JP3739258B2 - プラスチック製コンクリート型枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル建築や土木建設におけるコンクリート打設用の型枠に関し、より詳しくは、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート芯層と延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シート両表層とからなるサンドイッチ状の複合シートで構成されたプラスチック製コンクリート型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビル建築や土木建設に使用されているコンクリート打設用型枠は、木製の厚板やベニヤ板製の厚板を型枠に構成したものである。
【0003】
木製のコンクリート型枠は、打設時に吸水による膨張、乾燥による収縮が起こるため、劣化が激しく、繰り返しの使用回数が6〜8回、実質的には3〜5回に制限されている。一般的に、寸法安定性やコスト面で枠型の材料には熱帯雨林材が優れているが、熱帯雨林の伐採は環境破壊の問題を招く恐れがある。また、木製型枠の再使用の際には、打設面に付着したコンクリート片を除去する作業と、打設面に離型剤として油などを塗布する作業が必要である。
【0004】
上記諸問題を克服するものとして、プラスチック製のコンクリート型枠が推奨されている。これは、繰り返しの使用回数が20〜40回もしくはそれ以上になる可能性があり、コンクリート固化後の型枠の離型性がよくて付着コンクリート片の除去作業時間が短縮でき、熱可塑性樹脂製のものであればリサイクル利用も可能であるという利点を有する。
【0005】
しかし、プラスチック製型枠は、材料費が高く付く上に、一般に加工性に難があるため人件費が高く、また木製のコンクリート型枠との互換性が低く、併用が困難であるという問題を有する。加えて、プラスチック製型枠は、剛性を確保するように樹脂シートの肉厚
を大きくしたり、無機繊維や無機フィラーを充填することが多く、そのため重くなりがちである。
【0006】
プラスチック製型枠のうち、ポリプロピレン系樹脂製のものは、離型性、耐薬品性、賦形性、さらには焼却廃棄の観点から優れている。例えば特開平10−159332号公報には、倍率10〜20倍のポリプロピレン発泡体シートを芯材とし、そのコンクリート打設面にポリオレフィン系樹脂のフィルムを貼付し、反対面には必要に応じて補強リブを設けた発泡プラスチック製型枠が記載されている。この型枠は、木製のコンクリート型枠と同様にコンクリート塊から弾性的に離型することができ、しかも保温性に優れ養生時間の短縮が可能なものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記発泡プラスチック製型枠では、リブ無しのものは剛性不足のため使用できず、またリブ付きの型枠はリブが型枠面内で剛性分布となって、コンクリート塊にリブ形状が転写される。さらには同プラスチック製型枠はコンクリート打設作業において木製型枠との併用が困難である。
【0008】
本発明の目的は、以上の問題を解決し、離型性、軽量性、保温性に優れ、しかもリサイクル性や焼却廃棄性に優れて環境にやさしいコンクリート型枠を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるプラスチック製コンクリート型枠は、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートからなる芯層に、これをサンドイッチする延伸倍率5〜40倍で、線膨張係数が5×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であるポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートからなる両表層が積層されてなる複合シートで構成され、密度が0.05〜0.5g/ccであり、芯層に内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜5.0であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明におけるポリオレフィン系樹脂の主体をなすポリオレフィンは、オレフィン性モノマーの単独重合体、または主成分オレフィン性モノマーと他のモノマーとの共重合体であり、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などが例示され、またこれらの2以上の組合わせであってもよい。
【0011】
本発明におけるポリオレフィン系樹脂の主体をなすポリオレフィンとしては、上述したポリエチレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上の組みあわせが好ましい。
【0012】
本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは上記ポリオレフィンの割合が70〜100重量%である樹脂組成物を指す。ポリオレフィン系樹脂を構成するポリオレフィン以外の樹脂は限定されないが、例えば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂中のポリオレフィンの割合が70重量%を下回ると、ポリオレフィンの特徴である軽量性、耐薬品性、柔軟性、弾性等が発揮できないばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる場合があるので好ましくない。
【0013】
本発明によるコンクリート型枠において、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの密度が0.5を越えると、型枠の重量が重くなりすぎる上に、コストが高くつき型枠が実用的で無くなり、また密度が0.05を下回ると、曲げ弾性が不足する。特に好ましい密度は0.06〜0.15g/ccである。
【0014】
本明細書において用いられる用語「芯層」とは、発泡体シートの厚み方向の中心部を含み、両表層を含まない層を意味する。例えば、図2に示すサンドイッチ構造の複合シート(1) において、芯層(2) は、表裏一対の延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートからなる表層(3) (3) によってサンドイッチされている層である。
【0015】
本発明では、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートからなる芯層に内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値は1.1〜5.0、好ましくは1.2〜2.5である。
【0016】
本明細書において用いられる用語「アスペクト比」は、熱可塑性樹脂発泡シート中の気泡における定方向最大径の比の個数(算術)平均値であり、シート厚み方向の直径Dzと面内方向の直径Dxyとの比Dz/Dxyとして表される。
【0017】
すなわち、図1に示すように、発泡体シート(a) のシート厚み方向(z方向と呼ぶ)に平行な任意な断面(b) の10倍の拡大写真(c) をとり、この写真(c) 中で無作為に選ばれる少なくとも50個の気泡における下記の2つの定方向最大径(Dz,Dxy)を測り、個数平均値を算出する。
【0018】
Dz:発泡体シート中の気泡のz方向に平行な最大径
Dxy:発泡体シート中の気泡のシート幅または長さ方向、すなわちz方向に垂直な面方向(xy方向と呼ぶ)に平行な最大径
【0019】
上記芯層に内在する気泡のDxyの平均値は、500μm以上であるのが好ましい。これにより、発泡体シートはその厚み方向に圧縮力を受けると、厚み方向に長い紡錘形のセルにその長軸方向に力がかかることになるので、発泡体シートは厚み方向に高い圧縮強度を示す。
【0020】
アスペクト比の平均値が1.1を下回ると、気泡がほぼ球形となり、紡錘形に起因する圧縮弾性率、圧縮強度の向上が得られず、コンクリート打設時に受ける圧力に耐えられず変形する可能性があるほか、芯層と両表層との三層サンドイッチ構造体からなる型枠が曲げ剛性に不足する。アスペクト比の平均値が5.0を越えると、型枠が衝撃を受けたときに破壊が起こり易く、耐久性が不足する。
【0021】
芯層を構成する発泡体には、化学発泡によって得られるものと、物理発泡によって得られるものがあるが、図2に示すように、発泡体シートに延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを熱融着されるには、前者の方法が好ましい。
【0022】
化学発泡による発泡体は、加熱により分解ガスを発生する熱分解型化学発泡剤を予めポリオレフィン系樹脂組成物に分散させておき、得られた発泡性組成物を一旦シート状の原反に賦形した後、加熱して発泡剤より発生するガスにより発泡させることで製造されうる。熱分解型化学発泡剤の代表例としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。化学発泡剤の添加量は樹脂組成物100重量部に対して好ましくは2〜20重量部である。
【0023】
ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを構成するポリオレフィン系樹脂は、ゲル分率5〜35重量%を有するものが好ましい。その理由は、発泡体シートと延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを熱により融着する際に、発泡体が軟化あるいは溶融して大きく変形することを避けることができるからである。ゲル分率が35重量%を上回ると、再溶融時の流動性が低下し、リサイクル
性に悪影響を及ぼす可能性が高い。
【0024】
ゲル分率は、ポリオレフィン系樹脂発泡シートのサンプルを120℃熱キシレン中で24時間で溶解させ、そのうち分離乾燥させた不溶分(ゲル)の重量分率で示される。
【0025】
つぎに、芯層を構成する発泡体シートの製造法について、説明をする。
【0026】
発泡体シートを得る製造方法は特に限定されないが、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂および変性用モノマーを溶融混和して変性ポリオレフィンを得、変性ポリオレフィンに熱分解型化学発泡剤を分散させ、得られた発泡性樹脂組成物を一旦シート状の原反に賦形した後、得られた発泡性シートを熱分解型化学発泡剤の分解温度以上に加熱して化学発泡させる方法である。
【0027】
本発明方法で用いる変性用モノマーは、ラジカル反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物である。上記官能基としてはオキシム基、マレイミド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が例示される。変性用モノマーは、好ましくは、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマーである。また、変性用モノマーはキノン化合物のような、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物であってもよい。
【0028】
上記のような樹脂変性方法をとることで、成形された発泡性シート原反架橋度が低いにも拘らず、これを常圧で発泡させることが可能となる。
【0029】
シート状発泡性原反の賦形方法としては、押出成型の他、プレス成型、ブロー成型、カレンダリング成型、射出成型など、プラスチックの成型加工で一般的に行われる方法が適用可能であるが、スクリュ押出機より吐出する発泡性樹脂組成物を直後賦形する方法が生産性の観点から好ましい。この方法では、一定寸法幅の連続原反シートを得ることができる。
【0030】
シート状原反の化学発泡は、通常、熱分解型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解温度以下の温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡機の他、ベルト式発泡機、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽など、あるいは熱浴中で発泡を行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが使用される。
【0031】
上述の紡錘形気泡からなる発泡体、すなわち、気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜5.0である発泡体を得るには、発泡中に原反の面内方向の発泡を抑制して厚み方向にのみ発泡させるとともに、その後冷却するまでに発泡シートをその厚み方向に僅かに圧縮する。その結果、発泡体の気泡はその長軸を厚み方向に配向した紡錘形となる。
【0032】
発泡中に原反の面内方向の発泡を抑制するには、発泡前に原反の両面に、例えば熱可塑性樹脂からなる不織布のような熱可塑性樹脂シートを積層しておく。熱可塑性樹脂シートをポリオレフィン系樹脂発泡体と熱融着させることも可能である。
【0033】
本発明によるコンクリート型枠を構成する複合シートの代表的な例は、図2に示すように、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを芯層(2) とし、その両面に延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートが表層(3) (3) として積層され熱融着により接合されてなる複合シート(1) である。
【0034】
延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートの厚みを含めた寸法、表面形態、成形方法等はいずれも限定されない。発泡体シートからなる芯層と延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートからなる両表層との接合は、やはりリサイクルの観点より熱融着により達成されることが好ましい。
【0035】
本発明によるコンクリート型枠において、表層は延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂からなる一軸延伸シートである。
【0036】
つぎに、延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートについて説明をする。
【0037】
延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートの線膨張係数は、5×10-5(1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であり、好ましくは3×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であり、さらに好ましくは2×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上である。ここで線膨張係数とは、物質の寸法が温度によって膨張していく割合を示す尺度である。線膨張係数の測定方法としては、TMA(機械分析)により、昇温中の物質の寸法を精密に測定する方法があるが、本発明においては、後述の実施例で示すように、5℃および80℃における寸法の差から簡易的に計算したものを線膨張係数とする。
【0038】
一般にポリオレフィン系樹脂シートの線膨張係数は5×10-5(1/℃)よりも大きいので、これに延伸または圧延等の処理を施して、延伸倍率が5〜40倍であり、線膨張係数を5×10-5(1/℃)以下にしたポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートが用いられる。このような処理を施したポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートでは、延伸倍率を大きくするほど線膨張係数が低下する。
【0039】
本発明の複合シートの発泡体シート自体は、おおよそ5×10-5〜15×10-5(1/℃)の線膨張係数を示すが、発泡体シートの両面に上記表層を積層することにより、熱伸縮が抑えられ、結果として線膨張係数が小さいコンクリート型枠が得られる。
【0040】
線膨張係数が重要なのはつぎの理由による。一般に、ビル建築、土木建設用などの型枠内にコンクリートを打設すると、セメントの水和反応に伴って水和熱が発生し、型枠は60℃以上にも達する。そのためプラスチック製型枠はその熱で軟化するだけでなく、熱膨張を起こしタワミを生じる。延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートは、延伸方向の引張強度や引張弾性率が大きい。そのため圧縮剛性の高い上記発泡体シートを芯材としてこれを上記一軸延伸シートで挟んでなる三層積層体では、サンドイッチ構造が成立するため曲げ剛性や曲げ強度が飛躍的に向上する。
【0041】
延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを構成するポリオレフィン系樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等を用いることができる。延伸後の弾性率を考慮すると、理論弾性率の高いポリエチレンを用いることが好ましく、結晶性の高い高密度ポリエチレンが特に好ましい。
【0042】
上記一軸延伸シート用のポリオレフィンの分子量も特に限定されないが、好ましくは、重量平均分子量が50万以下のポリオレフィンが用いられる。重量平均分子量が50万を超えると、延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを得るに際し、延伸原反シートの成形が困難となり、また、延伸性も悪くなり、高倍率延伸が不可能となることがある。なお、ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量の下限も特に限定されるものではないが、10万より小さくなると、樹脂自体が脆くなるため、延伸性が損なわれることがある。したがって、重量平均分子量が10万〜50万の範囲にあるポリオレフィン、特に高密度ポリエチレンが好ましい。
【0043】
上記重量平均分子量の測定方法としては、加温したo−ジクロルベンゼンなどの溶剤に試料を溶かした後、溶液をカラムに注入し、溶出時間を測定する。いわゆるゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(高温GPC法)により測定する方法が一般的であり、本明細書においても、この方法により測定された重量平均分子量を記載することとする。
【0044】
また、上記重量平均分子量の範囲を、メルトインデックス(以下、MIと略記する)から考慮すると、MIが約0.1〜20の範囲にあるものが好ましい。MIがこの範囲外では、高倍率延伸が困難となることがある。なお、MIとは、JISK 6760に限定されている熱可塑性樹脂の溶融粘度を表す指標をいう。
【0045】
つぎに、延伸倍率5〜40倍で、線膨張係数が5×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であるポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートの製造方法について説明をする。
【0046】
線膨張係数が5×10-5(1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であり、延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを製造する方法は特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂シートに一軸延伸や圧延等の処理を施せばよい。
【0047】
上記延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを得るに際し、ポリオレフィンに、必要に応じて架橋助剤や光ラジカル重合開始剤等を添加しておいてもよい。架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジアリルフタレートなどの多官能モノマーを例示することができ、光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン、チオキサントン、アセトフェノン等を例示することができる。これらの架橋助剤や光ラジカル重合開始剤の添加量は特に限定されるものではないが、架橋を速やかに進行させるには、通常、延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、1.0〜2.0重量部の範囲とすることが好ましい。
【0048】
延伸前のポリオレフィン系樹脂シートを得る方法も特に限定されるものではなく、上述したポリオレフィン系樹脂を押出機等で可塑化させた後、シートダイを通してシート状に押し出し、冷却する方法を採用することができる。延伸前のポリオレフィン系樹脂シートの厚みは、0.5〜4mmの範囲とすることが好ましい。0.5mm未満では、延伸後のシート厚みが薄くなりすぎ、取扱いに際して強度が十分でないことがあり、4mmを超えると延伸が困難となることがある。
【0049】
また、上記のようにして得た延伸前のポリオレフィン系樹脂シートを一軸延伸し、延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを得るに際して、延伸倍率は、上記の線膨張係数を満たすよう設定する。具体的にはこの延伸倍率は、5〜40倍、好ましくは20〜40倍の範囲とされる。5倍未満の延伸では、ポリオレフィン系樹脂の種類の如何に関わらず、線膨張係数が低下せず、また機械的強度(引張特性)を高める効果も小さいことがある。延伸倍率が40倍を超えると、延伸操作の制御が困難となることがある。
【0050】
延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを得るための延伸温度は、特に限定されるものではないが、85〜120℃の範囲とすることが好ましい。延伸温度が85℃未満では、延伸シートが白化し易くなり高倍率延伸が困難となることがあり、120℃を超えると、シートが切れ易くなり、やはり高倍率延伸が困難となることがある。
【0051】
延伸方法も特に限定されるものではないが、通常の一軸延伸方法、特にロール延伸法が用いられる。ロール延伸法とは、速度の異なる2対のロール間に延伸すべき原反を挟み、これを加熱しつつ引っ張る方法であり、一軸延伸方向のみに強く分子配向させることができる。この場合、2対のロールの速度比が延伸倍率となる。
【0052】
比較的厚いシートの場合には、ロール延伸法のみでは円滑な延伸が困難となることがあり、そのような場合には、ロール延伸に先立ちロール圧延処理を行ってもよい。ロール圧延処理は、一対の反対方向に回転する圧延ロール間に、該圧延ロール間の間隔よりも厚い延伸原反を挿入し、原反の厚みを減少させると同時に長さ方向に伸長させることにより行われる。ロール圧延処理が施されたシートは、予め配向処理されているので、次のロール延伸により、一軸方向に円滑に延伸される。
【0053】
上記延伸工程において所定の延伸温度を実現するには、シートの予熱温度、ロール温度および/または雰囲気温度を調節すればよい。
【0054】
上記延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートは、耐熱性を高めるために、あるいは、最終的なポリオレフィン成形体の耐熱性や耐クリープ性を高めるために、架橋処理されてもよい。架橋は、電子線照射あるいは紫外線照射によって行い得る。
【0055】
電子線照射量は、使用するポリオレフィン一軸延伸シートの組成および厚みによっても異なるが、通常、1〜20Mrad、好ましくは3〜10Mradとされる。また、電子線照射により架橋する場合、架橋助剤をポリオレフィン一軸延伸シートに加えておけば、架橋が円滑に進行する。
【0056】
紫外線照射量は、通常、50〜800mW/cm2 、好ましくは100〜500mW/cm2 とされる。紫外線照射により架橋をする場合には、光重合開始剤や架橋助剤を加えておけば、架橋を容易に行うことができる。
【0057】
架橋の程度は、後述する測定法によるゲル分率が50〜90%程度であるのが好ましい。
【0058】
上記延伸倍率5〜40倍で、線膨張係数が5×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であるポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートをポリオレフィン系樹脂発泡体シートに積層する方法は特に限定されず、接着剤による接着、加熱による熱融着等が挙げられるが、熱融着が好適に用いられる。
【0059】
延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートをポリオレフィン系樹脂発泡体シート熱融着させる際、表面処理を施したりプライマー等を用いても構わない。両者の間に、延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートが熱変形する温度以下の融点を持つポリオレフィン系樹脂フィルム等を介在させる方法が好適に用いられる。
【0060】
また、延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートの積層方向は特に限定されないが、延伸された方向の機械的物性が特に向上するので、使用する用途に応じ、同シートを一方向あるいは二方向(直交またはそれ以外の角度)等に積層するのが好ましい。さらに積層するシートの枚数、厚みも目的の機械的物性等に応じて適宜決定される。
【0061】
熱融着に際しての加熱および加圧条件は、使用する延伸倍率5〜40倍のポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートによって異なるため、一義的には定め得ないが、通常、0.1〜5kg/cm2 の範囲の圧力、およびポリオレフィン系樹脂の融点以下の温度が好ましい。圧力が上記範囲外であると、成形中に積層体の形状が乱れる恐れがあり、また接着に際しての加熱温度がポリオレフィンの融点を超えると、成形中に収縮等により積層体の形状が乱れる可能性があり、かつ線膨張係数にも悪影響を与えることがある。
【0062】
本発明のコンクリート型枠において、図3に示すように、コンクリート型枠を構成する複合シート(5) において、芯材(2)と両表層(3) との間に、発泡中に原反の面内方向の発泡を抑制するための熱可塑性樹脂シート(4) が介在されていてもよい。
【0063】
このような熱可塑性樹脂シートとしては、例えばポリエステル、ナイロン、ビニロン、ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィン等の合成樹脂からなる繊維や天然繊維を用いた織布や不織布や寒冷紗、またガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維からなるシート等を選ぶことができる。
【0064】
熱可塑性樹脂シートと発泡体シートとの熱融着の方法は特に限定されないが、発泡体シートの製造に際して、発泡前あるいは発泡と同時、または冷却固化時に、発泡体シートとこれの両面に配した熱可塑性樹脂シートとのサンドイッチ体に適切な圧力を加えてこれらを圧着積層する方法がエネルギー的に有利である。
【0065】
発泡体シートに熱可塑性樹脂シートを積層することで、発泡体シートの曲げ剛性が自由にコントロールできるほか、延伸倍率5〜40倍で、線膨張係数が5×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であるポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートを接合するに際して、熱融着の場合にはアンカー効果が働き、また接着剤を用いる場合には化学的極性が付与され、いずれも強固な接着を達成することが可能となる。
【0066】
【作用】
本発明によるコンクリート型枠では、その芯層を構成するポリオレフィン系樹脂発泡体シートの気泡形状は、シート厚み方向の圧縮力に対して、紡錘形の気泡の長軸方向に力がかかることになるので、高い圧縮強度を示す。
【0067】
本発明によるコンクリート型枠では、芯層が圧縮強度の高い発泡体シートで、両表層が引っ張り剛性の高い樹脂シートで構成されているので、型枠は軽量でありながら圧縮と曲げ方向の剛性に優れ、実質的にリブ等による補強の不要なものである。
【0068】
芯層を構成する発泡体シートは、ポリオレフィン系樹脂からなり、その気泡は独立気泡であるので、高い断熱性を有し、保温性に優れている。したがって、本発明による型枠は、これを用いるとコンクリートの養生時間が短縮され、しかも耐衝撃性、耐薬品性、耐水性に優れている。
【0069】
本発明による型枠は、その表面の滑らかさが確保されるので、コンクリート固化後の型枠の離型性が改善され、付着コンクリート片の除去作業時間が短縮される。
【0070】
表層が延伸倍率5〜40倍で、線膨張係数が5×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 1/℃)以上であるポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートであるので、さらに機械的物性が向上し、しかも釘の保持力も高くなる。
【0071】
また、本発明による型枠を構成する複合シートは、ポリオレフィン系樹脂を主体としているので、リサイクル性や焼却廃棄性に優れている。
【0072】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例によってより具体的に説明する。
【0073】
実施例1
(1) 変性ポリオレフィン系樹脂の調製
変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜6バレルからなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
【0074】
操作条件は下記の通りである。
【0075】
・シリンダーバレル設定温度:220℃
・スクリュー回転数:150rpm
【0076】
上記構成の変性用スクリュー押出機に、まず、ポリオレフィン系樹脂を後端ホッパーから押出機内に投入し、第3バレルから変性用モノマーと有機過酸化物の混合物を押出機内に注入し、これらを溶融混和して変性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分は真空ベントにより真空引きした。
【0077】
ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンランダム共重合体(三菱化学製「ノバテックPP EG7」、MI;1.7g/10分、密度;0.9g/cm3 )であり、その供給量は100kg/hとした。変性用モノマーはトリメチルプロパントリメチルアクリレートであり、その供給量は1200g/hとした。
【0078】
ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーの溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダイから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性樹脂のペレットを得た。
【0079】
(2) 発泡性樹脂組成物の調製
発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからなり、成形ダイは出口幅700mmのTダイである。
【0080】
シートの冷却賦形装置として、直径220mm、幅1000mmの3本の冷却ロールからなる冷却装置(積水工機社製)を発泡剤混練用スクリュー押出機の下流に設けた。
【0081】
温度設定区分は下記の通りである。
【0082】
第1バレルは常時冷却
第1ゾーン;第2〜4バレル
第2ゾーン;第5〜8バレル
第3ゾーン;第9〜12バレル
第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
【0083】
発泡剤を供給するために第6バレルにサイドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11バレルに真空ベントが設置されている。
【0084】
操作条件は下記の通りである。
【0085】
シリンダーバレル設定温度:上流で220℃
:サイドフィーダーより下流で170℃
・スクリュー回転数:50rpm
【0086】
上述のようにして得られた変性樹脂を100kg/hの供給量で、発泡剤混練用スクリュー押出機に供給した。また、同押出機にそのサイドフィーダーから発泡剤を供給した。発泡剤はアゾジカルボンミド(ADCA)であり、その供給量は6.0kg/hとした。こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって発泡性樹脂組成物を得た。
【0087】
(3) ポリオレフィン系樹脂発泡性シートの調製
この発泡性樹脂組成物をTダイから押し出し、幅350mm×厚み0.5mmのポリオレフィン系樹脂発泡性シートを得た。
【0088】
(4) 複合シートの調製
このポリオレフィン系樹脂発泡性シートを上記冷却装置の3本の冷却ロールに通した。その際に、発泡性樹脂組成物シートの表裏両面に、ポリエチレンテレフタレート製の不織布(東洋紡績社製、「スパンポンド エクーレ 6301A」、秤量30g/m2 )を積層し、プレス成形機を用いて温度180℃、圧力19.6MPa(200kgf/cm2 )でプレス成形を行い、厚さ0.6mmの連続の発泡性複合シートを得た。
【0089】
(5) 発泡
予熱、発泡、冷却の3ゾーンと、上下2本のベルトからなる、全長6mのダブルベルト式発泡機(共和エンジニアリング社製)を用意した。同発泡機の予熱ゾーンおよび発泡ゾーンにはそれぞれ2インチの搬送ロール、そして冷却ゾーンには4インチの冷却水循環式ロールが設けられている。
【0090】
予熱ゾーンを170℃、発泡ゾーンを210℃、冷却ロールの表面温度を25℃にそれぞれ設定し、原反シートである上記発泡性複合シートを上記発泡機に供給した。
【0091】
シート供給の線速度は0.5m/min、よって予熱ゾーンおよび発泡ゾーンでの滞留時間は合計8分、冷却ゾーンのそれは4分に設定した。冷却ゾーンの上下冷却ロールの間隙を8mmに設定した。
【0092】
発泡機出口で幅700mm、厚み8mmの連続の発泡体シートを得た。
【0093】
(6) 延伸倍率5〜40倍で、線膨張係数が5×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であるポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートの調製
1)押出シートの調製
高密度ポリエチレン(商品名:HY540、三菱化学社製、MI=1.0、融点133℃、重量平均分子量30万)100重量部に対して、ベンゾフェノン(光重合開始剤)1重量部を配合し、この配合物を30mm二軸押出機にて樹脂温度200℃で溶融混練し、Tダイにてシート状に押出し、冷却ロールにて冷却し、厚み1.0mm、幅400mmの未延伸シートを得た。
【0094】
2)圧延・架橋
この未延伸シートを、表面温度100℃に設定された6インチロール(小平製作所製)を用いて圧延倍率10倍にロール圧延し、その後、得られた圧延シートを繰り出し速度2m/分のロールで繰り出し、雰囲気温度85℃に設定された加熱炉を通して、引き取り速度4m/分のロールで引き取り、4倍にロール延伸し、巻き取った。ついで、得られたシートに両面より高圧水銀灯を5秒間照射して架橋処理を施した。最後に、得られたシートに無張力下にて130℃で1分間の緩和処理を施した。
【0095】
上記操作を経て得られた一軸延伸シートは、幅200mm、厚み0.40mmのサイズを有していた。このシートの総延伸倍率は約20倍であり、20℃と80℃の2水準で約150mmの標線間距離を測定することで求めた線膨張係数は、−1.5×10-5であった。この一軸延伸シートの融点[DSC(示差走査熱量計)におけるピーク温度]は149℃であり、引張弾性率は12GMPaであった。なお、サンプルの引張弾性率および線膨張係数は、いずれもJIS K 7113の引張試験方法に準じて測定した。
【0096】
3)積層・熱融着
先に得られたポリオレフィン系樹脂発泡体シートより幅200mm×長さ200mmのサンプルを切り出した。
【0097】
サンプルと同じ寸法の低密度ポリエチレンフィルム(厚み30μm、三菱化学社製、UF230)(7) と、同じ寸法の上記一軸延伸シート(6) を、図4に示すように、各4枚ずつ交互に重ねて、フィルム−シート積層体(8) を得た。両面に熱可塑性樹脂シート(9) を積層した発泡体シートからなる芯層(2) の両側に上記積層体(8) をそれぞれ配し、3種9層の積層品を得た。ハンドプレス成形機において、温度125℃、圧力98kPa(1kgf/cm2 )にて2分間プレス成形を行い、その後水冷プレス(圧力98kPa)で水冷を行い、厚み5mmの複合シート(10)を得た。
【0098】
複合シートの評価試験
実施例で得られた複合シートを下記の項目について評価し、その結果を示した。
【0099】
・見かけ密度:
JIS K 6767に基づき、見かけ密度を測定した。
【0100】
・発泡倍率:
複合シートより面材をカッターで削り取った後、JIS K6767に従い発泡体の発泡倍率を測定した。
【0101】
・気泡形状(平均アスペクト比):
複合シートを厚み方向(z方向)にカットし、断面の中央部を光学顕微鏡で観察しつつ15倍の拡大写真を撮った。写真に写った全ての気泡のDzとDxyをノギスで測り、気泡毎にアスペクト比を算出し、気泡100個分のアスペクト比の個数平均を算出し、平均アスペクト比とした。ただし測定中、Dz(実際の径)が0.05mm以下の気泡、および10mm以上の気泡は除外した。
【0102】
実施例1で得られた複合シートのアスペクト比は、2.2であつた。
【0103】
・曲げ弾性率
JIS K 7203に基づき、試験速度10mm/minで測定し、曲げ弾性率を算出したところ、8.1GPaであった。
【0104】
5%圧縮強度
JIS K 7220に基づき、試験速度10mm/minで測定したときの、歪み5%における圧縮応力を読みとったところ、0.95MPaであった。
【0105】
線膨張係数
20℃と80℃の2水準で約150mmの標線間距離を測定することで求めたところ、−1.2×10-5/℃であった。
【0106】
切断加工
得られた複合シートを竪型万能帯ノコ盤(ラクソー社製 L型)によって任意に切断したところ、微粉、粉塵等は発生しなかった。
【0107】
【発明の効果】
本発明によるコンクリート型枠は以上のとおり構成されているので、つぎの効果を奏する。
【0108】
本発明による型枠は、軽量でありながら圧縮と曲げ方向の剛性に優れ、実質的にリブ等
のよる補強が不要である。
【0109】
本発明による型枠は、保湿性に優れ、コンクリートの養生時間が短縮でき、しかも耐衝撃性、耐薬品性、耐水性に優れている。
【0110】
コンクリート固化後の型枠の離型性が改善され、付着コンクリート片の除去作業時間が短縮できる。
【0111】
本発明による型枠は、木製のものと同様の釘保持力と加工性を具備し、木製型枠との互換性が高くこれと併用できる。
【0112】
本発明による型枠は、リサイクル性や焼却廃棄性に優れ、環境にやさしい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A) は紡錘形気泡の概略斜視図、図1(B) は図1(A) 中のz方向に平行な断面の一部の拡大概略図である。
【図2】 図2は本発明のコンクリート型枠の積層構成を示す概略図である。
【図3】 図3は本発明のコンクリート型枠の他の例の積層構成を示す概略図である。
【図4】 図4は本発明のコンクリート型枠のもう一つの例の積層構成を示す概略図である。
【符号の説明】
(1)(5)(10):複合シート
(2) :芯材
(3) :表層
(4)(9):熱可塑性樹脂シート
(6) :一軸延伸シート
(7) :低密度ポリエチレンフィルム
(8) :フィルム−シート積層体

Claims (1)

  1. ポリオレフィン系樹脂発泡体シートからなる芯層に、これをサンドイッチする延伸倍率5〜40倍で、線膨張係数が5×10 -5 (1/℃)以下、−2×10 -5 (1/℃)以上であるポリオレフィン系樹脂一軸延伸シートからなる両表層が積層されてなる複合シートで構成され、密度が0.05〜0.5g/ccであり、芯層に内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が1.1〜5.0であることを特徴とするプラスチック製コンクリート型枠。
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