JP2505885Y2 - 乗用田植機の植付部昇降操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、植付昇降レバーの操作により油圧シリンダ
でもって植付部を昇降させることができるようにした乗
用田植機の植付部昇降操作装置に関する。

［従来の技術］ 従来は、油圧ストップレバーにより操作する可変絞り
部、スプール及びリリーフバルブを油圧シリンダの回路
に介装して植付部を昇降操作できるように構成した乗用
田植機において、油圧ストップレバーにより可変絞り部
を油圧ストップ状態に操作すると、上げ方向及び下げ方
向とも油圧の回路が閉じて植付部の高さは変化しない状
態となるような構造になっていた。

［考案が解決しようとする課題］ 従って、植付部の下降を防ぐために油圧をストップし
ている状態で、植付部がリークにより下がるので植付部
を上昇させなければならないような場合、油圧ストップ
レバーを操作して油圧ストップを一旦解除しなから植付
昇降レバーを上げ操作し、さらに、再び油圧ストップの
状態に操作しなければならず、とくに長時間の路上走行
時では、操作が面倒である、といった不具合を呈してい
た。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、そのような不具合を解決し、操作性を一段
と向上させることができるようにしたものであり、その
ため、可変絞り部により油圧ストップ状態にしても植付
昇降レバーを上げに操作すると植付部が上昇するよう、
油圧シリンダをポンプの間にはチェックバルブを介装し
た上昇専用バイパスを連通連設して構成したものであ
る。

［作用］ 従って、植付部が油のリークにより下がるので植付部
を上昇させたい場合には、油圧ストップの状態のまま、
植付昇降レバーを上げ操作するだけで、植付部を最上げ
の状態に保持できるようにバイパスより圧油することが
できることになる。

［実施例］ 次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図は乗用田植機の側面図を示し、シート（10）やハ
ンドル（11）等を装備した４輪形本機（Ｂ）の後方には
平行リンク（12）を介して植付部（Ａ）を連結するとと
もに、該植付部（Ａ）に連繋するリフトリンク（13）と
本機（Ｂ）側の油圧シリンダ（５）を連結して植付部
（Ａ）を昇降自在に装設し、前記シート（10）の右側方
となるリヤカバー（14）の前方部には、植付上げ位置
（イ）、中立位置（ロ）、植付下げ位置（ハ）、サイド
マーカ操作位置（ニ）（ホ）に操作できる植付昇降レバ
ー（６）の案内用ガイド溝（15）を形成し，その後方に
は油圧ストップレバー（１）を案内する円弧状のガイド
溝（16）を形成し、その後方には植付クラッチレバー
（17）を配備して構成する。

前記リヤカバー（14）の下方に装備する油圧操作装置
（18）をポンプ（７）及びタンク（19）と前記油圧シリ
ンダ（５）に連通連設するとともに、第１図、第９図及
び第10図に示すように、油圧操作装置（18）内には、緩
連用固定絞り部（3a）（3b）を有するスプール（３）
と、直交方向の溝（20a）を有した回転軸（20）からな
る可変絞り部（２）と、リリーフバルブ（４）とを配備
し、前記油圧シリンダ（５）とポンプ（７）の間にはチ
ェックバルブ（８）を介装した上昇専用パイパス（９）
を連通連設して構成するが、前記回転軸（20）の上部に
連結したＬ形の前記油圧ストップレバー（１）の下端部
からはアーム（21）を突設し、該アーム（21）が両スト
ッパー（22）（23）に衝合するまで前記油圧ストップレ
バー（１）を回動させながら油圧ストップの状態に操作
できるようにして構成する。

前記油圧操作装置（18）の前方に横架した支軸（24）
の一端側には前記植付昇降レバー（６）の下端部を連結
し、支軸（24）の他端側より延出するアーム（25）に
は、前記油圧シリンダ（５）の端部に連動連繋するワイ
ヤー（26）を連繋し、前記支軸（24）の中間部には、前
記植付クラッチレバー（17）側に連動連繋する連動ロッ
ド（27）に連繋して前記油圧操作装置（18）のスプール
（３）側に衝合する自動用バルブ操作アーム（28）を架
着するとともに、手動用バルブ操作アーム（29）を架着
して構成する。

また、前記支軸（24）には、植付部（Ａ）の植付クラ
ッチ側に連繋するワイヤー（30）を上部に連繋したディ
テント板（31）の中間部を架着し、該ディテント板（3
1）の湾曲した下端縁には、引張りばね（32）に連繋し
た支持アーム（33）のディテントローラ（34）に係合で
きる植付クラッチオン位置の凹部（35）と、下げ位置の
凹部（36）と、中立位置の凹部（37）と、上げ位置の凹
部（38）とを間隔をおいてそれぞれ形成するが、前記凹
部（36）と（37）の間には突出部（39）を形成し、該突
出部（39）により従来形のようにオートリターン作動時
に慣性力で中立位置を通り越すことがないようにして、
オートリターンの作動が安定するように構成する。

なお、第11図に示すように、本機（Ｂ）におけるリヤ
カバー（14）の前方でステップ（40）にかけて傾斜する
斜面部（14a）に前記植付昇降レバー（６）を装備する
が、該植付昇降レバー（６）をくの字状に屈折するとと
もに、矢印で示すような該レバー（６）の作動範囲より
後方に支軸（24）が位置するようにすると、シート（1
0）に座るオペレータは植付昇降レバー（６）を力がは
いりやすい方向に容易に操作することができることにな
り、また、ステップ（40）は狭くして構成できることに
なる。

従って、植付部（Ａ）が油のリークにより下がるので
植付部（Ａ）を上昇させたい場合には、油圧ストップレ
バー（１）が油圧ストップの状態に操作されたままにし
ておいて、植付昇降レバー（６）を上げ操作するだけ
で、植付部（Ａ）を最上げの状態に保持できるようにバ
イパス（９）より圧油することができることになる。

［考案の効果］ このように本考案は、長時間の路上走行などの際に、
植付部（Ａ）が油のリークにより下がるので植付部
（Ａ）を上昇させたい場合には、油圧ストップレバー
（１）が油圧ストップの状態に操作されているままにし
て、植付昇降レバー（６）を上げ操作するだけで、バイ
パス（９）より圧油して植付部（Ａ）を最上げの状態に
保持できるように操作することができることになり、従
来のように面倒な操作を要することなく迅速容易に操作
することができることになって、操作性を一段と向上さ
せることができるとともに簡単な構造にして好適に実施
できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の回路図を示し、第
２図は乗用田植機の側面図、第３図は本機の一部の平面
図、第４図はその一部の拡大図、第５図は植付操作部の
側面図、第６図はその一部の拡大図、第７図は第５図の
一部の平面図、第８図は第７図の一部の拡大図、第９図
は第８図の一部の平断面図、第10図は第９図の一部の縦
断面図、第11図は本機の一部の左側面図を示す。 （１）……油圧ストップレバー （２）……可変絞り部、（３）……スプール （４）……リリーフバルブ （５）……油圧シリンダ、（Ａ）……植付部 （６）……植付昇降レバー、（７）……ポンプ （８）……チェックバルブ、（９）……バイパス

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】油圧ストップレバー（１）により操作する
   可変絞り部（２）、スプール（３）及びリリーフバルブ
   （４）を油圧シリンダ（５）の回路に介装して植付部
   （Ａ）を昇降操作できるように構成した乗用田植機にお
   いて、前記可変絞り部（２）により油圧ストップ状態に
   しても植付昇降レバー（６）を上げに操作すると植付部
   が上昇するよう、前記油圧シリンダ（５）とポンプ
   （７）の間にはチェックバルブ（８）を介装した上昇専
   用バイパス（９）を連通連設して構成したことを特徴と
   する植付部昇降操作装置。