JP3308960B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡体シート - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂発泡体シートInfo
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Description
圧縮力に対して高い圧縮強度を示すと共に、厚み方向に
曲げ応力が加わっても割れ難く、特に、畳の床材(芯
材)や床用断熱材等の複合建材に適した、ポリオレフィ
ン系樹脂発泡体シートに関する。
のポリオレフィン系樹脂からなる発泡体シートは、軽量
性、断熱性、柔軟性等に優れるため、各種断熱材、緩衝
材、浮揚材等に幅広く用いられている。しかし、ポリオ
レフィン系樹脂発泡体は、ポリスチレン系樹脂発泡体と
比較すると発泡体の圧縮強度が小さいので、例えば建材
畳の床材や床用断熱材等の複合建材用途には、使用する
ことができなかった。例えばタンス等の重量物を長期間
設置しておくと、重量物の重さに耐えきれず、重量物の
跡が畳に残ったり、床用断熱材においても形状回復が無
く、へたりが生じていた。
108440号公報には、気泡構造が発泡板の面と平行
な方向の大きさに対する発泡板の面と垂直な方向の大き
さの比が2.5〜10.0であるものの割合が85%以
上、発泡板の面と平行な方向の大きさが500μm以下
であるものの割合が70%以上の独立気泡であり、発泡
板の面と平行な方向の圧縮強度に対する発泡板の面と垂
直な方向の圧縮強度の比が2以上、発泡倍率が5〜20
倍であることを特徴とする、ポリオレフィン樹脂発泡板
が開示されている。しかし、上記公報記載のポリオレフ
ィン樹脂発泡板も、圧縮強度の改善効果は未だ充分とは
言えず、一方、特に垂直な方向の弾性率が大きくなりす
ぎるため、例えば比較的硬質の高密度ポリエチレンやポ
リプロピレンからなる場合には、発泡板の厚み方向に作
用する曲げ応力に対して、強度や可とう性が低下し、脆
いものになってしまっていた。
る可能性のあるものとして、例えば特開平11−291
374号公報が開示する、傾斜構造発泡体シートが挙げ
られる。この発泡体シートは、中間層の気泡のシート厚
み方向の直径と面内方向の気泡の直径の比の平均値が
2.0以上であり、表面層の気泡のそれが1.5未満で
あることを特徴とするものである。
層では紡錘形気泡形状の故に剛性をもち、表面層では球
形に近い気泡形状の故に発泡体のような弾力性をもつと
されており、圧縮強度の改善効果は充分なものになって
いるが、発泡体シートの可とう性は充分には改善されて
いなかった。特に厚さ20mm未満の発泡体シートの場
合、シートが撓んだときに割れが生じ易く、複合建材用
途へ使用するには必ずしもポリオレフィンの特徴を発揮
したものとは言えなかった。
ン系樹脂発泡体シートの諸問題を解決し、軽くて、重量
物の重さに耐えることができ、しかも曲げ方向のフレキ
シビリティーを兼ね備えた、複合建材等の用途に適した
ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを提供することにあ
る。
に、請求項1記載の本発明は、ポリオレフィン系樹脂か
らなる密度が0.03〜0.13g/cm3 のシート形
状の発泡体であり、中央層に内在する気泡のアスペクト
比D1z /D1xyの平均値が1.2〜1.8であり、表
面層に内在する気泡のアスペクト比D2z /D2xyの平
均値がD1z /D1xyより小さく且つ1.5未満である
ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを提供する。又、請
求項2記載の本発明は、中間層に内在する気泡のD1xy
の平均値が500μm以上である請求項1に記載のポリ
オレフィン系樹脂発泡体シートを提供する。
ィン系樹脂のゲル分率が5〜25重量%である請求項1
又は2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シートを提
供する。又、請求項4記載の本発明は、両面に薄いシー
ト状物が積層されている請求項1〜3のいずれか1項に
記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シートを提供する。
明におけるポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン性モ
ノマーの(共)重合体であり、特に限定されるものでは
なく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモ
タイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレ
ン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレ
ン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブ
テン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分
とする共重合体などから選ばれる1種もしくは2種以上
の単一物および混合物を意味する。なお、ここで言う
「(共)重合体」とは、「重合体」または「共重合体」
を意味する。
%を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、
スチレン系エラストマーなどがブレンドされていても良
い。しかし、30重量%を上回ると、ポリオレフィンの
特徴(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮できな
いばかりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困
難となる場合がある。本発明のポリオレフィン系樹脂と
しては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種もし
くは2種以上が用いられる。
発泡体シートの密度が0.03〜0.13g/cm3 で
あることを要し、0.13g/cm3 を越えると、圧縮
弾性率が高くなりすぎるうえに、コストが高くついて実
用的で無くなり、また密度が0.03g/cm3 を下回
ると、気泡のセル壁の厚みが薄くなり、圧縮強度が低下
する。好ましい密度は0.1〜0.05g/cm3 であ
る。尚、一般的なポリオレフィン系樹脂からなる場合、
密度が0.03〜0.13g/cm3 の範囲は、発泡倍
率に換算すると約7〜約30倍に相当する。
び「表面層」は、以下の意味である。 中央層:厚み方向の中心を含み、両表面を含まない層。
ポリオレフィン系樹脂発泡体からなるシート全厚に対し
て約80%を占める。 表面層:厚み方向の中心を含まず、両表面を含む2層。
ポリオレフィン系樹脂発泡体からなるシート全厚に対し
て合計約20%を占める(後述の図1参照)。
Dz /Dxy」は、ポリオレフィン系樹脂発泡体シート中
の気泡における定方向最大径の比の個数(算術)平均値
であり、以下のようにして求められる。発泡体シートの
シート厚み方向(z方向と呼ぶ)に平行な任意の断面の
10倍の拡大写真を撮り、無作為に選ばれる少なくとも
50個の気泡の定方向最大径を以下の2方向で測り、個
数平均値を算出する(後述の図2参照)。 Dz :発泡体シート中の気泡のz 方向に平行な最大径 Dxy:発泡体シート中の気泡のシート幅または長手方向
すなわちz方向に垂直な面方向(xy方向と呼ぶ)に平行
な最大径 なお、添え字の1および2は、それぞれ上記の中央層お
よび表面層を意味する。また上記ポリオレフィン系樹脂
発泡体シートの中央層に内在する気泡のD1xyの平均値
は、500μm以上であるのが好ましい。
泡体シートの中央層に内在する気泡のアスペクト比D1
z /D1xyの平均値は1.2〜1.8である。これによ
り、シートの厚み方向に圧縮力を受けると、紡錘形の長
軸方向に力がかかることになるので、その方向に高い圧
縮強度を発現する。D1z /D1xyの平均値が1.2を
下回ると、気泡がほゞ球形となり、紡錘形に起因する圧
縮強度の向上が得られず、床などに重量物を置いた場合
に沈み込みが大きくなり、また一定時間放置した後の回
復性能も悪くなる。更に、体感評価においても床がフワ
フワした感じになり、歩行感が悪いものになる。
を越えると、同発泡体からなるシートの可とう性が不足
して、曲げるとき、90度程度にたわませたところで破
壊が起こり易くなる。表面層に内在する気泡のアスペク
ト比D2z /D2xyの平均値の平均値は、上記の中間層
のアスペクト比D1z /D1xyの平均値より小さく、且
つ1.5未満であり、これらの値を超えて大きくなる
と、発泡体シートの表層での圧縮弾性率が高くなりすぎ
るため、振動に対するエネルギー吸収が不足し、畳や床
の上を歩いた時、或いは座った時に痛い感触が生じるの
で、好ましくない。また特に局所的な歪みに対して塑性
変形を起こし、表面に永久的な凹みや跡形が付きやすく
なってしまう。
2記載の如く、中央層に内在する気泡のD1xyの平均値
が500μm以上であるものが好ましく、更に好ましく
は800μm以上である。一般に気泡径が細かいと、セ
ル壁が薄くなり、座屈が生じやすくなるため、床などに
重量物を置いたときに、凹み等を生じやすくなる。中央
層の気泡のD1xyの平均値は、500μm以上であると
座屈に対する強度が増し、畳床材や床用断熱材等の複合
建材用途として好適である。又、本発明の発泡体シート
においては、請求項3記載の如く、発泡体シートを構成
するポリオレフィン系樹脂がゲル分率5〜25重量%を
含むものが好ましい。これは本発明の発泡シートをさら
に熱賦形して用いる場合に、その際の成型加工性、およ
び異形形状への対応性に関わる。
レフィン系樹脂の融点以上に再加熱し、これを賦形型で
はさんで冷却するコールドプレス方式で行うことができ
る。ここでいうゲル分率とは、ポリオレフィン系樹脂発
泡体シートを120℃熱キシレン中で24時間で溶解さ
せ、そのうち分離乾燥させた不溶分(ゲル)の重量分率
を意味する。ゲル分率が5重量分率を下回ると、再加熱
した時の溶融張力が不足するため、ガス抜けを起こして
発泡倍率が低下する、気泡が変形する、ドローダウンが
大きくなりすぎる、等の問題を招く場合が多い。ゲル分
率が25重量%を上回ると、逆に再加熱した時の溶融張
力が過剰となり、形状対応力が著しく不足する傾向にあ
る。
シートは、請求項4記載の如く、その両面に薄いシート
状物が積層されてなるものが好ましい。(図1参照)こ
こで用語の「薄い」とは相対的な意味であり、ポリオレ
フィン系樹脂発泡体シートの厚みに対して10%程度の
厚みを有するシート状の素材を意味する。
リエステル、ナイロン、ビニロン、ポリカーボネート、
アクリル、ポリオレフィン等の合成樹脂からなるシート
やフィルム、同様の合成樹脂からなる繊維や天然繊維を
用いた織布や不織布や寒冷紗、またガラス繊維や炭素繊
維などの無機繊維や有機繊維からなるシート、さらには
紙、木材、鉄等の金属、非鉄金属からなるシート、等を
任意に選ぶことができる。これらのシート状物と積層す
ることで、ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの曲げ剛
性が自由にコントロールできるほか、外力で破損しやす
い表層の気泡を保護することもできる。
類としては、一般に、化学発泡によって得られるもの
と、物理発泡によって得られるものがあるが、本発明の
シートは特に何れかに限定されるものではない。しかし
請求項3記載の、5〜25重量部のゲル分率を含む発泡
シートや、請求項4記載の、シート状物が積層された発
泡シートを製造する場合は、化学発泡によって得られる
ものを用いる方が有利である。このとき用いられる熱分
解型化学発泡剤の代表例としては、アゾジカルボンアミ
ド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、
4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)
等が挙げられる。これらは単独で用いてもまたは2種以
上組み合わせて用いてもよい。
限定されないが、予めポリオレフィン系樹脂と、ジオキ
シム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼ
ン、アリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官
能モノマー、およびキノン化合物から選択される少なく
とも1種類の変性用モノマーとを溶融混和して得られる
変性ポリオレフィン樹脂に、上記の熱分解型発泡剤を分
散させ、一旦シート状に成形し、その後に熱分解型化学
発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる方法が好適
に利用できる。上記の変性方法をとることは、成形され
た発泡シート原反が、架橋度が低いにもかかわらず、常
圧で発泡可能となるので有効である。
他、プレス成形、ブロー成形、カレンダリング成形、射
出成形など、プラスチックの成形加工で一般的に行われ
る方法が適用可能である。しかしスクリュー押出機より
吐出する発泡性樹脂組成物を、直接賦形する方法が、生
産性の点から好ましい。この場合は、一定寸法幅の連続
発泡性シートを得ることができる。この原反の発泡は、
通常、熱分解型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹
脂の分解温度以下の温度範囲で行われる。特に連続式発
泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りな
がら発泡させる引き取り式発泡器の他、連続ベルト式発
泡器、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽や、あるいは
熱浴中で発泡を行なうオイルバス、メタルバス、ソルト
バスなどが用いられる。
スペクト比D1z /D1xyの平均値が1.2〜1.8で
あり、表面層に内在する気泡のアスペクト比D2z /D
2xyの平均値がD1z /D2xyより小さく且つ1.5未
満である発泡体を成形するには、発泡中に原反の面内方
向の発泡を抑制し、厚み方向にのみ発泡させるととも
に、その後冷却するまでに、発泡シートの厚み方向に僅
かに圧縮することによって可能となる。結果的に、発泡
体の中央層の気泡は厚み方向に、その長軸を配向した紡
錘形となり、表面層の気泡はそれより配向が小さい紡錘
形となる。また、予備加熱時の温度を160〜200℃
とし、発泡時の温度を225℃より低い温度範囲とする
ことにより、発泡体シートの中央層に内在する気泡のD
1z /D1xyを1.2〜1.8とするとともに、D1xy
の平均値を500μm以上とすることができる。
泡体シートの一実施形態を図1に模式的に示す。発泡体
シート(1) は、ポリオレフィン系樹脂からなる密度が
0.03〜0.13g/cm3 のシート形状の発泡体で
あり、中央層(2) の両表面に表面層(3),(3) が形成さ
れ、更にその両面に薄いシート状物(4),(4) が積層され
て構成され、中央層(2) に内在する気泡のアスペクト比
D1z /D1xyの平均値が1.2〜1.8であり、表面
層に内在する気泡のアスペクト比D2z /D2xyの平均
値がD1z /D1xyより小さく且つ1.5未満とされて
いる。
ペクト比Dz/Dxyは、図2の(a)(発泡体シート
の一部を明示した模式的斜視図)及び(b)((a)の
一部の微細構造を示すための模式的拡大図)から明らか
な如く、この値が大きい程、気泡が長紡錘形状であるこ
とを示す。
泡体シート(1) が畳床材として使用されている場合を示
すものであり、気泡の形状が紡錘形である中央層(2) と
球形である表面層(3) とからなるものであることが模式
的に示されており、表面層(3) の表面は畳表(4) によっ
て被覆されている。すなわち、発泡体に内在する気泡の
内、中心部に存在する気泡(31)は紡錘形を有し、外表面
近くに存在する気泡(31)はほゞ球形を有しており、これ
により、発泡体シートのシート厚み方向に圧縮力を受け
ると、中心部の紡錘形気泡(21)の長軸方向に力がかかる
ことになるので、その方向に高い圧縮強度を発現するこ
とを示している。また、図4においては、本発明のポリ
オレフィン系樹脂発泡体シート(1) は、コンクリート等
の床下地材(5) の上に設置されて床用断熱材として使用
され、その表面には、木質板等の床材(6) が敷設されて
いる。
の紡錘形気泡が、特定の値以上のアスペクト比を有する
ので、発泡体シートのシート厚み方向の圧縮力に対し
て、紡錘形の気泡の長軸方向に力がかかり高い応力を発
現し、同時に、特定の値以下のアスペクト比を有するの
で、発泡体シートの厚み方向に作用する曲げ応力に対し
ても、その応力が面方向に分散できるので、結果的にシ
ートは割れ難くなる。
形状の気泡における偏平性の程度が中間層より小さく、
且つ特定の値より小さいアスペクト比を有するので、表
層に掛かる荷重に対して小さい応力を示す。よって振動
や衝撃のエネルギーは減衰し易く、また弾性変形し易い
ので永久歪みが残り難くなる。また、本発明の気泡径を
実現することにより、即ち、中間層に内在する気泡のD
1xyの平均値が500μm以上とすることにより、セル
壁が厚く、荷重に対する座屈強度が増し、セルの耐クリ
ープ特性が向上する。このため、重量物に対する凹みを
軽減できる。従って、畳床材や床用断熱材等の複合建材
として好適に使用することができる。
ン系樹脂のゲル分率を5〜25重量%に限定した発泡体
シートは、再加熱した時の溶融張力が適度となり、ガス
抜けを起こして発泡倍率が低下したり気泡が変形するこ
とがなく、形状対応力を備えた、熱賦形性の良好な発泡
体シートとなる。
る。 (実施例1) I)発泡原反シートの製造 (I−1) 設備 変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチッ
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用意した。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルか
らなり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベント
が設置されている。
EX44(日本製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー
押出機を用意した。これはセルフワイピング2条スクリ
ューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmであ
る。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側へ第1
〜12バレルからなり、成形ダイは出口幅1100mm
のTダイである。なお発泡剤を供給するために、第9バ
レルにはサイドフィーダーを、また揮発分を回収するた
め第11バレルに真空ベントが設置した。シートの冷却
賦形装置として、直径220mm、幅1250mmのロ
ール3本からなる、冷却ロール装置(積水工機社製)を
用意した。上記BT40の先端と上記TEX44の第5
バレルをつないでタンデム型押出プロセスを設け、その
下流に上記冷却ロール装置を設置した。
180℃、第2バレル〜第4バレルを220℃、スクリ
ュ回転数は150rpmとした。TEX44のシリンダ
ーバレル設定温度は第1バレルを常時冷却、第2〜4バ
レルを150℃、第5〜8バレルを170℃、第9〜1
2バレルを180℃、アダプターおよびダイ部を160
℃、スクリュー回転数は50rpmとした。
合体(三菱化学製「ノバテックPP EG7」、MI;
1.7g/10分、密度;0.9g/cm3 )を用い、
また変性用モノマーはp−キノンジオキシム(大内新興
化学社製「バルノックGM−P」)を用いた。
0kg/時間、ジオキシム化合物を750g/時間で投
入し、両者を溶融混和して変性反応させ、これをTEX
44の第5バレルに送った。このとき、BT40で発生
した揮発分は真空ベントにより除去した。
泡剤との混合 一方、TEX44のフィーダーから未変性のポリオレフ
ィン樹脂として上記と同じポリプロピレン共重合体を5
0kg/時間を投入して溶融し、これを第5バレル以降
で上記の変性されたポリオレフィン樹脂と溶融混練し
た。さらに上記のサイドフィーダーより発泡剤としてア
ゾジカルボンアミド(ADCA)を7.5kg/hで投
入し、これを第9バレル以降で上記のポリオレフィンか
らなる変性樹脂組成物と溶融混練した。このとき、TE
X44で発生した揮発分は真空ベントにより除去した。
ら押し出し、上記の3本冷却ロールに通す際に、発泡性
樹脂組成物シートの表面、裏面の両面に、ポリエチレン
テレフタレート製の不織布(東洋紡績社製、「スパンポ
ンド エクーレ6301A」、秤量30g/m2 )を両
面に挟んで融着させ、厚さ2.6mmのポリオレフィン
系樹脂発泡性複合シートを得た。
ゾーン(9),冷却ゾーン(10)の3ゾーンと、上下2本のベ
ルト(11),(11) からなる、全長6mのダブルベルト式発
泡機(12)(共和エンジニアリング製)を用意した。この
発泡機(12)の予熱ゾーン(8),発泡ゾーン(9) には2イン
チの搬送ロール、そして冷却ゾーンには4インチの冷却
水循環式のロール(13)が備えられている。尚、上下の冷
却ロールの間隙は自由に設定可能であり、発泡ゾーン
(9) の出口付近には光学式のシート厚み計(14)が備えら
れている。
ールの表面温度を25℃にそれぞれ設定し、原反シート
を上記発泡器に供給した。シート供給の線速度は0.5
m/分、よって予熱、発泡ゾーンでの滞留時間は合計8
分、冷却ゾーンのそれは4分であった。発泡ゾーン(9)
出口付近にある非接触式シート厚み計(14)により、幅方
向に3ヶ所のシート厚みを測定し平均値を求めた。冷却
ゾーンの上下の冷却ロールの間隙を40mmに設定し、
発泡機出口で発泡体シート(1) を回収した。
の発泡体シートについて、以下の6項目を評価した。
尚、各測定は、特に断りのない限り不織布が積層された
状態で行った。 (III −1) 厚さ測定 発泡体シートの厚さをノギスで測定した。 (III −2) みかけ密度の測定 発泡体シートより上記の不織布をカッターで削り取った
後、JIS K6767に従い発泡体の見かけ密度を測
定した。 (III −3) アスペクト比(Dz /Dxy)および気泡径
Dxyの測定 発泡体シートを厚み方向(z方向)にカットし、断面の
中央部を光学顕微鏡で観察しつつ15倍の拡大写真を撮
った。写真に写った全ての気泡のD1z とD1xyをノギ
スで測り、気泡毎にD1z /D1xyを算出し、気泡10
0個分のD1z/D1xyとD1xyの個数平均を算出し
た。また断面の表面層に対しても、同様の方法で気泡径
を測定し、D2z /D2xyおよびD2xyの各平均値を求
めた。
圧力を加えた際の5%圧縮強度を測定した。 (III −5) 歩行感の試験 コンクリート製の基礎地に設けた発泡体シート(100
0mm×2000mm)の上に乗り、感触を下記の基準
で評価した。 ○:よい(フワフワせず歩き易い) ×:悪い(フワフワして足をとられる)
れにφ25mmの鉄製円柱を載せ、さらにその上に10
kgの錘を載せて、24時間放置した。その後に円柱と
錘をのぞき、発泡体シートの表面を肉視により観察した
結果を下記の基準で評価した。 痕跡無し:肉視では殆ど跡形が確認できない 痕跡有り:肉視で跡形が確認できる 評価結果を表1にまとめて示した。
脂、発泡剤との混合において、サイドフィーダーから投
入する発泡剤(ADCA)の量を6.5kg/時間と
し、また ( II −2) 発泡操作において、予熱ゾーンを
200℃、発泡ゾーンを230℃にそれぞれ設定したこ
と以外は、全く同様にして厚さ40mmの発泡体シート
を得た。そして実施例1と同様の6項目の測定を行い、
評価結果を表1にまとめて示した。
験片を切りとり、これの長尺方向の両端を持ってゆっく
りと(約30秒かけて)、図6において点線矢印の方向
に力を加えて最終的に両端が接触するまで曲げた。その
ときの試験片の局部における破損を観察し、下記の基準
で評価した。 割れず:単に湾曲しただけで、破損無しなかった 割れた:湾曲部にて、割れ、さけ、座屈、のいずれかが
起こった。 評価結果を表1にまとめて示した。
上記の不織布を用いないで冷却することで、厚さ2.6
mmの発泡原反シートを得た。これより400mm×2
00mmの試験片を切り出し、加熱オーブン中のタルク
上で、220℃で10分間、加熱発泡させ、約1000
mm×500mmで厚さ約7mmの発泡体シートを得
た。冷却後、両面に、実施例1で用いたものと同じポリ
エチレンテレフタレート製の不織布を熱融着させた。こ
れを用いて、実施例1と同様に6項目の評価を行った。
評価結果を表1にまとめて示した。
ンを185℃、発泡ゾーンを210℃にそれぞれ設定
し、また(II −2)の発泡操作において、冷却ゾーンの上
下の冷却ロールの間隙を42mmに設定したこと以外
は、全く同様にして厚さ42mmの発泡体シートを得
た。実施例1と同様の6項目の測定を行い、評価結果を
表1にまとめて示した。
ンを190℃、発泡ゾーンを210℃にそれぞれ設定
し、またシート供給の線速度を0.45m/分に設定し
たこと以外は、全く同様にして厚さ10mmの発泡体シ
ートを得た。実施例2と同様の7項目の測定を行い、評
価結果を表1にまとめて示した。
ンを190℃、発泡ゾーンを200℃にそれぞれ設定
し、またシート供給の線速度を0.39m/分に設定し
たこと以外は、全く同様にして厚さ10mmの発泡体シ
ートを得た。実施例2と同様の7項目の測定を行い、評
価結果を表1にまとめて示した。
ートは、上述のように、中央層に内在する気泡のアスペ
クト比D1z /D1xyの平均値が1.2〜1.8で、表
面層に内在する気泡のアスペクト比D2z /D2xyの平
均値がD1z /D1xyより小さく且つ1.5未満である
ので、発泡体シートのシート厚み方向の圧縮力に対して
は、紡錘形の気泡の長軸方向に力がかかることになり、
高い圧縮強度を示すと同時に、表面層の気泡は球形に近
い形状と共に特定の値以下のアスペクト比を有するの
で、発泡体シートのシート厚み方向の曲げ応力に対して
も、その応力を面方向に分散できるため、結果的にシー
トが割れ難くなるという、実用的に大なる効果を奏する
ものである。
より小さく、且つ特定の値より小さいアスペクト比を有
するため、表層に掛かる荷重に対して小さい応力を示す
ので、振動や衝撃のエネルギーは減衰し易く、また弾性
変形し易いので永久歪みが残り難くなる。従って、本発
明のポリオレフィン系樹脂発泡体シートは、畳の床材
(芯材)や床用断熱材等の複合建材に好適に用いられ
る。
内在する気泡のD1xyの平均値が500μm以上である
場合は、荷重に対する座屈強度が増し、セルの耐クリー
プ特性が向上することとなり、重量物に対する凹みを軽
減できる。従って、上記畳床材や床用断熱材等の複合建
材として一層好適に使用することができる。また、ポリ
オレフィン系樹脂のゲル分率を特定の範囲とした場合
は、上記効果に加えて、再加熱して賦形する場合の熱成
形性が良好なポリオレフィン系樹脂発泡体シートを提供
し得る。
面層を表す図。
ト中の紡錘形気泡のアスペクト比Dz/Dxyを説明す
る図であり、(a)は熱可塑性樹脂発泡シートの一部を
明示した模式的斜視図、(b)は(a)の一部の微細構
造を示すための模式的拡大図である。
図。
面図。
方法の実施形態の一例を表す模式的側面図である。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂からなる密度が
0.03〜0.13g/cm3 のシート形状の発泡体で
あり、中央層に内在する気泡のアスペクト比D1z /D
1xyの平均値が1.2〜1.8であり、表面層に内在す
る気泡のアスペクト比D2z /D2xyの平均値がD1z
/D1xyより小さく且つ1.5未満であることを特徴と
するポリオレフィン系樹脂発泡体シート。 - 【請求項2】 中間層に内在する気泡のD1xyの平均値
が500μm以上であることを特徴とする請求項1に記
載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。 - 【請求項3】ポリオレフィン系樹脂のゲル分率が5〜2
5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載
のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。 - 【請求項4】両面に薄いシート状物が積層されているこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
リオレフィン系樹脂発泡体シート。
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---|---|---|---|
JP2000053407A JP3308960B2 (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | ポリオレフィン系樹脂発泡体シート |
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JP2000053407A JP3308960B2 (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | ポリオレフィン系樹脂発泡体シート |
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JP2001240692A JP2001240692A (ja) | 2001-09-04 |
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- 2000-02-29 JP JP2000053407A patent/JP3308960B2/ja not_active Expired - Lifetime
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