JPH0939138A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JPH0939138A
JPH0939138A JP19464095A JP19464095A JPH0939138A JP H0939138 A JPH0939138 A JP H0939138A JP 19464095 A JP19464095 A JP 19464095A JP 19464095 A JP19464095 A JP 19464095A JP H0939138 A JPH0939138 A JP H0939138A
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JP
Japan
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resin
laminate
resin foam
foam
film
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JP19464095A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Shirato
斉 白土
Takashi Oguchi
貴士 小口
Eiji Okada
英治 岡田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取扱性に優れ、狭い空間でも簡単に充填するこ
とができ、シール材、断熱材、緩衝材などいろいろな方
面に有効に使用することができる樹脂製発泡体を提供す
ることを目的としている。 【解決手段】連続気泡を有する樹脂製発泡体を、大気圧
より減圧雰囲気中でこの樹脂製発泡体を構成する樹脂の
軟化点以上の温度に加熱し、樹脂製発泡体の表面に樹脂
フィルムを樹脂の溶融により積層一体化したのち、樹脂
製発泡体の体積を保持しつつ樹脂製発泡体を構成する樹
脂の軟化点未満の温度まで冷却し、冷却後大気圧雰囲気
中におくようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮変形後徐々に元の形に復元する封隙
材として、たとえば、特公平3−55621号公報、特
開平1−193465号公報、特開平1−216169
号公報に開示されたようなものが提案されている。これ
らの封隙材は、連続気泡発泡体の気泡内に含浸処理方法
によってクロロパラフィン等を含浸させ、圧縮時にこの
クロロパラフィン等の含浸物が気泡の内壁面を互いに付
着させた状態に保持して、一時的に圧縮された状態を持
続させ、その後、発泡体を構成する樹脂の弾性復元力に
よって圧縮前の厚みまで復元するようになっている。
【0003】すなわち、この封隙材によれば、狭い間隙
にも上手く挿入することができ、挿入後厚みが復元する
ことによって間隙を密に封鎖することができるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記封隙材の
場合、含浸されたクロロパラフィン等の含浸物が連続気
泡を完全に封することができず、充分な封隙作用を果た
すとは言えない。また、含浸処理が必要で製造に手間が
かかるととも、含浸させたクロロパラフィン等が流出し
てくる恐れ(時に温度が高い環境で使用した場合顕著で
ある)がある。さらに、含浸処理をしてあるので、断熱
性能が低く、断熱材としての使用には不適である。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みて、取扱
性に優れ、狭い空間でも簡単に充填施工することがで
き、しかも、シール材、断熱材、緩衝材などいろいろな
方面に有効に使用することができる積層体の製造方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1記載の発明にかかる積層体の製造方
法(以下、「請求項1の製造方法」と記す)は、連続気
泡を有する樹脂製発泡体の表面に樹脂フィルムが積層一
体化されたフィルム積層体を、樹脂製発泡体を構成する
樹脂の軟化点以上の温度で大気圧より減圧雰囲気中に置
いて膨張させ、さらに、この膨張したフィルム積層体を
その体積を保持しつつ樹脂製発泡体を構成する樹脂の軟
化点未満の温度まで冷却し、冷却後大気圧雰囲気中にお
く構成とした。
【0007】請求項2記載の発明にかかる積層体の製造
方法(以下、「請求項2の製造方法」と記す)は、連続
気泡を有する樹脂製発泡体を、大気圧より減圧雰囲気中
でこの樹脂製発泡体を構成する樹脂の軟化点以上の温度
に加熱し、樹脂製発泡体の表面に樹脂フィルムを積層一
体化したのち、樹脂製発泡体の体積を保持しつつ樹脂製
発泡体を構成する樹脂の軟化点未満の温度まで冷却し、
冷却後大気圧雰囲気中におく構成とした。
【0008】請求項3記載の発明にかかる積層体の製造
方法(以下、「請求項3の製造方法」と記す)は、連続
気泡を有する樹脂製発泡体を、大気圧より減圧雰囲気中
てこの樹脂製発泡体を構成する樹脂の軟化点以上の温度
に加熱し、樹脂製発泡体の体積を保持しつつ樹脂製発泡
体を構成する樹脂の軟化点未満の温度まで冷却したの
ち、樹脂製発泡体の表面に樹脂フィルムを接着剤を介し
て積層一体化したのち、大気圧雰囲気中におく構成とし
た。
【0009】請求項4記載の発明にかかる積層体の製造
方法(以下、「請求項4の製造方法」と記す)は、連続
気泡を有する樹脂製発泡体を大気圧より減圧雰囲気内に
置いた状態で樹脂フィルムをこの樹脂製発泡体表面に接
着剤を介して積層一体化したのち、大気圧雰囲気中にお
く構成とした。
【0010】上記構成において、樹脂製発泡体を構成す
る樹脂としては、特に限定されないが、圧縮永久歪み
(JIS K 6767 ポリエチレンフォーム試験方
法に準拠)が20%以下のもの、特に10%以下のもの
が形状回復性に優れ好ましい。このような樹脂として
は、以下のような熱可塑性樹脂、および、熱硬化性樹脂
が挙げれる。
【0011】〔熱可塑性樹脂〕ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート,
ポリメチルメタクレート,エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体等のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレ
ン,アクリロニトリル−スチレン,スチレン,スチレン
−ブタジエン−スチレン,スチレン−イソブレン−スチ
レン,スチレン−アクリル酸等のスチレン系樹脂、アク
リロニトリル−ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニル−エチ
レン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル,ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロ
ン,6・6−ナイロン,12−ナイロン等のアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフ
タレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェ
ニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、各種エラストマーやこれらの架橋体。
【0012】〔熱硬化性樹脂〕エポキシ系樹脂、フェノ
ール系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、イミド
系樹脂、ユリア系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂の硬化物等。なお、これらの樹脂は単独
で用いても2種以上併用しても良い。
【0013】また、上記樹脂の中でも、特に形状回復性
に優れるものとして、オレフィン樹脂、スチレン系樹
脂、アミド系樹脂、アクリル共重合体、軟質ポリウレタ
ン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリアセタール、シリコーン
樹脂、各種エラストマーが特に挙げられる。
【0014】この連続気泡を有する樹脂製発泡体は、発
泡剤分解法、溶剤気散法、化学反応法などにより独立気
泡を有する発泡体をまず製造し、この独立気泡発泡体
に、たとえば、針状突起物を突き刺すことによって独立
気泡を連通させる方法で得たものや、元々連続気泡率の
高いものを使うことができる。発泡に用いる発泡剤とし
ては、一般に用いられる以下のような物理型発泡剤、熱
分解型発泡剤等が挙げられる。
【0015】〔物理型発泡剤〕ブタン,ペンタン,ヘキ
サン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシレ
ン等の芳香族炭化水素、アセトン,メチルエチルケトン
等のケトン系炭化水素、メタノール,エタノール,プロ
パノール等のアルコール系炭化水素、1,1−ジクロロ
−1−フルオロエタン,2,2−ジクロロ−1,1,1
−トリフルオロエタン,1,1,1,2−テトラフルオ
ロエタン,モノクロロジフルオロエタン,モノクロロジ
フルオロメタン等のハロゲン化炭化水素、炭酸ガス,窒
素ガス,空気,酸素,ネオン,アルゴン等の無機ガス。
【0016】〔熱分解型発泡剤〕(重)炭酸塩、アゾジ
カルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソ
ブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N´−ジメチ
ル−N,N´−ジニトロテレフタルアミド、ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジ
ド、p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ド等。
【0017】また、上記発泡体には、充填剤、補強繊
維、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤等を必
要に応じて混合されていても構わない。充填剤として
は、たとえば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化
マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、二酸化ケ
イ素、酸化チタン、ガラス粉、ガラスビーズ等の1種又
は2種以上の混合物が挙げられる。
【0018】補強繊維としては、たとえば、ガラス繊
維、炭素繊維等が挙げられる。着色剤としては、たとえ
ば、酸化チタン等の顔料が挙げられる。酸化防止剤とし
ては、一般に用いれるものであれば、特に限定されず、
たとえば、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタ
ン、チオジプロピオン酸ジラウリル、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン等が挙げられる。
【0019】難燃剤としては、ヘキサブロモフェニルエ
ーテル,デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃
剤、ポリリン酸アンモニウム、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート等の含リン酸系難燃剤、メ
ラミン誘導体、無機系難燃剤等の1種又は2種以上の混
合物が挙げられる。連続気泡の連泡率は、5%未満であ
ると、施工後の膨張が少なくなる恐れがあり、5〜10
0%が好ましく、50〜100%がより好ましい。
【0020】樹脂製発泡体の形状は、使用される箇所に
応じて決定され特に限定されないが、たとえば、ロッド
状、チューブ状、シート状、さらに矩形状、波板状、断
面コ字状、球状、チップ状などが挙げられる。
【0021】また、樹脂の軟化点とは、Tg(ガラス転
移点)もしくはTm(融点)の高い方の温度である。樹
脂フィルムとしては、特に限定されず、樹脂製発泡体の
形状(体積、表面積)とフィルムの空気透過量によって
積層体の回復時間が変わってくるため、用途により種々
選択されるが、目安として、発泡体の体積(減圧時の体
積)をVcm3、発泡体の表面積(減圧時の表面積)をSc
m2 、フィルムの空気透過量をPcm3/cm2 ・hr・atm
(JIS K 7126)としたとき、V/(S×P)
=1〜1000なる関係を有するものが好ましい。
【0022】すなわち、V/(S×P)の値が小さすぎ
ると、積層体内へ透過する空気の量が多過ぎて施工時に
膨張しやすい。また、大きいと膨張に時間がかかりす
ぎ、膨張率が悪くなる恐れがある。樹脂製発泡体あるい
はフィルム積層体を減圧雰囲気中に置く方法としては、
特に限定されないが、たとえば、減圧室やドライバキュ
ームサイジングダイ等を用いる方法が挙げられる。
【0023】なお、減圧雰囲気中に置かれていた積層体
を、減圧雰囲気から取り出し大気圧雰囲気中に置くと、
積層体が大気の圧力によって収縮するが、その収縮率
は、収縮が3方向に一様に行われる場合、収縮前の体積
の15%以上、1方向(たとえば、シート形状で厚み方
向)のみ収縮する場合、収縮前の寸法の10%以上が好
ましい。
【0024】また、減圧雰囲気の気圧は、樹脂発泡体を
構成する樹脂の弾性復元率によっても異なるが概ね35
〜690mmHg程度が好ましい。
【0025】すなわち、減圧度が大きいと大気圧雰囲気
にさらした時、収縮が大きく樹脂の弾性変形領域を超
え、塑性変形領域内に入ったり、あるいは破断点を超え
ると、積層体の膨張(収縮回復)が起こらなくなる恐れ
がある。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図1を参照しつつ詳しく説明する。本発明の積層体の製
造方法は、図1に示すようなドライバキュームサイジン
グダイ2を用いる。
【0027】このドライバキュームサイジングダイ2
は、前室2aと後室2bに分かれているとともに、キャ
ビティ21を囲繞するように多孔質材料からなる仕切り
壁22a,22bが設けられ、この仕切り壁22a,2
2bとケーシング23との間に減圧室24a,24bが
設けられている。そして、真空ポンプ(図示せず)によ
り減圧室24a,24b内を減圧することによって仕切
り壁22a,22bを通してキャビティ21内が減圧さ
れるようになっている。
【0028】しかも、このドライバキュームサイジング
ダイ2は、前室2a側のケーシング23および仕切り壁
22aに設けられたスリット25,25を介して、上下
から樹脂フィルム3をキャビティ21内へ導入できるよ
うになっている。
【0029】すなわち、この製造方法では、以下のよう
にして積層体を得ることができる。 連続気泡を有する樹脂製発泡体1をこのドライバキ
ュームサイジングダイ2の入口から前室2aに入れる。
前室2aに入った樹脂製発泡体1は、前室2a内で樹脂
の軟化点以上に加熱される。
【0030】 この加熱された樹脂製発泡体1の上下
面に、スリット25,25を介して外部からキャビティ
21内に導入された樹脂フィルム3,3を沿わせる。樹
脂フィルム3,3は、樹脂製発泡体1が樹脂の軟化点以
上に加熱されているから、樹脂製発泡体1の上下面に熱
融着され、フィルム積層体5となる。しかも、キャビテ
ィ21内が減圧状態にされているため、フィルム積層体
5が、キャビティ21内で膨張形成される。
【0031】 得られたフィルム積層体5をこの膨張
した状態を保持しながら後室2bに送る。送りこまれた
フィルム積層体5は、後室2bにおいてもキャビティ2
1内が減圧状態にされているから、この後室2b内で膨
張状態を保ちながら軟化点より低い温度まで冷却され、
樹脂フィルム3と樹脂製発泡体1とがしっかりと一体化
したフィルム積層体5となる。
【0032】 冷却後フィルム積層体5を、ドライバ
キュームサイジングダイ2の出口から外部に送り出し、
大気圧雰囲気中に置く。すなわち、送り出されたフィル
ム積層体5は、連続気泡内が減圧状態になっているた
め、大気圧によって圧縮されて本発明の積層体6とな
る。
【0033】このようにして得られた積層体6は、以下
の膨張原理によって経時的に膨張し圧縮前の状態まで回
復するようになっている。すなわち、この積層体6に
は、圧縮により発生する圧縮応力(内力)と大気圧(外
力)がかかっていて、内力と外力とが釣り合った状態と
なっている。ここで、連続気泡を外部と隔絶する樹脂フ
ィルム3,3を通して空気が樹脂製発泡体1内に入って
くると、樹脂製発泡体1内の圧力が上昇するため内力>
外力となり、樹脂製発泡体1が膨張する。樹脂製発泡体
1の膨張にしたがって樹脂製発泡体1内の圧力は下降
し、内力と外力とが釣り合った状態で平衡状態になる。
さらに、樹脂フィルム3,3を通して樹脂製発泡体1内
に空気が入ると同様に樹脂製発泡体1が膨張するといっ
た具合に、樹脂製発泡体は空気の透過−膨張を繰り返し
元の状態まで回復する。
【0034】この積層体6は、以上のように、当初圧縮
状態にされ徐々にその厚みが元の状態に回復するように
なっているので、圧縮状態の時に挿入すれば、狭い間隙
にも簡単に挿入できる。そして、厚みが元の状態に回復
すれば、間隙に密に充填され、離脱することがない。し
かも、表面が樹脂フィルム3,3によって被われ、連続
気泡が外部に連通していないので、シール性、断熱性、
防音性にも優れている。
【0035】なお、上述したように、積層体6の膨張は
空気の樹脂フィルム3,3を通しての樹脂製発泡体1内
への透過と、圧縮によって発生する樹脂製発泡体の圧縮
応力と大気圧との釣合いによって起こっている現象であ
る。
【0036】したがって、樹脂製発泡体の圧縮強度(樹
脂特性、発泡倍率)、ガス透過度(樹脂フィルムの種
類、樹脂フィルムの厚み)により膨張をコントロールで
きる。ただし、膨張は、樹脂製発泡体1の圧縮変形によ
り発生する応力により行われるが、膨張途中、樹脂製発
泡体1を形成する樹脂の応力緩和により圧縮変形により
発生する応力が緩和される。その結果として、応力が緩
和しただけ膨張率が悪くなる。すなわち、表面の樹脂フ
ィルムによる連続気泡の封鎖状態をコントロールして膨
張を遅くしたい場合や応力緩和の大きい樹脂を用いる場
合等は応力緩和により膨張率の低下物を考慮するか応力
緩和の小さい樹脂を選定する等の検討を行って本発明の
樹脂製発泡体の設計をしなければならない。
【0037】
【実施例】以下に、本発明を、その実施例を参照しつつ
詳しく説明する。 (実施例1) 低密度ポリエチレン(住友化学社製G801、Tm=105 ℃、 ガス透過係数=1.3 ×10-10 cm3 (STP)cm-1・S -1・cmHg-1) 100重量部 アゾジカルボンアミド 6重量部 α・α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン 2重量部 尿素 2重量部 酸化亜鉛 (発泡助剤) 1重量部 オレフィン変性シリコーン油 1重量部 上記配合の組成物を表面温度110℃のミキシングロー
ルで5分間溶融混練後、110℃×150kg/cm2 で5
分間プレスし、厚さ1mmのシートを得た。
【0038】このシートを四フッ化エチレン樹脂シート
上に置き、190℃のオーブンで5分間加熱し、発泡さ
せた。
【0039】得られた発泡体は、発泡倍率が11cc/
g、連続気泡率96%、厚み10mmであった。なお、連
続気泡率は、東京サイエンス社製の空気比較式比重計1
000型を用い、1〜1/2〜1気圧法で独立気泡率を
求め、連続気泡率=100%−独立気泡率の式を用いて
算出した。つぎに、この得られた発泡体の表面に厚み4
0μmのポリエチレンフィルムを熱融着(熱ラミ)して
フィルム積層体を得た。
【0040】このフィルム積層体を400mm×400mm
に切断し、230mmHgの減圧オーブン内に入れ軟化点以
上の温度である140℃で1分間加熱したのち、軟化点
未満の温度である40℃まで冷却し、減圧オーブンから
取り出して大気圧雰囲気にさらした。なお、減圧オーブ
ン中では、フィルム積層体は、590mm×590mm×1
5mmの大きさに膨張していた。そして、減圧オーブンか
ら取り出された積層体は、大気圧によって押しつぶさ
れ、400mm×400mm×10mmになっていた。
【0041】また、この時のV,S,PおよびV/(S
×P)は、以下のとおりであった。 V=59×59×1.5 =5221.5cm3 (減圧時) S=(59 ×1.5)×4 +(59 ×59) ×2 =7316cm3 (減圧
時) P=0.01 V/(S×P)=5221.5/(0.01×7316) =71.4
【0042】(比較例1)樹脂フィルムを積層しなかっ
た以外は、実施例と同様にして樹脂製発泡体を減圧オー
ブン内で処理した。 (比較例2)冷却せず、140℃に保持した状態で減圧
オーブンから取り出した以外は、実施例と同様にして積
層体を得た。
【0043】上記実施例1および比較例1,2で得た積
層体あるいは樹脂製発泡体の初期の発泡倍率、30日間
フリーの状態で放置した後の発泡倍率および緩衝性を調
べその結果を表1に示した。
【0044】なお、緩衝性は、木製箱(縦300mm×横
500mm×深さ300mm)内に枝付きフラスコ(300
ml、小倉硝子製)を入れるとともに、およそ30mm×3
0mmに切断した製造直後の積層体あるいは樹脂製発泡体
を木製箱と枝付きフラスコとの間にしたのち、木製箱を
梱包した。そして、梱包後、1日あたり1時間、振幅5
cm、振動回数2往復/秒の条件で震盪器を用いて木製箱
を3日間にわたって震盪させ、その後木製箱を1mの高
さから落下させて開梱し、内部の枝付きフラスコの破損
状況を調べた。
【0045】
【表1】 上記表1から請求項1の製造方法によれば、経時的に膨
張する緩衝性に優れた積層体を得られることがよくわか
る。
【0046】(実施例2) 低密度ポリエチレン(住友化学社製G801、Tm=107 ℃、 ガス透過係数=1.3 ×10-10 cm3 (STP)cm-1・S -1・cmHg-1) 100重量部 アゾジカルボンアミド 5重量部 ジクミルパーオキサイド 0.6重量部 上記配合の組成物をφ50mm1軸押出機(L/D=3
0)で溶融混練し、120℃に設定された厚み5mm×幅
200mmの賦形金型から10kg/h の押出量で連続的に
押し出した。なお、この時、押出機のシリンダー温度
は、ホッパーから押出機先端に向かって105℃、11
5℃、120℃に設定した。
【0047】そして、賦形金型から押し出されたシート
状成形物を賦形金型の直後に設けた熱風乾燥炉の前半部
で温度170℃で加熱して架橋させ、熱風加熱炉の後半
部で温度250℃で加熱して発泡させ、以下の構成の発
泡体を得た。 発泡体形状;厚さ10mm×縦横400mm 発泡倍率;10cc/g 連続気泡率;7%
【0048】得られた発泡体を厚み方向に連続気泡率が
95%になるようにφ300μmの針で穴開けし連続気
泡を有する樹脂製発泡体を得た。そして、図1に示すド
ライバキュームサイジングダイ2を用いて以下の条件で
目的の幅400mm×厚み30mmの積層体を得た。
【0049】樹脂フィルム3;低密度ポリエチレンシー
ト(厚み40μm) 前室2aの温度;140℃ 後室2bの温度;40℃ 減圧室22a,22bの圧力;200mmHg また、この時の1mあたりのV,S,PおよびV/(S
×P)は、以下のとおりであった。
【0050】V=40×100 ×3 =12000 cm3 (減圧時) S=(100×3)×2 +(40 ×3)×2 +(100×40) ×2 =88
40cm3 (減圧時) P=0.01 V/(S×P)=12000/(0.01 ×8840) =135.7
【0051】(実施例3)実施例2で得た樹脂製発泡体
1を図2に示すドライバキュームサイジングダイ2´を
用いて以下の条件で目的の幅400mm×厚み30mmの積
層体6´を得た。樹脂フィルム3´;低密度ポリエチレ
ンシート(厚み40μm)に接着剤を塗布したもの 前室2aの温度;140℃ 後室2bの温度;40℃ 減圧室22a,22bの圧力;200mmHg
【0052】また、この時の1mあたりのV,S,Pお
よびV/(S×P)は、以下のとおりであった。 V=40×100 ×3 =12000 cm3 (減圧時) S=(100×3)×2 +(40 ×3)×2 +(100×40) ×2 =88
40cm3 (減圧時) P=0.01 V/(S×P)=12000/(0.01 ×8840) =135.7
【0053】(比較例3)フィルムを積層しなかたこと
以外は、実施例2と同様にして樹脂製発泡体をドライバ
キュームサイジングダイ2´を用いて処理した。 (比較例4)冷却せず、140℃に保持した状態で減圧
オーブンから取り出した以外は、実施例と同様にして積
層体を得た。
【0054】上記実施例2,3および比較例3,4で得
た積層体あるいは樹脂製発泡体の初期の発泡倍率、30
日間フリーの状態で放置した後の発泡倍率、断熱性、施
工性、充満性を調べその結果を表2に示した。なお、断
熱性は、30日後の0℃における積層体あるいは樹脂製
発泡体の熱伝導率(kcal/m・℃・hr) を調べ、施工性は
積層体あるいは樹脂製発泡体を300 mm×300 mmの大きさ
に切断し、300 mm×300 mm×20mmのアクリル樹脂製容器
に入れて、蓋をした時の作業性を評価し、充満性は30日
後の充満性を黙視で判断した。
【0055】
【表2】 上記表2から請求項2および請求項3の製造方法によれ
ば、経時的に膨張する断熱性,施工性,充満性に優れた
積層体を得られることがよくわかる。
【0056】(実施例4)実施例2と同様にして得た連
続気泡発泡体を190mmHgの気圧の減圧室に入れるとと
もに、樹脂フィルムとして接着剤付きのナイロン6製フ
ィルム(厚み20μm)を連続気泡発泡体の表面に貼着
してフィルム積層体を得たのち、このフィルム積層体の
上に重りを載せた状態で減圧室から取り出し大気圧雰囲
気にさらして、厚み2.5mmの目的の積層体を得た。
【0057】また、この時のV,S,PおよびV/(S
×P)は、以下のとおりであった。 V=40×40×1 =1600cm3 (減圧時) S=(40 ×1)×4 +(40 ×40) ×2 =3360cm3 (減圧
時) P=0.003 V/(S×P)=1600/(0.003 ×3360) =158.7
【0058】(比較例5)フィルムを積層しなかた以外
は実施例4と同様にして樹脂製発泡体を処理した。
【0059】(比較例6) 低密度ポリエチレン(住友化学社製G801、Tm=105 ℃、 ガス透過係数=1.3 ×10-10 cm3 (STP)cm-1・S -1・cmHg-1) 100重量部 アゾジカルボンアミド 13重量部 α・α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン 2重量部 尿素 2重量部 酸化亜鉛 (発泡助剤) 1重量部 オレフィン変性シリコーン油 1重量部 上記配合の組成物を表面温度110℃のミキシングロー
ルで5分間溶融混練後、110℃×150kg/cm2 で5
分間プレスし、厚さ1mmのシートを得た。
【0060】このシートを、テフロンシート上に置き、
190℃のオーブンで5分間加熱し、発泡させ、連続気
泡発泡体を得た。得られた連続気泡発泡体は、発泡倍率
が25cc/g、連続気泡率96%、厚さ15mmであった。
【0061】この連続気泡発泡体にクロロパラフィンを
30%含浸処理したのち、3/10の厚みまで圧縮し
た。上記実施例4および比較例5,6で得た積層体ある
いは樹脂製発泡体の初期の発泡倍率、30日間フリーの
状態で放置した後の発泡倍率、シール性、施工性を調べ
その結果を表3に示した。
【0062】なお、シール性および施工性は、以下の評
価方法によって評価した。 〔シール性〕図3に示す幅10mm、厚み8mmのスペーサ
81を介して縦150mm×横200mmの透明なアクリル
樹脂板82とエンボス鋼板83との間に設けられた隙間
に各積層体(または樹脂製発泡体)84をU字状にして
配置し30日間放置したのち、U字形の内部で高さ55
mmの位置まで水85を注入し、24時間垂直状態で保持
して漏水の有無を観察した。
【0063】〔施工性〕積層体(または樹脂製発泡体)
84をアクリル樹脂板82に貼りつけ挟み込む時の状態
を評価した。
【0064】
【表3】 但し、比較例6のものは、施工時に容器にクロロパラフ
ィンが付き、拭き取り作業を要した。
【0065】上記表3から請求項2および請求項3の製
造方法によれば、経時的に膨張するシール性,施工性に
優れた積層体を得られることがよくわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明にかかる樹脂製発泡体は、以上の
ように施工時には収縮しているので、狭い隙間にでも容
易に施工でき施工性に優れ、施工後空気を気泡内に取り
込み膨張するので、隙間に密に充填されるようになる。
したがって、気密性、断熱性、シール性に優れ、パイプ
用断熱材、建材用断熱材、包装用緩衝材、車輛等の内装
用緩衝材、建物用シール材、目地材等の多方面に有効に
適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の製造方法に使用するバキュームサイ
ジングダイの断面図である。
【図2】請求項3の製造方法に使用するバキュームサイ
ジングダイの断面図である。
【図3】シール性の測定方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 樹脂製発泡体 3 樹脂フィルム 3´ 樹脂フィルム 5 フィルム積層体 6 積層体 6´ 積層体 84 積層体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続気泡を有する樹脂製発泡体の表面に樹
    脂フィルムが積層一体化されたフィルム積層体を、樹脂
    製発泡体を構成する樹脂の軟化点以上の温度で大気圧よ
    り減圧雰囲気中に置いて膨張させ、さらに、この膨張し
    たフィルム積層体をその体積を保持しつつ樹脂製発泡体
    を構成する樹脂の軟化点未満の温度まで冷却し、冷却後
    大気圧雰囲気中におくことを特徴とする積層体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】連続気泡を有する樹脂製発泡体を、大気圧
    より減圧雰囲気中でこの樹脂製発泡体を構成する樹脂の
    軟化点以上の温度に加熱し、樹脂製発泡体の表面に樹脂
    フィルムを積層一体化したのち、樹脂製発泡体の体積を
    保持しつつ樹脂製発泡体を構成する樹脂の軟化点未満の
    温度まで冷却し、冷却後大気圧雰囲気中におくことを特
    徴とする積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】連続気泡を有する樹脂製発泡体を、大気圧
    より減圧雰囲気中てこの樹脂製発泡体を構成する樹脂の
    軟化点以上の温度に加熱し、樹脂製発泡体の体積を保持
    しつつ樹脂製発泡体を構成する樹脂の軟化点未満の温度
    まで冷却したのち、樹脂製発泡体の表面に樹脂フィルム
    を接着剤を介して積層一体化したのち、大気圧雰囲気中
    におくことを特徴とする積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】連続気泡を有する樹脂製発泡体を大気圧よ
    り減圧雰囲気内に置いた状態で樹脂フィルムをこの樹脂
    製発泡体表面に接着剤を介して積層一体化したのち、大
    気圧雰囲気中におくことを特徴とする積層体の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005073299A1 (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Sekisui Chemical Co., Ltd. 熱可塑性樹脂発泡体シート及び熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法

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WO2005073299A1 (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Sekisui Chemical Co., Ltd. 熱可塑性樹脂発泡体シート及び熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法

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