JP3748124B2 - 作業車の走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農用作業車や建設作業車等の、エンジンの回転数を変更するアクセルレバーと、フートアクセルペダルを運転部に設け、このエンジンの回転数を作業状態に合わせて変更できる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の例えば農作業車においては、作業時にはアクセルレバーを回動してエンジンの回転数を高回転に維持したまま作業を行う。そして、枕地に至ると旋回時に圃場を荒らしたり、作業機を傷めないように作業機を上昇させて、アクセルレバーを元の低回転方向へ回動してエンジンの回転数を低回転数として、低速で旋回を行うようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術のように、作業車輌においては高回転のまま旋回を行うと、急旋回となって転倒したり、旋回半径が大きくなって切り返し操作が必要以上に多くなったりするので、旋回走行を行う前には、アクセルレバーを操作してエンジンの回転数を下げ、更に作業機を上昇していた。
従って、旋回する前には複数の操作を迅速に行う必要があり、操作が煩雑となっていた。また、エンジンを電子ガバナ式として、電気的に作業レバーと接続する構成とすることも可能であるが、コストアップとなり、アクセルの設定を変更する必要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
エンジンEの回転数を運転部に設けたフートアクセルペダル10及びアクセルレバー5で変更可能とする作業車であって、フートアクセルペダル10とエンジンEの回転数変更アーム21との間に回転数調節装置Bを設け、該回転数調節装置Bは取付プレート30上にモーター31を固設し、該モーター31にアーム32を固設し、該アーム32に連結ロッド33の一端を枢支し、一方、取付プレート30にレバー34の一端を枢支軸35によって枢支し、該レバー34の他端には枢支体46を回転自在に枢支し、該枢支体46の側面の貫通孔46aに、前記連結ロッド33の他端を摺動自在に挿入し、端部にロックナット47を螺着し、連結ロッド33を抜け止めし、前記レバー34の中途部に係止体36を固設し、該係止体36に、フートアクセルペダル10に連結されたワイヤー37が係止され、該係止体36は側面視V字状に構成されて、開放側がレバー34の側面に固設され、一方ワイヤー37の端部にはピン状のストッパー37aが固設され、ワイヤー37の端部を係止体36に挿入して係止し、ワイヤー37を引っ張る方向にはストッパー37aで規制されるが、ワイヤー37を押す方向には許容するように構成し、該回転数調節装置Bのモーター31と昇降スイッチ15とを連動連結し、昇降スイッチ15を下降側へ入れると、モーター31が駆動され、アーム32が設定角度回動され、連結ロッド33を介してレバー34が回動され、該レバー34に枢支されたワイヤー23が引っ張られ、回転数変更アーム21が高速側へ回動され、エンジンEの回転数が上げられ、圃場端に至り、昇降スイッチ15を上昇側へ入れると、モーター31が逆方向に駆動され、アーム32が元の位置まで回動され、連結ロッド33を介してレバー34が回動され、ワイヤー23も元の位置まで戻されるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の走行制御装置を装備したトラクタの側面図、図2はエンジンを低速回転とした状態を示すアクセルレバーとエンジンの回転数変更アームとの関係を示す図、図3はアクセルレバーを旋回回転数に設定し、回転数調節装置を高速回転とした状態の図、図4は同じく旋回時に回転数を落とした状態を示す図、図5は制御ブロック図、図6は連結ロッドとレバーの連結状態を示す斜視図、図7はレバーとワイヤーの連結状態を示す斜視図である。
【0006】
図1において、本発明の走行制御装置を、作業車としてトラクタに適用した場合について説明する。
トラクタはフロントフレーム1上のボンネット2内にエンジンEを収納し、ボンネット2後部に運転部を設けて、該ボンネット2後部にダッシュボード3を配置し、該ダッシュボード3上にハンドル4を突出し、側部にアクセルレバー5を突出している。
ハンドル4の後方に座席6を配置し、該座席6とダッシュボード3の下方にステップ7を配置して、該ステップ7の右側上にブレーキペダル9L・9Rとフートアクセルペダル10を配置し、ステップ7の左側上に図示しないクラッチペダルを配置している。
【0007】
前記座席6の側部のフェンダー上に、作業機Aの高さを設定するポジションレバー11と主変速レバー12と制御ボックス14を配置し、該制御ボックス14上には作業機Aの作業スイッチとして昇降スイッチ15や、作業機Aの傾斜角度設定スイッチや感度スイッチ等を配置している。
前記座席6の下部には、ミッションケース13と油圧シリンダーケース16が配置され、該油圧シリンダーケース16よりリフトアーム17・17が後方へ突出され、前記ミッションケース13の後面より後方に、トップリンク18が突出され、ミッションケース13の下部より後方にロアリンク19・19が後方に突出され、トップリンク18とロアリンク19・19の後端に作業機Aが装着され、リフトアーム17・17を回動することによって作業機Aを昇降できるようにしている。
本実施例では、作業機Aとしてロータリ耕耘装置が装着されている。
【0008】
次に、本発明の要部である回転数調節装置Bについて、図2より説明する。
前記エンジンEの気化機やガバナ等を収容した燃料供給量変更装置20には回転数を変更するバルブと連動連結された回転数変更アーム21が設けられ、該回転数変更アーム21にワイヤー22・23が連結され、一方のワイヤー22の他端は前記アクセルレバー5と連結され、他方のワイヤー23は後述する回転数調節装置Bのレバー34の中途部に軸28に枢結されている。
更に、レバー34からワイヤー37を介して、前記フートアクセルペダル10と連結され、フートアクセルペダル10及びアクセルレバー5はそれぞれ独立して操作できるようにしている。
そして、該ワイヤー22・23はアウターチューブ24・25によって被覆され、アウターチューブ24・25のエンジン側端はアウター受29によって支持されている。26はエンジンEの最高回転数を設定するストッパー、27は最低回転数(アイドル回転数)を設定するストッパーである。
【0009】
前記アウターチューブ24の他端はアクセルレバー5を支持する支持プレート43に設けたアウター受43aに固定され、ワイヤー22の端部はレバー基部44に枢結されている。該レバー基部44には規制凹部44aが設けられ、該規制凹部44a内に前記支持プレート43より突出したピン45が挿入されて、アクセルレバー5の回動を規制している。また、レバー基部44と支持プレート43との間にはバネ等を介装して、アクセルレバー5を任意の回転位置で維持できるようにしている。
【0010】
回転数調節装置Bは取付プレート30上にアクチュエーターとしてモーター31を固設し、該モーター31の出力軸31a上にアーム32を固設し、該アーム32にL字状の連結ロッド33の一端を枢支している。一方、取付プレート30にレバー34の一端を枢支軸35によって枢支し、該レバー34の他端には図6、図7に示すように、枢支体46が回転自在に上方に突出して枢支され、該枢支体46の側面には貫通孔46aが開口され、該貫通孔46aに前記連結ロッド33の他端が摺動自在に挿入されて、端部にロックナット47が螺着されて連結ロッド33が抜けないようにしている。
【0011】
そして、前記レバー34の中途部には図2、図7に示すように、係止体36が固設されて、該係止体36にワイヤー37が係止されている。該係止体36は側面視V字状に構成されて、開放側がレバー34の側面に固設され、該係止体36の側面に切欠36aが設けられている。一方ワイヤー37の端部にはピン状のストッパー37aが固設され、ワイヤー37の端部を切欠36aに挿入して係止し、ワイヤー37を引っ張る方向にはストッパー37aで規制されるが、ワイヤー37を押す方向には許容するように構成している。
【0012】
そして、前記ワイヤー37はアウターチューブ38に被覆され、該アウターチューブ38の一端は取付プレート30上に立設したアウター受41で支持し、他端はフートアクセルペダル10下方の支持体39に支持されている。
【0013】
また、図5に示すように、前記モーター31、昇降スイッチ15、座席等に設けてオペレーターが着座するとONするセイフティースイッチ50、主変速レバー12を後進側へ変速するとONするバックスイッチ51、モーターの出力軸31aを所定の回転位置で停止させるディスクスイッチ52、キースイッチ53、及びキースイッチ53がONし、かつ、セイフティースイッチ50がONで点灯するランプ54等がコントローラCと接続されている。
【0014】
このような構成において、キースイッチ53をONして、セイフティースイッチ50がONして、エンジンEを始動させて、エンジンEがアイドリングまたは低速状態の時は図2に示す状態となっている。
そして、図3に示すように、作業に入る前にアクセルレバー5を回動して、規制凹部44aの中途部にピン45が位置する低速位置まで回動する。この低速位置は旋回に必要な回転数として設定しておく。
【0015】
そして、昇降スイッチ15(作業スイッチ)を下降側へ入れると、モーター31が駆動されて、図3に示すように、アーム32が設定角度回動されて、連結ロッド33を介してレバー34が回動されて、該レバー34に枢支されたワイヤー23が引っ張られて、回転数変更アーム21が高速側へ回動され、エンジンEの回転数が上げられる。
【0016】
そして、圃場端に至り昇降スイッチ15(作業スイッチ)を上昇側へ入れると、図4に示すように、モーター31が逆方向に駆動されて、アーム32が元の位置まで回動されて、連結ロッド33を介してレバー34が回動されて、ワイヤー23も元の位置まで戻される。一方、前記アクセルレバー5は低速位置に回動されているので、回転数変更アーム21はワイヤー22によって低速位置で停止し、エンジンEの回転数が低速回転となって急な旋回や急な後進が避けられる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
エンジンEの回転数を運転部に設けたフートアクセルペダル10及びアクセルレバー5で変更可能とする作業車であって、フートアクセルペダル10とエンジンEの回転数変更アーム21との間に回転数調節装置Bを設け、該回転数調節装置Bは取付プレート30上にモーター31を固設し、該モーター31にアーム32を固設し、該アーム32に連結ロッド33の一端を枢支し、一方、取付プレート30にレバー34の一端を枢支軸35によって枢支し、該レバー34の他端には枢支体46を回転自在に枢支し、該枢支体46の側面の貫通孔46aに、前記連結ロッド33の他端を摺動自在に挿入し、端部にロックナット47を螺着し、連結ロッド33を抜け止めし、前記レバー34の中途部に係止体36を固設し、該係止体36に、フートアクセルペダル10に連結されたワイヤー37が係止され、該係止体36は側面視V字状に構成されて、開放側がレバー34の側面に固設され、一方ワイヤー37の端部にはピン状のストッパー37aが固設され、ワイヤー37の端部を係止体36に挿入して係止し、ワイヤー37を引っ張る方向にはストッパー37aで規制されるが、ワイヤー37を押す方向には許容するように構成し、該回転数調節装置Bのモーター31と昇降スイッチ15とを連動連結し、昇降スイッチ15を下降側へ入れると、モーター31が駆動され、アーム32が設定角度回動され、連結ロッド33を介してレバー34が回動され、該レバー34に枢支されたワイヤー23が引っ張られ、回転数変更アーム21が高速側へ回動され、エンジンEの回転数が上げられ、圃場端に至り、昇降スイッチ15を上昇側へ入れると、モーター31が逆方向に駆動され、アーム32が元の位置まで回動され、連結ロッド33を介してレバー34が回動され、ワイヤー23も元の位置まで戻されるので、アクセルレバーを設定回転位置に回動した状態で、作業スイッチをONすると、エンジンが高速回転数で作業でき、旋回する時等では作業スイッチをOFFとする操作だけで、アクセルレバーの操作を必要とせずエンジンの回転数を設定した回転数に減少させることができ、そして、作業機を下降させると元の回転数に復帰させることができ、操作を簡素化でき、旋回時には旋回半径が大きくならず急旋回も防げる。
また、回転数調節装置はアクセルレバーやエンジン等を変更することなく装着でき、しかも、後付けができて、仕様変更が安価で容易にできる。また、回転数調節装置が故障してもアクセルレバーで通常の回転数を変更できる。
また、回転数を下げた状態であっても、フートアクセルペダル10は独立して作動させることができるので、踏み込むことによって回転数を上昇させることができる。
また、低速回転数はアクセルレバー5で任意に変更でき、高速回転位置はロックナット47を回転させることにより容易に調整できる。そして、旋回後に昇降スイッチ15を下降側にONすると、モーター31が正転されて、元の高回転の作業速度となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の走行制御装置を装備したトラクタの側面図である。
【図2】 エンジンを低速回転とした状態を示すアクセルレバーとエンジンの回転数変更アームとの関係を示す図である。
【図3】 アクセルレバーを旋回回転数に設定し、回転数調節装置を高速回転とした状態の図である。
【図4】 同じく旋回時に回転数を落とした状態を示す図である。
【図5】 制御ブロック図である。
【図6】 連結ロッドとレバーの連結状態を示す斜視図である。
【図7】 レバーとワイヤーの連結状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
A 作業機
B 回転数調節装置
E エンジン
5 アクセルレバー
10 フートアクセルペダル
15 昇降スイッチ
21 回転数変更アーム
23 ワイヤー

Claims (1)

  1. エンジンEの回転数を運転部に設けたフートアクセルペダル10及びアクセルレバー5で変更可能とする作業車であって、
    フートアクセルペダル10とエンジンEの回転数変更アーム21との間に回転数調節装置Bを設け、
    該回転数調節装置Bは取付プレート30上にモーター31を固設し、該モーター31にアーム32を固設し、該アーム32に連結ロッド33の一端を枢支し、
    一方、取付プレート30にレバー34の一端を枢支軸35によって枢支し、該レバー34の他端には枢支体46を回転自在に枢支し、該枢支体46の側面の貫通孔46aに、前記連結ロッド33の他端を摺動自在に挿入し、端部にロックナット47を螺着し、連結ロッド33を抜け止めし、
    前記レバー34の中途部に係止体36を固設し、該係止体36に、フートアクセルペダル10に連結されたワイヤー37が係止され、該係止体36は側面視V字状に構成されて、開放側がレバー34の側面に固設され、
    一方ワイヤー37の端部にはピン状のストッパー37aが固設され、ワイヤー37の端部を係止体36に挿入して係止し、ワイヤー37を引っ張る方向にはストッパー37aで規制されるが、ワイヤー37を押す方向には許容するように構成し、
    該回転数調節装置Bのモーター31と昇降スイッチ15とを連動連結し、
    昇降スイッチ15を下降側へ入れると、モーター31が駆動され、アーム32が設定角度回動され、連結ロッド33を介してレバー34が回動され、該レバー34に枢支されたワイヤー23が引っ張られ、回転数変更アーム21が高速側へ回動され、エンジンEの回転数が上げられ、
    圃場端に至り、昇降スイッチ15を上昇側へ入れると、モーター31が逆方向に駆動され、アーム32が元の位置まで回動され、連結ロッド33を介してレバー34が回動され、ワイヤー23も元の位置まで戻されることを特徴とする作業車の走行制御装置。
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