JP3739604B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像データを変倍する機能を備えたディジタル複写機などの画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像処理装置であるディジタル複写機で実行される画像処理機能に変倍機能がある。この変倍機能は主走査方向と、副走査方向とで独立して処理が行なわれる。
【0003】
図11に主走査方向の変倍処理を示す。後述する図2のメイン画像処理ボード400の多値画像処理部402においてCCDボード300から入力された画像データを拡大用先入れ先出し型ラインメモリ(以下、先入れ先出し型をFIFOと称する。)71に取り込み、変倍ユニット72で画像データを単純に複製したり、隣接する2点の画素データから新しい画素のデータを作成する補間処理を行なって、取り込んだ画像データの拡大を行なう。また、変倍ユニット72で画像データを画素毎に間欠的に読み込んだり、隣接する2点の画素データから新しい画素のデータを作成する補間処理を行なって、取り込んだ画像データの縮小を行ない、縮小用FIFOラインメモリ73に書き込む。そして、拡大または縮小を行なった画像データをLSU46に出力して記録用紙に印刷を行なう。
【0004】
また、図12に副走査方向の変倍処理を示す。後述する図1におけるディジタル複写機30の反射ミラー42a〜42cを含む第1走査ユニット40aおよび第2走査ユニット40bの移動速度を変更することによって光電変換素子(以下、CCDと称する。)44に入力される画像データのライン数を増減して、図2の多値画像処理部402に入力する原稿のライン数を変更することによって画像データの変倍処理を行ない、変倍処理後の画像データをLSU46に出力して記録用紙に印刷を行なう。例えば、図12(A)のように同じラインを2回読み込んで多値画像処理部402に画像データを送るように制御すれば、2倍の画像が得られる。また、図12(B)のように複数のラインを1ラインおきに読み込めば、1/2倍の画像が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の処理では、主走査方向に変倍処理を行なう場合、画像データの処理は、画像データ入力→拡大用FIFOラインメモリ71→変倍ユニット72→縮小用FIFOラインメモリ73→画像データ出力のように行なわれ、各々のFIFOラインメモリの書込信号と読出信号の制御は、別々に行なっていた。このため拡大用FIFOラインメモリ71と縮小用FIFOラインメモリ73の2つのFIFOラインメモリが必要であった。また、副走査方向に画像データを読み取る走査ユニットの移動速度を変倍率に応じて変化させるためには、速度の可変制御が行なえるモータが必要であり、その変倍率に応じた速度の制御のために制御プログラムを作成する作業が煩雑であった。
【0006】
そこで本発明は、主走査方向の変倍処理時には拡大用FIFOラインメモリと縮小用FIFOラインメモリを同一のものとすることによって、基板面積の縮小、低消費電力化、低コスト化を可能とする画像形成装置を提供し、また副走査方向の変倍処理時には、画像データを読み取る走査ユニットの速度を変化させることなく変倍処理を行なうことにより、可変速度制御モータやモータの制御プログラムが不要で低コスト化を可能とする画像処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(2) (1) の構成において、切換手段はFIFOメモリの入力端と出力端、および変倍ユニットの入力端と出力端に設けたことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、FIFOメモリで行なう書込・読出処理および変倍ユニットで行なう変倍処理の処理順序を切り換える切換手段は、FIFOメモリの入力端と出力端、および変倍ユニットの入力端と出力端に設けている。したがって、切換手段によって接続を切り換えることにより単一のFIFOメモリと単一の変倍ユニットで変倍処理を行なうことができる。
【0020】
(1) 画像データを変倍する機能を備えた画像形成装置において、
1ライン分の画像データを記憶するラインメモリと、
画像データを感光体に書き込む複数の画像データ書込み手段と、
前記ラインメモリと前記複数の画像形成手段とを接続する複数の出力ラインと、
前記複数の出力ラインを個別にオン・オフする複数の開閉手段と、
変倍率に応じて前記開閉手段をオンさせる数を増減する変倍処理手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0021】
この構成においては、変倍処理手段は、複数の開閉手段を制御してラインメモリと複数の画像データ書込み手段との間に接続された開閉手段をオンさせる数を増減することで、各ラインメモリに書き込まれている画像データを変倍率に応じて1度に複数ラインに亘って書き込んで、拡大された画像を形成することができる。したがって、一定の読取速度で画像データを読み取っても、変倍率に応じた画像を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る画像形成装置は、例えばスキャナ部と画像処理部と画像記録部とからなるディジタル複写機であり、このディジタル複写機に通信回線を接続したものである。
【0025】
図1に、本発明の画像形成装置の例であるディジタル複写機の構成について説明する。ディジタル複写機30は大きく分けてスキャナ部31と、レーザ記録部32から横成されている。
【0026】
スキャナ部31は透明ガラス製のプラテンガラスを含む構成の原稿載置台35、原稿載置台35上へ自動的に原稿を供給搬送するための両面対応自動原稿送り装置(以下、RADFと称する。)36、及び原稿載置台35上に載置された原稿の画像を走査して読み取るためのスキャナユニット40などから構成されている。
【0027】
このスキャナ部31で読み取られた原稿画像は、画像データとして後述する画像処理部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施される。
【0028】
RADF36は、図外の原稿トレイ上に複数枚の原稿を一度に載置しておき、載置された原稿を1枚ずつ自動的にスキャナユニット40の原稿載置台35上へ給送する装置である。またRADF36は、操作者の選択に応じて原稿の片面または両面をスキャナユニット40に読み取らせるように、片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、搬送経路切り換え手段、各部を通過する原稿の状態を把握し管理するセンサ群、および制御部などから横成されている。
【0029】
原稿載置台35上に載置された原稿の画像を読み取るためのスキャナユニット40は、原稿面を露光するランプリフレクタアセンブリ41および、原稿からの反射光を反射する第1の反射ミラー42aを搭載してなる第1の走査ユニット40a、第1の反射ミラー42aからの反射光像を反射する第2反射ミラー42b・第3反射ミラー42cを搭載してなる第2の走査ユニット40b、上述した各反射ミラー42a〜42cで反射した原稿からの反射光像を結像させるための光学レンズ43、並びに原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換する光電変換素子(以下、CCDと称する。)44から構成される。
【0030】
スキャナ部31は、RADF36とスキャナユニット40の関連した動作により、原稿載置台35上に読み取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台35の下面に沿ってスキャナユニット40を移動させて原稿画像を読み取るように構成されている。特に第1走査ユニット40aは、原稿載置台35に沿って副走査方向に一定速度Vで走査制御され、また第2走査ユニット40bは、その速度Vに対してV/2の速度で同一方向に平行に走査制御される。この動作により、原稿載置台35上に載置された原稿の画像を、1ライン毎に順次CCD44へと結像させて画像を読み取ることができる。
【0031】
原稿画像をスキャナユニット40にて読み取ることにより得られた画像データは、後述する画像処理部へ送られ、各種処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶される。そして、出力指示に応じてメモリ内の画像を読み出してレーザ記録部32に転送して、記録シート上に画像が形成される。
【0032】
このレーザ記録部32は、画像を形成させるための記録材であるシートの搬送系、レーザ書込ユニット(以下、LSUと称する。)46、および画像を形成するための電子写真プロセス部47を備えている。LSU46は、上述したスキャナユニット40にて読み取った後のメモリから読み出した画像データ、または外部の装置から転送されてきた画像データに応じてレーザ光を出射する半導体レーザ光源、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザ光が電子写真プロセス部47を構成する感光体ドラム48上で等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどを有している。電子写真プロセス部47は、感光体ドラム48の周囲に帯電器、現像器、転写器、剥離器、クリーニング器、除電器を備えている。シートの搬送系は、上述した画像形成を行なう電子写真プロセス部47の転写器が配置された転写位置へとシートPを搬送する搬送部33、搬送部33へとシートPを送り込むためのカセット給紙装置51・52・53、必要なサイズのシートを適宜給紙するための手差し給紙装置54、転写後のシートPに形成されたトナー像を定着するための定着器49、定着後のシートPの裏面に再度画像を形成するためにシートPを再供給するための再供給経路55・56とを備えている。また、用紙の搬送経路の定着器49の後部には、画像が記録されたシートPを受け取り、このシートPに対して用紙を複数部複写する場合にグループごとに振り分けるソート処理や、グループごとに振り分けた用紙を綴じるステープル処理などの処理を行なう後処理装置34が配置されている。
【0033】
LSU46及び電子写真プロセス部47において、画像メモリから読み出された画像データは、LSU46によってレーザ光線を走査させることにより感光体ドラム48の表面上に静電潜像として形成され、トナーにより可視像化されたトナー像は多段給紙ユニットのいずれかの給紙部から搬送された用紙の面上に静電転写される。このようにして画像が形成された用紙は、定着器49でトナー像を定着されて排紙ローラ57を経て、後処理装置34内へと搬送される。
【0034】
図2は、図1に示したディジタル複写機30を構成している各種ユニット部、画像処理部などの全体ブロック構成図であり、メインの中央演算処理装置(以下、CPUと称する。)401により各ユニット部毎に搭載されたサブのCPUとの連携を取りながら動作管理している状態を示す図である。
【0035】
図2において、ディジタル複写機30は、操作パネル103を管理制御するオペレーションパネルボード100、ディジタル複写機30を構成する各ユニットを管理制御するマシンコントロールボード200、原稿画像を電気的に読み取りディジタルデータとするCCDボード300、前記CCDボード300にてディジタルデータ化された原稿画像に対して所定の画像処理を施すメイン画像処理ボード400、このメイン画像処理ボード400にて処理された画像情報に対してさらに所定の画像処理を施すサブ画像処理ボード500、および前記サブ画像処理ボード500にインターフェイスを介して接続されたその他の拡張ボード群600(プリンタボード、FAXボード、機能拡張ボード)などから構成されている。
【0036】
以下に、各ボード毎に管理制御している内容について説明する。
【0037】
(オペレーションパネルボード)
オペレーションパネルボード100は、基本的にサブのCPU101により制御されており、操作パネル103上に配置されたLCD表示部104の表示画面、各種モードに関する指示を入力する操作キー群105からの操作入力などを管理している。そして操作キー群105から入力されたデータ、LCD画面に表示させる情報など操作パネルにおける各種制御情報を記憶しておくメモリ102が設けられている。操作キー群については、図3にて後述する。
【0038】
この構成において、サブのCPU101は、メインのCPU401との制御データ通信を行ない、ディジタル複写機30の動作指示を行なう。また、メインのCPU401からは、ディジタル複写機30の動作状態を示す制御信号をサブのCPU101へと転送することで、操作パネル103のLCD表示部104を通して、装置が現在どのような状態にあるのかを、操作者に動作状態を表示するようになっている。
【0039】
(マシンコントロールボード)
マシンコントロールボード200は、サブのCPU201により全体が制御されており、ADF・RADFなどの自動原稿送り装置203、原稿画像を読み取る読取スキャナ部204、画像情報を画像として再現するプロセス部205、画像が記録される用紙を収納部からプロセス部205へ向かって順次搬送する給紙搬送部206、画像が記録された用紙を反転させて用紙の両面に画像が形成されるように用紙を反転搬送する両面ユニット207、および画像が記録された用紙に対してステープルなどの後処理を行なうフィニッシャ208などによって構成されている。
【0040】
(CCDボード)
CCDボード300は、原稿画像を読み取りアナログのデータに変換するCCD44、CCD44を駆動する回路であるCCDゲートアレイ(図2では、CCD G/Aと表示する。)302、CCD44から出力されるアナログデータのゲイン調整などを行なうアナログ回路303、CCD44のアナログ出力をディジタル信号に変換してディジタルデータとして出力するA/D変換器304などから構成され、制御管理はメインのCPU401により行なわれている。
【0041】
(メイン画像処理ボード)
メイン画像処理ボード400は、メインのCPU401により制御され、前記CCDボード300から送られてきた原稿画像のディジタルデータをもとに、画像の階調性を所望の状態で表現できるように、シェーディング補正・濃度補正・領域分離・フィルタ処理・MTF補正・解像度変換・電子ズーム(変倍処理)・ガンマ補正など多値の画像データの状態のまま処理を施す多値画像処理部402、処理が施された画像データあるいは処理の手順管理など各種制御情報を記憶させておくメモリ403、1ページ分の画像を記憶させておくフィールドメモリ403a、処理が施された画像情報を画像に再現するためにLSU46側へとデータを転送制御するレーザコントロール部404などから構成される。
【0042】
(サブ画像処理ボード)
サブ画像処理ボード500は、メイン画像処理ボード400とコネクタ505で接続され、メイン画像処理ボード400上のメインのCPU401により制御された2値画像処理部501、画像処理の施された2値画像情報あるいは処理上での制御情報などを記憶管理するメモリおよびメモリを制御するゲートアレイ502、複数枚の原稿画像情報を記憶管理しておき複数枚の原稿画像を繰り返し所望部数の数だけ読み出して複数の複写物を生成するためのハードディスクおよびハードディスクを制御するゲートアレイ503、および外部インターフェイスとしてのSCSIボードおよびSCSIを制御するゲートアレイ504などから構成される。また、前述の2値画像処理部501は、多値画像情報を2値画像に変換する処理部、画像を回転する処理部、および2値画像の変倍処理を行なう2値変倍処理部などから構成され、さらに、ファックス画像を通信手段を介して送受信することが出来るようにファックスインターフェイス(図2では、FAX I/Fと表示する。)も備えている。
【0043】
(拡張ボード)
拡張ボード600は、パーソナルコンピュータなどから送られてくるデータをディジタル複写機30のレーザ記録部32からプリンタモードとして出力可能とするためのプリンタボード601、ディジタル複写機30の編集機能を拡張してディジタル複写機30の特徴を有効活用するための機能拡張ボード602、およびディジタル複写機30のスキャナ部31から読み込んだ原稿画像を相手先に対して送信したり、相手先から送られてきた画像情報をディジタル複写機30のレーザ記録部から出力することを可能にするファクシミリボード603などから構成される。
【0044】
以下に、ディジタル複写機30の画像処理装置としての機能、すなわちコピー・プリンタ・ファックスの各モードでの画像データの処理、画像データの流れについてさらにくわしく説明する。
【0045】
(コピーモード)
ディジタル複写機30のRADF36の所定位置にセットされた原稿は、1枚ずつスキャナユニット40の原稿載置台35上へと順次供給され、原稿の画像は先に説明したスキャナユニット40により順次読み取られ、8ビットのディジタルデータとしてメイン画像処理ボード400へと転送される。メイン画像処理ボード400に転送された8ビットのディジタルデータは、8ビットのディジタル画像データとして多値画像処理部402で所定の処理が施される。8ビットのディジタル画像データはガンマ補正などの処理が行なわれ、レーザコントロール部404を介してLSU46へと送られる。上記の処理によって、ディジタル複写機30のスキャナ部31で読み取られた原稿画像は、レーザ記録部32から階調性のあるコピー画像として出力される。
【0046】
(コピーモードにおける電子RDH機能)
ディジタル複写機30のRADF36の所定位置にセットされた原稿は、1枚ずつスキャナユニット40の原稿載置台35上へと順次供給され、原稿の画像は前述のスキャナユニット40により順次読み取られ、8ビットのディジタルデータとしてメイン画像処理ボード400へと転送される。メイン画像処理ボード400に転送された8ビットのディジタルデータは、8ビットのディジタル画像データとして多値画像処理部402で所定の処理が施される。この8ビットのディジタル画像データは、次にメイン画像処理ボード400側のコネクタ405からサブ画像処理ボード500側のコネクタ505を介してサブ画像処理ボード500側に送られ、2値画像処理部501の多値2値変換部において誤差拡散などの処理と共に8ビットのディジタル画像データから2ビットのディジタル画像データに変換される。
【0047】
なお、8ビットのディジタル画像データを誤差拡散などの処理を含めて2ビットのディジタル画像データに変換しているのは、単に多値2値変換を行なっただけでは画質的に問題があるので、画質の劣化が少なくなるように配慮している。また、8ビットのディジタル画像データを2ビットのディジタル画像データに変換するのは、画像の記憶容量などを考慮したためである。
【0048】
このようにして変換された2ビットのディジタル画像データは、原稿1枚毎にハードディスクなどのディスクメモリ503へと転送されて一時的に記憶管理される。ディジタル複写機30のRADF36にセットされた原稿群の全てが読取処理されると、一時的にハードディスク503に記憶された2ビットのディジタル画像データを、ゲートアレイ503の制御により指定された部数だけ繰り返し読み出して、読み出された2ビットのディジタル画像データは、再度コネクタ接続部405・505を介してメイン画像処理ボード400へ送られ、ガンマ補正などの処理を行ないレーザコントロール部404を介してLSU46へと送られる。
【0049】
なお、全ての原稿群画像が読み取られてから画像群を所望する部数だけ繰り返し読み出すようにして説明したが、1部目の画像出力は所定分の画像が準備できた段階で順次出力するように構成することも可能である。
【0050】
上記の処理により、ディジタル複写機30のスキャナ部31で読み取られた原稿画像は、レーザ記録部32から階調性のあるコピー画像として出力される。
【0051】
(プリンタモード)
パーソナルコンピュータなどのネットワークに接続された外部機器から送られてきた画像は、プリンタボード601上でページ単位の画像として展開された後、インターフェイスであるSCSIボード504から一旦サブ画像処理ボード500側へ転送されハードディスク503などのメモリへと記憶される。
【0052】
なお、プリンタボード601でページ画像として展開された画像は、サブ画像処理ボード500側に送られるが、2値画像処理は行なわれずにハードディスク503に一時記憶されるだけである。また、一旦記憶されたページ画像がハードディスク503から読み出される時も、ページ画像に対する2値画像処理は行なわない。そして、ハードディスク503へ一時記憶された画像情報は、所定のページ順となるようにハードディスク503から読み出されながらメイン画像処理ボード400へと送られてガンマ補正を行ない、レーザコントロール部404からLSU46にて画像を再現するよう画像の書込が制御される。
【0053】
(ファックスモード)
ファックスモードには、相手先に対する原稿の送信と、相手先からの原稿の受信に対する処理がある。先に相手先に対する原稿の送信について説明すると、ディジタル複写機30のRADF36の所定位置にセットされた送信原稿は、1枚ずつスキャナユニット40の原稿載置台35上へと順次供給され、送信原稿の画像は先に説明したスキャナユニット40により順次読み取られ、8ビットのディジタルデータとしてメイン画像処理ボード400へと転送される。メイン画像処理ボード400に転送された8ビットのディジタルデータは、8ビットのディジタル画像データとして多値画像処理部402で所定の処理が施される。この8ビットのディジタル画像データは、次にメイン画像処理ボード400側のコネクタ405からサブ画像処理ボード500側のコネクタ505を介してサブ画像処理ボード500側に送られ、2値画像処理部501の多値2値変換部において誤差拡散などの処理と共に8ビットのディジタル画像データから2ビットのディジタル画像データに変換される。
【0054】
なお、8ビットのディジタル画像データを、誤差拡散などの処理を含めて2ビットのディジタル画像データに変換しているのは、単に多値2値変換を行なっただけでは画質的に問題があるので、画質の劣化が少なくなるように配慮している。
【0055】
上記の処理によって、2値画像化された送信原稿は、所定の形式で圧縮されメモリ502に記憶される。そして相手先との送信手続きを行ない送信可能な状態が確保されると、メモリ502から読み出された所定の形式で圧縮された送信原稿画像は、ファックスボード603側へと転送され、このファックスボード603で圧縮形式の変更など必要な処理を施して、相手先に対して通信回線を介して順次送信されることとなる。
【0056】
次に相手先から送信されてきた原稿画像の処理について説明する。相手先から通信回線を介して原稿が送信されてくると、ファックスボード603での通信手続きを行ないながら相手先から送信されてくる原稿画像を受信すると共に、所定の形式に圧縮された状態の受信画像は、サブ画像処理ボード500の2値画像処理部501に設けられたファックスインターフェイスから2値画像処理部501へと送られ、圧縮伸張処理部などによりページ画像として送信されてきた原稿画像を再現する。そして、ページ単位の画像として再現された原稿画像は、メイン画像処理ボード400にて画像の補正が行なわれて、レーザコントロール部404からLSU46にて画像を再現するよう画像の記録用紙への書込が制御される。
【0057】
図3は、ディジタル複写機30における操作パネルを表した図である。この操作パネル75の中央部分には、タッチパネル液晶表示装置6が配置されていて、その周囲に各種モード設定キー群が配置されている。このタッチパネル液晶表示装置6の画面上には、常時画像編集機能を選択するための画面に切り換える画面切り換え指示エリアがあって、このエリアを指で直接押圧操作すると各種画像編集機能が選択できるように液晶画面上に各種編集機能が一覧表示される。その表示された各種編集機能の中から、操作者が所望する機能が表示されている領域を指で触れることにより編集機能が設定される。
【0058】
上記操作パネル上に配置された各種設定キー群について簡単に説明すると、コピー濃度設定を行なうモードに移行するためのキー7を操作すると、コピー濃度調整を自動から手動または写真モードへと切り換える。手動モードまたは写真モードの時には、濃度レベルを細かく設定することができる。用紙トレイ選択を行なうためのモードに移行するためのキー8を操作すると、複写機の給紙部にセットされている用紙の中から希望する用紙サイズを選択することができる。倍率設定を行なうモードに移行するためのキー9を操作すると、倍率を自動的に選択させるモードの設定、複写倍率を1%きざみで設定、固定倍率を読み出して選択する設定、および複写倍率を標準倍率(等倍)に戻す設定を選択することができる。
【0059】
タッチパネル液晶表示装置6の左部には、特別機能を行なうモードに移行するためのキー10、両面複写モードの設定するための両面モード設定キー11、複写機から排出される複写物を仕分けるための後処理装置の動作モードを設定するための後処理モード設定キー12、および上記の特別機能設定のなかで現在設定されている機能の内容を確認するための設定確認キー13が、各々設けられている。特別機能を行なうモードに移行するためのキー10を操作すると、コピーの端に余白を形成するためのとじしろ設定機能、周囲の影などを消去する枠消去機能、用紙のほぼ中央に複写させるためのセンタリング機能、複数のコピージョブを行なう際に仕分けが簡単に行なえるように記録用紙に指標であるインデックスを付与するためのインデックス機能などを設定することができる。
【0060】
また、タッチパネル液晶表示装置6の右部には、複写機の操作が分からない時に操作することで複写機の操作方法をメッセージ表示するための操作ガイドキー14、操作ガイドキー14の操作により表示されたメッセージの続きを表示させるためのメッセージ順送りキー141、および前記メッセージを1つ前に戻すためのメッセージ逆戻しキー142、複写枚数の設定するための枚数設定キー15、連続コピー中に別の原稿に対するコピーを行ないたい時に操作する割込みキー16、複写枚数をクリアしたり連続コピーを途中で止める時に操作するクリアキー17、現存設定されているモードの全てを解除して標準状態に復帰させるための全解除キー18、コピーの開始を指示するためのスタートキー19が、各々設けられている。
【0061】
さらに、タッチパネル液晶表示装置6の左部には、ディジタル複写機のモードを、ファクシミリモードへ移行させるキー20、プリンタモードへ移行させるキー21、およびコピーモードへ移行させるキー22が、各々設けられている。
【0062】
今回提示した操作パネル及びその操作パネル上に配置される各種キーは、あくまでも実施例であり、ディジタル複写機に搭載される各種機能により操作パネル上に設けられるキーが異なってくることは言うまでもない。
【0063】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部のブロック図である。図4は、画像データを記憶するFIFOメモリ4、画像データの変倍処理を行なう変倍ユニット5、および画像を変倍する際に変倍率に応じてFIFOメモリ4と変倍ユニット5の接続を切り換える切換手段であるセレクタ1・セレクタ2・セレクタ3を含む構成である。セレクタ1〜3は各々FIFOメモリ4の入力端・出力端、変倍ユニット5の入力端・出力端に接続している。つまり、セレクタ1のゲートaは変倍ユニット5の出力端に、セレクタ1のゲートbはCCDボード300の出力端に、そしてセレクタ1の出力端はFIFOメモリ4の入力端に接続されている。また、セレクタ2のゲートaはCCDボード300の出力端に、セレクタ2のゲートbはFIFOメモリ4の出力端に、セレクタ2の出力端は変倍ユニット5の入力端に各々接続している。さらに、セレクタ3のゲートaは変倍ユニット5の出力端に、セレクタ3のゲートbはFIFOメモリ4の出力端に、セレクタ3の出力端はLSU46の入力端に各々接続している。変倍ユニット5で行なわれる変倍処理として、同じ画素やラインを複数回読み出したり間欠的に読み出す単純補間処理、隣り合う画素やラインから新しいラインを形成し画素やラインの間に補間する補間処理等がある。図1のスキャナユニット40のCCD44に読込まれたアナログ出力の原稿画像はA/D変換器304でディジタル信号に変換して画像データとしてCCDボード300からメイン画像処理ボード400へ送られる。そして、多値画像処理部402で、用紙サイズと変倍率に応じた必要画素部分に切り出されてから、変倍処理が行なわれる。変倍処理は、主走査方向と副走査方向で独立して行なわれる。
【0064】
まず主走査方向の変倍処理について説明する。画像の拡大処理を行なう場合、画像処理装置の制御を行なうCPU401によってセレクタ1のゲートa、セレクタ2のゲートa、およびセレクタ3のゲートbはオフされ、セレクタ1のゲートb、セレクタ2のゲートb、およびセレクタ3のゲートaはオンされる。切り出された画像データはCCDボード300から送られ、セレクタ1のゲートbを通過後、FIFOメモリ4に書き込まれる。次に、FIFOメモリ4に書き込まれた画像データは、CPU401によって読み出されてセレクタ2のゲートbを通過し、変倍ユニット5に設けられたメモリ26に書き込まれる。変倍ユニット5では、メモリ26に書き込まれた画像データに対して変倍処理が行なわれる。つまり、拡大率に応じてメモリ26から複数回画像データが読み出され、画像データが変倍される。変倍処理を終え拡大された画像データはセレクタ3のゲートaを経て、LSUユニット46に出力される。
【0065】
画像の縮小処理を実行する場合、CPU401によってセレクタ1のゲートb、セレクタ2のゲートb、およびセレクタ3のゲートaはオフされ、セレクタ1のゲートa、セレクタ2のゲートa、およびセレクタ3のゲートbはオンされる。切り出された画像データはCCDボード300から送られ、セレクタ2のゲートaを通過し、変倍ユニット5に入力される。変倍ユニット5では入力された画像データに対して変倍処理が行なわれ、縮小率に応じた画像データが出力される。変倍処理された画像データは、セレクタ1のゲートaを通過し、FIFOメモリ4に書き込まれる。FIFOメモリ4に書き込まれた画像データはセレクタ3のゲートbを通過してLSUユニット46に出力される。
【0066】
副走査方向の変倍処理は、従来の方法通りスキャナユニット40の読取速度を変更することにより行なう。つまり、図1に示すディジタル複写機30において、スキャナユニット40の画像データを読み取る走査ユニット40a、40bの走査速度を変倍率に応じて調整し、CCD44からCCDボード300に取り込むライン数を加減することにより実行する。例えば、縮小の場合は画像データの読取速度を速くすることにより、CCDボード300に単位時間当たりに取り込むライン数を減らすことによって実現される。また、拡大の場合は画像データの読取速度を遅くすることによりCCDボード300に単位時間当たりに取り込むライン数を増やすことによって実現される。走査ユニット40a、40bの移動速度を加減して入力ライン数を調整された後画像データは、上記主走査方向変倍用FIFOメモリに入力され、主走査方向の変倍処理が行なわれた後LSUユニット46に出力されるか、またはフィールドメモリ403aに書き込まれる。
【0067】
このように、従来は変倍処理を行なうために拡大用FIFOメモリと縮小用FIFOメモリの2つが必要であったが、本発明によると単一のFIFOメモリを使用して、処理手順を煩雑化することなく変倍処理が実施できる。
【0068】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部のブロック図である。図5は、画像データの変倍処理のうち縮小処理を行なう縮小用変倍ユニット61、画像データを記憶するFIFOメモリ4、画像データの変倍処理のうち拡大処理を行なう拡大用変倍ユニット62、縮小用変倍ユニット61と拡大用変倍ユニット62の入力を切り換えるCPU401を含む構成である。縮小用変倍ユニット61の入力端はCCDボード300の出力端に、FIFOメモリ4の入力端は縮小用変倍ユニット61の出力端に、拡大用変倍ユニット62の入力端はFIFOメモリ4の出力端に、拡大用変倍ユニット62の出力端はLSU46の入力端に、各々接続されている。また、縮小用変倍ユニット61と拡大用変倍ユニット62は、CPU401から制御信号を受ける。変倍処理は主走査方向と副走査方向で独立して行なわれる。
【0069】
まず主走査方向の変倍処理について説明する。画像の拡大処理を実行する場合、CPU401から縮小用変倍ユニット61に、画像データが入力されても変倍処理を行なわずに画像データを通過させる制御信号が送られる。この制御信号により縮小用変倍ユニット61は、画像データが入力されても通過させる。切り出された画像データは、CCDボード300から縮小用変倍ユニット61を通過して、FIFOメモリ4に書き込まれる。そして、拡大用変倍ユニット62において、拡大率に応じてFIFOメモリ4から画像データが読み出されて変倍された後、LSU46に出力される。
【0070】
画像の縮小処理を実行する場合、CPU401から拡大用変倍ユニット62に、画像データが入力されても変倍処理を行なわずに画像データを通過させる制御信号が送られる。この制御信号により拡大用変倍ユニット62は、画像データが入力されても通過させる。切り出された画像データは、CCDボード300から縮小用変倍ユニット61に入力される。画像データは、縮小用変倍ユニット61によって画素補間などの変倍処理がなされた後に、FIFOメモリ4に書き込まれ、拡大用変倍ユニット62を通過して、LSU46に出力される。
【0071】
なお、FIFOメモリにおいて書込アドレスと読出アドレスの追い越しが発生しないように、FIFOメモリ4の書込許可信号と読出許可信号とのスタート位置を変倍率に応じて可変とする。ここで、アドレスの追い越しとは、拡大や縮小を行なう場合、FIFOメモリ4において書込・読出のどちらか一方の速度が他方より速いため、途中で一方が他方を追い抜くことである。例えば、書込アドレスを読出アドレスが追い越すと、まだ書いていない不定データを読み出してしまう。読出アドレスを書込アドレスが追い越すと、新しいデータが書き込まれるため、読み出したデータが途中で別のデータになってしまう。そこで、拡大時はFIFOメモリ4の書込信号を読出信号より早くスタートさせ、縮小時はFIFOメモリ4の書込信号より読出信号を早くスタートさせると、アドレスの追い越しを生じることがなく、FIFOメモリ4に書き込んだラインの画像データが置き変わることがない。副走査方向の変倍処理は、図12で説明した従来の方法を行なう。
【0072】
このように、縮小用変倍ユニット61と拡大用変倍ユニット62とを設けることにより、単一のFIFOメモリを用いて従来の方法の処理手順で変倍処理を行なうことができ、従来のように拡大用FIFOメモリと縮小用FIFOメモリの2つのメモリが必要無くなる。
【0073】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部のブロック図である。図6は、1ライン分の画像データを記憶するFIFOラインメモリ81、変倍率に応じた回数だけ画像データを読み出す変倍処理部82を含む構成である。FIFOラインメモリ81の入力端はCCDボード300の出力端に、変倍処理部82の入力端はFIFOラインメモリ81の出力端に、変倍処理部82の出力端はフィールドメモリ403aの入力端に、各々接続されている。変倍処理は主走査方向と副走査方向で独立して行なわれる。主走査方向の変倍処理は図4で説明した処理を行なうものとする。
【0074】
副走査方向の変倍処理について説明する。図6において画像の拡大処理を実行する場合、図2で説明したCCDボード300で取り込まれた画像データは、メイン画像処理ボード400の多値画像処理部402に送られ、多値画像処理部402内のFIFOラインメモリ81に書き込まれる。FIFOラインメモリ81に書き込まれた1ライン分の画像データは、変倍処理部82にFIFOラインメモリ81のリードアドレスをリセットされることにより、複数回読み出される。例えば、FIFOラインメモリ81に書き込まれた1ライン分の画像データが、変倍処理部82によって2回読み出されれば、2倍に拡大した画像データが得られる。読み出された画像データはフィールドメモリ403aに書き込まれる。
【0075】
また、画像の縮小処理を実行する場合、FIFOラインメモリ81に書き込まれた複数行の画像データが、変倍処理部82によって間欠的に読み出される。例えばFIFOラインメモリ81に書き込まれた1ライン目の画像データは変倍処理部82によって読み出されて、次にFIFOラインメモリ81に書き込まれた2ライン目の画像データは読み出さないので、2分の1に縮小した画像データが得られる。読み出された画像データは、フィールドメモリ403aに書き込まれる。
【0076】
副走査方向の変倍処理を終えた画像データは、図4で説明した主走査方向の画像処理部に渡されて変倍処理が行なわれる。
【0077】
このように、副走査方向の画像データの読出回数を調整することにより、従来画像データの読取速度を変倍率に応じて変更していたが、一定の読取速度で画像データを読み取り、変倍処理を行なうことができる。
【0078】
また、図6において拡大処理を実行する場合、変倍処理部82で、フィールドメモリ403aの書込アドレス選択信号を制御して、変倍率に応じてFIFOラインメモリ81に書き込まれている画像データを、1度に複数ラインに亘って書き込むように制御すると、画像データは変倍率に応じて拡大された画像データになる。つまり、図2のCCDボード300で取り入れられた画像データは多値画像処理部402に入力され、多値画像処理部402内のFIFOラインメモリ81に書き込まれる。変倍処理部82は、フィールドメモリ403aの書込アドレス選択信号を制御して、FIFOラインメモリ81に書き込まれた1ライン分の画像データを、一度にフィールドメモリ403aの複数行に書き込む。例えば、3ラインに亘って同じ1ラインのデータを書き込むと3倍の拡大処理が行なわれる。
【0079】
図7は図6で説明した変倍処理の別の方法の例である。図7は、1ライン分の画像データを記憶するFIFOラインメモリ81、変倍率に応じて画像データを読み出す変倍処理部82、および画像データを感光体ドラム48に書き込むLSU46−1〜5を含む構成である。LSU46−1〜5の入力端は各々FIFOラインメモリ81の出力端に接続されている。また、FIFOラインメモリ81とLSU46−1〜5の間には、ゲート84−1〜5が各々設けてあり、変倍処理部82の制御信号によって画像データの流れが制御される。図7においては、最大5倍の拡大処理を行なうことができる。拡大処理を実行する場合、CCDボード300に取り込まれた画像データは、図2のメイン画像処理ボード400の多値画像処理部402に送られ、多値画像処理部402からFIFOラインメモリ81に書き込まれる。変倍処理部82は、変倍率に応じてゲート84−1〜5に制御信号を送り、ゲートのオン・オフの制御を行なう。FIFOラインメモリ81に書き込まれた1ライン分の画像データはゲート84−1〜5のオン・オフに応じて一度にLSU46−1〜5に出力される。例えば、5倍の拡大処理を行なう場合、変倍処理部82はゲート84−1〜5をオンにする。そして、FIFOラインメモリ81に書き込まれた画像データはLSU84−1〜5に出力される。また、3倍の拡大処理を行なう場合は、変倍処理部82は、ゲート84−4と84−5をオフにするため、LSU46−4,46−5には、画像データは送られない。したがって、LSU46−1〜3に同じ1ラインの画像データが出力される。
【0080】
つまり変倍処理部82は、FIFOラインメモリとLSU46−1〜5を接続するデータラインのゲート84−1〜5を制御して、変倍率に応じてFIFOラインメモリ81に書き込まれている画像データを1度に複数ラインに亘って書き込むように制御すると、画像データは変倍率に応じて拡大された画像データになる。このように、副走査方向の画像データの読出回数を調整することにより、従来画像データの読取速度を変倍率に応じて変更していたが、一定の読取速度で画像データを読み取ることができる。
【0081】
図8は、本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部のブロック図である。図8は、画像データを記憶するFIFOラインメモリA86、FIFOラインメモリB87、FIFOラインメモリA86とFIFOラインメモリB87に書き込まれた画像データを読み出して画像データの変倍処理を行なう変倍処理部82を含む構成である。FIFOラインメモリA86の入力端はCCDボード300の出力端に接続され、FIFOラインメモリA86の出力端は変倍処理部82に接続されている。また、FIFOラインメモリB87の入力端はFIFOラインメモリA86の出力端に接続され、FIFOラインメモリB87の出力端は変倍処理部82の入力端に接続されている。さらに、変倍処理部82の出力端はフィールドメモリ403aの入力端に接続されている。変倍処理は主走査方向と副走査方向で独立して行なわれる。
【0082】
副走査方向の変倍処理について説明する。拡大処理を実行する場合、CCDボード300から送られた複数行に亘る画像データのうちCCD44で読み取った1ライン目の画像データが、FIFOラインメモリA86に書き込まれる。次に、CCDで読み取った2ライン目の画像データがFIFOラインメモリA86に書き込まれる。このとき、FIFOラインメモリA86に書き込まれていた1ライン目の画像データがFIFOラインメモリA86から読み出されてFIFOラインメモリB87に書き込まれる。さらに、3ライン目の画像データがFIFOラインメモリA86に上書きされる。このとき、FIFOラインメモリA86に書き込まれていた2ライン目の画像データがFIFOラインメモリA86から読み出されてFIFOラインメモリB87に書き込まれる。画像データがさらにある場合は、上記の処理が連続して行なわれる。
【0083】
例えば、図9において画像データを読み取る原稿にラインa・ラインbの2つの画像データがあった場合、拡大を行なう手順は以下の通りである。
【0084】
(1) ラインaの画像データはFIFOラインメモリA86に書き込まれる。
【0085】
(2) 変倍処理部82で、ラインaの画像データが読み出される。同時にラインaの画像データは、FIFOラインメモリB87にも書き込まれる。変倍処理部82は、FIFOラインメモリA86から読み出したラインaの画像データを、フィールドメモリ403aに書き込む。
【0086】
(3) ラインbの画像データは、FIFOラインメモリA86に書き込まれ、変倍処理部82は、FIFOラインメモリB87に書き込まれたラインaの画像データと、FIFOラインメモリB86に書き込まれたラインbの画像データとを読み出す。同時にラインbの画像データは、FIFOラインメモリB87にも書き込まれる。変倍処理部82は、ラインaとラインbに対して補間を行ない、新しいラインabを作成し、フィールドメモリ403aに書き込む。
【0087】
(4) 変倍処理部82は、FIFOラインメモリB87に書き込まれたラインbの画像データを読み出して、フィールドメモリ403aに書き込む。
【0088】
以上の拡大処理によって、フィールドメモリ403aには、ラインa・ラインab・ラインbの画像データが書き込まれる。読み取る原稿に複数行のラインの画像データがある場合、上記の処理を繰り返すことにより、元の画像が2倍に拡大される。
【0089】
また、図10において画像データを読み取る原稿にラインa・ラインb・ライン3の3つの画像データがあった場合、縮小を行なう手順は以下の通りである。
(1) ラインaの画像データがFIFOラインメモリA86に書き込まれる。
【0090】
(2) 変倍処理部82は、ラインaの画像データを読み出す。同時にラインaの画像データは、FIFOラインメモリB87にも書き込まれる。変倍処理部82は、FIFOラインメモリA86から読み出したラインaの画像データを、フィールドメモリ403aに書き込まない。
【0091】
(3) ラインbの画像データは、FIFOラインメモリA86に書き込まれ、変倍処理部82は、FIFOラインメモリB87に書き込まれたラインaの画像データと、FIFOラインメモリA86に書き込まれたラインbの画像データとを読み出す。同時にラインbの画像データは、FIFOラインメモリB87にも書き込まれる。変倍処理部82は、読み出したラインaとラインbに対して補間を行ない、新しいラインabを作成し、フィールドメモリ403aに書き込む。
【0092】
(4) ラインcの画像データが、FIFOラインメモリA86に書き込まれる。変倍処理部82は、FIFOラインメモリB87に書き込まれたラインbの画像データと、FIFOラインメモリA86に書き込まれたラインcの画像データとを読み出す。同時にラインcの画像データは、FIFOラインメモリB87にも書き込まれる。変倍処理部82は、読み出したラインbとラインcに対して補間を行ない、新しいラインbcを作成し、フィールドメモリ403aに書き込む。
【0093】
以上の縮小処理によって、フィールドメモリ403aには、ラインab・ラインbcの画像データが書き込まれる。読み取る原稿に複数行のラインの画像データがある場合、上記の処理を繰り返すことにより、元の画像が1/2倍に縮小される。
【0094】
上記の例のように処理を行なえば、隣接ライン間で補間処理を行なうことができ、画像データの読取速度を一定にしたまま、かつ変倍率を極端に大きくした場合でも画像の滑らかさを保つことができる。副走査方向の変倍処理を終えた画像データは、図4で説明した主走査方向の画像処理部に渡される。
【0095】
このように、副走査方向の画像データの読出回数を調整することにより、従来画像データの読取速度を変倍率に応じて変更していたが、一定の読取速度で画像データを読み取ることができる。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0102】
(1) 拡大処理時にラインメモリに書き込まれた画像データの一回の読み出しから複数のラインを作成することにより、画像データの読取速度を変更することなく副走査方向に拡大処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【符号の説明】
1、2、3−セレクタ
4−先入れ先出し型メモリ(FIFOメモリ)
5−変倍ユニット
6−メモリ
46−LSU
300−CCDボード
Claims (1)
- 画像データを変倍する機能を備えた画像形成装置において、
1ライン分の画像データを記憶するラインメモリと、
画像データを感光体に書き込む複数の画像データ書込み手段と、
前記ラインメモリと前記複数の画像形成手段とを接続する複数の出力ラインと、
前記複数の出力ラインを個別にオン・オフする複数の開閉手段と、
変倍率に応じて前記開閉手段をオンさせる数を増減する変倍処理手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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