JPH05301990A - 接着性の改善されたポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents
接着性の改善されたポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法Info
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- JPH05301990A JPH05301990A JP4110141A JP11014192A JPH05301990A JP H05301990 A JPH05301990 A JP H05301990A JP 4110141 A JP4110141 A JP 4110141A JP 11014192 A JP11014192 A JP 11014192A JP H05301990 A JPH05301990 A JP H05301990A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリオレフィン系樹脂発泡体の両表面のうち
少なくとも片面に、直径0.05〜2mm、深さ0.1
mm以上の多数のクレーター状の開口部を孔間隔15m
m以下で有することを特徴とする、接着性の改善された
ポリオレフィン系樹脂発泡体である。 【効果】 本発明による開口部を有するポリオレフィ
ン系樹脂発泡体は、開口部形成前の発泡体の特性が損わ
れることなく、表皮材との接着性を大幅に向上したもの
である。したがって、表皮材を貼り合わせたポリオレフ
ィン系樹脂発泡体は、大きなせん断力を受ける真空成形
時にも、表皮材と発泡体が強固に接着しているため、高
温での成形時に界面の剥れ等の破損問題を招くことな
く、かつ外観を損なわずに、複雑で深い形状の成形体に
加工することができる。
少なくとも片面に、直径0.05〜2mm、深さ0.1
mm以上の多数のクレーター状の開口部を孔間隔15m
m以下で有することを特徴とする、接着性の改善された
ポリオレフィン系樹脂発泡体である。 【効果】 本発明による開口部を有するポリオレフィ
ン系樹脂発泡体は、開口部形成前の発泡体の特性が損わ
れることなく、表皮材との接着性を大幅に向上したもの
である。したがって、表皮材を貼り合わせたポリオレフ
ィン系樹脂発泡体は、大きなせん断力を受ける真空成形
時にも、表皮材と発泡体が強固に接着しているため、高
温での成形時に界面の剥れ等の破損問題を招くことな
く、かつ外観を損なわずに、複雑で深い形状の成形体に
加工することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹脂
発泡体に関し、より詳しくは、接着性に優れ、かつ複雑
な形状の2次加工も可能なポリオレフィン系樹脂発泡体
に関し、さらにこうした樹脂発泡体の製造方法に関す
る。
発泡体に関し、より詳しくは、接着性に優れ、かつ複雑
な形状の2次加工も可能なポリオレフィン系樹脂発泡体
に関し、さらにこうした樹脂発泡体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂の発泡体は、その
優れた柔軟性、断熱性のため、断熱材や雑貨の材料とし
て広く使用されており、さらに最近では、自動車などの
車両用内装材として、特に、天井、ドア、インストルメ
ントパネル等の断熱材として多用されている。このよう
な発泡製品の成形は、主に、ポリオレフィン系樹脂発泡
体に、ポリ塩化ビニル樹脂シート、熱可塑性エラストマ
ーシート、天然もしくは人造の布状物、レザー等からな
る表皮材を接着剤で貼り合わせ、得られた複合材を真空
成形ないしは圧縮成形することにより製作される。しか
し、ポリオレフィン系樹脂発泡体に接着剤を用いて上記
のような表皮材を貼り合わせることは、ポリオレフィン
系樹脂発泡体のヌレ指数が低いため一般には困難であ
る。そこで、この接着性を改善するために、ポリオレフ
ィン系樹脂発泡体の表面にはコロナ放電処理や、硝酸塩
または亜硝酸塩による表面処理を施すことが工業的に行
われている(特開平2−255740号公報参照)。こ
れらの表面処理は、発泡体の表面を化学的に変化させ
て、処理面に極性を持たせたることで表皮材との接着性
を上げることを企図したものである。
優れた柔軟性、断熱性のため、断熱材や雑貨の材料とし
て広く使用されており、さらに最近では、自動車などの
車両用内装材として、特に、天井、ドア、インストルメ
ントパネル等の断熱材として多用されている。このよう
な発泡製品の成形は、主に、ポリオレフィン系樹脂発泡
体に、ポリ塩化ビニル樹脂シート、熱可塑性エラストマ
ーシート、天然もしくは人造の布状物、レザー等からな
る表皮材を接着剤で貼り合わせ、得られた複合材を真空
成形ないしは圧縮成形することにより製作される。しか
し、ポリオレフィン系樹脂発泡体に接着剤を用いて上記
のような表皮材を貼り合わせることは、ポリオレフィン
系樹脂発泡体のヌレ指数が低いため一般には困難であ
る。そこで、この接着性を改善するために、ポリオレフ
ィン系樹脂発泡体の表面にはコロナ放電処理や、硝酸塩
または亜硝酸塩による表面処理を施すことが工業的に行
われている(特開平2−255740号公報参照)。こ
れらの表面処理は、発泡体の表面を化学的に変化させ
て、処理面に極性を持たせたることで表皮材との接着性
を上げることを企図したものである。
【0003】また、独立気泡性発泡シートに無数の空孔
を形成し、このシートを金属板と接着して折板用断熱シ
ートとして用いることも提案されている(特開昭61−
182931号、特公昭2−51385号公報参照)。
を形成し、このシートを金属板と接着して折板用断熱シ
ートとして用いることも提案されている(特開昭61−
182931号、特公昭2−51385号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発泡体表面の
化学的処理には、次のような問題点がある。コロナ放電
処理の場合、その処理効果が時間経過とともに減衰する
ことがあるために、ポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮
材とを接着するまでに時間的制約がある。また、コロナ
放電処理を施した発泡体表面に外力等が作用するとその
効果が失われることもあるため、処理後の取扱いには十
分な注意が必要である。さらに、コロナ放電処理は高額
な設備を必要とする。
化学的処理には、次のような問題点がある。コロナ放電
処理の場合、その処理効果が時間経過とともに減衰する
ことがあるために、ポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮
材とを接着するまでに時間的制約がある。また、コロナ
放電処理を施した発泡体表面に外力等が作用するとその
効果が失われることもあるため、処理後の取扱いには十
分な注意が必要である。さらに、コロナ放電処理は高額
な設備を必要とする。
【0005】硝酸塩または亜硝酸塩を用いた表面処理の
場合は、処理の後、付着した塩分を洗浄する際大量の水
を使用するため、生じた排水の処理問題が不可避であ
る。また発泡体の処理は高温の大型塩浴を用いて行うた
め、作業環境が危険性を伴うことが多い。
場合は、処理の後、付着した塩分を洗浄する際大量の水
を使用するため、生じた排水の処理問題が不可避であ
る。また発泡体の処理は高温の大型塩浴を用いて行うた
め、作業環境が危険性を伴うことが多い。
【0006】他方、上記のような空孔を形成した発泡シ
ートは、気孔内の空気や溶剤などを空孔を経て外部へ逃
がすことを企図したものであって、大きな孔間隔を有す
るため、物理的アンカー効果を生じず、自動車内装材と
して使用される表皮剤との接着性も良くない。
ートは、気孔内の空気や溶剤などを空孔を経て外部へ逃
がすことを企図したものであって、大きな孔間隔を有す
るため、物理的アンカー効果を生じず、自動車内装材と
して使用される表皮剤との接着性も良くない。
【0007】本発明は、上記の如き諸問題に鑑み、安
全、簡単、安価な方法で接着性を改善したポリオレフィ
ン系樹脂発泡体、およびその製造方法を提供することを
目的とする。
全、簡単、安価な方法で接着性を改善したポリオレフィ
ン系樹脂発泡体、およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
研究した結果、ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面を化
学的にではなく、物理的に変化させることにより、具体
的には、ポリオレフィン系樹脂発泡体の両表面のうち少
なくとも片面に、同面が特定のクレーター状の開口部を
有するように表面処理を施すことにより、上記目的が達
成できることを見出し、その知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
研究した結果、ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面を化
学的にではなく、物理的に変化させることにより、具体
的には、ポリオレフィン系樹脂発泡体の両表面のうち少
なくとも片面に、同面が特定のクレーター状の開口部を
有するように表面処理を施すことにより、上記目的が達
成できることを見出し、その知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、ポリオレフィン系樹脂発泡体の両表面のうち少なく
とも片面が多数のクレーター状の開口部を有することを
特徴とする、接着性の改善されたポリオレフィン系樹脂
発泡体が提供せられる。
ば、ポリオレフィン系樹脂発泡体の両表面のうち少なく
とも片面が多数のクレーター状の開口部を有することを
特徴とする、接着性の改善されたポリオレフィン系樹脂
発泡体が提供せられる。
【0010】本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体に用
いられるポリオレフィン系樹脂は、特に限定されず、エ
チレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体、エチレ
ン、プチピレン、炭素数4以上のα−オレフィンの中か
ら選択された2種以上のオレフィンの共重合体、および
エチレンと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の
低級アルキルエステル類、酢酸ビニルとの共重合体等で
ある。炭素数4以上のα−オレフィンとしては、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−
ペンテン、1−オクテン等が例示される。
いられるポリオレフィン系樹脂は、特に限定されず、エ
チレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体、エチレ
ン、プチピレン、炭素数4以上のα−オレフィンの中か
ら選択された2種以上のオレフィンの共重合体、および
エチレンと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の
低級アルキルエステル類、酢酸ビニルとの共重合体等で
ある。炭素数4以上のα−オレフィンとしては、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−
ペンテン、1−オクテン等が例示される。
【0011】前記ポリオレフィン系樹脂は、2種以上混
合して利用してもよい。また、前記ポリオレフィン系樹
脂にはポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂や、樹脂の
架橋のためのラジカル発生剤、多官能モノマー、酸化防
止剤、金属害防止剤等の安定剤、難燃剤、充填剤、帯電
防止剤、顔料等が添加されていてもよい。
合して利用してもよい。また、前記ポリオレフィン系樹
脂にはポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂や、樹脂の
架橋のためのラジカル発生剤、多官能モノマー、酸化防
止剤、金属害防止剤等の安定剤、難燃剤、充填剤、帯電
防止剤、顔料等が添加されていてもよい。
【0012】本発明によるポリオレフィン系樹脂発泡体
は、前記ポリオレフィン系樹脂を熱分解発泡剤等を用い
て熱風発泡等の周知の方法で発泡させたものや、押し出
し発泡させたもの、バッチ式の発泡体等である。また、
ポリオレフィン系樹脂発泡体の形状は、板状、シート
状、チューブ状等のいかなるものでもよい。
は、前記ポリオレフィン系樹脂を熱分解発泡剤等を用い
て熱風発泡等の周知の方法で発泡させたものや、押し出
し発泡させたもの、バッチ式の発泡体等である。また、
ポリオレフィン系樹脂発泡体の形状は、板状、シート
状、チューブ状等のいかなるものでもよい。
【0013】本発明におけるクレーター状の開口部は種
々の方法で発泡体の表面に形成することができる。例え
ば、発泡体の表層をスライス状に切削したり、サンドペ
ーパー等で除去ないし破壊する等の処理を行う。表層の
スライス状切削により、発泡体表面の平滑な層が失われ
て、発泡体の断面が表面に出て来ることとなり、クレー
ター状の開口部が現われる。また、サンドペーパー等に
よる表層の除去ないし破壊の結果、上記のようにしてク
レーター状の開口部が生じ、同開口部の周囲に破れ部、
伸張部などが残存する。
々の方法で発泡体の表面に形成することができる。例え
ば、発泡体の表層をスライス状に切削したり、サンドペ
ーパー等で除去ないし破壊する等の処理を行う。表層の
スライス状切削により、発泡体表面の平滑な層が失われ
て、発泡体の断面が表面に出て来ることとなり、クレー
ター状の開口部が現われる。また、サンドペーパー等に
よる表層の除去ないし破壊の結果、上記のようにしてク
レーター状の開口部が生じ、同開口部の周囲に破れ部、
伸張部などが残存する。
【0014】発泡体の表層を破壊する手段としては、サ
ンドペーパー、金属ヤスリ、セラミック製ヤスリ、木製
研摩シート、不織布研摩シート等が例示される。これら
の表層破壊手段の形状はいかなる形でもよいが、短時間
に大きな面積を処理するには作業効率の点からロール
状、ベルト状等のものが好ましい。
ンドペーパー、金属ヤスリ、セラミック製ヤスリ、木製
研摩シート、不織布研摩シート等が例示される。これら
の表層破壊手段の形状はいかなる形でもよいが、短時間
に大きな面積を処理するには作業効率の点からロール
状、ベルト状等のものが好ましい。
【0015】また、針を用いて表面に孔を開けることに
よっても、クレーター状の開口部を発泡体表面に形成す
ることができる。使用される針の材質および形状はいか
なるものであってもよいが、短時間に大きな面積を処理
するには作業効率の点から剣山、ロール針等が好まし
い。針の材質としては、金属、セラミック、ウッド等が
例示される。形成される針孔は、発泡体を貫通している
と発泡体の強度自体が低下するので、非貫通状のものが
好ましい。使用する針の直径は0.05〜2mmの範囲
にあり、しかも処理すべき発泡体の気泡の直径より小さ
い値である必要がある。針の直径が発泡体の気泡の直径
より大きいと、針によって形成される開口部が複数の気
泡に渡るため、発泡体の強度自体が低下するからであ
る。
よっても、クレーター状の開口部を発泡体表面に形成す
ることができる。使用される針の材質および形状はいか
なるものであってもよいが、短時間に大きな面積を処理
するには作業効率の点から剣山、ロール針等が好まし
い。針の材質としては、金属、セラミック、ウッド等が
例示される。形成される針孔は、発泡体を貫通している
と発泡体の強度自体が低下するので、非貫通状のものが
好ましい。使用する針の直径は0.05〜2mmの範囲
にあり、しかも処理すべき発泡体の気泡の直径より小さ
い値である必要がある。針の直径が発泡体の気泡の直径
より大きいと、針によって形成される開口部が複数の気
泡に渡るため、発泡体の強度自体が低下するからであ
る。
【0016】こうして、ポリオレフィン系樹脂発泡体の
両表面のうち少なくとも片面の表層を除去ないし破壊す
ることにより、または表層を針で穿孔することにより、
直径0.05〜2mm、深さ0.1mm以上の多数のク
レーター状の開口部が孔間隔15mm以下で形成され
る。
両表面のうち少なくとも片面の表層を除去ないし破壊す
ることにより、または表層を針で穿孔することにより、
直径0.05〜2mm、深さ0.1mm以上の多数のク
レーター状の開口部が孔間隔15mm以下で形成され
る。
【0017】形成されたクレーター状の開口部の直径は
0.05〜2mmの範囲にある必要がある。開口部の直
径が0.05mmより小さいと、表皮材との接着性向上
効果が十分に現われない。逆に、開口部の直径が2mm
より大きいと、発泡体自身の強度が低下して、成形時に
破れ等の不具合が発生する。
0.05〜2mmの範囲にある必要がある。開口部の直
径が0.05mmより小さいと、表皮材との接着性向上
効果が十分に現われない。逆に、開口部の直径が2mm
より大きいと、発泡体自身の強度が低下して、成形時に
破れ等の不具合が発生する。
【0018】形成されたクレーター状の開口部の深さは
0.1mm以上である必要がある。開口部の深さが0.
1mmより小さいと、表皮材との接着性向上効果が十分
に現われない。
0.1mm以上である必要がある。開口部の深さが0.
1mmより小さいと、表皮材との接着性向上効果が十分
に現われない。
【0019】形成されたクレーター状の多数の開口部の
孔間隔は15mm以下である必要がある。開口部の孔間
隔が15mmより大きいと、やはり表皮材との接着性向
上効果が十分に現われない。
孔間隔は15mm以下である必要がある。開口部の孔間
隔が15mmより大きいと、やはり表皮材との接着性向
上効果が十分に現われない。
【0020】形成されたクレーター状の開口部の全面積
は発泡体表面の3〜25%の範囲にある必要がある。開
口部の全面積が3%より小さいと、表皮材との接着性向
上効果が十分に現われない。逆に、開口部の全面積が2
5%より大きいと、発泡体自身の強度が低下して、成形
時に破れ等の不具合が発生する。
は発泡体表面の3〜25%の範囲にある必要がある。開
口部の全面積が3%より小さいと、表皮材との接着性向
上効果が十分に現われない。逆に、開口部の全面積が2
5%より大きいと、発泡体自身の強度が低下して、成形
時に破れ等の不具合が発生する。
【0021】また、クレーター状の開口部を有する発泡
体表面の光沢度は1.0〜6.5の範囲にある必要があ
る。光沢度が1.0より小さいと表面の粗さが大きいた
め表皮材と接着する面積が小さくなり、接着強度が十分
でない。逆に、光沢度が6.5より大きいと表皮剤との
接着力向上効果が十分に現われない。
体表面の光沢度は1.0〜6.5の範囲にある必要があ
る。光沢度が1.0より小さいと表面の粗さが大きいた
め表皮材と接着する面積が小さくなり、接着強度が十分
でない。逆に、光沢度が6.5より大きいと表皮剤との
接着力向上効果が十分に現われない。
【0022】こうして形成された開口部を有するポリオ
レフィン系樹脂発泡体は、ポリ塩化ビニル樹脂シート、
熱可塑性エラストマーシート、天然もしくは人造の布状
物、レザー等の表皮材と、接着剤を介してまたは熱ラミ
ネートにより接着する際に、予め公知のコロナ放電処理
や、硝酸塩または亜硝酸塩を用いた化学処理を施さなく
ても、良好な接着性を示す。また、このような公知の表
面処理方法を施したポリオレフィン系樹脂発泡体にさら
に本発明の開口部を形成するか、もしくは、本発明の開
口部を形成した後、上記のような表面処理方法を施す
と、発泡体の接着性は一層向上する。
レフィン系樹脂発泡体は、ポリ塩化ビニル樹脂シート、
熱可塑性エラストマーシート、天然もしくは人造の布状
物、レザー等の表皮材と、接着剤を介してまたは熱ラミ
ネートにより接着する際に、予め公知のコロナ放電処理
や、硝酸塩または亜硝酸塩を用いた化学処理を施さなく
ても、良好な接着性を示す。また、このような公知の表
面処理方法を施したポリオレフィン系樹脂発泡体にさら
に本発明の開口部を形成するか、もしくは、本発明の開
口部を形成した後、上記のような表面処理方法を施す
と、発泡体の接着性は一層向上する。
【0023】
【作用】かくして得られた発泡体は、開口部形成前の発
泡体の特性が損われることなく、表皮材との接着性が大
幅に向上したものである。さらに、表皮材を貼り合わせ
たポリオレフィン系樹脂発泡体は、大きなせん断力を受
ける真空成形時にも、表皮材と発泡体が強固に接着して
いるため、界面剥離等の不具合を招くことなく、複雑で
深い形状の成形体に加工することができる。
泡体の特性が損われることなく、表皮材との接着性が大
幅に向上したものである。さらに、表皮材を貼り合わせ
たポリオレフィン系樹脂発泡体は、大きなせん断力を受
ける真空成形時にも、表皮材と発泡体が強固に接着して
いるため、界面剥離等の不具合を招くことなく、複雑で
深い形状の成形体に加工することができる。
【0024】かかる結果を持たらした理由は明確ではな
いが、ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面に形成された
クレーター状の開口部が、接着時に接着剤のアンカーと
して働き、物理的アンカー効果が生じることに起因して
いるものと考えられる。
いが、ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面に形成された
クレーター状の開口部が、接着時に接着剤のアンカーと
して働き、物理的アンカー効果が生じることに起因して
いるものと考えられる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
る。ただし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0026】実施例1 ポリプロピレン(メルトインデックス:1.5)80重
量部と、ポリエチレン(メルトインデックス:7)20
重量部と、架橋助剤としてジビニルベンゼン1.0重量
部と、発泡剤としてアゾジカルボンアミド13重量部
と、さらに酸化防止剤および金属害防止剤の適量とから
なる樹脂組成物を、6インチロールで、170℃、20
回転/分の速度で5分間混合し、得られた混合物を板状
に成形した。作成した板を、180℃、100kg/c
m2 の圧力で1mmのシート状にし、4.0Mradの
電子線照射により架橋した。その後、架橋発泡体を25
0℃のオープンに5分間入れ、見かけ密度0.063g
/cm3 、厚さ3.2mmのポリオレフィン系樹脂発泡
体を得た。
量部と、ポリエチレン(メルトインデックス:7)20
重量部と、架橋助剤としてジビニルベンゼン1.0重量
部と、発泡剤としてアゾジカルボンアミド13重量部
と、さらに酸化防止剤および金属害防止剤の適量とから
なる樹脂組成物を、6インチロールで、170℃、20
回転/分の速度で5分間混合し、得られた混合物を板状
に成形した。作成した板を、180℃、100kg/c
m2 の圧力で1mmのシート状にし、4.0Mradの
電子線照射により架橋した。その後、架橋発泡体を25
0℃のオープンに5分間入れ、見かけ密度0.063g
/cm3 、厚さ3.2mmのポリオレフィン系樹脂発泡
体を得た。
【0027】このポリオレフィン系樹脂発泡体の表面
を、粒度100番のサンドペーパーを用いて擦って、表
面の平滑な層を一部取り除いた。その結果、添付図面に
示すように、発泡体の表面(1) に、破裂した気泡からな
る、直径0.15〜0.30mm、深さ0.10〜0.
39mmの多数のクレーター状開口部(2) が間隔1.0
〜1.7mmで形成された。クレーター状開口部の全面
積は発泡体表面の15%を占め、また、表面の光沢度は
3.0であった。
を、粒度100番のサンドペーパーを用いて擦って、表
面の平滑な層を一部取り除いた。その結果、添付図面に
示すように、発泡体の表面(1) に、破裂した気泡からな
る、直径0.15〜0.30mm、深さ0.10〜0.
39mmの多数のクレーター状開口部(2) が間隔1.0
〜1.7mmで形成された。クレーター状開口部の全面
積は発泡体表面の15%を占め、また、表面の光沢度は
3.0であった。
【0028】上記工程で開口部を形成した面に、厚さ
0.65mmの市販の塩化ビニル樹脂とABS樹脂との
混合系シートをポリエステル系接着剤を用いて貼り合わ
せた。得られた積層体について、剥離強度を測定し、つ
いで真空成形を行い、接着性、外観および成形性をそれ
ぞれ評価した。
0.65mmの市販の塩化ビニル樹脂とABS樹脂との
混合系シートをポリエステル系接着剤を用いて貼り合わ
せた。得られた積層体について、剥離強度を測定し、つ
いで真空成形を行い、接着性、外観および成形性をそれ
ぞれ評価した。
【0029】実施例2 実施例1で得たクレーター状開口部を有するポリオレフ
ィン系樹脂発泡体に、厚さ0.65mmの市販の熱可塑
性ポリオレフィンシートをポリエステル系接着剤を用い
て貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同様
に評価した。
ィン系樹脂発泡体に、厚さ0.65mmの市販の熱可塑
性ポリオレフィンシートをポリエステル系接着剤を用い
て貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同様
に評価した。
【0030】実施例3 実施例1で得たサンドペーパー未処理のポリオレフィン
系樹脂発泡体に、針長3mm、針直径0.4mm、針間
2.0mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この
穿孔処理により、発泡体表面に、直径0.35mm、深
さ2.8mmの多数のクレーター状開口部が間隔2.0
mmで形成された。クレーター状開口部の全面積は発泡
体表面の9.7%を占め、また、表面の光沢度は4.5
であった。
系樹脂発泡体に、針長3mm、針直径0.4mm、針間
2.0mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この
穿孔処理により、発泡体表面に、直径0.35mm、深
さ2.8mmの多数のクレーター状開口部が間隔2.0
mmで形成された。クレーター状開口部の全面積は発泡
体表面の9.7%を占め、また、表面の光沢度は4.5
であった。
【0031】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0032】実施例4 実施例3で得たクレーター状開口部を有するポリオレフ
ィン系樹脂発泡体に、厚さ0.65mmの市販の熱可塑
性ポリオレフィンシートをポリエステル系接着剤を用い
て貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同様
に評価した。
ィン系樹脂発泡体に、厚さ0.65mmの市販の熱可塑
性ポリオレフィンシートをポリエステル系接着剤を用い
て貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同様
に評価した。
【0033】実施例5 実施例1で得たクレーター状開口部を有するポリオレフ
ィン系樹脂発泡体に、コロナ放電処理を施し、ついで実
施例1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系
シートを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1
と同様に評価した。
ィン系樹脂発泡体に、コロナ放電処理を施し、ついで実
施例1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系
シートを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1
と同様に評価した。
【0034】比較例1 実施例1で得たサンドペーパー未処理のポリオレフィン
系樹脂発泡体に、実施例1と同様に塩化ビニル樹脂とA
BS樹脂との混合系シートを貼り合わせ、得られた積層
体の性能を実施例1と同様に評価した。
系樹脂発泡体に、実施例1と同様に塩化ビニル樹脂とA
BS樹脂との混合系シートを貼り合わせ、得られた積層
体の性能を実施例1と同様に評価した。
【0035】比較例2 実施例1で得たサンドペーパー未処理のポリオレフィン
系樹脂発泡体に、実施例2と同様に熱可塑性ポリオレフ
ィンシートをポリエステル系接着剤を用いて貼り合わ
せ、得られた積層体の性能を実施例1と同様に評価し
た。
系樹脂発泡体に、実施例2と同様に熱可塑性ポリオレフ
ィンシートをポリエステル系接着剤を用いて貼り合わ
せ、得られた積層体の性能を実施例1と同様に評価し
た。
【0036】比較例3 実施例1で得たサンドペーパー未処理のポリオレフィン
系樹脂発泡体に、コロナ放電処理を施し、実施例1と同
様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シートを貼
り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同様に評
価した。
系樹脂発泡体に、コロナ放電処理を施し、実施例1と同
様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シートを貼
り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同様に評
価した。
【0037】比較例4 実施例1で得たポリオレフィン系樹脂発泡体の表裏両面
を、粒度60番のサンドペーパーを用いて擦って、表面
の平滑な層を一部取り除いた。その結果、発泡体の表面
に、破裂した気泡からなる、直径0.30〜2.5m
m、深さ0.10〜0.80mmの多数のクレーター状
開口部が間隔0.8〜1.8mmで形成された。クレー
ター状開口部の全面積は発泡体表面の33%を占め、ま
た、表面の光沢度は1.2であった。
を、粒度60番のサンドペーパーを用いて擦って、表面
の平滑な層を一部取り除いた。その結果、発泡体の表面
に、破裂した気泡からなる、直径0.30〜2.5m
m、深さ0.10〜0.80mmの多数のクレーター状
開口部が間隔0.8〜1.8mmで形成された。クレー
ター状開口部の全面積は発泡体表面の33%を占め、ま
た、表面の光沢度は1.2であった。
【0038】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0039】比較例5 実施例1で得たサンドペーパー未処理のポリオレフィン
系樹脂発泡体に、針長1.5mm、針直径0.2mm、
針間18mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。こ
の穿孔処理により、発泡体表面に、直径0.18mm、
深さ1.3mmの多数のクレーター状開口部が間隔18
mmで形成された。クレーター状開口部の全面積は発泡
体表面の0.31%を占め、また、表面の光沢度は9.
6であった。
系樹脂発泡体に、針長1.5mm、針直径0.2mm、
針間18mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。こ
の穿孔処理により、発泡体表面に、直径0.18mm、
深さ1.3mmの多数のクレーター状開口部が間隔18
mmで形成された。クレーター状開口部の全面積は発泡
体表面の0.31%を占め、また、表面の光沢度は9.
6であった。
【0040】ついでこの穿孔面に、実施例1と同様に塩
化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シートを貼り合わ
せ、得られた積層体の性能を実施例1と同様に評価し
た。
化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シートを貼り合わ
せ、得られた積層体の性能を実施例1と同様に評価し
た。
【0041】実施例6 実施例1で得たサンドペーパー未処理のポリオレフィン
系樹脂発泡体を、粒度110番のサンドペーパーを用い
て擦って、表面の平滑な層を一部取り除いた。その結
果、発泡体表面に、直径0.1〜0.35mm、深さ
0.12〜0.23mmの多数のクレーター状開口部が
間隔1.2〜1.6mmで形成された。クレーター状開
口部の全面積は発泡体表面の14%を占め、また、表面
の光沢度は3.2であった。
系樹脂発泡体を、粒度110番のサンドペーパーを用い
て擦って、表面の平滑な層を一部取り除いた。その結
果、発泡体表面に、直径0.1〜0.35mm、深さ
0.12〜0.23mmの多数のクレーター状開口部が
間隔1.2〜1.6mmで形成された。クレーター状開
口部の全面積は発泡体表面の14%を占め、また、表面
の光沢度は3.2であった。
【0042】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0043】実施例7 実施例6で得たクレーター状開口部を有するポリオレフ
ィン系樹脂発泡体に、厚さ0.65mmの市販の熱可塑
性ポリオレフィンシートをポリエステル系接着剤を用い
て貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同様
に評価した。
ィン系樹脂発泡体に、厚さ0.65mmの市販の熱可塑
性ポリオレフィンシートをポリエステル系接着剤を用い
て貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同様
に評価した。
【0044】実施例8 実施例1で得たサンドペーパー未処理のポリオレフィン
系樹脂発泡体を、粒度220番のサンドペーパーを用い
て擦って、表面の平滑な層を一部取り除いた。その結
果、発泡体表面に、直径0.08〜0.20mm、深さ
0.15〜0.30mmの多数のクレーター状開口部が
間隔1.5〜2.7mmで形成された。クレーター状開
口部の全面積は発泡体表面の8%を占め、また、表面の
光沢度は5.5であった。
系樹脂発泡体を、粒度220番のサンドペーパーを用い
て擦って、表面の平滑な層を一部取り除いた。その結
果、発泡体表面に、直径0.08〜0.20mm、深さ
0.15〜0.30mmの多数のクレーター状開口部が
間隔1.5〜2.7mmで形成された。クレーター状開
口部の全面積は発泡体表面の8%を占め、また、表面の
光沢度は5.5であった。
【0045】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0046】実施例9 実施例1で得たクレーター状開口部を有するポリオレフ
ィン系樹脂発泡体に、コロナ放電処理を施し、ついで実
施例1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系
シートを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1
と同様に評価した。
ィン系樹脂発泡体に、コロナ放電処理を施し、ついで実
施例1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系
シートを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1
と同様に評価した。
【0047】比較例6 実施例1で得たサンドペーパー未処理のポリオレフィン
系樹脂発泡体の表裏両面を、粒度400番のサンドペー
パーを用いて擦って、表面の平滑な層を一部取り除い
た。その結果、発泡体の表面に、破裂した気泡からな
る、直径0.01〜0.04mm、深さ0.10〜0.
30mmの多数のクレーター状開口部が間隔7〜11m
mで形成された。
系樹脂発泡体の表裏両面を、粒度400番のサンドペー
パーを用いて擦って、表面の平滑な層を一部取り除い
た。その結果、発泡体の表面に、破裂した気泡からな
る、直径0.01〜0.04mm、深さ0.10〜0.
30mmの多数のクレーター状開口部が間隔7〜11m
mで形成された。
【0048】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
2と同様に熱可塑性ポリオレフィンシートをポリエステ
ル系接着剤を用いて貼り合わせ、得られた積層体の性能
を実施例1と同様に評価した。
2と同様に熱可塑性ポリオレフィンシートをポリエステ
ル系接着剤を用いて貼り合わせ、得られた積層体の性能
を実施例1と同様に評価した。
【0049】実施例10 実施例1で得た表面未処理のポリオレフィン系樹脂発泡
体に、針長2.0mm、針直径0.4mm、針間2.1
mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この穿孔処
理により、発泡体表面に、直径0.35mm、深さ1.
8mmの多数のクレーター状開口部が間隔2.1mmで
形成された。クレーター状開口部の全面積は発泡体表面
の3.5%を占め、また、表面の光沢度は6.0であっ
た。
体に、針長2.0mm、針直径0.4mm、針間2.1
mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この穿孔処
理により、発泡体表面に、直径0.35mm、深さ1.
8mmの多数のクレーター状開口部が間隔2.1mmで
形成された。クレーター状開口部の全面積は発泡体表面
の3.5%を占め、また、表面の光沢度は6.0であっ
た。
【0050】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0051】実施例11 実施例10で得たクレーター状開口部を有するポリオレ
フィン系樹脂発泡体に、厚さ0.65mmの市販の熱可
塑性ポリオレフィンシートをポリエステル系接着剤を用
いて貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
フィン系樹脂発泡体に、厚さ0.65mmの市販の熱可
塑性ポリオレフィンシートをポリエステル系接着剤を用
いて貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0052】実施例12 実施例1で得た表面未処理のポリオレフィン系樹脂発泡
体に、針長1.5mm、針直径0.25mm、針間6.
0mmの針ロールを用いて穿孔処理を3回行った。この
穿孔処理により、発泡体表面に、直径0.24mm、深
さ1.3mmの多数のクレーター状開口部が間隔1.9
mmで形成された。クレーター状開口部の全面積は発泡
体表面の4.5%を占め、また、表面の光沢度は5.8
であった。
体に、針長1.5mm、針直径0.25mm、針間6.
0mmの針ロールを用いて穿孔処理を3回行った。この
穿孔処理により、発泡体表面に、直径0.24mm、深
さ1.3mmの多数のクレーター状開口部が間隔1.9
mmで形成された。クレーター状開口部の全面積は発泡
体表面の4.5%を占め、また、表面の光沢度は5.8
であった。
【0053】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0054】実施例13 実施例10で得たクレーター状開口部を有するポリオレ
フィン系樹脂発泡体に、コロナ放電処理を施し、ついで
実施例1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合
系シートを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例
1と同様に評価した。
フィン系樹脂発泡体に、コロナ放電処理を施し、ついで
実施例1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合
系シートを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例
1と同様に評価した。
【0055】比較例7 実施例1で得た表面未処理のポリオレフィン系樹脂発泡
体に、針長2.0mm、針直径2.5mm、針間2.1
mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この穿孔処
理により、発泡体表面に、直径2.3mm、深さ1.8
mmの多数のクレーター状開口部が間隔2.1mmで形
成された。
体に、針長2.0mm、針直径2.5mm、針間2.1
mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この穿孔処
理により、発泡体表面に、直径2.3mm、深さ1.8
mmの多数のクレーター状開口部が間隔2.1mmで形
成された。
【0056】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0057】比較例8 実施例1で得た表面未処理のポリオレフィン系樹脂発泡
体に、針長4.0mm、針直径0.5mm、針間2.1
mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この穿孔処
理により、発泡体表面に、直径0.45mm、深さ3.
2mmの多数のクレーター状開口部が間隔2.1mmで
形成された。
体に、針長4.0mm、針直径0.5mm、針間2.1
mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この穿孔処
理により、発泡体表面に、直径0.45mm、深さ3.
2mmの多数のクレーター状開口部が間隔2.1mmで
形成された。
【0058】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
1と同様に塩化ビニル樹脂とABS樹脂との混合系シー
トを貼り合わせ、得られた積層体の性能を実施例1と同
様に評価した。
【0059】比較例9 実施例1で得た表面未処理のポリオレフィン系樹脂発泡
体に、針長1.5mm、針直径0.2mm、針間17.
0mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この穿孔
処理により、発泡体表面に、直径0.18mm、深さ
1.3mmの多数のクレーター状開口部が間隔17.0
mmで形成された。
体に、針長1.5mm、針直径0.2mm、針間17.
0mmの針ロールを用いて穿孔処理を行った。この穿孔
処理により、発泡体表面に、直径0.18mm、深さ
1.3mmの多数のクレーター状開口部が間隔17.0
mmで形成された。
【0060】上記工程で開口部を形成した面に、実施例
2と同様に熱可塑性ポリオレフィンシートをポリエステ
ル系接着剤を用いて貼り合わせ、得られた積層体の性能
を実施例1と同様に評価した。
2と同様に熱可塑性ポリオレフィンシートをポリエステ
ル系接着剤を用いて貼り合わせ、得られた積層体の性能
を実施例1と同様に評価した。
【0061】実施例1〜5、比較例1〜5で得られた開
口部を有するポリオレフィン系樹脂発泡体の開口部面積
および光沢度、ならびに積層体の剥離強度および成形性
の測定結果を表1に示す。
口部を有するポリオレフィン系樹脂発泡体の開口部面積
および光沢度、ならびに積層体の剥離強度および成形性
の測定結果を表1に示す。
【0062】実施例6〜9、比較例6で得られた積層体
の剥離強度および成形性の測定結果を表2に示す。
の剥離強度および成形性の測定結果を表2に示す。
【0063】実施例10〜13、比較例7〜9で得られ
た積層体の剥離強度および成形性の測定結果を表3に示
す。
た積層体の剥離強度および成形性の測定結果を表3に示
す。
【0064】
【表1】
【表2】
【表3】 注1) クレーター状の開口部の面積率(%)は、日立
製作所製走査型電子顕微鏡S−2300型で発泡体の6
0倍の電子顕微鏡写真を撮影し、開口部の面積を測定す
ることにより求めた。
製作所製走査型電子顕微鏡S−2300型で発泡体の6
0倍の電子顕微鏡写真を撮影し、開口部の面積を測定す
ることにより求めた。
【0065】注2) 光沢度は、堀場製作所製グロスチ
ェッカIG−320を用いて測定した。
ェッカIG−320を用いて測定した。
【0066】なお、光沢度とは、表面に光を当てた時の
反射の程度を表す量であり、測定部分での反射光の強さ
と、光沢基準板からの反射光の強さの比で決められる値
である。
反射の程度を表す量であり、測定部分での反射光の強さ
と、光沢基準板からの反射光の強さの比で決められる値
である。
【0067】注3) 剥離強度は、島津製作所製オート
グラフを用いて、25mmの積層体サンプルを20℃、
120℃でそれぞれ5分間放置後測定した。
グラフを用いて、25mmの積層体サンプルを20℃、
120℃でそれぞれ5分間放置後測定した。
【0068】注4) 真空成形性(H/D)は、積層体
を遠赤外線ヒーターにて発泡体の表面温度が150〜1
60℃になるように加熱し、円柱状メス型金型を用いて
真空成形を行い、その成形時の深さHと直径Dの比で表
示する。この値が大きければ大きいほど成形性が良好で
あることが示される。
を遠赤外線ヒーターにて発泡体の表面温度が150〜1
60℃になるように加熱し、円柱状メス型金型を用いて
真空成形を行い、その成形時の深さHと直径Dの比で表
示する。この値が大きければ大きいほど成形性が良好で
あることが示される。
【0069】注5) 外観の評価は目視で行った。表
中、○は外観上問題なく成形が行われたことを示し、×
は発泡体破れ、表皮材との剥離、膨れ等の不具合が発生
したことを示す。
中、○は外観上問題なく成形が行われたことを示し、×
は発泡体破れ、表皮材との剥離、膨れ等の不具合が発生
したことを示す。
【0070】これらの表から明らかなように、実施例の
開口部を有するポリオレフィン系樹脂発泡体は、その良
好な接着性のため表皮材と良好に接着しており、比較例
のものと較べて明らかに高温(160℃)における真空
成形性に優れている。
開口部を有するポリオレフィン系樹脂発泡体は、その良
好な接着性のため表皮材と良好に接着しており、比較例
のものと較べて明らかに高温(160℃)における真空
成形性に優れている。
【0071】
【発明の効果】本発明による開口部を有するポリオレフ
ィン系樹脂発泡体は、開口部形成前の発泡体の特性が損
われることなく、表皮材との接着性を大幅に向上したも
のである。したがって、表皮材を貼り合わせたポリオレ
フィン系樹脂発泡体は、大きなせん断力を受ける真空成
形時にも、表皮材と発泡体が強固に接着しているため、
高温での成形時に界面の剥れ等の破損問題を招くことな
く、かつ外観を損なわずに、複雑で深い形状の成形体に
加工することができる。
ィン系樹脂発泡体は、開口部形成前の発泡体の特性が損
われることなく、表皮材との接着性を大幅に向上したも
のである。したがって、表皮材を貼り合わせたポリオレ
フィン系樹脂発泡体は、大きなせん断力を受ける真空成
形時にも、表皮材と発泡体が強固に接着しているため、
高温での成形時に界面の剥れ等の破損問題を招くことな
く、かつ外観を損なわずに、複雑で深い形状の成形体に
加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面に開口部を有する発泡体の斜視図である。
【図2】図1中のA部の拡大図である。
(1) …発泡体の表面 (2) …クレーター状開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 C08L 23:02 7107−4J
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂発泡体の両表面の
うち少なくとも片面に、直径0.05〜2mm、深さ
0.1mm以上の多数のクレーター状の開口部を孔間隔
15mm以下で有することを特徴とする、接着性の改善
されたポリオレフィン系樹脂発泡体。 - 【請求項2】 クレーター状の開口部を有する発泡体表
面の光沢度が1.0〜6.5である、請求項1記載のポ
リオレフィン系樹脂発泡体。 - 【請求項3】 クレーター状の開口部の全面積が、開口
部を有する発泡体表面の3〜25%である、請求項1記
載のポリオレフィン系樹脂発泡体。 - 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂発泡体の両表面の
うち少なくとも片面の表層を除去ないし破壊して請求項
1記載のポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることを特徴
とする、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂発泡体の両表面の
うち少なくとも片面を直径0.05〜2mmの針で穿孔
処理して請求項1記載のポリオレフィン系樹脂発泡体を
得ることを特徴とする、ポリオレフィン系樹脂発泡体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4110141A JPH05301990A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 接着性の改善されたポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4110141A JPH05301990A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 接着性の改善されたポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05301990A true JPH05301990A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=14528078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4110141A Pending JPH05301990A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 接着性の改善されたポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05301990A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005073299A1 (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | 熱可塑性樹脂発泡体シート及び熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法 |
JP2020157604A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 積水化成品工業株式会社 | 発泡シート及び発泡シートの製造方法 |
-
1992
- 1992-04-28 JP JP4110141A patent/JPH05301990A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005073299A1 (ja) * | 2004-01-28 | 2005-08-11 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | 熱可塑性樹脂発泡体シート及び熱可塑性樹脂発泡体シートの製造方法 |
JP2020157604A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 積水化成品工業株式会社 | 発泡シート及び発泡シートの製造方法 |
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