JPH0912762A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体、積層体及び成形体 - Google Patents

架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体、積層体及び成形体

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JPH0912762A
JPH0912762A JP16359695A JP16359695A JPH0912762A JP H0912762 A JPH0912762 A JP H0912762A JP 16359695 A JP16359695 A JP 16359695A JP 16359695 A JP16359695 A JP 16359695A JP H0912762 A JPH0912762 A JP H0912762A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温伸度に優れ、フクレ現象・アバタ現象が
生じない、真空成形、圧縮成形、及びスタンピング成形
のいずれの成形法でも優れた発泡体製品の得られる架橋
ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供すること。 【構成】 ポリプロピレン系樹脂40〜100重量%と
ポリエチレン系樹脂0〜60重量%とを含有するポリオ
レフィン系樹脂から形成されたシート状の架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡体において、(a)厚み方向の架橋度
(ゲル分率)の差が2.0重量%以下で、(b)表層部
の発泡倍率(倍)が、中央部の発泡倍率の60%以下で
ある架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。及び、(c)表
層部の膨潤比に対する中央部の膨潤比の割合が0.85
以上1.00未満で、(d)表層部の架橋度(ゲル分
率)の方が中央部の架橋度よりも大きく、かつ、厚み方
向の架橋度の差が2.0重量%超過である架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリオレフィン系
樹脂発泡体に関し、更に詳しくは、車輛内装材を真空成
形法、圧縮成形またはスタンピング成形法によって成形
するのに好適な架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体、該発
泡体と表皮材(例えば、布系または樹脂系の表皮材)と
の積層耐、及び該発泡体の一面に表皮材、他面に熱可塑
性樹脂を積層してなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、断
熱材、クッション材などとして広範な分野で使用されて
いる。特に、自動車分野では、例えば、天井材、ドア、
インスツルメントパネル、コンソールボックス、リヤホ
イルハウスカバー、ラゲージハウスカバー、トランクル
ームカバー等の車両用内装材として汎用されている。こ
れらの車両内装材は、一般に、シート状の架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡体の片面に、軟質塩化ビニル樹脂(P
VC)シートなどの表皮材をラミネートした後、真空成
形や圧縮成形などにより所定形状に成形加工して、製品
化されている。
【0003】近年、ドア、インスツルメントパネル等の
形状が深くなり、特に発泡体の展開率の大きい(良く伸
ばされる)アームレストや木目込み部において、表皮材
と発泡体との間に空気が溜って生じる、いわゆるフクレ
現象への対策が一層必要となっている。また、オス型と
メス型を組み合わせて真空成型するマッチドダイ法で
は、両型のクリアランスの間で発泡体が強い剪断力を受
けてしごかれる結果、同様のフクレ現象が生じ易くなっ
ている。
【0004】これらの対策としては、高温(100℃以
上)での表皮材との間の剥離強度を上げるのはもちろん
のこと、高温伸度を上げ、高温弾性率を下げる方法など
が挙げられる。発泡体の架橋度を下げることにより、高
温伸度の上昇や弾性率の低下は実現できるが、発泡体表
面の耐熱性が低下して、高温時に発泡体表面に凹凸が生
じる、いわゆるアバタ現象が生じる。このアバタ現象
は、発泡体とPVC等の表皮材と貼り合わす際に生じ易
く、表皮材に凹凸が生じて、外観不良となる。表皮材と
貼り合わせる際に、耐熱性だけではなく、ピンチロール
等によるしごきに対する抵抗力も必要となる。
【0005】アバタ現象は、気泡の膜の弱いところが存
在し、そこに熱が加わり、更に応力を受けることによ
り、気泡が破けたり、微細な穴が発生して気泡が収縮す
ることによる凹凸の発生に起因すると考えられる。発泡
体の表層付近は、特に熱を受け易く、積層する際に最も
力を受け易いところでもある。表層の対策として、気泡
の膜を強くすることと、膜厚を厚くすることが挙げられ
る。しかし、膜の強度を高めると、伸びを維持すること
は可能であるが、弾性率を下げることは難しい。また、
発泡方法の工夫のみで気泡膜を厚くし、かつ、発泡倍率
を高めることは困難である。
【0006】一方、近年、自動車の内装材は、軽量化、
低コスト化が進み、使用される発泡体も真空成形用には
高発泡倍率品が要求されている。つまり、それだけアバ
タが発生し易い条件になってきている。更に、近年、発
泡体の分野において、成形サイクルが短縮化され、成形
品の形状も複雑化し、ホットスタンピング成形時に従来
より大きな剪断力が加えられたり、より高温に加熱され
たりすることが多くなっている。また、深絞りの発泡体
成形品も多くなっている。スタンピング成形において
は、最近、真空成形により予備成形した後にスタンピン
グ成形を行うことが主流となってきている。したがっ
て、スタンピング成形においても高温伸度が要求されて
いる。例えば、従来の表皮材付き発泡シートを、予め真
空成形により凹型で所望形状に成形し、これに溶融した
熱可塑性樹脂からなる骨材を供給し、凸型で型押しして
ホットスタンピング成形する場合、発泡シート内に骨材
が部分的に侵入したり、この侵入した骨材により発泡シ
ートが部分的にちぎれることがあり、良好な成形品を得
ることが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
伸度に優れ、フクレ現象・アバタ現象が生じない、真空
成形、圧縮成形、及びスタンピング成形のいずれの成形
法でも優れた発泡体製品の得られる架橋ポリオレフィン
系樹脂発泡体を提供することにある。本発明の他の目的
は、このような架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を用い
た積層体及び成形体を提供することにある。本発明者ら
は、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究し
た結果、高温での伸びと耐熱性を得るために、ポリオレ
フィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂単独または
ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物
を使用し、アバタ現象を抑え、剥離強度・高温伸度を維
持するために、(1)発泡体の厚み方向における架橋度
の差を小さく抑え、厚み方向に発泡倍率勾配を設け、か
つ、表層付近の発泡倍率を中央部の発泡倍率の60%以
下とする方法、あるいは(2)発泡体の厚み方向の膨潤
比の差を小さく抑え、表層部の架橋度(ゲル分率)の方
が中央部の架橋度よりも大きく、かつ、厚み方向におけ
る架橋度の差を大きくする方法が有効であることを見い
だした。(1)の方法は、表層側の発泡剤濃度を中央部
に対して抑えること等により、(2)の方法は、表層側
の架橋助剤濃度を中央部に対して上げること等により実
施することができる。本発明は、これらの知見に基づい
て完成するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリプ
ロピレン系樹脂40〜100重量%とポリエチレン系樹
脂0〜60重量%とを含有するポリオレフィン系樹脂か
ら形成されたシート状の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡
体において、(a)厚み方向の架橋度(ゲル分率)の差
が2.0重量%以下で、(b)表層部の見掛けの発泡倍
率(倍)が、中央部の見掛けの発泡倍率の60%以下で
あることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
が提供される。〔ただし、ゲル分率は、試料100mg
を精秤し、120℃キシレン中で24時間抽出した後、
残渣を乾燥して、その重さを計り、式[ゲル分率=(残
渣重量/試料重量)×100(%)]により求めた値で
ある。厚み方向の架橋度(ゲル分率)の差は、発泡シー
トを表層より厚み0.5mmづつスライスして、各スラ
イスシートのゲル分率を測定し、各測定値の差の内の最
大値で定義される値である。発泡倍率を測定する際の表
層部とは、発泡シートの表面から0.5mmまでの厚み
部分であり、中央部とは、中央の0.5mmの厚み部分
である。〕
【0009】また、本発明によれば、ポリプロピレン系
樹脂40〜100重量%とポリエチレン系樹脂0〜60
重量%とを含有するポリオレフィン系樹脂から形成され
たシート状の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体におい
て、(c)表層部の膨潤比に対する中央部の膨潤比の割
合が0.85以上1.00未満で、(d)表層部の架橋
度(ゲル分率)の方が中央部の架橋度よりも大きく、か
つ、厚み方向の架橋度の差が2.0超過であることを特
徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が提供され
る。〔ただし、膨潤比は、試料100mgを精秤し、1
20℃キシレン中で24時間抽出した残渣がキシレンで
膨潤している時の重量を計り、次いで、これを乾燥した
後重さを計り、式[膨潤比=残渣の膨潤時重量/残渣の
乾燥後重量]により求めた値である。表層部の膨潤比に
対する中央部の膨潤比の割合は、発泡シートの表面から
0.5mmまでの厚み部分の膨潤比と、中央の0.5m
mの厚み部分の膨潤比を測定し、中央部の膨潤比/表層
部の膨潤比を算出する。ゲル分率は、試料100mgを
精秤し、120℃キシレン中で24時間抽出した後、残
渣を乾燥して、その重さを計り、式[ゲル分率=(残渣
重量/試料重量)×100(%)]により求めた値であ
る。架橋度を測定する際の表層部とは、発泡シートの表
面から0.5mmまでの厚み部分であり、中央部とは、
中央の0.5mmの厚み部分である。〕 更に、本発明によれば、前記架橋ポリオレフィン系樹脂
発泡体に表皮材を積層してなる積層体、及び前記架橋ポ
リオレフィン系樹脂発泡体の一面に表皮材、他面に熱可
塑性樹脂を積層してなる成形体が提供される。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明における(a)厚み方向の架橋度(ゲル分率)の差
が2.0重量%以下で、(b)表層部の見掛けの発泡倍
率(倍)が、中央部の見掛けの発泡倍率の60%以下で
ある架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、高温での高
度の伸びと耐熱性を付与するために、ポリプロピレン系
樹脂40〜100重量%とポリエチレン系樹脂60〜0
重量%とを含むポリオレフィン系樹脂を用い(ポリエチ
レン系樹脂は、圧縮に対する抵抗性を上げるために使用
する)、アバタ現象を抑え、剥離強度・高温伸度を維
持するために、厚み方向の架橋度の差を2.0重量%以
下とし、かつ、表層付近のみかけの発泡倍率が中央部に
対して60%以下、好ましくは表層部の発泡倍率を15
倍以下にして、表層付近の強度を高めている。
【0011】このような発泡体を得るには、未架橋発泡
性シートを得る際、表層側の発泡剤濃度を中央部に対し
て抑えて、強制的に発泡倍率の上昇を抑える方法を採用
することが好ましい。そのための手段としては、(i)
複数の押出機等を用い、発泡剤濃度の異なる発泡性ポリ
オレフィン系樹脂組成物をそれぞれ押出機より共押出
し、積層品を得る方法、(ii)発泡剤濃度が異なる発
泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を予めシート状に成形
し、これらの複数のシートを積層した後に、ホットプレ
スして積層体を得る方法等があるが、これに限定される
ものではない。これらの積層体は、架橋・発泡される。
【0012】本発明の(c)表層部の膨潤比に対する中
央部の膨潤比の割合が0.85以上1.00未満で、
(d)表層部の架橋度(ゲル分率)の方が中央部の架橋
度よりも大きく、かつ、厚み方向の架橋度の差が2.0
重量%超過である架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、
高温での高度の伸びと耐熱性を付与するために、ポリ
プロピレン系樹脂40〜100重量%とポリエチレン系
樹脂60〜0重量%とを含むポリオレフィン系樹脂を用
い(ポリエチレン系樹脂は、圧縮に対する抵抗性を上げ
るために使用する)、アバタ現象を抑え、剥離強度・
高温伸度を維持するために、表層部の膨潤比に対する中
央部の膨潤比の割合を0.85以上1.00未満とし、
表層部の架橋度(ゲル分率)を中央部よりも大きく、か
つ、厚み方向の架橋度の差を2.0重量%超過として、
表層側の発泡倍率の上昇を抑え、表層付近の強度を高め
ている。
【0013】このような発泡体を得るには、未架橋発泡
性シートを得る際、表層側の架橋助剤濃度を中央部に対
して上げ、強制的に発泡倍率の上昇を抑えて、表層付近
の強度を高める方法を採用することが好ましい。そのた
めの手段としては、(i)複数の押出機等を用い、架橋
助剤濃度の異なる発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を
それぞれ押出機より共押出し、積層品を得る方法、(i
i)架橋助剤濃度が異なる発泡性ポリオレフィン系樹脂
組成物を予めシート状に成形し、これらの複数のシート
を積層した後に、ホットプレスして積層体を得る方法等
があるが、これに限定されるものではない。これらの積
層体は、架橋・発泡される。
【0014】各層のポリプロピレン系樹脂発泡体を製造
する方法としては、先ず、ポリプロピレン系樹脂組成物
に対して、熱分解型発泡剤、及び架橋助剤、更に所望に
より老化防止剤、顔料、その他の添加剤を混合し、熱分
解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融成形して未発泡
シートを製造する。次に、電離性放射線または化学架橋
剤により未発泡シートを架橋させる。未発泡シートは、
架橋後、または架橋と同時に、熱分解型発泡剤の分解温
度以上に加熱して発泡させる。架橋助剤としては、例え
ば、ジビルベンゼン、ジアリルベンゼン、ジビニルナフ
タレン、ポリエチレンジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌ
レート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート等が
挙げられる。これらの架橋助剤は、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上を組み合わせて用い、ポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して、通常、1.0〜30重量
部、好ましくは2.0〜15重量部の割合で用いられ
る。
【0015】有機過酸化物と上記架橋助剤を組み合わせ
て化学架橋することもできる。有機過酸化物としては、
例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げら
れる。有機過酸化物は、ポリオレフィン系樹脂100重
量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましく
は0.05〜5重量部の割合で用いられる。なお、各層
に部分的な架橋度差をつける場合には、電離性放射線と
化学架橋を併用してもよい。発泡体の全体の架橋度(ゲ
ル分率)は、通常、20〜75重量%、好ましくは発泡
時の安定性を考慮して30〜65重量%である。
【0016】ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロ
ピレンホモポリマー、プロピレンが50重量%以上、好
ましくは85重量%以上のプロピレンとエチレン等との
ブロックコポリマー、エチレン等とのランダムコポリマ
ー、エチレンやブテン等とのターポリマー、及びこれら
の2種以上の混合物などが挙げられる。プロピレンと共
重合するエチレン以外のモノマーとしては、例えば、1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテン、1−ペンテンなどのα−オレフィンが挙
げられる。ポリプロピレン系樹脂のメルトインデックス
(MI)は、通常、0.3〜10であり、耐熱性、高温
伸度を付与するために好ましくは0.4〜2.0の範囲
である。なお、MIは、JIS K7211に従って測
定した値である。
【0017】ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低
密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン
(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状
低密度ポリエチレン(L−LDPE)、超低密度ポリエ
チレン(V−LDPE)などが挙げられる。これらの中
でも、MIが1.0〜20のもので、かつ、特に高温伸
度を付与するためにはL−LDPEが望ましい。
【0018】熱分解型発泡剤としては、本発明で用いら
れるポリオレフィン系樹脂の溶融温度よりも高い分解温
度を有するものであれば特に限定されない。その具体例
としては、アゾジカルボンアミド、ヒドラゾジカルボン
アミド、アゾジカルボン酸アミド、アゾジカルボン酸バ
リウム塩、ジニトロソペンタエチレンテトラミン、ニト
ロソグアニジン、p,p−オキシビスベンゼンスルホニ
ルセミカルバジド、トリヒドラジンシンメトリックトリ
アジン、ビスベンゼンスルホニルヒドラジドバリウムア
ゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、
トリエンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。これら
の中でも、発泡安定性の観点からアゾジカルボンアミド
が好ましい。これらの発泡剤は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができ、ポリ
オレフィン系樹脂100重量部に対して、通常、1〜3
0重量部、好ましくは2〜15重量部の範囲内で、所望
の発泡倍率に応じて適宜使用される。
【0019】本発明で用いられる表皮材は、布系では、
ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系等の合成繊
維やセルロース系等の天然繊維を挙げることができ、樹
脂系では、塩化ビニル系樹脂、熱可塑性エラストマー等
を挙げることができる。これらの表比材は、使用目的に
応じて適宜選択使用される。表皮材の発泡体に対する積
層方法としては、接着剤の使用、熱ラミネート、押出ラ
ミネート等の任意の方法を採用することができる。
【0020】未発泡シートの各層の厚みは、通常、0.
1mm以上であり、各層の厚み比としては、中央部/表
層部=2以上である。この厚み比が、2未満で中央部が
薄くなると、中央部の効果が薄れ、厚み方向に発泡倍率
の分布、あるいは架橋度の分布を付与することが困難と
なる。なお、表層部の発泡倍率を抑える場合には、表層
部の発泡剤の配合割合は、ポリオレフィン系樹脂100
重量部に対して7重量部以下に抑えることが望ましい。
【0021】ところで、発泡シートの表層部の厚み及び
中央部の厚みは、発泡シート全体の厚みによっても異な
る。そこで、本発明において、見掛けの発泡倍率、膨潤
比、及び架橋度(ゲル分率)を測定する際における表層
部とは、発泡シートの表面から0.5mmまでの厚み部
分を指すものとする。また、この際の中央部とは、発泡
シートの中央の0.5mmの厚み部分を指すものとす
る。なお、以下の実施例及び比較例では、表層部及び中
央部について、各0.5mm厚のスライスシートを作成
し、それぞれ見掛けの発泡倍率、膨潤比、及び架橋度
(ゲル分率)を測定した。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、各物性の測定法
は、以下のとおりである。 (1)架橋度(ゲル分率) 試料100mgを精秤し、120℃キシレン中で24時
間抽出した後、残渣を乾燥して、その重さを計り、ゲル
分率を次式で求めた。 ゲル分率=(残渣重量/試料重量)×100(%) (2)厚み方向のゲル分率の差 発泡シートを表層より0.5mmづつスライスし、各ス
ライスシートのゲル分率を測定し、各ゲル分率の最大差
を求めた。
【0023】(3)発泡シートの凹凸の有無 発泡シートの表面を目視により観察し、凹凸の発生(ア
バタ現象)の有無を確認した。 (4)真空成形性 発泡シート(試料10枚)を用いて、シート表面が18
0℃になるように加熱して、成形絞り比(深さ/直径1
00mm)0.80の円筒状の凹型で真空成形し、発泡
性シートが破れることなくカップ型に成形できた成形品
の数を求めた。全ての成形品がカップ型に成形できた場
合(10個/10個)を合格とし、それ以外の場合(1
個/10個〜9個/10個)を不合格とした。
【0024】(5)PVC積層シートの凹凸の有無 発泡シートの片面にウレタン系接着剤を塗布し乾燥した
後、塗布面を加熱し、軟質塩化ビニル樹脂シート(厚さ
0.4mm)からなる表皮材を貼り合わせて圧着し、表
皮材付き発泡シートを作成した。表皮材面を目視により
観察し、凹凸の発生(アバタ現象)の有無を確認した。 (6)圧縮成形性 前記表皮材付き発泡シート(試料10枚)を用い、発泡
シート表面が180℃になるように加熱して、図1に示
すような試験用剪断金型を用いて、この金型のクリアラ
ンスを1.0mmに設定して圧縮成形試験を行い、ふく
れが生じることのない試料の数を求めた。全ての試料に
ふくれの生じがない場合(10個/10個)を合格と
し、それ以外の場合(1個/10個〜9個/10個)を
不合格とした。
【0025】(7)スタンピング成形性 前記表皮材付き発泡シート(試料10枚)を用い、発泡
シート表面が190℃になるように加熱して、絞り比
(深さ/直径100mm)0.60の円筒状の凹型で予
め真空成形し、これに溶融した210℃のポリプロピレ
ン樹脂からなる骨材を供給し、凸型で型押ししてホット
スタンピング成形を行った。得られた成形品(10個)
について、発泡シート内に骨材樹脂が部分的に侵入した
り、この侵入した骨材樹脂により発泡シートが部分的に
ちぎれることのない場合(10個/10個)を合格と
し、それ以外の場合(1個/10個〜9個/10個)を
不合格とした。
【0026】(8)膨潤比 試料100mgを精秤し、120℃キシレン中で24時
間抽出した残渣がキシレンで膨潤している時の重量を計
り、次いで、これを乾燥した後重さを計り、次式により
膨潤比を求める。 膨潤比=残渣の膨潤時重量/残渣の乾燥後重量 表層部の膨潤比に対する中央部の膨潤比の割合は、発泡
シートの表面から0.5mmまでの厚み部分の膨潤比
と、中央の0.5mmの厚み部分の膨潤比を測定し、中
央部の膨潤比/表層部の膨潤比を算出する。
【0027】[実施例1]ポリプロピレン系樹脂(MI
=1.0、エチレン含有量=3.6重量%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体)60重量部とポリエチレ
ン系樹脂(MI=8.0、密度=0.920g/cm3
の線状低密度ポリエチレン)40重量部とを混合して、
ポリオレフィン系樹脂を調製した。このポリオレフィン
系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤としてアゾジカ
ルボンアミド5.0重量部、架橋助剤としてトリメチロ
ールプロパントリメタクリレート1.5重量部と1,9
−ノナンジオールジメタクリレート1.5重量部、及び
酸化防止剤0.5重量部を配合して、シート表層部(両
面のA層及びC層)用の樹脂配合物を調製した。一方、
このポリオレフィン系樹脂に、熱分解型発泡剤としてア
ゾジカルボンアミド10.0重量部、架橋助剤としてト
リメチロールプロパントリメタクリレート1.5重量部
と1,9−ノナンジオールジメタクリレート1.5重量
部、及び酸化防止剤0.5重量部を配合して、シート中
央部(B層)用の樹脂配合物を調製した。
【0028】これらの樹脂配合物を、押出機3機用いて
発泡剤の分解温度以下で同時に押出し、各層の厚み比が
A(表層)/B(中央層)/C(表層)=1/8/1
で、シート全体の厚みが1.5mmとなるようにシート
状に成形し、発泡性シートを得た。この発泡性シートに
電子線800KVを両面から合わせて1.2Mrad照
射して樹脂を架橋させ、これを280℃の熱風式発泡炉
で加熱し発泡させて、架橋樹脂発泡シートを得た。この
架橋樹脂発泡シートは、厚みが3mmで、発泡倍率が2
5倍、架橋度(ゲル分率)が35重量%であった。この
架橋樹脂発泡シートを表層より0.5mmづつスライス
して6枚のシートを得た。この6枚のスライスシートの
架橋度の差の最大値(厚み方向のゲル分率の差)は、
1.5重量%であった。また、このスライスシートの表
層部の発泡倍率は、12倍であり、中央部の発泡倍率
は、28倍であった。結果を表1に示す。
【0029】[実施例2]シート表層部(A層及びC
層)には、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド
6.0重量部を配合した樹脂配合物を使用し、シート中
央部(B層)には、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボ
ンアミド9.0重量部を配合した樹脂配合物を使用し
て、各層の厚み比をA(表層)/B(中心層)/C(表
層)=1/3/1としたこと以外は、実施例1と同様に
して、架橋樹脂発泡シートを得た。この架橋樹脂発泡シ
ートは、厚みが3mmで、発泡倍率が25倍、架橋度
(ゲル分率)が35重量%であった。この架橋樹脂発泡
シートを表層より0.5mmづつスライスして6枚のシ
ートを得た。この6枚のスライスシートの架橋度の差の
最大値(厚み方向のゲル分率の差)は、1.3重量%で
あった。また、このスライスシートの表層部の発泡倍率
は、13倍であり、中央部の発泡倍率は、27倍であっ
た。結果を表1に示す。
【0030】[比較例1〜4]実施例1において、表1
に示すようにシートの厚み方向の発泡剤濃度は均一に
し、照射線量、加熱発泡条件等を変更して、表1に示す
架橋樹脂発泡シートを調製した。ただし、比較例4で
は、照射の際、電子線800KVを両面から合わせて
0.9Mrad、次いで、300KVを片面から1.0
Mrad照射して架橋させ、PVCシートとの貼り合わ
せの際、2回目に照射した面に貼り合わせた。結果を表
1に示す。
【0031】
【表1】 (*1)アゾジカルボンアミド (*2)トリメチロールプロパントリメタクリレート (*3)1,9−ノナンジオールジメタクリレート
【0032】[実施例3]ポリプロピレン系樹脂(MI
=1.0、エチレン含有量=3.6重量%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体)60重量部とポリエチレ
ン系樹脂(MI=8.0、密度=0.920g/cm3
の線状低密度ポリエチレン)40重量部とを混合して、
ポリオレフィン系樹脂を調製した。このポリオレフィン
系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤としてアゾジカ
ルボンアミド3.0重量部、架橋助剤としてトリメチロ
ールプロパントリメタクリレート1.5重量部と1,9
−ノナンジオールジメタクリレート1.5重量部、及び
酸化防止剤0.5重量部を配合して、シート表層部(A
層及びC層)用の樹脂配合物を調製した。一方、このポ
リオレフィン系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤と
してアゾジカルボンアミド7.0重量部、架橋助剤とし
てトリメチロールプロパントリメタクリレート1.5重
量部と1,9−ノナンジオールジメタクリレート1.5
重量部、及び酸化防止剤を配合して、シート中央部(B
層)用の樹脂配合物を調製した。
【0033】これらの樹脂配合物を、押出機3機用いて
発泡剤の分解温度以下で同時に押出し、各層の厚み比が
A(表層)/B(中央層)/C(表層)=1/8/1
で、シート全体の厚みが1.5mmとなるようにシート
状に成形し、発泡性シートを得た。この発泡性シートに
電子線800KVを両面から合わせて4.0Mrad照
射して樹脂を架橋させ、これを280℃の熱風式発泡炉
で加熱し発泡させて、架橋樹脂発泡シートを得た。この
架橋樹脂発泡シートは、厚さが3mmで、発泡倍率が1
5倍、架橋度(ゲル分率)が60重量%であった。この
架橋樹脂発泡シートを表層より0.5mmづつスライス
して6枚のシートを得た。この6枚のスライスシートの
架橋度の差の最大値(厚み方向のゲル分率の差)は、
1.1重量%であった。また、このスライスシートの表
層部の発泡倍率は、7倍であり、中央部の発泡倍率は、
17.5倍であった。結果を表2に示す。
【0034】[実施例4]シート表層部(A層及びC
層)には、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド
4.0重量部を配合した樹脂配合物を使用し、シート中
央部(B層)には、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボ
ンアミド6.5重量部を配合した樹脂配合物を使用し
て、各層の厚み比をA(表層)/B(中心層)/C(表
層)=1/3/1としたこと以外は、実施例3と同様に
して、架橋樹脂発泡シートを得た。この架橋樹脂発泡シ
ートは、厚さが3mmで、発泡倍率が15倍、架橋度
(ゲル分率)が61重量%であった。この架橋樹脂発泡
シートを表層より0.5mmづつスライスして6枚のシ
ートを得た。この6枚のスライスシートの架橋度の差の
最大値(厚み方向のゲル分率の差)は、0.9重量%で
あった。また、このスライスシートの表層部の発泡倍率
は、8倍であり、中央部の発泡倍率は、17倍であっ
た。結果を表2に示す。
【0035】[比較例5〜6]実施例3において、表2
に示すようにシートの厚み方向の発泡剤濃度は均一に
し、照射線量、加熱発泡条件等を変更して、表2に示す
架橋樹脂発泡シートを調製した。ただし、比較例6で
は、照射の際、電子線800KVを両面から合わせて
3.5Mrad、次いで、300KVを両面から2.8
Mrad照射して樹脂を架橋させている。結果を表2に
示す。
【0036】
【表2】 (*1)アゾジカルボンアミド (*2)トリメチロールプロパントリメタクリレート (*3)1,9−ノナンジオールジメタクリレート
【0037】[実施例5]ポリプロピレン系樹脂(MI
=1.0、エチレン含有量=3.6重量%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体)60重量部とポリエチレ
ン系樹脂(MI=8.0、密度=0.920g/cm3
の線状低密度ポリエチレン)40重量部とを混合して、
ポリオレフィン系樹脂を調製した。このポリオレフィン
系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤としてアゾジカ
ルボンアミド9.0重量部、架橋助剤としてトリメチロ
ールプロパントリメタクリレート1.7重量部と1,9
−ノナンジオールジメタクリレート1.8重量部、及び
酸化防止剤0.5重量部を配合して、シート表層部(A
層)用の樹脂配合物を調製した。また、このポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤としてアゾ
ジカルボンアミド9.0重量部、架橋助剤としてトリメ
チロールプロパントリメタクリレート1.5重量部と
1,9−ノナンジオールジメタクリレート1.5重量
部、及び酸化防止剤0.5重量部を配合して、シート中
央部(B層)用の樹脂配合物を調製した。さらに、この
ポリオレフィン系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤
としてアゾジカルボンアミド9.0重量部、架橋助剤と
してトリメチロールプロパントリメタクリレート1.4
重量部と1,9−ノナンジオールジメタクリレート1.
4重量部、及び酸化防止剤0.5重量部を配合して、他
面のシート表層部(C層)用の樹脂配合物を調製した。
【0038】これらの樹脂配合物を、押出機3機用いて
発泡剤の分解温度以下で同時に押出し、各層の厚み比が
A(表層)/B(中央層)/C(表層)=1/8/1
で、シート全体の厚みが1.5mmとなるようにシート
状に成形し、発泡性シートを得た。この発泡性シートに
電子線800KVを両面から合わせて1.0Mrad照
射して樹脂を架橋させ、これを280℃の熱風式発泡炉
で加熱し発泡させて、架橋樹脂発泡シートを得た。この
架橋樹脂発泡シートは、厚さが3mmで、発泡倍率が2
5倍、架橋度(ゲル分率)が35重量%であった。この
架橋樹脂発泡シートの中央部の膨潤比/表層部の膨潤比
は0.90であった。0.5mm間隔でスライスした6
枚のスライスシートの架橋度の差の最大値(厚み方向の
ゲル分率の差)は、3重量%であった。この架橋樹脂発
泡シートのA層の面にPVCシートを貼り合わせてPV
C積層シートを作成した。結果を表3に示す。
【0039】[実施例6]シート表層部(A層)には、
表3に示すように、架橋助剤としてトリメチロールプロ
パントリメタクリレート1.0重量部と1,9−ノナン
ジオールジメタクリレート2.2重量部とジビニルベン
ゼン0.33重量部とを配合した樹脂配合物を使用し、
シート中央部(B層)と他方の表層部(C層)には、架
橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレー
ト0.9重量部と1,9−ノナンジオールジメタクリレ
ート2.0重量部とジビニルベンゼン0.3重量部とを
配合した樹脂配合物を使用し、各層の厚み比をA(表
層)/B(中央層)/C(表層)=1/3/1としたこ
と以外は、実施例5と同様にして架橋樹脂発泡シートを
作成した。この架橋樹脂発泡シートは、厚さが3mm
で、発泡倍率が25倍、架橋度(ゲル分率)が35重量
%であった。この架橋樹脂発泡シートの中央部の膨潤比
/表層部の膨潤比は0.91であった。5mm間隔でス
ライスした6枚のスライスシートの架橋度の差の最大値
(厚み方向のゲル分率の差)は、3重量%であった。こ
の架橋樹脂発泡シートのA層の面にPVCシートを貼り
合わせてPVC積層シートを作成した。結果を表3に示
す。
【0040】[比較例7〜10]実施例5において、表
3に示すように、シートの厚み方向の架橋助剤濃度は均
一にし、照射線量、照射回数、加熱発泡条件等を変更し
て、表3に示す架橋樹脂発泡シートを作成した。ただ
し、比較例10では、照射の際、電子線800KVを両
面から合わせて0.8Mrad、続いて300KVを片
面から1Mrad照射して樹脂を架橋させ、PVCに貼
り合わせる際、2回目に照射した面に貼り合わせた。結
果を表3に示す。
【0041】
【表3】 (*1)アゾジカルボンアミド (*2)トリメチロールプロパントリメタクリレート (*3)1,9−ノナンジオールジメタクリレート (*4)ジビニルベンゼン
【0042】[実施例7]ポリプロピレン系樹脂(MI
=1.0、エチレン含有量=3.6重量%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体)60重量部とポリエチレ
ン系樹脂(MI=8.0、密度=0.920g/cm3
の線状低密度ポリエチレン)40重量部とを混合して、
ポリオレフィン系樹脂を調製した。このポリオレフィン
系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤としてアゾジカ
ルボンアミド6.0重量部、架橋助剤としてトリメチロ
ールプロパントリメタクリレート1.7重量部と1,9
−ノナンジオールジメタクリレート1.8重量部、及び
酸化防止剤0.5重量部を配合して、シート表層部(A
層)用の樹脂配合物を調製した。また、このポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤としてアゾ
ジカルボンアミド6.0重量部、架橋助剤としてトリメ
チロールプロパントリメタクリレート1.5重量部と
1,9−ノナンジオールジメタクリレート1.5重量
部、及び酸化防止剤0.5重量部を配合して、シート中
央部(B層)用の樹脂配合物を調製した。さらに、この
ポリオレフィン系樹脂100重量部に、熱分解型発泡剤
としてアゾジカルボンアミド6.0重量部、架橋助剤と
してトリメチロールプロパントリメタクリレート1.4
重量部と1,9−ノナンジオールジメタクリレート1.
4重量部、及び酸化防止剤0.5重量部を配合して、他
面のシート表層部(C層)用の樹脂配合物を調製した。
【0043】これらの樹脂配合物を、押出機3機用いて
発泡剤の分解温度以下で同時に押出し、各層の厚み比が
A(表層)/B(中央層)/C(表層)=1/8/1
で、シート全体の厚みが1.5mmとなるようにシート
状に成形し、発泡性シートを得た。この発泡性シートに
電子線800KVを両面から合わせて4.0Mrad照
射して樹脂を架橋させ、これを280℃の熱風式発泡炉
で加熱し発泡させて、架橋樹脂発泡シートを得た。この
架橋樹脂発泡シートは、厚さが3mm、発泡倍率が15
倍で、架橋度(ゲル分率)が60重量%であった。この
架橋樹脂発泡シートの中央部の膨潤比/表層部の膨潤比
は0.89であった。5mm間隔でスライスした6枚の
スライスシートの架橋度の差の最大値(厚み方向のゲル
分率の差)は、3.5重量%であった。この架橋樹脂発
泡シートのA層の面にPVCシートを貼り合わせてPV
C積層シートを作成した。結果を表4に示す。
【0044】[実施例8]表4に示すように、シート表
層部(A)には、架橋助剤としてトリメチロールプロパ
ントリメタクリレート1.0重量部と1,9−ノナンジ
オールジメタクリレート2.2重量部とジビニルベンゼ
ン0.33重量部を配合した樹脂配合物を使用し、シー
ト中央部(B層)及びもう一方の表層部(C層)には、
架橋助剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレ
ート0.9重量部と1,9−ノナンジオールジメタクリ
レート2.0重量部とジビニルベンゼン0.3重量部と
を配合した樹脂配合物を使用し、各層の厚み比をA(表
層)/B(中央層)/C(表層)=1/3/1にしたこ
と以外は、実施例7と同様にして、架橋樹脂発泡シート
を作成した。この架橋樹脂発泡シートは、厚さが3m
m、発泡倍率が15倍で、架橋度(ゲル分率)が61重
量%であった。この架橋樹脂発泡シートの中央部の膨潤
比/表層部の膨潤比は0.90であった。5mm間隔で
スライスした6枚のスライスシートの架橋度の差の最大
値(厚み方向のゲル分率の差)は、3重量%であった。
この架橋樹脂発泡シートのA層の面にPVCシートを貼
り合わせてPVC積層シートを作成した。結果を表4に
示す。
【0045】[比較例11〜12]実施例7において、
シートの厚み方向の発泡剤濃度は均一にし、照射線量、
加熱発泡条件等を変更して、表4に示す架橋樹脂発泡シ
ートを作成した。ただし、比較例12では、照射の際、
電子線800KVを両面から合わせて3.5Mrad、
続いて300KVを両面から合わせて2.8Mrad照
射して樹脂を架橋させた。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】 (*1)アゾジカルボンアミド (*2)トリメチロールプロパントリメタクリレート (*3)1,9−ノナンジオールジメタクリレート (*4)ジビニルベンゼン
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、高温伸度に優れ、フク
レ現象やアバタ現象の不具合が生じない、真空成形やス
タンピング成形などの成形性に優れた発泡体を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、圧縮成形試験用の剪断金型とそれを用
いた試験方法を示す断面図である。
【符号の説明】
10:剪断金型 11:上型 12:下型 20:表皮材付き架橋樹脂発泡シート 21:表皮材 22:架橋樹脂発泡シート 30:クランプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂40〜100重量
    %とポリエチレン系樹脂0〜60重量%とを含有するポ
    リオレフィン系樹脂から形成されたシート状の架橋ポリ
    オレフィン系樹脂発泡体において、(a)厚み方向の架
    橋度(ゲル分率)の差が2.0重量%以下で、(b)表
    層部の見掛けの発泡倍率(倍)が、中央部の見掛けの発
    泡倍率の60%以下であることを特徴とする架橋ポリオ
    レフィン系樹脂発泡体。〔ただし、ゲル分率は、試料1
    00mgを精秤し、120℃キシレン中で24時間抽出
    した後、残渣を乾燥して、その重さを計り、式[ゲル分
    率=(残渣重量/試料重量)×100(%)]により求
    めた値である。厚み方向の架橋度(ゲル分率)の差は、
    発泡シートを表層より厚み0.5mmづつスライスし
    て、各スライスシートのゲル分率を測定し、各測定値の
    差の内の最大値で定義される値である。発泡倍率を測定
    する際の表層部とは、発泡シートの表面から0.5mm
    までの厚み部分であり、中央部とは、中央の0.5mm
    の厚み部分である。〕
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂40〜100重量
    %とポリエチレン系樹脂0〜60重量%とを含有するポ
    リオレフィン系樹脂から形成されたシート状の架橋ポリ
    オレフィン系樹脂発泡体において、(c)表層部の膨潤
    比に対する中央部の膨潤比の割合が0.85以上1.0
    0未満で、(d)表層部の架橋度(ゲル分率)の方が中
    央部の架橋度よりも大きく、かつ、厚み方向の架橋度の
    差が2.0重量%超過であることを特徴とする架橋ポリ
    オレフィン系樹脂発泡体。〔ただし、膨潤比は、試料1
    00mgを精秤し、120℃キシレン中で24時間抽出
    した残渣がキシレンで膨潤している時の重量を計り、次
    いで、これを乾燥した後重さを計り、式[膨潤比=残渣
    の膨潤時重量/残渣の乾燥後重量]により求めた値であ
    る。表層部の膨潤比に対する中央部の膨潤比の割合は、
    発泡シートの表面から0.5mmまでの厚み部分の膨潤
    比と、中央の0.5mmの厚み部分の膨潤比を測定し、
    中央部の膨潤比/表層部の膨潤比を算出する。ゲル分率
    及び厚み方向の架橋度の差の測定方法は、前記と同じで
    ある。ただし、架橋度を測定する際の表層部とは、発泡
    シートの表面から0.5mmまでの厚み部分であり、中
    央部とは、中央の0.5mmの厚み部分である。〕
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の架橋ポリオレフ
    ィン系樹脂発泡体に表皮材を積層してなる積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の架橋ポリオレフ
    ィン系樹脂発泡体の一面に表皮材、他面に熱可塑性樹脂
    を積層してなる成形体。
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