JP2010031137A - 独立気泡発泡シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、長期間に亘って優れたシール性を発揮する独立気泡発泡シートを提供する。
【解決手段】 本発明の独立気泡発泡シートは、ゴム系樹脂を含有する独立気泡発泡シートであって、この独立気泡発泡シートの表面と上記独立気泡発泡シートの表面から厚み方向に0.8mm入った位置との間にある部分からなる表面層のゲル分率が85〜95重量%であると共に、上記表面層を除いた残余部分のゲル分率が50重量%以上で且つ85重量%未満であり、厚みが2mm以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、優れた止水性を有する独立気泡発泡シートに関する。
現在、土木・建築、電気・エレクトロニクス、車輌などの各種分野におけるシール材として、発泡シートが広く使用されている。このようなシール材に供される発泡シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などからなる熱可塑性樹脂発泡シートや、合成ゴム又は天然ゴムからなるゴム発泡シートなどが挙げられる。
上記シール材の中でも止水シール材は、建築物、電気機器、車輌などの各種構造物の間隙を埋めて水の浸入を防止するのに使用されている。上記止水シール材は、圧縮された状態で被シール部分(止水対象となる構造部材)に配置され、その圧縮状態から形状回復しようとする反発応力によって、被シール部分の界面に隙間なく密着するように構成されている。
ここで、止水シール材の圧縮柔軟性が低いと、止水シール材の反発応力が強くなり過ぎて、被シール部分が変形するという問題が生じた。又、上記被シール部分の変形により構造物の間隙が拡大されて、止水シール材の被シール部分への密着性(以下、「シール性」という)が低下するため、止水性が不十分になるという問題も生じた。
そこで、上記止水シール材としては、圧縮柔軟性に優れた連続気泡発泡シートが使用されている。しかしながら、上記連続気泡発泡シートは、気泡間が連通してなり、水が発泡体内を透過し易いため、止水性に劣るという問題があった。又、連続気泡発泡シートが水との接触により吸水膨潤してシール性が向上されるものである場合、連続気泡発泡体は、十分に吸水するまでシール性が充分ではなく、シール性が十分に発揮される前に水を透過させてしまうことがあった。
又、上記止水シール材としては、止水性の向上に寄与する独立気泡と、圧縮柔軟性の向上に寄与する連続気泡の双方を有する発泡体が用いられており、例えば、特許文献1には、独立気泡と連続気泡の両方を有する気泡皮膜に吸水膨潤性を持たせた発泡構造体であって、長さ1cm当たりの気泡数が8個以上である定型シール材が開示されている。
しかしながら、上記定型シール材は、長期間の使用により反発応力が低下するため、シール性が低下して止水性が不十分になるという問題があった。
そこで、独立気泡を有する発泡構造体からなり、被シール部材との界面密着性に優れる独立気泡発泡シート、及びそれを用いた高性能の止水シール材が提案されている。
しかしながら、このような独立気泡発泡シートは、ゴム系樹脂及び発泡剤を含有する発泡性樹脂組成物に電離性放射線による架橋処理を施した後、発泡処理を施すことにより得られる。そのため、発泡性樹脂組成物の架橋度を高く設計すると、得られた発泡ゴムシートが時間の経過に伴って収縮したり、加熱による収縮が起こりやすくなるという問題があった。
特開平9−111899号公報 WO2007/072885
本発明は、時間の経過や加熱に伴って収縮せず、優れたシール性を発揮することができる独立気泡発泡シートを提供する。
本発明のシール材は、ゴム系樹脂を含有する独立気泡発泡シートであって、この独立気泡発泡シートの表面と上記独立気泡発泡シートの表面から厚み方向に0.8mmの深さ位置との間にある部分からなる表面層のゲル分率が85〜95重量%であると共に、上記表面層を除いた残余部分のゲル分率が50重量%以上で且つ85重量%未満であり、厚みが2mm以上であることを特徴とする。
ゴム系樹脂としては、室温でゴム弾性(rubber elasticity)を有するものであれば、特に限定されず、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、カルボキシル化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(XNBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム(NBIR)、アクリロニトリル−イソプレンゴム(NIR)、及び、アクリロニトリルとブタジエンと老化防止機能などを有する機能性モノマーとの三元共重合体などのアクリロニトリル系ゴム、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴムなどが挙げられ、シール性、圧縮柔軟性、耐久性及び耐油性に優れた独立気泡発泡シートが得られることから、アクリロニトリル系ゴムが好ましく、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)がより好ましい。上記室温でゴム弾性を有するゴム系樹脂は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
ゴム系樹脂中におけるアクリロニトリル−ブタジエンゴムの含有量は、少ないと、アクリル板や鋼板などへの密着性が低下して、独立気泡発泡シートの止水性が低下することがあるので、30重量%以上が好ましく、50〜100重量%がより好ましい。
又、アクリロニトリル−ブタジエンゴム中におけるアクリロニトリル成分の含有量は、少ないと、被着体に対する付着力が弱くなることがあり、多いと、独立気泡発泡シートの低温での柔軟性が低下することがあるので、30〜50重量%が好ましい。
上記ゴム系樹脂に常温にて液状のゴム系樹脂(以下、「液状ゴム系樹脂」という)を含有させてもよい。これは、上記発泡性樹脂組成物中に液状ゴム系樹脂を含有させることにより、発泡性樹脂組成物の混練負荷を低減させることができるからである。
上記液状ゴム系樹脂とは、常温にて流動性を有するゴム系樹脂をいい、例えば、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状NBR)、液状の水素化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状HNBR)、液状のカルボキシル化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状XNBR)、液状アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム(液状NBIR)、液状アクリロニトリル−イソプレンゴム(液状NIR)、及び、アクリロニトリルとブタジエンと老化防止機能などを有する機能性モノマーとの液状三元共重合体などの液状アクリロニトリル系ゴム;液状イソプレンゴム(液状IR)などが挙げられ、シール性、圧縮柔軟性、耐久性及び耐油性に優れた独立気泡発泡シートが得られる点から、液状アクリロニトリル系ゴムが好ましく、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状NBR)がより好ましい。なお、上記液状ゴム系樹脂は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
そして、図1に示したように、独立気泡発泡シートAにおいて、独立気泡発泡シートの表面と、独立気泡発泡シートの表面から厚み方向に0.8mm入った位置との間にある部分からなる表面層A1のゲル分率は、低いと、独立気泡発泡シートの被シール部分に対する密着性が低下し、独立気泡発泡シートのシール性が低下し、高いと、独立気泡発泡シートに収縮が生じ易くなり、独立気泡発泡シートのシール性が低下するので、85〜95重量%に限定され、87〜93重量%が好ましい。なお、独立気泡発泡シートの厚み方向とは、独立気泡発泡シートの表面に対して直交する方向をいう。又、独立気泡発泡シートには表面層が二つ存在するが、各表面層のゲル分率が85〜95重量%であることが必要である。
又、独立気泡発泡シートAにおいて、上記表面層を除いた残余部分A2(以下「中央層」ということがある)のゲル分率は、低いと、独立気泡発泡シートを得ることができないことがあり、高いと、独立気泡発泡シートに収縮が生じ易くなり、独立気泡発泡シートのシール性が低下するので、50重量%以上で且つ85重量%未満に限定され、60〜80重量%が好ましい。
なお、独立気泡発泡シートの表面層及び中央層のゲル分率は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、独立気泡発泡シートからゲル分率を測定しようとする部分を切り出して100mgの試験片を作製する。この試験片を70℃のエチルメチルケトン25ミリリットル中に22時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(Bg)、下記式により算出する。
ゲル分率(重量%)=(B/100)×100
又、独立気泡発泡シート全体の厚みは、薄いと、表面層のゲル分率を85〜95重量%に制御することが困難となるので、2mm以上に限定され、3mm以上が好ましい。
独立気泡発泡シートには、その機能を向上させる目的で、粉体状添加剤、液体状添加剤
が含有されてもよい。この粉体状添加剤とは、常温にて粉体状であればよく、例えば、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、防カビ剤、発泡助剤、難燃助剤などが挙げられる。
上記粉体状の難燃剤としては、特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物の他に、デカブロモジフェニルエーテルなどの臭素系難燃剤、ポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤などが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。なお、粉体状の難燃剤としては、アルベマール社から商品名「SAYTEX8010」で市販されている。
そして、上記粉体状の酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社から商品名「IRGANOX 1010」で市販されているフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。なお、粉体状の酸化防止剤は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
又、上記粉体状の充填剤としては、特に限定されず、例えば、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カーボンブラック、フュームドシリカ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉などが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
本発明の独立気泡発泡シートは、その気泡が全て独立気泡である必要はなく、気泡の一部に連続気泡が含まれていてもよく、具体的には、独立気泡発泡シートの独立気泡率は、低いと、独立気泡発泡シートの気泡間が連通して水が透過し易くなり、独立気泡発泡シートの止水性が低下することがあるので、80〜100%が好ましく、85〜100%がより好ましい。
なお、上記独立気泡発泡シートの独立気泡率の測定方法としては、先ず、独立気泡発泡シートから一辺5cmの平面正方形状で且つ一定厚みの試験片を切り出す。続いて、上記試験片の重量W1を測定し、更に、試験片の厚みを測定して試験片の見掛け体積V1を算出する。
次に、上記のようにして得られた値を下記式(1)に代入し、気泡の占める見掛け体積V2を算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度はρg/cm3とする。
気泡の占める見掛け体積V2=V1−W1/ρ ・・・式(1)
続いて、上記試験片を23℃の蒸留水中に、試験片の上面から水面までの距離が100mmになるように沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。しかる後、試験片を蒸留水中から取り出して、試験片の表面に付着した水分を除去して試験片の重量W2を測定し、下記式(2)に基づいて連続気泡率F1を算出して、この連続気泡率F1から独立気泡率F2を求める。
連続気泡率F1(%)=100×(W2−W1)/V2 ・・・式(2)
独立気泡率F2(%)=100−F1 ・・・式(3)
そして、製造直後の独立気泡発泡シートの剥離強度(以下、「初期剥離強度」という)は、低いと、独立気泡発泡シートの止水性が不十分になってしまうことがあるので、20kPa以上が好ましいが、高過ぎると、貼り損じなどにより貼り直し作業が必要となった際に独立気泡発泡シートを剥離させるのが困難になることがあるので、20〜100kPaがより好ましい。
なお、独立気泡発泡シートの初期剥離強度の測定方法は、縦25mm×横12.5mm×厚み3.0mmの製造直後の独立気泡発泡シートを用意し、この独立気泡発泡シートの両面にアクリル樹脂板(縦25mm×横100mm)を重ね合わせて積層体を作製し、この積層体を水平面上に載せた上で積層体の上面中央部上に500gの錘を載せて積層体の厚み方向に15分間加圧することにより、独立気泡発泡シートの両面のそれぞれにアクリル樹脂板が積層一体化されてなる試験体を作製し、作製直後の試験体をJIS K6850に準拠して、引張速度50mm/分で剥離させた際の剥離強度(kPa)を測定する。
次に、本発明の独立気泡発泡シートの製造方法について説明する。本発明の独立気泡発泡シートは、ゴム系樹脂及び発泡剤、並びに必要に応じて添加される添加剤を含有する発泡性シートに電離性放射線による架橋処理を施した後、発泡性シートを加熱して発泡させることによって製造することができる。
具体的には、ゴム系樹脂及び発泡剤、並びに必要に応じて添加される添加剤を含有する発泡性樹脂組成物をバンバリーミキサーや加圧ニーダなどの混練り機を用いて混練した後、押出機、カレンダ、コンベアベルトキャスティングなどにより連続的に混練して発泡性シートを製造し、得られた発泡性シートに電離性放射線による架橋処理を施した後、この発泡性シートを加熱し発泡させて独立気泡発泡シートを製造する方法などが挙げられる。
又、上記発泡性シートに含有される発泡剤としては、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられ、アゾジカルボンアミドが好ましい。なお、上記発泡剤は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
そして、上記発泡性シート中における発泡剤の含有量は、少ないと、発泡性シートが十分に発泡せず、所望形状の独立気泡発泡シートが得られないことがある一方、多いと、異常発泡や破泡などが発生して所定の独立気泡発泡シートを得ることができなくなることがあるので、ゴム系樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましい。
上記発泡性シートを架橋処理する方法としては、電離性放射線による架橋処理が好ましい。なお、電離性放射線としては、例えば、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられ、電子線が好ましい。
独立気泡発泡シートは、その表面層と中央層のゲル分率が相違するので、発泡性シートに電離性放射線を次の要領で照射することが好ましい。先ず、発泡性シートに電離性放射線を照射して発泡性シート全体に均一に架橋処理を施す。この際の電離性放射線の加速電圧は、低いと、発泡性シート全体を均一に架橋処理することができないことがあり、高いと、エネルギー効率が低下することがあるので、400〜3000keVが好ましく、500〜1500keVがより好ましい。
そして、発泡性シート全体を架橋するために発泡性シートに照射する電離性放射線の照射量は、低いと、発泡性シート全体を均一に架橋処理することができないことがあり、高いと、発泡性シートの架橋度が高くなることがあるので、0.5〜10Mradが好ましく、0.5〜5.0Mradがより好ましい。
次に、得られる独立気泡発泡シートの表面層のゲル分率を中央層のゲル分率よりも高くするために、上述の要領で電離性放射線を照射して全体的に架橋された発泡性シートの両面に再度、電離性放射線を照射して発泡性シートの表面部分のみを更に架橋させる。
この際の電離性放射線の加速電圧は、発泡性シート全体を架橋させるために照射した電離性放射線の加速電圧よりも低くなるように調整される。具体的には、発泡性シートの表面部分のみを架橋するために照射される電離性放射線の加速電圧は、低いと、発泡性シートの表面部分の架橋が不充分となることがあり、高いと、発泡性シートの内部まで架橋されてしまうことがあるので、100〜400keVが好ましく、100〜300keVがより好ましい。
そして、発泡性シートの表面部分のみを架橋するために照射される電離性放射線の照射量は、低いと、発泡性シートの表面部分の架橋が不充分となることがあり、高いと、発泡性シートの表面部分の架橋度が高くなりすぎることがあるので、0.1〜5.0Mradが好ましく、0.3〜5.0Mradがより好ましい。
本発明の独立気泡発泡シートは、その表面層を除いた残余部分のゲル分率を50重量%以上で且つ85重量%未満とすることによって、時間の経過に伴う収縮や加熱による収縮を防止して長期間に亘って良好な寸法安定性を有し優れたシール性を発揮させることができる。更に、本発明の独立気泡発泡シートは、その表面層のゲル分率を85〜95重量%とすることによって、被シール部分に対する優れた密着性が得られる。
従って、本発明の独立気泡発泡シートは、被シール部分に対する密着性に優れている上に長期間に亘って優れた寸法安定性を有しており、シール材として用いた場合には長期間に亘って優れたシール性を有する。その結果、独立気泡発泡シートは、良好な止水性を発揮することができる。
(実施例1)
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR、日本ゼオン社製 商品名「Nipol 1041」、密度:1kg/m3、アクリロニトリル成分:40.5重量%)100重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製 商品名「SO−L」)15重量部及び粉体状フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 商品名「IRGANOX 1010」)0.1重量部からなる発泡性樹脂組成物を加圧ニーダに供給して溶融混練した。次に、上記発泡性樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練した後に押出機から押出速度50kg/時間にて押出して厚みが1.0mmの発泡性シートを得た。
得られた発泡性シートの両面に加速電圧1000keVにて電子線を1.2Mrad照射することによって発泡性シートを全体的に架橋した。次に、発泡性シートの両面に加速電圧300keVにて電子線を0.6Mrad照射することによって、発泡性シートの両側の表面部分を架橋した。
しかる後、発泡性シートを発泡炉内に供給し240℃に加熱して発泡性シートを発泡させて、見掛け密度35kg/m3、厚さが3.0mmの独立気泡発泡シートを得た。
(比較例1)
加速電圧1000keVにて電子線を発泡性シートの両面に1.2Mrad照射する代わりに1.8Mrad照射したこと、加速電圧300keVの電子線を発泡性シートに照射しなかったこと以外は実施例1と同様にして見掛け密度34kg/m3、厚さが3.0mmの独立気泡発泡シートを得た。
(比較例2)
加速電圧1000keVにて電子線を発泡性シートの両面に1.2Mrad照射する代わりに0.6Mrad照射したこと、加速電圧300keVの電子線を発泡性シートに照射しなかったこと以外は実施例1と同様にして見掛け密度35kg/m3、厚さが3.0mmの独立気泡発泡シートを得た。
得られた独立気泡発泡シートの表面層及びこの表面層を除いた残余部分(中央層)のゲル分率を上記の要領で測定すると共に、独立気泡発泡シートの収縮率、初期剥離強度及び止水性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(収縮率)
独立気泡発泡シートから、独立気泡発泡シートの押出方向(以下「縦方向」という)に100mm、独立気泡発泡ゴムシートの面方向に沿い且つ押出方向に直交する方向(以下「横方向」という)に100mmである平面正方形状の試験片を切り出した。
次に、試験片を70℃にて22時間に亘って養生した後、試験片の縦方向及び横方向の寸法を測定し、下記式に基づいて各方向における収縮率を算出し、縦方向及び横方向のうちの大きい方の収縮率を収縮率とした。
収縮率(%)=100×(養生前の寸法−養生後の寸法)/養生前の寸法
(初期剥離強度)
製造直後の独立気泡発泡シートから縦25mm×横12.5mm×厚み3.0mmの平面長方形状の試験片を切り抜き、この試験片の両面に縦25mm×横100mmのアクリル樹脂板を重ねて積層体を作製し、この積層体を水平面上に載せた上で積層体の上面中央部上に500gの錘を載せて積層体をその厚み方向に15分間に亘って加圧することにより、独立気泡発泡シートの両面のそれぞれにアクリル樹脂板が積層一体化されてなる試験体を作製した。
そして、作製した直後の試験体をJIS K6850に準拠し、引張速度50mm/分の速度で剥離させた際の剥離強度(kPa)を測定した。なお、上記試験体を剥離させた際の剥離形態は何れも界面剥離であった。
(止水性)
得られた独立気泡発泡シートから外径100mm、内径80mmの円環状(厚み:3.0mm)の試験片を切り出した。次に、この試験片を平板状のアクリル樹脂板の中心部に載せ、この試験片上に、中心部に貫通孔が貫設されてなる平板状のアクリル樹脂板を、その貫通孔が試験片の円の中心上にくるように載せて積層体を作製し、この積層体を試験片の厚み方向に圧縮することにより、2枚のアクリル樹脂板の対向面間の距離が2.55mm(試験片圧縮率:15%)の試験体を得た。
続いて、上記試験体の貫通孔から、2枚のアクリル樹脂板の対向面と試験片とで囲まれた空間に蒸留水を供給して、この空間を蒸留水で満たした。しかる後、上記試験体の貫通孔から15kPaの圧力を印加し、圧力を印加し始めてから蒸留水が漏れ出すまでの時間(止水時間(分))を測定した。なお、止水時間が120分を超えたものについては、表1に「水漏れなし」と表記した。
Figure 2010031137
本発明の独立気泡発泡シートの縦模式断面図である。
符号の説明
A 独立気泡発泡シート
A1 表面層
A2 残余部分(中央層)

Claims (3)

  1. ゴム系樹脂を含有する独立気泡発泡シートであって、この独立気泡発泡シートの表面と上記独立気泡発泡シートの表面から厚み方向に0.8mm入った位置との間にある部分からなる表面層のゲル分率が85〜95重量%であると共に、上記表面層を除いた残余部分のゲル分率が50重量%以上で且つ85重量%未満であり、厚みが2mm以上であることを特徴とする独立気泡発泡シート。
  2. ゴム系樹脂がアクリロニトリル系ゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載の独立気泡発泡シート。
  3. ゴム系樹脂がアクリロニトリル−ブタジエンゴムを30重量%以上含有していることを特徴とする請求項1に記載の独立気泡発泡シート。
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