明 細 書
熱可塑性樹脂発泡体シート及び熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法 技術分野
[0001] 本発明は、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輛等の分野において、各種シール 材用として好適に用いることができる熱可塑性榭脂発泡体シート、及び、熱可塑性榭 脂発泡体シートの製造方法に関する。
従来の技術
[0002] 現在、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輛等の各種分野におけるシール材とし て発泡体が広く使用されている。このようなシール材に供される発泡体としては、例え ば、ポリウレタンゴム、エチレン プロピレン ジェン共重合体ゴム(EPDM)、ェチレ ンープロピレン共重合体ゴム(EPR)、クロロプレンゴム等の合成ゴム又は天然ゴムか らなるゴム発泡体や、ポリエチレン系榭脂、ポリプロピレン系榭脂等力 なる熱可塑性 榭脂発泡体等が挙げられる。特に、 EPDMを用いた発泡体は柔軟性に優れることか ら、住宅、自動車等の気密'水密シール材ゃ、プラズマディスプレー、液晶ディスプレ 一、携帯電話等の表示パネル周辺のシール材として広く使用されている。
[0003] しかしながら、従来の EPDMを用いた発泡体は、通常、連続気泡構造を有して ヽる ことから、柔軟性に優れるものの、発泡体を圧縮しなければ、高い水密性を確保する ことが困難であり、水密シール材として充分な機能を発揮することができな力つた。 特に近年では、住宅の外装において、作業性を改善することを目的として、コーキン グ等の湿式シーリング材に代えて、乾式発泡体が用いられる傾向があり、このような 乾式発泡体として、 EPDMを用いる場合には、より優れた水密性を有することが必要 とされていた。また、自動車のランプ廻り等に使用されるシール材についても、高圧 洗車機等の普及に伴い、高水密性が要求されているが、従来の EPDMを用いた発 泡体では水漏れ等が発生することがあった。
[0004] 一般に、発泡体力 なるシール材は、被シール部分に圧縮状態で挿入'充填され、 圧縮された状態で止水性等の機能を発現する。この場合、例えば、シール材である 発泡体の圧縮柔軟性が低いと、発泡体が圧縮状態から形状回復しょうとする反発力
により、被シール部材が変形したり、被シール部材の変形により被シール部分の隙間 が拡大したりするといつた問題があった。例えば、特許文献 1には、疎水性及び独立 気泡率を高くすることにより、表面に凹凸を有する被シール部材に使用する場合にお ける追従性や密着性を改善し、良好な止水性を実現することを目的とする発泡シー ル材が開示されている。しかしながら、このような発泡シール材では、疎水性を高くす ることにより、止水性は向上するものの、独立気泡率を高くすることで、反発力が高く なるため、シール材として使用したときに被シール部材が変形するという問題が生じ ていた。
[0005] そこで、加圧等の手段によって発泡体中の気泡を破泡させることにより連続気泡化さ せ、発泡体の圧縮柔軟性を向上させることが行われている。しかし、気泡を連続気泡 化すると発泡体の圧縮柔軟性は著しく向上するものの、止水性が低下してしまうと!、 う新たな問題が発生してしまう。即ち、連続気泡構造を有する発泡体からなるシール 材を用いると、被シール部分の隙間よりもずっと厚いシール材を必要とするにもかか わらず、初期シール性が不充分である等、完全な止水性が期待できな力つた。
[0006] これに対して、特許文献 2には、独立気泡と連続気泡との両気泡を有する発泡構造 体で気泡皮膜を吸水膨潤性とし、しかも長さ lcm当たりの気泡数を 8個以上とした定 型シール材が開示されている。これは、独立気泡構造と連続気泡構造との両気泡構 造を有することによりそれぞれの長所を取り込み、かつ、気泡膜を吸水膨潤性とする ことにより、初期シール性を確保してシール効果を良好に発揮し得るようにしたもので ある。しかしながら、特許文献 1に開示された定形シール材は、例えば、ポリアクリル 酸系やデンプングラフト系等の吸水膨潤ポリマーを用いることを必要とすることからェ 業的に高い生産性をもって製造することが困難あり、成形性に欠け多様な形状の被 シール部分に対応するのが困難であるという問題があった。また、広い用途に供され るシール材は比較的安価であることを要する力 原材料がコストアップ要因になると いう問題もあった。
[0007] 特許文献 1:特開 2001— 288453号公報
特許文献 2:特開平 9 - 111899号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は、上記現状に鑑み、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輛等の分野に ぉ 、て、各種シール材用として好適に用いることができる熱可塑性榭脂発泡体シート 、及び、熱可塑性榭脂発泡体シートの製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明は、熱可塑性榭脂からなる発泡体シートであって、 JIS K 6767に準拠した 方法により測定された厚さ方向の 25%圧縮強度が lOkPa未満であり、かつ、 JIS K 6767に準拠した方法により測定された厚さ方向の 50%圧縮強度が lOkPa以上で ある熱可塑性榭脂発泡体シートである。
以下に本発明を詳述する。
[0010] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートは、 JIS K 6767に準拠した方法により測定さ れる厚さ方向の 25%圧縮強度が lOkPa未満であり、かつ、 JIS K 6767に準拠し た方法により測定される厚さ方向の 50%圧縮強度が lOkPa以上である。
厚さ方向の 25%圧縮強度が lOkPa以上であると、柔軟性が不充分であることから被 シール部位の形状に充分に追随することができず、被シール部位との間に隙間が生 じ、止水不良の原因となる。厚さ方向の 25%圧縮強度の下限は特に限定されないが 、止水性をより高めることが可能であることから、 0. 5kPa以上であることが好ましぐ 1 . OkPa以上であることがより好ましい。
[0011] 厚さ方向の 50%圧縮強度が lOkPa未満であると、充分に止水性を得るためには圧 縮率を高くする必要があり、必要以上に厚い熱可塑性榭脂発泡体シートを用いなけ ればならなくなる。厚さ方向の 50%圧縮強度の上限は特に限定されないが、反発力 による被シール部材の変形等の発生を抑制するためには 200kPa以下であることが 好ましぐ lOOkPa以下であることがより好ましい。
[0012] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートは、見掛け密度が 0. 2gZcm3以下であること が好ましい。 0. 2gZcm3を超えると、圧縮柔軟性が低下し、圧縮時の反発力が大き くなり、シール材として使用したときに被シール部材が変形したり、被シール部材の変 形により被シール部分の隙間が拡大したりすることがある。見掛け密度の下限として は特に限定されないが、 0. 02g/cm3以上であることが好ましい。 0. 02g/cm3未
満であると、圧縮永久歪みが大きくなることから、長期止水性が低下することがある。
[0013] このような性能を有する本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートとしては特に限定され ないが、少なくとも連続気泡率が 40%以上である柔軟層と、連続気泡率が 30%以下 である止水層とを有する多層構造体を用いれば、上述の性能を発現することができる
[0014] 上記柔軟層は、本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートの柔軟性を担保する層である。
上記柔軟層は、連続気泡率が 40%以上である。上記柔軟層の連続気泡率が 40% 未満であると、熱可塑性榭脂発泡体シートの圧縮柔軟性が不充分となり、圧縮時の 反発力が大きくなつて、シール材として使用したときに被シール部材が変形したり、被 シール部材の変形により被シール部分の隙間が拡大したりするという問題が生じや すくなる。好ましい下限は 60%、より好ましい下限は 70%である。
上記柔軟層の連続気泡率の上限は特に限定されず、 100%であってもシール材とし て使用した際の止水性には問題ないが、より止水性が向上することから 90%以下で あることが好ましい。
なお、本明細書において連続気泡率とは、発泡体体積に対する連通した気泡の体 積比率を意味し、空気比重計 (例えば、東京サイエンス社製「1000型」等)を用いて 1一 1Z2— 1気圧法により独立気泡率を測定し、下記式(1)により算出することがで きる。
連続気泡率(%) = 100 -独立気泡率 (%) (1)
[0015] 上記柔軟層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は熱可塑性榭脂発泡 体シート全体の 30%、好ましい上限は 90%である。この範囲外であると、上記止水 層との組み合わせで上述の圧縮強度特性を得られる選択の幅が小さくなることがある
[0016] 上記止水層は、本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートの止水性を担保する層である。
上記止水層は、連続気泡率が 30%以下である。上記止水層の連続気泡率が 30% を超えると、圧縮状態で隙間に充填した際の止水性が低下し易くなる。好ましい上限 は 20%である。上記止水層の連続気泡率の下限は特に限定されず、 0%、即ち全て の気泡が独立気泡であってもよ 、。
[0017] 上記止水層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は熱可塑性榭脂発泡 体シート全体の 10%、好ましい上限は 90%である。この範囲外であると、上記柔軟 層との組み合わせで上述の圧縮強度特性を得られる選択の幅が小さくなることがある
[0018] 上記柔軟層と止水層とは、明確に分離することができる独立の層を形成していてもよ いし、徐々に連続気泡率が変化してその境界が明確でなくても力まわない。
[0019] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートにおいては、上記柔軟層と止水層とをそれぞ れ 1層ずつ有していてもよいが、例えば、柔軟層 Z止水層 Z柔軟層、止水層 Z柔軟 層 Z止水層のような 3層構造、更にはそれ以上の積層構造であってもよい。また、上 記柔軟層、止水層以外の機能を担保する層を有して 、てもよ 、。
なかでも、一方の表面に柔軟層を有し、かつ、他方の表面に止水層を有する構造や
、柔軟層を 2層の止水層が挟持する 3層構造を有することが好ましい。
[0020] 上記柔軟層の見掛け密度 Xと止水層の見掛け密度 Yとの比 (XZY)は、 0. 7以下で あることが好ましい。 XZYが 0. 7以下であると、柔軟層における気泡の膜厚が薄くな つているか、気泡径が大きくなつているために、加圧による破泡や穿孔による連続気 泡化によって、特異的に柔軟層の連続気泡率を高めることができる。
[0021] 上記柔軟層の断面における単位面積あたりの気泡の数 (A)と止水層の断面におけ る単位面積あたりの気泡の数 (B)との比 (AZB)は、 0. 5以下であることが好ましい。 0. 5を超えると、得られる熱可塑性榭脂発泡体シートの柔軟性又は止水性が低下す ることがある。
なお、柔軟層及び止水層の断面の気泡の数は以下の方法により測定することができ る。まず、各層の断面を光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡 (SEM)を用いて 5— 30 倍に適宜拡大して写真撮影をする。得られた各々の画像を目視により観察し、各々 の画像の任意部分における単位面積あたりの気泡数を計数する。このとき、気泡は、 写真上以外の部分で連通しているかどうかを問わず、写真上で表れる気泡膜断面に より囲まれた 1つの空隙部分を 1つの気泡とし、面積領域から一部が出ている気泡に ついては、面積領域外の形状を問わず、すべて 0. 5個としてカウントする。写真撮影 する際、気泡膜断面をマジックインキなどで着色すると、気泡の判別がし易くなる。さ
らに、写真撮影の際、目盛りを一緒に拡大して写真撮影しておくと、写真上における 面積領域を特定しやすくなる。
[0022] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートを構成する熱可塑性榭脂としては、発泡により 気泡構造を形成し、維持できるものであれば特に限定されず、例えば、直鎖状低密 度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ ン、エチレン プロピレン共重合体、エチレン α—ォレフイン共重合体、エチレン 酢 酸ビュル共重合体、エチレン (メタ)アクリル酸共重合体、エチレン (メタ)アクリル 酸エステル共重合体等のポリエチレン系榭脂;ポリプロピレン、プロピレン α一才レフ イン共重合体等のポリプロピレン系榭脂;ポリオレフイン系エラストマ一、ポリスチレン 系エラストマ一、ポリアミド系エラストマ一、ポリエステル系エラストマ一等の熱可塑性 エラストマ一;塩ィ匕ビュル系榭脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性榭脂は単 独で用いられてもよいし、 2種類以上が併用されてもよい。なお、上記 α -ォレフィンと しては特に限定されず、例えば、ブテン、 4-メチル -1-ペンテン、ペンテン、へキセ ン、ヘプテン、オタテン等が挙げられる。これらの α—才レフインは単独で用いられて も良いし、 2種類以上が併用されても良い。
本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートを構成する熱可塑性榭脂としては、なかでも、 成形性に優れることから熱可塑性エラストマ一、ポリエチレン系榭脂、ポリプロピレン 系榭脂が好適である。
[0023] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートを構成する熱可塑性榭脂は、架橋構造を有し ていてもよいし、無架橋構造であってもよいが、所望の気泡構造及び連続気泡率に 調整しやすぐ生産性に優れていることから、架橋構造を有していることが好ましい。 上記熱可塑性榭脂に架橋構造を付与する方法としては特に限定されず、例えば、電 子線等の電離性放射線を照射する方法;有機過酸化物を予め配合しておき、熱分 解する方法;加硫等の従来公知の方法が挙げられる。
[0024] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートは、更に、ゴム系ポリマーを含有することが好ま しい。ゴム系ポリマーを含有することにより、熱可塑性榭脂発泡体シートの柔軟性を 調整することができる。
上記ゴム系ポリマーとしては特に限定されず、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブ
タジェンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチノレゴム、エチレンプロ ピレン共重合体ゴム、エチレンプロピレンジェン共重合体ゴム、ウレタンゴム等が挙げ られる。なかでも、熱可塑性榭脂との親和性や成形性に優れることから、ブチルゴム、 エチレンプロピレン共重合体ゴム、エチレン プロピレン ジェン共重合体ゴム(EPD M)が好適であり、 EPDMが特に好適である。 EPDMを含有することにより、柔軟性 に優れるとともに、成形性に優れる熱可塑性榭脂発泡体シートを製造することができ る。
[0025] 上記 EPDMを構成するジェン成分としては、 5—ェチリデンー 2 ノルボルネン、 5—プ 口ピリデン— 5 ノルボルネン、ジシクロペンタジェン、 5—ビ-ルー 2 ノルボルネン、 5— メチレン 2 ノルボルネン、 5 イソプロピリデンー 2 ノルボルネン、ノルボルナジェン 等の環状ジェン;1, 4一へキサジェン、 4ーメチルー 1, 4一へキサジェン、 5—メチルー 1 , 4一へキサジェン、 5—メチルー 1, 5—へブタジエン、 6—メチノレー 1, 5—へブタジエン、 6—メチルー 1, 7—才クタジェン等の鎖状非共役ジェン等が挙げられる。
[0026] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートが EPDM等のゴム系ポリマーを含有する場合 、上記熱可塑性榭脂とゴム系ポリマーとの混合樹脂に占める上記ゴム系ポリマーの 含有量の好ましい下限は 5重量%、好ましい上限は 95重量%である。 5重量%未満 であると、得られる熱可塑性榭脂発泡体シートの柔軟性が不足することがあり、 95重 量%を超えると、発泡後に体積収縮しやすくなり、得られる熱可塑性榭脂発泡体シー トの発泡倍率が低下することがある。より好ましい下限は 15重量%、より好ましい上限 は 85重量%である。
[0027] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートは、必要に応じて発泡助剤、架橋助剤、酸ィ匕 防止剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤等の 従来公知の添加剤を含有してもよ ヽ。
[0028] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートは、少なくとも一方の表面の表面粗さ R力 15 a m以下であることが好ましい。このように平滑な表面を有することにより、本発明の熱 可塑性榭脂発泡体シートをシール材として用いた場合に、被シール部材の変形等さ せることなく充分な止水性を発揮できる。 15 mを超えると、シール材として用いたと きに、被シール部材との界面密着性が不足し、隙間が発生しやすぐ充分な止水性
が得られないことがある。より好ましくは 10 μ m以下である。
なお、表面粗さ Rは、 JIS B 0601に規定される方法により、例えば、キーエンス社 a
製の超深度形状測定顕微鏡 VK— 8500等の測定装置を用いて測定することができ る。
[0029] このような平滑な表面を実現するためには、上記止水層又は柔軟層が最表層である 場合には、これらの表面の表面粗さが R力 15 μ m以下となるようにしてもよいし、別 a
に表面粗さ R力^ 5 m以下である平滑層を積層してもよい。
a
[0030] 上記止水層又は柔軟層の表面の表面粗さ Rを 15 m以下とする方法としては特に a
限定されず、例えば、止水層及び柔軟層からなる多層構造体を、含有する熱可塑性 榭脂等のガラス転移温度以上に加熱した平滑な (少なくとも表面粗さ R
a力^ 以 下である)ロール間を通過させる方法等が挙げられる。
[0031] 上記平滑層としては特に限定されず、例えば、各種の熱可塑性エラストマ一、ォレフ イン系榭脂、スチレン系榭脂、イソプレン系榭脂、天然ゴム系榭脂、アクリル系榭脂、 ポリエステル系榭脂、メタクリル系榭脂、ォレフィン系榭脂、ウレタン系榭脂、エポキシ 系榭脂、酢酸ビニル系榭脂、プチラール系榭脂、ポバール系榭脂、シリコン系榭脂 等の榭脂や、これらの榭脂の変性物等力 なるもの等が挙げられる。これらの榭脂は 単独で用いられてもよぐ 2種以上が併用されてもよい。また、柔軟性を付与するため にこれらの樹脂に各種可塑剤、石油榭脂、等を配合してもよぐ粘着付与榭脂等を配 合しても良い。また、強度付与、各種機能付与等の為に各種フィラーを添加してもよ ぐ酸ィ匕防止剤等の各種添加剤が配合されてもよい。
[0032] 上記平滑層は、 23°C、 0. 1Hz時の貯蔵弾性率の好ましい下限が 1万 Paであり、好 ましい上限が 100万 Paである。 1万 Pa未満であると、平滑層が硬いため被シール材 表面の表面が荒れていたり凹凸があったりした場合に、熱可塑性榭脂発泡体シート が被シール材表面に充分に追従せず、界面の接触面積が低下して止水性が低下す ることがある。 100万 Paを超えると、平滑層が柔軟でありすぎて、取り扱い性や作業 性が悪ィ匕することがある。
なお、貯蔵弾性率は、例えば、レオメトリックス社製のダイナミック 'アナライザー RDA II等の動的粘弾性測定装置で測定することができる。
[0033] 上記平滑層の厚さとしては特に限定されず、熱可塑性榭脂発泡体シートをシール材 として使用する部位や被シール部材の表面状態等に応じて適宜設定されればよぐ 特に限定されないが、一般的には 3 μ m— lmmであることが好ましい。
[0034] 上記平滑層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、塗工法、押出法、溶 融混練後に熱プレスする方法等の従来公知の方法を用いることができる。
[0035] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートは、片面又は両面に粘着層を有してもよい。粘 着層を有することにより、施工性や止水性が向上する。
上記粘着層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、両面粘着テープを積 層する方法、表面にアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の従来公知の粘着剤を塗工 する方法等が挙げられる。
なお、上記粘着層を形成する場合には、上記粘着層を形成する面にコロナ処理等を 施しておくことが好ましい。
[0036] 本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートを製造する方法としては特に限定されないが、 例えば、見掛け密度が均一なシート状発泡体を作製する工程と、上記見掛け密度が 均一なシート状発泡体を厚さ方向と垂直な方向に切断する工程と、上記切断された シート状発泡体の切断面側の気泡を連続気泡化する工程とを有する製造方法 (以下 、これを製造方法 1ともいう);見掛け密度が厚さ方向に不均一なシート状発泡体を作 製する工程と、上記シート状発泡体中の少なくとも一方の面側の気泡を連続気泡化 する工程とを有する製造方法 (以下、これを製造方法 2とも ヽぅ)等が好適である。 これらの熱可塑性榭脂発泡体シートの製造方法もまた、本発明の 1つである。
[0037] 上記製造方法 1にお!/、ては、まず、見掛け密度が均一なシート状発泡体を作製する 。上記見掛け密度が均一なシート状発泡体を作製する方法としては特に限定されず 、従来公知の方法を用いることができる。例えば、上記熱可塑性榭脂に熱分解型発 泡剤及び必要に応じて各種の添加剤とを配合した混合物を、押出機やバンバリーミ キサ一等を用いて溶融混練してシート状に押出成形し、得られた成形体中の榭脂を 架橋した後、上記熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる方法;上 記熱可塑性榭脂、熱分解型発泡剤、必要に応じて各種の添加剤とを配合した混合 物をプレス金型に充填し、加熱することにより成形と発泡とを同時に行う方法等が挙
げられる。
[0038] 上記熱分解型発泡剤としては特に限定されず、例えば、ァゾジカルボンアミド、ベン ゼンスルホ-ルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホ-ルヒド ラジド、 4, 4 ォキシビス(ベンゼンスルホ-ルヒドラジド)等が挙げられる。これらの熱 分解型発泡剤は単独で用いられてもよぐ 2種以上が併用されてもよい。上記熱分解 型発泡剤の配合量の好ましい下限は上記熱可塑性榭脂 100重量部に対して 1重量 部、好ましい上限は 30重量部である。
[0039] 上記製造方法 1にお!/、ては、次!、で、得られたシート状発泡体を厚さ方向と垂直な 方向に切断する工程を行う。これにより、切断面においては発泡断面が露出する。切 断の部位としては特に限定されないが、材料を効率よく利用する観点力 厚さ方向の 中央部分付近で切断することが好まし 、。
[0040] 上記製造方法 1にお!/、ては、次!、で、上記切断されたシート状発泡体の切断面側の 気泡を連続気泡化する工程を行う。
上記連続気泡化の方法としては特に限定されないが、シート状発泡体を加圧して破 泡させる方法、針を用いて穿孔する方法、又は、レーザーを照射して穿孔する方法 等が好適である。
[0041] 上記シート状発泡体を加圧して破泡させる方法は、例えば、シート状発泡体を一対 のロール間又はプレス機に導入して加圧することにより破泡させて連続気泡化する 方法である。この方法は、大型の設備を必要とせず、比較的生産性が高い方法であ る。
上記針を用いて穿孔する方法は、例えば、シート状発泡体の表面から、針を所望の 深さ及びピッチで突き刺して穿孔することにより連続気泡化する方法である。このとき 針は、一定の温度にまで熱せられていてもよい。
[0042] 上記シート状発泡体にレーザーを照射して穿孔する方法は、例えば、 YAGレーザー 、炭酸ガスレーザー等の高エネルギーレーザーをシート状発泡体の表面に照射する ことにより穿孔する方法である。レーザーは非接触的に穿孔を行うことができ、孔の大 きさや深さ、ピッチ等を任意にコントロールすることができる。また、加圧や針による方 法では連続気泡化が困難な極めて柔軟な発泡体に対しても容易に穿孔可能である
[0043] なお、レーザーを用いた連続気泡化により上記柔軟層を形成するためには、例えば 、直径 1一 200 mの孔力 1cm2あたり 25— 10000個のピッチになるように穿孔すく ことが好ましい。
直径 1 μ m未満の孔では圧縮時に発泡体の気泡力 空気が抜ける速度が著しく遅く 充分な柔軟性が得られないことがあり、 200 mを超えると、レーザーの熱により溶解 した樹脂が孔のまわりに広がり気泡のセル厚が厚くなりかえつて柔軟性が低下するこ とがある。好ましい下限は 10 μ mである。
lcm2あたりの個数が 25個以下であると、充分に連続気泡化することができず柔軟性 が得られないことがあり、 10000個を超えると、現在のレーザーの性能では生産性が 著しく劣ってしまうことがある。より好ましい下限は 100個である。
[0044] 上記製造方法 2においては、まず、見掛け密度が厚さ方向に不均一なシート状発泡 体を作製する工程を行う。厚さ方向に不均一な独立気泡構造を有するシート状発泡 体を作製する方法としては特に限定されないが、例えば、発泡剤の含有量の異なる 熱可塑性榭脂を共押し出しして積層体を製造した後に発泡させる方法;厚さ方向に 架橋度の異なるシート状成形体を製造した後に発泡させる方法;見掛け密度の異な る発泡体を別々に作製した後に積層する方法等が好適である。
[0045] 上記発泡剤の含有量の異なる熱可塑性榭脂を共押し出しして積層体を製造した後 に発泡させる方法、及び、上記厚さ方向に架橋度の異なるシート状成形体を製造し た後に発泡させる方法は、いずれも見掛け密度の調整が極めて容易であり、確実に 見掛け密度が厚さ方向に不均一なシート状発泡体を製造することができる。
[0046] 上記厚さ方向に架橋度の異なるシート状成形体を製造した後に発泡させる方法とし ては、例えば、上記熱可塑性榭脂に熱分解型発泡剤及び必要に応じて各種の添加 剤とを配合した混合物を押出機やバンバリ一ミキサー等を用いて溶融混練してシート 状に押出成形する方法等により得られた成形体に、低エネルギーの電離性放射線を 照射する方法等が挙げられる。低エネルギーの電離性放射線により架橋を行った場 合、エネルギーの減衰によって、成形体の表面と内部とで架橋度が著しく異なること になる。このように架橋度の異なる成形体を発泡させると、架橋度の比較的高い表面
に近い部分では低発泡率となり見掛け密度が高くなり、架橋度の比較的低い内部で は高発泡率となり見掛け密度が低くなる。
成形体の架橋度に差を付ける方法としては、この他にも例えは、エネルギーの異なる 電離性放射線を複数回に分けて照射する方法、有機過酸化物を用いた架橋法と電 離性放射線を用いた架橋法とを併用する方法等が挙げられる。
[0047] 上記製造方法 2においては、次いで、得られた見掛け密度が厚さ方向に不均一なシ ート状発泡体中の気泡の一部を連続気泡化する工程を行う。連続気泡化の方法とし ては、上述の製造方法 1の場合と同様の方法を用いることができる。
[0048] また、本発明の熱可塑性榭脂発泡体シートは、少なくとも、ム一-一粘度 (ML 12
1+ 4
5°C)が 4以上、 30未満であり、かつ、ジェン含有量が 2. 0— 5. 0%であるエチレン プロピレン ジェン共重合体ゴムを 20— 90重量0 /0、メルトフローレート(190°C)が 2 一 20gZlO分である結晶性熱可塑性榭脂を 10— 80重量%、有機過酸化物、熱分 解型発泡剤及び酸化亜鉛を含有する熱可塑性榭脂組成物を調製する工程、熱可塑 性榭脂組成物をシート状に成形して発泡性シートを作製する工程、発泡性シートの 表面に放射線を照射し、架橋させる工程、及び、放射線を照射した発泡性シートを 加熱発泡させ、シート状発泡体を作製する工程からなる方法 (以下、これを製造方法 3ともいう)〖こよっても製造することができる。
このような熱可塑性榭脂発泡体シートの製造方法もまた、本発明の 1つである。
[0049] 上記製造方法 3によれば、所定の熱可塑性榭脂組成物を成形した後、架橋、発泡ェ 程を行うことにより、連続気泡率が低ぐ止水性に優れる止水層を両表面に有し、か つ、連続気泡率が高ぐ柔軟性に優れる柔軟層を厚さ方向の中央部分に有する熱可 塑性榭脂発泡体シートを製造することができる。これにより、止水層と柔軟層とを別々 に作製したり、連続気泡化工程等を別途行う必要がなぐ高い柔軟性と優れた止水 性とを併せ持つ熱可塑性榭脂発泡体シートを一連の工程で効率良く製造することが できる。
また、所定の範囲内で熱可塑性榭脂組成物の物性を変化させたり、照射する放射線 の線量変化させたりすること等により、熱可塑性榭脂発泡体シートの両表面における 架橋の程度を容易に調整することができることから、所望の柔軟性、止水性を有する
熱可塑性榭脂発泡体シートを製造することができる。
[0050] 上記製造方法 3においては、まず、ム一-一粘度(ML 125°C)が 4以上、 30未満
1+ 4
であり、かつ、ジェン含有量が 2. 0—5. 0%である EDPMを 20— 90重量%、メルト フローレート(MFR) (i9o°C)が 2— 20gZlO分である結晶性熱可塑性榭脂を 10— 80重量%、有機過酸化物、熱分解型発泡剤及び酸化亜鉛を含有する熱可塑性榭 脂組成物を調製する。
[0051] 上記製造方法 3において用いる EPDMは、ム一-一粘度(ML 125°C)が 4以上、
1 +4
30未満である。 4未満であると、架橋性が低下し、発泡性が低下することから、得られ る熱可塑性榭脂発泡体シートは、柔軟性に劣るものとなる。 30以上であると、架橋性 が高くなりすぎることから、得られる熱可塑性榭脂発泡体シートの連続気泡率が低く なり、柔軟性が低下する。なお、上記ム一-一粘度は、原料ゴム又はゴム配合物等の ム一-一粘度計による粘度の尺度のことをいう。また、上記 EPDMは、ジェン成分の 含有量の下限が 2. 0%であり、上限が 5. 0%である。 2. 0%未満であると、架橋性が 低下し、発泡性が低下することから、柔軟性に劣るものとなる。 5. 0%を超えると、得 られる熱可塑性榭脂発泡体シートの耐候性が低下する。
[0052] 上記製造方法 3において用いる上記結晶性熱可塑性榭脂は、 MFR(190°C)が 2— 20gZlO分である。 2gZlO分未満であると、架橋性が高くなりすぎることから、得ら れる熱可塑性榭脂発泡体シートの連続気泡率が低くなり、柔軟性が低下する。 20g Z10分を超えると、上記結晶性熱可塑性榭脂の架橋性が低下し、発泡性が低下す ることから、得られる熱可塑性榭脂発泡体シートの柔軟性が低下する。
[0053] 上記 MFR(190°C)が 2— 20gZlO分である結晶性熱可塑性榭脂としては、 EPDM と溶融混練が可能で、発泡により気泡構造を形成し、維持できるものであれば特に限 定されず、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、中密度 ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン プロピレン共重合体、エチレン α—才 レフイン共重合体、エチレン 酢酸ビュル共重合体、エチレン (メタ)アクリル酸共重 合体、エチレン (メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリエチレン系榭脂;ポリプ ロピレン、プロピレン α—才レフイン共重合体等のポリプロピレン系榭脂;ポリオレフィ ン系エラストマ一、ポリスチレン系エラストマ一、ポリアミド系エラストマ一、ポリエステノレ
系エラストマ一等の熱可塑性エラストマ一;塩ィ匕ビュル系榭脂等が挙げられる。これら の結晶性熱可塑性榭脂は、単独で用いられてもよぐ 2種以上が併用されてもよい。 これらの結晶性熱可塑性榭脂のなかでは、成形性に優れることから、熱可塑性エラス トマ一、ポリエチレン系榭脂及びポリプロピレン系榭脂が好ま 、。
[0054] 上記製造方法 3における熱可塑性榭脂組成物において、 EPDMと結晶性熱可塑性 榭脂との混合比は EPDM20— 90重量%に対して、結晶性熱可塑性榭脂 80— 10 重量%の範囲である。上記 EPDMの割合が 20重量%未満であり、上記結晶性熱可 塑性榭脂の割合が 80重量%を超える場合には、得られる熱可塑性榭脂発泡体シー トの生産安定性が低下する。
また、上記 EPDMの割合が 90重量%を超え、上記結晶性熱可塑性榭脂の割合が 1 0重量0 /0未満である場合には、得られる熱可塑性榭脂発泡体シートのゴム弾性が強 くなり過ぎることから、発泡形状を保持できなくなる。
[0055] 上記製造方法 3における熱可塑性榭脂組成物は、有機過酸化物を含有する。上記 有機過酸化物は熱可塑性榭脂を架橋させる架橋剤としての役割を有する。
上記有機過酸ィ匕物としては、例えば、 1, 1 ビス (t ブチルパーォキシ)3, 3, 5—トリ メチルシクロへキサン、 1, 1 ビス(t ブチルパーォキシ)シクロへキサン、 2, 2—ビス( t ブチルパーォキシ)オクタン、 n—ブチルー 4, 4 ビス(t ブチルパーォキシ)バレレ ート、ジー t ブチルパーオキサイド、 t ブチルタミルパーオキサイド、ジクミルパーォキ サイド、 a , α,一ビス(t ブチルパーォキシ m イソプロピル)ベンゼン、 2, 5—ジメ チルー 2, 5—ジ(t ブチルパーォキシ)へキサン、 2, 5 ジメチルー 2, 5—ジ(t ブチル パーォキシ)へキシン 3、ベンゾィルパーオキサイド、タミルパーォキシネオデカネー ト、 t ブチルパーォキシベンゾエート、 2, 5 ジメチルー 2, 5—ジ(ベンゾィルパーォキ シ)へキサン、 t ブチルパーォキシイソプロピルカーボネート、 tーブチノレパーォキシ ァリルカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸ィ匕物は、単独で用いてもよぐ 2種以上を混合して用いても良 、。
[0056] 上記有機過酸化物の含有量は、熱可塑性榭脂発泡体シートにおいて必要とされる 架橋度等によって決定される力 好ましい下限は EPDM100重量部に対して 0. 01 重量部であり、上限は 5重量部である。 0. 01重量部未満であると、架橋によりゲルィ匕
しないことがあり、 5重量部を超えると、充分な発泡倍率が得られないことがある。より 好ましい下限は 0. 1重量部であり、上限は 3重量部である。
[0057] 上記製造方法 3における熱可塑性榭脂組成物は、熱分解型発泡剤を含有する。
上記熱分解型発泡剤としては、例えば、ァゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒ ドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホ-ルヒドラジド、 4, 4ーォキ シビス(ベンゼンスルホ-ルヒドラジド)等が挙げられる。これらは単独で用いられても 良ぐ 2種以上を併用してもよい。
上記熱分解型発泡剤の含有量の好ま Uヽ下限は、 EPDMと結晶性熱可塑性榭脂と の混合物 100重量部に対して 1重量部であり、上限は 30重量部である。 1重量部未 満であると、発泡が不充分となることがあり、 30重量部を超えると、発泡時に破泡する ことがある。
[0058] 上記製造方法 3における熱可塑性榭脂組成物は、酸化亜鉛を含有する。上記酸ィ匕 亜鉛は、発泡を促進し、発泡温度を低下させる発泡助剤としての役割を有する。 上記酸ィ匕亜鉛としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。 上記酸化亜鉛の含有量の好ま U、下限は、 EPDMと結晶性熱可塑性榭脂との混合 物 100重量部に対して 0. 1重量部であり、好ましい上限は 2. 0重量部である。 0. 1 重量部未満であると、発泡温度が 200°C以上の高温となり、発泡時に有機過酸化物 が過度に分解して、架橋が進行しすぎることから、得られる熱可塑性榭脂発泡体シー トの連続気泡率が低くなり、柔軟性が低下する。 2. 0重量部を超えると、発泡温度が 低温となるため、有機過酸化物の分解による架橋が充分に進行する前に発泡が起こ るため、ガス抜けによる発泡不良が発生することがある。
[0059] 上記製造方法 3において、熱可塑性榭脂組成物を調製する方法としては特に限定さ れず、例えば、バンバリ一ミキサー、ニーダ一等の混練機等を用いて、 EPDM,結晶 性熱可塑性榭脂、有機過酸化物、熱分解型発泡剤及び酸化亜鉛を、熱分解型発泡 剤の分解温度以下の温度で混合、混練する方法等が挙げられる。
[0060] 上記製造方法 3にお 、ては、次 、で、上記熱可塑性榭脂組成物をシート状に成形し て発泡性シートを作製する。シート状に成形する方法としては特に限定されず、例え ば、 Tダイ成形、カレンダー成形、熱プレス成形等が挙げられる。
[0061] 上記製造方法 3においては、次いで、上記発泡性シートの両表面に放射線を照射し 、表層部分を架橋させる。このように上記発泡性シートの表層部分のみを架橋させる 方法としては、例えば、低エネルギーの電離性放射線を照射し、エネルギーの減衰 によって上記発泡性シートの表層部分のみを架橋させる方法等が挙げられる。 また、上記放射線としては特に限定されず、例えば、 α線、 j8線、 γ線、電子線等が 挙げられる。
[0062] 上記製造方法 3にお 、ては、次 、で、上記放射線を照射した発泡性シートを加熱発 泡させ、シート状発泡体を作製し、熱可塑性榭脂発泡体シートとする。上記放射線を 照射した発泡性シートを加熱発泡させる方法としては、例えば、本発明の熱可塑性 榭脂組成物に含有させた熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱する方法等が挙 げられる。
[0063] 上記製造方法 3により、シート状発泡体を作製した後、更に、シート状発泡体の厚さ 方向の中央部で、厚さ方向と垂直な方向に切断する工程を行うことによつても熱可塑 性榭脂発泡体シートを製造することができる。このような方法によれば、本発明の熱 可塑性榭脂発泡体シートを 2枚同時に作製できることから、高い生産性を実現するこ とができ、経済的にも有利となる。
[0064] 上記製造方法 3によれば、一方の表面に連続気泡率が低ぐ止水性に優れる止水層 を有し、かつ、他方の表面に連続気泡率が高ぐ柔軟性に優れる柔軟層を有する熱 可塑性榭脂発泡体シートを簡易な方法で効率良く製造することができる。
発明の効果
[0065] 本発明によれば、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輛等の分野において、各種 シール材用として好適に用いることができる熱可塑性榭脂発泡体シート、及び、熱可 塑性榭脂発泡体シートの製造方法を提供できる。
発明を実施するための最良の形態
[0066] 以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の みに限定されるものではない。
[0067] (実施例 1)
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 917g/cm3 ) 100重量部に、ァゾジカルボンァ
ミド 8重量部、ジクミルパーオキサイド 0. 7重量部、ステアリン酸カルシウム 1. 5重量 部、及び、フエノール系酸ィ匕防止剤(チバ 'スぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノ ックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して 、厚さ 3. 3mmの未架橋、未発泡のシートを得た。
[0068] 得られたシートに線量 4Mrad、加速電圧 500keVの電子線を照射することにより架 橋した。
得られた架橋シートを、発泡炉中で 240°Cに加熱することにより、ジクミルパーォキサ イドを熱分解させて架橋させながら、同時にァゾジカルボンアミドを分解させて発泡し て、厚さ 10. Ommの独立気泡発泡体を得た。得られた独立気泡発泡体のゲル分率 は 35%であった。
[0069] 得られた独立気泡発泡体を、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切断し、 厚さ 5mmとした。これを一対の押圧ロール間に供給し、両面力も厚さ方向に圧縮し て全体的に破泡させて、厚さ 4. 5mmの発泡体シートを得た。
[0070] (実施例 2)
ァゾジカルボンアミドの配合量を 10重量部に、ジクミルパーオキサイドの配合量を 0. 5重量部とし、電子線の加圧電圧を 650KVとした以外は実施例 1と同様の方法によ り発泡体シートを得た。なお、このときに得られた発泡体シートのゲル分率は 42%で めつに。
[0071] (実施例 3)
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 910g/cm3 ) 80重量部に、水素添加スチレン 系エラストマ一(スチレン含量 10重量%) 20重量部、ァゾジ力ノレボンアミド 8重量部、 ジクミルパーオキサイド 0. 7重量部、ステアリン酸カルシウム 1. 5重量部、及び、フエ ノール系酸化防止剤(チノく'スぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノックス 1010」) 0 . 1重量部を配合し、押出機にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して、厚さ 3. 3mm の未架橋、未発泡のシートを得た。
[0072] 得られたシートに線量 4Mrad、加速電圧 500keVの電子線を照射することにより架 橋した。
得られた架橋シートを、発泡炉中で 240°Cに加熱することにより、ジクミルパーォキサ
イドを熱分解させて架橋させながら、同時にァゾジカルボンアミドを分解させて発泡し て、厚さ 10. Ommの独立気泡発泡体を得た。得られた独立気泡発泡体のゲル分率 は 31%であった。
[0073] 得られた独立気泡発泡体を、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切断し、 厚さ 5mmとした。これを一対の押圧ロール間に供給し、両面力も厚さ方向に圧縮し て全体的に破泡させて、厚さ 4. 5mmの発泡体シートを得た。
[0074] (比較例 1)
未架橋、未発泡シートの厚さを 3. Ommとした以外は実施例 1と同様の方法により、 厚さ 9. Ommの独立気泡発泡体シートを得た。
得られた独立気泡発泡体シートを、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切 断し、厚さ 4. 5mmとし、これを連続気泡化せずにこのまま発泡体シートとした。
[0075] (比較例 2)
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 917g/cm3 ) 100重量部に、ァゾジカルボンァ ミド 8重量部、ステアリン酸亜鉛 1. 5重量部、及び、フエノール系酸ィ匕防止剤(チバスぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機 にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して、厚さ 3. 3mmの未架橋、未発泡のシートを 得た。
[0076] 得られたシートに線量 5Mrad、加速電圧 800keVの電子線を照射することにより架 橋し、ゲル分率が 53%の架橋シートを得た。
得られた架橋シートを、発泡炉中で 240°Cに加熱することにより、ジクミルパーォキサ イドを熱分解させて架橋させながら、同時にァゾジカルボンアミドを分解させて発泡し て、厚さ 10. Ommの独立気泡発泡体を得た。
[0077] 得られた独立気泡発泡体シートを、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切 断し、厚さ 5mmとした。これを一対の押圧ロール間に供給し、両面力 厚さ方向に圧 縮して全体的に破泡させて、厚さ 4. 5mmの発泡体シートを得た。
[0078] (評価)
実施例 1一 3及び比較例 1、 2で作製した発泡体シートについて、以下の方法により 評価を行った。結果を表 1に示した。
[0079] (1)連続気泡率の測定
得られた発泡体シートの切断面から 30%迄の厚さ部分を柔軟層、切断しな ヽ側の表 面から 30%迄の厚さ部分を止水層として、各層から試料を切り出し、空気比重計 (東 京サイエンス社製「1000型」)を用いて独立気泡率を測定して、上記式(1)により連 続気泡率を算出した。
[0080] (2)見掛け密度の測定
JIS K 6767又 ίお IS K 7222に準拠した方法により測定した。
[0081] (3)気泡数の測定
得られた発泡体シートの柔軟層部分 (切断面から 10%の厚さ部分)、及び止水層部 分 (非切断面から 10%の厚さ部分)を切断し、その断面を、顕微鏡を用いて 10倍に 拡大して撮影した画像から目視により測定した。
[0082] (4)圧縮柔軟性の測定
JIS K6767に準拠した方法により、 25%及び 50%圧縮強度を測定した。
[0083] (5)止水性試験 (漏水時間)
発泡体シートから幅 10mmの U字型に切り抜いた試験片を作製し、この試験片を、 U 字型を維持するようにして 2枚のアクリル榭脂板間に挟み、 2枚のアクリル榭脂板の隙 間を試験片の圧縮率が 50%となるように狭めた。次に、 U字型に切り抜いた試験片 の U字開口部が上になるように立て、 U字型の内側に高さ 100mmまで水を入れ、目 視により水漏れが確認されるまでの時間を計測した。
同様にして、アクリル榭脂板の隙間を試験片の圧縮率が 20%となるように狭めた場 合の試験を行った。
[0084] (6)施工性試験
隙間が発泡体シートの 1Z2、長さが 10mmの被シール部分を、発泡体シートを用い てシールする際の施工性 (発泡体シートを圧縮した際の反発力による被シール部材 の変形)を以下の方法により評価した 。
厚さ 1mm X幅 20mm X長さ 100mmのステンレス板を 2枚用意するとともに、発泡体 シートから幅 20mm X長さ 100mmの試験片を切り出した。まず、 1枚のステンレス板 を水平な台上に載置し、その上に、幅方向及び長さ方向を揃えて試験片を載置し、
更に試験片の上に残りの 1枚のステンレス板を幅方向及び長さ方向を揃えて載置し た。次に、上側のステンレス板の長さ方向両端を、上下のステンレス板同士の間隔が 発泡体シートの 1Z2になるまで上側力も圧縮した (圧縮率 50%)。このとき、ステンレ ス板の長さ方向中央部における、上側のステンレス板と下側のステンレス板との隙間 T(mm)を測定し、ステンレス板のたわみ量 (mm)を下記式(2)により算出した。 ステンレス板のたわみ量(mm) =T(mm)—発泡体シート厚さの lZ2(mm) (2) [表 1]
(実施例 4)
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 915g/cm3 ) 100重量部に、ァゾジカルボンァ ミド 10重量部、ステアリン酸亜鉛 1. 5重量部、及び、フエノール系酸ィ匕防止剤(チノく' スぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機
にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して、厚さ 1. Ommの未架橋、未発泡のシートを 得た。
[0086] 得られたシートに線量 6Mrad、加速電圧 800keVの電子線を照射することにより架 橋し、架橋シートを得た。
得られた架橋シートを、発泡炉中で 240°Cに加熱することにより、ァゾジカルボンアミ ドを分解させて発泡して、厚さ 2. 5mmの独立気泡発泡体を得た。
得られた独立気泡発泡体を、炭酸ガスレーザーを用いて一方の表面より、穿孔密度 400個 Zcm2、孔径 50 /ζ πι、穿孔長さが 1. Ommとなるように穿孔して、発泡体シー 卜を得た。
[0087] (実施例 5)
炭酸ガスレーザーを用いて一方の表面より、穿孔密度 1600個 Zcm2、孔径
、穿孔長さが 1. Ommとなるように穿孔した以外は実施例 4と同様の方法により発泡 体シートを得た。
[0088] (実施例 6)
直鎖状低密度ポリエチレンの代わりにエチレン 酢酸ビニル共重合体 (酢酸ビニル含 量 20%)を用いて独立気泡発泡体シートを作製し、この独立気泡発泡体シートにつ いて炭酸ガスレーザーを用いて一方の表面より、穿孔密度 1200個 Zcm2、孔径 30 /z m、穿孔長さが 1. Ommとなるように穿孔した以外は実施例 4と同様の方法により発 泡体シートを得た。
[0089] (実施例 7)
直鎖状低密度ポリエチレンの代わりに水素添加ポリスチレン系エラストマ一 (スチレン エチレンーブチレンブロック共重合体、スチレン含量 10重量%)を用いて独立気泡 発泡体シートを作製し、この独立気泡発泡体シートにっ 、て炭酸ガスレーザーを用 いて一方の表面より、穿孔密度 4500個 Zcm2、孔径 30 /ζ πι、穿孔長さが 1. Ommと なるように穿孔した以外は実施例 4と同様の方法により発泡体シートを得た。
[0090] (実施例 8)
炭酸ガスレーザーを用いて一方の表面より、穿孔密度 400個 Zcm2、孔径 250 /z m 、穿孔長さが 1. Ommとなるように穿孔した以外は実施例 4と同様の方法により発泡
体シートを得た。
[0091] (比較例 3)
炭酸ガスレーザーを用いて一方の表面より、穿孔密度 16個 Zcm2、孔径 50 /ζ πι、穿 孔長さが 1. Ommとなるように穿孔した以外は実施例 4と同様の方法により発泡体シ ートを得た。
[0092] (比較例 4)
実施例 4で作製した独立気泡発泡体シートを、クリアランスを 1. Ommに調整した一 対の押圧ロール間に供給し、両面力 厚さ方向に圧縮して全体的に破泡させて発泡 体シートを得た。
[0093] (比較例 5)
直鎖状低密度ポリエチレンの代わりにメタ口セン触媒により重合された直鎖状低密度 ポリエチレン(エチレン オタテン共重合体、密度 0. 910gZcm3)を用い、ァゾジ力 ルボンアミドを 8重量部とした以外は実施例 4と同様にして厚さ 2. 5mmの独立気泡 発泡体シートを作製した。得られた独立気泡発泡体シートを、クリアランスを 1. Omm に調整した一対の押圧ロール間に供給し、両面力 厚さ方向に圧縮して全体的に破 泡させて発泡体シートを得た。
[0094] 実施例 4一 8及び比較例 3— 5で作製した発泡体シートについて、上述の実施例 1等 と同様の評価を行った。このとき、レーザー等により穿孔した側を柔軟層と考えた。 結果を表 2に示した。
[0095] [表 2]
実施例 4 実施例 5 実施例 6 実施例 7 実施例 8 比較例 3 比較例 4 比較例 5 直鎖状低密度 直鎖状低密度 Iチレン 低密度 直鎖状低密度 直鎖状低密度 直鎖状低密度 主原料 一齚酸ビ 水素添加スチレ 直鎖状
ポリエチレン ホ°リ1チレン ニル共重合体 ン系エラストマー ホ°リ1チレン ホ'リエチレン ホ'リエチレン ホ"リエチレン 連続気泡化手段 レーサ'一穿孔 レーサ'一穿孔 レーサ' -穿 ¾ レ-ザ'-穿孔 レーサー穿孔 レ—サ'一穿孔 □ -ル挟圧破泡 ロ-ル挟圧破泡 ピッチ (値 cm2) 400 1600 1200 4500 400 16 一 一 レ-サ'-穿孔時 穿孔径 m) 50 50 30 30 250 50 ―
穿孔深さ (mm) 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 ― 連続気泡率 柔軟層 100 100 100 88 100 22 66 28
( ) 止水層 25 25 18 5 25 25 ― ― 全体 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 06フ 見掛け密度 柔軟層 X 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 067
(gノ cm3) 止水層 Y 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 050 0. 067
Xノ Y 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 柔軟層 A 2. 05 2. 05 3. 45 6. 91 2. 05 2 05 2. 05 2. 84 断面気泡数
止水層 B 2. 05 2. 05 3. 45 6. 91 2. 05 2. 05 2. 84 (個/ mm2)
Aノ B 1. 0 1. 0 1. 0 1, 0 1. 0 1. 0 1. 0 1. 0 圧縮強度 25%圧縮 3. 2 2. 9 2. 5 2. 0 2. 5 45 22 29 (kPa) 50%圧縮 45 33 29 25 31 97 79 81 漏水時間
圧縮率 50% >24 >24 >24 >24 18 >24 6 6
(時間)
施工性 (たわみ量)(mm) 0. 2 0. 2 0. 1 0. 0 0. 4 0. 7 0. 5 0. 6
◦
(実施例 9)
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 915g/cm3 ) 100重量部に、ァゾジカルボンァ ミド 7重量部、ステアリン酸亜鉛 1. 5重量部、及び、フエノール系酸ィ匕防止剤(チバスぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機 にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して、厚さ 2. 5mmの未架橋、未発泡のシートを 得た。
[0096] 得られたシートに線量 6Mrad、加速電圧 800keVの電子線を照射することにより架 橋し、架橋シートを得た。
得られた架橋シートを、発泡炉中で 240°Cに加熱することにより、ァゾジカルボンアミ ドを分解させて発泡して、厚さ 5. Ommの独立気泡発泡体を得た。
得られた独立気泡発泡体シートを、熱した針を用いて一方の表面より、穿孔長さが 2 . 5mmとなるように穿孔して、発泡体シートを得た。
[0097] (実施例 10)
(1)止水層用シートの作製
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 915g/cm3 ) 100重量部に、ァゾジカルボンァ ミド 7重量部、ステアリン酸亜鉛 1. 5重量部、及び、フエノール系酸ィ匕防止剤(チバスぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機 にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して、厚さ 1. 2mmの未架橋、未発泡のシートを 得た。
得られたシートに線量 6Mrad、加速電圧 800keVの電子線を照射することにより架 橋し、架橋シートを得た。
得られた架橋シートを、発泡炉中で 240°Cに加熱することにより、ァゾジカルボンアミ ドを分解させて発泡して、厚さ 2. 5mmの止水層用シートを得た。
[0098] (2)柔軟層用シートの作製
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 915g/cm3 ) 100重量部に、ァゾジカルボンァ ミド 7重量部、ステアリン酸亜鉛 1. 5重量部、及び、フエノール系酸ィ匕防止剤(チバスぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機 にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して、厚さ 0. 9mmの未架橋、未発泡のシートを
得た。
得られたシートに線量 6Mrad、加速電圧 800keVの電子線を照射することにより架 橋し、架橋シートを得た。得られた架橋シートを、発泡炉中で 240°Cに加熱すること により、ァゾジカルボンアミドを分解させて発泡し、更に、一対の押圧ロール間に供給 し、両面力 厚さ方向に圧縮して全体的に破泡させて厚さ 2. 5mmの柔軟層用シー 卜を得た。
[0099] (3)発泡体シートの作製
得られた止水層用シートと柔軟層用シートとを熱ラミネート法により積層して、発泡体 シートを得た。
[0100] (実施例 11)
止水層用シートを、熱した針を用いて一方の表面より、穿孔長さが 2. 5mmとなるよう に穿孔した以外は実施例 10と同様の方法により発泡体シートを得た。
[0101] (実施例 12)
水素添カ卩ポリスチレン系エラストマ一(スチレン エチレンーブチレンブロック共重合体 、スチレン含量 10重量%) 100重量部に、ァゾジカルボンアミド 7重量部、ステアリン 酸亜鉛 1. 5重量部、及び、フエノール系酸化防止剤(チバ 'スぺシャリティーケミカル ズ社製「ィルガノックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機にて溶融混練した後、 T ダイより吐出して、厚さ 1. 2mmの未架橋、未発泡のシートを得た。
[0102] 得られたシートに線量 6Mrad、加速電圧 800keVの電子線を照射することにより架 橋し、架橋シートを得た。得られた架橋シートを、発泡炉中で 240°Cに加熱すること により、ァゾジカルボンアミドを分解させて発泡し、更に、一対の押圧ロール間に供給 し、両面力 厚さ方向に圧縮して全体的に破泡させて厚さ 2. 5mmの柔軟層用シー 卜を得た。
得られた柔軟層用シートと、実施例 10で作製した止水層用シートとを熱ラミネート法 により積層して、発泡体シートを得た。
[0103] (比較例 6)
実施例 9と同様の方法により架橋シートを作製し、これを穿孔することなく発泡体シー トとした。
[0104] (比較例 7)
実施例 9と同様の方法により架橋シートを作製し、これを熱した針を用いて全厚にわ たって貫通するように穿孔して発泡体シートを得た。
[0105] (比較例 8)
実施例 9と同様の方法により架橋シートを作製し、熱した針を用いて一方の表面より、 穿孔長さが 2. 5mmとなるように穿孔して、発泡体シートを得た。ただし、実施例 9に 比べて穿孔の数が少ないようにした。
[0106] 実施例 9一 12及び比較例 6— 8で作製した発泡体シートについて、上述の実施例 1 等と同様の評価を行った。このとき、特にことわらない限り、針等により穿孔した側を 柔軟層と考えた。
結果を表 3に示した。
[0107] [表 3]
実施例 9 実施例 10 実施例 11 実施例 12 比較例 6 比較例 7 比較例 8 疸鎖状低密度 直鎖状低密度 直鎖状低密度 水素添加スチレ 直鎖状低密度 直鎖状低密度 直鎖状低密度 主原料
ホ 'リエチレン ホ"1 Jエチレン ホ 'リエチレン ン系エラス卜マー ホ'リエチレン ホ°リエチレン ホ'リエチレン 連続気泡化手段 熱針穿孔 ロ-ル挟圧破泡 ロ-ル挟圧破泡 ロ-ル挟圧破泡 ― 熱針穿孔 熱針穿孔 連続気泡率 柔軟層 95 70 70 50 0 50 30
(%) 止水層 0 0 20 0 0 50 0
全体 0.071 0.071 0.071 0.068 0.071 0.071 見掛け密度 柔軟層 X 0.071 0.071 0.068 0.071 0.071 0.071
(g/cm3) 止水層 Y 0.071 0.071 0.071 0.068 0.071 0.071 0.071
X/Y 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 柔軟層 A 2.05 2.05 2.05 3.82 2.05 2.05 2, 05 断面気泡数
止水層 B 2.05 p 2.05
2.05 2.05 2.05 2.05
(個 mm2)
A/B 1.0 1 o.0 1. 1.9 1.0 1.0 1.0 圧縮強度 25<½圧縮 3 7 7 2. 5 72 30 24 (kPa) 50%圧縮 25 34 22 23 112 45 66 漏水時間 圧縮率 50% >24 >24 >24 >24 >24 8 16 (時間) 圧縮率 20% 8 16 8 >24 >24 0.5 8 施工性 (たわみ量)(mm) 0. 2 0.4 0.3 0.3 2 0.7 1.3
p
o
(実施例 13)
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 915g/cm3 ) 100重量部に、ァゾジカルボンァ ミド 10重量部、ジクミルパーオキサイド 0. 5重量部、ステアリン酸亜鉛 1. 5重量部、及 び、フエノール系酸化防止剤(チノく'スぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノックス 1 010」)0. 1重量部を配合し、押出機にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して、厚さ 3 . Ommの未架橋、未発泡のシートを得た。
[0108] 得られたシートに線量 4Mrad、加速電圧 400keVの電子線を照射することにより架 橋し、得られた架橋シートを発泡炉中で 160°Cに加熱することによりジクミルパーォキ サイドを熱分解させて架橋させた後、更に 240°Cに加熱してァゾジカルボンアミドを 分解させて発泡して、厚さ 8. Ommの独立気泡発泡体を得た。
得られた独立気泡発泡体シートを、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切 断し、厚さ 5mmとした後、切断した側から太さ 0. 1mm熱した針を用い lmmのピッチ で穿孔して発泡体シートを得た。
[0109] (実施例 14)
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 915g/cm3 ) 100重量部に、ァゾジカルボンァ ミド 10重量部、ステアリン酸亜鉛 1. 5重量部、及び、フエノール系酸化防止剤(チバ' スぺシャリティーケミカルズ社製「ィルガノックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機 にて溶融混練した後、 Tダイより吐出して、厚さ 3. Ommの未架橋、未発泡のシートを 得た。
[0110] 得られたシートに線量 4Mrad、加速電圧 400keVの電子線を照射し、更に線量 2Mr ad、加速電圧 800keVの電子線を照射した後、発泡炉中で 240°Cに加熱してァゾジ カルボンアミドを分解させて発泡して、厚さ 8. Ommの独立気泡発泡体を得た。
得られた独立気泡発泡体シートを、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切 断し、厚さ 5mmとした後、切断した側から太さ 0. lmm熱した針を用い lmmのピッチ で穿孔して発泡体シートを得た。
[0111] (実施例 15)
水素添カ卩ポリスチレン系エラストマ一(スチレン エチレンーブチレンブロック共重合体 、スチレン含量 10重量%) 100重量部に、ァゾジカルボンアミド 10重量部、ステアリン
酸亜鉛 1. 5重量部、及び、フエノール系酸化防止剤(チバ 'スぺシャリティーケミカル ズ社製「ィルガノックス 1010」) 0. 1重量部を配合し、押出機にて溶融混練した後、 T ダイより吐出して、厚さ 3. Ommの未架橋、未発泡のシートを得た。
得られた未発泡シートを用いた以外は実施例 14と同様にして発泡体シートを得た。
[0112] (比較例 9)
実施例 14と同様の方法により厚さ 3. Ommの未架橋、未発泡のシートを得た。
得られたシートに線量 8Mrad、加速電圧 800keVの電子線を照射した後、発泡炉中 で 240°Cに加熱してァゾジカルボンアミドを分解させて発泡して、厚さ 8. Ommの独 立気泡発泡体を得た。
得られた独立気泡発泡体シートを、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切 断し、厚さ 5mmとした後、切断した側から太さ 0. 1mm熱した針を用い lmmのピッチ で穿孔して発泡体シートを得た。
[0113] (比較例 10)
実施例 13と同様の方法により独立気泡発泡体を得た。得られた独立気泡発泡体シ ートを、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切断し、これを発泡体シートと した。
[0114] 実施例 13— 15及び比較例 9、 10で作製した発泡体シートについて、上述の実施例 1等と同様の評価を行った。このとき、特にことわらない限りは、針等により穿孔した側 を柔軟層と考えた。
結果を表 4に示した。
[0115] [表 4]
(実施例 16)
直鎖状低密度ポリエチレン (密度 0. 917g/cm3)とエチレンプロピレンジェン共重合 体ゴム(ジェン成分 5—ェチリデンー2—ノルボルネン、ジェン含有量 3. 5%、エチレン 含有量 72%)とを重量比 1: 1で混合した混合樹脂 100重量部に、ァゾジカルボンアミ ド 8重量部、ジクミルパーオキサイド 0. 7重量部、酸ィ匕亜鉛 0. 5重量部、フエノール系 酸ィ匕防止剤 (ィルガノックス 1010) 0. 5重量部を配合し、ニーダ一にて混練し、発泡 性熱可塑性榭脂組成物を得た。得られた組成物を Tダイより吐出して、厚さ 3. 3mm の未架橋、未発泡のシートを得た。
[0116] 得られたシートに線量 4Mrad、加速電圧 500kVの電子線を照射することにより表層 力 約 lmmを架橋して架橋シートを得た。
次いで、得られた架橋シートを発泡炉中で 220°Cに加熱することにより、ジクミルパー オキサイドを熱分解させて架橋させながら、同時にァゾジカルボンアミドを分解させて 発泡して、厚さ 10. Ommの独立気泡発泡体を得た。得られた独立気泡発泡体のゲ ル分率は 47%であった。
[0117] 得られた独立気泡発泡体を、厚さ方向の中央部で厚さ方向に垂直な方向に切断し、 厚さ 5mmとした。これを一対の押圧ロール間に供給し、両面力 厚さ方向に圧縮し て全体的に破泡させて、厚さ 4. 8mmの発泡体シートを得た。
得られた発泡体シートにつ!/、て、上述の実施例 1等と同様の評価を行った。
結果を表 5に示した。
[0118] [表 5]
(実施例 17)
ム一-一粘度(ML 125°C)が 8であり、ジェン含有量が 3. 5%である EPDM (三
1+ 4
井ィ匕学ネ土製、 EPT3012P) 60¾S¾, MFR (190°C, 2. 16kg)力 1. Og/10分、 密度が 0. 902gZcm3の結晶性ポリエチレン榭脂 (ダウケミカル社製、ァフィ二ティー PL1880G) 40重量部、有機過酸ィ匕物としてジクミルパーオキサイド 1. 0重量部、熱 分解型発泡剤としてァゾジカルボンアミド 10重量部、及び、酸化亜鉛 0. 5重量部を 加圧ニーダ一で混練し、熱可塑性榭脂組成物を作製した。
[0119] 得られた熱可塑性榭脂組成物をペレタイズした後、 Tダイ押出機を用いて、厚さ 3. 3 mmの発泡性シートを作製した。
次いで、発泡性シートの両表面に加速電圧 500kVの電子線を 5Mrad照射して、発 泡性シートの表面力 深さ lmmの部分までを架橋させた後、加熱発泡炉で 240°Cに 加熱して発泡させることにより、厚さ 10mmの熱可塑性榭脂発泡体シートを得た。 得られた熱可塑性榭脂発泡体シートの表層 3mmの連続気泡率は 12%、厚さ方向 の中央部分 3mmの連続気泡率は 100%であった。
[0120] (実施例 18)
ム一-一粘度(ML 125°C) 20、ジェン含有量 4. 9%の EPDM (ダウエラストマ
1+ 4 一 社製、ノーデル 4720) 40重量部、 MFR(190。C、 2. 16kg) 3. OgZlO分、密度 0. 902gZcm3の結晶性ポリエチレン榭脂(ダウエラストマ一社製、エンゲージ 8450) 6 0重量部、有機過酸ィヒ物としてジクミルパーオキサイド 1. 0重量部、熱分解型発泡剤 としてァゾジカルボンアミド 10重量部、及び、酸化亜鉛 0. 5重量部を加圧-一ダー にて混練し、熱可塑性榭脂組成物を作製した。
[0121] 得られた熱可塑性榭脂組成物をペレタイズした後、 Tダイ押出機を用いて、厚さ 3. 3 mmの発泡性シートを作製した。
次いで、発泡性シートの両表面に加速電圧 500kVの電子線を 5Mrad照射して、発 泡性シートの表面力 深さ lmmの部分までを架橋させた後、加熱発泡炉で 240°Cに 加熱して発泡させることにより、厚さ 10mmの熱可塑性榭脂発泡体シートを得た。 得られた熱可塑性榭脂発泡体シートの表層 3mmの連続気泡率は 17%、厚さ方向 の中央部分 3mmの連続気泡率は 95%であった。
[0122] (実施例 19)
実施例 17で作製した熱可塑性榭脂発泡体シートを、厚さ方向の中央部で厚さ方向 と垂直な方向にスライスすることにより、厚さ 5mmの熱可塑性榭脂発泡体シートを得 た。
[0123] (比較例 11)
実施例 17と同様にして発泡性シートを作製した後、電子線のシート表面への照射は 行わず、加熱発泡炉で 240°Cに加熱して発泡させることにより、熱可塑性榭脂発泡 体シートを得た。ただし、発泡の際に発泡剤のガス抜けが起こり、発泡が充分に行わ れなかった。
[0124] (比較例 12)
ム一-一粘度(ML 125°C) 40、ジェン含有量 4. 9%の EPDM (ダウエラストマ
1+ 4 一 社製、ノーデル 4640) 30重量部、 MFR(190。C、 2. 16kg) 3. OgZlO分、密度 0. 902gZcm3の結晶性ポリエチレン榭脂(ダウエラストマ一社製エンゲージ 8450) 70 重量部を用いた以外は実施例 17と同様にして厚さ 10mmの熱可塑性榭脂発泡体シ ートを作製した。
得られた熱可塑性榭脂発泡体シートの表層 3mmの連続気泡率は 15%、厚さ方向 の中央部分 3mmの連続気泡率は 36%であった。
[0125] (比較例 13)
酸ィ匕亜鉛の代わりにステアリン酸亜鉛を 0. 3重量部とした以外は実施例 17と同様に して発泡性シートを作製した。
得られた発泡性シートの両表面に加速電圧 500kVの電子線を 5Mrad照射して、発 泡性シートの表面力 深さ lmmの部分までを架橋させた後、加熱発泡炉で 240°Cに 加熱して発泡させることにより、厚さ 7mmの熱可塑性榭脂発泡体シートを得た。 なお、実施例 1で得られた熱可塑性榭脂発泡体シートと比較して薄くなつているのは 、発泡の際に厚さ方向の中央部分でガス抜けが発生したためであると考えられた。 得られた熱可塑性榭脂発泡体シートの表層 3mmの連続気泡率は 12%、厚さ方向 の中央部分 3mmの連続気泡率は 85%であった。
[0126] (比較例 14)
市販の EPDM製発泡体(ェプトシ一ラー 1010、日東電工社製、厚さ 10mm)を熱可
塑性榭脂発泡体シートとした。なお、表層 3mm及び厚さ方向の中央部分 3mmのい ずれについても、連続気泡率は 100%であった。
[0127] (評価)
実施例 17— 19及び比較例 11一 14で作製した熱可塑性榭脂発泡体シートにっ 、て 、実施例 1と同様の評価を行った。
結果を表 6に示した。
[0128] [表 6]
実施例 1 7 実施例 1 8 実施例 1 9 比較例 1 1 比較例 1 2 比較例 1 3 比較例 1 4 ム一二一粘度 L1+4125°C 8 20 S 8 40 8
EPDM ジェン成分含有量 % 3.5 4.9 3.5 3.5 4.9 3.5
添加量 重量部 60 40 60 60 30 60
MFR g/10分 1.0 3.0 1.0 1.0 3.0 1.0 結晶性熱可塑性
密度 g/cm、 0.902 0.902 0.902 0.902 0.902 0.902 ェプ卜 樹脂 ソーラー 添加量 重量部 40 60 40 40 70 40 1010 ジクミルパーオキサイド 重量部 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
ァゾジカルボンアミド 重量部 10 10 10 10 10 10
酸化亜鉛 重量部 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 ―
ステアリン酸亜鉛 重量部 ― ― ― ― ― 0.3
加速電圧 kV 500 500 500 ― 500 500 ― 電子線照射
線里 rad 5 5 5 一 5 5 ― 表層部分 (止水層)連続気泡率 % 12 17 12 65 15 12 100 中央部分 (柔軟層)連続気泡率 % 100 95 100 65 36 85 100 平均発泡倍率 L/Kg 18 18 18 7 18 1 1 12 評 圧縮強度 (25%圧縮) Pa 2.1 3.5 2.1 21 15 2.1 価 圧縮強度(50%圧縮) KPa 18.8 24.9 18.8 発泡不良 88 46 3.8 止水性(50%圧縮) 時間 12 >24 6 測定不可 〉24 >24 く 1分 止水性(75%圧縮) 時間 >24 >24 12 能 >24 >24 3 施工性 (たわみ) mm 0.2 0.2 0.2 2 0.9 0.2
(実施例 20)
ム一-一粘度(ML1 +4125°C)が 8であり、ジェン含有量が 3. 5%である EPDM ( 三井ィ匕学ネ土製、 EPT3012P) 60¾S¾, MFR (190°C, 2. 16kg)力 1. Og/10分 、密度が 0. 902gZcm3である結晶性ポリエチレン榭脂 (ダウケミカル社製、ァフィ- ティー PL1880G) 40重量部、有機過酸ィ匕物としてジクミルパーオキサイド 1. 5重量 部、熱分解型発泡剤としてァゾジカルボンアミド 10重量部、及び、酸化亜鉛 0. 5重 量部を加圧-一ダ一で混練して、熱可塑性榭脂組成物を作製した。
[0129] 得られた熱可塑性榭脂組成物をペレタイズした後、 Tダイ押出機を用いて、厚さ 3. 3 mmの発泡性シートを作製した。
次いで、発泡性シートの両表面に加速電圧 500kVの電子線を 5Mrad照射して、発 泡性シートの表面力 深さ lmmの部分までを架橋させた後、加熱発泡炉で 240°Cに 加熱して発泡させることにより、厚さ 10mmの多層構造体を得た。
得られた多層構造体の表層 2mmの連続気泡率は 12%、厚さ方向の中央部分 5mm の連続気泡率は 100%であった。
次いで、得られた多層構造体を、ロール温度 150°Cのロール間を通過させることで、 最表層のみを平滑ィ匕させたシール材 1を得た。得られたシール材 1の表面粗さ Rは 1 a ό μ mで &)つた。
[0130] (実施例 21)
実施例 20で得られた多層構造体の一方の表面に、市販されているセロハンテープ( 積水化学工業製)を貼り合わせて、シール材 2を得た。得られたシール材 2のセロノ、 ンテープ側の表面粗さ Rは 5 μ mであった。
a
[0131] (実施例 22)
スチレン イソプレン スチレンブロック共重合体の水素添カ卩物(クラレネ土製「セプトン 2 063」) 100部、粘着性付与榭脂(ヤスハラケミカル社製「YSレジン Pxl 150」) 30部、 及び、酸化防止剤(チバスぺシャリティーケミカルズ社「ィルガノックス 1010」) 1部を ニーダ一にて溶融混練し、榭脂混練物を得た。次いで得られた榭脂混練物をポリエ チレンテレフタレート(PET)フィルム間にてはさみ、 50 /z mのスぺーサーを用いてプ レス成形して、厚さが約 50 μ mの榭脂シートを得た。
次いで、得られた榭脂シートを、実施例 20で得られた多層構造体の一方の面に両面 テープを介して貼り合わせて、シール材 3を得た。得られたシール材 3の表面粗さ R a は 9. であった。また、榭脂シートの 23°C、 0. 1Hz時の貯蔵弾性率は、 207, 2 OOPaであった。
[0132] (実施例 23)
実施例 20で得られた多層構造体を、シール材 4とした。シール材 4の表面粗さ Rは 4 a
5 μ mで &)つた。
[0133] (比較例 15)
市販のポリエチレン製発泡体 (積水化学社製、ソフトロン XL— H1502 :連続気泡率 1 0%)を、両面テープを介して 5枚積層して、シール材 5を得た。得られたシール材 5 の表面粗さ Rは 32 μ mであった。
a
[0134] (比較例 16)
比較例 15で得られたシール材 5の一方の表面に、市販されているセロハンテープ( 積水化学社製)を貼り合わせて、シール材 6を得た。得られたシール材 6のセロハン テープ側の表面粗さ Rは 5 μ mであった。
a
[0135] (比較例 17)
比較例 15で得られたシール材 5の一方の表面に、実施例 22で作製した榭脂シート を両面テープを介して貼り合わせて、シール材 7を得た。
[0136] (比較例 18)
市販の EPDM製発泡体(日東電工社製、ェプトシ一ラー 686 :厚さ 10mm、連続気 泡率 100%)をシール材 8とした。シール材 5の表面粗さ Rについては、表面に気泡 a
断面が露出しており、表面粗さとして表現 ·測定することが困難であった為、測定不 能とした。
[0137] (比較例 19)
市販の EPDM製発泡体(日東電工社製、ェプトシ一ラー 686、厚さ 10mm、連続気 泡率 100%)の一方の表面に、市販のセロハンテープ (積水化学社製)を両面テープ を介して貼り合わせて、シール材 9を得た。得られたシール材 9のセロハンテープ側 の表面粗さ Rは 5 μ mであった。
a
[0138] (比較例 20)
市販の EPDM製発泡体(日東電工社製、ェプトシ一ラー 686、厚さ 10mm、連続気 泡率 100%)の一方の表面に、実施例 22で作製した榭脂シートを貼り合わせて、シ —ル材 10を得た 0
[0139] (評価)
実施例 20— 23及び比較例 15— 20で作製したシール材について、上記と同様の方 法により圧縮柔軟性、止水性を評価を行った。
結果を表 7に示した。
[0140] [表 7]
ォ 寸 寸
lO
(0
Λ Λ Λ
縮続水時時強度連気泡率止間(間)圧()()%kP表粗さ面a
縮縮縮縮縮止水層柔軟層圧圧圧圧圧%0%%0½ 2<½ 75 5 75 5«5 寸
00 w 00
00 <
実施例 20 Λ Λ Λ d
実施例 21
CO 寸 << f2サ2 00 in l
実施例 22
寸 (0 Ιίϊ in lO
00 00 00 o
実施例 23 in CO C
造構な多較)(層例し比 10 614: 15.
「 0)
CO CO 寸 SL89 L Z Z9 9S 9 ' ' CM
造多層構な)較(例し比 1016
「 「 「 d
CO <Z V U) 0) 0)
造多構な較(層)例し比 10 508 1628174..
造多層構な較()例し比 10018
CD
00 (0 CM 00 o σ>
「 '造多構な較 (層)例し比 10019
寸 寸 CO 寸 CO
(Ω
多構造な(層)し較例 100比 20
CO CO CO O CM
「 10 ID
寸 PJ 1
CD σ> 0)
CM
「 「 「
o o o O
o o o o
産業上の利用可能性
本発明によれば、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輛等の分野において、各種 シール材用として好適に用いることができる熱可塑性榭脂発泡体シート、及び、熱可 塑性榭脂発泡体シートの製造方法を提供できる。