JP2001310432A - 積層複合発泡体 - Google Patents

積層複合発泡体

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JP2001310432A
JP2001310432A JP2000128106A JP2000128106A JP2001310432A JP 2001310432 A JP2001310432 A JP 2001310432A JP 2000128106 A JP2000128106 A JP 2000128106A JP 2000128106 A JP2000128106 A JP 2000128106A JP 2001310432 A JP2001310432 A JP 2001310432A
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laminated composite
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Shigehiro Inui
成裕 乾
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Noritaka Tsujimoto
典孝 辻本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量高剛性でかつ局部的な圧縮応力に優れた積
層複合発泡体を提供する。 【解決手段】 個々の気泡が厚み方向に配向しているポ
リオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に面材が積層さ
れる。該面材は、ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原
反を加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡力を抑制す
るためのものである。得られた芯材の両面に、木質板、
金属板および合成樹脂板よりなる群から選ばれた少なく
とも一種類の板材が積層・一体化され、積層複合発泡体
が得られる。積層複合発泡体の曲げ弾性率は好ましくは
5000kgf/cm2 以上である。発泡体の発泡倍
率は好ましくは7〜30倍であり、内在する気泡のアス
ペクト比Dz/Dxyの平均値は好ましくは1.1以上
であり、圧縮強度は好ましくは2.0kgf/cm2
以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層複合発泡体に
関し、より詳細には、発泡体を構成する気泡の長軸が厚
み方向に配向しているポリオレフィン系樹脂発泡体を用
いた積層複合発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂発泡体は、軽量
化、耐熱性、柔軟性等に優れるため、各種断熱材、緩衝
材、浮揚材として幅広く使われている。しかし、ポリオ
レフィン系樹脂発泡体は、ポリスチレン系樹脂発泡体と
比較すると、発泡体の圧縮強度、曲げ剛性が小さいの
で、建物の屋上断熱材や、床材、自動車のフロアー下地
材、家具の表面板芯材として、利用することはできなか
った。
【0003】この問題を解決すべく、特開平9−150
431号公報には、熱分解型発泡剤を含有する発泡性ポ
リオレフィン系樹脂シートを加熱発泡させる際に、生じ
る面内方向の発泡力を抑制し得る強度を有する面材が少
なくとも片面に積層されてなる複合発泡体が提案されて
いる。
【0004】この複合発泡体を製造するには、具体的に
は、ポリオレフィン系樹脂と、それと相溶しないシラン
変性ポリオレフィンをブレンドし、このブレンド物に熱
分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた樹脂組成物
をシート状に賦形すると同時に得られた発泡性シートの
少なくとも片面にポリエチレンテレフタレート製不織布
からなる面材を積層し、得られた発泡性複合シート中の
シラン変性ポリオレフィンを水架橋させ、同シートを加
熱発泡させる。
【0005】上記発泡性複合シートは、発泡時に面内方
向の発泡力を抑制しうる強度を有する面材が少なくとも
片面に積層されているため、発泡時、面内の二次元方向
には殆ど発泡せず、厚み方向にのみ発泡する。したがっ
て、得られた発泡体の気泡は、厚み方向にその長軸を配
向した紡錘形、即ちシート厚み方向に直立したラグビー
ボール状になって並ぶ。そのため、同発泡体は、シート
厚み方向に圧縮力を受けると、紡錘形の長軸方向に力が
かかることになるので、厚み方向に高い強度を示す。ま
た、面材の補強効果で、曲げ剛性も強くなる。
【0006】また、従来、家具における表面板として
は、特開平11−46876号公報記載のように、熱硬
化性樹脂と木質ボードの積層体を使用したものが多かっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。
【0008】・発泡性シート原反に面材を連続的に直接
融着する場合、使用可能な面材は比較的柔軟な薄いシー
ト材に限定される。具体的には、不織布、ガラスペーパ
ー、カーボンマット、紙、薄いアルミニウム板等であ
る。このため、複合発泡体が局部的な圧縮応力を受ける
際、応力分散がうまくいかないので、面材が損傷し、芯
材発泡体がダメージを受ける。
【0009】同様に、複合発泡体は局所的な衝撃に弱
く、面材が破壊し、芯材発泡体に損傷を受ける。
【0010】・発泡性シート原反に面材として厚手の板
材を直接融着する場合、原反と板材の融着が困難で、融
着強度の弱い部分から板材の剥離が起こり、原反を厚み
方向に均一に発泡することが困難である。
【0011】・高剛性の板材単体を使用してもよいが、
重量が重いという欠点がある。
【0012】・家具における表面板に熱硬化性樹脂と木
質ボードの積層体を使用すると、リサイクル性が悪い。
【0013】本発明の目的は、上述の諸問題を解決し、
軽量高剛性でかつ局部的な圧縮応力に優れた積層複合発
泡体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による積層複合発
泡体は、個々の気泡が厚み方向に配向しているポリオレ
フィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオレフィ
ン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生じる面
内方向の発泡力を抑制するための面材が積層されてなる
芯材の両面に、木質板、金属板および合成樹脂板よりな
る群から選ばれた少なくとも一種類の板材が積層・一体
化されていることを特徴とするものである。
【0015】積層複合発泡体の曲げ弾性率は好ましくは
5000kgf/cm2 以上である。発泡体の発泡倍
率は好ましくは7〜30倍であり、内在する気泡のアス
ペクト比Dz/Dxyの平均値は好ましくは1.1以上
であり、圧縮強度は好ましくは2.0kgf/cm2
以上である。芯材と板材は、好ましくは、縫製、接着、
熱融着等の接合手法で一体化される。
【0016】以下、本発明を詳細に記載する。
【0017】[発泡体シートの製造法]本発明による積
層複合発泡体の発泡体の製造方法は、特に限定されない
が、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシ
ム化合物、ビスマレイミド、ジビニルベンゼン、アリル
系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマー
およびキノン化合物から選択される少なくとも1種類の
変性用モノマーと溶融混和して得られる変性ポリオレフ
ィン100重量部に対して、アゾジカルボンアミド等の
熱分解型化学発泡剤を2〜20重量部を分散させ、これ
を一旦シート状に成形した後、得られた発泡性シート原
反の少なくとも片面に面材を融着させ、原反を熱分解型
化学発泡剤の分解温度以上に加熱して、該面材によって
面内方向に生じる発泡力を抑制しつつこれを厚み方向に
のみ発泡させる。
【0018】ポリオレフィン系樹脂を上記のように変性
させることで、成形された発泡性シート原反は架橋度が
低いにも拘らず、これを常圧で発泡させ、さらに発泡方
向に異方性を持たせることが可能となる。
【0019】ここで架橋度が低いとはゲル分率が25%
以下であることをいう。一般的にゲル分率の測定は、サ
ンプルの初期重量と、サンプルを120℃の熱キシレン
中で24時間で溶解させたもののゲル分を乾燥させたも
のとの重量比で表現する。
【0020】本発明におけるポリオレフィン系樹脂と
は、オレフィン性モノマーの(共)重合体であり、特に
限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等
のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダム
タイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン
等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の
エチレンを主成分とする共重合体などから選ばれる1種
もしくは2種以上の単体および混合物を意味する。尚、
ここで言う「(共)重合体」とは「重合体」または「共
重合体」を意味する。
【0021】上記ポリオレフィン系樹脂には30重量%
を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、ス
チレン系エラストマーなどがブレンドされていても良
い。しかし30重量%を上回るとポリオレフィンの特徴
(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮できないば
かりか、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難と
なる場合がある。本発明でのポリオレフィン系樹脂とし
ては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種もしく
は2種以上が好適に用いられる。
【0022】熱分解型化学発泡剤は、加熱により分解ガ
スを発生するもので有れば特に限定されるものではな
く、次ぎのものが例示される。アゾジカルボンアミド、
ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,
4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)。こ
れらは単独であるいは2種以上が混合されて用いられ
る。その中でもアゾジカルボンアミドが好適に用いられ
る。
【0023】発泡性シート原反の賦形方法としては、押
出成形の他、プレス成形、ブロー成形、カレンダリング
成形、射出成形など、プラスチックの成形加工で一般的
に行われる方法が適用可能である。しかしスクリュー押
出機より吐出する発泡性樹脂組成物を直接賦形する方法
が、生産性の観点から好ましい。この場合は、一定寸法
幅の連続発泡性シートを得ることができる。
【0024】発泡性シート原反の少なくとも片面に面材
を積層する方法は特に限定されるものではないが、例え
ば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートに面材を加熱
しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを溶融状態
になるまで加熱しておき、これを面材に熱融着する方
法、(ハ)発泡性シートに面材を接着剤で貼り合わせる
方法などが挙げられる。
【0025】発泡性複合シートすなわち芯材の厚み精度
を確保するには方法(イ)または(ハ)が最も好まし
い。方法(ロ)の熱融着法としては、例えば、Tダイか
ら押し出された直後の溶融状態の発泡性シート原反の少
なくとも片面に面材を軽く積層した状態で、これらを対
向状の冷却ロール間を通過させ、ロールの押圧力で両者
を一体化する方法が好ましい。なお、上記のように発泡
性シート原反と面材を積層して一体化するとは、原反と
面材を両者の界面において剥離しようとした場合に、高
い割合で材料破壊が生じる程度に両者が固着されている
状態を意味するものとする。
【0026】ポリオレフィン系樹脂発泡性シート原反の
発泡方向を規制するのに使用される面材は、厚さ1mm
未満のシート材である。その具体例は以下のものがあ
る。
【0027】1)ガラスクロス ガラスクロスの代表例は、ガラス繊維を抄造して得られ
るサーフェイスマット、ガラスロービングが織られて作
成されるものである。サーフェイスマットは、ガラス短
繊維同士を結着するためのバインダーを含んでいてもよ
い。該バインダーは、面材の引張強度が上記範囲を満た
すものであれば特に限定されず、例えば、ポリビニルア
ルコール、飽和ポリエステル、アクリル系樹脂などの熱
可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステルなど
の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0028】2)カーボンマット 3)織布、不織布、寒冷紗、ニードルパンチ これらを構成する有機繊維としてはポリエステル繊維、
アクリル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維
等が挙げられる。また、綿やケナフ等の天然繊維等があ
る。
【0029】4)紙類 紙類としては、パルプ系(セルロース含有量90%以
上)等がある。
【0030】5)薄い鉄系金属シート 薄い鉄系金属シートとしては、溶融亜鉛鋼板や溶融亜鉛
アルミニウム合金鋼板、ステンレス鋼板等がある。
【0031】6)薄い非鉄金属シート 薄い非鉄金属シートとしては、アルミニウム板、チタン
板、銅板等がある。
【0032】面材の厚みは好ましくは1mm以下、より
好ましくは0.3mm以下である。厚みが1mm以上あ
ると、面材の柔軟性が損なわれ、これを芯材に連続的に
貼り付けることが困難となり、また面材を介して発泡性
シートを加熱することが難しくなるため面材と発泡性シ
ートが均一に融着せず剥離等により気泡構造が不均一と
なる。
【0033】発泡性シート原反の発泡は、通常、熱分解
型化学発泡剤の分解温度以上、熱可塑性樹脂の熱分解温
度以下の温度範囲で行われる。特に連続式発泡装置とし
ては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡さ
せる引き取り式発泡器の他、ベルト式発泡器、縦型また
は横型発泡炉、熱風恒温槽など、あるいは熱浴中で発泡
を行うオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが使用
される。
【0034】上記方法で製造された発泡体は、気泡径の
長軸が厚み方向に配列しており、圧縮強度に優れた物性
を示す。
【0035】次に、芯材の両面に積層・一体化される板
材について説明をする。
【0036】芯材は、木質板、金属板および合成樹脂板
よりなる群から選ばれた少なくとも一種類である。芯材
の厚みは好ましくは1mm以上である。
【0037】板材は下記のようなものである。
【0038】1)木質板 木質繊維系ボード これは木質繊維同士を接着材等で固めたものである。具
体的には、インシュレーションボード(A級インシュレ
ーションボード、タタミボード、シュージングボー
ド)、MDF(中質繊維板)、HDF、ハードボード
(硬質繊維板)等が例示される。
【0039】木質チップ系ボード これは木質チップを接着材等で固めたものである。具体
的には、パーティクルボード等が例示される。
【0040】合板および単板積層材 単板を直行積層したものが合板であり、単板を平行積層
したものが単板積層材である。
【0041】縦つぎ材、集成材 引き板をフィンガージョイントで縦継ぎしたものが縦つ
ぎ材であり、引き板を積層したものが集成材である。
【0042】製品材
【0043】2)鉄系金属板 鉄系金属板としては、溶融亜鉛鋼板や溶融亜鉛アルミニ
ウム合金鋼板、ステンレス鋼板等がある。
【0044】3)非鉄金属板 非鉄金属板としては、アルミニウム板、チタン板、銅板
等がある。
【0045】4)合成樹脂板 材料の合成樹脂は熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよ
い。熱可塑性樹脂板の具体例は、ポリエチレンおよびそ
の共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプ
ロピレン、ABS、ポリ塩化ビニル樹脂およびその共重
合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイ
ミド、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂からなる板材であ
る。熱硬化性樹脂板の具体例は、フェノール樹脂、ユリ
ア、ポリウレタン、フェノール等からなる板材である。
【0046】板材が重い場合、芯材に板材を乗せるだけ
でもよいが、芯材と板材を、縫製、接着、熱融着等の接
合手法で一体化するのが好ましい。
【0047】縫製糸としては、引張強さが大きく、伸び
率およびクリーブ率が低いものが好ましい。このような
糸としては、ビニロン紡績糸、ビニロンフィラメント
糸、ポリプロピレン紡績糸、ポリプロピレンフィラメン
ト糸、ポリプロピレンスプリットヤーンが例示される。
【0048】接合一体化のための接着剤としては、酢酸
ビニル樹脂エマルジョン接着剤、アクリルエマルジョン
接着剤、酢酸ビニル共重合エマルジョン接着剤、ポリビ
ニルアルコール接着剤、酢酸ビニル樹脂マスチック接着
剤、ドープセメント、モノマーセメント、塩化ビニル樹
脂接着剤、EVA系ホットメルト接着剤、ポリアミド系
ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着
剤、熱可塑ゴム系接着剤、ウレタンホットメルト接着
剤、合成ゴムSIS系ホットメルト接着剤、クロロプレ
ンゴム系接着剤、合成ゴムラテックス系接着剤、天然ゴ
ム系接着剤、ユリア樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、
フェノール樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ポリウレ
タン系接着剤が好ましい。
【0049】本発明による積層複合発泡体は、軽量高剛
性でかつ局部的な圧縮強度および衝撃強度が大きく、曲
げに強いため、従来、木質系板材が使用されていた、家
具における表面板芯材に最適である。本発明による積層
複合発泡体の使用により表面板芯材としての機能を低下
せずに重量軽減が可能となり、リサイクル性も向上す
る。また、その他の用途としては、自動車のフロアー下
地材、軽量構造材、棚木、建築床のフロアー、ユニット
バスの壁、足場材等がある。
【0050】
【作用】本発明による積層複合発泡体は、上記構成の芯
材とこれを挟む特定材料からなる板材とが積層・一体化
されてなるサンドイッチ構造のものであるので、軽量で
ある上に、曲げ剛性が格段に高く、かつ局部圧縮力、局
部衝撃応力が板材により分散され、耐性が飛躍的に高
い。
【0051】本発明による積層複合発泡体に曲げ応力を
付加したとき、その中心部に引っ張りもしくは圧縮応力
が作用するため、板材として曲げ剛性が強いものを使用
すると、積層複合発泡体全体の曲げ剛性が向上する。
【0052】また、発泡体シートの両面に面材が積層さ
れてなる芯材は、面材の固さがないため、局部的な圧縮
力や、落錘衝撃を受けると面材が損傷し、内部の発泡体
まで損傷するが、芯材に板材を積層することで、局部的
な圧縮および衝撃を面で受けるため、応力が分散し、発
泡体が受けるダメージは非常に小さくなる。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明を実施例によってより具体
的に説明する。
【0054】実施例1 i)発泡性樹脂組成物の製造 (1) 変性ポリオレフィン系樹脂の調製 変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチッ
ク工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を
用いた。これはセルフワイピング2条スクリューを備
え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダ
ーバレルは押出機の上流から下流側へ第1〜4バレルか
らなり、ダイは3穴ストランドダイであり、揮発分を回
収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
【0055】操作条件は下記の通りである。
【0056】 ・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;180℃ 第2バレル;220℃ 第3バレル;220℃ 第4バレル;220℃ ダ イ;220℃ ・スクリュー回転数:150rpm
【0057】上記構成の変性用スクリュー押出機に、ま
ず、ポリオレフィン系樹脂およびジオキシム化合物をそ
の後端ホッパーから別々に投入し両者を溶融混和し、変
性樹脂を得た。このとき、押出機内で発生した揮発分は
真空ベントにより真空引きした。
【0058】ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンラ
ンダム共重合体(三菱化学製「EG8」、MI;0.8
g/10分、密度;0.9g/cm3 )であり、その供
給量は10kg/hとした。
【0059】変性用モノマーはp−キノンジオキシム
(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)であり、
その供給量はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て0.75重量部とした。
【0060】ポリオレフィン系樹脂とジオキシム化合物
の溶融混和によって得られた変性樹脂を、ストランドダ
イから吐出し、水冷し、ペレタイザーで切断して、変性
樹脂のペレットを得た。
【0061】(2) 発泡性樹脂組成物の調製と複合シート
の調製 発泡剤混練用スクリュー押出機はTEX−44型(日本
製鋼所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機であり、
これはセルフワイピング2条スクリューを備え、そのL
/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレ
ルは押出機の上流から下流側へ第1〜12バレルからな
り、成形ダイは出口幅500mm、出口隙間3.5mm
のTダイである。
【0062】温度設定区分は下記の通りである。
【0063】第1バレルは常時冷却 第1ゾーン;第2〜4バレル 第2ゾーン;第5〜8バレル 第3ゾーン;第9〜12バレル 第4ゾーン;ダイおよびアダプター部
【0064】発泡剤を供給するために第6バレルにサイ
ドフィーダーが設置され、揮発分を回収するため第11
バレルに真空ベントが設置されている。
【0065】操作条件は下記の通りである。
【0066】 ・シリンダーバレル設定温度:第1バレル;150℃ 第2バレル;170℃ 第3バレル;180℃ 第4バレル;160℃ ・スクリュー回転数:40rpm
【0067】上述のようにして得られた変性樹脂を反応
用スクリュー押出機から発泡剤混練用スクリュー押出機
に供給した。変性樹脂の供給量は20kg/hとした。
また、同押出機にそのサイドフィーダーから発泡剤を供
給し、分散させた。発泡剤はアゾジカルボンアミド(A
DCA)であり、その供給量は1.2kg/hとした。
【0068】こうして変性樹脂と発泡剤の混練によって
得られた発泡性樹脂組成物を、Tダイから押し出し、3
本冷却ロールに通す際に、発泡性樹脂組成物シートの表
面、裏面の両面に、ポリエチレンテレフタレート製の不
織布(東洋紡績社製、「スパンポンド エクーレ 63
01A」、秤量30g/m2 、引張り強度:縦1.6k
g/cm、横1.2kg/cm)を熱融着し、幅460
mm、厚さ3.4mmのポリオレフィン系樹脂発泡性複
合シートを得た。
【0069】(3) 発泡 得られたポリオレフィン系樹脂発泡複合シートを加熱ゾ
ーンを有する連続発泡機にて、230℃で約8分間加熱
発泡させ、複合発泡体を得た。
【0070】(4) 積層 この複合発泡体を400mm角×34mm厚に切り出し
て芯材を得、この芯材の両面に、高密度木質繊維板(ハ
ードボード)(ニチハフロアー養生板:密度0.95g
/cm3 、400mm角×2mm厚)からなる板材を
積層し、縫着糸(積水成型株式会社製、セキスイ「リー
レン畳糸」#6000S)を使って芯材に板材を縫い合わせ、
接合一体化した積層複合発泡体を作成した。
【0071】実施例2 合成ゴムSIS系ホットメルト接着剤(セキスイエスダ
イン9189GI)をホットメルトガンにて高密度木質
繊維板(ハードボード)(ニチハフロアー養生板:密度
0.95g/cm3 、400mm角×2mm厚)から
なる板材の片面全面にスプレー塗布し、実施例1記載の
複合発泡体からなる芯材の両面に、上記板材を積層し、
積層複合発泡体を作成した。
【0072】実施例3 ポリオレフィン系樹脂延伸シートからなる板材を低密度
ポリエチレンフィルムを介して実施例1記載の複合発泡
体からなる芯材の両面に熱プレス融着し、積層複合発泡
体を作成した。
【0073】比較例1 実施例1記載の複合発泡体を400mm角×厚さ34m
mに切り出し、切り出し片単体を得た。
【0074】比較例2 ダイケン工業社製「インシュレーションボード」(密度
0.30g/cm3)の厚さ10mmのものと厚さ25
mmのものを400mm角に切り出し、得られた切り出
し片を互いに縫い合わせ、厚さ35mmの積層板を得
た。
【0075】性能評価 上記実施例得られた積層複合発泡体および比較例で得ら
れた切り出し片単体および積層板を下記の項目について
性能評価した。
【0076】・局部圧縮試験 JIS A 5914に従い、図1に示す局部圧縮試験
機において、直径25mmの圧入棒(1) の上端に錘り
(2) を静かに載せ、圧入棒(1) と試験片(3) の接触面に
200N(20.4KGF)の荷重が加わるようにす
る。1000時間後の圧入棒(1) の変位を2個のダイヤ
ルゲージで測定し、平均値をもって局部圧縮量とする。
【0077】・落錘衝撃試験 図2に示す落錘衝撃試験機において、長さ1mのガス用
ポリエチレン管(4) (呼び径75mm)を試験片(3) に
垂直に立てて、3kgの錘(5) を1mの高さから、試験
片(3) 上に自由落下させ、変軽量(深さ)を測定した。
【0078】・撓み試験 図3に示す撓み試験機において、試験片(3) のほぼ中央
部分をスパン450mmで左右一対の支点棒(6) によっ
て水平に支持する。試験片(3) の両端部は拘束しないよ
うに左右一対の支持材(7) で水平に支える。スパン45
0mmの中央に加圧棒(8) を介して13.6kgの荷重
を加え、3時間後にスパン中央部の試験片裏面両端の撓
み量を測定した。
【0079】・密度 浮沈法により、密度測定を行った。
【0080】・曲げ弾性率 JIS A9511に従い、試験片の中央部に力を加え
た時の歪みと応力を測定し、その弾性変形領域内の傾き
を弾性率とした。
【0081】・アスペクト比 発泡体の内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平
均値を計測した。
【0082】・圧縮強度 圧縮試験機を使用して圧縮強度を計測した。
【0083】評価結果を表1にまとめて示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【発明の効果】本発明により、軽量である上に、曲げ剛
性が格段に高く、かつ局部圧縮力、局部衝撃応力が板材
により分散され、耐性が飛躍的に高い積層複合発泡体を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】局部圧縮試験機の概略図である。
【図2】落錘衝撃試験機の概略図である。
【図3】撓み試験機の概略図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01D AB01E AK01D AK01E AK03A AK42 AL06 AP00D AP00E AP03 AT00B AT00C BA05 BA10D BA10E DG15 DJ01A DJ04 EC08 EC18 EH17 EJ02 EJ42 GB08 GB81 JA13A JA20A JK01 JK04 JK05A JK07 JL03 YY00 YY00A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個々の気泡が厚み方向に配向しているポ
    リオレフィン系樹脂発泡体シートの両面に、前記ポリオ
    レフィン系樹脂発泡性シート原反を加熱発泡する際に生
    じる面内方向の発泡力を抑制するための面材が積層され
    てなる芯材の両面に、木質板、金属板および合成樹脂板
    よりなる群から選ばれた少なくとも一種類の板材が積層
    ・一体化されていることを特徴とする積層複合発泡体。
  2. 【請求項2】 積層複合発泡体の曲げ弾性率が5000
    kgf/cm2 以上である請求項1記載の積層複合発
    泡体。
  3. 【請求項3】 発泡体の発泡倍率が7〜30倍であり、
    内在する気泡のアスペクト比Dz/Dxyの平均値が
    1.1以上であり、圧縮強度が2.0kgf/cm2
    以上である請求項1または2記載の積層複合発泡体。
  4. 【請求項4】 芯材と板材が縫製により接合一体化され
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の
    積層複合発泡体。
  5. 【請求項5】 芯材と板材が接着により接合一体化され
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の
    積層複合発泡体。
  6. 【請求項6】 家具における表面板芯材として利用され
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の積層
    複合発泡体。
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