JP3092615B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡体の積層材及び車輌用内装材 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡体の積層材及び車輌用内装材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂発泡体の積層材及び車輌用内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂発泡体、特にポリ
プロピレン系樹脂発泡体は、溶剤型,エマルジョン型等
の接着剤を用いてポリ塩化ビニルシート等の表皮材を積
層し、所望の形状に成形することによって、車輌用内装
材として広く利用されている。
【0003】しかし、ポリオレフィン系樹脂発泡体に、
前記接着剤を用いてポリ塩化ビニルシート等の表皮材を
貼り合わせるめは困難である。これは、ポリオレフィン
系樹脂発泡体のヌレ指数が低いことによる。すなわち、
ポリオレフィン系樹脂発泡体が良好な接着性を示すため
には、ヌレ指数が37Dyne/cm以上必要である
が、ポリオレフィン系樹脂発泡体のヌレ指数は、一般に
32〜33Dyne/cm程度である。
【0004】そこで、ポリオレフィン系樹脂発泡体のヌ
レ指数を向上させ、接着性を改善するために、ポリオレ
フィン系樹脂発泡体の表面にコロナ放電処理を施してい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリオレフィン系樹脂
発泡体は、厚みが均一でない。また、発泡体は、空気を
含む多数の空泡を有するため密度が不均一である。その
ため、ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面にコロナ放電
処理を施しても、その効果は発泡体表両に均一に現れに
くい。また、コロナ放電処理を施したポリオレフィン系
樹脂発泡体を長期間放置しておくと、コロナ放電処理効
果が消滅してしまう場合がある。そのため、コロナ放電
処理を施した後、ポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材
とを接着するまでに時間的な制約がある。また、コロナ
放電処理を施したポリオレフィン系樹脂発泡体の表面に
摩擦等の外力が加わると、コロナ放電処理効果が消滅し
てしまう。さらに、ポリオレフィン糸樹脂発泡体にコロ
ナ放電処理を施すには、高価な処理設備が必要である。
【0006】また、コロナ放電処理を施したポリオレフ
ィン系樹脂発泡体に表皮材を貼り合わせ、これを基材層
に積層するとともに所望の形状に成形加工した車輌用内
装材は、ポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材との部分
的な接着不良によりフクレ等を生じ易い。
【0007】第1の発明の目的は、ポリオレフィン系樹
脂発泡体の接着性を簡易かつ低廉に改善できる処理方法
により接着性が改善されたポリオレフィン系樹脂発泡体
を用い、成形牲の改善された積層体を提供することにあ
る。
【0008】第2の発明の目的は、第1の発明に係る積
層体を用いた車輌用内装材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る積層体
を得るためのポリオレフィン糸樹脂発泡体の処理方法
は、ポリオレフィン系樹脂発泡体の接着性を改善するた
めの処理方法である。
【0010】この処理方法は、ポリオレフィン系樹脂発
泡体を硝酸塩および/または亜硝酸塩を用いて表面処理
することと、表面処理されたポリオレフィン系樹脂発泡
体を洗浄することとを含んでいる。
【0011】本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体に用
いられるポリオレフィン系樹脂とは、エチレン,プロピ
レン,ブテン等の単重合体、エチレン−プロピレン,プ
ロピレン−ブテン等の共重合体、エチレンとC4以上の
α−オレフィンとの共重合体、およびエチレンと酢酸ビ
ニル,アクリル酸,メタクリル酸およびこれらの低級ア
ルキルエステル類との共重合体をいう。前記α−オレフ
ィンとしては、たとえば1−ブテン、1−ペンテン、1
−へキセン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチ
ル−1一ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、
1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オ
クタデセン等から選ばれる1または2以上のものをあげ
ることができる。
【0012】前記ポリオレフィン系樹脂は、単独のみな
らず2種以上混合して用いられてもよい。また、前記ポ
リオレフィン系樹脂には、例えばポリ塩化ビニル樹脂等
の熱可塑性樹脂が少量添加されていてもよいし、難燃
剤,充填剤、安定剤,帯電防止剤等の添加剤が添加され
ていてもよい。
【0013】なお、本発明に用いられるポリオレフィン
系樹脂発泡体とは、前記ポリオレフィン系樹脂を化学発
泡剤等を用い、熱風発泡等の周知の方法によりて発泡さ
せたものをいう。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体と
しては、板状,シート状等の如何なる形状のものが用い
られてもよい。
【0014】本発明に用いられる硝酸塩とは、ナトリウ
ム,カリウム等のアルカリ金属の硝酸塩をいう。前記硝
酸塩は、単独のみならず2種以上を混合して用いられて
もよい。
【0015】本発明に用いられる亜硝酸塩とは、ナトリ
ウム,カリウム等のアルカリ金属の亜硝酸塩をいう。前
記亜硝酸塩は、単独のみならず2種以上を混合して用い
られてもよい。
【0016】前記硝酸塩と亜硝酸塩とは混合して使用さ
れてもよい。この場合、混合割合は、硝酸塩に対して亜
硝酸塩が20〜80重量%、望ましくは30〜60重量
%とされる。
【0017】なお、硝酸塩および亜硝酸塩として望まし
いのは、ナトリウム塩およぴカリウム塩である。何故な
らば、これらの硝酸塩および亜硝酸塩は水によく溶ける
ため、後に述べる洗浄が容易だからである。
【0018】次に、本発明で用いるポリオレフィン系樹
脂発泡体の処理方法を順を追って説明する。
【0019】まず、ポリオレフィン系樹脂発泡体を硝酸
塩および/または亜硝酸塩を用いて表面処理する。硝酸
塩および/または亜硝酸塩は、塩浴または水溶液として
用いられる。硝酸塩および/または亜硝酸塩の塩浴を用
いる場合には、塩浴の温度は160〜300℃、望まし
くは180〜250℃とされる。また、硝酸塩および/
または亜硝酸塩の水溶液を用いる場合には、その濃度が
20%以上、望ましくは35%以上のものが用いられ
る。なお、水溶液の水温は60℃以上が望ましい。
【0020】ポリオレフィン系樹脂発泡体を、前記した
硝酸塩および/または亜硝酸塩の塩浴または水溶液を用
いて表面処理するには、ポリオレフィン系樹脂発泡体を
塩浴または水溶液に浮遊または浸漬する方法、ポリオレ
フィン系樹脂発泡体に水溶液を塗布する方法等が用いら
れる。また、処理時間は塩浴または水溶液の温度によ
る。すなわち、第1図に示すように、塩浴または水溶液
の温度が高い程、処理時間は短時間でよい。逆に、塩浴
または水溶液の温度が低い場合には、処理により長持同
を要する。なお、発泡体の全表面を処理する必要はな
く、接着性の改善が要求される表面部分を処理すればよ
い。
【0021】次に、硝酸塩および/または亜硝酸塩を用
いて表面処理が施されたポリオレフィン系樹脂発泡体を
洗浄する。この洗浄によって、ポリオレフィン系樹脂発
泡体の表面に付着した硝酸塩および/または亜硝酸塩は
取り除かれる。洗浄には水を用いるのが一般的である。
洗浄方法としては、例えば流水中に浮遊させる方法等が
用いられる。
【0022】洗浄されたポリオレフィン系樹脂発泡体
は、乾燥される。乾燥には、熱風乾燥その他の方法が用
いられる。
【0023】なお、硝酸塩および/または亜硝酸塩とし
てナトリウム塩および/またはカリウム塩が用いられた
場合には、洗浄後のポリオレフィン系樹脂発泡体の被処
理面に、ナトリウムおよび/またはカリウムが残留して
いてもよい。また、このナトリウムおよび/またはカリ
ウムは、硝酸塩および/または亜硝酸塩であってもよ
い。ナトリウムおよび/またはカリウムの残留を調べる
方法としては、X線電子分光法(ESCA)が用いられ
る。なお、ナトリウムおよび/またはカリウムの残留量
(炭素原子の数に対するナトリウム原子および/または
カリウム原子の数の比率)は0.01以下,さらに0.
005以下が望ましい。ESCA法によるナトリウムお
よび/またはカリウムの残留量の測定は、次の様に行
う。たとえば、ナトリウムの残留量を測定する場合、予
めナトリウムの標準液を用いてナトリウムのピーク位置
を求めておく。そして、測定サンプルの測定により得ら
れたスペクトルのうち、ナトリウムに該当するピークの
面積を測定し、その面積と前記標準液のピーク面積とを
比較することにより、ナトリウムの原子数を測定する。
カリウムの場含も同様である。
【0024】前記方法によって処理されたポリオレフィ
ン系樹脂発泡体の被処理面のヌレ指数は、通常37Dy
ne/cm以上に改善されている。そのため、ポリオレ
フィン系樹脂発泡体の被処理面と接着剤の馴染みが良好
となる。したがって、ポリオレフィン系樹脂発泡体と塩
ビシート等の表皮材との接着性が改善される。
【0025】前記方法によって処理されてなるポリオレ
フィン系樹脂発泡体は、少なくとも一部の表面のX線電
子分光法を用いて測定した炭素原子数に対する酸素原子
数の値が0.040以上0.104以下である。また、
前記表面処理方法に用いられる硝酸塩および/または亜
硝酸塩としてナトリウム塩および/またはカリウム塩を
用いた場合には、ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面に
は、ナトリウムおよび/またはカリウムが残留してい
る。
【0026】前記処理方法によって表面処理を施された
ポリオレフィン系樹脂発泡体表面の原子構成比は、X線
電子分光法(ESCA)で測定した場合に0.040以
上0.104以下である。前記原子構成比の値は、前記
処理方法における硝酸塩および/または亜硝酸塩の組
成,温度および濃度等の表面処理条件を変更することに
より、調整することができる。
【0027】ここで、ESCAによる原子構成比の測定
法について説明する。ESCAによる原子構成比の測定
は、ESCAスペクトルメータを用いて行なう。そし
て、次の条件下でポリオレフィン系樹脂発泡体の表面を
測定する。 励起X線:AI Kα線(1486.6eV) X線出力:10KV 20mA 温度:20℃ 真空度:10-8Torr 運動エネルギー:中性炭素(>CH2)の運動 エネルギー値を1202.0eVにあわせる。
【0028】得られたスペクトルから、炭素原子数を示
すClsのピークと酸素原子数を示すOlsのピークと
の面積を求める。そして、Clsのピークに対するOl
sのピークの面積比を求め、この値を炭素原子数に対す
る酸素原子数の値とする。
【0029】本発明におけるポリオレフィン系樹脂発泡
体の前記被処理面には、ナトリウムおよび/またはカリ
ウムが残留している。このナトリウムおよび/またはカ
リウムは、ポリオレフィン系樹脂発泡体が前記方法によ
って処理された際に、洗浄工程において完全に取り除か
れずに被処理面に残留したナトリウムおよび/またはカ
リウムである。このナトリウムおよび/またはカリウム
は、硝酸塩および/または亜硝酸塩であってもよい。こ
のナトリウムおよび/またはカリウムは、ESCAスペ
クトルメータを用いることによって検出することができ
る。なお、ナトリウムおよび/またはカリウムは0.0
1以下、さらに0.005以下が望ましい。
【0030】本発明におけるポリオレフィン系樹脂発泡
体は、前記方法によって処理された表面が37Dyne
/cm以上のヌレ指数を示し、通常のポリオレフィン系
樹脂発泡体に比べて良好な接着性を有す。
【0031】第1の発明に係る積層材は、前記したポリ
オレフィン系樹脂発泡体を用いた積層材である この積層材は、基材層と、この基材層に積層された前記
ポリオレフィン系樹脂発泡体と、このポリオレフィン系
樹脂発泡体の表面に積層された表皮材とを備えている。
【0032】本発明に用いられる基材層としては、例え
ばポリプロピレンシート、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン(ABS)樹脂シート、ABS成形品、木
質繊維ボード、段ポール等が例示できる。
【0033】本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂
発泡体とは、前記方法によって処理されてなるポリオレ
フィン系樹脂発泡体である。このポリオレフィン系樹脂
発泡体は、基材層に接着される面と、後述する表皮材に
接着される面とが前記方法によって処理されている。本
発明に用いられるポリオレフィン系樹脂発泡体は、発泡
倍率がたとえば2〜40倍、望ましくは10〜30倍の
ものが用いられる。なお、発泡倍率があまり小さすぎる
と、発泡体としての特徴である柔軟性、クッション性、
断熱性等が不十分であり、利用価値が少なくなる。逆
に、発泡倍率が大きすぎると、機械的強度の低下が著し
く、成形性が低下する。
【0034】本発明に用いられる表皮材とは、ポリ塩化
ビニルシート、ポリ塩化ビニル/ABS混合シート、熱
可塑性樹脂エラストマ、織物、編み物、不織布等をい
う。
【0035】第2の発明に係る車輪用内装材は、第1の
発明に係る積層材を用いた車輌用内装材である。この車
輌用内装材は、第2図に示すように、基材層1の上面
に、ポリオレフィン系樹脂発泡体2が接着剤4Aを介し
て積層されている。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体
2の上面には、接着剤層4Bを介して表皮材3が積層さ
れている。なお、ポリオレフィン系樹脂発泡体2は、前
記方法によって表面処理を施された面がそれぞれ基材層
1と表皮材3とに接着されている。接着剤4A,4Bに
は、ポリエステル系2液型等の溶剤型、変性ビニル塩重
合体,ウレタン系等のエマルジョン型の接着剤が用いら
れる。
【0036】本発明の車輌用内装材は、真空成形等の周
知の方法を用いて所望の形状に成形され、例えば、ダッ
シュボード、ドアトリム、成形天井、シートバック、リ
アクォータートリム、センターピラーパット等に用いら
れる。
【0037】
【実施例】実施例1〜3 硝酸カリウム50重量%、亜硝酸ナトリウム50重量%
の混合物を第1表に示す温度に加熱溶融した塩浴を作成
した。この塩浴に、見掛け密度0.057g/cm3
厚み4mmのポリプロピレン樹脂発泡体シートを60秒
間浮遊させた。その後、ポリプロピレン樹脂発泡体シー
トを常温の水で30秒間洗浄し、熱風乾燥した。
【0038】次に、乾燥後のポリプロピレン樹脂発泡体
シートの被処理面について、ヌレ指数と、炭素原子数に
対する炭素原子数の原子構成比およびナトリウムとカリ
ウムとの残量をESCAによって測定した。その結果を
第1表に示す。比較例1 比較のために、塩浴処理していない実施例1〜3と同じ
ポリプロピレン発泡体について、ヌレ指数と、炭素原子
数に対する酸素原子数の原子構成比およびナトリウムと
カリウムとの残量をESCAによって測定した。その結
果を第1表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】ヌレ指数:市販のヌレ試薬(和光純薬株式
会社製)を用いて測定した。
【0041】ESCA:株式会社島津製作所製のESC
Aスペクトルメーターを用いた。実施例4〜5 硝酸カリウム80重傷%,亜硝酸ナトリウム20重量%
の混合液を225℃の温度に加熱溶融した塩浴を作成し
た。この塩浴に、ポリプロピレン樹脂80重量部と直鎖
状ポリエチレン樹脂20重量部とからなる、第2表に示
す見掛け密度を有する厚さ4mmの混合系樹脂発泡体を
120秒間浮遊させた。その後、この発泡体を常温の水
で洗浄し、熱風乾燥した。
【0042】次に、乾燥後の発泡体の被処理面のヌレ指
数と、炭素原子数に対する酸素原子数の原子構成比およ
びナトリウムとカリウムとの残量を実施例1〜3と同様
に測定した。その結果を第2表に示す。比較例2〜4 比較のために、塩浴処理していない実施例4〜6と同じ
発泡体について、同様にヌレ指数と、炭素原子数に対す
る酸素原子数の原子構成比およびナトリウムとカリウム
との残量を測定した。その結果を第2表に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例7〜9 実施例1〜3で得た発泡体にポリエステル系接着剤を5
0g/m2の割合で塗布し、この接着剤を100℃の熱
風乾燥器中で発泡体に焼付けた。そして、発泡体の接着
剤面に100℃に加熱した半硬質塩化ビニル樹脂シート
を積層し、両者を貼り合わせた。
【0045】得られた積層体について、剥離強度、材質
破壊状態および真空成形牲を調べた。その結果を第3表
に示す。比較例5 比較のため、比較例1で用いた発泡体についても実施例
7〜9と同様に半硬質塩化ビニル樹脂シートを貼り合わ
せ、得られた積層体について剥離強度、材質破壊状態お
よび真空成形性を調べた。その結果を第3表に示す。
【0046】
【表3】
【0047】(a)剥離強度:オートグラフを用いて18
0度下の剥離強度を測定した。 (b)材質破壊状態:剥離強度の測定時に発泡体から剥離
した表皮材の剥離面を観察し、発泡体が付着している面
積の割合を求めた。 (c)真空成形性:直径50mm,深さ35mmのカップ
型を用い、積層体の発泡体側を150℃、塩化ビニルシ
ート側を185℃に加熱して真空成形した。評価方法は
次の通りである。
【0048】 ○:発泡体および塩化ビニル樹脂シートの破壊がなく、
成形品の発泡体と塩化ビニル樹脂シートとが剥離・分離
していない状態 ×:積層体を成形した後に、発泡体と塩化ビニル樹脂シ
ートとが剥離・分離している状態実施例10〜12 実施例4〜6で得た発泡体の被処理面に、ポリエステル
系接着剤を100g/m2の割合で塗布し、この接着剤
を100℃の熱風乾燥器中で発泡体に焼付けた。そし
て、発泡体の接着剤面に100℃に加熱したABS樹脂
と塩化ビニル樹脂との混合系シートを積層し、両者を貼
り合わせた。
【0049】得られた積層体について、剥離強度、材質
破壊状態および真空成形性を調べた。その結果を第4表
に示す。比較例6〜8 比較のため比較例2〜3の発泡体について同様に剥離強
度、材質破壊状態および真空成形性を調べた。その結果
を第4表に示す。
【0050】
【表4】
【0051】(a)剥離強度:実施例7〜9および比較例
5と同様の方法により測定した。 (b)材質破壊状態:実施例7〜9および比較例5と同様
の方法で測定した。 (c)真空成形性:1辺が100mm,深さ60mmの正
方形型を用い、積層体の発泡体側を160℃、ABS樹
脂と塩化ビニル樹脂混合系シート側を185℃に加熱し
て真空成形した。評価方法は実施例7〜9と同様であ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、簡易かつ低廉な方法に
よってポリオレフィン系樹脂発泡体の接着性を改善する
ことができ、接着性が改善されたポリオレフィン系樹脂
発泡体を得ることができるので、このポリオレフィン系
樹脂発泡体を用いることにより、基材層または表皮材と
ポリオレフィン系樹脂発泡体との接着性が改善でき、そ
のため、接着性の改善された積層材を得ることができ
る。第2に発明では、第1の発明に係る積層材を用いて
いるから、成形安定性の改善された車輌用内装材を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における処理方法で用いた塩浴または水
溶液の温度と処理時間との関係を示すグラフ。
【図2】第2の発明に係る車輌用内装材の側断面図であ
る。
【符号の簡単な説明】
1…基材層 2…ポリオレフィン系樹脂発泡体 3…表皮材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08J 9/36 CES C08J 9/36 CES // C08L 23:00 (56)参考文献 特開 昭54−91567(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 9/00 - 9/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材層と、 ポリオレフィン系樹脂発泡体を硝酸塩及び/又は亜硝酸
    塩を用いて表面処理する処理工程と、前記表面処理され
    たポリオレフィン系樹脂発泡体を洗浄する洗浄工程とを
    含む処理方法により処理され、前記基材層に積層された
    ポリオレフィン系樹脂発泡体と、 前記ポリオレフィン系樹脂発泡体に積層された表皮材
    と、を備えた積層材。
  2. 【請求項2】前記ポリオレフィン系樹脂発泡体は、少な
    くとも一部の表面のX線電子分光法を用いて測定した炭
    素原子数に対する酸素原子数の値が0.040以上0.
    104以下である、請求項1に記載の積層材。
  3. 【請求項3】前記ポリオレフィン系樹脂発泡体は、少な
    くとも一部の表面にはナトリウム及び/又はカリウムが
    残留している、請求項1又は2に記載の積層材。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の積層材
    を用いた、車輌用内装材。
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