JP5081654B2 - 発泡シート又は積層発泡シートの製造方法 - Google Patents

発泡シート又は積層発泡シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡シート又は積層発泡シートの製造方法に関する。
現在、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輌などの各種分野におけるガスケットとして発泡体が広く使用されている。このようなガスケットに供される発泡体としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などからなる熱可塑性樹脂発泡体や、合成ゴム又は天然ゴムからなるゴム発泡体などが挙げられる。
ガスケットは、各種構造物の間隙を埋めるために使用され、構造物の間隙に塵や湿気が浸入するのを防止するものである。この種のガスケットは、発泡体からなるガスケットを封止したい間隙に圧縮した状態で設置し、その反発応力によって界面との間隙を塞ぎ、塵や湿気の浸入を防止している。ここで、ガスケットを構成する発泡体の圧縮柔軟性が低いと、発泡体が圧縮状態から形状回復しようとする反発応力により、構造物が変形したり、構造物の変形によって構造物の間隙が拡大したりするため、塵や湿気の浸入を防ぐことができないといった問題が生じた。
そのため、圧縮柔軟性に優れたガスケットが求められており、そのようなガスケットとしては、例えば、特許文献1に、連続気泡構造を有するウレタン発泡体が提案されている。上記ウレタン発泡体のような気泡が連通してなる連続気泡発泡体は、圧縮時にその気泡の連通部を通じてガス(空気)が発泡体外に抜けるため、ガス(空気)による反発応力が殆ど存在せず、圧縮柔軟性が良好である。
しかしながら、上記ウレタン発泡体のような連続気泡発泡体をガスケットとして用いた場合、その気泡の連通部を通して塵や湿気が浸入してしまうという問題が発生した。
一方、気泡間が立体格子状に隔壁で仕切られた独立気泡発泡体をガスケットとして用いた場合、時間の経過により独立気泡発泡体の反発応力が緩和されて独立気泡発泡体と構造物の界面との接触面圧が低下し、構造物の界面に間隙が発生するため、ガスケットとして有効に機能しなくなるといった問題が生じた。
又、独立気泡発泡体は薄肉化が困難であるため、狭い間隙を埋めるためのガスケットとしては使用できないことがあった。
特開2001−100216号公報
本発明は、圧縮柔軟性に優れ且つ長期間に亘って圧縮状態で配置してもその反発応力が低下しにくい発泡シート及び積層発泡シートの製造方法を提供する。
本発明の発泡シートの製造方法は、結晶成分を含有する合成樹脂及びゴム系樹脂を含む樹脂組成物、並びに、熱分解型発泡剤を溶融混練して発泡性樹脂シートを成形し、この発泡性樹脂シートを架橋、発泡させて発泡シートを製造した後、この発泡シートに溶融状態にて上記発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させるための応力を加えることを特徴とする。
上記樹脂組成物を構成するゴム系樹脂としては、室温でゴム弾性(rubber elasticity)を有するものであり、発泡シートのクッション性や耐久性に優れていることから、ニトリル−ブタジエンゴム、熱可塑性エラストマーが用いられる。なお、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)は、ニトリルゴムとも、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムともいう。
更に、上記熱可塑性エラストマーとしては、ビニル芳香族化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックとを含むブロック共重合体の水素添加物が用いられる
上記ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン;α−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン類;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのアルキル置換スチレン類などが挙げられ、又、上記共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。
そして、ビニル芳香族化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックとを含むブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
又、ビニル芳香族化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックとを含むブロック共重合体の水素添加物としては、例えば、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
ゴム系樹脂がニトリル−ブタジエンゴムと熱可塑性エラストマーとの混合物である場合、ゴム系樹脂中におけるニトリル−ブタジエンゴムの含有量は、少ないと、得られる発泡シートの圧縮回復性が低下することがある一方、多いと、樹脂組成物中における結晶成分を含有する合成樹脂が20重量%以上の場合に発泡性樹脂シートの発泡性が低下することがあるので、80〜95重量%が好ましい。
又、ゴム系樹脂がニトリル−ブタジエンゴムと熱可塑性エラストマーとの混合物である場合、ゴム系樹脂中における熱可塑性エラストマーの含有量は、同様の理由で、5〜20 重量%が好ましい。
そして、樹脂組成物を構成している結晶成分を含有する合成樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
樹脂組成物中における結晶成分を含有する合成樹脂の含有量は、少ないと、得られる発泡シートの寸法安定性が低下することがある一方、多いと、発泡性樹脂シートの発泡性が低下して美麗な発泡シートを得ることができなかったり、或いは、得られる発泡シートの圧縮回復性が低下することがあるので、5〜50重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
同様の理由で、樹脂組成物中におけるゴム系樹脂の含有量は、50〜95重量%が好ましく、70〜90重量%がより好ましい。
更に、ゴム系樹脂が、ニトリル−ブタジエンゴムと、ビニル芳香族化合物の重合体ブロック及び共役ジエン化合物の重合体ブロックを含むブロック共重合体の水素添加物との混合物である場合、上記ブロック共重合体の水素添加物は、多いと、得られる発泡シートの圧縮回復性が低下することがあるので、樹脂組成物中、10重量%以下に限定され、3〜7重量%が好ましい。
又、上記熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。なお、熱分解型発泡剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、熱分解型発泡剤の量は、少ないと、発泡性樹脂シートが発泡しないことがある一方、多いと、発泡性樹脂シートが破泡する虞れがあるので、ゴム系樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましい。
更に、発泡性樹脂シートの発泡時の粘度や架橋性の調整を目的として、或いは、発泡シートの強度などの調整を目的として、発泡性樹脂シートには汎用の添加剤が添加されていてもよい。
上記添加剤としては、発泡助剤、架橋助剤、酸化防止剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤などの従来公知の添加剤を含有してもよい。具体的には、例えば、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、グアニジン類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チューラム類、ジチオカルバミン酸類、キサントゲン酸類、チオウレア類などの加硫促進剤や加硫促進助剤;無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸などの有機酸、N−ニトロソ−ジフェニルアミン、N−ニトロソ−フェニル−β−ナフチルアミンなどのアミン類などの加硫遅延剤;ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどのアクリル系樹脂;塩素化パラフィンなどのパラフィン類、ワックス類、アマニ油などの乾性油類、動植物油類、石油系オイル類や各種の低分子量樹脂類;フタル酸エステル類、リン酸エステル類、ステアリン酸やそのエステル類、アルキルスルホン酸エステル類、粘着付与剤などの軟化剤(または可塑剤);タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カーボンブラック、フュームドシリカ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉などの充填剤などが挙げられる。
上記樹脂組成物及び熱分解型発泡剤に、必要に応じて添加剤などが添加されてなる発泡性樹脂組成物を必要に応じてバンバリーミキサーや加圧ニーダなどの混練り機で混練した後、カレンダー、押出機、コンベアベルトキャスティングなどを用いて連続的に熱分解型発泡剤の分解温度未満にて溶融、混練して発泡性樹脂シートを成形する。
次に、発泡性樹脂シートを架橋させる。発泡性樹脂シートの架橋方法としては、特に限定されず、発泡性樹脂シートに電離性放射線を照射する方法、発泡性樹脂シートを架橋剤を用いて架橋する方法などが挙げられ、発泡性樹脂シートに電離性放射線を照射する方法が好ましい。
上記電離性放射線としては、特に限定されず、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられ、電子線が好ましい。発泡性樹脂シートへの電離性放射線の照射量は、少ないと、発泡性樹脂シートの架橋が不充分となって破泡を生じることがある一方、多いと、発泡性樹脂シートの架橋密度が高くなり過ぎて発泡性が低下することがあるので、0.1〜3Mradが好ましい。
又、発泡性樹脂シートを架橋剤を用いて架橋する方法としては、上記樹脂組成物及び熱分解型発泡剤に架橋剤を加えた上で溶融混練して未架橋の発泡性樹脂シートを成形し、この発泡性樹脂シートを加熱して架橋剤により架橋する方法が挙げられる。
上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物などが挙げられ、有機過酸化物が好ましい。上記有機過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメンなどが挙げられ、上記硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、一塩化硫黄、二塩化硫黄などが挙げられる。
又、架橋剤の添加量は、少ないと、発泡性樹脂シートの架橋が不充分となり発泡に適したものとならずに破泡してしまうことがある一方、多いと、発泡性樹脂シートの架橋度が上がりすぎて、発泡性樹脂シートが発泡しないことがあるので、樹脂組成物100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、0.1〜7重量部がより好ましい。
次に、発泡性樹脂シートを電離性放射線を用いて架橋した場合には、発泡性樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して熱分解型発泡剤を分解、発泡させて、偏平な気泡を有する発泡シートを製造する。
一方、発泡性樹脂シートに架橋剤を添加した場合には、発泡性樹脂シートを加熱して架橋剤によって架橋した後或いは架橋させつつ熱分解型発泡剤を分解、発泡させて発泡シートを製造する。
しかる後、発泡シートを一旦、冷却した後、加熱して溶融状態とした後、或いは、発泡工程から連続的に発泡シートを溶融状態に維持し、発泡シートにその気泡が厚み方向に偏平になるように応力を加えて発泡シートを得る。
発泡シートへの応力の付与方法としては、例えば、発泡シートの幅方向の両端部に一対の把持具を着脱自在に取り付け、把持具を互いに離間する方向に変位させることによって発泡シートをその幅方向に延伸し、発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させる方法の他に、発泡シートをその両面から厚み方向に圧縮する方向に押圧して、発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させる方法などが挙げられる。
この際、本発明の独立発泡シートでは、結晶成分を含有する合成樹脂を含有していることから、発泡シートに応力を加えて気泡を厚み方向に圧縮して偏平にした状態を結晶成分を含有する合成樹脂によって固定化させることができ、気泡の偏平化を確実に維持することができる。
発泡性樹脂シートを押出機を用いて製造した場合、この発泡性樹脂シートを発泡させて得られた発泡シートの押出方向(MD)の延伸倍率は、小さいと、気泡が充分に偏平化せず、気泡を偏平化したことの効果が得られないことがある一方、大きいと、発泡シートに亀裂が生じることがあるので、1.2〜3.8倍が好ましい。なお、発泡シートの延伸倍率とは、延伸方向における延伸後の発泡シートの寸法を、延伸方向における延伸前の発泡シートの寸法で除したものをいう。
同様に、発泡性樹脂シートを押出機を用いて製造した場合、この発泡性樹脂シートを発泡させて得られた発泡シートにおける幅方向(CD)の延伸倍率は、小さいと、気泡が充分に偏平化せず、気泡を偏平化したことの効果が得られないことがある一方、大きいと、発泡シートに亀裂が生じることがあるので、1.2〜3.8倍が好ましい。
そして、発泡性樹脂シートを押出機を用いて製造した場合において、発泡シートの気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/VDの平均気泡径)は、小さいと、気泡を偏平化したことの効果が得られないことがある一方、大きいと、気泡の偏平化の過程で発泡シートに亀裂が生じることがあるので、1.5〜15が好ましい。
又、発泡性樹脂シートを押出機を用いて製造した場合において、発泡シートの気泡のアスペクト比(CDの平均気泡径/VDの平均気泡径)は、小さいと、気泡を偏平化したことの効果が得られないことがある一方、大きいと、気泡の偏平化の過程で発泡シートに亀裂が生じることがあるので、1.5〜15が好ましい。
ここで、図1に示したように、発泡シート1のMD〔machine direction〕とは押出方向をいい、発泡シート1のCD〔crossing direction〕とは、MD(machine direction)に直交し且つ発泡シート1の表面に沿った方向をいい、発泡シート1のVD〔vertical(thickness) direction)とは、発泡シート1の表面に対して直交する方向をいう。
次に、発泡シートのMDの平均気泡径は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、発泡シートをそのCDにおける略中央部においてVDに平行な面で全長に亘って切断する。
しかる後、発泡シートの切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて60倍に拡大し、発泡シートのVDの全長が収まるように写真撮影する。
得られた写真において、発泡シートのVDの中央部に対応する部分に、写真上での長さが15cm(拡大前の実際の長さ2500μm)の直線を、発泡シート表面と平行になるように描く。
次に、上記直線上に位置する気泡数を目視により数え、下記式に基づいて気泡のMDの平均気泡径を算出する。
MDの平均気泡径(μm )=2500(μm)/気泡数(個)
又、発泡シートのVDの平均気泡径は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、発泡シートのMDの平均気泡径を算出する際の要領と同様の要領で写真撮影を行なう。
得られた写真において、写真撮影された発泡シートの切断面をMDに四分割する三本の直線を、発泡シートの表面に対して直交する方向(VD)に発泡シートの全長に亘って描く。
しかる後、各直線の長さを測定すると共に各直線上に位置する気泡数を目視により数え、下記式に基づいて各直線毎に気泡のVDの平均気泡径を算出し、これらの相加平均を気泡のVDの平均気泡径とする。
VDの平均気泡径(μm )=写真上における直線の長さ(μm)
/(60×気泡数(個))
次に、発泡シートのCDの平均気泡径は下記の要領で測定されたものをいう。即ち、発泡シートをそのCDに平行で且つ発泡シートの表面に対して直交する方向(VD)に平行な面で厚み方向の全長に亘って切断する。
しかる後、発泡シートの切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて60倍に拡大し、発泡シートの厚み方向の全長が収まるように写真撮影する。
そして、得られた写真に基づいて、発泡シートのMDの平均気泡径を測定した時と同様の要領で、CDの平均気泡径を算出する。
なお、上述の平均気泡径を測定する要領において、直線上に位置する気泡数を数えるにあたっては、写真上に表れた気泡断面のみに基づいて気泡径を判断する。
即ち、気泡同士は、発泡シートの切断面においては気泡壁によって互いに完全に分離しているように見えても、発泡シートの切断面以外の部分において互いに連通しているような場合もあるが、本発明においては、発泡シートの切断面以外の部分において互いに連通しているか否かについて考慮せず、写真上に表れた気泡壁断面のみに基づいて気泡形態を判断し、写真上に表れた気泡壁断面により完全に囲まれた一個の空隙部分を一個の気泡として判断する。
そして、直線上に位置するとは、直線が気泡を該気泡の任意の部分において完全に貫通している場合をいい、又、直線の両端部においては、直線が気泡を完全に貫通することなく直線の端部が気泡内に位置した状態となっているような場合には、この気泡を0.5個として数えた。
なお、発泡シートの切断面を写真撮影する際、発泡シートの切断面を着色すると気泡の判別が容易になると共に、2500μmの目盛りを一緒に拡大して写真撮影しておくと、写真上における直線長さを特定し易くなる。
本発明の発泡シートは、その気泡が全て独立気泡である必要はなく、気泡の一部に連続気泡が含まれていてもよく、具体的には、発泡シートの独立気泡率は、低いと、発泡シートの気泡間が連通して塵や湿気が透過し易くなり、発泡シートの防塵性、防湿性が低下することがあるので、80〜100%が好ましく、85〜100%がより好ましい。
なお、上記発泡シートの独立気泡率の測定方法としては、先ず、発泡シートから一辺5cmの平面正方形状で且つ一定厚みの試験片を切り出す。続いて、上記試験片の重量W1を測定し、更に、試験片の厚みを測定して試験片の見掛け体積V1を算出する。
次に、上記のようにして得られた値を下記式(1)に代入し、気泡の占める見掛け体積V2を算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度はρg/cm3とする。
気泡の占める見掛け体積V2=V1−W1/ρ ・・・式(1)
続いて、上記試験片を23℃の蒸留水中に、試験片の上面から水面までの距離が100mmになるように沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。しかる後、試験片を蒸留水中から取り出して、試験片の表面に付着した水分を除去して試験片の重量W2を測定し、下記式(2)に基づいて連続気泡率F1を算出して、この連続気泡率F1から独立気泡率F2を求める。
連続気泡率F1(%)=100×(W2−W1)/V2 ・・・式(2)
独立気泡率F2(%)=100−F1 ・・・式(3)
そして、発泡シートの見掛け密度は、小さいと、発泡シートが脆く、強度が保てなくなり、ガスケットとして用いた際には、長期シール性が低下することがある一方、高いと、発泡シートが硬く、圧縮柔軟性が低下し、圧縮時の反発力が大きくなり、又、作業性が悪くなり、シール材として用いた際に、構造物などの被シール部材が変形したり、或いは、被シール部材の変形により被シール部分の隙間が拡大したりすることがあるので、30〜200kg/m3が好ましい。なお、発泡シートの見掛け密度は、JIS K7222に基づいて測定されたものをいう。
又、発泡シートにおけるJIS K6767に準拠する方法で測定した50%圧縮応力は、高いと、発泡シートの柔軟性が不充分となり、ガスケットとして用いた際には、被シール部材の形状に充分に追随することができず、被シール部位との間に隙間が生じ、シール不良の原因となるので、100kPa以下が好ましく、20〜100kPaがより好ましい。
更に、発泡シートの圧縮永久歪みは、高いと、発泡シートが形状回復性に劣るものとなり、ガスケットとして用いた際には、長期止水性が低下することがあるので、60%以下が好ましく、0〜40%がより好ましい。なお、発泡シートの圧縮永久歪みは、JIS K6262に準拠して温度70℃、圧縮割合50%、圧縮時間22時間の条件下にて圧縮を行い、圧縮力を除去してから24時間後に測定した値をいう。
そして、発泡シートの厚みは、特に、電気、エレクトロニクス、車輌などの分野においてガスケットとして用いられる場合、狭小な空間を埋める場合が多く、そのため、ガスケットとしては薄肉であることが必要とされ、0.1〜2mmが好ましく、0.1〜1mmがより好ましい。
更に、上記発泡シートは、ゴム系樹脂を含有していることから粘着性を有しており、発泡シートをロール状に巻回した際に内外方向に互いに隣接する発泡シート同士がブロッキングを生じることがあるので、発泡シートの少なくとも一面に、粘着性を有しない合成樹脂層を積層一体化させて積層発泡シートとしてもよい。
上述の積層発泡シートを製造する方法としては、上述の発泡シートの製造方法において、発泡性樹脂シートの一面に合成樹脂層を積層一体化して発泡性積層シートを製造し、この発泡性積層シートを同様の要領で架橋、発泡させ、発泡性積層シートの発泡性樹脂シートを発泡させてなる発泡シートの一面に合成樹脂層が積層一体化されてなる積層発泡シートを製造すればよく、即ち、発泡性樹脂シートの代わりに発泡性積層シートを用いればよい。
発泡性樹脂シートの一面に合成樹脂層を積層一体化する方法としては、発泡性樹脂シートの一面に、別途用意した合成樹脂シートを熱融着一体化する方法、発泡性樹脂シートの一面に合成樹脂シートを押出ラミネートすることによって積層一体化する方法、共押出によって発泡性樹脂シートの一面に合成樹脂層を積層一体化する方法などが挙げられる。なお、合成樹脂シートは、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー成形法、溶液流延法などの汎用の方法によって製造することができる。
上記合成樹脂層(合成樹脂シート)を構成する合成樹脂としては、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましく、融点が130℃以下であるポリエチレン系樹脂が特に好ましい。なお、合成樹脂は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。合成樹脂の融点とは、JIS K7172に準拠して測定されたものをいう。
なお、プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。
又、発泡性積層シートにおける合成樹脂層の厚みは、薄いと、積層発泡シートにおける合成樹脂層の厚みが薄くなりすぎて、ブロッキング防止効果が低下することがある一方、厚いと、得られる積層発泡シートの柔軟性が低下することがあるので、5〜50μmが好ましい。
上述では、発泡性樹脂シート又は発泡性積層シートを架橋するにあたって、電離性放射線又は架橋剤の何れかを用いた場合を説明したが、電離性放射線及び架橋剤を併用してもよい。この場合には、先ず、架橋剤を含有する発泡性樹脂シート又は発泡性積層シートを作製し、この発泡性樹脂シート又は発泡性積層シートに電離性放射線を照射して架橋させた後、発泡性樹脂シート又は発泡性積層シートを架橋剤が分解しない温度に加熱して発泡させて発泡シート又は積層発泡シートを製造する。
従って、熱分解型発泡剤の分解温度にて分解しない架橋剤を選択する必要があり、1分半減期温度が熱分解型発泡剤の分解温度よりも高い架橋剤を選択することが好ましい。なお、熱分解型発泡剤の分解温度は、技術情報協会から発行されている「各種高分子の発泡成形技術」の第98〜99頁に記載された熱分解型発泡剤の分解温度である。
このように、電離性放射線による架橋と、架橋剤による架橋とを併用することによって、発泡性樹脂シート又は発泡性積層シートを電離性放射線によって架橋し発泡に適した溶融粘度とし、発泡性樹脂シート又は発泡性積層シートの発泡性を向上させた上で発泡させて発泡シート又は積層発泡シートを製造し、この発泡シート又は積層発泡シートを更に架橋剤によって架橋させることができるので、発泡性樹脂シート又は発泡性積層シートを発泡に適した溶融粘度となるように容易に調整することができると共に、発泡シート又は積層発泡シートを更に架橋剤によって架橋しているので塑性変形する成分量を減少させて、圧縮永久歪みに優れたものとすることができる。
更に、上記発泡シート及び積層発泡シートの一面に粘着剤層を積層一体化させてもよい。粘着剤としては、特に限定されず、例えば、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが挙げられ、優れた密着性と再剥離性を有しているので、ウレタン系粘着剤が好ましい。
そして、積層発泡シートを構成している発泡シートの見掛け密度は、小さいと、発泡シートが脆く、強度が保てなくなり、ガスケットとして用いた際には、長期シール性が低下することがある一方、高いと、発泡シートが硬く、圧縮柔軟性が低下し、圧縮時の反発力が大きくなり、又、作業性が悪くなり、シール材として用いた際に、構造物などの被シール部材が変形したり、或いは、被シール部材の変形により被シール部分の隙間が拡大したりすることがあるので、30〜200kg/m3が好ましい。なお、発泡シートの見掛け密度は、積層発泡シートから合成樹脂層を除去した上で、JIS K7222に基づいて測定されたものをいう。
又、積層発泡シートにおけるJIS K6767に準拠する方法で測定した50%圧縮応力は、高いと、発泡シートの柔軟性が不充分となり、ガスケットとして用いた際には、被シール部材の形状に充分に追随することができず、被シール部位との間に隙間が生じ、シール不良の原因となるので、100kPa以下が好ましく、20〜100kPaがより好ましい。
更に、積層発泡シートの圧縮永久歪みは、高いと、発泡シートが形状回復性に劣るものとなり、ガスケットとして用いた際には、長期止水性が低下することがあるので、40%以下が好ましく、0〜30%がより好ましい。なお、発泡シートの圧縮永久歪みは、JIS K6262に準拠して温度70℃、圧縮割合50%、圧縮時間22時間の条件下にて圧縮を行い、圧縮力を除去してから24時間後に測定した値をいう。
そして、積層発泡シートの厚みは、特に、電気、エレクトロニクス、車輌などの分野においてガスケットとして用いられる場合、狭小な空間を埋める場合が多く、そのため、ガスケットとしては薄肉であることが必要とされ、0.1〜2mmが好ましく、0.1〜1mmがより好ましい。
本発明の発泡シートの製造方法は、発泡性樹脂シートを構成する樹脂として、結晶成分を含有する合成樹脂及びゴム系樹脂を含む樹脂組成物を用いていることから、発泡シートに応力を加えて厚み方向に偏平化した気泡形状を結晶成分を有する合成樹脂によって確実に固定しておくことができ、その結果、得られる発泡シートは、気泡が厚み方向に偏平化しているので圧縮柔軟性に優れていると共に、長時間に亘って優れた反発力を維持し、高性能のガスケットとして、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車両などの分野において広く用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR:密度0.96g/cm3)90重量部及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、プライムポリマー社製 商品名「モアテック0278G」、MFR:2.1g/10分、密度:939kg/m3)10量部からなる樹脂組成物、並びに、アゾジカルボンアミド(ADCA、大塚化学社製 商品名「SO−L」)8重量部を押出機に供給して130℃にて溶融混練して長尺状の一定幅を有する発泡性樹脂シートを押出した。
次に、発泡性樹脂シートの両面に電子線を加速電圧500keVにて0.8Mrad照射して、発泡性樹脂シートを架橋させた。そして、発泡性樹脂シートを発泡炉に供給して240℃に加熱することによりアゾジカルボンアミドを分解させて発泡性樹脂シートを発泡させた後に冷却することによって、見掛け密度100kg/m3、厚さ1.0mmの長尺状の一定幅を有する発泡シートを得た。
そして、上記長尺状の発泡シートを130℃に加熱して溶融状態とした上で、発泡シートの幅方向の両端部のそれぞれに把持具を固定し、これらの把持具を互いに離間する方向に変位させることによって、発泡シートをその幅方向に2倍に延伸して、発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させた後に冷却して、見掛け密度100kg/m、厚さ0.5mmの長尺状の発泡シートを得た。
(実施例2)
実施例1と同様の要領で発泡性樹脂シートを作製し、この発泡性樹脂シートを実施例1と同様の要領で架橋した。次に、発泡性樹脂シートを発泡炉に供給して240℃に加熱することによりアゾジカルボンアミドを分解させて発泡性樹脂シートを発泡させながら、この発泡性樹脂シート及びこの発泡性樹脂シートを発泡させて得られる溶融状態の発泡シートをその押出方向(MD)に3.2倍及び幅方向(CD)に3.2倍に延伸して、発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させた後に冷却して、見掛け密度100kg/m、厚さ0.5mmの長尺状の発泡シートを得た。
なお、発泡性樹脂シート及びこの発泡性樹脂シートを発泡させて得られる溶融状態の発泡シートの押出方向の延伸は、発泡性樹脂シートの発泡炉への供給速度よりも発泡炉からの排出速度を3.2倍にすることによって行なう一方、発泡性樹脂シート及びこの発泡性樹脂シートを発泡させて得られる溶融状態の発泡シートの幅方向の延伸は、発泡性樹脂シート及びこの発泡性樹脂シートを発泡させて得られる溶融状態の発泡シートの幅方向の両端部のそれぞれに把持具を固定し、これらの把持具を互いに離間する方向に変位させることによって行なった。
(実施例3)
ニトリル−ブタジエンゴムを90重量部の代わりに70重量部とし、直鎖状低密度ポリエチレンを10重量部の代わりに30重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、見掛け密度105kg/m3、厚さ0.5mmの発泡シートを得た。
(実施例4)
ニトリル−ブタジエンゴムを90重量部の代わりに50重量部とし、直鎖状低密度ポリエチレンを10重量部の代わりに50重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、見掛け密度115kg/m3、厚さ0.5mmの発泡シートを得た。
(実施例5)
樹脂組成物として、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR:密度0.96g/cm3)62重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、プライムポリマー社製 商品名「モアテック0278G」、MFR:2.1g/10分、密度:939kg/m3)30量部、及び、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、クラレ製「セプトンS2063」密度:939kg/m3)8重量部からなるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、見掛け密度95kg/m3、厚さ0.5mmの発泡シートを得た。
(実施例6)
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR:密度0.96g/cm3)90重量部及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、プライムポリマー社製 商品名「モアテック0278G」、MFR:2.1g/10分、密度:939kg/m3)10量部からなる樹脂組成物、並びに、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製「SO−L」)8重量部を押出機に供給して ℃にて溶融混練して長尺状の発泡性樹脂シートを押出すと同時に、この発泡性樹脂シートの一面に、厚みが40μmの高密度ポリエチレンシート(タマポリ株式会社製 商品名「HD」、軟化点:125℃)を押出ラミネートして一定幅を有する発泡性積層シートを製造した。
次に、発泡性積層シートの両面に電子線を加速電圧500keVにて0.8Mrad照射して、発泡性樹脂シートを架橋させた。そして、発泡性樹脂シートを発泡炉に供給して240℃に加熱することによりアゾジカルボンアミドを分解させて発泡性樹脂シートを発泡させた後に冷却することによって、発泡性樹脂シートを発泡させてなる発泡シートの一面に高密度ポリエチレン層が積層一体化してなる長尺状の一定幅を有する積層発泡シートを得た。なお、積層発泡シートは、その見掛け密度が100kg/m3、厚さが1.0mmであった。
そして、上記長尺状の積層発泡シートを130℃に加熱して溶融状態とした上で、積層発泡シートにおける幅方向の両端部のそれぞれに把持具を固定し、これらの把持具を互いに離間する方向に変位させることによって、積層発泡シートをその幅方向に2倍に延伸して、発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させた後に冷却して長尺状の積層発泡シートを得た。なお、積層発泡シートは、その発泡シートの見掛け密度が100kg/m3、発泡シートの厚みが0.496mm、高密度ポリエチレン層の厚みが0.004mm、全体の厚みが0.5mmであった。
そして、積層発泡シートをその高密度ポリエチレン層を外側にして渦巻き状に巻回して30日間に亘って放置したところ、ブロッキングは発生していなかった。
(実施例7)
実施例6と同様の要領で発泡性積層シートを作製し、この発泡性積層シートを実施例1と同様の要領で架橋した。次に、発泡性積層シートを発泡炉に供給して240℃に加熱することによりアゾジカルボンアミドを分解させて発泡性積層シートを発泡させながら、この発泡性積層シート及びこれを発泡させて得られる積層発泡シートをその押出方向(MD)に3.2倍及び幅方向(CD)に3.2倍に延伸して、発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させた後に冷却して長尺状の積層発泡シートを得た。なお、積層発泡シートは、その発泡シートの見掛け密度が100kg/m3、発泡シートの厚みが0.496mm、発泡シートの両面に積層一体化させた各高密度ポリエチレン層の厚みが0.004mm、全体の厚みが0.5mmであった。
なお、発泡性積層シート及びこれを発泡させて得られる積層発泡シートの押出方向の延伸は、発泡性積層シートの発泡炉への供給速度よりも発泡炉からの排出速度を3.2倍にすることによって行なう一方、発泡性積層シート及びこれを発泡させて得られる積層発泡シートの幅方向の延伸は、発泡性積層シート及びこれを発泡させて得られる積層発泡シートの幅方向の両端部のそれぞれに把持具を固定し、これらの把持具を互いに離間する方向に変位させることによって行なった。
そして、積層発泡シートをその高密度ポリエチレン層を外側にして渦巻き状に巻回して30日間に亘って放置したところ、ブロッキングは発生していなかった。
(比較例1)
ニトリル−ブタジエンゴムを90重量部の代わりに100重量部とし、直鎖状低密度ポリエチレンを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造しようとしたが、寸法安定性が悪く美麗な発泡シートが得られなかった。
得られた発泡シート及び積層発泡シートにおける圧縮永久歪みを上述の要領で、50%圧縮応力をJIS K6767に準拠して測定し、その結果を表1に示した。
又、得られた発泡シート、及び、積層発泡シートを構成している発泡シートにおける気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/VDの平均気泡径)及びアスペクト比(CDの平均気泡径/VDの平均気泡径)を上述の要領で測定した。
なお、表1では、発泡シートにおける気泡のアスペクト比(MDの平均気泡径/VDの平均気泡径)及びアスペクト比(CDの平均気泡径/VDの平均気泡径)をそれぞれアスペクト比(MD/VD)及びアスペクト比(CD/VD)と表記した。
更に、得られた発泡シート、及び、積層発泡シートを構成している発泡シートの独立気泡率を上述の要領で測定した。なお、積層発泡シートを構成している発泡シートの独立気泡率は、発泡シートの一面に積層一体化されている合成樹脂層を除去した上で測定した。
Figure 0005081654
発泡シートのMD、CD及びVDを示した模式図である。
符号の説明
1 発泡シート

Claims (8)

  1. 結晶成分を含有する合成樹脂及びゴム系樹脂としてニトリル−ブタジエンゴムを含む樹脂組成物、並びに、熱分解型発泡剤を溶融混練して発泡性樹脂シートを成形し、この発泡性樹脂シートを架橋、発泡させて発泡シートを製造した後、この発泡シートに溶融状態にて上記発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させるための応力を加えることを特徴とする発泡シートの製造方法。
  2. 結晶成分を含有する合成樹脂及びゴム系樹脂を含む樹脂組成物、並びに、熱分解型発泡剤を溶融混練して発泡性樹脂シートを成形し、この発泡性樹脂シートを架橋、発泡させて発泡シートを製造した後、この発泡シートに溶融状態にて上記発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させるための応力を加える発泡シートの製造方法において、
    上記ゴム系樹脂が、ニトリル−ブタジエンゴムと、ビニル芳香族化合物の重合体ブロック及び共役ジエン化合物の重合体ブロックを含むブロック共重合体の水素添加物とを含み、上記樹脂組成物中に上記ブロック共重合体の水素添加物を10重量%以下含有していることを特徴とする発泡シートの製造方法。
  3. 発泡シートをその幅方向若しくは押出方向に延伸し、又は、発泡シートをその厚み方向に圧縮することによって、上記発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化することを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡シートの製造方法。
  4. 樹脂組成物が、ゴム系樹脂50〜95重量%及び結晶成分を含有する合成樹脂5〜50重量%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡シートの製造方法。
  5. 結晶成分を含有する合成樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡シートの製造方法。
  6. 結晶成分を含有する合成樹脂及びゴム系樹脂としてニトリル−ブタジエンゴムを含む樹脂組成物、並びに、熱分解型発泡剤を溶融混練して発泡性樹脂シートを成形し、この発泡性樹脂シートの一面に合成樹脂層を積層一体化して発泡性積層シートを製造した後にこの発泡性積層シートを架橋、発泡させて積層発泡シートを製造した後、この積層発泡シートに溶融状態にて上記積層発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させるための応力を加えることを特徴とする積層発泡シートの製造方法。
  7. 結晶成分を含有する合成樹脂及びゴム系樹脂を含む樹脂組成物、並びに、熱分解型発泡剤を溶融混練して発泡性樹脂シートを成形し、この発泡性樹脂シートの一面に合成樹脂層を積層一体化して発泡性積層シートを製造した後にこの発泡性積層シートを架橋、発泡させて積層発泡シートを製造した後、この積層発泡シートに溶融状態にて上記積層発泡シートの気泡を厚み方向に偏平化させるための応力を加える積層発泡シートの製造方法において、
    上記ゴム系樹脂が、ニトリル−ブタジエンゴムと、ビニル芳香族化合物の重合体ブロック及び共役ジエン化合物の重合体ブロックを含むブロック共重合体の水素添加物とを含み、上記樹脂組成物中に上記ブロック共重合体の水素添加物を10重量%以下含有していることを特徴とする発泡シートの製造方法。
  8. 合成樹脂層がポリオレフィン系樹脂層であることを特徴とする請求項6又は7に記載の積層発泡シートの製造方法。
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