JP3758853B2 - 白血球除去器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、献血者から採血された血液から白血球成分等を除去した血液製剤を得る際に用いる白血球除去器に関する。
【0002】
【従来の技術】
白血球除去器としては、ハウジングと、ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた白血球除去用フィルターと、流入側血液室と連通する血液流入ポートと、流出側血液室と連通する血液流出ポートとを備えるものが一般的である。
【0003】
白血球除去器は、血液入口側に設けられたチューブに未濾過の血液が収容された容器のチューブを連結し、血液出口側に設けられたチューブに濾過済の血液を収容する容器のチューブを連結して使用される。白血球除去は、未濾過血液容器を上方に、濾過済血液回収容器を下方に置き、白血球除去器をそれらの中間に位置するようにして、落差によって白血球除去器に血液を導入し、白血球除去を行い、白血球除去済の血液を下方の容器に収容することにより行われている。
【0004】
白血球除去器が内部に空気が多く含まれる構造である場合は、その空気が血液の円滑な流入を妨げることになるので、それを確実に追い出すために除去器の入口側を下方に出口側を上方にし、空気除去操作を行った後、除去器を上下反転させて、血液濾過がおこなわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
血液濾過操作開始後、最初は順調な濾過が進行するが、しばらくすると、濾過速度は極めて遅いものとなる。これは、濾過操作開始直後では、白血球除去器の入口側に注入された未濾過血液の量が少ないため、濾材にかかる圧力は小さく、血液流下速度の低下が生じないが、軟質ハウジングタイプの除去器の場合、流入側血液室の容積に相当する以上の量の血液が注入されてから暫くすると、流入側血液室にたまった血液の圧力により濾材が圧迫され、流出側血液室の容積が減り、濾材が軟質ハウジングの内面に密着することになる。その結果、血液の流出側血液室が閉塞されることになり、濾過速度が極めて低いものとなってしまう。
【0006】
さらに、濾過済血液回収容器として、ソフトタイプの血液バッグが一般的に用いられており、濾過開始後、最初に除去器より流出した濾過済血液はその下方に流下を妨げる因子がないために自由落下に近い速度で濾過済血液回収容器に流下するが、上記のように濾過済血液がフィルター出口側に出てくる速度が遅くなると濾過済血液回収容器が血液を引っ張るかの如き作用を起こし、除去器の流出側血液室が陰圧傾向となり、結果的に軟質ハウジングが濾材に密着することを促進することになる。
濾過時間の極端な延長は作業性の低下のみならず血液製剤の品質低下にもつながり、好ましいものではない。
【0007】
このような問題を解決する方法として、流出側血液室にスペース形成物もしくはロッドを挿入する方法が提案されているが、別部材を挿入することにより、ハウジングの接着不良を起こすことがあり、接着不良は、血液漏出の原因となる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、別部材を用いることなく、よって、別部材を用いたことに起因するハウジングの接着不良を起こすことがなく、さらに、血液濾過速度の低下も少ない白血球除去器を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、軟質樹脂製袋状ハウジングと、該ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた白血球除去用フィルター部材と、前記ハウジングの一端側に設けられ、かつ前記流入側血液室と連通する血液流入ポートと、前記ハウジングの他端側に設けられ、かつ前記流出側血液室と連通する血液流出ポートとを備える白血球除去器であって、前記軟質樹脂製袋状ハウジングは、2枚の熱可塑性軟質樹脂シートからなり、前記白血球除去用フィルター部材は、熱可塑性軟質樹脂製シート状フレームと該フレームに周縁部が固着された濾材とからなり、前記白血球除去用フィルター部材は、前記2枚の熱可塑性軟質樹脂シート間に挟まれた状態となっており、かつ、前記熱可塑性軟質樹脂製シート状フレームの周縁部が前記2枚の熱可塑性軟質樹脂シートに熱融着されており、さらに、少なくとも前記流出側血液室の軟質樹脂製袋状ハウジングの内表面は、高低差0.2〜2mmの凹凸面となっている白血球除去器である。
【0011】
そして、前記凹凸面は、複数のリブにより形成されていることが好ましい。さらに、前記リブは、前記ハウジングの一端側より他端側に延びるものであることが好ましい。さらに、前記リブは、間隔が1〜5mmであることが好ましい。また、前記リブは、点在する突起であってもよい。
【0012】
さらに、前記凹凸面は、前記白血球除去用フィルター部材の前記流出側血液室の面と向かい合う軟質樹脂製袋状ハウジングの内面に形成された複数のリブにより形成されており、かつ、リブは、前記ハウジングの血液流入ポート側(一端側)より血液流出ポート側(他端側)に延びる複数の縦リブと該縦リブに略直角に交差する複数の横リブを有し、該横リブの高さは、前記縦リブより低いものであってもよい。そして、前記縦リブの間隔が1〜5mmであることが好ましい。また、前記横リブの間隔は、前記縦リブの間隔より広いものであることが好ましい。
【0013】
そして、前記の白血球除去用フィルター部材の濾過機能部位は、多孔質体もしくは不織布からなる濾材により構成されていることが好ましい。前記多孔質体は、ポリウレタン多孔質体であることが好ましい。また、前記不織布は、ポリエステル繊維よりなるものであることが好ましい。
【0014】
そして、前記白血球除去用フィルター部材は、濾過機能部位と該濾過機能部位の周縁全周に形成された非濾過機能部位を備え、前記白血球除去器は、前記流出側血液室の周縁部に非濾過機能部位とハウジング内面とにより形成された血液流路を備えていることが好ましい。さらに、前記白血球除去用フィルター部材は、濾過機能部位と濾過機能部位の周縁全周に形成された非濾過機能部位を備え、前記白血球除去器は、前記流出側血液室および前記流入側血液室の周縁部に非濾過機能部位とハウジング内面とにより形成された血液流路を備えているものであってもよい。また、前記軟質樹脂製袋状ハウジングは、2枚の熱可塑性軟質樹脂シートからなり、前記白血球除去用フィルター部材は、熱可塑性軟質樹脂製シート状フレームとフレームに周縁部が固着された濾材とからなり、前記白血球除去用フィルター部材は、前記2枚の熱可塑性軟質樹脂シート間に挟まれた状態となっており、さらに、前記熱可塑性軟質樹脂製シート状フレームの周縁部が前記2枚の熱可塑性軟質樹脂シートに熱融着されているものであってもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の白血球除去器を図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の白血球除去器の流出側血液室側からみた正面図であり、図2は、図1の白血球除去器の背面図(流入側血液室側からみた図)であり、図3は、図1の白血球除去器のA−A線拡大断面図であり、図4は、図1の白血球除去器のB−B線断面図であり、図5は、図2の白血球除去器を部分剥離した状態を示す図である。
【0026】
本発明の白血球除去器1は、図1,図2に示すように、軟質樹脂製袋状ハウジング2と、ハウジング2内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた白血球除去用フィルター部材5と、ハウジング2の一端側に設けられ、かつ流入側血液室と連通する血液流入ポート6と、ハウジング2の他端側に設けられ、かつ流出側血液室と連通する血液流出ポート7とを備える。そして、白血球除去用フィルター部材5の流出側血液室の面と向かい合う軟質樹脂製袋状ハウジング2の内面2aは、高低差0.2〜2mmの凹凸面となっている。
【0027】
この実施例の白血球除去器1では、図3,図4,図5に示すように、軟質樹脂製袋状ハウジング2は、2枚の熱可塑性軟質樹脂シート21,22からなり、シート21が流入側血液室側、シート22が流出側血液室側となっている。そして、流出側シート22の内面2a、言い換えれば、白血球除去用フィルター部材5の流出側血液室の面と向かい合う面には、高低差0.2〜2mmの凹凸が形成されている。このように流出側シート22の内面2aを凹凸面とすることにより、白血球除去用フィルター部材5が軟質樹脂製袋状ハウジング2の内面2a(流出側シート22の内面2a)を圧迫する状態となったときにおいても両者の密着を防止し、白血球除去用フィルター部材5とハウジング内面(流出側シート22の内面)2a間の血液流路を確保し、濾過速度の低下を防止する。
【0028】
この実施例の白血球除去器1では、図1,図3および図5に示すように、流出側血液室側シート22の内面2aには、ハウジング2の一端側より他端側(言い換えれば、血液の流れ方向)にほぼ平行に延びる複数のリブ23が形成されている。このようなリブ23を設けることにより、白血球除去用フィルター部材5と流出側シート22の内面2aとの密着を防止するとともに、濾過血液を流出ポートに誘導する作用を発揮する。
【0029】
複数のリブ23の間隔は、1〜5mm程度が好適であり、リブ23はほぼ等間隔となっている。リブ23の間隔が、1mm以上であれば、充分な流路形成ができるため濾過時間も短く、また、5mm以下であれば、間隔が広過ぎて凹部のシート面が濾材と密着して流路が閉塞されることもない。
【0030】
また、リブ23の幅は、0.5〜1mm程度が好適である。リブ23の高さ(高低差)は、0.2〜2mmが好適であり、特に、0.5〜1mmが好適である。また、リブ23の断面形状は、三角形、半球状などのように先端に向かって幅が狭くなるものが好適である。
【0031】
なお、リブとしては、このような形態のものに限られず、リブが等間隔となっていないものであってもよい。また、リブは、平行となっていなくてもよい。さらに、リブとしては、直線的に延びるものに限られず、湾曲しながら、ハウジング2の一端側より他端側に延びるものであってもよい。
【0032】
さらに、図7ないし図9に示す実施例の白血球除去器20のように、流出側シート22の内面2aには、ハウジング2の一端側より他端側に延びる複数の縦リブ23と、縦リブ23に略直角に交差する複数の横リブ24を有するものであってもよい。この場合、縦リブ23および横リブ24の間隔は、1〜5mm程度が好適であり、それらリブはほぼ等間隔となっていることが好ましい。また、縦リブ23および横リブ24の幅は、0.5〜1mm程度が好適である。縦リブ23の高さ(高低差)は、0.2〜2mmが好適であり、特に、0.5〜1mmが好適である。
【0033】
また、横リブ24の高さ(高低差)は、0.2〜1mmが好適であり、特に、0.2〜0.5mmが好適である。そして、横リブ24の高さは、縦リブ23より低いことが好ましく、具体的には、横リブ24の高さは、縦リブ23より、0.3〜1mm程度低いことが好ましい。さらに、横リブ24の間隔は、縦リブ23の間隔より広いことが好ましい。具体的には、横リブ24の間隔は、縦リブ23の間隔より、1〜2mm程度広いことが好ましい。
【0034】
また、白血球除去用フィルター部材5の流出側血液室の面と向かい合う軟質樹脂製袋状ハウジング2の内面2aの凹凸面は、上記のようなリブによるものに限定されるものではなく、例えば、図10に示す実施例の白血球除去器30のように、流出側シート22の内面2aに、点在する多数の突起35を設けたものであってもよい。この場合においても、突起35の高さ(高低差)は、0.2〜2mmが好適であり、特に、0.5〜1mmが好適である。突起の形状は、円錐状、多角錐状、半球状などが好適であり、特に、半球状が好ましい。また、突起の底面の大きさは、0.5〜10mm程度が好適である。また、突起の数は、突起の底面積によっても相違するが、1cm当たり3〜50個程度、突起間の距離1〜10mmが好適である。
【0035】
そして、この実施例の白血球除去器1では、白血球除去用フィルター部材5は、熱可塑性軟質樹脂製シート状フレーム51とフレーム51に周縁部が直接もしくは間接的に固着された濾過機能部材52とからなる。濾過機能部材52は、複数の濾材の積層物により形成されている。ここで用いている白血球除去用フィルター部材5は、濾過機能部材52が形成する濾過機能部位と濾過機能部位の周縁全周に形成された非濾過機能部位を備えている。そして、白血球除去用フィルター部材5は、2枚の熱可塑性軟質樹脂シート間に挟まれた状態となっており、さらに、熱可塑性軟質樹脂製シート状フレーム51の周縁部が2枚の熱可塑性軟質樹脂シートに熱融着されている。これにより、白血球除去用フィルター部材5は、2枚の熱可塑性軟質樹脂シート21,22内の空間(ハウジング2内)を流入側血液室と流出側血液室とに区分している。
【0036】
そして、血液流入ポート6を構成する軟質樹脂チューブが、流入側血液室と連通するように、言い換えれば、軟質樹脂チューブの一端開口が流入側血液室内において開口するように、2枚の熱可塑性軟質樹脂シート間の一端側(上端側)の中央部に熱融着されている。同様に、血液流出ポート7を構成する軟質樹脂チューブが、流出側血液室と連通するように、言い換えれば、軟質樹脂チューブの一端開口が流出側血液室内において開口するように、2枚の熱可塑性軟質樹脂シート間の他端側(下端側)の中央部に熱融着されている。
【0037】
特に、この実施例の白血球除去器1では、白血球除去用フィルター部材5は、図6に示すように、熱可塑性軟質樹脂製シート状フレーム51は一端側(上端側)の中央部および他端側(下端側)の中央部に外方に突出する短い帯状の延出部51a,51bを備えており、血液流入ポート6を構成する軟質樹脂チューブは、延出部51aと流入側樹脂シート21間に位置するようにシート21,22に融着され、血液流出ポート7を構成する軟質樹脂チューブは、延出部51bと流出側樹脂シート22間に位置するようにシート21,22に融着され、これにより、血液流入ポート6は、流入側血液室とのみ連通し、血液流出ポート7は流出側血液室とのみ連通している。
【0038】
また、白血球除去用フィルター部材5は、図6に示す破線より外側において、ハウジング2(2枚の熱可塑性軟質樹脂シート21,22間)に融着されている。このため、白血球除去器1は、流出側血液室の周縁部に濾過機能部位52と接触しない部位(言い換えれば、濾過機能を持たない部位、非濾過機能部位)とハウジング内面間により形成された血液流路26を備えている。同様に、白血球除去器1は、流入側血液室の周縁部に濾過機能部位52と接触しない部位(言い換えれば、濾過機能を持たない部位、非濾過機能部位とハウジング内面間により形成された血液流路27を備えている。
【0039】
このような非濾過機能部位とハウジング2の内面間により形成された血液流路をハウジング内の周縁部に有することにより、ハウジング2内部の周縁部での血液の流通を良好とし周縁部における残血を防止する。さらに、このような血液流路が流出側血液室内の血液流出ポート7付近に存在することにより、リブ23間の流路25を流れた濾過血液が血液流出ポート7に良好に誘導されるため、濾過速度の低下がより少ないものとなっている。そして、白血球除去器は、5ml以上のエアーを保留していることが好ましい。
【0040】
ハウジング2を構成する熱可塑性軟質樹脂シート21,22、白血球除去用フィルター部材5の熱可塑性軟質樹脂製シート状フレーム51、血液流入ポート6および血液流出ポート7の形成材料としては、可撓性の熱可塑性樹脂が使用され、具体的には、軟質塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル−ウレタン共重合体、ポリ塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸メチル共重合体、および上記ポリマーと可塑剤とからなる軟質ポリ塩化ビニル変性体)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体またはその水添物等の熱可塑性エラストマー、及び熱可塑性エラストマーとポリオレフィン、エチレン−エチルアクリレート等の軟化剤との混合物、ポリウレタン(ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミドがげられる。好ましくは、軟質塩化ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体及びこれらを主成分とする熱可塑性エラストマーである。
【0041】
なお、血液流入ポート6および血液流出ポート7の形成材料としては、硬質樹脂を用いてもよい。硬質樹脂としては、硬質もしくは半硬質塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂などが使用できる。
【0042】
ハウジング2を構成する熱可塑性軟質樹脂シート21,22、白血球除去用フィルター部材5の熱可塑性軟質樹脂製シート状フレーム51、血液流入ポート6および血液流出ポート7の固着は、接着剤を用いない融着が好ましい。溶着は、ヒートシールによる外部加熱溶着、高周波ウェルダー、超音波ウェルダーによる内部溶着でも良い。また溶着の方法は、上記の部材をすべて同時に融着させても、ステップを分けて行ってもよい。
【0043】
そして、白血球除去用フィルター部材5の濾過機能部位52は、多孔質体もしくは不織布からなる複数の濾材の積層物となっている。具体的には、6枚の濾材52a,52b,52c,52d,52e,52fが積層されている。なお、濾材の積層枚数としては、2〜10枚が好適である。そして、この実施例では、濾材の積層枚数が多いため、何枚かの濾材(例えば、3〜5枚)は、融着補助用シート状フレーム53に融着され、濾材が融着された融着補助用シート状フレーム53の外側周縁部が熱可塑性軟質樹脂製シート状フレーム51の内周部に融着されている。融着補助用シート状フレーム53としては、上述した可撓性の熱可塑性樹脂が使用できる。
【0044】
濾過機能部位52に使用される多孔質体とは、一方の面から他方の面に連通する多数の微細な孔を有した通液性のある構造を意味するものであり、多孔質体の例としては天然、合成、半合成、再生の有機または無機繊維からなる多孔質体、スポンジフォーム等の有機、無機多孔質体、孔成分の溶出、焼結、延伸、穿孔等により孔形成された多孔質体、有機または無機の微粒子や細片を充填や結合した多孔質体等が挙げられる。
【0045】
そして、白血球除去用フィルター部材5の濾過機能部位(濾材)52としては、上記した多孔質体のなかで、特にスポンジ状のポリウレタン多孔質体、ポリビニルホルマール多孔質体が好適である。また、多孔質体の孔径としては、孔の大きい多孔質体であれば厚さの厚いものを用いるか薄いものでも積層して用いればよく、孔の小さいものでは薄いままで用いることが可能である。多孔質体の孔径と厚さを適宜選択することにより血球が通過できるものであれば、いずれの多孔質体でも使用できる。特に、平均気孔径5〜20μmのものが白血球除去に有効である。
【0046】
白血球除去用フィルター部材5の濾過機能部位(濾材)52に使用される不織布としては、繊維の直径が0.3〜20μm程度のものが用いられ、繊維の素材としては、合成繊維、再生セルロースのような半合成繊維、綿のような天然繊維、無機繊維等からなるものが使用される。中でも合成繊維、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル等の繊維が好ましく用いられる。また、コート材としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのようにヒドロキシル基を有する高分子材料、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体のように塩基性含窒素官能基を有する高分子材料、ポリエーテルウレタン、アブコサン等を用いることができる。そして、血小板の通過性をより良くするために不織布表面を親水性高分子でコーティングしたり、抗血栓性材料でコートすることもできる。
【0047】
【実施例】
(実施例1)
次に、本発明の白血球除去器の具体的実施例について説明する。
ハウジング形成部材として、長さ110mm、幅75mm、厚さ0.4mmで梨地表面となっている軟質ポリ塩化ビニルシートを血液流入側となるように、長さ110mm、幅75mm、厚さ0.5mmで一方の面に、高さ0.8mm、底面の幅1mmで断面がほぼ三角形となっているリブが2mm間隔で形成された軟質ポリ塩化ビニルシートを血液流出側となるように用いた。
血液流入ポートおよび血液流出ポートとしては、軟質ポリ塩化ビニル製のチューブ(長さ23mm、外径6mm)を用いた。
【0048】
白血球除去用濾材としては、ポリウレタン多孔質体(厚さ1mm、平均孔径5μm、長さ約85mm、幅約65mm)を6枚用い、このうち5枚を軟質ポリ塩化ビニルシートにより形成した融着補助用シート状フレーム(長さ110mm、横幅75mm、フレーム幅10〜25mm)にヒートシールにより融着した。
【0049】
そして、血液流入側軟質ポリ塩化ビニルシートを下にし、この上に濾材が融着された白血球除去用フィルター部材を載せ、白血球除去用フィルター部材のシート状フレームの上端側の延出部と上記血液流入側軟質ポリ塩化ビニルシート間に軟質ポリ塩化ビニル製のチューブを配置した。続いて、白血球除去用フィルター部材の上にリブ形成面が重なるように血液流出側軟質ポリ塩化ビニルシートを載せ、さらに、白血球除去用フィルター部材のシート状フレームの下端側の延出部と上記血液流出側軟質ポリ塩化ビニルシート間に軟質ポリ塩化ビニル製のチューブを配置し、これらの周縁部を高周波ウェルダーにより熱融着し、本発明の白血球除去器を作製した。
【0050】
なお、シート状フレームは、3mmの未融着部分を備えており、これにより白血球除去器の内部(流入側血液室および流出側血液室)の周縁には、濾過機能を持たない部位により形成された環状部分が形成されていた。
【0051】
(実施例2)
長さ110mm、幅75mm、厚さ0.5mmで一方の面に、高さ0.22mm、底面の幅1mmで断面がほぼ三角形となっているリブが、2mm間隔で形成された軟質ポリ塩化ビニルシートを血液流出側となるように用いた以外は、実施例1と同様に行い本発明の白血球除去器を作製した。
【0052】
(実施例3)
長さ110mm、幅75mm、厚さ0.5mmで一方の面に、高さ0.8mm、底面面積1mm、1cm当たりの個数25個、突起間の距離2mmの点在する突起が形成された軟質ポリ塩化ビニルシートを血液流出側となるように用いた以外は、実施例1と同様に行い本発明の白血球除去器を作製した。
【0053】
(実施例4)
長さ110mm、幅75mm、厚さ0.5mmで一方の面に、高さ0.8mm、底面の幅1mmで断面がほぼ三角形となっているリブが、5mm間隔で形成された軟質ポリ塩化ビニルシートを血液流出側となるように用いた以外は、実施例1と同様に行い本発明の白血球除去器を作製した。
【0054】
(実施例5)
長さ110mm、幅75mm、厚さ0.5mmで一方の面に、高さ2.0mm、底面の幅1.5mmで断面がほぼ三角形となっているリブが、2mm間隔で形成された軟質ポリ塩化ビニルシートを血液流出側となるように用いた以外は、実施例1と同様に行い本発明の白血球除去器を作製した。
【0055】
(比較例1)
長さ110mm、幅75mm、厚さ0.5mmで一方の面に、高さ0.18mm、底面の幅1mmで断面がほぼ三角形となっているリブが2mm間隔で形成された軟質ポリ塩化ビニルシートを血液流出側となるように用いた以外は、実施例1と同様に行い白血球除去器を作製した。
【0056】
(比較例2)
長さ110mm、幅75mm、厚さ0.5mmで一方の面に、高さ2.5mm、底面の幅1.5mmで断面がほぼ三角形となっているリブが2mm間隔で形成された軟質ポリ塩化ビニルシートを血液流出側となるように用いた以外は、実施例1と同様に行い白血球除去器を作製した。
【0057】
(比較例3)
血液流入側軟質ポリ塩化ビニルシートと同じものを血液流出側シートとして用い、かつ、血液流出側シートと白血球除去用フィルター部材間にポリエステル不織布を入れ、不織布の周縁部をシートに融着させた以外は、実施例1と同様に行い白血球除去器を作製した。
【0058】
(比較例4)
血液流入側軟質ポリ塩化ビニルシートと同じものを血液流出側シートとして用い、かつ、血液流出側シートと白血球除去用フィルター部材間に軟質ポリ塩化ビニル製のチューブ(長さ85mm、外径4.4mm、内径3.0mm)を2本ほぼ血液の流れ方向と平行に入れ、上下のシートを高周波ウェルダーで融着する際に同時に挟んで融着した以外は、実施例1と同様に行い白血球除去器を作製した。
【0059】
(実験)
上記実施例の白血球除去器および比較例の白血球除去器を用いて、以下の実験を行った。
ACD液−MAP液入りのトリプルバッグを用いて400mlの採血を行い、18時間以内に遠心分離し、上澄みとして得られた血漿を子バッグに除去した後、採血バッグに残った濃厚赤血球にMAP液を添加し、MAP加濃厚赤血球を得た。なお、遠心分離には、himac CR7(日製産業株式会社)を用い、遠心条件は22℃、4100rpm、7分とした。
【0060】
そして、チューブシーラーを用いて、余分なバッグおよびチューブを切り離し、MAP加濃厚赤血球入りバッグを得た。このMAP加濃厚赤血球入りバッグを4℃にて3日間保存後、白血球除去器を接続して、白血球除去濃厚赤血球を採取した。白血球除去濃厚赤血球を採取にあたり、MAP加濃厚赤血球入りバッグを上方に置き、上記MAP加濃厚赤血球入りバッグより約1m下方に置かれた電子天秤上に白血球除去濃厚赤血球採取バッグを置き、両者間に白血球除去器を配置し、落差により、白血球除去濃厚赤血球の採取を行った。
【0061】
そして、白血球除去濃厚赤血球採取時間、採取された白血球除去濃厚赤血球の重量、採取された白血球除去濃厚赤血球中の赤血球数、採取された白血球除去濃厚赤血球中の血小板数、採取された白血球除去濃厚赤血球中の残存白血球数を測定した。電子天秤(重量測定)としては、島津製作所株式会社製、BL−3200Sを、血球数および血小板の測定には、東亜医用電子株式会社製、Sysmex NE−6000を用いた。また、微量白血球の測定にあたっては、Nageotte法を用いた。
【0062】
結果は、表1〜3に示す通りであった。なお、それぞれのデータ数は5である。赤血球数、血小板数および白血球数はバッグ内の総数として換算した値を示した。 なお、表中の◎は極めて良好、○は良好、△は許容できる範囲、×は不良を示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003758853
【0064】
【表2】
Figure 0003758853
【0065】
【表3】
Figure 0003758853
【0066】
比較例1では凹凸の高低差が小さいため、充分な流速が得られず、濾過時間が長かった。比較例2では凹凸の高低差が大きすぎたため、そのデッドスペースに残留する血液が多くなり、結果的に赤血球回収率が低くなった(90%回収率を割った)。比較例2のように凸部が分厚くなると袋体を形成するためのシール不良を起こす危険性が高い。比較例3では不織布のコストおよびこれを挿入する手間等生産性につき問題があり、シール不良を起こす危険性もある。比較例4では比較例3と同様にコストおよび生産性の問題があり、さらに必要な隙間を形成することができないために、その目的を果たしえず、濾過時間が極めて長いものとなった。
【0067】
次に、本発明の血液処理回路の第1の実施例について、図11を用いて説明する。
この実施例の血液処理回路100は、軟質樹脂製袋状ハウジングと、ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた血液処理部材と、ハウジングの一端側に設けられ、かつ流入側血液室と連通する血液流入ポート106と、ハウジングの他端側に設けられ、かつ流出側血液室と連通する血液流出ポート107とを有する血液処理器101と、先端に処理前血液充填容器接続部108を備え、他端が血液流入ポート106とを連結された第1のチューブ111と、軟質樹脂製の処理済血液採取容器110と、処理済血液採取容器110と血液流出ポート107とを連結する第2のチューブ112とを備え、処理済血液採取容器110内には、血液処理器101の流出側血液室の血液充填容量とエアー保留容量との差分以上の量のエアーが充填されている。
また、本発明の血液処理回路の第2の実施例について、図12を参照して説明する。
【0068】
この実施例の血液処理回路120は、軟質樹脂製袋状ハウジングと、ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた血液処理部材と、ハウジングの一端側に設けられ、かつ流入側血液室と連通する血液流入ポートと、ハウジングの他端側に設けられ、かつ流出側血液室と連通する血液流出ポートとを有する血液処理器101と、軟質樹脂製の処理前血液充填容器109と、処理前血液充填容器109と血液流入ポート106とを連結する第1のチューブ111と、軟質樹脂製の処理済血液採取容器110と、処理済血液採取容器110と血液流出ポート107とを連結する第2のチューブ112とを備え、処理済血液採取容器110内には、血液処理器101の流出側血液室の血液充填容量とエアー保留容量との差分以上の量のエアーが充填されている。
【0069】
上述した血液処理回路100と血液処理回路120の相違は、処理前血液充填容器109と処理前血液充填容器接続部108の相違のみでありその他については同じである。また、血液処理回路100,120は、第1のチューブに取り付けられた第1の流路開閉部材であるクレンメ121、第2のチューブ112に取り付けられた第2の流路開閉部材であるクレンメ122を備えている。
【0070】
さらに、血液処理回路100,120は、処理済血液採取容器110内に充填されたエアーの回路からの流出抑制部を備えていることが好ましい。エアーの回路からの流出抑制部は、例えば、第1の流路開閉部材121,第2の流路開閉部材122のいずれかを閉塞状態としておくことにより形成できる。さらには、流出抑制部は、第1のチューブ111もしくは第2のチューブ112さらには第2のチューブ112と処理済血液採取容器110の接続部に、破断可能な流路規制部材を設けることにより形成してもよい。この実施例の血液処理回路100,120では、第2のチューブ112さらには第2のチューブ112と処理済血液採取容器110の接続部に、破断可能な流路規制部材105が設けられている。これにより、処理済血液採取容器110内に充填されたエアーが輸送時などに回路より流出することを防止している。破断可能な流路規制部材105は、通常状態では流通を規制し、外部より流路規制部材を折ることにより第2のチューブ112と処理済血液採取容器110とを連通させるものである。
【0071】
そして、血液処理器としては、上述した軟質樹脂製袋状ハウジングを備える白血球除去器が好適に使用される。よって、血液処理回路は、白血除去血液採取回路である。
【0072】
処理前血液充填容器109および処理済血液採取容器110は、ある程度の耐熱性のある軟質合成樹脂、例えば、ポリオレフィンもしくはポリオレフィン部分架橋物(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、軟質塩化ビニル樹脂などにより袋状に形成されたものが使用される。容器109、110は、上記樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を溶着して形成したもの、上記樹脂を用いて押し出し成形により筒状に形成したものの開口周縁を溶着することにより作製したものなどのいずれでもよい。また、チューブ111,112としても上述した軟質合成樹脂により形成されたものが使用される。
また、クレンメとしては、スライドクレンメ、ローラークレンメ、ワンタッチクレンメと呼ばれるものが使用できる。
【0073】
そして、処理済血液採取容器110内には、少なくとも、血液処理器101の流出側血液室の血液充填容量とエアー保留容量との差分以上の量のエアーが充填されている。このように、処理済血液採取容器内にエアーを充填しておくことにより、処理器を軟質樹脂製ハウジングにより形成したことにより発生する流出側血液室のエアー保留量と血液充填容量に差がある場合に有効である。
【0074】
つまり、軟質樹脂製ハウジングを用いた血液処理器では、エアー保留量と血液充填容量に差が生じることが多い。血液処理器の流出側血液室のエアー補足量は、5ml程度であるが、血液が充填された状態では、ハウジングの膨張により血液補足量が20ml程度となる場合があり、処理器内のエアー利用のみでは、約15mlの処理済血液が回収不能となる。そこで、少なくとも、エアー保留容量と血液充填容量の差分のエアーを処理済血液採取容器内に予め充填しておくことにより、処理済み血液を確実に回収することができる。
【0075】
好ましくは、血液処理器101の流出側血液室の容積より多い量のエアーを充填させることである。さらには、処理済血液採取容器内に、血液処理器101の流出側血液室の容積と第2のチューブ112の容積の総和よりも多い量のエアーを充填することが好ましい。処理済血液採取容器内充填されているエアー量は、血液処理器101の流出側血液室の容積によっても相違するが、15〜40ml程度が好適である。
【0076】
そして、このような処理済血液採取容器内にエアーが充填された血液処理回路の作用について、図11の実施例を用いて説明する。
まず、最初に、チューブ111,112に取り付けられているクレンメ121,122を閉塞状態とする。そして、容器接続部108を処理前血液収容容器109の排出口に穿刺し、処理前血液収容容器109を図13に示すように、ガートル台125に架ける。そして、クレンメ122を開放しかつ流路規制部材を破断し、処理器101を逆さにしながら、クレンメ121を開放する。これにより、血液の初流が処理器内に流れ込み、処理器内のエアーが追い出され、処理済血液回収用容器110に導入される。そして、処理器内のエアーが追い出され、処理器内が血液で満たされたら、処理器の反転を中止して図13の向きとして、血液処理を行う。
【0077】
血液処理が終了したら、処理済血液回収用容器に入っているエアー(上記の作業により流入したエアーおよび予め充填されたエアー)をそのチューブ122側に寄せて、容器110を圧迫する。これにより、処理器の流出側血液室が膨らみ、そこにエアーと処理済血液の一部が流れ込む。そして、処理済血液回収用容器110の圧迫をやめると、処理器101の流出側血液室およびその下方に溜まっていた血液が流れ落ち、エアーが処理器の流出側血液室ほかに残ることになる。これにより血液の回収量を高めることができる。なお、この作業を行うに当たり、クレンメ121を閉塞した状態で行うことが好ましい。
【0078】
次に、本発明の血液処理方法の第1実施例について説明する。
この実施例の血液処理方法は、軟質樹脂製袋状ハウジングと、ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた血液処理部材と、ハウジングの一端側に設けられ、かつ流入側血液室と連通する血液流入ポートと、ハウジングの他端側に設けられ、かつ流出側血液室と連通する血液流出ポートとを備える血液処理器を備える血液処理回路を用いる血液処理方法であって、血液処理器の血液流入口側に処理前血液を収容した軟質樹脂製の処理前血液充填容器がチューブにより連結され、血液処理器の血液流出口側に処理済血液を回収する軟質樹脂製の処理済血液採取容器がチューブにより連結された状態とし、血液処理器の血液流出側(血液流出ポートもしくは血液処理器と処理済血液採取容器を連結するチューブ)を閉塞した状態において、血液処理器を圧迫し、血液処理器内のエアーの少なくとも一部を処理前血液充填容器内に送り込み、次に、血液処理器内に処理前血液充填容器より血液を導入し、血液処理器内のエア−を処理済血液の流入前に処理済血液採取容器内に送り込み、次いで、処理前血液充填容器内の血液を血液処理器内を通過させて処理済血液採取容器内に送り、次いで、処理済血液採取容器内のエアーを該容器を圧迫することによって、血液処理器の流出側血液室あるいは流出側血液室および流出側血液室と処理済血液採取容器間のチューブ内に送り、血液処理器の流出側血液室あるいは流出側血液室および流出側血液室と処理済血液採取容器間の処理済血液を処理済血液採取容器に採取する血液処理方法である。
【0079】
この血液処理方法では、図11に示す血液処理回路100を使用する。なお、ここでは、血液処理回路100に流路規制部材105が設けられていないものを用いた場合として説明する。
【0080】
血液処理回路100は、軟質樹脂製袋状ハウジングと、ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた血液処理部材と、ハウジングの一端側に設けられ、かつ流入側血液室と連通する血液流入ポート106と、ハウジングの他端側に設けられ、かつ流出側血液室と連通する血液流出ポート107とを有する血液処理器101と、先端に処理前血液充填容器接続部108を備え、他端が血液流入ポート106とを連結された第1のチューブ111と、軟質樹脂製の処理済血液採取容器110と、処理済血液採取容器110と血液流出ポート107とを連結する第2のチューブ112と、第1のチューブに取り付けられた第1の流路開閉部材であるクレンメ121と、第2のチューブ112に取り付けられた第2の流路開閉部材であるクレンメ122を備える。
【0081】
また、血液処理回路としては、図12に示す血液処理回路120のように、第1のチューブの先端に処理前血液充填容器109が接続され、さらに、この処理前血液充填容器に先端に採血針119を備えた採血用チューブが接続されたものを用いてもよい。
【0082】
なお、以下の実施例では、血液処理器として、上述した軟質樹脂製袋状ハウジングを備える白血球除去器を用いた白血球除去回路を使用するものを用いて説明する。よって、血液処理方法は、白血球除去方法であり、言い換えれば、白血球除去濃厚赤血球製剤の製造法である。
【0083】
この実施例の血液処理方法行うにあたり、図13に示すように、血液処理回路100の血液処理器101の血液流入口側に処理前血液充填容器109が連結され、血液処理器101の血液流出口側に軟質樹脂製の処理済血液採取容器110が連結された状態とする。
【0084】
具体的には、図11の血液処理回路100のクレンメ121およびクレンメ122を閉じる。そして、血液処理回路の接続部(瓶針)108を処理前血液収容容器109の排出口に穿刺する。
【0085】
そして、血液処理器101の血液流出側(血液流出ポートもしくは血液処理器と処理済血液採取容器を連結するチューブ)を閉塞した状態において、血液処理器101を圧迫し、血液処理器101内のエアーの少なくとも一部を処理前血液充填容器109内に送り込む第1のエアー移送工程を行う。
【0086】
具体的には、クレンメ121を開けて血液処理器101を軽く圧迫し、処理器101内のエアーを処理前血液充填容器109内に送り込み、その後、クレンメ121を閉じる。そして、処理前血液収容容器109を、図13に示すように、ガートル台125に架ける。
【0087】
そして、血液処理器101内に処理前血液充填容器109より血液を導入し、血液処理器101内のエア−を処理済血液の流入前に処理済血液採取容器110内に送り込む、第2のエアー移送工程を行う。
【0088】
具体的には、クレンメ122を開けて、血液処理器101を逆さにしながら、クレンメ121を開ける。これにより、血液の初流が処理器内に流入し、処理器内のエアー(前記エアー移送工程では排除しきれなかったエアー)が追い出され、処理済血液回収用容器110に導入される。処理器内のエアーが追い出され、処理器内が血液で満たされたら、処理器の反転を中止し、図13の向きとし、血液処理工程に移行する。
【0089】
そして、処理前血液充填容器109内の血液を血液処理器101内を通過させて処理済血液採取容器110内に送り血液処理工程を行う。
【0090】
血液処理工程の終了は処理前血液収容器109内の血液が流れ落ち、さらに同容器内のエアーがその下部のチューブ内を経て、処理器の流入側血液室に到達する状態により確認できる。上述した第1のエアー移送工程を行うことにより、処理前血液収容容器109から処理器101の流入側血液室までの間の血液を処理器101に流入させることができる。
【0091】
そして、血液処理工程終了後、処理済血液採取容器110内のエアーを容器110を圧迫することによって、血液処理器101の流出側血液室あるいは第2のチューブ112内に送り、血液処理器101の流出側血液室あるいは第2のチューブ112間の処理済血液の採取工程を行う。
【0092】
具体的には、上記の血液処理工程終了後、処理済血液回収用容器110に流入しているエアーを第2のチューブ112側に寄せて、その容器110を圧迫する。これにより、処理器101の流出側血液室が膨らみ、そこにエアーと処理済血液の一部が流れ込む。そして、処理済血液回収用容器110の圧迫をやめると、処理器101の流出側血液室およびその下方(第2のチューブ中)に溜まっていた血液が流れ落ち、エアーが処理器の流出側血液室もしくは第2のチューブに残る。上述した第2のエアー移送工程およびこの処理済血液採取工程を行うことにより、血液処理器101の流出側血液室あるいは第2のチューブ112間の処理済血液を採取でき血液製剤の採取効率が高くなる。なお、この工程は、クレンメ121を閉じた状態で行うことが好ましい。このようにすれば、処理済血液回収用容器内のエアーを送りだす際に、エアーが処理器の流入側血液室に入り込んだり、処理器にトラップされていたものの剥がれ等を招くことがない。
【0093】
そして、クレンメ121およびクレンメ122を閉じ、チューブシーラー等を用いて、必要な血液製剤を得た容器とその他とをシールし分離することにより、血液処理方法の全工程が終了する。
【0094】
なお、上述した第1のエアー移送工程、第2のエアー移送工程さらに処理済血液の採取工程を行った場合は、それらすべてを行わなかった場合に比べて約27mlの血液製剤を多く採取することができた。
【0095】
なお、上述した第1のエアー移送工程を行うことが望ましいが、それを行わなくても十分な効果を有する。具体的には、上述した第1のエアー移送工程を行わず、第2のエアー移送工程および処理済血液の採取工程を行った場合は、それらすべてを行わなかった場合に比べて約15mlの血液製剤を多く採取することができた。
【0096】
さらに、上述した第2のエアー移送工程および処理済血液の採取工程を行うことが望ましいが、それを行わなくても十分な効果を有する。具体的には、上述した第1のエアー移送工程を行い、第2のエアー移送工程および処理済血液の採取工程を行わなかった場合は、それらすべてを行わなかった場合に比べて約12mlの血液製剤を多く採取することができた。
【0097】
次に、本発明の血液処理方法の第2実施例について説明する。
この実施例の血液処理方法では、軟質樹脂製袋状ハウジングと、ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた血液処理部材と、ハウジングの一端側に設けられ、かつ流入側血液室と連通する血液流入ポートと、ハウジングの他端側に設けられ、かつ流出側血液室と連通する血液流出ポートとを有する血液処理器を備える血液処理回路を用いる血液処理方法であって、血液処理器の血液流入口側に処理前血液を収容した軟質樹脂製の処理前血液充填容器がチューブにより連結され、血液処理器の血液流出口側に処理済血液を回収する軟質樹脂製かつ内部に血液保存液が充填された処理済血液採取容器がチューブにより連結され、さらに血液処理器と処理前血液充填容器を連結するチューブに軟質樹脂製の血液成分採取容器が連結された状態とし、血液処理器および血液成分採取容器を圧迫し、それらの内部のエアーの少なくとも一部を血液保存液が充填された処理済血液採取容器内に送り込み、血液処理器の流入口側を上方、流出口側を下方とした状態で血液保存液の少なくとも一部を処理済血液採取容器から処理前血液充填容器に血液処理器内に残留するエアーの少なくとも一部とともに送り込み、次に、血液処理器の流入口側を上方、流出口側を下方とし、かつ、処理前血液採取容器の出口側を下方かつ血液処理器よりも高く、処理済血液採取容器を血液処理器よりも低い位置とし、処理前血液充填容器内の血液を血液処理器内を通過させて処理済血液採取容器内に送り、次に、処理済血液採取容器内のエアーを該容器を圧迫することによって、血液処理器の流出側血液室あるいは流出側血液室および流出側血液室と処理済血液採取容器間のチューブ内に送り、血液処理器の流出側血液室あるいは流出側血液室および流出側血液室と処理済血液採取容器間の処理済血液を処理済血液採取容器に採取する血液処理方法である。
この血液処理方法では、図14に示す血液処理回路を使用する。
【0098】
血液処理回路130は、軟質樹脂製袋状ハウジングと、ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた血液処理部材と、ハウジングの一端側に設けられ、かつ流入側血液室と連通する血液流入ポート106と、ハウジングの他端側に設けられ、かつ流出側血液室と連通する血液流出ポート107とを有する血液処理器101と、処理前血液充填容器109と、血液流入ポート106と処理前血液充填容器109を連結する第1のチューブ131と、軟質樹脂製かつ内部に血液保存液が充填された処理済血液採取容器110と、処理済血液採取容器110と血液流出ポート107とを連結する第2のチューブ132と、第1のチューブ131に第3のチューブ133を介して接続された血液成分採取容器115と、処理前血液充填容器109に接続された先端に採血針138を備えた採血用チューブ134を有する。また、第1のチューブ131、第2のチューブ132には、それぞれクレンメを取り付けてもよい。また、この血液処理回路では、処理済血液採取容器110の内部と第2のチューブ間を破断可能に閉塞する第1の流路規制部材141が、処理前血液充填容器109の内部と第1のチューブ間を破断可能に閉塞する第2の流路規制部材142が設けられている。
【0099】
なお、以下の実施例では、血液処理器として、上述した軟質樹脂製袋状ハウジングを備える白血球除去器を用いた白血球除去回路を使用するものを用いて説明する。よって、血液処理方法は、白血球除去方法であり、言い換えれば、白血球除去濃厚赤血球製剤の製造法である。
この実施例の血液処理方法行うにあたり、図14に示した血液処理回路を用いる。
【0100】
最初に、採血針を供血者に穿刺し、処理前血液充填容器109に血液を採取する。そして、シーラーを用いてチューブ134を容器109寄りのところでシールカットし、採血針側を廃棄する。血液は6時間程度室温で静置する。そして、血液処理回路130を遠心分離する。
【0101】
そして、血液処理器101および血液成分採取容器115を圧迫し、それらの内部のエアーの少なくとも一部を血液保存液が充填された処理済血液採取容器110内に送り込む第1のエアー移送工程を行う。
【0102】
処理前血液充填容器109を血液分離スタンド(図示せず)のハンガー部にかける。処理済血液採取容器110を下方とし、第1の流路規制部材141を破断し、処理済血液採取容器110の内部と第2のチューブ間を連通させ、血液処理器101および血液成分採取容器115を圧迫して処理済血液採取容器110にエアーを送り込む。そして、チューブ131b部分をクレンメ148により閉塞した後、第2の流路規制部材142を破断し、処理前血液充填容器109の内部と第1のチューブ間を連通させ、さらに、血液分離スタンドを作動させて処理前血液充填容器109を押圧して、容器109内の上澄の血漿を血液成分採取容器115に移送する。血漿移送完了後、チューブ131aをクレンメ149で閉じる。そして、シーラーでチューブ133をシールカットし、血漿入り容器115を切り離し、冷凍保存に供する。
【0103】
次に、血液処理器101の流入口側を上方、流出口側を下方とした状態で血液保存液の少なくとも一部を処理済血液採取容器110から処理前血液充填容器109に血液処理器内に残留するエアーの少なくとも一部とともに送り込むエアー保存液移送工程を行う。
【0104】
具体的には、図15に示すように、処理前血液充填容器109を高所に吊るし、処理前血液充填容器109を下方とし、さらに処理器101を逆さにして、チューブ131bを閉塞していたクレンメ148およびチューブ132を閉塞していたクレンメ150を開放状態とする。これにより、血液保存液(例えば、SAGM液)が処理器101内に流入し、処理器101内のエアー(第1のエアー移送工程では排除しきれず、処理器内に残っていたエアー)が追い出され、処理前血液充填容器109に導入される。さらに、処理器内のエアーが追い出され、処理器内が保存液で満たされたら、処理器の反転を中止し、保存液のほぼすべてを処理前血液充填容器109内に流入させた後、チューブ131aをクレンメ149により閉塞する。
【0105】
次に、血液処理器101の流入口側を上方、流出口側を下方とし、かつ、処理前血液採取容器109の出口側を下方かつ血液処理器101よりも高く、処理済血液採取容器110を血液処理器101よりも低い位置とし、処理前血液充填容器109内の血液を血液処理器101内を通過させて処理済血液採取容器110内に送る血液処理工程を行う。
【0106】
具体的には、処理前血液充填容器109を穏やかに攪拌後、図16のように、処理前血液充填容器109を高所に吊るし、チューブ131aを閉塞していたクレンメ149を開放状態とし、保存液添加血液を血液処理器101を通過させて、処理済血液採取容器110により処理済血液を採取する。血液処理工程の終了は、処理前血液充填容器109内の血液が流れ落ち、さらに同容器内のエアーがその下部のチューブ内を経て、処理器101の流入側血液室に到達する状態により確認できる。上述した第1のエアー移送工程を行うことにより、処理前血液収容容器109から処理器101の流入側血液室までの間の血液を処理器101に流入させることができる。
【0107】
次に、処理済血液採取容器110内のエアーを容器を圧迫することによって、血液処理器101の流出側血液室あるいは流出側血液室と処理済血液採取容器間のチューブ132内に送り、血液処理器101の流出側血液室あるいは流出側血液室と処理済血液採取容器間の処理済血液を処理済血液採取容器110に採取する処理済血液採取工程を行う。
【0108】
血液処理工程が終了したら、処理済血液採取容器110内に入っているエアーをチューブ132側に寄せて、容器110を圧迫する。これにより、処理器101流出側血液室が膨らみ、そこにエアーと処理済血液の一部が流れ込む。そして、容器101の圧迫をやめると、処理器101の流出側血液室およびその下方(チューブ132)に溜まっていた血液が流れ落ち、エアーが処理器の流出側血液室もしくはチューブ132に残る。上述したエアー保存液移送工程およびこの処理済血液採取工程を行うことにより、血液処理器101の流出側血液室あるいはチューブ132間の処理済血液を採取でき血液製剤の採取効率が高くなる。なお、この工程は、チューブ131a,131bに取り付けられているクレンメ148,149のいずれかを閉じた状態で行うことが好ましい。このようにすれば、処理済血液回収用容器内のエアーを送りだす際に、エアーが処理器の流入側血液室に入り込んだり、処理器にトラップされていたものの剥がれ等を招くことがない。
【0109】
そして、チューブシーラー等を用いて、チューブ132をシールカットし、処理済血液入り容器110を切り離し、冷蔵保存に供する。
なお、上述した第1のエアー移送工程、エアー保存液移送工程さらに処理済血液の採取工程を行った場合は、それらすべてを行わなかった場合に比べて約27mlの血液製剤を多く採取することができた。
なお、上述した第1のエアー移送工程を行うことが望ましいが、それを行わなくても十分な効果を有する。具体的には、上述した第1のエアー移送工程を行わず、エアー保存液移送工程および処理済血液の採取工程を行った場合は、それらすべてを行わなかった場合に比べて約14mlの血液製剤を多く採取することができた。
【0110】
さらに、上述したエアー保存液移送工程および処理済血液の採取工程を行うことが望ましいが、それを行わなくても十分な効果を有する。具体的には、上述した第1のエアー移送工程を行い、エアー保存液移送工程および処理済血液の採取工程を行わなかった場合は、それらすべてを行わなかった場合に比べて約13mlの血液製剤を多く採取することができた。
また、この実施例では、血液処理回路として、第1のチューブ131に第3のチューブ133を介して接続された血液成分採取容器115を有するものを使用した場合について説明したが、必ずしも血液成分採取容器115を備える必要はない。備えない場合には、血液成分採取容器115に関連する作業(工程)が省略されることになる。
そして、上述したすべての血液処理方法において、血液処理器は、5ml以上のエアーを保留していることが好ましい。
【0111】
【発明の効果】
本発明の白血球除去器は、軟質樹脂製袋状ハウジングと、該ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた白血球除去用フィルター部材と、前記ハウジングの一端側に設けられ、かつ前記流入側血液室と連通する血液流入ポートと、前記ハウジングの他端側に設けられ、かつ前記流出側血液室と連通する血液流出ポートとを備える白血球除去器であって、前記白血球除去用フィルター部材の前記流出側血液室の面と向かい合う軟質樹脂製袋状ハウジングの内面は、高低差0.2〜2mmの凹凸面となっている。このため、流入側血液室に血液が充填され、白血球除去用フィルター部材が軟質樹脂製袋状ハウジングの内面を圧迫する状態となったときにおいても両者の密着を防止し、白血球除去用フィルター部材とハウジング内面間の血液流路を確保し、濾過速度の低下を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例の白血球除去器の流出側血液室側からみた正面図である。
【図2】図2は、図1の白血球除去器の背面図である。
【図3】図3は、図1の白血球除去器のA−A線拡大断面図である。
【図4】図4は、図1の白血球除去器のB−B線断面図である。
【図5】図5は、図1に示した白血球除去器を部分剥離した状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の白血球除去器に使用される白血球除去用フィルター部材を示す図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例の白血球除去器の流出側血液室側からみた正面図である。
【図8】図8は、図7の白血球除去器のC−C線拡大断面図である。
【図9】図9は、図7に示した白血球除去器を部分剥離した状態を示す図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施例の白血球除去器を部分剥離した状態を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施例の血液処理回路を説明するための説明図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施例の血液処理回路を説明するための説明図である。
【図13】図13は、本発明の血液処理方法を説明するための説明図である。
【図14】図14は、本発明の血液処理方法を説明するための説明図である。
【図15】図15は、本発明の血液処理方法を説明するための説明図である。
【図16】図16は、本発明の血液処理方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 白血球除去器
2 軟質樹脂製袋状ハウジング
3 流入側血液室
4 流出側血液室
5 白血球除去用フィルター部材
6 血液流入ポート
7 血液流出ポート
21 流入側熱可塑性軟質樹脂シート
22 流出側熱可塑性軟質樹脂シート
2a ハウジングの内面
23 リブ
20 白血球除去器
35 突起
51 熱可塑性軟質樹脂製シート状フレーム
52 濾過機能部材
51a,51b 延出部
52a,52b,52c,52d,52e,52f 濾材
53 融着補助用シート状フレーム

Claims (7)

  1. 軟質樹脂製袋状ハウジングと、該ハウジング内を流入側血液室と流出側血液室とに区分するように設けられた白血球除去用フィルター部材と、前記ハウジングの一端側に設けられ、かつ前記流入側血液室と連通する血液流入ポートと、前記ハウジングの他端側に設けられ、かつ前記流出側血液室と連通する血液流出ポートとを備える白血球除去器であって、前記軟質樹脂製袋状ハウジングは、2枚の熱可塑性軟質樹脂シートからなり、前記白血球除去用フィルター部材は、熱可塑性軟質樹脂製シート状フレームと該フレームに周縁部が固着された濾材とからなり、前記白血球除去用フィルター部材は、前記2枚の熱可塑性軟質樹脂シート間に挟まれた状態となっており、かつ、前記熱可塑性軟質樹脂製シート状フレームの周縁部が前記2枚の熱可塑性軟質樹脂シートに熱融着されており、さらに、少なくとも前記流出側血液室の軟質樹脂製袋状ハウジングの内表面は、高低差0.2〜2mmの凹凸面となっていることを特徴とする白血球除去器。
  2. 前記凹凸面は、複数のリブにより形成されている請求項1に記載の白血球除去器。
  3. 前記リブは、前記血液流入ポート側より前記血液流出ポート側に延びるものである請求項2に記載の白血球除去器。
  4. 前記リブは、点在する突起である請求項2に記載の白血球除去器。
  5. 前記凹凸面は、複数のリブにより形成されており、かつ、リブは、前記ハウジングの一端側より他端側に延びる複数の縦リブと該縦リブに略直角に交差する複数の横リブを有し、該横リブの高さは、前記縦リブより低いものである請求項1に記載の白血球除去器。
  6. 前記横リブの間隔は、前記縦リブの間隔より広いものである請求項5に記載の白血球除去器。
  7. 前記白血球除去用フィルター部材の濾過機能部位は、多孔質体もしくは不織布からなる濾材により構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の白血球除去器。
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