JP6049823B2 - 導電被覆発泡シート - Google Patents
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Description
上記発泡シートは、複数の独立気泡を有する独立気泡発泡体である。独立気泡発泡体とは、気泡が単数又は2〜3程度の複数の気泡の複合体により形成されている発泡体である。例えば、独立気泡発泡体を特定条件下で水中に沈めたときに、吸水率は5%以下である(MIL−R6130C)。
上記の工程(1)では、樹脂、熱分解型発泡剤等の添加剤、及びその他任意成分を、単軸押出機又は二軸押出機等の押出機等に供給して、熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融、混練して、押出成形等により押し出してシート形状の発泡体組成物を得る。
上記樹脂としては、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリスチレン、ポリウレタン等が挙げられる。上記樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記熱分解型発泡剤は、例えば、樹脂の溶融温度より高い分解温度を有する熱分解型発泡剤であることが好ましい。例えば、分解温度が160〜270℃の化学発泡剤を用いることが好ましい。上記化学発泡剤は、有機系発泡剤であってもよく、無機系発泡剤であってもよい。上記熱分解型発泡剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記熱分解型発泡剤以外の添加剤を用いてもよい。上記熱分解型発泡剤以外の添加剤としては、分解温度調節剤、酸化防止剤、気泡核剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、及び充填材等が挙げられる。
上記の工程(2)では、シート形状の発泡体組成物を、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる。通常、工程(2)は、上記工程(1)の後に実施する。
上記の工程(3)では、例えば、シート形状の発泡体組成物を、得られる発泡シートの内部の気泡が扁平な形状となるように延伸する。好ましくは、押出成形時の流れ方向に延伸する。延伸は、シート形状の発泡体組成物を発泡させた後に行ってもよいし、シート形状の発泡体組成物を発泡させつつ、行ってもよい。延伸は、例えば一軸延伸機及び二軸延伸機等の公知の装置で行うことができる。
金属蒸着、スパッタリング、メッキ、又は銀ペーストなどの金属ペーストの塗工等の手法により、上記発泡シートの表面を金属コートすることにより、金属膜である導電被膜を形成することができる。導電被膜は、上記のような方法で形成された金属膜に限定されず、織布、編布又は不織布等の布状物の表面が金属コートされた被覆体や、金属ネット、合成樹脂製のネットの表面が金属コートされた被覆体、合成樹脂フィルムの表面が金属コートされた被覆体であってもよい。
上記導電性粘着剤層は、導電性粘着剤により形成されている。上記導電性粘着剤としては、特に限定されないが、導電性フィラーを配合した粘着剤(導電性フィラーを含む粘着剤)を好適に用いることができる。
上記導電性支持体層は、塑性変形し得る導電材料により形成されていることが好ましい。上記塑性変形し得る導電材料として、例えば、銅箔、及びアルミニウム箔等の金属箔を用いることができる。上記導電性支持体層が設けられている場合、不陸な下地の上に導電被覆発泡シートを配置した際に、導電性支持体層が下地の凹凸に沿った形状に塑性変形する。塑性変形した導電性支持体層の凹凸は、発泡シートのクッション性によって吸収されるため、導電被覆発泡シートの上面を平らにすることができる。したがって、導電性支持体層に余分な応力をため込まずに導電被覆発泡シートを配置できる。これにより、下地に凹凸があったとしても、導電被覆発泡シートと導通を図りたい被着体との接触面積の減少を防ぐことができ、導電性及び耐久性がより一層効果的に高くなる。
上記導電層の材料として、導電被膜の材料と同様の導電性を有する材料が挙げられる。上記導電層は、導電性フィラーを含む粘着剤層であってもよい。
発泡シートの作製:
ポリエチレン樹脂を押出発泡成形することにより、複数の独立気泡を有し、かつ厚みが0.08mmである発泡シートを得た。得られた発泡シートでは、独立気泡の平均アスペクト比は1.5であり、独立気泡の長さ方向を平均した方向が、発泡シートの厚み方向と直交する方向に対して、30°以下(具体的には15°以下)で傾斜した方向であり、発泡シートの押出成形時の流れ方向(発泡シートの長さ方向)における独立気泡の平均径の発泡シートの厚み方向における独立気泡の平均径に対する比が1.5であり、発泡シートの幅方向における独立気泡の平均径の発泡シートの厚み方向における独立気泡の平均径に対する比が1.05であった。また、得られた発泡シートを長さ100mm、幅5mmの大きさに切断した。
得られた発泡シートの表面全体に、金属蒸着樹脂フィルム(厚み16μmのPETフィルムの表面にニッケル下地層0.02μm、銅表面層0.6μmを蒸着したフィルム)を両面粘着テープ(PETフィルムを基材とする)を介して貼りつけることにより、導電被膜の厚みが0.62μmである導電被膜を形成して、導電被膜を有する発泡シートを得た。
導電性支持体層として、厚みが48μmである銅箔を用意した。アクリル系粘着剤に、導電性フィラーを配合し、導電性粘着剤を得た。得られた導電性粘着剤を用いて、銅箔の第1の表面に厚みが18μmである第1の導電性粘着剤層を形成し、銅箔の第2の表面に厚みが18μmである第2の導電性粘着剤層を形成して、導電性粘着剤層付き導電性支持体層を得た。得られた導電被膜を有する発泡シートの第1の表面に、導電性粘着剤層付き導電性支持体層を積層して、導電被覆発泡シートを得た。実施例1では、導電被覆発泡シートの全体の厚みは、0.3mmであった。
導電被膜に、スリット装置を用いて、導電被膜を有する発泡シートの幅方向の両側面に、導電被膜に等間隔に厚み方向(上下方向)に延びるスリットを入れ、導電被膜を有する発泡シートを長さ方向に5mm間隔で切断して長さ5mm、幅5mmの切断片とし、切断片の両側面に左右対称に側面を3分割するように片面2本のスリットを形成したこと以外は実施例1と同様にして、導電被覆発泡シートを得た。なお、スリットは、導電被膜を切断する切断部と、発泡シートに切り込みを形成している切り込み部とを有していた。
導電被膜を有する発泡シートの作製において、導電被膜をスッパッタリング法により形成したこと、導電被膜の材料として銀を用いたこと、並びに得られる導電被覆発泡シートの全体の厚みが0.2mmとなるように両面粘着テープの厚みと発泡シートの厚みとを変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電被膜を有する発泡シートを得た。得られた導電被膜を有する発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電被覆発泡シートを得た。
導電被膜に、スリット装置を用いて、導電被膜を有する発泡シートの幅方向の両側面に、導電被膜に等間隔に厚み方向(上下方向)に延びるスリットを入れ、導電被膜を有する発泡シートを長さ方向に5mm間隔で切断して長さ5mm、幅5mmの切断片とし、切断片の両側面に左右対称に側面を3分割するように片面2本のスリットを形成したこと以外は実施例3と同様にして、導電被覆発泡シートを得た。なお、スリットは、導電被膜を切断する切断部と、発泡シートに切り込みを形成している切り込み部とを有していた。
導電被膜を有する発泡シートの作製において、導電被膜をメッキ法により形成したこと以外は実施例1と同様にして、導電被膜を有する発泡シートを得た。得られた導電被膜を有する発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電被覆発泡シートを得た。
導電被膜に、スリット装置を用いて、導電被膜を有する発泡シートの幅方向の両側面に、導電被膜に等間隔に厚み方向(上下方向)に延びるスリットを入れ、導電被膜を有する発泡シートを長さ方向に5mm間隔で切断して長さ5mm、幅5mmの切断片とし、切断片の両側面に左右対称に側面を3分割するように片面2本のスリットを形成したこと以外は実施例5と同様にして、導電被覆発泡シートを得た。なお、スリットは、導電被膜を切断する切断部と、発泡シートに切り込みを形成している切り込み部とを有していた。
独立気泡ではない連続気泡を有し、かつ厚みが0.15mmである発泡シート(ロジャースイノアック社製、ポロンSR−S−70P)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電被覆発泡シートを得た。比較例でも、導電被覆発泡シートの全体の厚みは、0.3mmであった。
(1)亀裂の評価
実施例1,2で得られた5個の導電被覆発泡シートについて次の試験を行い、亀裂が生じるか観察した。なお、評価した5個の導電被覆発泡シートのすべてに亀裂が生じた場合を再現性のある結果と判断し、「亀裂が生じた」と結論づけた。なお、亀裂の評価は、動的疲労試験機を用いて、実施例1,2で得られた導電被覆発泡シートの厚み方向に加圧と除圧を繰り返し、厚み方向に繰り返し圧縮回復させた。100万回繰り返し圧縮回復させた後に、導電被膜に亀裂が形成されているか否かを評価した。
長さ5mm及び幅5mmの大きさに切りだした実施例1及び比較例の導電被覆発泡シートの上面と下面(表面に導電性粘着剤層がある場合は導電性粘着剤層の表面)に銅製の電極を接触させ銅製の電極で導電被覆発泡シートの上面と下面を挟みつけ、上側の銅製の電極から荷重をかけて導電被覆発泡シートを圧縮して上下の電極の間隔を調整した。上側の電極に加える荷重を変えることにより上下の電極の間隔を表1〜4に記載のとおり変えて、電気抵抗率及び所定の間隔に調整するために要した荷重量を測定した。これにより、導通性(電気抵抗)及び耐衝撃性(反発力)を評価した。
2…発泡シート
2A…独立気泡
2a…第1の表面
2b…第2の表面
2c…側面
3…導電被膜
3A…第1のスリット
3B…第2のスリット
3a…第1の表面
3b…第2の表面
4…第1の導電性粘着剤層
5…導電性支持体層
6…第2の導電性粘着剤層
11…導電被覆発泡シート
12…導電層又は絶縁層
21…導電被覆発泡シート
22…導電層又は絶縁層
Claims (4)
- グランディング用導通材に用いられ、
独立気泡を複数有する発泡シートと、
前記発泡シートの表面を被覆している導電被膜と、
第1の導電性粘着剤層、導電性粘着剤層を除く導電層、又は絶縁層とを備え、
導電被膜により被覆された発泡シートが、前記発泡シートと前記導電被膜とを有し、
前記第1の導電性粘着剤層、導電性粘着剤層を除く前記導電層、又は前記絶縁層が、前記導電被膜により被覆された発泡シートの一方の表面に配置されており、
前記導電被膜により被覆された発泡シートにおける前記導電被膜の前記発泡シート側と反対側の表面に前記第1の導電性粘着剤層、導電性粘着剤層を除く前記導電層、又は前記絶縁層が配置されており、
前記発泡シートの厚みが1mm以下であり、
前記独立気泡の長さ方向を平均した方向が、前記発泡シートの厚み方向と直交する方向と平行であるか、又は、前記発泡シートの厚み方向と直交する方向に対して、30°以下で傾斜した方向であり、
前記独立気泡の平均アスペクト比が1.2以上、5以下であり、
前記導電被膜が、前記発泡シートの少なくとも1つの側面を被覆しており、
前記発泡シートの側面を被覆する導電被膜が、前記発泡シートの厚み方向に延びるスリットを有し、前記発泡シートが、前記導電被膜の前記スリットに連なるスリットを有する、導電被覆発泡シート。 - 前記第1の導電性粘着剤層、導電性粘着剤層を除く前記導電層、又は前記絶縁層が、前記第1の導電性粘着剤層であり、
前記第1の導電性粘着剤層の前記導電被膜側とは反対側の表面に配置されている導電性支持体層と、
前記導電性支持体層の前記第1の導電性粘着剤層側とは反対側の表面に配置されている第2の導電性粘着剤層とを備える、請求項1に記載の導電被覆発泡シート。 - 前記導電被膜により被覆された発泡シートを2つ備え、
前記第1の導電性粘着剤層、導電性粘着剤層を除く前記導電層、又は前記絶縁層が、導電性粘着剤層を除く前記導電層、又は前記絶縁層であり、
2つの前記導電被膜により被覆された発泡シートの間に、導電性粘着剤層を除く前記導電層又は前記絶縁層を備える、請求項1に記載の導電被覆発泡シート。 - 導電性粘着剤層を除く前記導電層又は前記絶縁層が、前記絶縁層である、請求項3に記載の導電被覆発泡シート。
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