JP3733446B2 - デジタル複写機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、読み取った原稿画像情報を電気信号に変換し、デジタル処理してレーザにより感光体上に光書き込みを行って画像を形成するデジタル複写機に関し、特に変倍制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機は、コンタクトガラス上に下向きに載置された原稿を光源により照射し、その反射光をイメージセンサ上にレンズにより結像して光電変換し、さらにA/D変換器でデジタル信号に変えて各種の画像処理を施す。
また、画像処理後の画像情報信号によりレーザを変調し、この変調されたレーザにより感光体上に画像情報の光書き込みを行って静電潜像を形成し、トナーで現像することで顕画像を得、この可視画像を給紙部から給紙されてきた用紙に転写することで、最終的に用紙上に画像を形成するようになっている。
【0003】
デジタル複写機は一般にメモリ機能を有しており、一度読み取った画像データをメモリに蓄積し、必要に応じてメモリから読み出して電子ソートを行うために、回転処理機能を利用して原稿の画像を90度または270度回転させるものが知られている。
例えば、特開平9−130582号公報には、原稿の走査速度などが微調整されている状態において、メモリ機能を活用して原稿の画像を90度または270度回転させて出力しても、出力画像において縦方向と横方向とで倍率に違いが生じないようにする技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来よりデジタル複写機には、読み取った画像データを一度フレームメモリに蓄積して、再び原稿の走査を行うことなく蓄積した画像を複数部出力する機能を持つものがある。
このとき、変倍率を少しずつ変えた画像を複数枚出力したいという要求も大きい。例えば、A0などの大型の原稿を扱う複写機の場合、原稿の損傷を避けるため読み取りは一度にしたいが、所望の大きさの出力を得たいという要求があった。
【0005】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、原稿の読み取りは一度しか行わずに、読み取った画像に対して変倍率を少しずつ変えて出力画像の大きさの微調整ができるデジタル複写機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、原稿からの反射光をラインイメージセンサで読み取って電気信号に変換し、さらにA/D変換して画像データを得た後、この画像データに画像処理部で各種の画像処理を施し、画像データに基づいたレーザ変調信号を出力し、変調された走査レーザ光により感光体に光書き込みを行って画像を形成するデジタル複写機において、前記画像処理部は、前記A/D変換して得た画像データを電気変倍処理する第1の変倍処理部と、第1の変倍処理部で変倍処理したデータを格納するフレームメモリを備えたメモリ部と、該フレームメモリから読み出されたデータを電気変倍処理して必要に応じては再度の電気変倍処理が可能な第2の変倍処理部と、を備え、前記フレームメモリ後段の第2の変倍処理部に用いるFIFOメモリは、前記フレームメモリ前段の第1の変倍処理部のFIFOメモリよりも小さいことを特徴とする。
【0007】
また上記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、請求項1記載において、前記フレームメモリの前段に画質処理部を備え、第1の変倍処理部で変倍処理し、かつ、画質処理部で画質処理したデータをフレームメモリに格納すると共に、フレームメモリから読み出されたデータを第2の変倍処理部で変倍処理することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1はデジタル複写機の全体構成図である。
【0011】
まず、画像読み取り部1の説明を行う。
装置上面には原稿を載置するコンタクトガラス2が設けられ、その下部を水平移動(副走査方向の移動)可能に光源4が走行体5として配置されている。光源4の間の下部には、原稿からの光を水平方向へ反射させるミラー3が光源4と一体的に構成されている。ミラー3からの光を順次90度ごとに反射させるためにミラー6及びミラー7からなる走行体が、光源4の移動に応じて走行可能なように設けられている。
【0012】
ミラー3からの光を下方向へ反射させるためにミラー6が設けられ、このミラー6からの光をミラー6からの光と逆方向へ反射させるミラー7がミラー6の下部に設けられている。ミラー7の射光路中にはレンズ8が配設され、その合焦点位置にラインイメージセンサ(CCD)9が配設されている。
【0013】
次にプリンタ部11の説明を行う。
プリンタ部11は、感光体ドラム12を中心とした作像系と給紙搬送系からなる。
作像系は、感光体ドラム12と、その周囲の帯電器13、レーザアレイ14、現像器15、転写器16、分離器17、クリーニング器18、除電ランプ19を備えている。
給紙搬送系は、3段の給紙カセット21,22,23、手差しトレイ24、レジストローラ25、搬送ベルト26、定着器27、分岐爪28、両面搬送路(反転搬送路)29を備えている。
【0014】
このような構成において、レーザアレイ14から画像情報に応じて変調されたレーザが出力され、感光体ドラム12に書き込みが行われる。こうして形成された静電潜像は現像器15によってトナー像となる。一方、任意のカセット21〜23、あるいは手差しトレイ24から送られた用紙は、レジストローラ25で待機しており、トナー像先端と同期して転写部に向けて送り出される。
【0015】
転写部でトナー像が転写された用紙は、搬送ベルト26により定着部27に送られ、ここで定着が行われる。その後、用紙は、機外に排出されるか、あるいは両面搬送路29に搬送される。用紙が分離された感光体ドラム12の表面は、クリーニング器18でクリーニングされ、さらに除電ランプ19で除電された後、再び帯電器13と対面し、一様に帯電される。
【0016】
図2はデジタル複写機の電装系を示すブロック図である。電装系は、スキャナ制御部31、ビデオ処理部32、画像処理部33、システム制御部34、フレームメモリを備えたメモリ部35、プリンタ制御部36、LED書き込みヘッド37からなる。
【0017】
画像信号系の説明を行う。CCD9で読み取られた画像信号は、ビデオ処理部32で適正なゲインを与えられ、A/D変換され、ck(1)に同期した、8ビットのデジタルデータDATA(7:0)として出力される。ビデオ処理部32に対しては、CCD9の読み出しタイミングを決めるCCDSTNと20MHzのクロックであるck(1)が画像処理部33より送られている。
【0018】
図3は画像処理部のブロック図である。
画像処理部33は、シェーディング補正部41、フィルタ処理部42、変倍処理部43、メモリI/F44、γ変換部45、画質処理部(量子化部)46を備えている。
画像処理部33では、黒オフセット補正、シェーディング補正、MTF補正、主走査方向の電気変倍が行われた後にγ補正及びディザや誤差拡散などの画質処理が行われる。
【0019】
各ブロックの機能について説明を行う。
黒オフセット補正とは、CCD9の暗電流の黒レベルを画像データから減算する補正である。シェーディング補正は、主走査方向の光源の光量むらやCCD9の各画素間の感度差によるむらを除くため、原稿走査開始前に濃度の均一な白板を読み取り、そのデータを各画素ごとに記憶し、原稿読み取り中の画像データを、記憶した各画素ごとの白板のデータで除算することで、補正を行うものである。
【0020】
MTF補正とは、光学的な周波数特性の劣化などを2次元の空間フィルタで補正するものである。変倍回路では、3次元コンボリューション法による補間演算を用いて主走査方向変倍処理が行われる。画質処理部46では、γ変換をされた後、モードに応じて文字処理、誤差拡散処理、ディザ処理などが行われる。
【0021】
一連の処理が終わった画像データSDT(3:0)は、プリンタ制御部36に対して送られる。そして、書き込みクロックに合わせた速度変換を行った後にLED書き込みヘッド37に送られる。LED書き込みヘッド37では、この4ビット16階調の画像データに応じて、半導体レーザに与える電流のパルス幅や電流の量をコントロールしている。変倍処理後のデータは、パス制御部を通り、メモリ部35に送られて、画像データの圧縮、伸張、蓄積、対抗機への転送が行われる。
【0022】
読み取った原稿を一旦メモリに蓄えるモードで画像読み取りを行う場合について図2を用いて説明する。
コンタクトガラス2上に画像面を下にして原稿をセットし、スタートボタンを押す。これにより、CPUから画像処理部33に対してスキャン開始信号が出され、副走査方向の画像有効範囲を示すFGATENがACTIVEとなる。走行体5が図1の左方向に移動を開始し、原稿に対する副走査が行われる。光源4で照明された原稿からの反射光(読み取り光)は、ミラー3→ミラー6→ミラー7→レンズ8を順次経由してCCD9へ到達する。
【0023】
CCD9は入射光を電気信号に変換する。この信号は、ビデオ処理部32でA/D変換され、画像処理部33へ送出される。画像処理部33に送られたデータは、黒オフセット補正、シェーディング補正、MTF補正、主走査方向の電気変倍が行われた後に、メモリI/F44を通じてメモリ部35に蓄えられる。
【0024】
蓄えられた画像データは、システム制御部34の指示により、ゲート信号と共にメモリ部35より読み出される。このときの主走査同期信号や主走査ゲート信号、副走査ゲート信号は、システム制御部34より与えられた値に従ってメモリ部35が発生する。
【0025】
メモリ部35からの出力データに対してγ補正及びディザや誤差拡散などの画質処理が行われて、プリンタ側のビット数に合わせてデータが量子化される。続いてプリンタ制御部36に画像データが送られる。
以上が本発明の基本となるデジタル複写機の構成と動作である。
【0026】
次に本発明を具体的に説明する。
まず第1の実施の形態を説明する。
図4は第1の実施の形態を示す画像処理部のブロック図である。
この画像処理部は、シェーディング補正部51、フィルタ処理部52、第1の変倍処理部53a、第2の変倍処理部53b、メモリI/F54、γ変換部55、画質処理部56を備える。メモリI/F54の前後に第1の変倍処理部53aと第2の変倍処理部53bが設けてある。
【0027】
第1の実施の形態では、シェーディング補正後、フィルタ処理、第1の変倍処理を行った8ビットのデータをメモリI/F54を通してメモリ部35に格納する構成となっている。
【0028】
シェーディング補正、フィルタ処理、第1の変倍処理の構成は、図3に示す一般的なものと同じである。メモリ部35から読み出された8ビットのデータは、再度、第2の変倍処理部53bによる処理が行われる。第2の変倍処理部53bの構成は、第1の変倍処理部53aと同じである。これによって主走査方向の変倍率の微調整を実施する。
【0029】
また、図2で示すように、メモリ部35ではメモリから出力される画像データに合わせて主走査同期信号、主走査ゲート信号、副走査ゲート信号が生成される。これらの信号の周期や有効幅はシステム制御部34から制御される。このシステムでは、画像の書き込みはLEDヘッドによって行われる。そのため、主走査同期信号の間隔を制御することでライン間隔が決まり、これにより副走査方向の変倍率の微調整が可能となる。同期信号の間隔を長くすると拡大に、同期信号の間隔を短くすると縮小となる。
【0030】
このようなシステムのメモリ格納後の変倍の目的は、出力される画像の大きさの微調整を行うことである。そのため、変倍率の範囲は主走査、副走査共にあまり求められないが、精度は0.1%程度を要求される。微調整後の画像データ8ビットは、通常のコピー時と同じくγ変換されて、画質処理部56で画質モードに合わせた方式で量子化されて、最終的には書き込みデバイスの扱える4ビットに変換されて出力される。
【0031】
この実施の形態により、画質処理前のデータをメモリに蓄える構成を持つデジタル複写機において、メモリ蓄積後のデータに対する変倍率の微調整が可能となる。
【0032】
図5は第2の実施の形態を示す画像処理部のブロック図である。
この画像処理部は、シェーディング補正部51、フィルタ処理部52、第1の変倍処理部53a、γ変換部55、画質処理部56、第2の変倍処理部53b、メモリI/F54、量子化部57を備える。メモリI/F54の前後に第1の変倍処理部53aと第2の変倍処理部53bが設けてある。
【0033】
第2の実施の形態では、シェーディング補正後、フィルタ処理、第1の変倍処理、γ変換処理、画質処理を行った後の4ビットのデータをメモリI/F54を通してメモリ部35に格納する構成となっている。メモリ部35から読み出された4ビットのデータは、(m3,m2,m1,m0)を、8ビット幅を使う変倍回路に通すため、(m3,m2,m1,m0,m3,m2,m1,m0)のように8ビットに拡張する。この後第2の変倍処理部53bによる処理が行われる。これによって主走査方向の電気変倍を実施する。
【0034】
また、図2で示すように、メモリ部35ではフレームメモリから出力される画像データに合わせて主走査同期信号、主走査ゲート信号、副走査ゲート信号が生成される。これらの信号の周期や有効幅はシステム制御部34から制御される。このシステムでは、画像の書き込みはLEDヘッドによって行われる。そのため、主走査同期信号の間隔を制御することでライン間隔が決まり、これにより副走査方向の変倍率の微調整が可能となる。同期信号の間隔を長くすると拡大に、同期信号の間隔を短くすると縮小となる。
【0035】
このようなシステムのメモリ格納後の変倍の目的は、出力される画像の大きさの微調整を行うことである。そのため、変倍率の範囲は主走査、副走査共にあまり求められないが、精度は0.1%程度を要求される。微調整後の画像データは、第2の変倍処理部53bの補間演算により8ビットデータになるため、この上位4ビットを取り、再び4ビットに量子化して出力する。
【0036】
この実施の形態により、画質処理後のデータをメモリに蓄える構成を持つデジタル複写機において、メモリ蓄積後のデータに対する変倍率の微調整が可能となる。
【0037】
図6は第3の実施の形態を示す画像処理部のブロック図である。
第3の実施の形態は、単一の変倍処理部53をセレクタによってメモリ前段側及びメモリ後段側に切り替えて使用するようにしたものである。
フィルタ処理後のデータ8ビットに対してセレクタ(3)を切り替えて変倍処理を行う。変倍処理後のデータはセレクタ(2)によりγ変換を行うパスに戻される。γ変換後の画質処理を行った後の4ビットのデータをメモリI/F54を通してメモリ部35に格納する構成となっている。この状態で全ての原稿を走査してメモリ部35に取り込む。
【0038】
次に、メモリ部35から取り込んだデータの読み出しが行われる。このときにはスキャナによる読み取りは既に終了している。メモリ部35から読み出された4ビットのデータは、(m3,m2,m1,m0)を、(m3,m2,m1,m0,m3,m2,m1,m0)のように8ビットに拡張する。
この後、セレクタ(3)を切り替えてメモリ部35からの読み出しデータに対する変倍処理が行われる。これによって主走査方向の電気変倍を実施する。
【0039】
また、図2で示すように、メモリ部35ではメモリから出力される画像データに合わせて主走査同期信号、主走査ゲート信号、副走査ゲート信号が生成される。これらの信号の周期や有効幅はシステム制御部34から制御される。このシステムでは、画像の書き込みはLEDヘッドによって行われる。そのため、主走査同期信号の間隔を制御することでライン間隔が決まり、これにより副走査方向の変倍率の微調整が可能となる。同期信号の間隔を長くすると拡大に、同期信号の間隔を短くすると縮小となる。
【0040】
このようなシステムのメモリ格納後の変倍の目的は、出力される画像の大きさの微調整を行うことである。そのため、変倍率の範囲は主走査、副走査共にあまり求められないが、精度は0.1%程度を要求される。微調整後の画像データ8ビットは、再び4ビットに量子化されてセレクタ(4)を通りプリンタ側へ出力される。
【0041】
この実施の形態により、画質処理後のデータをメモリに蓄える構成を持つデジタル複写機において、メモリ蓄積後のデータに対する変倍率の微調整が可能となる。仕様上、メモリへの読み込み前の変倍回路とメモリから読み出した後の変倍回路が同時使用されない場合、変倍回路を共通利用することでハードウエアの増大を抑えることができる。
【0042】
次に、第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態のブロック構成は基本的には図4に示す第1の実施の形態と同じである。
【0043】
第4の実施の形態では、シェーディング補正後、フィルタ処理、第1の変倍処理を行った8ビットのデータをメモリI/F54を通してメモリ部35に格納する構成となっている。
【0044】
メモリ部35から読み出された8ビットのデータは、再度、第2の変倍処理部53bによる処理が行われる。第2の変倍処理部53bの構成は、第1の変倍処理部53aと同じである。
これによって主走査方向の変倍率の微調整を実施する。副走査方向の変倍率の微調整は主走査同期信号の間隔を制御することで行う。
このようなシステムのメモリ格納後の変倍の目的は、出力される画像の大きさの微調整を行うことである。そのため、変倍率の範囲は主走査、副走査共にあまり求められないが、精度は0.1%程度を要求される。
【0045】
図7はメモリ前段の変倍処理部のブロック図、図8はメモリ後段の変倍処理部のブロック図である。
図7に示す第1の変倍処理部53a、図8に示す第2の変倍処理部53bは何れも補間演算部61と、速度変換制御部62と、FIFOメモリ(FIFO)63とを備える。
【0046】
メモリ前変倍ブロックである第1の変倍処理部53aのFIFO63の長さは主走査方向の長さが用意されている。拡大処理の場合は、一度FIFO63に1ライン分の画像データが蓄積される。蓄積された画像データは速度変換制御部62で変倍率に応じたイネーブル制御が行われ、ゆっくりとしたレートで読み出される。読み出されたデータに合わせて補間演算部61で内挿するデータの演算が行われる。補間演算部61のアルゴリズムは既知のものであるので説明は省略する。
【0047】
縮小処理の場合は、先に補間演算部61にデータが通されて縮小された仮想サンプリング点が生成される。このデータが速度変換制御部62の制御でFIFO63に書き込まれる。書き込まれたデータはFIFO63から通常の速度で読み出される。FIFO63への書き込みと読み出しは2本のFIFO63をトグルに用いることで行っている。これは回路が簡単になるためと画像のシフト動作を行う必要があるためである。
【0048】
ここで、第2の変倍処理部53bに求められる変倍率の範囲が95%〜105%で、かつシフト動作が無いものとして内部の動作を考えてみる。シフト動作無しなので、図8に示すFIFO63は1本の構成を考える。
【0049】
図9は拡大時のFIFOの動作を説明する図であり、(a)は通常の長さのFIFOでの動作、(b)は長さを制限したFIFOでの動作を示す。また、図10は縮小時のFIFOの動作を説明する図であり、(a)は通常の長さのFIFOでの動作、(b)は長さを制限したFIFOでの動作を示す。
まず拡大時でFIFO63の長さが通常(この実施形態では5000画素)の場合を図9の(a)で考える。書き込みの速度に対して読み出し時の速度が遅いため、1ライン分の書き込みが終了した段階で読み出しのアドレスは途中までしか進んでいない。そして、次のラインの書き込みが始まると再び先頭から読み出しが始まる。105%の場合、書き込みが終了したときの読み出しのアドレスとの差は5000画素の5%で与えられ、250画素となる。
【0050】
ここでFIFO63の長さを制限する。これを表したのが図9の(b)である。当然1ラインのデータ数よりFIFO63が短ければライトアドレスは先頭に戻ってデータは上書きされる。但し、上書きされる前に読み出しが終了していればよい。上記より書き込みと読み出しのアドレスの最大差は250である。そのため、FIFO63の長さは最小250あれば問題は発生しない。
【0051】
次は縮小時でFIFO63の長さが通常の場合を図10の(a)に示す。読み出し時の速度に対して書き込みの速度が遅いため、書き込みがある程度進んでから読み出しを始めないと書き込みに読み出しが追いついてしまう。95%の場合250画素分離していないとデータの上書きが発生する。
ここでFIFO63の長さを制限する。これを表したのが図10の(b)である。書き込みと読み出しのタイミングを250画素離して、かつ長さを250画素としたものである。
このように、実現すべき変倍率の範囲が狭ければFIFO63の長さを短くすることができる。そのため必要なFIFO63の量を最小限に抑えることができる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、画質処理(量子化)前のデータをフレームメモリに蓄える形式のデジタル複写機の場合、メモリ蓄積後の主走査電気変倍とメモリ部の主走査同期信号の周期の変更でメモリ蓄積後のデータ出力に対する変倍率の微調整が可能となる。このため、1度メモリに蓄積した画像出力に対する画像サイズの微調整を行う場合、再び原稿の走査を行う必要がない。また、メモリ蓄積後に行う変倍処理の変倍回路のFIFOメモリを前段のFIFOメモリより小さくしているので、回路規模が小さくなる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、画質処理(量子化)後のデータをフレームメモリに蓄える形式のデジタル複写機の場合、メモリ蓄積後の主走査電気変倍とメモリ部の主走査同期信号の周期の変更でメモリ蓄積後のデータに対する変倍率の微調整が可能となる。このため、1度メモリに蓄積した画像出力に対する画像サイズの微調整を行う場合、再び原稿の走査を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル複写機の全体構成図である。
【図2】デジタル複写機の電装系を示すブロック図である。
【図3】画像処理部のブロック図である。
【図4】第1の実施の形態を示す画像処理部のブロック図である。
【図5】第2の実施の形態を示す画像処理部のブロック図である。
【図6】第3の実施の形態を示す画像処理部のブロック図である。
【図7】メモリ前段の変倍処理部のブロック図である。
【図8】メモリ後段の変倍処理部のブロック図である。
【図9】拡大時のFIFOの動作を示す図である。
【図10】縮小時のFIFOの動作を示す図である。
【符号の説明】
31 スキャナ制御部
32 ビデオ処理部
33 画像処理部
34 システム制御部
35 メモリ部
36 プリンタ制御部
37 LED書き込みヘッド
51 シェーディング補正部
52 フィルタ処理部
53a 第1の変倍処理部
53b 第2の変倍処理部
54 メモリI/F
55 γ変換部
56 画質処理部
Claims (2)
- 原稿からの反射光をラインイメージセンサで読み取って電気信号に変換し、さらにA/D変換して画像データを得た後、この画像データに画像処理部で各種の画像処理を施し、画像データに基づいたレーザ変調信号を出力し、変調された走査レーザ光により感光体に光書き込みを行って画像を形成するデジタル複写機において、
前記画像処理部は、前記A/D変換して得た画像データを電気変倍処理する第1の変倍処理部と、
第1の変倍処理部で変倍処理したデータを格納するフレームメモリを備えたメモリ部と、
該フレームメモリから読み出されたデータを電気変倍処理して必要に応じては再度の電気変倍処理が可能な第2の変倍処理部と、
を備え、
前記フレームメモリ後段の第2の変倍処理部に用いるFIFOメモリは、前記フレームメモリ前段の第1の変倍処理部のFIFOメモリよりも小さいことを特徴とするデジタル複写機。 - 請求項1記載において、前記フレームメモリの前段に画質処理部を備え、
第1の変倍処理部で変倍処理し、かつ、画質処理部で画質処理したデータをフレームメモリに格納すると共に、フレームメモリから読み出されたデータを第2の変倍処理部で変倍処理することを特徴とするデジタル複写機。
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