインプロセスで把握される。従って、異常の発生が直ちに検知されるため、任意の位置に配設されているブレードツルーイングやドレスステーションでスライシングブレード10の更新、修理が迅速に行われる。これにより、常時高精度の微細溝を加工することができる。
【0024】
図9は、支持軸11に複数枚のスライシングブレード10を装着した場合を示す。各スライシングブレード10は挟持手段19により所定位置に固定される。以上により、シリンダボア8の内面に複数列の微細溝9を同時に加工することができ、加工時間の短縮が図れる。
【0025】
【発明の効果】
1)本発明の請求項1に記載のシリンダボアの高精度微細溝加工装置によれば、微動可能な電歪素子と、スライシングブレードの位置等を検出し得る第1及び第2のセンサを採用することにより、シリンダブロックのシリンダボアの内面に高精度の微細溝を自動的に形成することができる。また、加工が自動制御により自動的に行われ、加工効率の向上が図れる。また、第1のセンサを用いることにより加工状態がモニタリングされ、スライシングブレードの加工時における異常がすべてインプロセスに迅速に把握され、更新処理等がタイムリーに行われる。以上により、高精度の微細溝加工ができる。
2)本発明の請求項2に記載のシリンダボアの高精度微細溝加工装置によれば、支持軸駆動機構部が、複数のシリンダボアに対応して複数個配設され、同時に複数のシリンダボアの内面に微細溝が加工されるため、加工効率を向上することができる。
3)本発明の請求項3に記載のシリンダボアの高精度微細溝加工装置によれば、支持軸にスライシングブレードが複数枚装着されるため、複数列の微細溝を同時に加工することができ、加工時間の短縮が図れる。
4)本発明の請求項4に記載のシリンダボアの高精度微細溝加工方法によれば、電歪素子や第1及び第2のセンサを用いて第一原点や加工原点を求めて切り込み量をコントロールするため、高精度の微細溝を加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工装置の全体概要構成を示す構成図。
【図2】本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工方法の第1の手順を説明するための模式図。
【図3】本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工方法の第2の手順を説明するための模式図。
【図4】本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工方法の第3及び第4の手順を説明するための模式図。
【図5】図4におけるシリンダボアとスライシングブレード及び表面位置計測センサ等との関係を示す拡大部分正面図。
【図6】本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工方法の第5の手順を説明するための模式図。
【図7】本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工方法の第6の手順を説明するための模式図。
【図8】本発明のシリンダボアの高精度微細溝加工方法を説明するためのフローチャート。
【図9】1本の支持軸に複数枚のスライシングブレードを装着した場合を示す模式図。
【符号の説明】
1 装置本体
2 XYテーブル
3 コラム
4 Z軸部材
5 NC制御装置
6 パソコン(PC)
7 シリンダブロック
8 シリンダボア
9 微細溝
10 スライシングブレード
11 支持軸
12 支持軸駆動機構部
13 電歪素子
14 AEセンサ
15 表面位置計測センサ
16 クーラントノズル
17 ケース本体
18 輪郭
19 挟持手段

Claims (4)

  1. NC制御装置により制御されるXYテーブル及びZ軸に沿って移動するZ軸部材を有する装置本体に装着され、XY平面と平行に配設される円盤状のスライシングブレードにより前記XYテーブル上に載置されるシリンダブロックのシリンダボアに微細溝を加工するシリンダボアの高精度微細溝加工装置であって、該加工装置は、前記スライシングブレードに連結される支持軸を回転駆動する機構部を有する支持軸駆動機構部と、該支持軸駆動機構部と前記Z軸部材との間に介設され前記支持軸駆動機構部をX軸及び/又はY軸方向に微動させる電歪素子と、前記支持軸駆動機構部側に固着される第1のセンサ及び第2のセンサとを有するものからなり、前記第1のセンサは前記スライシングブレードの加工時の状態を検出するセンサからなり、前記第2のセンサは前記スライシングブレードと前記シリンダボアの内面との間隔を検出するセンサからなり、前記支持軸駆動機構部,電歪素子,第1のセンサ及び第2のセンサは、前記NC制御装置により自動制御されることを特徴とするシリンダボアの高精度微細溝加工装置。
  2. 前記支持軸駆動機構部は、シリンダブロックの複数個のシリンダボアに対応して複数個配設され、複数個の前記シリンダボアに同時に前記微細溝を加工するものである請求項1に記載のシリンダボアの高精度微細溝加工装置。
  3. 前記スライシングブレードが、前記支持軸に複数枚装着されるものである請求項1に記載のシリンダボアの高精度微細溝加工装置。
  4. NC制御装置により制御されるXYテーブル及びZ軸に沿って移動するZ軸部材を有する装置本体に装着され、前記XYテーブル上に載置されるシリンダブロックのシリンダボアに微細溝を加工すべくXY平面と平行に配設される円盤状のスライシングブレードと、該スライシングブレードを支持する支持軸を回転駆動する機構部を有する支持軸駆動機構部と、該支持軸駆動機構部と前記Z軸部材との間に介設され前記支持軸駆動機構部をX軸及び/又はY軸方向に微動させる電歪素子と、前記スライシングブレードの加工時の状態を検出する第1のセンサと、前記スライシングブレードと前記シリンダボアの内面との間隔を検出する第2のセンサとを有し、前記各機構部,電歪素子,第1のセンサ及び第2のセンサ等が前記NC制御装置により自動制御されるシリンダボアの高精度微細溝加工装置により前記シリンダボアの内面に微細溝を加工するためのシリンダボアの高精度微細溝加工方法であって、前記スライシングブレードをZ軸に沿って前記シリンダボア内の第1の微細溝の加工位置まで下降させる第1の手順と、前記スライシングブレードの外周を前記シリンダボアの内面の任意の4箇所に接触させ、前記第1のセンサで接触位置を検出しながら前記スライシングブレードの中心位置を求め、前記4箇所の前記中心位置から前記シリンダボアの中心点である第一原点を求める第2の手順と、前記XYテーブル及び電歪素子を作動して、前記スライシングブレードの中心を前記第一原点に芯出しする第3の手順と、前記XYテーブルを作動し、前記スライシングブレードの外周をシリンダボアの内面に接触させ前記第1のセンサで接触点を検出し、その状態におけるスライシングブレード側と前記シリンダボアの内面との間の間隔を求め、この値からこの位置における前記スライシングブレードの中心を加工原点として求め、前記第2のセンサに前記加工原点をインプットする第4の手順と、前記加工原点から前記微細溝の溝深さに対応する切り込み量分だけマイナスさせた位置に前記スライシングブレードの中心位置を移動させる第5の手順と、前記第5の手順によって位置決めされた前記スライシングブレードをその位置に固定した状態でXYテーブルを円弧運動させて前記シリンダボアの内面の全周に前記微細溝を加工する第6の手順と、前記第1の微細溝に引き続いて第2の微細溝及びそれ以降の多数列の微細溝を加工する必要がある場合には、前記スライシングブレードを更に第2の微細溝等に対応する位置までZ軸方向に移動して前記各手順を繰り返し行う第7の手順を行うことを特徴とするシリンダボアの高精度微細溝加工方法。
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